多くの画家が魅了された、荒々しい海と豊かな大地~『ブルターニュの光と風』開催中
また、白い髪飾りなどの伝統衣装や、伝統行事「パルドン祭」の描写からは、独自の文化を紡いでいる様子が伝わる。
第二章は、19世紀以降、ブルターニュに足を運んだ画家たちによる作品が並ぶ。クールベ、ブーダン、モネ、ゴーギャンなどの習作やスケッチを通し、印象派からナビ派の誕生の流れを見てとることができる。
最後の第三章では、タイトルを「新たな眼差し」として、パリとの関わりを中心に、印象派以降の表現の広がりを紹介していく。スーラ率いる新印象派が開拓した点描法のタッチや、黒を基調とした「パンド・ノワール(黒い一団)」、また20世紀以降のキュビスムなど、さまざまな様式によるブルターニュの風景が見られる。絵画の変化を感じながら、そこに一貫して広がるブルターニュの雄大な自然が、多くの画家たちを魅了していることがわかる。同時に、画家たちの眼差しを通していろんなブルターニュが浮かび上がり、彩り豊かな光と風を堪能した。
本展は、カンペール美術館の作品が中心となっており、各作品のための額縁がまた絵の魅力を力強く支えている。
チケット発売中。
取材・文:河野桃子
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