結婚していれば、本当に幸せ? 結婚という形よりも大事なことは…【石井ゆかりの幸福論】
そして、その条件もまた、全ての人に当てはまるというものではないでしょう。「誰にでもぴったり合う靴」が存在しないのと同じです。
ただ、こんなことを私は想定します。
パートナーシップによって幸福になる条件のひとつ、それは、お互いの関係の中で、「缶詰が開く」体験があることです。
人の心の中には、固く閉じている場所がたくさんあります。
でも、閉じた場所の中に格納されたものは、そのままでは成長しないのです。
ナカミが腐敗して膨張し、どうにもならなくなることもあります。
そして、その「閉ざされた場所」「缶詰」を、一人で開けることは、なかなか難しいのです。
ある人と出会い、生きる時間を共有する中で、その「缶詰」のようなものが開きます。
中にはそもそも「隠しておきたかったもの」「触れたくなかったもの」が入っているので、ちょっと困った事態になる場合も、よくあります。
自分一人では状況を収拾できず、出会えたその人に手をかしてもらうことになります。
そのとき、幸福に向かうためのパートナーシップが結ばれます。
白雪姫のガラスの棺が壊れる瞬間、鉢かづき姫のかぶった鉢が壊れる瞬間、シンデレラの片方の靴が脱げてしまう瞬間などは、まさに、「缶詰が開く」