若手世代を軸に新体制で臨むシン・松竹新喜劇、発進!
実直な植木職人・三次郎と加代子夫婦の話で、三次郎の仕事への思い、加代への思いが胸にしみる人情芝居。見どころは「女房が家を出て行ったあと、ひとりで掃除をするシーン。一切セリフがない中で、女房への思いが伝わってくる。役者の見せどころです」。約60年前の初演から、繰り返し上演されて来た松竹新喜劇の名作。今回は扇治郎が祖父・藤山寛美の当たり役である三次郎に初めて挑む。演出は新派の齋藤雅文。
『三味線に惚れたはなし』は、三味線の音色にのって大工仲間たちが大騒動を巻き起こす、ドタバタまげもの喜劇。
天笑は寛太郎、桃太郎と共に二枚目の大工・鶴吉を演じる。「2.5枚目の役で楽しいです。ただ、都都逸を歌うシーンがあって。頑張りますけど…」。音声だけが残る作品を43年ぶりの上演、天外が再編集し、演出は劇団赤鬼の川浪ナミヲが手掛ける。
天外の父・二代目渋谷天外は、ペンネーム舘直志の劇作家で今年が歿後40年。残された多くの作品をもとに、天外は役者・作者の両面から劇団を支え、若手俳優陣のエネルギーをベテラン、中堅がワンチームの気合で臨む。「2本とも、今、松竹新喜劇の魅力が伝わる一番いい作品。
ここからが松竹新喜劇の新たなスタートなので、感性の豊かな若い世代の人たちにも観てほしい。