板尾創路×松田凌が語る「聖なる怪物」の唯一無二の世界観
撮影:黒豆直樹
気鋭の映画監督・甲斐さやかが、自身のオリジナル脚本で初の舞台演出に挑む「聖なる怪物」が新国立劇場にて3月10日(金)より開幕する。教誨のため刑務所を訪れる神父と、“神”を自称する死刑囚とのやり取りを中心に描く本作。神父を演じる板尾創路、予言めいた発言で彼を惑わす死刑囚を演じる松田凌が取材に応じた。
「途中でタバコ吸う時間もないやん…(苦笑)」――。それが板尾が最初に脚本を読んだ印象だった。神父・山川は全編出ずっぱり。死刑囚・町月をはじめ、教会を訪れる者たちとの対話が続く。
「セリフ、こんなに覚えるの? と思ったけど二度、三度と読むと、セットとか小道具、明かりの様子が物語とマッチしてきて『この世界観の中でお芝居したら面白そうだな』と興味がわいてきました」と作品が持つ世界観に強く惹かれたと明かす。
松田も「読んで全てを理解はできていない気がしたんですけど、それでも引き込まれるもの、吸い込まれるような“何か”を感じました」と明かす。
脚本から感じた「甲斐さんの唯一無二性」を稽古に入ってからも実感しているという。
「セリフひとつ、その場での佇まいひとつで物語の動き方がすごく変わってくるんですけど、ディスカッションしながらみんなで作り上げていく感覚が強いです」。