賭博の対象“ムエタイ”がセレブを魅了するスポーツに変貌
2006年にも同大会で優勝して史上初の2度目の王者となり、「史上最強の王者」とも評されたブアカーオ選手は、魔裟斗選手のライバルとして日本でも一世を風靡。容姿も端麗なことから女性ファンの人気も集めた。そんな海外でのブームもあって、タイ国内でもブアカーオ人気に火が付いた。どちらかといえばネガティブなイメージがつきまとっていたムエタイのイメージが、徐々に変わっていった。
写真提供:タイ国政府観光庁
それまでムエタイに興味を持つことなどありえなかった都会の若い女性やセレブたちなども、今ではムエタイの試合を観戦することも珍しくなくなった。ブアカーオ選手の圧倒的な人気が、国技の地位を劇的に変えたのだ。国技のステータスが、海外から「逆輸入」されたような不思議な展開ともいえる。
ムエタイから学ぶ、日本国技のこれから
写真提供:タイ国政府観光庁
その流れで、近年はエクササイズとしてのムエタイ人気も急上昇している。ブアカーオ選手の登場以前は、暴力的なスポーツとして子供たちの習い事としても不評だったのが、今や女性まで巻き込んでエクササイズとしてのムエタイが定着した。タイ在住の外国人の人気も集めており、ムエタイに汗を流す日本人も少なくない。