2024 秋の芸術月間 セイアンアーツアテンション17「共食(きょうしょく)-Eating Together-」10月15日(火)から開催
これは、「神人共食」すなわち、神様に捧げた神饌(お供物)を神の元に集まる人々が共に食し、共同体の結束を強めるという意味があり、現代に至っても続けられている大切な行事と言えます。
日々の暮らしの中でも、人が集まり歓談する場には食べ物が添えられ、味と彩りによってさらに話は弾みます。当然のことですが、食物は人の生存に欠かすことができないものであり、私たちの生命を形作っているからこそ、食生活には時代や文化の影響が色濃く反映されます。今日のように飽食の時代であっても、自然環境や社会情勢の変化は少なからず食に影響を与えており、フードロス解消、地産地消といった「サステナブル(持続可能な)」を志向する動きが生まれています。そして、持続可能な食の在り方を突き詰めて考えてみると、自らの基盤となる土地や、そこに根付くコミュニティの重要性が浮かび上がってくるのではないでしょうか。先述のとおり、食は共同体を一つに繋ぐ大切な役割を担っています。
元来、「食」と「コミュニティ」は切り離すことができない関係にあり、これからの良き地域社会―暮らしのかたち―を創造するためにその関わりは必要不可欠であると考えます。本展で紹介する作家は、いずれも作品から「食とコミュニティ」