「家と会社の往復の日々…熱中できるものが何もない」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第33回
テンション高い人たちについていけない」という人も、たくさんいます。熱中してる側も、充実してるように見えても、別にすごい大恋愛をしてるわけでもなければ、ヨガを極めるわけでもないし、合コンで運命の出会いを経験したりしているわけでもないです。ふぅかさんから見て、人生が充実してるように見える人たちも、「人生を燃やせるものが欲しい」って思ってそういうことをしているのかもしれないんです。
私も、今の仕事をするようになったのは決して早くないですし、こんな仕事をしていても、人生を燃やしていると言えるような時期を過ごせるのは、本当にわずかな恵まれた期間です。その時期が来るまで、焦り、絶望し、もう駄目だと何度も思います。人生を燃やす、心を燃やすというのは、何も楽しいことだけではなく、こうした「何も見つからない苦しい時期」のことも指しているのではないか、と私は考えています。その間は、ただ苦しいだけ、焦りでわけがわからなくなるだけですが、その苦しみや焦りを知らなければ、心を燃やせるもの(もしかしたらとても穏やかな炎かもしれません)が見つかったときに、骨の髄まで染み渡るような喜びを感じることはできないんじゃないでしょうか。