くらし情報『特別展「北斎 百鬼見参」 「着衣鬼図」をはじめ北斎が鬼を描いた稀少な肉筆画3点を展示 <期間:前期 6月21日~7月24日、後期 7月26日~8月28日>』

2022年6月9日 09:30

特別展「北斎 百鬼見参」 「着衣鬼図」をはじめ北斎が鬼を描いた稀少な肉筆画3点を展示 <期間:前期 6月21日~7月24日、後期 7月26日~8月28日>

佐野美術館蔵(前期展示)

[年代]嘉永元年(1848)、[材質技法・形態]紙本着色一幅

僧衣の赤鬼が、刺身の皿と徳利、数珠を前に座っています。煩悩を意味する生臭物に酒と、煩悩を打ち消す数珠のどちらをとるか悩んでいるようにも見えます。大津絵のイメージが根底にあると考えられますが、詳細な意味は不明です。右下の落款から、北斎が数え89歳のとき、門人の本間北曜(ほんまほくよう)に与えたものとわかります。
数少ない北斎の鬼を描いた肉筆画の貴重な1点であるとともに、最晩年の北斎の動静を知る上でも重要な作品です。

●葛飾北斎「念仏鬼図」すみだ北斎美術館蔵 後期展示

特別展「北斎 百鬼見参」 「着衣鬼図」をはじめ北斎が鬼を描いた稀少な肉筆画3点を展示 <期間:前期 6月21日~7月24日、後期 7月26日~8月28日>

葛飾北斎「念仏鬼図」すみだ北斎美術館蔵(後期展示)

[年代]天保14年(1843)、[材質技法・形態]紙本着色一幅

僧衣をまとった赤鬼が、「藤娘」の大津絵を前に座っています。大津絵の定番の画題である「鬼の寒念仏」と「藤娘」を巧みに組み合わせた、北斎のユーモアが光る作品です。赤鬼は、煩悩を象徴する美しい藤娘の絵姿と、仏教の法具の鉦を前に、赤い顔をさらに赤らめつつ迷っているようにも見えます。

紙上の紹介および展覧会における一般公開は久々であり、数少ない北斎の鬼を描いた肉筆画としても注目すべき一点です。

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