富士山の「一合目」が混乱しそうなくらい高いところにある理由
五合目から登って、一合目に逆戻りですから、もしそんなことをしたら、さぞ登山者はビックリ&ガックリでしょう。
とはいえ、そもそも方角と道が全く異なります。よって、そんな体験をする登山者はいないと思いますが、あえてやればそうなってしまうのです。
■山の合目は定義がない
富士山の不思議は、これだけではありません。富士宮口ルートにも登場してもらいましょう。五合目、そして六合目と普通に登っていきます。そして次は新七合目に着きますよね。
その次は八合目だと思いきや、なんと現れるのは元祖七合目。
元祖とか新とか、何が何だか分かりません。一合目が1,520メートルもある吉田口ですが、八合目付近に宿屋が8軒あります。
それぞれが「我こそは八合目」と名乗っているので、標高というと3,020メートルから3,400メートルまで全部が八合目です。
こうなると、もう無法地帯ですね。
なぜこんなことになるのかというと、合目というのは、特に決まった基準がなく、自由につけていいから。それで、二個も三個も同じ合目ができる現象が起きます。
数字というのは到達の目安にもなりますけど、人間の道具でもあるということを改めて感じますね。
(文/シール坊)