無理に出そうとしなくていい。存在感は意外なところで出る/誰に見せるでもない爪
第11回:存在感がなくても
「楽しみではあるのですが、うまくやっていけるか、心配です。」
今回の読者投稿は4月から新社会人になる方から。
なんかもう見ただけで若さや眩しさを浴びてしまうのは私だけではないはず。
そんな不安を和らげられるか分からないけど、私の新社会人エピソードといえば「iPhoneの目覚まし」だ。
数年前、新社会人として某社に就職した私は、本社で研修を受けていた。
近くのホテルの各大部屋に約6人ずつ同期が割り振られ、4泊をそこで過ごす。もちろん研修が主なので、そこまで私語はできない。
というか、そうでなくても私はあまり人と話すほうではなく、人との距離を図るまでの気まずさは、居心地の良いものではなかった。
が、そういう気まずさは思いもしなかったきっかけで崩れる。
1泊した朝。おそらく控えめに設定したであろう各々の携帯が鳴る中、私のiPhoneが鳴った。
iPhoneをお持ちの方は目覚ましのサウンドでクラシックの中の「アラーム」を選択して聞いてほしい。
そのけたたましいアラーム音が最大で鳴ったのだ。もはや警告音。
「研修では存在感のなかったあの人がここにきて存在感を」というギャップと、「朝だし眠いし周りからどう思われようと知ったことか」