「壁ドン」「顎クイ」「バックハグ」はカップルの前戯だと思え…!【カレー沢薫 アクマの辞典 第14回】
体に触れる顎クイやバックハグなど言わずもがなであり、男だっていきなりよく知らん女に後ろから抱きつかれたら、ときめくより「妖怪だ」と思うだろう。
つまり「ときめき体位」は「好きな人へのアプローチ」ではなく「カップルの前戯」だと思っておかないと大変なことになる。
しかし、こう言うと必ず「でも相手がイケメンなら喜ぶんだろ」もしくは「美人なら何されてもいいんだろ」という者が現れる。
「※ただしイケメンに限る」という秀逸すぎる注釈が生まれてしまったばかりに、女はどんなセクハラ行為でもイケメンなら許すし喜ぶという誤解が生まれてしまったのである。
そんなことはないのだ。欧米のほうでも美人女優にキスされたティーンの男子が「ファーストキスは好きな人としたかった」と怒っていた、というのだから、女も男も相手の顔が良くても嫌なものは嫌なのだ、嫌じゃないのはイケメンとか美人とかではなく「相手に好意を持っているとき」だけだ。例え「イケメンなら何でも嬉しい」と豪語している女がいても、その女が考えるイケメンとは「ドウェイン・ジョンソン」かもしれないのだから、ジャニーズ系がおいそれと触っていいものではないのである。
やはり、他人の身体に触る、というのはリスキーな行為なのである。