昭和vs令和の対決とライブを堪能! 現代に甦った「なめ猫 on STAGE」
が全く予約が取れなくなってしまう、そしてネット用語の「草」など、令和の現代ならではのアイテムや言葉も数多く登場し「令和vs昭和」といった様相を呈す。
とはいえ、本作はいわゆる“ヤンキー”ものではない。「not men not 4」のメンバーたちも不良やツッパリでもなく、ただ昭和のロックを愛し、当時のスタイルをまねているだけで暴力的なケンカのシーンなどはなく、彼らが対峙するヒップホップグループ「ゲルマウス」も同様。原作のなめ猫は暴走族のイメージが強いが、令和の時代に合わせて今回のステージはアップデートされており、戦いはあくまでもバンド対決。終盤のあるシーンで、観客に対して「撮影OK!」と提示するというのも、SNS全盛の現代らしい仕掛けと言える。
そして、なんと言っても魅力的なのがライブシーン。冒頭の「not men not 4」のライブに始まり、中盤、そしてラストまで音楽シーンが満載だが、手島いさむが音楽を担当しているだけあって、楽曲のクオリティは一舞台作品の中にとどめておくにはもったいないほど。
昭和の懐かしさを感じつつ、ライブを堪能できる盛りだくさんな作品となっている。
「なめ猫 on STAGE」は3月1日(水)まで新宿FACEにて上演中。
取材・文:黒豆直樹