特別企画展「湯呑茶碗 - 日本人がこよなく愛したやきもの」 ~ちょっと昔の日本を旅しよう! 全国・湯呑茶碗づくし~
滋賀県立陶芸の森陶芸館では、特別企画展「湯呑茶碗 - 日本人がこよなく愛したやきもの」を2023年3月11日より開催します。本展では日本の名所や名物を意匠にした、明治末期から昭和前期の地域性豊かな「湯呑茶碗」を紹介。各地の名菓と包装紙を集めた「名物票」や近江茶とともに旅気分を堪能できる展覧会です。
1. 展覧会概要
お茶でほっと一息つきたいそんな時に手にする「湯呑茶碗」は、私たち日本人に最も親しみのある〈やきもの〉のひとつです。とくに個人用として楽しまれてきた「湯呑茶碗」や「夫婦茶碗」の存在は、日本人独特の生活文化を象徴するモノといえるでしょう。
「湯呑茶碗」のはじまりは江戸時代後期、文化年間(1804-1818)末頃と考えられています。当時の風俗を記した『守貞謾稿(もりさだまんこう)』 によれば、飯茶碗などほかの茶碗と区別するため、お茶を飲むやや小振りで縦長の個人専用の茶碗を、「湯飲(ゆのみ)」と呼び分けたようです。その後、飲茶の大衆化とともに大正・昭和時代前期にかけて定着してゆきました。
なかでも日本各地の名所や名物を意匠にした、地域性豊かな「湯呑茶碗」は土産物として好評を博したようです。