一方通行の矢印を持つふたりがいるから、自然と双方向に矢印が向かって、恋が成立する。友情とおなじことですよね。
だから、カップルで黙って夕焼けを見て「きれいだねえ」と言うような、コスパが極めて悪い恋愛のほうが、恋の本質に即しているということになります。
■わが子になにかをしてあげるかのごとく・・・
恋愛にコスパを持ち出してくるということは、「そこまで相手のことが好きではない」ということです。これは、もっと歳を重ねてゆけば、自然と理解できるようになるかもしれません。たとえば、40歳を過ぎて、独身で子どもがいない女性がいます。この女性は、まるで「わが子になにかをしてあげるかのごとく」彼に尽くしていたりします。
もちろん「重たくないていどに」尽くしているわけですが、もう「わが子になにかをしてあげるかのごとく」としか表現できないような愛情を注いでいたりする。
20代くらいの女子で、40歳以上の男性と交際したことがあるひとは、こういうことがなんとなく肌感覚でわかると思います。ひとって「だれかになにかをしてあげたい」と、純粋に思う心を持っているのだろうと思います。
スナックに取材に行っても、こういう事例はいっぱい見ることができます。