2019年8月3日 21:00
37歳で退職し、女ひとり渡米4年半。帰国目前で「得たモノ失ったモノ」。#最終話
これは実際には良いことなのよ」という彼らのロジックにどうしても納得できません。
確かに正しいとか間違っているという価値判断は人によるものかもしれない。だったら正しい間違っているを超えて、私は私の信条を守りたい。そこで「やはり、この旅行に参加できない。ごめんなさい。どうしても私の価値観とは一致しない。もしあなたたちが不快な気持ちにならないなら、これを私の謝罪と旅への応援だと受け取って」と100ドル札と彼女が持っていなかったキャンプ用のマットを渡しました。
贈ったもののどこかで「受け取れないわ」と断ってくれるのを期待してもいたのですが、「ありがとう。
正直レンタカー代に助かるわ」と言われ、レジデントから借りたテントや大量の荷物とともに駐車場で彼らを見送ることとなりました。
100ドルをさっとカンパすることは今の私にとって大きなことではありましたが、彼女たちが金銭的に余裕がないなかで旅をしていることはわかっていたし、表面的には彼女たちにそれを贈ったと見えますが、実際は自分の信条に投資したということだと捉えています。
禅センターで一度は「さようなら」の涙を交わしたバツの悪さから、レジデントたちが夜の坐禅を組んでいる際に忍び足で寮に入ってキャンプ製品を返却し、図書室でコッソリと、滞在するためのホテルをネット検索していました。