Tokyo International Gallery、菅原玄奨と東城信之介による初の2人展「Have you ever seen a ghost?」を開催
本展では新作七点を発表します。
菅原は「自分とは距離のある情報で溢れかえる昨今、世の事象に対するリアリティはどこか希薄で、いまいち実態を掴み切ることができない」と語ります。
現代、情報は個々人の扱える許容量を大幅に上回り、混迷に至っているのは周知の事実でしょう。必要、あるいは切望する情報はその霧のなかに消え、いくら手を伸ばそうとも確かな手応えはありません。「時にそれは自分の身の回りの出来事にも影響し、目の前の現実すら危うく思えてくる」。続けて、菅原は言います。
一方、「『見えてしまうもの』と自分とのあいだに、現実との距離を感じてしまう」と語るのは東城です。具体的な日常風景から、抽象的心象風景が見えて「しまう」、それらと社会を重ね合わせようとすることにより作品を生み出し、その存在を認識します。
クオリア論にも通ずる問題意識を、東城は作品において表現します。
相異なる問題意識を抱える二人だが、どこか諧和するものがあります。二人に共通するのは、現代のあらゆる情報や物質、現象のなかにあって、未だ見えないもの、あるいは自らにだけ見えてしまっているもの、それらに疑念を持ちながらも形象/具象を形作ってゆく姿勢です。