櫻井圭登×辻凌志朗 「キノの旅」が教えてくれたこと
“相棒”の辻は「演じる役が難しければ難しいほどヒリヒリとして燃えてくる(笑)」という言葉通り、強い思いを持ってこの作品に挑んだ。
「最初は独りよがりに『どうやろうか?』と考えていたんですが、ふと横を見ると、圭登くんをはじめ、信頼の置ける仲間たちがいました。良い意味で責任から解放されて、自由にやらせてもらえたし、やってみて、演劇だからこそ伝えられたものがあったと感じました」。
キノたちは様々な国を訪れるが、国ごとに文化も慣習も価値観も全く異なり、人々とのやり取りを通じて、愚かさや醜さも含め、人間の姿が描き出されていく。今回の続編でも、現代社会を暗示するような物語が展開する。
本作の魅力について櫻井が「正解がない中で、ひとりひとりに何かを考えさせてくれる」と言えば、辻は「どんなに機器が進歩して生活が便利になっても、実は人間の本質は変わらないんじゃないか? ということを教えてくれる」と頷く。今回の続編で楽しみにしていることは?そう尋ねると櫻井は「今回、キノが笑うシーンがあるんです。そういえば、初演でキノとして笑ったことがなかったなと思って、舞台上でどんな感情になるのか? 今から楽しみです」