脳の謎がまたひとつ明らかに!人間は記憶を0.1秒で思い出せる
といった個人的な記憶。これらはそれぞれ、別の回路を使って記憶されています。そのため、思い出すプロセスも異なっているのです。
■思い出すときに大切な領域は海馬と感覚野
ドイツのバーミンガム大学とルール大学の科学者は、記憶の思い出し方について調査するため、被験者の脳をスキャンしました。
科学者たちは脳波の動きから、記憶したり、思い出したりするときの脳のプロセスを研究。驚くべきことに、脳内で思い出そうとする動きが起きるとき、頭頂葉のなかでも感覚野の動きが急激に活発化したのです。
ここは、最初に記憶として脳内に書き込まれた場所。感覚野の初期活性化が、「思い出す」という行為にとって重要であると実証されたのは初めてでした。
バーミンガム大学のサイモン・ハンスルメー博士によると、特にエピソード記憶は個人的な内容なので、海馬内での検索にも時間がかかります。
海馬は脳の中心にある小さな領域で、記憶や空間認識と密接な関係があります。アルツハイマー病などの記憶障害で苦しむ患者に異常が見られる最初の領域のひとつです。
海馬や感覚野など、記憶にとって特に重要な脳内の領域も具体的に明らかになりました。
■記憶プロセス解明は精神病治療につながる
前述のように、rTMSを使用しているときは記憶の回復力が鈍りますが、今回の研究によって、磁石が記憶のプロセスも中断してしまうことがわかりました。