2017年10月19日 14:14
【男から見た結婚のリアル】第5回 ぼくはふざけてなんかいない。多分。
すかさずぼくは「君、これ、食べる?食べるんやったら下げて向こうで食べてくれていいよ。でもぼくの食べかけだから、新しいいぶりがっこを頼んであげようか?なんなら一緒にお酒でも飲む?」と言いました。
バイト女子は恥ずかしそうに、でも笑いながら(多分おもしろかったんだと思う)、「すみません。食べません」と言って(当たり前だ)、皿に伸ばしかけた手をぎこちなさそうに戻し、どこかに去って行きました。
それを見た彼女が、半ギレ気味にぼくに言いました。「ふざけるのもいい加減にしなさい」。
ぼくはふざけてなんかいない。「巻き」でデートを楽しもうと思って、みんなのことを楽しませたいと思っているだけだ!と、心のなかで叫んだところでどこ吹く風。
彼女は「家に帰ったら説教ね」と、背筋を伸ばしシブイ顔をしてウーロン茶を飲み干しました。ぼくはふざけてなんかいない。多分。(ひとみしょう/文筆家)
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