年下彼との甘い生活は僅か数日間でした…幸せの絶頂から地獄に落ちた「30歳女性の哀れな末路」
のぶちゃんってなんだ、のぶちゃんって。提灯の下に立っている酔っ払い男性陣たちにうんざりしながら渋谷駅まで歩く。ときめく男性が職場にいないって残酷。
途中のコンビニでミネラルウォーターを買い、店を出た時、若い男の子とぶつかった。
「す、すみません…ぼく、酔っ払っちゃってて」
足元もおぼつかない様子の彼。信子は勇気を出して、買ったばかりのミネラルウォーターを差し出した。彼が顔をあげる。端正な顔立ち。
信子の好きな韓国の男性アイドルそっくりだ。
彼は信子のジャケットの裾をつかんだまま座り込み、水を飲み始めた。しばらくして、口を開く。
「ありがとう、お姉さん」。
時刻は午前1時。渋谷にはまだまだ人がいるけれど、終電はなくなってしまった。
「あの、私タクシーで帰ろうと思うんですけど、大丈夫ですか」
「あ、そうですよね、すみません。実は僕…」
彼の名前はショウジ。
20歳。地元の専門学校を出て、東京の美容院へ就職が決まったばかり。今日は上京前に家探しに来たものの、家が決まらず。しかもひとりで飲み過ぎてしまったと言う。
信子は思わず提案してしまう。
しかも大胆な提案。
「うちに泊まっていきますか」