鏡リュウジ×寺山マル×田波有希~タロット×漫画『サングリアル』座談会vol.5
縁起が悪いからなくしたという説もあるけど、「死神」はあるからなんとも言えなくて。
田波:確かに。2枚はもともとなかったとも考えられますね。
鏡:ええ。さっきもちらっと言ったけど、タロットは必ずしも22枚と決まっているわけではなくて、ヴィスコンティと同時代の「キャリー・イェール版」のカードはもっと枚数が多いし、もう少し後に出た「ミンキアーテ」というカードなんかは97枚もあります。つまり、もとからなかったとしても不思議ではないんです。田波:なるほど。
3人が好きなタロットカードは?
瀬尾亞佑(以下/瀬尾):ところで、鏡先生は大アルカナの中ではどのカードが一番お好きですか?
鏡:そうですね。
ベタですけど、「フール(愚者)」や「マジシャン(魔術師)」かな。でも、みなさん好きだから「フール」ってあんまり言いたくないんです(笑)。
田波:好きな人多いんですか?私は好きと言う方にお会いしたの、鏡先生が初めてです。
瀬尾:私も。
鏡:えっ!本当に?
田波:前に説話社さん(※3)がタロットの意味を「〇△×」で表すランキングを作ったのですが、それを見たら「愚者」に「△」がついていました。それでスタッフさんに「何で△なの?」