恋愛情報『「家と会社の往復の日々…熱中できるものが何もない」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第33回』

「家と会社の往復の日々…熱中できるものが何もない」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第33回

母は趣味があまりないので「さすがに趣味を持たないと」と思い、パッチワーク教室に通い、腕はいいし真面目なのですごい大きなやつを仕上げたりしているのですが、別にそれが大好きというわけではないようです。強いて言えば、家族と過ごす時間が好きなのでしょうか。どこかに出かけたいとか、遠くに行きたいとか、そういうのはあまりないみたいです。

私から見ると、母は文句のつけようのないほど堅実な人間で、自分のように熱中できるものを探して右往左往しては熱狂フィーバータイムに入って追いかけ回すようなこともしていないし、きっちり家族のために貯金をし、無駄遣いはせず、自分のことや家のこともしっかりやっていて、すごいもんだなぁと思います。そんな母に「今度の連休、そっちに行こうかと思うけど、予定大丈夫?」と訊かれて、「1日だけどうしても行かなくちゃいけない女子プロレスの試合があるから……」と答える私の気まずさといったらないです。なんなんですか、「どうしても行かなきゃいけない女子プロレスの試合」って。お前解説でもやるんかって話ですよ。ただの客なのに。


熱中とか熱狂っていうのは、こんなふうにバカになることなんです。バカをやってる側からすると、楽しいけどこんなにバカでいいんだろうか、という気持ちがあるし、バカになれない側からすると、バカになる楽しさも知らずに生きていっていいのかなぁ、という気持ちがあるのでしょうね。

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