神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond雨宮庸介が六甲ケーブルの待合室で新作を発表
また、これほど山と海と都市が密集している場所も珍しく、ケーブルカーに乗ったところと降りたところの差は時間や空間をトラベルしている感じがしてとても興味深いです。さらに、その待合室はとても特別な場所に思えます。
【今回の新作について】
六甲山という名の由来は、難波から見て「彼岸」にある山という意味でムコ山、すなわち「向う」の意味であろうとされています。脳がする期待と、実際の情報の「ズレ」によって、人は車酔いのようなものを発動してしまうらしいのです。最近取り組んでいた VR 作品制作において、やっかいな VR 酔いを回避するための最も原始的な方法は「鼻をそっと表示しつづける」ことだそうです。私を最も私たらしめている記号としての「顔」は、自分では直接視えないにもかかわらず鼻だけはほんの少し視えています。そんな私からもあなたからも視える社会的な部位を小さな絵にしてみることで「わたしたち」という現象について、さらにいえば此岸と彼岸について、この待合室で考えてみたいと思ったのです。
【代表作品】
《神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond開催概要》
【会期】2024年8月24日(土)~11月24日(日)