あなたは50年後どうしていたい?結局、最期はみんな「おひとりさま」
遠い国の占い師になって、村の娘たちの凡庸な将来を当て続けるおばあちゃん……だいぶ妄想が入っていますが、どんな内容であれ想像するだけならタダだし犯罪にもなりません。
この写真集についてある学芸員の方は、もしこれが「マイ・グランドファザーズ」という男性モデルを主体とした作品集であったら、ここまで多様で面白いものにはならなかったのではないかと話していました。男性の想像する50年後というのは多くの場合、「どこぞの大企業の社長になって、妻や娘や孫に囲まれて裕福に幸せに暮らす」とか、平凡なものに収束していってしまうのではないかと。
いわれてみれば確かに、男の人が妄想のなかでおじいちゃんとなっても、髪の毛を真っ赤に染めて若い恋人とタバコを片手にツーリングしたり、小さな舟を漕いで少女たちの水先案内人になったり、雪が降り積もる異国でたくさんの子供と戯れたり……そういうことは、あまり考えないような気がします。
この写真集、女同士で眺めながら「どれがいい?」なんて話をすると、意外と楽しめるのでおすすめです。
最期はみんな、おひとりさまところで今思い出したんですが、この写真集、「おじいちゃん」が1人も登場しないんですよね。