伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2022受賞作品 映画『生きているんだ友達なんだ』の制作応援プロジェクトを12月20日まで実施
本作の登場人物のモデルになった方です。遅刻常習犯で、自分の話ばかりして、無責任で、お調子者で、突拍子もない行動をよく取り、そして友人がとても多い女性でした。ある時は「珈琲を全力で味わいたい。だから今月は食費を500円に抑えて、翌月500円の珈琲を飲む」と謎の宣言。友人達にご飯を恵んでもらいながら1カ月食費500円で駆け抜けた彼女は、翌月一緒に入った喫茶店で500円の珈琲を飲み「珈琲ってこんなに美味いんや…」と涙を流していました。バカバカしくも眩しいその光景は、いまだに思い出して笑ってしまう。
ワガママで無責任で、思い返しても良いところが全然無いIさんだけど、何故か出会えて良かったなあと思える希有な友人です。
2年前、伊参スタジオ映画祭2022の募集要項が出て「そう言えばIさんって今何してんのやろ?元気かな?」とLINEを見たら、いつの間にか連絡先も消えている。
勝手に私の人生からいなくなったことが腹立たしく思っていたら、無性に彼女についての本が書きたくなり、喫茶店に駆け込んで珈琲を注文し、脚本を書き始めました。2022年当時はコロナが広まり始め、「今隣にいる人と、これから先も当たり前のように会えるとは限らない」