今6人に1人が相対的貧困!身近なのに見えづらい日本の貧困問題
弟の障がい年金受給のため、生活保護は受けられず、かといって、弟は年金を家に入れないので生活は苦しく、どうにも身動きがとれなくなってしまったそうです。
女性の貧困を考える場合、背景にDVの問題があるという指摘があります。DVは身体的暴力だけとは限らず、精神的、性的、経済的、社会的暴力などもあります。それらが重なって、貧困に追い込まれざるを得ないのが実態なのです。
「貧困」ということばだけではピンとこなかったかもしれませんが、経済的に自立していないためにDVな環境から逃れられなかったり、子どものいることが就労の不利になっていたりするなど、そういった女性の状況は想像することができますよね。
*
貧困とはなにか、支援とはなにか。
大西さんは迷いながらも前を向いて進んでゆく、とあとがきを結んでいます。「きっと社会を変えていくことができると信じて」
より多くの人が「貧困」を自分たちの問題としてとらえ、考えはじめた時、社会は変わりはじめるのかもしれません。
そのためには、まず、知ることがなによりも大事だと気づかせてくれる一冊です。
(文/Kinkiii)
【参考】
※大西連(2015)『すぐそばにある「貧困」』ポプラ社
みずがめ座は「しんどさをバネにする1週間になる」