ストーリーの良さはもちろん、ゴシックの醍醐味を存分に味わえる衣装や歌・ダンス、照明×小道具による絶妙な光の演出、またフレッシュなキャストたちが演じる登場人物の個性も魅力的だ。
長男・ジョージ(松島勇之介)は生真面目な頑固者。厳格なあまり融通がきかない一面もあるが、どこか応援したくなるひたむきさを持っている。三男・アラン(石川凌雅)は正義感が強く明るい性格。ときに空回りもするが、持ち前の心の熱さ・強さで事態を前に押し進めていく。四男・オリバー(櫻井圭登)は引っ込み思案で怖がり屋。植物を愛する大人しい少年で、ハプニングには弱いが、その実誰にも負けない芯の強さを秘めている。五男・トミー(新谷聖司)は末っ子気質のムードメイカー。
太陽のような明るさを放つ天真爛漫な性格だが、人の気持ちに敏感な繊細さも垣間見える。4者4様の兄弟の姿に、各キャストの表現力が光る。
サプライズ演出も含め、エンタメ要素が盛り沢山の今作。ダークファンタジーやゴシックな世界観が好きな人にぜひお薦めしたい一作だ。上演は11月9日(木)~19日(日)まで、東京・Mixalive TOKYO 6F Theater Mixaにて。
取材・文:豊島オリカ