犯罪者の再犯率を44%も低下させる「驚異の表情トレーニング」
まず、被験者である犯罪者たちに、満足、悲しみ、怒り、恐怖など、さまざまな表情の画像を見せます。そしてその後、どのような行動によってそうした表情になったのかを説明させます。
続いて、その表情を鏡の前で真似させるのです。こうすることで、他人の感情を認知レベルで理解できるようにしていくわけです。
■心を理解できないティーンエイジャーの闇
なぜこうしたトレーニングで、高い効果が得られたのでしょう?
実は反社会的行動を示すティーンエイジャーの犯罪者たちには、感情、特に他人の恐れと悲しみを理解できないという特徴があるのです。
このことについて研究しているヴァン・グーゼン教授によると、こうした認知行動療法によるアプローチは費用対効果がよいだけではなく、比較的早い改善が見込めるそうです。
「子どもたちと若者の劣った感情認知能力は、反社会的行動を引き起こすことがあり得ます。感情を持たせ、悲しみや恐れなどの負の感情も認知させるだけで、犯罪の凶悪率は改善されるのです」
若者の再犯が増加すればするほど、社会はどんどん不安定になっていきます。
厳罰化するのではなく更生プログラムを充実させることの重要性は、これからますます高まっていきそうです。