2016年9月30日 11:12
西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第三十七回目。
いわゆる追っかけってやつですね。
しばらくすると正面玄関に到着したタクシーからメンバーの一人とスタッフが降りてきました。
一斉に群がる追っかけ少女たち。
彼は私が一番好きなメンバーではなかったのですが、せっかくだからサインを貰おうとその輪に加わりました。
順番を待っていると、私の前にいた女の子が彼に「Hug me」と言いました。
彼は「OK」と笑顔で彼女を抱きしめました。
あ、いいなと思った私もサインをもらってから彼女の真似をして「Hug me」と言いました。
すると何ということでしょう!(劇的ビフォーアフター!)
彼は私に突然キスをしてきたのです。
あまりの不意打ちに、私はぽかんとその場に立ちつくしました。
帰りの電車の中でもずっと茫然としていたし、帰宅してから何だかお母さんの顔をまともに見られなかったことを憶えています。
ファーストキスはレモンの味なんて言いますが、そんなのは直前までレモンを齧っている奴しかありえないわけで、私のファーストキスは無味無臭でした。ただ、彼の唇がすごく薄くて冷たかったのが印象的でした。
四年前、その彼がロンドンオリンピックの閉会式でたくさんの聴衆を前に歌を歌っていました。