ピンク・リバティの新作は、幽霊の姉とその家族の物語
さらに演出の山西やほかの共演者に対しても、「無理をしている瞬間がまったくない、本当に楽しい稽古場です」と笑顔を見せた。
稽古の感触を山西に訊ねた時も、「演出サイドが考えなければいけないことはまだたくさんありますが、キャストの皆さんは現時点ですでに面白いですし、素敵です」と絶賛。続けて「キャスティングやスタッフィングって根本的な演出だと思うんです。最初の読み合わせや顔合わせの段階で、『もう大丈夫やな』と思えるかどうかが大切だと思っていて」と、自分にとって座組の構成がいかに重要かを語った。
フラットな空気は演出家と俳優の間にも流れているようで、山西について岡本は「変な人です」と笑いつつ、「私も想も演劇畑ではないですが、山西さんも映像などいろいろなことをやられてきた人。だから常に味方でいてくれる気がします」と語り、さらに森田も「こちらの状況もすぐにキャッチしてくださり、とてもやりやすい環境を作っていただいていると思います」と山西への信頼の強さを感じさせた。森田、岡本という若手を筆頭に、大石将弘、金子清文、千葉雅子ら演劇界の巧者も参加。「間口の広い作品」と山西も言うように、誰の心にも響く、そんな家族劇が期待出来そうだ。
取材・文:野上瑠美子