一般的には、別居した後は夫婦の協力関係が失われてしまいますので、婚姻期間中かつ別居するまでの期間に形成された財産が、財産分与の対象になります。
別居しないまま、あるいは単身赴任状態のまま婚姻が破綻したような場合には、“協力して財産を築き上げてきたといえるのはいつまでか?”ということが夫婦間で争われることも多いです。
夫婦のどちらかの名義になっている財産や、あるいは子どものような第三者の名義になっている財産であっても、その財産が夫婦の協力で築いたものだといえるならば、財産分与の対象になります。
名義の関係では、たとえば“夫が経営する会社の名義になっている財産が財産分与の対象になるか?”といった点が実務上争いになります。
以上述べたことの裏返しとして、そもそも夫婦の協力で築いたものではない財産は、財産分与の対象にはなりません。このような財産を特有財産といいます。
■特有財産ってどんなものがある?
特有財産の典型例は、婚姻する前に形成した財産や、婚姻中に自分の親から相続した財産などが挙げられます。特有財産を元手に獲得した財産も特有財産になります。
たとえば、親から相続した不動産から得られる賃貸収入は特有財産になりますので、財産分与の対象外ということになります。