3月31日、東京・銀座の数寄屋橋交差点角に大型商業施設「東急プラザ銀座」(東京都中央区銀座5-2-1)がいよいよオープン。施設内には“伝統”と“革新”をキーワードとした全125店舗が入居する。1階から2階はグローバルブランドを中心とした旗艦路面店が立ち並び、地下1階と3階から9階は東急ハンズや東急百貨店の新業態セレクトショップや、ロッテ免税店などを含めたショッピングゾーン、6階と屋上には開放的なパブリックスペースを設けている。本記事では“食”をメインに、レストランやイートインのあるフードショップが立ち並ぶ地下2階と10階から11階にフォーカスし、日本初上陸店や新業態店を中心としたおすすめのグルメショップを紹介する。ショッピング編はこちらから屋上で高級サンドイッチや話題の“できたて”アイスを食す―テイクアウト&イートイン地下2階には、テイクアウトに最適なマルシェスタイルの店舗が豊富に入居する。中でも、キャビア、スモークサーモン、フォアグラなど高級食材を使った欧州で人気のラグジュアリーサンドイッチ店「キャビアハウス&プルニエ/サンドイッチハウス」の国内初上陸と、いつでも“できたて”アイスを味わえるアイスクリーム店として京都で行列ができる程人気を博す「ハンデルスベーゲン」の東京初上陸店が注目所。ハンデルスベーゲンのほうじ茶フレーバーはここ銀座店でしか味わえない一品。新業態となるセレクトショップ「サロン アダム エ ロペ」内にある「サロン ギンザ サボウ」では、今世界で話題を集めている奈良の茶農園「ティーファーム 井ノ倉」がセレクトしたお茶、群馬県産コシヒカリ「雪ほたか」とのコラボレーション米を使ったおにぎりや雑炊、わっぱの料理が楽しめる。サロン ギンザ サボウ天気の良い日には、サンドイッチやデリを買ってそのまま屋上に向かうのも良い。オープンテラス「キリコテラス」は、一面豊かなグリーンが敷き詰められた壁面や広い水盤が設けられ、都会の喧騒を忘れられるた開放的な空間が広がる。一角には“ジャパニーズフライドポテト”を提供するルーフトップカフェ「櫻ノ茶屋」も併設される。シンボルツリーとして植えられた枝垂れ桜も春になれば見頃を迎える。ミシュラン2つ星の味覚を気軽に味わう―デザート&珈琲で一息つく喫茶時間4階には、ミシュラン2つ星レストラン「エスキス」のスイーツが味わえるサロンがオープン。これまで、レストランでしか味わえなかったアシエット デセールを、パティシエ成田一世によるコース仕立てで堪能することが出来るという。季節毎に変わるメニューを年間通じて楽しむのも贅沢な楽しみ。アラカルトケーキのテイクアウトも行っている。エスキス サンクのアラカルトケーキ5階のセレクトショップ「ヒンカリンカ」内に出店をした、NYで人気のショコラティエ「マリベル」の姉妹ブランド「ココア マーケット バイ マリベル」も京都に続く第2号店であり注目を集めている。同店では、チョコレートボールやフルーツディップの量り売りから、ガナッシュやチョコレートバー、ジェラート、ホットチョコレートなどのドリンクまで、様々なチョコレートの味わい方を提案する。カカオ マーケット バイ マリベルのチョコレートボール量り売りその他、1階にあるオーガニックフードや“オールプレス”の珈琲が味わえるオーストラリア発のカフェ「ミーズ カフェ アンド キッチン アット メトア ギンザ」、6階にある昭和9年創業の老舗珈琲店「丸福珈琲店 銀座喫茶室」も、買い物に疲れた際に気軽に立ち寄れる憩いの場所となりそうだ。日本の老舗・海外の名店の美食を銀座で―寛げるディナー時間ランチタイムだけでなくディナーでも利用したい10階・11階のレストランフロアにも話題のグルメが勢ぞろい。最上階11階にあるトランジット手がける「アポロ」は、オーストラリア・シドニーより初上陸するモダンギリシャレストラン。新鮮野菜とオリーブオイルをたっぷり使ったヘルシーなギリシャ料理をモダンなアレンジメニューが特徴的で、2012年にシドニーで開業してから「The Australia Hot 50 restaurants」を3年連続受賞し、「Australia gourmet traveller」トップ100に4年連続選出されるなど多くの人々の舌を魅了している人気店である。同店では、魚卵、レモンジュース、オイル、パンを混ぜ合わせた「タラマサラータ」、メレンゲでサクサクふわふわ食感を生かした「“レモンパイ” アポロスタイル」など本国のメニューの他、ラム、オージービーフや和牛などの炭火焼も提供される。それら料理に合う120本のワインや、新鮮な果実を使ったオリジナルカクテルも豊富にラインアップ。店内の特徴的なロングカウンターで料理をシェアしながら一緒に味わいたい。“レモンパイ” アポロスタイルまた、同階には、創業160周年を迎える京都の老舗割烹料亭「下鴨茶寮」が銀座に初出店をする。“奥”がゆっくりと京都独自の文化や雰囲気、京懐石を味わえる「下鴨茶寮 東のはなれ」、“手前”が日本酒と端正な肴をバルのスタイルで気軽に楽しめる「下鴨茶寮 のまえ」。下鴨茶寮 のまえでは、牛フィレの唐揚げや、のどぐろの酒盗焼など本店でしか食べられない品を含め、前菜からさしみ、メイン、〆、甘味までアラカルトの料理をカジュアルに味わえる。天然鯛と蕪の浅漬け 春菊ソースその他にも、NY発オーガニックハンバーガーの日本第2号店となる「ベアバーガー」を始め、日本初のハワイアンレストラン「ガイ アンド ジョーズ ハワイアン スタイル カフェ」と、タイNo.1ビールメーカー“SINGHA”が手がけるタイビアレストラン「センディー テラス」、つるとんたんの新業態「つるとんたん UDON NOODLE Brasserie」、ひと月に30頭しか出荷できない幻の赤身肉“尾崎牛”の焼肉を堪能出来る「尾崎牛焼肉 銀座ひむか」など、食材にこだわった世界各地の老舗・名店、日本で、東京で唯一のグルメを味わえるラインアップとなっている。
2016年03月30日背広から着物、カジュアルな装いまで、自分のスタイルを持つ人々が行き交う銀座。その中でも強いオーラを放ち、一際目立つスタイリストのDie-co★さん。銀座には仕事でよく訪れるそう。ゆっくりとモノとの向き合い方を教えてくれるお店、仕事や買い物の後に一息つける本格的なイタリアンまで、銀座の街をパワフルに紹介してもらいました。SPOT1. ARMANI/CASA (アルマーニ/カーザ)さまざまな用途に活用可能なテキスタイルシンプルながら、贅沢な質感が伝わる空間。イタリアンラグジュアリーを体感できます。コメント:アルマーニのファッションアイデンティティと同じ上品な奥ゆかしさが感じられ、実にリラックスできる空間。黒檀のお箸など、ギフトに最適なものも見つけられます。【店舗情報】「ARMANI / CASA (アルマーニカーザ)」住所:中央区銀座5-5-4 アルマーニ 銀座タワー4階電話番号:03-6274-7003営業時間:11:00 - 20:00定休日:不定休URL: 銀座もとじ 男のきもの老舗の呉服店も多い銀座ですが、その特色はばらばら。銀座もとじは銀座に3店舗を構え、常に新しい時代に合う着物を発信するお店。そのなかでも、銀座もとじ 男のきものは、男性が日常のなかで着物を楽しむ手助けをしてくれます。糸はもちろん、厳選した素材を組み合わせた上質なスタイリングが実現可能。グローバル化する社会だからこそ、日本のアイデンティティとして着物をたしなむ人が増え、男性も女性に気後れしないようサポートしてくれます。銀座もとじ二代目・泉二啓太氏のアドバイスのもと、気になる柄を選んで、早速仮着付けをしてもらいました。グラデーションが美しい着物。仮着付けでもイメージが湧いてきます毎年人気のカシミア、ウールなどを使ったオリジナルコートのラインアップコメント:国際的なイベントに着物を着ていけばコミュニケーションツールにもなるし、まさに着るおもてなし。たとえば夏目漱石のような往年の文豪風、丸眼鏡を合わせて藤田嗣治のようなアーティスト風…など、自分に合った楽しみ方を着物から見つけられるお店です。【店舗情報】「銀座もとじ 男のきもの」住所:中央区銀座3-8-15電話番号:03-5524-7472営業時間:11:00 - 19:00定休日:年末年始休URL: Ippolito(イッポリート)走り筍のリガトーニは口に入れた途端、旨味が広がります自慢の薪窯で、定番のマルゲリータピッツァを焼き上げていただきましたコメント:まるでナポリのリストランテに居る気分。陽気なシェフやスタッフもフレンドリーで、楽しい時間が過ごせます。【店舗情報】「Ippolito(イッポリート)」住所:中央区銀座5-13-12 サンビル1階電話番号:03-3524-8571営業時間:月 - 金 11:30~15:00, 17:30~22:00(L.O)土・日・祝 11:30 - 21:00(L.O)定休日:不定休URL:銀座についてのコメント:数々の文学や芸術を生み出した日本の文化発祥の地が銀座だと思います。世界中の『ラグジュアリー』が一同に介しながらも、夕方にはなよやかにうなじを上げたオネエさん達が歩いたりと、昔ながらの風情を残す街…さらに進化していくこれからの銀座がますます楽しみです。PROFILE:Die-co★ (ダイコ)雑誌、テレビ、映画など幅広いジャンルで活躍中のスタイリスト。名前のスペルの発案はなんと写真家のナン・ゴールディン。ファッションへの情熱と知識、知恵を織り込んだスタイリングで人気を誇る。
2016年03月30日東京各地のビンテージセレクトショップなどが集結する新しいかたちのフリーマーケット「RAW TOKYO」が、4月3日より毎月第1日曜日にFarmer's Market @ UNUにて開催される。現在世界では、食べられる状態であるにもかかわらず廃棄される食品が多く、フードロス問題として注目されている。同マーケットでは、衣服に関してもこの大量のロスが発生しているのではないかと考え、大量に生産される衣服がある中、何十年と受け継がれている“良い衣服”にフォーカス。今日の東京の生の感覚で集められたビンテージアイテムの数々を展開していく。出店店舗は、KINSELLA、ハルカゼフラワー、DROP、VELVET、EVERGREEN、okidoki、&Dorothy、ROIR、What'z upなど。その他、古雑貨のマルポー、KNot a TOY、OLD ONES、cotie、素敵眼鏡MICHIOや、プロダクト・ハンドメイドのAquvii、YEAH RIGHT!!、gogglygogole、monster in my daydream、廣瀬駿之介、木村硝子店などが参加する。【イベント情報】「RAW TOKYO」会場:国連大学住所:東京都渋谷区神宮前5-53-70会期:4月3日時間:10:00~16:00入場無料
2016年03月30日ステラ マッカートニー(Stella McCartney)が4月6日、西武池袋本店に新店をオープンする。新店では、ウエアをはじめ、シューズやバッグなども発売。アイコンバッグである「ファラベラ」の西武池袋本店限定色(10万5,000円)も登場する。また、オープン記念として、10万円以上の購入者には先着でギフトがプレゼントされる。
2016年03月30日世界に通用する日本のものづくりを再発見し、伝統や技術を大切にした新たな価値の提案する、というコンセプトで三越伊勢丹が2011年よりスタートさせた「JAPAN SENSES」。今年で5年目を迎えるJAPAN SENSESに向けて、この秋に三越伊勢丹で婦人・子供服のプライベートブランド(PB)を手掛けるバイヤーたちが瀬戸内へと向かった。日本が誇るものづくりの地である、瀬戸内とのコラボレーションで誕生したアイテムは、「JAPAN SENSES~find,SETOUCHI BLUE~」(3月30日から4月5日まで)で展開される。その一部を紹介する。■エッジを効かせたジージャンとデニムパンツの「1411」コンテポラリーなストリートブランドの1411(ワンフォーイレブン)からは、エッジを効かせたGジャンとデニムパンツが登場。デニムの聖地、岡山は児島にあるファクトリー、241(ニ・ヨン・イチ)とコラボレーションしたアイテムだ。15,000型・300万本のジーンズを手掛け、デニムを知り尽くした241だからこそ、ダメージさえ、どこか品のよさを感じさせる仕上がりになっている。■LUGHAは、オリジナル加工でつくるモード感のあるデニムパンツ“着る人を語る服”がコンセプトのLUGHA(ルーガ)は、独自の加工をとりいれたモード感のあるデニムパンツを手掛けた。岡山は児島にある工房、癒toRi18と241とコラボレーションとは、デニムパンツのクラッシュ加工やウォッシュ加工でコラボレーション。加工を施したデニムのクラッシュ部分にレースやレザーを縫い合わせるなど、繊細なテクニックで上質なデザインを実現した。瀬戸内だからこそのデニムラインアップをご覧あれ。■Ready for the Weekendは、阿波藍で手染めしたシャツ日常こそ、洗練された自分でありたい。そんな「自分らしい」スタイルを求める女性にむけた「Ready for the Weekend(レディ フォア ザ ウィークエンド)」。徳島でつくられた「阿波藍」で手染めをした上品かつ華やかなアイテムを提案。着るほどに色やテクスチャーが変わり、私だけの一枚になるプロセスを楽しめるシャツ、2015から「阿波藍」をコレクションにとりいれている都会的でありフォークロアでもあるアンビバレンツな魅力の「TOKYO DRESS」ともコラボ。■普段使いしたいデニムウエアを提案する「LIFE & STYLE」大人の女性にむけたスタンダードアイテムを提案するLIFE & STYLE(ライフ&スタイル)」は、広島は福山にある国内トップのデニムミル「カイハラ」とコラボレーション。備後絣の生産からはじまったカイハラは、1960年代からデニム生産へと舵を切り、そのデニム生地は世界中のトップブランドから絶賛されている。そんなカイハラのデニム生地を丁寧に縫い上げた、肌さわりのいいワンピースやデニムパンツなど普段使いしたいコンフォートウエアが登場。ほかにも、今治のパイル地で作られたパイルパーカー、また廃材を活かすアップサイクルデザインが話題のRDFコラボしたデニム地のトートバックなどが並ぶ。瀬戸内の魅力を再発見できるはJAPAN SENSESへ、いざ。前編に戻る。
2016年03月30日世界に通用する日本のものづくりを再発見し、伝統や技術を大切にした新たな価値の提案する、というコンセプトで三越伊勢丹が2011年よりスタートさせた「JAPAN SENSES」。日本各地の手仕事の道具や郷土食、また地域に受け継がれてきた伝統や技術と有名ブランドや人気プロダクトデザイナーがコラボレーションしたファッションアイテムなど、さまざまな切り口で展開するJAPAN SENSESは多くの人から注目されているプロジェクトだ。三越伊勢丹・グループ各店にて3月30日から開催されるJAPAN SENSESでは「瀬戸内」にフォーカスする。豊かな自然と温もりのある風情、島々を舞台にした瀬戸内国際芸術祭で知られる瀬戸内は、日本が誇る物づくりの地でもあるのだ。2015年10月、秋も深まる季節に三越伊勢丹で婦人・子供服のプライベートブランド(以下、PB)を手掛けるバイヤーたちが瀬戸内へと向かった。瀬戸内ならではの物づくりを体感し、そこから価値のある商品を生み出すために、愛媛は今治のパイル織物をはじめ、広島や岡山のデニムの生地生産から加工までのさまざまな現場を訪問した。「これまで各担当バイヤーが産地を廻ることがあっても、10名あまりの担当バイヤーほぼ全員が産地に出向くのは、はじめてのことです」と三越伊勢丹の婦人・子供統括部マネージャー・池田和史さん。今年で5年目を迎えるJAPAN SENSESを成功させるため、担当バイヤーが一丸となり瀬戸内プロジェクトがはじまった。■国内トップのデニムミル「カイハラ」へ駅前から天守閣がのぞめる福山城があり、江戸時代から備後地方最大の町として知られている広島、福山市。この町にある、国内トップのデニムミル「カイハラ」へ。ロープ状に束ねられた原糸が何度も液槽をくぐり藍色へと変化する染色工程や生地と織り上げる織布と呼ばれる工程を視察。大規模な場内には、何百台もの織機が轟音をあげて、デニム生地を織り上げていく。よく見ると、最先端織機でつくる量産生地がある一方、古いシャトル織機を駆使して熟練職人が織りあげるヴィンテージ風合いの生地もある。毎年、800種類以上のデニム生地を開発するカイハラだが、日本伝統の染め織り物である備後絣の製造からはじまった。その高い技術力をかわれて60年代にデニム製造へ事業転換。それから半世紀、名だたるジーンズメーカーやトップブランドがそのクオリティを絶賛するデニム生地を生産しつづけている。染色や織布という、初めて見る光景に圧倒されながらも、早速カイハラの生地だと何ができるかを相談しはじめるバイヤーたちの姿があった。■国産デニムの聖地、岡山・倉敷へ国産デニムの聖地とよばれる岡山、倉敷の児島。児島駅構内には階段いっぱいに描かれたジーンズが、駅前にはジーンズが数百本飾られたインスタレーションが、聖地への巡礼者を出迎えてくれる。またジーンズストリートなる商店街があり、10数軒あるデニムアイテムを扱うショップは、いつもデニム愛好家たちで溢れている。そんな児島には、大小200を超えるデニムの加工や縫製を手掛ける工場や工房があるという。レーザー加工やウォッシュ加工の先端技術を展開する加工メーカーを視察後、平均年齢20代という活気ある工房「癒toRi18(YUtoRi18)」へ。個性を放つデニムへと仕上げるクラッシュ加工が注目されている「癒toRi18」。「春夏には、ダメージ加工がよくでる、秋冬はワンウォッシュが多かった」など最近のオーダー傾向を工房スタッフが説明する。シワやヒゲ、穴開けや汚しなどの加工を見ながら、バイヤーたちからは「汚し加工とPBの商品基準をどこまですり合わせできるか?」「パッチワーク加工について」などの具体的な質問が飛んだ。次にむかったのは、シャツやデニムなどオリジナルブランドも手掛けている、海沿いの「241(ニ・ヨン・イチ)」へ。パターン作成から製品加工まで一貫生産できるとあって、有名ブランドからプレミアムデニムのオーダーも多いと言う。レーザーによるカット、特殊ミシンの縫製、洗いなどの加工現場をじっくり視察。その後にサンプル商品は店舗のように並ぶショールームを訪ねる。ずらりと並んだオリジナルアイテムやスワッチをみているうちに、商品イメージが広がってきたのかバイヤーたちからは次々に「展開できる色や素材感」「ダメージの出し方」「価格」など241(ニ・ヨン・イチ)の代表らと自然に商談がはじまっていく。ものづくり現場を訪ね、そこで知り得た技術に触発されて、瀬戸内プロジェクトは形づくられてきた。そのなかでキーフレーズとなったのは、バイヤーたちが口にした、“瀬戸内の青”の美しさだ。池田さんは「ものづくりの現場はもちろんですが、穏やかな青い海に象徴される瀬戸内の豊かな自然に触れたことで、JAPAN SENSESがより立体的なプロジェクトに仕上げることができました。「青」を切り口とした瀬戸内の技術で作られたオリジナル商品をはじめ、各フロアの展示でも瀬戸内の青の美しさを表現しています」と話す。瀬戸内とのコラボレーションからは、どんなファッションやライフスタイルアイテムが生まれたのだろうか?後編へ続く。
2016年03月29日2016春夏の新作コレクションが店頭を飾り始めた。この春、何を買って着ようかと情報チェックはすでに終了したタイミングに、手に入れる商品の背景や店頭に並ぶ必然性を考察してみた。5ヶ月前の2015年10月に開催された、2016春夏パリコレクション。各メゾンの新作は発表の翌日には「Style.com」(現Vogue.com)で、速報として世界中に配信され、翌月になるとコレクション分析はすっかり終わり、注目の素材はレースで、流行色は白になると頭のどこかにインプットされている。SNSで拡散されたリアルなブロガーの言葉が響いたとなれば、その意見に従い買い物計画を練っているのかもしれない。ブティックには新作の商品が揃い始めたこのタイミングで、改めてコレクションについて語ることにしたのは、同じ服でも視点が変わると違う見え方をすることを提案するためだ。3シーズンほど前からトレンドのキーワードに登場している「ジェンダレス」に注目してみた。この言葉の意味は「性差を超えて」だ。20世紀の女性は、ロングスカートからミニスカートに履き替え活発に、ズボンを履きテーラードジャケットを着て男性と肩を並べた。女性ファッションは「ユニセックス」「アンドロジーナス」などという言葉に置き換えられ、進化していった。21世紀に入ると、今度は男性ファッションに変化が起こり、フリルのついたシャツも、スカートを模したパンツも受け入れる男性が増えている。ジョナサン・アンダーソンのように性差の壁を取り払い、同じ素材、同じデザインを提案するデザイナーも登場している。(その現象は、デザインのアイディアやテクニックで表現可能な事柄で、世相の変化として捉えることができる。)ところが女性と男性デザイナー別にコレクションを並べてみると、ジェンダーの差が見えてくるのだ。女性デザイナーはまず自分が着たい服を提案し、男性デザイナーは妄想をデザインに落とし込んでいるのだ。それは今始まったことではなく、一般市民がファッションを楽しむようになったころから何ら変わっていないことに気がつく。女性デザイナーの出発点は、自分が今着たい服だ。男性デザイナーは、新しい考えを持つ女性にはこんな服を着て欲しいし、求めているに違いないという妄想だ。そこで女性たちは、どのプレゼンテーションに賛同するかによって自分が着る服を選ぶのだ。男性デザイナーの服がセクシーに見えるのは、彼らが造形的な「美」を追求するからだろう。それにひきかえ女性デザイナーは案外現実的で、こんな服があったら「着易い」や「楽」をキーワードにし、さらに古い考えから解放された自分をデザインし、男性の視線は二の次の場合が往々にしてある。今まで、何気なく選んでいた服が、男性または女性デザイナーによるものなのか意識することで、ファッションの視点が変わっていく。伝統と革新、感情と知性、点(モード)と面(スタイル)を対比しながら、もう一つの視点を模索してみた。男性デザイナーという視点からディオール(Dior)19世紀ヴィクトリア朝のランジェリーを現代風にアレンジしたシリーズは、コットンボイルが醸し出す清廉なイメージ。プリーツを施したバージャケットのしなやかなラインは上質のエレガンスが香りたつ。ランバン(LANVIN)人の手が作り出す真実を意味する「マニュフェスト」をテーマに、ランバンを支える職人たちを讃えたコレクション。服が完成する工程をデザインしたり、クチュール的な手法にアルベール・エルバスの繊細さを垣間見た。ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)デジタル化社会が本格化する時代を捉えたニコラ・ジェスキエールは、「ファイナルファンタジー」の世界を、メタリックフィルム素材やピクセルをパターン化しモードに変換。確かなクオリティが未来の創造を生み出す力に。サンローラン(Saint Laurent)ムッシュサンローランの形をなぞることよりマインドを読み込むエディ・スリマン。ロックフェス用のウエリントンブーツとクチュール手法のドレスを組み合わせて究極の贅沢を表現。ムッシュを彷彿させる反骨精神は健在。メゾン マルジェラ(Maison Margiela)ロマンチックで創造的なジョン・ガリアーノならではの文脈で綴った新生マルジェラ。時代も国籍も超越したコレクションは、50’sのクチュールと着物ドレスで構成。メゾンのコードを独自のセンスで読み替えた。シャネル(CHANEL)永遠のパリコレクションはシャネルが開催するグランパレにある。会場を空港のカウンターに仕立て、シャネルエアラインを利用するマダムたちが必要なワードローブを展開。トレンドはシューズで表現する。(c) CHANELロエベ(LOEWE)レザーの老舗ロエベのイメージを刷新するかのような、ビニールやミラーをアップサイクルしたコレクションを披露したジョナサン・アンダーソン。コレクション後一部はすぐにオンラインで購入できるシステムを早くも導入。ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)独特の色彩感覚と異質なパターンの組み合わせ、ドリスしか奏でることができない不協和音を思わせる組み合わせの服たち。ブロケードやチュールを使いフェミニン度が高いコレクションに仕上がっていた。女性デザイナーという視点からクロエ(Chloe)スポーツジャージーとシフォンを組み合わせてみたら新鮮なコーディネートが誕生。上質の素材で70’sの香りがするカジュアルを表現するクロエは、時代を超えたパリシックの基準となり女性を魅了する。ステラ マッカートニー(Stella McCartney)カジュアルを新解釈したポロシャツディテールのチューブドレス、動きによってオプティカルな効果をもたらす2色使いのプリーツドレス、刺繍やレーシーな手法のドレスはこの春夏のマストハブアイテムに。エルメス(HERMES)最高級の素材と職人技が常備されたメゾンで働くことの幸せを感じるナデージュ・ヴァンヘ=シビュルスキーは、自分のやるべき仕事の一つに頭脳プレーを見出した。色や素材選び、スカーフの扱いどれも知的な作業が施されている。アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)17世紀にカトリック教徒に追われ、フランスからイギリスに逃れたユグノー(プロテスタント)がもたらした繊細なシルク素材やロマンチックな花柄をモチーフにして、たおやかな女性像を描き出した。ミュウミュウ(MIU MIU)ミュウミュウのコレクションは、これから昔話やおとぎ話が始まる予感。オーバーサイズのコートやオーガンジーのエプロンドレスやお姫様のティアラには、どれもストーリーが隠されているかのよう。サカイ(sacai)セカンドハンドショップで見つけた宝物とは、スーベニールスカーフ、ゴールドのレース、シフォン製のバンダナ等など。アシメトリーのヘムラインが揺れるたびに見え隠れする乙女心が、女性を虜にする。コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)ベルベット、マラボーなどを多用してたボリューミーな服をまとった「ブルー・ウイッチ(青い魔女)」は、強さを備えたグラマラスな女性を感じさせる。シーズンのメッセージは常に言葉を必要としない。「過去、現在、未来へ」へ進む。「ファッションの息遣い」へ進む。
2016年03月29日東京・六本木にあるIMA CONCEPT STORE内のIMA galleryにて開催されている写真家・西村裕介の写真展「The Folk」のクロージングイベントとして、最終日である4月2日に西村とNORITAKA TATEHANAのクリエイティブディレクター・舘鼻則孝によるトークショーが開催される。写真展「The Folk」は、西村裕介が日本各地の郷土芸能を撮影した写真集『The Folk』をもとに開催されるもの。明治神宮の祭事で郷土芸能に出会い、その強烈な魅力に魅せられた西村裕介は、以後3年半に渡り日本各地で受け継がれてきた伝統芸能を追い続けてきた。島根県にある津和野弥栄神社の「鷺舞」や、佐賀県市川の「天衝舞浮立」、沖縄県宮古島の「パーントゥ」などの演者の姿を黒幕の前で撮影することで、神聖さとともに猛々しい躍動感を捉えた写真作品の数々を展示する。今回のトークショーでは、今年3月にパリのカルティエ現代美術財団にて開催された、日本の民族芸能のひとつである「人形浄瑠璃文楽」の舞台「TATEHANA BUNRAKU : The Love Suicides on the Bridge / Nomadic Nights」の監督を手掛けた舘鼻則孝が登壇。世界を舞台に活躍する舘鼻とともに、日本文化を世界に伝える意味についてトークを行う。参加の申し込みはオフィシャルサイト()にて。【イベント情報】写真展「The Folk」のクロージングイベント会場:IMA gallery住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階会期:4月2日時間:17:00~18:00入場無料
2016年03月29日ミュウミュウ(MIU MIU)が3月22日、ショートフィルムプロジェクト「MIU MIU WOMEN’S TALES /女性たちの物語」の最新作『SEED』の上映会とカクテルパーティーを東京・新宿のパークハイアット東京(PARK HYATT TOKYO)にて開催した。「MIU MIU WOMEN’S TALES /女性たちの物語」は、国際的に活躍する女性監督たちが21世紀の女性らしさを表現したムービーを展開するショートフィルムシリーズ。第11弾となる最新作『SEED』では、監督をカンヌ国際映画祭で複数の受賞歴を持つ河瀬直美が、音楽をサカナクションが手掛けた。幻想的な世界が色鮮やかに描き出されている。パークハイアット東京のTHE BALLROOMで開催された上映会には、監督の河瀬直美や主演の安藤サクラを始め、女優の田中麗奈、モデルの萬波ユカ、emma、松井愛莉、三吉彩花や映画関係者やセレブリティー、インフルエンサー、ファッション関連のメディア関係者など多数のゲストが参加した。
2016年03月29日ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)が4月23日、東京・代官山に国内3店舗目となるメンズウエアの路面店(東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟102号室)をオープンする。同ショップでは、イギリスの伝統的なテイラーリング技術をもとに、最先端かつフォーマルなシェイプとラグジュアリーな素材を駆使したデザインが特徴的なヴィヴィアン・ウエストウッド マンのアイテムを展開。インポートのメインラインコレクションを中心に、アングロマニアやライセンスライン、アクセサリー、雑貨までをトータルに取り扱う。また、オープンを記念したタイピンとカフスを限定発売。税込1万800円以上の購入者にはノベルティーもプレゼントする。
2016年03月29日ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)銀座が紳士服のカスタムメイド専門フロア「ドルチェ&ガッバーナ サルトリア 銀座」をオープンした。店内はミラノ本店のサルトリアの世界観を表現。床はアンティークウッドの寄木細工とその周りを囲む5種類の大理石で仕上げられ、壁はカナレット・ウォルナットの木目とスカイブルーのダマスク柄が採用された。家具は青色で統一することで、落ち着いた雰囲気に仕上げられている。また、フッティングスペースもラグジュアリーな雰囲気を感じさせる空間に仕上げられた。
2016年03月29日ジュリアン・デイヴィッド(JULIEN DAVID)は、パレ・ドゥ・トーキョーを会場に、16-17AWコレクションのショーを行った。日本の劇画の台詞が流れてショーがスタート。ファーストルックは、ホワイトシャツとショーツをまとい、永井豪原作の漫画『UFOロボ グレンダイザー』のお面を後ろに回して装着したモデル。ジュリアン・デイヴィッドは、幼少期にグレンダイザーを観て育ったという。ボンディングデニムの3Dスカートや、ドロップショルダーのボンディングGジャンなど、多くに張りのある素材をあしらい、どことなくロボットのような硬さを感じさせるのが興味深い。ブラックやシルバーメタリックのビニールボンディング素材や、ボルドーのデニムボンディング素材をあしらった、3DスカートやGジャンのバリエーションも登場。ベーシックなフォルムの中に、ギャザーを寄せたり、ラフルを挟み込むなどして細かなアクセントを加えている。グレンダイザーをプリントしたフロックコートやブルゾンは、それぞれがドロップショルダーでオーバーサイズ仕立て。グレンダイザーをプリントしたドロップショルダーのスウェットや、インターシャニットプルも見られ、ジュリアン・デイヴィッドのグレンダイザーへの強い思い入れが感じ取れた。
2016年03月29日伊勢丹が4月6日に発売されるPerfumeの新曲「FLASH」に合わせて同日、Perfumeとのコラボレーションにより製作した「Perfumeダンスヒール」の新色を発売する。Perfume監修のもと製作された「Perfumeダンスヒール」。今回は、Perfumeの新曲「FLASH」のミュージックビデオでもメンバーが着用しているブラックゴールドと、メンバーが春に合わせて選んだコーラルレッドスエードの2色が用意された。普段使いにはもちろん、激しいダンスでも対応できる“踊れるダンスヒール”となっている。また、Perfumeのニューアルバム『COSMIC EXPLORER』の発売と新色ダンスヒールの発売を記念して、名古屋のイセタンハウスと大阪のルクア イーレにPerfumeショップが期間限定オープン。店頭では「COSMIC EXPLORER」と新色ダンスヒールの他、Perfumeのオフィシャルグッズも販売される。期間はイセタンハウスが4月6日から19日まで、ルクア イーレが4月6日から12日まで。
2016年03月29日藤原ヒロシがディレクションを務める「ザ・パーキング銀座(THE PARK・ING GINZA)」(東京都中央区銀座5-3-1地下3階)が3月26日にオープンした。立地は数寄屋橋交差点のソニービル地下3・4階、以前は地下3階は老舗フランス料理店「マキシム・ド・パリ」で地下4階は駐車場であった。ファッションゾーンとなる地下4階は、東京発のフレグランスレーベル・リトゥ(retaW)や、藤原ヒロシ率いるフラグメント・デザイン(FRAGMENT DESIGN)とヴァンキッシュ(VANQUISH)のコラボレーションによるデニム バイ(DENIM BY)が国内初の店舗を構える。その他各区切られたスペースでは、藤原が厳選したフットウエアやウエアを集めたナイキや、西山徹がディレクションするナンバーエイトワンスリー(No.813)、ザ・パーキング銀座のオリジナルアイテムを取り扱う。奥のポップアップスペースでは様々な期間限定コンテンツを企画する予定となっておりオープン時から5月22日までは、ユナイテッドアローズ&サンズのディレクター・小木“POGGY”基史を起用し、ファンクをテーマにザ・パーキング銀座の為に企画したTシャツや帽子、バッグ、ステッカー、時計、ピンバッジなど限定アイテムを展開する。地下3階には、「カフェ ド ロペ銀座」と「ボンジュールレコード銀座店」が出店。70年代原宿・表参道に店を構えていたオープンカフェ「カフェ ド ロペ」の復活であることから注目を集めるこのカフェのメニューには、神田にある純喫茶「エース」の「のりトースト」(389円)や「クリームトースト」(389円)、浅草のパン屋「ペリカン」のバタートースト(445円)などから、祇園のレストラン「よねむら」のチーズケーキ(1,334円)、赤坂のフルーツパーラー「フルフル」のフルーツサンド(1,371円)、伊勢の老舗洋菓子店「シラセ」のサンドケーキ(1,000円)などの名店のデザートもラインアップする。ボンジュールレコード銀座では、CD、LP、ヴィンテージカセットテープ、音楽にまつわる本などをセレクトしている。またオープン時には、多数の限定アイテムもラインアップ。デニム バイからは、銀座のマップを背に刺繍したスタジアムジャンパー(4万5,000円)や、シリアルナンバー入りのデニム(3万7,000円)、リトゥからは、パークをイメージした香りのフレグランスキャンドルの同店限定パッケージを用意。また、アクセサリーのCAREERING×藤原ヒロシによるソックスの留め金“ソッパス”をイメージしたピアス(2万3,000円)も先行販売されている。ナイキのスペースでは、4月1日まで「ナイキアイディー(NIKE iD)」の「HTM」シリーズにフォーカスし、各モデルを取り扱う。
2016年03月29日アートディレクターの永戸鉄也による7年ぶりの個展「LAMINATION 積層」が、4月15日から27日まで表参道ヒルズの同潤館3階のギャラリー・ロケット(ROCKET)にて開催される。永戸鉄也は、CDジャケットデザインやミュージックビデオのディレクション、広告やドキュメンタリー映像制作にも携わるアートディレクターでアーティスト。03年には第6回文化庁メディア芸術祭デジタルアート優秀賞、トーキョーワンダーウォール公募2003・ワンダーウォール賞を受賞している。15年には写真家の水谷太郎との共作「STILLSCAPE」のプレゼンテーションを2度行った。今回開催される個展では、永戸鉄也の主軸と言えるコラージュ作品の新作を展示。印刷物を張り付け、剥がし、貼るという作業を繰り返すことにより“未来から見た現在”を表現した作品の数々が展開される。また会場では、同展の開催を記念して、アンダーカバー(UNDERCOVER)とのコラボレーションTシャツを限定発売する予定だ。【イベント情報】永戸鉄也「LAMINATION 積層」会場:表参道 ロケット住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館3階会期:4月15日~27日(オープン初日は19:00~パーティー)時間:11:00~21:00(日曜日は20:00まで、22日は15:00まで、27日は18:00まで)
2016年03月29日一見すると、ただのカラフルな図形が並んだだけのデザインのポスター。これらはオーストラリアで活躍するグラフィックデザイナーのニコラス・バークレイ(Nicholas Barclay)が制作したもの。彼が最近完成させたこのシリーズは、音楽史に残るロックアルバムのアートワークを限りなくミニマルな表現で構築し直したというものだそうだ。制作したのはビートルズの『アビー・ロード』、デヴィッド・ボウイの『アラディンセイン』、ニルヴァーナの『ネバーマインド』など全12作。ミニマリズムにこだわり抜いて、円と四角形のどちらかもしくは2種を使用して表現することをコンセプトとして作られた。本人曰く、自分の作品を見てもらう時に、何を表しているのか当てたがる人が多いため出来る限りシンプルに、且つどのアルバムのアートワークなのか分かるような限界のラインで再現することに挑戦したそうだ。それぞれの作品にはアーティストとアルバム名に加え曲目、リリース年月、レーベル名が小さく印刷されている。作者の狙い通り作品たちを眺めていると、見慣れている、もしくはどこかで見たことのあるアートワークが思い出されるので不思議な感覚になる。ニコラスは過去にも様々な種類のカクテル、サッカー選手、世界中の都市などをミニマルにデザインしたシリーズなども手がけている。またシェイクスピアの作品の一説をグーグルなど現代企業のロゴのみで表現したユニークなものや、メッセージ性の強い作品も得意としているようだ。彼自身のウェブショップで今回のロックアルバムの作品のポスターの販売もされており、海外発送も行っている。※本記事は (引用元: に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
2016年03月28日まとふ(matohu)が3月16日、ラフォーレミュージアム六本木を会場に16-17AWコレクションを発表した。スモークが焚かれた会場の中、暗闇からひっそりとモデルが現れショーは静かにスタートした。今シーズンのテーマは「おぼろ」。おぼろ月、霞、水墨画や夢幻能など古来より日本人に親しみ深い曖昧で儚いものを例に挙げ、日本人の根底にある美意識に着目をした。さらりと羽織れる長着やジャケット、ジレ、ストール、流れるように揺れる繊細なプリーツスカート、空気を孕みゆとりを十分に保った八分丈パンツなど、秋冬らしからぬ軽やかな見た目のウエアを纏い、目元まで深くハットを被ったモデル達は儚くもミステリアスな雰囲気。カラーパレットは、落ち着きのあるサンドやオフホワイト、ミモザ、ブルーグレー、サーモンピンクなどがベースとなり、スタイリングや素材加工によるグラデーションの遊びが加えられた。特に、今回のコレクションで実験的取り組みだったという素材加工では、敢えて不規則なストライプになるように歪ませたニードルパンチや、ろうけつ染作家の中井由希子に依頼し、奈良墨「古梅園」の紫墨や青墨を使って刷毛で柄を描いた素材などユニークなアイデアが提示された。その他にも、デザイナー堀畑裕之が描いた水彩画を機械へプログラミングし、9本の横糸で色彩を表現したオリジナルテキスタイルは、まるで水彩絵の具のように繊細に色が溶け合って「おぼろ」の美しさを体現するものとなった。終盤になるにつれて、ブラックや濃いブルー、パープル、カーキなど朝霧から夜霧へと移り変わる情景が目に浮かぶように深いカラーリングへと変化。一方、ぼんやりと曖昧な雰囲気の中、おぼろ月のように時折きらりと光るアクセントとなるのが大振りのボタンとブローチ。これは、今回の為にオリジナルで岩手のデザインユニット・コシェルドゥ(coshell 2)に製作を依頼したもので、原料には漆、銀、紙が用いられている。ラストで披露された、夜霧の情景に朝陽がのぼるような鮮やかなオレンジのルックが印象的だった。
2016年03月28日3月18日に銀座三越で開催された一夜限りのスペシャルイベント「銀座三越×ハーパーズ バザー スペシャルナイトパーティー」。そこでDJパフォーマンスを披露し、ファッションフロアを盛り上げたのが、マドモアゼル・ユリアさん。DJ、シンガー、さらにデザイナーとしても活躍し、ファッション・アイコンとして常に注目を集める彼女に、今回のイベントにちなみ、ファッションや銀座、桜について話を聞いてみた。--今日のファッションについて教えてください。「最近買ったばかりの、フェノメノンの服を選びました。デザイナーが友人なのですが、デザインが好きでよく着ているブランドです。靴はトーガ(TOGA)です。ピンクは大好きな色なので、着る機会も多いのですが、いつもはもっと薄いピンクが多いですね」--この春はどんなファッションが気になりますか?「だんだん暖かくなってきていますが、まだまだ寒さを感じる時もあるので、一枚羽織れるものがほしいです。銀座にも買い物に来たいです」--ユリアさんにとって銀座の魅力とは?「銀座は大人の街というイメージ。新しいものと歴史のあるものが混ざり合っているのが魅力的だと思います。こんな銀座でファッションのイベントをやるのはとても新鮮!銀座の新たな魅力を発見する機会になればと思います。今日(「銀座三越×ハーパーズ バザー スペシャルナイトパーティー」)は、クラブなどで開催するいつものイベントと違っていろんな人が来られますから、みんなが聴いて楽しめる音楽をチョイスしました。またこういうイベントでパフォーマンスしたいです!」--今日の会場は一足先にお花見の雰囲気ですが、お花見の予定は?「お花見は毎年必ずしています。目黒川の桜が大好きなのですが、今年はまだ行ったことがないところにも行ってみたいです」ネオンカラーのピンクが目を引く、最新の東京モードなスタイルで会場に登場したユリアさんは、クールなパフォーマンスでパーティの招待客らを魅了。春の訪れを祝う一夜を、独自の世界観で華やかに盛り上げた。
2016年03月28日ジュンアシダ(jun ashida)は、3月29日14時30分より行う16-17AWコレクションショーをライブストリーミング配信する。会場はグランドハイアット東京。今回は、様々なシーンを彩るタウンから、レーススパンコールが輝きを添えるカクテル イヴニングドレスまでジュンアシダらしい立体的なディテールやカッティングが際立つ新作約60点が発表される。今シーズンは、荒野に吹く風のように力強くクールで透明感のあるコレクションを全60スタイルで提案する。コレクションの様子はオフィシャルサイト(www.jun-ashida.co.jp)他、USTREAM(www.ustream.tv/channel/jun-ashida)でも同時配信される予定。※会場の都合によって遅れる場合有り。
2016年03月28日フレッドペリー(FRED PERRY)が3月19日、世界最大規模の旗艦店「フレッドペリーショップ東京」(東京都渋谷区神宮前5-9-6)を東京・神宮前にオープンした。これを記念し4月8日、ニューニュー(newneu.)とのコラボレーションによる新作バッグを発売する。アートピース(ワッペン)を使って自由にカスタマイズできるバッグを提案するニューニュー。今回のコラボレーションでは、ベルクロ素材をベースにしたバッグに好きなワッペンを施してカスタマイズできる3種類のバッグが製作された。ラインアップは、トートバッグ(1万5,000円)、ヘルメットバッグ(2万2,000円)、ボウリングバッグ(5万5,000円)の3点となっている。取り扱いは、4月8日から25日までフレッドペリーショップ東京に、5月13日から26日までフレッドペリーショップ大阪にオープンするポップアップショップ「newneu. for FRED PERRY Pop Up Shop」にて。会場では、ニューニューのアートピースに加え、今回のために新たに登場したフレッドペリーオリジナルのアートピース4種類が用意され、バッグを自分だけのオリジナルにカスタマイズもできる。
2016年03月28日世界でも注目される著名なシングルオリジンコーヒーの専門店が集まる「コーヒーコレクション・アラウンド・神田錦町2016スプリング」が、4月23日、24日に東京・神田錦町の複合ビル・テラススクエアにて開催される。会場には、コーヒー豆の生産国や生産地域、生産処理方法が明確なコーヒーである“シングルオリジンコーヒー”の専門店が各日5店、2日間で計9店集結。世界大会での受賞歴を持つバリスタなどが淹れたハンドドリップコーヒーを飲み比べることができるイベントとなっている。各店の豆の性質や焙煎方法、抽出技術による味の違いがより体感しやすいよう、全店が同一の抽出器具を使用し同じ条件でコーヒーを淹れることになっているというこだわりようだ。価格は、1種類のみのコーヒーが税込400円、5店の味を楽しめるテイスティングセット「5 cups TICKET」が税込1,000円。「5 cups TICKET」はウェブでの事前販売250セットの他、当日販売も用意されている。出店店舗は、4月23日がトランク コーヒー(TRUNK COFFEE)、フグレン トウキョウ(Fuglen Tokyo)、ポール バセット(Paul Bassett)、アマメリア エスプレッソ(AMAMERIA ESPRESSO)、グリッチコーヒー&ロースターズ(GLITCH COFFEE & ROASTERS)、24日がグリッチコーヒー&ロースターズ、シングル オー ジャパン(Single O Japan)、フォーバレルコーヒー by メリータイム(Four Barrel Coffee by MERRY TIME)、スロージェットコーヒー(SLOW JET COFFEE)、ザ・ローカル(THE LOCAL)。また、会場では世界エアロプレスチャンピオンや日本ハンドドリップチャンピオンによるハンドドリップセミナーも開催。同イベントのためだけにGLITCH COFFEE&ROASTERSの鈴木清和、FUGLEN TOKYOの小島賢治、TRUNK COFFEEの鈴木康夫の人気店3人のバリスタが焙煎したこだわりの豆を各50g×3つのセットにした「ロースターズセレクション(ROASTERS SELECTION)」も税込2,000円で限定販売される。その他、2ヶ所のサテライト会場ではコーヒーをより楽しめるイベントを開催。6種類のワインの試飲販売や、ワインセミナーのイベント、コーヒーに合うお菓子教室などが予定されている。
2016年03月28日プロダクトブランドのアマブロ(amabro)を展開する村上美術が手掛ける中目黒のライフスタイルショップ・ブリック アンド モルタル(BRICK&MORTAR)中目黒本店が、2周年を記念してSMALL GALLERYをオープンする。同ギャラリーのコンセプトは“ART OF LIFE -生活の中にアートを取り入れる-”。オリジナルアイテムやライフスタイルショップを展開してきたアーティストの村上周によるキュレーションにより枠にとらわれない様々な作品を紹介していく。3月29日から4月10日まではオープニングエキシビションとして、村上周と、刺繍やペインティングなど様々な技法で動物を描く高木耕一郎、雑誌や書籍へのイラストレーションの他空間演出や、壁画を手掛ける田中健太郎による三人展「PUBLIC THREE」を開催。手法も表現も異なる三者三様の世界を堪能することができる。【展覧会情報】「PUBLIC THREE」会場:BRICK & MORTAR 中目黒本店 SMALL GALLERY住所:東京都目黒区中目黒1-4-4 1階会期:3月29日~4月10日時間:12:00~20:00(日曜日は19:00まで)
2016年03月28日世界各国の“美しい本”を解説付きで紹介する書籍『世界の美しい本』が、3月24日に発売された。同書では、世界一美しい本と言われるケルトの装飾写本『ケルズの書』や、手彩色の豪華本が全盛期を迎えた中世の装飾写本、イギリス人デザイナーのウィリアム・モリスが定義した“美しい本”などを海野弘が解説付きで紹介。アール・ヌーヴォーやデコ期のデザイン書籍なども登場する。【書籍情報】『世界の美しい本』解説・監修:海野弘出版社:パイ インターナショナルB5判変型/ソフトカバー/312ページ発刊:2016年3月24日価格:2,900円
2016年03月28日3月2日、ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)がサン・ラザール駅の北側に位置する、フランス国鉄により19世紀中頃に建立された建築物を会場にショーを開催した。20世紀初頭に社交界を賑わせたルイーザ・カサッティ夫人と当時の恋人で詩人のガブリエーレ・ダヌンツィオに着想を得ながら、様々な因習にとらわれない生き方をしたギャルソンヌ、カサッティ夫人が住居提供をしていたとして縁の深かったバレエ・リュス(=ロシアバレエ団。セルゲイ・ディアギレフが設立。ニジンスキーなどの伝説的ダンサーを輩出)の要素や、ヘルムート・ニュートンが撮影したイヴ・サン・ローラン(Yves Saint-Laurent)のスモーキングのイメージも織り交ぜて、重厚感溢れるコレクションとなった。一つのルックの中にエンブレムを配したクラブジャケットとアニマルファーのコートを組み合わせるなど、それぞれダヌンツィオのダンディズムとカサッティ夫人のエキセントリックさをミックス。ルームウェアやパジャマの要素を配しているのも今シーズンの特徴で、パールプリントのファブリックで仕立てられたり、パール刺繍が施されたり。最終ルックはスネークモチーフのドレスで、これは、カサッティ夫人が宝石代わりに本物のヘビを首に巻き付けてたとする伝説に由来している。当コレクションのメークにも影響を及ぼした、ジル・バットンによる手描きイラスト入りの招待状も話題に。
2016年03月28日代謝が活発になる星回りなので、ダイエットをスタートさせるには好機!特に冬の間の運動不足だった人は積極的に体を動かしてみて。内側から輝くヘルシービューティーを目指しましょう。■牡羊座(3.21 - 4.20)嬉しいサプライズでお財布が潤う予感。ただし強気な発言ばかりでは反感を持たれるのでご用心。フルーツのモチーフが対人運を穏やかに。健康運はキャップでUP。マリンテイストなルック、レッドを身につけて。■牡牛座(4.21 - 5.21)恋愛では意外な人に好かれるなどユニークな出会いが期待できます。ピンク系のスカジャンが出会い運を底上げ。仕事はチームのまとめ役として活躍。ベージュが信頼感を高めます。金運のお守りは星モチーフ。■双子座(5.22 - 6.21)用意周到さを大切すべきとき。恋愛は本命との出会いはまだ先になりそう。気になる彼がいる人はフレンドリーな交際を楽しんで。グレーやイエロー、幾何学模様でモダンに。ワイドシルエットのデニムがラッキーアイテム。■蟹座(6.22 - 7.22)職場では縁の下の力持ち的な役割を心がけると開運に。金運のお守りはハット。バランス感覚を大切に。グリーンをアクセントカラーにしたロングドレスなどロマンティックなルックにチャレンジして。■獅子座(7.23 - 8.22)油断していると太ってしまう暗示。キラキラと光沢感のあるスカーフが美容運のお守りに。ラッキーカラーのブルーならなおよし。恋は意中の彼の嗜好をリサーチして接近すると発展します。アニマル柄もラッキーです。■乙女座(8.23 - 9.23)逃せない恋をしている人は大ぶりのネックレスが勝機を招きます。恋活中なら真面目なタイプと縁があるでしょう。セットアップスタイルやトレンチコート、ボーダーのアイテムをワードローブに加えて。■天秤座(9.24 - 10.23)優雅に構えているとチャンスを逃しそう。スリットスカートなど、センシュアルさを心がけると正解。クラッチバッグが結婚運を上昇。カラーはピンクを取り入れて。週末のショッピングに幸運が潜んでいます。■蠍座(10.24 - 11.22)金運にはレースアップのサンダルを。仕事でキャリアUPを目指すと成功します。ロゴ入りのアイテムが必勝アイテム。ホワイトやメッシュ、肌見せでスポーティ&セクシーに装って。恋愛は強引なタイプに注意。■射手座(11.23 - 12.21)スポーツやエンタメ系のイベントを通じて恋の出会いに恵まれそう。動物モチーフで週末のレジャーが一層思い出深く。仕事は責任あることを任される予感。頑張って。ラッキーな色柄はホットピンク、スカイブルー、迷彩です。■山羊座(12.22 - 1.20)紹介にツキがある恋愛運。唇のモチーフで結婚運が上昇。仕事は思い通りに運ばずフラストレーションが溜まりそう。チェーンバッグとサーモンオレンジが運気を底上げ。苦手なことにもトライする精神が大切。■水瓶座(1.21 - 2.19)低迷気味の金運に効くのがスネーク柄。ケチるとさらにダウンするかも。恋は才能あふれる人と縁があります。あなた自身も相手に魅力的なアピールができるでしょう。シルバーカラーやメンズテイストでより魅力的に。■魚座(2.20 - 3.20)仕事と金運が安定。なくしたものが見つかるなどハッピーなことも起こりそう。婚活中の人はフラワーブーケが吉。リネンのシャツにパンツなどプレーンなスタイルを心がけて。さし色にはラベンダーかスカイブルーをチョイス。【プロフィール/ムーン・リー】西洋占星術師。『numero』『mina』など数々の人気女性誌での連載やエッセイや書籍の執筆など実績多数。「怖いほど当たる!」鑑定士として話題を呼んでいる。当連載では12星座占いとファッションを融合させたハイブリッドな週間占いを提案。長年の鑑定や研究から導き出される開運のメッセージを届ける。
2016年03月28日サポートサーフェス(support surface)は3月17日、表参道ヒルズ・スペース オーにて16-17AWコレクションを発表した。「本質の追求の為、原点を見つめ直す」をテーマに掲げ、デザイナー研壁宣男は、本来洋服が持つべき本質に着目。過剰なデザインを施すことではなく、必要最小限のデザインに上質な素材を採用し、着心地の良さを追求したコレクションとなった。カラーパレットは、ボルドーやベージュ、グレー、モスグリーンなどを基調に構成された。今シーズン多く登場したのが、落ち感とハリ感が同居したベルベットのような新素材と、上質なフェイクレザー。ラグランスリーブで肩を包み込むようなデザインを配し、ボリュームある袖口、生地をねじり美しいドレープ使いでアシンメトリーに仕上げるなど、随所に女性らしい表情を作り上げた。全体的に、細長さを意識したというシルエットに、同素材や異素材の切り替えしで表情を見せ、立体的なパターンで丸みを描いた。また、アウターやワンピースにはバックスタイルに重心をおいたデザインが多く登場し、シンプルな中に研壁の豊かなデザイン性が発揮された。その一方で、終盤に連れ新たな表情を見せたのが、ジャガード織の大柄な千鳥格子や花柄、繊細なレース素材にフェザーの刺繍を施したウェア。これらのアイテムが初盤の素材にコーディネートされ、全体のコレクションピースに彩りを添えた。“日常に着られる服”を基盤に、衣装にならない程良い華麗さを持ち合わせた今シーズン。原点に帰化し、袖を通すことによる価値を再解釈させるコレクションとなった。
2016年03月27日3年に1度開催されている瀬戸内国際芸術祭は、2016年に第3回を迎えた。年間を通してさまざまな試みが行われ、新たな取り組みが生まれている。それを媒介するのが「旅」である。人々は、他の場所にはないユニークなものに惹かれ、そこでしか味わえない固有の体験、五感の開放を求めて旅に出る。「旅」の先にあるのは、人と人とのフェイス・トゥ・フェイスの関係だ。人と人とが交わることで、どのような活力が生まれ、瀬戸内国際芸術祭は、それらの声にどう応えようとしているのだろう。■人と直接出会い、食を通して土地を知るーー旅をする人たちの中には、どのような感情が湧き上がっているのでしょうか。現代の価値観では、最大の情報に最短でアクセスする能力が問われています。行政も民間でも、情報処理能力の高さが優秀な人たちの定義です。彼らはそこにどっぷり浸かって昇進し、稼いでいるにもかかわらず、そのIT空間は嘘のものだと知っていて、フェイス・トゥ・フェイスの関係にしか真実はないと思っている。現在、世界的なグローバリゼーションの波がバーチャルになっているのに対し、本物のグローバリゼーションというのは、自分が移動することで生まれるフェイス・トゥ・フェイスの関係にしかないことに気付いているんですね。そういう人ほど、旅をしたがり、移動を求めている。ーー今回の芸術祭では、とりわけ「食」をテーマとして全面的に押し出されていますね。土地を知るには食が一番です。地元の食材を使い、島のお母さんたちがつくる料理は、世界一です。例えば、春になると瀬戸内海ではサワラが多く獲れる。東京では鮮度が落ちるから西京漬くらいしか馴染みがないかもしれませんが、瀬戸内海ではタタキで出してくれる。これがメチャメチャ美味しい。瀬戸内にはサワラの季節、押し寿司をつくって嫁さんに持たせて里帰りさせる風習があります。「こんなに美味いものを食べているなら、きっと嫁ぎ先でも幸せにやっているだろう」と実家の両親が納得するほど、地元の人がつくる旬のサワラのタタキや押し寿司は絶品です。それをみなさんにもできるだけ食べてもらいたい。けれども、普段はなかなか食べに来る人が少ないから、島にレストランはほとんどない。前回の芸術祭に来られた方々の多くが、コンビニでおにぎりを買って食べていた。その反省として、せめて芸術祭の会期中はちゃんと食べてもらえるよう、一生懸命準備をしようと思ったわけです。豊島で展開する「島キッチン」では、地元のお母さんたちも働いている■人もアートも、それぞれみんな違う面白さーー都市と地域は呼応し、交換し合うことがこの時代、大切であると聞きます。僕が一番感動したエピソードは、浜辺から作品までの道の途中に住む人が、芸術祭が開幕して3~4日目ぐらいから、発泡スチロールの箱に水をためて、家の前でジュースを売り始めた。「おかあちゃん、何やっているの?」と家族が聞いたら、「島に来る人たちをずっと見ていた。でも、見ているだけではつまらない。何か売れば、おしゃべりできるかもしれない」と考えたと。そのジュースの仕入れ先は、10メートル先の自動販売機。そこで140円で買って冷やして140円で売っている(笑)。普段、島に人は来ませんから、珍しいわけです。この話を聞いて、「いろいろな人を見てみたい」「話したい」というのが、島の人たちにとっての一番の喜びだと感じました。昔の街道筋もお遍路も、それが楽しみだった。もっと理屈っぽくいえば、地球上には73億人の違う人が生きていて、人それぞれみんな違うという面白さを本能が求める。アートの素晴らしさは、みんなが違っていいところ。人と違っていいことが唯一認められる領域。だから僕はディレクターとして、なるべく違うアートを選びたいと思っている。人間国宝級のすごいものがあっていいし、素人の作品もあってもいい。そういう多様さが、美術の最大の面白さだと思うし、都市と地域の交換の根拠だと思います。ーー作品にもその影響は現れているのでしょうか。普段はシリアスなテーマで活動しているアーティストも、おばちゃんたちに、「にいちゃん、がんばれ」と、肩やお尻をたたかれると、作品が明るくなります。それは美術のもっている祝祭性が、島(土地)とのかかわりの中で引き出されるからでしょう。クリスチャン・ボルタンスキーのシリアスな作品、例えば豊島にある《心臓音のアーカイブ》にしたって、海に開けていく感じがしませんか?■瀬戸内海を希望の海にするためにーー来訪者も人と人とのかかわりを求めていますね。アンケートで瀬戸内に来た理由を尋ねると、圧倒的に、1位が現代美術。2位が海や島の面白さ。でも帰るときの答えは、1位が島の人と話せた。2位が島の行事に参加できた。3位が島の食材や料理を食べられた。というふうに変化する。都市は画一化され、人はロボットとして扱われ、会社で言われたことを一生懸命やるしかない。でも、田舎に行けば、固有名詞で呼んでもらえる。だからみんな田舎に行きたがる。ーー瀬戸内国際芸術祭は3年に1度です。3年、6年、9年と、何を未来につないでいきたいですか?三越伊勢丹とのコラボレーションの話がスタートした当初、驚いたことがあります。百貨店は正月やクリスマスなど、1年間の歳時記を展開していますが、それだけでは、オリジナルなものの見せ方は難しい。もっと大きな底流で動いているものを捉えた表現をしなければならない。そこで瀬戸内国際芸術祭とのコラボを考えた、とうかがい、人間の感覚の傾向性を掴もうとしている姿勢に感激し、そこから僕も学びたいと思ったわけです。瀬戸内国際芸術祭は、いろいろな意味で3年に1度しかできない。3年間の準備期間はどうしても必要です。ただひたすら、目先のことに必死に対処しているのですが、せっかくやっているからには、と思うことがあります。多くの人たちが、いろいろな状況下で、大変な思いをして毎日を生きている。だからこそ、開口部があるとか、明るさを感じるとか、希望が見えるとか、そう思える場所にしていきたいと思っています。前編に戻る。
2016年03月27日写真家・植田正治の写真展「あの時代(とき)のホリゾント 植田正治のファッション写真展」が、4月16日から5月29日まで東京・渋谷のアツコバルーにて開催される。「生涯、アマチュア写真家」を自称していた植田正治が初めてファッション写真を手掛けたのは自身がすでに70歳であった1983年。それまでのファッション写真の枠組みを軽々と飛び越えた写真は各界に衝撃を与えた。同展では、植田正治が80年代に手掛けたファッション写真を中心に展示することで、“あの時代”を再検証。また、アート、ファッション、グラフィックなど、カルチャーがひとつの頂点を迎えた80年代の証言者たちを迎えた連続トークセッションも実施される。4月16日の17時から19時まではデザイナーの菊池武夫と元『ハイファッション』編集長の田口淑子、22日の19時から21時まではスタイリストのはたきみえと中村のん、28日の19時から21時までは俳優の佐野史郎と植田正治事務所の増谷寛、5月14日の19時から21時までは元『マガジンハウス』編集長の石川次郎と元『マガジンハウス』エディトリアルディレクターの森永博志、翻訳家の堀内花子が登壇。価格はそれぞれ1ドリンク付きで1,500円となっている。なお、4月16日の19時から21時までは入場無料のオープニングパーティーも開催される予定だ。【イベント情報】「あの時代(とき)のホリゾント 植田正治のファッション写真展」会場:アツコバルー住所:東京都渋谷区松濤1-29-1クロスロードビル5階会期:4月16日~5月29日時間:日・月曜日が11:00~18:00、木・金・土曜日が14:00~21:00料金:500円(1ドリンク付)休館日:火曜日
2016年03月27日お酒やカクテルの新しい魅力を発見する体験型イベント「THE OYATSU Vol.3|カクテルが生み出す非日常性」が、3月28日に東京・渋谷にあるFabCafeにて開催される。「THE OYATSU」は、食とクリエイティブをつなぐ新しい視点を探ることを目的とした、FabCafeとクリエイティブチーム301による合同プロジェクト。12人の気鋭のシェフたちに月替りで実験的な“おやつ”の開発を依頼し、月に一度のイベントにてシェフを交えたトークショーとともに実際に開発したメニューを提供している。これまでに、代々木上原にあるセララバアドの橋本シェフによるレーザーカッターを応用したパンプディング、中目黒にあるNARITA YUTAKAの成田シェフによるフレンチ流タコヤキを発表してきた。第3回目となる今回は、富ヶ谷で人気のカフェ&バー・FUGLEN TOKYOでバーテンダーを務める野村空人が、北欧で親しまれるシロップ「シュラブ」と日本らしさを表現する「ゆかり」を使ったノンアルコールカクテル「ミルクシェイク」を製作。トークショーでは、メニュー開発のプロセスから、カクテルの基礎知識、バーという空間が持つ意味、世界のカクテルトレンドまで、様々な側面からバーやカクテルについて語る。【イベント情報】「THE OYATSU Vol.3|カクテルが生み出す非日常性」会場:FabCafe住所:東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ビア1階会期:3月28日時間:20:00~22:00(開場は19:30)料金:2,000円
2016年03月27日ドイツの春祭りを再現した「ヨコハマ フリューリングス フェスト 2016(Yokohama Fruhlings Fest 2016)」が、4月29日から5月8日まで横浜赤レンガ倉庫イベント広場、及び赤レンガパークにて開催される。ドイツ語で“春の祭り”を意味する「フリューリングスフェスト」は、ドイツの人たちが春の到来を祝うイベント。ビール祭りに移動遊園地がセットになっており、ドイツ各地では家族や仲間とともに春の1日を楽しむ風物詩として親しまれている。横浜赤レンガ倉庫では4回目の開催となる今回は、ハンブルクを中心とした北ドイツのドリンクやフードを多数展開。ハンブルクのクラフトブルワリー「バドルシップ」や「ホッパーブロイ」をはじめ、120年以上にわたり受け継がれてきた「メッツェラー醸造所」の樽生ビールも日本初上陸。また、コーティングジュースと呼ばれる噛むとはじける新食感のジュースを用いたビアカクテルやソフトドリンクも販売される。フードでは、ドイツから輸入したヒュッテ(木の屋台)にて、ドイツの伝統シーフード料理「ロートバルシュ」や、表面をカリカリに焼いた北ドイツ特有の伝統のハンバーグ料理「ブレーマークニップ」、揚げパンの様な伝統菓子「クラップフェン」などを提供。その他、ドイツで春を告げる野菜と言われている「シュパーゲル(ホワイト アスパラ)」や名物のソーセージ、果実の器のフレッシュジュースなどの定番メニューも用意した。また、海側に面したアトラクションゾーンでは、世界でただひとりと言われる回転木馬職人のピーター・ペッツによる貴重なアンティークのメリーゴーランドが初登場する予定だ。
2016年03月27日