トリプルファイヤー・吉田靖直が語る!架空のニューアルバム『居場所』の全曲解説
しかし、一番最後に入店すれば、席選びの選択肢がなくなり、自動的に自分の居場所を作ることができます。その卓で全く会話に入れなかったとしても、それは自分のせいではありません。
ラストのサビで繰り返される「別に好き好んでこの席を選んだわけじゃねえし」の咆哮が耳に残る、珠玉の一曲です。
Track02.その水はこちらに寄りすぎている
席に仕切りのないラーメン屋や牛丼屋では、自分の居場所は自分で作り出さなくてはいけません。ボーッとしていると自分のスペースはなくなり、体を傾けたまま飯を食べざるをえない状況に追い込まれます。
水を渡された時点から戦いは始まっています。「少しずつ水をむこうへ寄せるんだ偶然手が当たったかのように」の一節には、Vo.吉田のルーツであるパンクロックの闘争精神が色濃く反映されているといえるでしょう。
Track03.俺はOB
たとえば、サークルや部活のOBが打ち上げに遊びに来たら、実力や実績がなく、大して面白い話をしないOBだとしても、後輩は周りを取り囲み、盛り上げるのが普通です。しかし、昨今は伝統的な年功序列制度が崩れ、せっかくOBとして顔を出したにもかかわらず居場所がない、全く求められていないと感じられるケースも増えました。