婚姻期間中に購入したものは、共有財産として離婚の際に財産分与の対象となります。その中でも、高価なものは『家』ではないでしょうか。離婚する際に、両者とも購入した家から出て行く場合、その家を売却したり、賃貸にしたりするでしょう。
賃貸にする際は、家の名義人が賃貸として家を貸していくことで、財産分与の対象からあえて外すことが大半です。
しかし、売却する場合はどうなるのでしょう。
虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士に監修いただき、
■売却する場合発生するオーバーローン
住宅ローンを支払いきっていない場合、売却したとしても、家の価値が購入時より下がっており、ローンの残債額が売却額を上回ってしまうことがあります。例えば、4,000万円の住宅ローンを組み、そのうちの1,000万円(利息は別)支払っていたとします。残りは3,000万円ですよね。
その家を売却しようと査定して見ると、2,500万円という結果が出ました。つまり、ローンの残債を返済するには500万円足りないということ。これを『オーバーローン』と言います。
■オーバーローンは一括で返済しなければならない
任意売却などの場合を除き、基本的に家を売却すると、ローンの残債は全額一括返済しなければいけません。