【連載第1回】後悔しない離婚「妻と夫、立場が強いのはどっち?」
つまり、離婚の事例で法律上の離婚原因をはじめから備えている夫婦は、ほとんど無いといっても過言ではないのです。
となると、離婚を切り出した夫が離婚するために必要なことは、多くの事例で「妻の同意」ということになります。夫が離婚を切り出した途端、離婚できるかどうかのキャスティングボードは、妻に傾いているといえるでしょう。
このような二人の法律上のパワーバランスを冷静に判断すれば、妻はこのような自分の立場を逆手にとって「離婚はしたくない。でも、私が求める条件に全てOKと言ってくれれば離婚してあげてもいいわよ」と言える立場ということになるのです。
一般的には弱者と思えるような妻たちへの私の最初のアドバイスは、「夫から離婚を切り出されたら、まずNOと回答すること」です。
二人のパワーバランスを考えたら、当然のことですね。私の説明に納得した妻たちが、笑顔になって事務所を後にする、私どもの事務所では、こんな光景が毎日繰り広げられています。
2つ目以降はポイントについては随時執筆していきますが、ご相談したい事がありましたら、お気軽にご連絡ください。
*著者:弁護士 中里 妃沙子(丸の内ソレイユ法律事務所の代表。