新連載!3歳発達障害息子の子育て、葛藤の日々を綴る現在3歳3ヶ月の息子、1歳5ヶ月の娘を育てています。息子のいっちゃんは、中度知的障害を伴う自閉症スペクトラムです。指ちゅっちゅタオルボーイ、発語はありません。産まれた時からあまり泣かず、寝てばかりで母乳を飲むこともないので、早いうちに母乳は出なくなりました。呼びかけても反応せず、あまり動くこともなく。もしかして...と思ってからはっきりと状況がわかるまでは、黙々と検索をして調べたり、そんなはずはないと息子を信じてみたり、何故こんなことができないのかと叱りすぎて自己嫌悪に陥ったり、とても苦しい時間を過ごしてきました。Upload By かさはらあやこ『ぜんぜん普通の2歳じゃん』見えない困難に追い詰められたこともUpload By かさはらあやこ『ぜんぜん普通の2歳じゃん。しつけがされていないだけでしょう?2歳を過ぎたらもう色々わかるんだからしつけなきゃ。』私が実姉から言われた言葉です。もちろん悪気があってではなく、「発達障害があるかも...」と悩んでいる私に対し、心中を推し量っての発言だと思います。自閉症は、その言葉のイメージから誤解を受けることも多いですが、自閉症の症状の程度、知的障害の程度も人によりさまざま。見た目で障害が分かりにくいこともあり、周囲から「しつけのできていない子」と非難され、祖父母を含む親戚、夫でさえも昔は当たり前に居ただとか、個性だとか、大袈裟だとか言ってくる。実母は、どうしてこうなっちゃったんだろうねぇ?と言い放ち、挙げ句の果てに、「身体が丈夫なんだからいいでしょう」って、いや、そういうことじゃない。Upload By かさはらあやこ発達障害についてメディアが取り上げるようになったり、認知が高まってサポートしてくれる機関が増えたりと、少しずつとりまく環境は良くなってきている、とは聞きます。でも、まだこの障害について正しく診断し、適切なアドバイスのできるお医者さんは足りないそうです。相談機関も不足しています。地域によっては病院を選べなかったり、100キロ以上も離れていたり、数が少ないため診察を受けるのに数ヶ月以上待たなくてはいけなかったり。子どもを産んでからよく、「子育ては大変だけど楽しいでしょう?」と聞かれます。......楽しい?タノシイ???大変と思うばかりの毎日で、その楽しさがわからず、自分は親として何かが欠けているのではないか?と悩んだりもしました。思うようにならないことの多い子育てです。必要な支援を受けにくい環境、適切な助言をしてくれる専門家が少ない状況...しかも、親兄弟や親戚に、正しい理解をしてください!勉強してください!とも言えない。めちゃくちゃストレス!!だからせめて、自閉症児とその家族の置かれている状況や、自閉症の特性を、なんとなくでいいから知っていただきたい...そんな想いで、これまでSNSに子どもとの日々を投稿してきました。幼稚園に通い始めた息子、成長中の日々をお届けしますUpload By かさはらあやこ癇癪が強くなり、特性が目立ちはじめる2歳頃...産まれてから2年以上、毎日夜泣きでまともに眠ることができず、全く意思の疎通を図れない。息子は一体何者なのか。精神的にも身体的にもすっかり参っていた私。そんな私を支えてくれたのは、療育で関わる先生方はもちろん、担当の保健師さん、話を聞いてくれた友人、SNSで情報を与えてくださる同じ境遇の方々でした。障害を受け入れ、特性を理解し、環境を整えてあげる必要があることに気づくまで、たくさん悩んで、たくさん泣いて、たくさん時間がかかってしまいました。いっちゃんは3歳から幼稚園に通っています!SNSで投稿をするようになってからは、目撃するたびに心が痛くなっていた特性を愛おしいと思えたり、 クスッと笑えるようになったり。息子の成長を通し、うちの子も同じ!と愛おしく感じていただいたり、自閉症ってこんな感じなんだ、こんなことに困っているんだと知っていただいたり...そんな風に思ってくれる方が少しでも増えるようなコラムがお届けできればと思っております。よろしくお願いいたします!
2020年09月30日わかりやすく事例や対処法を紹介!ーー『ADHD 注意欠如・多動症の本』本書では、「落ち着きがない」、「衝動的に行動する」、「不注意で忘れ物が多い」といった特徴をもつADHDの子どもとの付き合い方を紹介しています。ADHDの子どもは、特性ゆえに学校や家庭での生活で失敗やトラブルを経験することも多く、ストレスを抱えることが多くなりがちです。ときには、そういったストレスが学業不振や、うつ病、いじめなどの重大な事態につながることもあります。本書は、漫画と豊富なイラスト、読みやすい文章で、症状から対応策まで徹底的にわかりやすく解説しています。生活リズムの整え方や、やる気の育み方、ゲームやスマホとの付き合い方といった日常生活に即した具体的なアドバイスが盛りだくさん。子どもたち本人のメッセージも掲載しており、保護者や教育関係者の方にぜひともおすすめしたい一冊となっています。書いてみると子育てがラクになる!『発達障害の子どもの行動が変わる魔法の子育てノート』発達支援の専門家として長らく子どもを育む仕事をしてきた、藤原里美さんによって書かれた本書。「これまでにたくさん自分も失敗をしてきた」と著者の藤原さん。しかし、失敗を繰り返す中で、「こうしたらうまくいく」方法をたくさん見つけることができたと言います。本書にはそんな、失敗から学んだ子育ての工夫がもりだくさん。この本は、「知る」、「理解する」、「行動する」、「評価する」、「できる」といった5つのステップを想定して作られています。本の中には、実際に自分で記入できるスペースが豊富に設けられており、志向を整理しながら本を読み進めることができます。ぜひ、発達障害のあるお子さんをお持ちの保護者の方に読んでいただきたい一冊です。幼稚園や学校で話したいのに話せない「場面緘黙」の子どもの支援がわかるーー『イラストでわかる子どもの場面緘黙サポートガイド~アセスメントと早期対応のための50の指針』家庭ではしゃべることができるのに、幼稚園や学校などの集団の中ではことばを発することができない、「場面緘黙」。小児科で院長をつとめる金原洋治さんと、長野大学社会福祉学部准教授の高木潤野さんの共著である本書は、そんな場面緘黙の子どもたちの理解を深め、具体的にどう支援・指導したらいいかを書いた本です。学校の先生向けに書かれた本ですが、保護者にとっても、学校と連携して子どものサポートをするために役立つことがたくさんある本です。理解して見守るというだけでなく、実際にどういう方法で子どもと向き合ったらいいか、場面ごとのサポート方法が書かれている本書。場面緘黙の子どもが、話したいのに話せないつらさから楽になるために役立つ一冊です。ほめて伸ばすってどうやるの?がわかる!ーー『マンガでわかるペアトレ』ペアレント・トレーニング(ペアトレ)とは、子どもの行動に焦点を当て、好ましい行動を増やしたり、好ましくない行動を減らしたりする接し方を保護者が学び、練習するプログラムです。本書は、著者である、らせんゆむさんが自身の体験をベースに、ペアトレはどういうものかを漫画で楽しく分かりやすく描いた一冊です。「保護者が子どものために頑張る」イメージがあるペアトレ。しかし、らせんゆむさんはペアトレの理解を深めていく中で、「もっと力を抜いて子育てをしてもいいんだ」という穏やかな心境に変わっていったといいます。本書は難しいと思われがちなペアトレについて気軽に楽しんで実践できる本となっており、発達障害などの診断のあるなしにかかわらず、親子の関係をもっとよくしたいと望んでいる方に幅広く読んでもらいたい一冊です。発達障害の困りごとをすべて網羅!--『発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』本書は、自身も発達障害がある著者の借金玉さんが、自らの経験から得た「生き抜くコツ」を解説しています。キャッチコピーは「世界一意識が低くて、世界一役立つ本」。その名の通り、暮らしを楽にするハックがこの本には満載です。本書では、「ものを片づけられない」、「集中が続かない」といった特性的な悩みにも触れながら、「貯金ができない」、「マルチタスクが無理」といったADHD当事者が実生活で抱えがちな悩みにも、対処法を提示しています。借金玉さんはタイトルにもなっている「サバイバル」について、「サバイバルとは、より快適で、ラクで、優雅な生活」と語っています。発達障害のある成人の方に読んでいただきたい一冊です。
2020年09月29日先輩ママからのアドバイス。放課後等デイを2か所にするメリット放課後等デイサービスを複数利用することになったきっかけは、私が仕事を始めたことでした。同じように障害のあるお子さんがいて、仕事をされているママ友に相談したところ、「仕事を始めるのなら、デイサービスをもう1か所探してみた方がいいよ。1つのデイサービスを毎日利用できるとは限らない」とのアドバイスが。Upload By シュウママなるほどと思いました。今利用しているAデイサービスは、平日はほぼ見てくださっています。でも定員がオーバーして受け入れてもらえない日もあるかもしれません。そう思ったので私は、ママ友が通わせているBデイサービスを紹介してもらったのです。Aデイサービスにも事情を説明すると、「わかりました。大丈夫ですよ」と快く理解していただきました。Upload By シュウママ2か所の放課後等デイサービスと契約すると、月々の利用負担額が倍になるのではないか?そう思っていたのですが、市役所で確認をして驚きました。世帯の負担上限月額を超えて支払わないですむよう、デイサービス間で利用負担を「上限管理」で調整してくれるのだそう。 1か所利用の時と同じ金額で、2か所利用できるということですね。Upload By シュウママそれを聞いて安心しました。そうして実際仕事を始めてみて、やはり助かったことがありました。つい最近のことです。Aデイサービスの近くの小学校で新型コロナが発生したのです。そのため周辺のデイサービスも閉鎖を余儀なくされることに。Aデイサービスが休止になり、急遽Bデイサービスの利用をお願いして、なんとか仕事を休まずにすみました。Upload By シュウママこれは本当に助かりました。その子にあったやり方でただ複数の放課後等デイサービスを利用することで、お子さんによっては負担になることがあるかもしれません。放課後等デイにはそれぞれ特徴があるので、一つに決めて、一貫したやり方で指導してもらう方が向いているお子さんもいることでしょう。長男の通う放課後等デイは、Aデイサービスはリトミック、竹馬、などといった決められたメニューがあり、集団行動を重視します。Bデイサービスはたくさんのおもちゃが置いてあり、子どもたちは各々好きなことをして自由に遊びます。クッキングの時間が設けてあり、みんなでおやつを作ったりもします。それぞれに個性があります。このような2つの状況にうまく適応できないお子さんもいらっしゃるかもしれません。あくまでこれは、我が家にとっての利点という意味です。ご参考程度にとどめていただければと思います。
2020年09月29日人付き合いが大の苦手だったリュウ太も、女の子と出かけるように!Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は現在22歳、たまに女の子と出かけることがあります。彼女以外の女の子の友だちと食事やお茶をすることもあるそうで、仕事が終わったあとにルンルン♪機嫌よく出かけていくときは、女の子と会うんだな!と母はピーン☆とくるんです。小学生の頃から周りと衝突、ケンカしたりして孤立する時期もありました。周りとうまくいかないことから小1ではリュウ太専用のクールダウンスペースを用意してもらって、学校では一人で過ごすなんてこともありました。Upload By かなしろにゃんこ。とにかく人づきあいがヘタで、相手にズバズバひどいことを言っては敵をつくる男です。そんなリュウ太がナゼ?…ナゼ女子と?出かけるまでに?母も不思議でなりません。そこで22歳になった息子に聞いてみました。「コミュニケーションで気をつけていること」息子が得意げに話した内容は...Upload By かなしろにゃんこ。女の子とつき合い方やコミュニケーションで気を付けていることが3つあると言います。聞いてみると、“女の子との”つき合いの中では特に気をつけているけれど、その前に、人づき合い全般で気をつけていることがあって、それが土台になって女の子と話せるようになったといいます。それは、●相手の趣味に合わせて話してみる。(わからないことは質問する)●人の趣味は否定したり、けなさないようにする。●自分の趣味のマニアックな話は避けるようにする。というものでした。この人づき合いのポイントに気を付けてコミュニケーションをとることで、中学校や専修学校では友人を増やすことができたそうです。なんだか自慢げに話す息子に、心の中で「オイ!そのポイントは私が教えたんだって」とツッコミました(笑)息子が中1か中2の頃に伝えた、私が発達障害の自助会のコミュニケーションの勉強会で聞いた内容だったのです。当時反抗期だったので、母の言葉や助言には「うるせーな」や「どーでもいい」など投げやりな言い方しかしなかったものですが、息子はきちんと話を覚えてくれていたんだとわかりました。反抗期の息子に嫌がられても、繰り返し伝えて良かったかもしれません。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。そのことに気を付けてコミュニケーションをとっていくうちに、自分の話よりも相手の話を聞いたり、相手の好きな話題を中心に話したりすると仲良くなれる!ということに気がついたといいます。もともと自分のことや趣味の話をするのが大好きな息子。本当はどんどん話したい気持ちもあるはずですが...「多くの人は自分の話を聞いてほしいと思っている、理解者が欲しいと思っている。それは自分も同じだったから、『こんなふうに自分の話を聞いてくれたらな~』や『否定しないで聞いてほしいな~』という気持ちがわかる」と、相手の気持ちを考えられるようになり、初めて話す人とは肯定的な話し方で、まずは相手の話しをたくさん引き出すことで、よい関係を築けるようにしたんだそうです。Upload By かなしろにゃんこ。「女の子と会うときも同じように気をつけるだけで仲良くなれた。例えばSNSでは軽快にやり取りしていても、実際に会うと、大人しい子もいる。そういう子は全然話し出さないから、こっちから何線に乗って来たの?とか飲み物はどんなもの飲む?とか話して、和ませるような質問をしながら、自分の話も織り交ぜていくよ」といいます。ムムム…私が若い頃よりも異性との会話は上手かもしれん…コイツやるわね☆と思ったのでした。他にも「女の子と接するとき」に特に気をつけていることがあって...Upload By かなしろにゃんこ。好きな音楽は?とか、普段の私生活のことや家族のことなんかをどんどん質問していって、気軽に話してくれる関係性を築く...この辺りは、仲良くしたい相手に対して男女問わず気をつけているようですが、女の子と会うときには、これ以外にも気をつけていることがあるのだとか。「それ以外には、女の子が重そうなカバンを持っているときは「持つよ」と言って持ってあげたり、車で送り迎えするときは運転席から助手性にササッと回ってドアを開ける!」「彼女じゃなくても女の子には丁寧に接することで少なくても嫌われることはなくなると思うんだ」と言います。Upload By かなしろにゃんこ。あらあら…気遣い頑張っているんだな~母には一度もやってくれたことがないけど(涙)息子なりに、これまでの人づき合いの中で学んできたポイントがたくさんあるのでしょうね。そんなことで何人かの女友だちができて、そこからまたつき合いを学ぶことができているようです。
2020年09月28日イエローが『マジョの館』に向かい、無事にピンクを救出し...ピンクを助けに行ったイエローは、マジョリティー隊からお茶の誘いも断りあっさり帰宅。マジョリティー隊のメンバーたちは悪い人たちではなさそうですが、一体何者なのか...!?お菓子のお礼に、ピンクがマジョリティー隊にプレゼントを!?Upload By 荒木まち子マジョリティー隊の目的が明らかに...Upload By 荒木まち子執筆後記隊長の名前、鏡大慈(かがみだいじ)は違った読み方も出来ますね#^.^#同敷地内にある上層部施設への移動が馬(笑)(荒木まち子)
2020年09月28日むっくんの小学校生活Upload By ウチノコ一人で行かせるかどうか、悩ましい登下校問題。我が家は、むっくんの交通ルールに対する理解と友達へのかかわり方への不安が拭えず、当分の間登下校に付き添うことに決めました。父、母、祖母で協力して送迎しているものの少し大変です。ただ、思わぬメリットもありました。送迎することで先生に毎日会え、諸々相談がしやすいことや、登下校中に親子並んで歩くおかげで、むっくんと良いコミュニケーションが取れているように感じています。学校に慣れる段階にいる今は、送迎の大変さよりもメリットの方が大きいように感じています。また、登下校中に親がいることで友達付き合いに影響がでるかも?と心配していましたが、家に迎えに来てくれる子や、登下校中に会ってそのまま一緒に登校する友達もいて、問題なさそうです。むっくんの小学校には同じ保育園出身の子が多く、私たち親とも顔見知り。そのためか、お友達は親がいても気に留めず過ごしてくれています。だけど、友達が気にかけてくれても、むっくんは日によって友達を受け入れられる時とそうでない時があります。特に調子の悪い日はトラブルも起こしがちなので、今は親が近くで様子を見極めて、友達とのかかわり方をフォローをすることが必要だと感じています。Upload By ウチノコむっくんは現在、特別支援学級で給食を食べています。苦手な食べものが多い子ども達が集まっているので、「給食はどうしているのだろう?」と思っていたのですが、どうやら「クラス全員の力を合わせて完食を目指す」というシステムとのこと。むっくんが苦手なシイタケは、代わりにシイタケが食べられる友達が食べてくれる。そして友達が嫌いなピーマンはむっくんが食べてあげる。むっくんは嫌いな食べ物のことよりも「友達の役に立っている!」と給食をポジティブに受け止めており、このシステムは素敵だなぁと感動しました。Upload By ウチノコ休憩時間にむっくんは、外で遊んだり、教室で過ごしたり好きなことをして自由に楽しんでいるようです。グラウンドで交流学級の友達と遊ぶ日もあるようで、上級生にからかわれて怒って帰ってくることもあります。また、むっくんの特別支援学級の教室は図書が充実しているので、疲れている時は静かに本を読んで過ごしているそう。疲れやすいむっくんにとって、自分の調子を見極めて休憩時間をどこでどう過ごすか考えるのも、大切なことだと感じています。Upload By ウチノコ「少しでも濡れたら着替える」というこだわりがあり、水濡れが我慢できないむっくん。保育園と違い、小学校では着替えの常備は難しいかなと不安だったのですが、学校に相談すると「着替えるだけで安心できるのなら、置いてもらえる方が助かります!」ということで、上下、下着、靴下を常備させてもらいました。週に1、2回は着替えて帰ってきますが安心です。更にじっと座ることが苦手なむっくんをサポートする、座った姿勢を補助するグッズも二つ返事で許可がおり、家庭から持参したものを椅子に設置してもらっています。このあたりの受け入れ態勢は、私が小学生のころとはずいぶん変わったなぁと感動するばかりです。Upload By ウチノコ私の場合、保護者としての所属は交流学級ではなく特別支援学級になっています。特別支援学級全体からも何名か役員を選出するのですが、むっくんの小学校では特別支援学級では高学年の親御さんが役員を担当することに決まっていました。「低学年の親御さんは何かと大変だから…」という理由のようで、先輩方の温かい計らいに涙・・・。私もむっくんが高学年になったときは、潔く引き受けたいものです。Upload By ウチノコゆっくり、でも確実に成長中前後編でお届けした、むっくんの小学校生活。学校によって様子やシステムには違いがあるので、全ての小学校に当てはまるわけではないと思いますが、少しでも特別支援学級での生活をイメージする参考になると嬉しいです。入学前は通常学級と特別支援学級どちらにするか悩み、自分の選択に不安もありましたが、むっくんを理解し大切にしようと思ってくださることが伝わってきて、今では特別支援学級にしてよかったと心から思っています。むっくんも「学校行きたくない!」と大騒ぎする朝もありますが、基本的には学校楽しい、先生もクラスメイトも大好きという感じです。最近では今まで以上の成長を感じることもあり、これからもむっくんの成長をゆっくり見守っていきたいと思っています。Upload By ウチノコ
2020年09月27日ASDミミのトイレトレーニングミミのオムツが取れたのは4歳6カ月になった頃でした。トイレトレーニング中は周りの子と比べてしまい、モヤモヤすることも多かったです。保育園に通っていたミミ。2歳の時に保育園の先生から「ご家庭でもトイレトレーニングができそうなタイミングで、声がけしますね」と言われていたので、そのタイミングを待っていました。でも、気になってしまって時々相談すると「ミミ君のペースで良いので焦らなくて大丈夫ですよ」と先生。それでも、やっぱり気になるので少しずつトイレに馴染めるようにと、ウチのトイレの壁にご褒美シールを貼ってみました。トイレに入れただけでシールを貼って良いことにしたけれど、2枚ほど貼ったら飽きてしまって一切興味を持たなくなってしまいました…。Upload By taeko1年が経ち、進級する頃には同じクラスの子の半分くらいはオムツが取れていました。羨ましいなと思いながらも、無理やりトレーニングをしてトイレが嫌いになってしまうと、もっと時間がかかってしまいそうな気が。トイレに入ることができただけでも褒めるように心がけていたけれど、ほとんど入らず。補助便座を買って、座らせようとしても拒否。保育園でもトイレトレーニングをしてくれていましたが、ミミは嫌がっていたようです。ちょうど、療育をすすめられた頃でもありました。何かできることはないかなと考えた結果、ミミが魚にハマっていたので、オムツに名前の代わりに魚の絵を描いてオムツ替えを楽しめるようにしました。そしてミミが療育に通い始め、弟のふーが産まれ、新しい出来事がたくさん!0歳児と3歳児のオムツ替えをするという現実に気付き、ミミが早くオムツを卒業してくれたらラクなんだけどな…と思う日々。Upload By taekoクラスでオムツしているのはミミだけになりました。他にもオムツの子はいるけれど、夜だけで昼間は普通のパンツで過ごしていました。ミミの身体は4歳児、おしっこの量も増えて、ビッグサイズのオムツでも時々チェックしないと漏れてしまいます。「おしっこが出たら教えてね」「出そうな時も教えてね」と伝え続けたけれど、教えてくれた時は大抵、漏れた後…。Upload By taeko普段の生活でもイヤなことがあると「来ないで!」「あっち行って!」「見ないで!」と大号泣。寝起きにオムツがパンパンでも替えるのを嫌がって、なかなか替えない事もしばしば。焦る私の気持ちが伝わっていたのかもしれないな...。進まないトイレトレーニングで私はイライラ!気後れしてしまって他のママたちには相談しにくいし、ミミを可愛いと思えない自分が嫌でした。そんな時に行ってみたのが自治体の子育て相談センターでした。カウンセラーさんと面談をして、話を聞いてもらうだけで気持ちが落ち着いたんです。「小学校に入るまでにオムツが取れていれば良いですよね!」と言うカウンセラーさんの言葉に納得。周りの子のことを気にせずに、気長に考えていこうと思うことができました。「トイレに入るのが怖いかもしれない」という気づきと、「おまるでできたら自信が付いてトイレでも成功するかもしれない」とアドバイスをもらい、帰宅後おまるを購入。Upload By taekoトイレ、おまる、どちらでも良いよとミミに伝えて約1か月…おまるでおしっこすることができました!トイレでできた時はいつものおやつを1つ増やしたり、ちょっとしたご褒美をあげるように。できたりできなかったり、部屋におしっこしてしまったりを繰り返しました。3日間トイレでできたらお休みの日におもちゃを買う約束をして、実際に1週間できた時はヘビのぬいぐるみを買いました。ご褒美制はミミにとって本当に良いのだろうかと色々悩みましたが、成功体験のためならOKにすると決めました。それからミミの場合はトイレに慣れていき、外出先でもできるように。次は夜だけオムツにして、1か月半位でトイレトレーニングを完了。おまるで成功してからオムツが取れるまでが想像より早くてびっくりしました。Upload By taeko小学校入学後も失敗はあるけれど...今年4月に小学生になったミミ。トイレは問題なくできるけれど、学童に通い始めて1週間位はトイレを我慢し過ぎて漏らすことがあったり、自宅でも時々声掛けをしないと我慢している時があったりしました。そんな時も、心配し過ぎないようにしています。今度は次男ふーのトイレトレーニングが始まります。焦らずに向き合えるのは、ミミと子育て支援センターのカウンセラーさんのおかげです。
2020年09月26日色々な趣味をキラキラと楽しむコウの影に佇む人は…?Upload By 丸山さとこゲームや将棋や折り紙に始まり、イラストに工作、プログラミングや手芸など…と多趣味なコウですが、現在のように趣味を楽しめるようになるまでには長い道のりがありました。今回は、好奇心旺盛で物作りが大好きな一方「不器用さ」や「集中力のムラ」や「心の折れやすさ」のあったコウが、「楽しい!」に気付けるようになるまでを振り返ってみたいと思います。“単調な遊び”が楽しかった小学校低学年を過ぎると…?保育園入園前までは“物を並べること”と“回転する物を見ること”が好きだったコウは、保育園から小学校低学年まではお絵描きと工作とブロック、そして乗り物のオモチャが好きでした。Upload By 丸山さとこ周囲に比べると遊び方が幼く、鉄道レールを組んで遊ぶ時も立体交差や切り替えレールなどの複雑な要素は使わずに、ただ長く単調なコースを作って遊んでいました。中学年になってからはゲームと将棋とイラスト作成と工作を楽しんでいたコウでしたが、少しずつ「求める(刺激の)レベル」と「実際に自分ができることのレベル」が合わなくなってきました。Upload By 丸山さとこ折りたい折り紙が難しくてできない。やりたいゲームが途中から進めない。自分の絵を『下手だな~』と感じてやる気がしない。そんなこんなで、コウは次第に趣味に対する興味を失い「つまらない、何もすることがない」と迷走するようになってきました。「何か楽しいことしたーい」と言いながら惰性でゲームと動画視聴を繰り返す状況が続いていたため、親が関わることで「楽しい」を促すことにしました。楽しいに気付くためには根気が必要!?一度集中し始めれば根気よく取り組むことができるコウですが、「上手くいかない」が続くと癇癪を起こしたりパニックになったりしやすい子でもあります。Upload By 丸山さとこ『今は“できない”ことも、できない状態のまま試行錯誤しつつ経験を積み重ねていくことで“できる”になっていく』ということ自体はコウも理屈としては理解しています。ですが、ボンヤリとした「できる」に対する見通しよりも「できていない」というリアリティのある今に流されやすく、「できないー!」「やってるけど全然ムリ!」と泣き出してしまいます。これは趣味や遊びに限らず、鉄棒・縄跳び・自転車・九九などの「新しいことを覚える(身に付ける)」状況で毎回起きていることなので、親の方も泣き崩れるコウのことを“お馴染みの途中過程の1つ”と捉えて、「最初は大体こんなものだよ、大丈夫だよ」となだめ励ますようになりました。コウが努力や練習でつまずいていたとしても、それらを代わりにやってあげることはできません。私が自転車に乗ってもコウが乗れるようになるわけではありません。折り紙でつまずいた工程を折ってあげれば「その折り紙」は完成しますが、「それが折れる自分」にはなれないので、コウは「これは僕には折れないんだ…」としょんぼりしてしまいます。Upload By 丸山さとここのように「もうダメだ!僕にはできないんだ…」と絶望までの距離が短い(そして沈み方が深い)コウですが、泣いたり絶望したりしながら頑張る努力家でもあります。そんな彼が少しでも希望を持って取り組めるように、私も一緒に二重飛びの練習をしたり、折り紙をしたりするようにしています。「ここをこうするとできるよ」と実際に見せながらアドバイスしたり「あー、分かる。ここ難しいよね」と共感したりしながら一緒に試行錯誤し努力を重ねていくことで、コウも「何とか前向きに取り組むことができた」そうです。“乗り越えられる自信”は、ゆっくり少しずつすぐに「もうダメだ…!」となってしまうコウも、今では「少しだけ持ちこたえられるようになった」と言います。Upload By 丸山さとこ「1人だと心が折れた時にそのまま倒れてしまうところを、お母さんが支える柱になってくれていた。今は、その柱が『過去の経験』になってきたなと思う」と振り返る彼に、“過去の経験”の柱は、どういうものでできているの?と聞いてみると、「『前にもこうやって絶望してたけど頑張ったら大丈夫だったし、できなくってもどうにかなるわけじゃない』ってことが分かってきた」と笑って答えてくれました。「一回泣いて『もうダメだー!』ってなってから、『ハァ、やるか』ってなる(笑)」とのことで、彼なりに“見通しが立たず絶望しやすい自分”との付き合い方を構築していっているのだなーと感心しました。Upload By 丸山さとこ“いちいち泣かずに頑張る”のも成長なら、“泣きながら『ハァ、やるか』と言って頑張る”のも成長なのだとコウに教えられているなと思います。私もコウと同じように趣味のゲームや編み物で心が折れることがあります。そんな時は彼を見習って、一しきり落ち込んだ後は涙を拭いて「ハァ、やるか」で頑張りたいと思います!
2020年09月25日大学生活開始のタイミングで、手帳を取得することにでこぼこ兄妹の兄、タケルは現在20歳。8歳の時に県の発達センターで検査を受け、アスペルガー症候群(当時の名称)に「大変近い」との診断を受けました。「大変近い」といっても、発達障害という程ではない、俗にいうグレーゾーンとかいう意味ではなく、発達障害の中の分類でアスペルガーにキッチリ当てはまらないという意味です。当時も一応療育手帳の取得を検討はしたのですが、IQの高い、いわゆる高機能の発達障害の領域にいたこともあって、住んでいた自治体の基準では取得ができず、結局、18歳で高校を卒業するまで「そのまま」の状態できてしまいました。しかし、大学で障害学生として支援を受けるにあたって、やはり手帳があったほうが手続きがスムーズということになり、精神障害者保健福祉⼿帳を取得することにしました。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ他にも市営の地下鉄や博物館や動植物園が無料になったり、美術館や水族館、アーカイブスの閲覧料金の割引もあるとのこと。迷い的なものは最初からあまりなかったのですが、この時点で僅かにあった葛藤も全てどこかに吹っ飛んでしまいました。大阪に来た瞬間から週1を上回るペースで動物園に通っていたタケルには「地下鉄タダ」「動物園タダ」が大変魅力的だったようです。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロなお、これは2020年8月の時点での情報となります。自治体によって、診断書の用紙は窓口での手渡しではなかったり、郵送をしてくれる場合もあるそうです。大きな流れは一緒だと思いますが、細かいところはご自分が住んでいる自治体の福祉担当窓口でご確認いただけたらと思います。診断を受けてから10年。改めて受診が必要とのことで...さて、改めて精神障害者保健福祉⼿帳を取得しようということになったタケルですが、ここで問題が発覚!8歳の時に受けた診断があるので、大分の発達センターに連絡すればすぐに申請に必要な書類(診断書など)を出してもらえると思っていたのですが、ほぼ10年経っているため診断から取り直す必要があることが分かったのです。言われてみれば当たり前ですが、わたしの中で時が止まっていたようです。(ASDあるある。。。)とはいえ、引っ越してきたばかりの大阪でタケルを診てくれる病院のあてなどありません。ネットで探す?などと夫と話していましたが、タケルに合う病院を探すのはそれなりに時間がかかりそう…と、その時…「大学の病院に聞いてみたらどうかな?」とタケルが言ってきました。ナイスアイディア!たまたまでしたが、タケルの通う大学には大学病院があり精神科もあったのです。新患を受け入れてくれるかは分かりませんでしたが、ダメで元々。さっそく、大学の障害学生支援課を通じて、大学病院に発達障害の診断をしてくれるか問い合わせてもらいました。結局、大学病院では受け入れてもらえませんでしたが、大学の近くで開業している専門医を紹介してもらい…次の週にはもう診察を受けられることになりました!いやもう、大学さまさま!学生支援課さまさまです!診察の予約が取れたので、「診断書の用紙」をもらうために地域の区役所に行き、精神障害者保健福祉⼿帳の「申請書」も一緒にもらってきました。自宅で書くので、親が書いてもわかるまいとは思うのですが、タケルは「いいよ。自署って書いてあるから自分でやるよ。」と、何度も下書きを書き直しながら、自力で「申請書」の記入欄を埋めました。そして、診察の予約をした当日がやってきました…Upload By 寺島ヒロ病院での診察はスムーズで、さほど待たされることもなく診察室に呼ばれました。この病院ではなるべく最初に本人から話を聞くことにしているということで、まずはタケルだけが診察室へ。生育環境などを聞かれるだろうと予想していたので、タケルは客観的に上手く喋れないと予測して、大分のセンターに通っていた時に受けた検査の結果(紙で残っていた)と、私の育児日記の一部を持って行って説明したそうです。その後、診察室に呼ばれ、今度は4人で話を聞くことになりました。そう!なんと私たちは家族全員でぞろぞろとタケルについて来ていたのです。診察をした医師の話では、「以前大分で出たという診断で間違いないでしょう。来週のどこかでもう少し詳しい検査をしましょう。」ということでした。丁度1週間後に予約を取って、この日は帰りました。診察にかかった時間は30分ほどでした。詳しい検査のため再受診。受けた検査は『WAIS-IV』Upload By 寺島ヒロ※WISC(ウィスク)は概ね児童用WAIS(ウェイス)は成人用これを読んでくださっている方の中には、これから検査を受ける方もいらっしゃるかもしれませんので、詳しくは書けませんが(予習になってはいけないので)、時間を測りながらの筆記の試験で、全部でも2時間かからないぐらいの感じでした。診断はやはりASD(自閉症スペクトラム障害) 。名称が変わりましたが、これは2013年に診断基準がDSM-5に変わったためで、かつて「アスペルガー症候群に大変近い」と言われた本人の症状は変わっていません。診断書を手に申請へ。手続きは意外とあっさり...?記入してもらった「診断書」を持って、再び区役所の福祉課に向かいます…。相談窓口で申請書と診断書、そして写真を提出し、マイナンバーカードを提示。問題なく受理され、1カ月後には申請通り精神障害者保健福祉⼿帳が発行されました。あれ、意外とあっさり…狐に化かされたみたい…。タケルの場合、10年前からの資料が残っていて経緯が追えたこと、他の合併症や二次障害がほとんど無いことなどがあり、スムーズに取得に至ったものと思われます。それにつけても大学の学生支援課の頼もしさといったら…!用意されている支援は遠慮せずうまく使わなければな…という思いを新たにしました。
2020年09月24日告知後の質問には、とことん答える。広汎性発達障害の娘は、現在小学4年生。私たちは、娘が小学4年生になる少し前(小学3年生の時)に、発達障害の告知をしました。告知時、娘は思ったよりあっさりとしていて、説明は意外にもスムーズに終わりました。しかしその後、何度も発達障害について聞くようになった娘。私たちは、娘が発達障害について聞いてくる限り、答え続けました。たとえ同じ質問でも、娘からの言葉を全て受け止めることが、娘が発達障害を受け入れるまでの大切な過程だと思っていたからです。Upload By SAKURA私たちの言葉は、娘の自分の発達障害に対しての受け止め方に、きっと大きな影響を与える…娘がどういうかたちで「発達障害」を受け入れるか気になっていた私は、一つひとつ言葉を選びながら答えました。気になっていたのは、障害の受け入れ方。私が気になっていた、娘の「発達障害の受け入れ方」。それは、主に、発達障害を、いろんな「できない」の言い訳にしてしまうのではないか…チャレンジする前に、いろんなことを諦めてしまうのではないか…という部分でした。Upload By SAKURAもちろん、告知時にそう捉えないための説明は丁寧にしたつもりですし、マイナスに捉えないために明るく話すという努力はしました。しかし、娘本人がどう解釈したか、奥の部分は私にはわかりません。もし、今後娘が苦手なことに直面した時に、発達障害であることを言い訳にしてすぐ諦めてしまったら、私はどう話してあげればいいのか…ずっと考え続けていましたが、まったくいい考えが浮かばず…Upload By SAKURAその時がこないことを祈りながら、娘の様子を見ていました。「発達障害だから無理」の言葉に、思わず…それからしばらく経ち、娘が小学4年生になった、ある日のこと。宿題の間違いを直すようにいうと、イライラした娘が…Upload By SAKURA「私は発達障害だから間違っちゃうの!無理なの!」と言いました。私は瞬間、お腹の底から気持ちがこみ上げるような感覚になり…考えるより先に言葉を発していました。Upload By SAKURA自分でも驚くほど、次々と口から出てきた言葉。言った後、私はハッとしました。何か変なことを言ったのではないか…娘に強く言い過ぎたのではないか…慌てて自分の頭の中で、今言ったことをリピートしていました。予想外の自分の言動に、自分でパニックになっていました。親としての切実な思い。娘は少し黙った後…「わかった」と言いました。Upload By SAKURA私は、思ったより自分が強く言っていたように感じ、娘に申し訳なくなりました。なぜあんな言い方をしてしまったのだろう…冷静になって、自分の言ったことの真意を考えると…Upload By SAKURA私はきっと、娘が言った「発達障害だから、無理」という言葉に、腹が立ったのだとわかりました。発達障害でも、できないことはないと、娘と共に頑張ってきた日々…方法を変えてクリアしてきたことを思い出して、「発達障害だから、無理」という言葉に対して、強く『それは違う!』と思ったのです。これまでもこれからも私は娘の成長を信じているし、家族はもちろん学校や放課後等デイサービスの先生たち、娘に関わる人たちもたくさん支えてくれる。周りの力も借りながら、自分の可能性を否定せずに成長していってほしいのです。話をしてみたものの…私は、落ち着いた後、娘ともう一度話をすることにしました。Upload By SAKURA落ち着いていた分、今度は丁寧に説明できました。娘は「わかったよ。大丈夫。」と言いました。その表情は、いつもと変わりませんでしたが、私は、自分の言葉が娘の価値観や考え方を思わぬ方向に持っていってしまったのではないかと、心配になりました。私の「諦めないで欲しい」という思いは、娘にとって重くなるのだろうか…娘に無理はしてほしくないけど、諦めないで欲しいというこの思いは、もしかしたら自分勝手すぎるかもしれない。そう思うと私は、なんと言葉をかけることが正解だったのか、再び考え込んでしまうのでした。【続く】
2020年09月23日新連載、ミドルエイジの先輩たちが「自分らしい生き方」に至るまで発達障害当事者であり、『発達障害グレーゾーン』などの著書を持つライターの姫野桂が聞き手となり、ミドルエイジの発達障害当事者の生き方をインタビューする連載がスタート。連載第1回は、2017年に、発達障害の一種で文字の読み書きが難しいディスレクシア(読字障害・読み書き障害)であることを著書で公表した落語家の柳家花緑さん。2020年4月には、自身の生い立ちや、精神科医の岩波明先生による発達障害の解説、ご夫婦での対談も収録した書籍『僕が手にいれた発達障害という止まり木』(幻冬舎)も上梓しました。「文字がうまく読めないのに落語家になれるの?」と、疑問を抱いた方もいるかと思います。今回は、花緑さんの幼少期の悩みや、落語家の道を進み、自信をつけるまでの過程を語っていただきました。番組視聴者からのメールで発達障害を自覚姫野(以下、――):花緑さんは、ディスレクシアと診断されているとお聞きしました。ディスレクシアの場合、文字そのものがうまく認識できなかったり、書く際に鏡文字になってしまったりすることもありますが、花緑さんの場合はどのような症状があるのですか?柳家花緑さん(以下、花緑):僕は、ひらがなだけならまだ読めますが、漢字が混ざると読み書きが難しくなります。カタカナも、急いで読み上げようとすると、途中で止まってしまいますね。読み間違えも多くて、その読めるはずのひらがなも「たしなみ」を「たのしみ」と読んでしまったり、仕事で「田町」に行く予定が「町田」に行ってしまったりしたこともあります。特に、緊張しているときや疲れているときは、読み間違えが増えるんですよ。それに、普段なら読める字が急に読めなくなることもありますし、読めても書けない漢字もあります。例えば、「発達障害」という文字も、練習すれば書けるようになるけれども、10日後にはもう忘れているかもしれない。文字が記憶にとどまりにくいんです。また、ディスレクシア以外にADHDの傾向もあります。人と話していて、自分だけがガーッと喋りすぎてしまったり、忘れ物が多かったり……。このような性質も、疲れているときほど強まりますね。――ご自身の症状と、それが起きやすい状況について、とてもよく把握されているんですね。花緑さんが「発達障害かもしれない」と思ったのは、とある番組出演時の、視聴者からのメールがきっかけだと著書に書かれていました。花緑:そうなんです。2014年に出演した番組で、小学校時代の5段階評価で「1」と「2」ばかりの通知表を見せ、「こんなにひどい成績だったけれども、今は弟子もいて、落語を何百席も覚えている落語家です」と話したんですね。それを観た視聴者の方から、「番組で話していた内容が、うちの子とそっくりです。もしかして、花緑さんもディスレクシアではありませんか?」というメールが事務所に来たんです。――そのメールを読んだときは、どう思われましたか?花緑:そのときは、発達障害についてまったく知らなかったし、「障害」というレッテルを貼られるようですごく抵抗があったので、「ちょっと待ってくれ、やめてください」と思いました。だから、「番組では出さなかったけど、主要5教科以外の音楽や図工の成績はよかったし、僕はディスレクシアではないと思います」と、やんわりとお返事したんです。そうしたら、「教科書をあまり使わない教科の成績がいいのも、うちの子と一緒です。やはりディスレクシアだと思います」と返信をいただいて(笑)。気になってディスレクシアについて調べてみると、あまりにも自分に当てはまることが多かったんです。そこで、「ああ、自分は発達障害なんだ」と受け入れられました。43歳のときですね。――ディスレクシアだと気づいたのは、つい最近のことだったんですね。先ほど主要5教科の成績が悪かったとおっしゃっていましたが、学校での勉強は、やはり大変なことも多かったのでしょうか?花緑:小学校2年生の時点で、すでに授業についていけなくなっていました。宿題をするのも難しかったんですが、そうなると、宿題をやっていることが前提の次の授業にもついていけなくなるじゃないですか。みんなが宿題を出している様子を見て、提出できないことに後ろめたさを感じましたし、「人にはできることが自分にはできないんだ」と、自信を失うばかりでしたね。さまざまな授業の中でも、国語の授業での音読は地獄でした。文字を認識するのに時間がかかるので、つっかえつっかえでしか読めず、クラスのみんなに笑われる。今だったら、「他の子が読みたがっているからそっちに回してください」「来月中旬には読みますから」なんて冗談を言えますが、当時はそんな気の利いたことを言えないし、拒否もできません。恐怖心と共に震えながら読んでいました。Upload By 姫野桂文字を介さずに練習できる落語に救われた――そのような経験があると、勉強することが嫌になってしまいそうですね……。ですが、音読で嫌な経験をしたことのある花緑さんが、人前で話をする職業に就いたのは興味深いです。落語はいつから始めたのですか?花緑:小学4年生のときには、祖父であり師匠でもある、5代目柳家小さんの稽古を受けて、落語の初舞台を踏んでいました。祖父が人気者だったので、祖父と一緒に出た落語会は注目され、ワイドショーでも「小さんの孫、デビュー!」などと報道されていましたね。叔父も落語家でしたし、祖父のお弟子さんがうちに住み込みで手伝いをしに来ることもあったので、落語はすごく身近なものでした。特別上手だったわけではないと思いますが、名人には違いない祖父の真似をしていたので、子どもながらに落語っぽくはできていたのだと思います。周りにも褒めてもらえました。つまり、僕にとっての成功体験は落語だったんですね。落語に救われたと言っても過言ではありません。もともと人を笑わせるのが好きでしたし、学校ではできない体験を落語を通じてできたので、楽しかった覚えがあります。だからこそ、中学に入る前に、母に「部活をやるなら落語家にはならない。落語をやるなら部活には入らない。どうする?」と選択を迫られたときには、ほぼ悩まずに落語の道を選びました。――落語を覚える際に、文字が読めないことは妨げにならなかったのですか?花緑:落語は「口伝」といって、対面でしゃべる稽古を通して伝わっていくものなんです。師匠がしゃべったものをICレコーダーに録音して、文字に起こすこともありますが、基本的にはその人の覚えやすい方法で覚えていく。僕の場合、小学生の間は書き起こすこともなく、ひたすら繰り返ししゃべって覚えていたので、文字の読み書きは必要なかったんです。ひらがなでメモを取るようになったのは、たしか中学生以降だったと思いますね。社会で通用するのかという不安。人間国宝の孫であることもプレッシャーに――部活ではなく落語を選び、落語の稽古を積んでいったことで、同級生とは少し違う道を進み始めたのではないかと思います。感覚のズレなどは感じませんでしたか?花緑:中学生のときまでは、あまり感じませんでした。でも、卒業して、僕が本格的に落語の前座修業に入ってからは、少しずつ感覚の違いは出てきましたね。例えば、話すのが好きな近所の友人たちと夜遅くまで話す中で、この先の人生についての話題になったとき。そういうときに、自分がストーンと相手の急所を突くようなことを言ってしまうんですね。そうするとみんなびっくりしちゃって……。友人が高校に通う間、僕は大人と一緒の社会で修行をしているので、どうしても話題がずれたり、自分が少し先に大人びていくような感覚はありました。――中学卒業後、すぐに社会に飛び込むことへの不安はありませんでしたか?花緑:当時のことはあまりはっきりとは覚えていないのですが、やっぱり不安はあったと思います。自分がどこまで通用するかわからない不安と、祖父が5代目小さんであるがゆえの不安という、二つが大きかったですかね。例えば、落語をやっていく上では江戸時代の知識が必須ですが、僕は学生のときから歴史に興味が持てず、全然知らなかったんですよ。落語を話すときに必要な情報を得ようと調べても、発達障害の特性で文字も読みづらいし、好きなこと以外はなかなか頭に入らない。これまでの経験から、自分は他の人と同じように勉強ができない、劣っているんだという思いもあったので、社会でどこまで通用するだろうという点は不安でした。Upload By 姫野桂――もう一つの、おじいさまに関連する不安というのは、どのようなものだったのでしょうか。花緑:自分が受けている評価は、祖父の存在ありきなんじゃないかという不安があったんです。祖父は落語協会という大きい団体の会長でもあったので、周りの人から見た自分は「業界で一番偉い人のお孫様」。当時は自分に自信がないし、実際に実力もまだまだだったので、チヤホヤされるのが嫌でした。1人の落語家として、他の人と同様に見てほしかったんですね。その一方で、これはせっかくのチャンスなんだから、うまく乗っていかないと失礼なのではないかという変な気遣いもありました。――花緑さんはその後、22歳という戦後最年少で真打に昇進したんですよね。花緑:はい。普通は落語家に入門してから、見習い、前座、二つ目、真打という4つの階段を、大体15年位かけて上がるのですが、僕は7年で一番上まで上がっちゃったんです。他の人からどう見えていたかはわかりませんが、冷静に自分で振り返っても、すごく才能があるというわけではなかったと思います。機が熟していない状態での昇進で、ド下手でこそないものの、中途半端な実力でしたね。名声に反して、常に自信はありませんでした。「小さんの孫」として生きていかないといけないのだけれど、そこにあぐらをかかずちゃんとやっていくにはどうしたらいいかを常日頃考えていて。なにかやらなきゃという気持ちが、自立したいというところにも向かいました。――自立ですか。具体的に、どのようなことをされましたか?花緑:真打になる前、実家で暮らしていた21歳の頃から、家に毎月5万円ずつお金を入れ始めました。その頃にはすでに一人暮らしをしたかったのですが、親に「一人暮らしなんてできない」と止められてしまって。それが悔しかったので、自分も自立できるんだというところを態度で示そうと、家にお金を入れ、自分に関する家事は自分でするようになりました。真打になったときには、自分で引越し屋に電話をして、強行突破で一人暮らしを始めました。自由になりたいからということで、自由が丘で(笑)。――自分一人でも生活ができるようにしていったのですね。その結果、自信はつきましたか?花緑:うーん、自信が芽生えてきたのは、30歳前後かもしれません。落語のCDを出したり、有名なテレビ番組に出演したり、初めての書籍出版の話をいただいたり……。一気に有名になり、生活も変わりました。ですが、本当の意味で自信がついたのは、42歳でディスレクシアについて知り、自分は発達障害なんだと受け入れてからだと思います。Upload By 姫野桂能力差を努力不足だと思わなくなった――発達障害であることを受け入れたことで、花緑さんにどんな変化があったのでしょうか?花緑:発達障害は先天的なものですから、読み書きが不得意で勉強ができなかったのは自分のせいじゃなかった、努力不足というわけではなかったんだと思えるようになったんです。もちろん、これからより良くできるようになることもあると思っていますが、なんだか初めて自分の両足で地面に立ったような気分でした。そこからは、自分の感覚を素直に言葉にし、自分をさらけ出せるようになって、オープンマインドになりました。子ども時代からのつらかったことが傷にならないように、自分で心のケアもしていったような感覚があります。2017年、46歳のときに書籍で発達障害を公表してからは、さらに楽になったような気がしますね。仕事の際に余計な緊張をせずにすむようになったので、相手も緊張させず、いい雰囲気で仕事をしやすくなりました。――人との関わり方も変わってきたんですね。花緑:はい。人に対する見方が変わったところもあると思います。僕は今10人の弟子を抱えているのですが、本当に十人十色なんですよね。例えば、15分の落語を覚えるのに、1週間で覚える人がいれば、半年かかる人もいる。その差がそのまま努力の差というわけではなく、習熟には個人差があるのだと考えるようになりました。発達障害であれ健常者であれ、そのような差があるのだということは、自分自身を通じて学びましたね。――今、花緑さんがより生きやすくなるため、困りごとを解決するために取り組んでいる工夫などはありますか?花緑:ナレーションなどの仕事の際は、あらかじめクライアントさんに頼んで、台本にルビを振ってもらっています。また、作家さんに書いてもらった落語の新作台本は、妻がルビを振ってくれていますね。そういったサポートには、とても助かっています。発達障害を受け入れることで回復できる自信――今、発達障害について悩みを抱えている子どもたちに、なにか伝えたいことはありますか?花緑:発達障害かもしれないと思いつつ、受け入れられずに悩んでいる子がいるのであれば、「僕は、受け入れてから楽になったよ」と言いたいです。己と向き合うことに怖さを感じるかもしれませんが、自分の特性を知って初めて、自分の取扱説明書を手に入れられます。対処の工夫ができるようになるのはそれからなので、まずは知る勇気を持つのが大切ですね。そのようなときに、周りのサポートや、同じような特性を持つ人の情報が得られると、自分の特性を受け止める衝撃が緩和されるのではないでしょうか。――花緑さんは、落語家という自分に合う職業を見つけられましたよね。働き方についても、なにかアドバイスがあればお願いします。花緑:自分に向いている職業に出会うためには、好奇心を持っていろんな職業を発見することが大事だと思います。意識の持ち方で、物事の見え方は変わるものです。例えば、「今日のラッキーカラーは赤です」と、朝のニュース番組の占いで聞いた日には、いつもの道を歩いていても、これまで気づかなかった赤い看板などが次々に目に飛び込んできますよね。そんなふうに、意識的に身の回りの仕事に目を向けることで、関心の持てる職業が見つかるのだと思います。そこで必要になる好奇心は、「自分はダメなんだ」と自信をなくしている状態では、なかなか湧いてこないと思うんですよね。だからこそ、発達障害を受け入れ、「これは症状によるものなんだ、自分が悪いわけではないんだ」と思えるようになることは大事だと思います。自信が回復して、心の土台がしっかりできたときに視野が広がり、今後のことにも興味を持てるようになるのではないでしょうか。――興味を持った仕事と、自分の特性上向いている仕事が違う場合もありますよね。たくさんの仕事が目に入るようになったときに、自分に合った仕事はどうやったら見極められると思いますか?花緑:最初から「一生これをやるんだ!」とは決めず、つまみ食いするようにいろいろと試してみるのも一つの手だと思います。興味を持ったらアルバイトなどで体験してみて、向いていないと思ったらまた次を試せばいいと思うんです。僕も前座時代に、師匠の身の回りの手伝いをしながらあちこちついて行きました。そのときに、苦手な「空気を読む」という経験ができたのもよかったと思っています。自分と似た特性を持つ人の本を読むのもいいですよね。同じような症状の人が、こんな業界で働きながらちゃんと生活できているんだと知ることは、希望になると思います。落語家は少し特殊な職業だと思われるかもしれませんが、僕が出した本も、その助けになれば嬉しいです。Upload By 姫野桂発達障害を受け入れたことで新たな自信を獲得した花緑さん。どうすればより生きやすくなるのか、一歩踏み出すための勇気を花緑さんにもらった気がします。もちろん、自分の特性を理解し、受け入れ、付き合っていく道のりは人それそれですが、花緑さんをはじめ、発達障害と共に生きる先輩たちのライフストーリーの中には、一人ひとりが自分らしい生き方を見つけるヒントがきっと散りばめられているはずです。今後も、さまざまな生き方・働き方をしている方々のインタビューをお届けしていきますので、どうぞお楽しみに。取材・文:姫野桂編集:鈴木悠平・佐藤はるか撮影:鈴木江実子2020年10月4日(日)14:00配信開始チケット料金:3000円Upload By 姫野桂フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本史学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)。Upload By 姫野桂
2020年09月23日神奈川県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報LITALICOジュニア中野島教室では、0歳~6歳(年長)のお子さんを対象とした児童発達支援をおこなっています。スタッフも支援に関わる様々な職種を経験しており、お子さんを様々な側面から見立てていき、よりよい支援を提供いたします。「こんなこと心配で悩んでいるけど...、なかなか話しにくくて...。いま子どもには何をしていけばいいんだろう...?」そんなお悩みにも一緒に向き合います。LITALICOジュニア中野島教室は保護者に寄り添い、一緒に考えて、一緒に成長を見守る、そんな存在でありたいと思っております。神奈川県の児童発達支援事業所をもっと見る埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報ジュビコテックでは、製図等の技能取得活動を通じて、将来の社会生活に役立てられるスキルを得るために支援を行う施設です。主に製図・作画やイラストを中心とした療育活動をサポートしますが、あくまでもひとつの手段として捉えており、最も大切な人とのコミュニケーションやソーシャルスキルといったソフトな分野を大事にし、児童たちの将来に向け最大限にサポートを行います。日々新しい発見を見つけ色々な事にチャレンジしてもらい、子どもたちの『やりたい』気持ちを支援していきます。埼玉県の放課後等デイサービスをもっと見る千葉県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ハグピアは、保護者様参加型の個別療育を行う事業所です。応用行動分析という理論体系に基づき、お子様一人一人の課題をスモールステップで設定し成功体験を積み重ねながら発達を促進します。セラピスト(支援者)と保護者様がチームになり、必要に応じ実施する発達検査や知能検査、行動観察の結果をもとに、お子様に合わせた支援を組み立て、ご家庭でもできる具体的な療育方法をお伝えし、実施に関するアドバイスなども行います。千葉県の児童発達支援事業所をもっと見る「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2020年09月22日息子の友人、おじいさんに席を譲られた!息子が特別支援学校高等部の頃のことです。子ども達が同じ放課後等デイサービスに通うママ2人と私とでお茶をしました。息子(17歳)は自閉症、A君(16歳)、B君(18歳)にはダウン症があります。小学校の頃から同じ放課後等デイサービス、同じ特別支援学校高等部に通っていました。10年以上の長い付き合いなので、結構突っ込んだ会話もドンドンできる気の置けない関係です。Aママ「ちょっと聞いてよ。この間、息子がバスで立っていたら、おじいさんに席を譲られそうになったらしいの」(A君は、当時、一人で公共のバスを使って下校していました)私「それで、本人はどうしたの?」Aママ「『いいです!』って断ったみたい。この話を息子から聞いたとき『やっぱ、“世間からは障害者だから大変だ”って見えるんだ~』と思い、悲しくなったよ!」Bママ「うちの子だったら、きっと『ありがとう!』」と言って席に座っちゃうかも!」私「外見から『障害がある』と分かるのも、理解してもらいやすいと思うから、私はうらやましいよ。本人が言葉に出したり積極的に伝えようとしなくても、周囲の人がSOSに気づいて、救いの手を差し伸べてもらいやすいでしょう。うちは見た目ではわからないから、バスの中で奇声を発したり、落ち着かないと怒鳴られてしまい、それでまたパニックを起こして…」Aママ「そうなのかあ…」もちろん、ダウン症のある子にも知的重度、軽度があり、身体面でも心疾患があったり、身体が弱い子もいたりします。そんな知識があって、おじいさんは「席を譲ろう」と思ったのかもしれません。でも、A君は元気一杯の子でした。このことを実家の母(80歳)に話したら「私だったらダウン症の子がいても席は譲らない」と言っていました。人それぞれです。「普通」として扱われる見た目ではわかりにくい発達障害児は、ぱっと見は定型発達のように見えます。息子は知的障害がある自閉症(IQ37 療育手帳3度)ですので、グレーゾーンではありません。それでも、「障害があるので色んなことが難しくてできないので宜しくね」とママ友に伝えても、容姿を見て「そんなことないじゃない、普通じゃない、しっかりしているじゃない」と数えきれないくらい言われました。誤解もある・NHKの番組で放送していたのですが、成人しているダウン症のタレントさんが居酒屋でビールを頼んだら「ビール飲ませても大丈夫なのかな」と店主が悩んでいたそうです。(年齢ではなく、「ダウン症の人にアルコールは大丈夫なのか」と思ったようです)・心疾患があり、4歳の子をバギーに乗せていたママ。「まあ、立派な足があるのにお嬢ちゃん、ママに甘えないで歩かないとダメよ」と言った見知らぬ人から言われていました。・内部疾患(心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害)があるため電車の優先席に座っていた若者に対して「年寄りに譲りなさい」と言わんばかり前に立っている年配者がいました。(ヘルプマークを付ける方法もありますが、まだ世間には浸透していません)障害特性はあるけれど、性格はみんな違う「自閉症の子は秘めた才能がある」だとか「ダウン症の子はピュアだ」とか「これこれこういう障害の子は○○である」と思われていることがあります。確かに障害による特性はありますが、そんな型にはまったものではないと思います。何故なら、みんな一人の人間ですから…。生まれ持った気質や育った環境で全く性格が違ってきます。そんなことを感じたママ友との会話でした。同時に、「こんな突っ込んだ話が出来るママ友がいることは幸せなことだ~」と感じたお茶の時間でした。
2020年09月22日ITを活用したメンタルケア最近はメンタルケア用のアプリが豊富に出揃ってきています。このごろ、病院での治療や家でのメンタルセルフケアに認知行動療法を使うことが普及してきています。スマホ向けのアプリと認知行動療法は相性が良いようで、メンタルケアの分野では特に認知行動療法系のアプリが多くみられます。認知行動療法の感情日記を再現した感情ログ機能や、心のバランスをとるためのマインドフルネス瞑想のガイド音声が揃った、しっかりした内容のアプリとして「Awarefy」があります。これまでも、感情ログ単体のアプリや、瞑想用のガイド音声単体のアプリはあったのですが、Awarefyのように総合的に認知行動療法を行える、充実した無料の日本語アプリは今までにありませんでした。感情の記録やマインドフルネス瞑想といった、少し敷居の高いセルフケアの敷居を下げてくれます。私はこのアプリを使い始めてから、感情ログと瞑想をかなり習慣化することができました。ガイド音声はわかりやすく、不安をどうにかしたいときや深く眠りたいときなど、シーン別にたくさん用意されています。子どもが落ち着かないときなど、一緒に音声を聴いてリラックスすることに誘ってみるのもいいかもしれません。感情ログは感情を色で分けてグラフ化してくれるのでぱっと見てわかりやすく、一週間ごとの総合レポートも出してくれて、振り返りに便利です。参考:awarefyAIを搭載した会話アプリとして「SELF」もあります。AIというと冷たく不自然そうな印象がある人も多いと思いますが、会話してみるとかなり丁寧に作り込まれていて、会話していくうちに想像以上に気持ちが落ち着いていくことも多いです。会話相手のAIは、情報提供系、癒し系、悩み相談系、猫など複数揃っています。使っていくうちにデータがたまっていって、「悩んでるって言ってたけど最近はどう?」とか聞いてくれたりします。一日や一週間の振り返りを手伝ってくれたり、性格分析の機能もあったりします。本人がAIとの会話だけでどうにもならない悩みや状況を抱えていることがわかった場合、適切な専門家や助けにつながるように促してくれることも。すでにカウンセラーや精神科医師とつながっているけれど、きょう、今晩がつらいんだ! しかも相談できる友達もいないし、友達がいるけど誰もつかまらない! みたいなときってあると思います。私の場合、そんなときにSELFを使ってみると大きな助けになってくれました。相手が人間ではないので、夜中だろうが、100回頼ろうが「悪いな」と思わないですむのも助かりました。TwitterなどのSNSは愚痴の吐き出し場所として便利ですが、悪意のある人たちが荒らしにきたり、子どもの心の隙や無知につけこんで利用しようとすることもあります。子どもが愚痴のこぼし先に困っているようなとき、さりげなくSELFについて教えてあげるのもいいかもしれません。参考:SELF発達障害があると気持ちの切り替えが難しく、何時間も過集中したり過緊張に陥ったりすることが多いです。あちこちに注意が散ってしまって今なにをしていたのか忘れてしまったりすることも。服薬や環境調整とあわせて「マインドフルネス」の練習をしてみると、少し気持ちの切り替えや集中の維持に良い影響が出てくるかもしれません。マインドフルネスとは、「いま・ここに気づいていること」という意味です。目の前の行為だけに夢中になって没入してしまうのではなく、たとえば「あ、私はいまこのように没入しているな」と気づく。こうした気づきがあるだけで、漫然と没入しつづけていた状況に少しだけ距離をとることができ、少なくとも没入が強まっていくばかりの悪循環を起こさないようにコントロールできるようになります。こうしたマインドフルネスを助けてくれるのが「マインドフルネス・ベル」です。マインドフルネス・ベルとは、マインドフルネスを促すベルのこと。一定時間ごとに仏壇のお鈴のようなベルがチーーンとなるので、このベルが鳴った瞬間にそれまでにやっていたすべてのことをいったん中断して、ベルの残響が響き終わるまで呼吸に集中します。過集中を起こしているときなど、せっかくノッているときに邪魔が入る感じで少し煩わしいのですが、できるだけ忠実にマインドフルな瞬間を作っていくと、だんだんと心身が楽になっていることに気づくと思います。先の記事でも、スマートスピーカーの項で「行動を修正せよという注意をするとき、感情の乗った人間の声よりも、感情の乗っていない音のほうがよいので、スマートスピーカーは行動修正に向いている」とお伝えしました。マインドフルネスベルの場合も同じことが言えます。子どもが過集中を起こしているときに「ほら、また過集中起こしてるよ!」と言うよりも、マインドフルネスベルをチーンと鳴らしたほうがスッと伝わる場合があるかもしれません。マインドフルネスベルは、マインドフルネスを実践している僧院では一定時間ごとに本物のベルが鳴らされているのですが、マインドフルネスベルのアプリでは、設定した時間ごとにスマホからベルの音が鳴ります。アプリは複数あるので、使いやすいものを探してみてください。参考:Mindfulness Bell参考:Mindfulness Bell参考:MindBell発達障害があると、疲れやすかったり、睡眠の質のコントロールがうまくいかなかったりします。私も日中に少しでも緊張が続いているとテキメンに睡眠の質が落ちるのがわかるので、睡眠に関しては試行錯誤の日々です。センサーで心拍や振動を計測して睡眠の記録をとってくれるアプリもあります。長く記録を取りつづけるほどに、日中の活動状況が睡眠の質にどのように影響してくるのかがわかってきます。ログを見ながら生活のしかたを調整していけるようになるので、とても助かっています。睡眠ログはパッと目で見て理解できるカラーのグラフなので、主治医に見せて薬の調整に使う、ということもできます。Garmin Connect MobileGarminの活動量計(後述)と連携させて使います。活動量計で計測した心拍や身体の動きから眠りの深さや長さを記録してくれます。参考:Garmin Connect MobileSleep Cycleスマホ単体で使える睡眠記録アプリ。寝床にスマホを置いて眠ることで、寝返りの振動から眠りの深さを推測し、記録をとってくれます。参考:Sleep Cycle参考:Sleep CycleITを活用した身体のケア活動量計とは、常に身につけておくことで心拍や動きなどのヘルスケアデータを計測してくれるデバイスのことです。活動量計にはいろいろありますが、私が愛用しているのはGarminの腕時計型の活動量計です。Garminの活動量計にはBody Batteryという独自の機能が搭載されています。Body Batteryは心拍の傾向や動きからその日の体力の残量を推測して表示するもの。質のよい睡眠を十分にとって目覚めたときの体力を100とし、疲れ切った状態を5として、今どの程度疲れているのかを表示してくれます。発達障害のある人には、自分の疲れやストレスを感じ取ることが苦手な人も多くいます。まめにBody Batteryを確認しておけば休憩をとるタイミングがわかり、突然倒れたり眠り込んだりしてしまうことを防げるようになります。ログを長くとるほど、自分がどんな場所でどんなことをしていると疲れやすいのかの傾向がわかってきます。ストレス度が目で見てわかるので、疲れやすさを抱えながらうまく自覚して言葉で訴えることのできないお子さんのいる人は、こまめに一緒にいまのBody Batteryを確認するようにしておいたり、本人にも自分で確認するように教えておくとよいと思います。Garminの活動量計には子ども向けのものもあるので、探してみてください。高精度なセンサーを身体のモニタリングに生かした活動量計やフィットネスゲーム、運動のための敷居を下げてくれるスマートスピーカーなど、身体のケアに使えるITはたくさんあります。参考:Garmin vivosmart4運動習慣ってなかなかつけづらいですが、ゲームを使って楽しく演出すればハードルも下がるかもしれません。なかなか外出しづらい昨今、こういったゲームで皆で運動を楽しむのもいいですね。発達障害があると筋力が弱かったり、自律神経のバランスがとりづらかったりします。私の場合、生活の中に意識的に運動を取り入れることを意識していると明らかに心身の調子がよくなるので、できるだけ運動をするようにしています。(運動ができないほどに調子を崩してしまった場合にはまずは休息に専念するのがおすすめです)Nintendo Wii fitヨガやボクシングエクササイズなどができます。参考:Nintendo Wii fitNintendo Switchダンスエクササイズゲームなどができます。参考:Nintendo Switch習慣化しづらい活動の習慣化しづらさって、その活動を始めるときのハードルの高さが関わっていると思いませんか? たとえば、ラジオ体操を毎日やろうと思っても、スマホの音楽アプリを開いて再生したり、テレビをつけて録画してあるラジオ体操を再生したり、って考えるだけで面倒くさい……けれど、スマートスピーカーがあれば、「ラジオ体操第一を流して」とか話しかけるだけです。私はスマートスピーカーのAmazon Echoを自宅に導入したおかげで、いくら努力しても続けられなかったラジオ体操が習慣化できました。ほかには「ディスコミュージックを流して」と話しかけてノリのいいディスコミュージックをかけてもらい、ストレッチや有酸素運動をしています。参考:Amazon Echo dot参考:Google home発達障害があると体幹が弱く、いつも緊張していて深い呼吸ができない→ 筋肉も発達せず緊張もとれない という悪循環を起こしがちです。「体幹 ストレッチ エクササイズ」「呼吸筋 ストレッチ トレーニング」など、動かしたい場所に関するキーワードで検索してみましょう。ストレッチしながら軽い筋トレになる、道具のいらない簡単なものが特におすすめです。
2020年09月17日息子が小学6年生の時の出来事小学校6年の冬、息子は季節性のインフルエンザにかかりました。病院で処方された抗ウイルス薬を服用した後も高熱は暫く続きました。夜、私と娘が話をしていると、隣の部屋で寝ていた息子が何か訴えてきました。「どうした?しんどいの?話し声がうるさかった?」娘との話を中断し息子の部屋に向かうと、息子がドアの前に立っていました。何やら不穏な様子息子はこちらの問いに答えず、唸り声を上げていました。「吐き気がするの?トイレに行く?」私は息子をトイレに誘導しましたが、背中をさすっても息子は上手く吐くことができないようでした。唸り声は徐々に大きくなっていき、息子は便器に顔を突っ込んだまま便座の蓋の開閉を始めました。「ちょっと⁉頭、挟まってるよ!危ないって!」私が制止しても息子はやめる気配がありません。唸る息子が自ら“便器怪獣に食べられてるような仕草”を繰り返すのを見て私は思いました。「これは熱せん妄かも…」知識はあったけれど1~10才台の子どもが発熱に伴って異常な行動をとる『熱せん妄(もう)』は、ニュースなどで見て知ってはいました。実際、娘が小さいときに、インフルエンザの高熱でうなされながら布団の中で足をバタバタさせていたのを(私も横で寝込みながら)目にしたことがありました。2才の幼児が布団の中で足をバタバタするぐらいなら「熱でうなされているのかな?怖い夢でも見たのかな?寝ぼけているのかな?」と思う程度ですが、11才の男子が立ち歩いて大声を上げる様子を目の当たりにすると、知識はあってもやはり動揺します。救急外来を受診幸いそのときは家に主人がいたので、叫び声を発しながら便器に頭を突っ込んで便座の蓋を開閉する息子を主人に押さえてもらい、その間に私は救急に電話をしました。救急隊の人に支えられ救急車に乗り込む頃に息子は落ち着き始め、受け答えもできるようになっていました。病院に着いて医師の診察を受けたときには日時や名前、自分がいる場所なども言えていました。医師によるとインフルエンザの流行時期だったこともあり、その日は息子と同じような症状の子どもが10人ほど救急外来を訪れ、そのうち何人かは経過観察の為そのまま入院になったそうです。息子は会話もできるようになっていたので、解熱剤を処方され帰宅することになりました。ただ、今後も同じような症状が起こり得るので、暫くは大人が傍で様子を見ているように言われました。熱が高い間は要注意熱が続いた数日間は、医師に言われた通りできるだけ私か主人が息子の傍にいるようにしました。玄関や窓はダブルロックをし、台所のコンロもロックを掛けました。熱せん妄と思われる症状はその後2回ありました(いずれも寝起きの時)。目は開いているのですが、やはりこちらの呼び掛けには応じることはありません。2度目以降は“便器の蓋パカパカ”はありませんでしたが、トイレの前で叫んだり、廊下で頭を抱えてうずくまったりしました。私は息子が落ち着くまで背中をさすりしました。落ち着くと息子は再び布団に戻り眠りました。私は息子の様子から、「身体は起きているけど脳は眠っていて夢を見ている状態なんだろうな」と思いました。熱せん妄よりも私が驚いたこと息子が回復した後、私は息子と熱せん妄を起こしたときの話をしました。本人にはその時の記憶ほとんどありませんでした。息子「最初の時だけ少し覚えてる。多分夢だと思うんだけど、部屋の中に何人か人がいて、その人の頭の上にしずくの形をした魂みたいのが見えたんだ。」私「そりゃ怖いね。逃げ出したくもなるね。」息子「でもその後は記憶ないな。俺、どんな様子だったの?ホントに大声出したりしたの?」私はそのときの様子を絵に描いて息子に見せました。すると...Upload By 荒木まち子息子「・・・。俺、障害になっちゃったのかな?」私「!?」息子「だって姉さん、暴れてた時あったじゃん。」私は息子のこの言葉にとても驚きました。暴れる=障害!?数年前、娘が高校生のとき、家で暴れていた時期がありました。息子はそのとき、小学校の低学年でした。それまでの姉からは想像できないほどの豹変ぶりを彼は目の当たりにしていました。そのときの様子がよほど印象深かったのでしょう。息子は今回自分が暴れた原因が、姉と同じように障害由来ではないかと心配したようです。それは“きょうだい児ならでは”の発想なのでしょう。私は息子に熱せん妄の説明をし、姉が暴れた原因とは違うことを伝えました。思春期の息子に対し今年中学生になった息子は、「親に自分の部屋に入って欲しくない」「友達に姉の障害の事を知られたくない」と思うようになってきています。親を疎ましく思い、友達に大きく左右されるといった典型的な思春期を迎えています。また、精神的にも知的にも息子は姉を追い越し始めてきています。息子が私に「姉さんに対してどう接したら良いかわからないときがある」と言ったこともあります。小学生の時とは明らかに違ってきています。今まで事あるごとに娘や主人に対して障害の特性について対話を重ねてきたのと同様に、これからはきょうだい児である息子に対しても、娘の障害について丁寧に話をしていく必要があると感じています。おまけ息子が回復するまで同じ部屋で寝たり、日中そばでずっと見守ったり、熱せん妄をおこした際には抱きしめたり体をさすったり、と濃厚接触をしていたにも関わらず他の家族にインフルエンザは感染りませんでした。マスク、消毒、手洗い、うがい、換気などの対策をすれば、家庭内感染の予防はできるんだなぁ、と実感できたできごとでもありました。おしまい
2020年09月16日親子で学校がしんどかった頃、支え続けてくれたスクールカウンセラー出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。現在、新型コロナウイルスによる影響下で、登校をしぶりがちだったり、学校生活に戸惑いや負担感を感じるお子さんも、少なからずいるでしょう。また、親だって、子育ての悩みや不安があっても、他の人には気軽に相談しづらい方もいるのではないでしょうか。そんな「学校、しんどいな」「子育て、大変だな」という時、うちでは長男が小1の頃から現在まで、スクールカウンセラーを親子で活用し、支え続けて頂きました。そこで、今回はスクールカウンセラーの基本的な利用のしかたと、相談できることや活用法などを、うちの親子の実体験からご紹介します。出典 : 「スクールカウンセラー」は、学校の中で、児童・生徒、保護者、教員などの心のケアを中心に支援をしてくれる身近な相談役です。一般的に、臨床心理士・公認心理師・精神科医などの専門の資格がある先生が配置されることが多く、子どもの発達面についても詳しいことが多いようです。ただし、現在その配置数は年々増加傾向にあるとはいえ、各学校専属のカウンセラーはまだ少なく、大抵は自治体ごとなどで複数の学校を巡回している先生が多いかと思います。うちでお世話になったスクールカウンセラーの先生も、公立小学校も私立中学も、複数校のかけ持ちです。スクールカウンセラー等活用事業:文部科学省こういった事情から、スクールカウンセラーの利用は「第2・第4の○曜日」など、決まった回数、決まった曜日が相談日になっていることが多いでしょう。また、自治体によっては、在籍校ではなく、近隣の他校に訪問する必要があることも(あえて、他校での相談を希望する方もいるようです)。ですので、もし、「ちょっと相談してみようかな?」と思ったら、まずは学校のお便りなどをチェックしてみるといいでしょう。うちの小学校では、月に一度配布される「スクールカウンセラーだより」に、先生の来校日や予約のしかたが書いてあります(分からなければ、管理職の先生等にお問い合わせを)。うちの小学校の場合、予約は予約担当の先生(教頭先生、特別支援コーディネーターの先生)か、事務職の方に電話で希望日時を伝えて調整していただきましたが、「利用日時を在籍校の先生方に知られたくない」などの場合は、カウンセラーの先生の来校日に電話をして、本人に直接予約を取ることもできるようです。また、一度利用すると、次の予約を相談時間内に口頭で取ることもできました。うちでは長男にも小学生の頃から「予約の取り方」を電話の横で一つひとつ教え、自分で予約をして1人でも相談できるようになり、中学でも(勝手に)活用しているようです。スクールカウンセラーって実際どう?話聴くだけ…?出典 : 「スクールカウンセラーって、実際どうなの…?」「話を聴いてくれるだけじゃないの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。でも、スクールカウンセラーの相談内容は、子どもの心のケアはもちろん、発達面の心配や不登校の悩み、学校の先生や友人関係のこと、いじめ対応、進路や就学の相談、家庭問題や親自身のこと…など多岐に渡り、実は「話を聴く」以外の働きかけも沢山あるんですよ。実際に、うちでは主に…・子どもの発達のこと・学校との連携や仲介・子ども自身の相談・代理相談と親のケア…などを相談してきました。また、最初に、「ここで話したことには『守秘義務』が課され、本人から希望しない限り、学校の先生なども含めて、他人に知られることはありません」と、(子どもにも)説明がありました。では、それぞれ、うちではどう相談し、学校生活に活かしてきたのか、可能な範囲で紹介しますね。出典 : 「子どもの発達のことが気になるんだけど、専門の医療機関は敷居が高い」「初診の予約がなかなか取れない」などや、「発達障害の診断はついたものの、その後どうしたらいいのか分からない」「検査結果が上手に学校生活に活かせない」などでお悩みの場合、スクールカウンセラーが助けになってくれるかもしれません。私は、長男が小1で発達障害の診断がついた頃、初めてスクールカウンセラーを利用しました。担当してくれた先生は、臨床心理士の資格もあり、発達面についても詳しい方でした。当時の私は「発達障害」という言葉を知ったばかりで、右も左も分からない状況の中、知能検査の結果などを持参しながら、「専門病院でこんな風に言われたのですが…」と、恐る恐る相談しました。すると、カウンセラーの先生は、数字だけではよく分からなかった知能検査の結果を見立てながら、「この数値が高いので、〇太郎君はこういうことが得意で、こういうことが苦手だと思います」「こことここの差がこんなに開いているので、学校では〜することが、かなり負担なんじゃないかな」など、ひとつひとつ詳しく解説してくれ、「あー、そういう意味だったのか!」と、ストンと納得できたことを覚えています。そして、当時の長男は漢字書き取りの宿題を泣くほど嫌がり、「国語のある日は学校行きたくない」と、毎朝登校しぶりが続いていました(国語って、毎日ありますよね…)。私も親としての自信をすっかりなくして抑うつ的な気持ちが続き、外出するのもつらく感じていました。こんな悩みは、幼稚園からの長いつき合いでも、普通に元気に学校に通えているお友達のママ友さんにも打ち明けられず、私は1人で抱え込み思いつめていたので、話を否定せずに聴き、一緒に「どうしたらいいか」考えてくれる存在がいたこと自体が、何よりの助けになった気がします。私も、カウンセリングの最初の数回は泣いてばかりだったように思いますが、相談を重ねるうち、次第に気持ちや頭の中が整理され、長男に対しても、学校に対しても、なんらかの前向きな行動につなげる力を頂きました。また、長男のことが落ち着いてきてからも継続的にカウンセリングをお願いし、その際、「発達障害の診断が出るほどではない」グレーゾーンの次男や長女のことも、最近の様子などを報告しながら一緒に成長を見守って頂きました。Upload By 楽々かあさん「担任の先生のやり方が我が子に合わないようだけど、モンスターペアレントだと思われないか心配」「配慮をお願いしたいけど、先生も忙しそうで言いづらい」「学校に理解を求めたいけど、口下手で上手に伝えられない」…などでお悩みの場合も、スクールカウンセラーを頼ってみてはどうでしょうか。私は子どものことで、学校に配慮や理解をお願いしたい時に助言を頂いたり、時には、スクールカウンセラーの先生が直接、担任の先生などに「カドが立たないように」上手にこちらの要望を伝えて下さったり…と、親と学校の間の仲介役となって調整して下さいました。また、私は長男が小学生の時、毎年担任の先生に「サポートブック」を作って連携をお願いしてきたのですが、その際も、担任の先生に渡す前に、スクールカウンセラーの先生に一旦チェックしていただきました。第三者の客観的な視点から、「学校に過剰な要求をしていないか」「担任の先生の負担にならないか」…などへのご意見を頂けたのは(お互いのためにも)助かりました。そして、子どもと担任の先生やクラスメイトとの関係が気になる時などは、スクールカウンセラーの先生が、実際に休み時間や授業中に教室の様子を見に行くことも。うちでは、校内で長男に声をかけてくれたり、クラスの子や他のクラスの先生からもそれとなく様子を聞いてくれたりしました。親は大抵、わが子の話からしか学校の様子が分かりませんし、また、一見その子の個性の問題に思えることでも、クラス全体の雰囲気や子ども同士の関係などが影響していることもあります。そこを、「〇太郎君は、クラスで全く孤立しているワケでもなさそうですよ」「今、教室が結構騒がしいようで、〇次郎君にはきついかも…」など、第三者の視点から様子を教えて頂き、私も安心できたり、家での接し方を変えたりすることができました。また、教室の状況次第で、管理職の先生方などにも連携を取って頂けるように働きかけてもくれました。出典 : こうして、なにかある度に、私はスクールカウンセラーの先生に相談してきたのですが、長男が小学校高学年になった頃、前述のように「自分で相談できるように」徐々に慣らしていくことにしました。その理由は、改善傾向にあるとは言え、発達障害・グレーゾーンの子に対する公的な支援体制は、(特に地方では)まだまだ十分とは言えず、また、子どもの成長に伴い、「なんでも親が解決!」とはいかなくなるからです。そして、思春期の子には、親には話しにくい悩みもあれば、時には親への不満だって出るのも健全な成長の証でしょう。だから、子どもが自分で、親以外の誰かに助けを求めたり、相談したりできる力を、親が間近でフォローできるうちから、ゆっくり身につけておこうと思ったのです。そこで、長男の場合、最初は親子面談で予約しました。私は「初回は挨拶程度でも十分」と考えていたのですが、まあ、よく喋ったこと!(笑)とにかく言いたいこと、誰かに聞いて欲しいことが沢山あった長男は、親以外でそれを否定せずに受け止めてくれる存在が身近にいたことが、すごく嬉しかったようです。それ以来、相談時間をとても楽しみにしていました(ちなみに、カウンセリングは授業中の時間帯でも可能なので、正当に教室を抜け出せるのも良かったようです)。そして、長男が自分1人で相談できるようになると、カウンセラーの先生は、中学受験前の面接の練習にもつき合ってくれたり、時には一緒に給食を食べてくれたりもしたようです。後日、お礼を伝えると、「〇太郎君と話すの、私もすごく楽しいんですよ。素直でユニークで、いろんなこと考えてて…」なんて聞き、私もなんだか嬉しくなりました。出典 : でも、カウンセリングに積極的になれる子ばかりではありませんよね。うちの次男もそうでした。次男は、5年生の頃、登校前になるとお腹が痛くなって、学校に行けない時期が続きました。そこで私は長男同様に、次男も一度、親子でカウンセリングを受けてみたものの、控えめで繊細な次男は「うーん、僕は『さあ、どうぞ、悩み事を何でも話して下さい』ってカンジが、どうも苦手なんだよね…」とのこと。なので、次男の場合、それ以降は無理に本人をカウンセリングに連れて行くことはせず、親だけでの代理相談で続けてもらいました。そこで、家での次男の様子や、お医者さんから聞いたことなどを詳しく伝えると、カウンセラーの先生は、「おうちではこんな風に接してみてはどうでしょうか?」と助言してくれたり、担任の先生や保健の先生などともやりとりしてくれ、いろんなことが複雑に絡まっていた当時の次男への「支援の中継地点」のようになって、働きかけて下さいました。そして、突然「不登校の子を支える親」となった私の心のケアも同時にして頂きました。子どもが学校に行けなかったり、その子の個性や親の育て方などに何か問題があるかのように周りから思われたりすることが続くと、親はどうしても自分を責めがちになりますから、同じようにつらい思いをされている方もいるでしょう。私自身も事態が長期化してくると、「一番つらいのは子ども」だと分かっていても、正直かなりストレスや疲労を溜めがちに…。こんな、親のほうもしんどい時期に、「自分を気にかけてくれる人がいる」「大変さを分かってくれる人がいる」というだけでも、かなり違うのではないでしょうか。どんなに大変な時でも「自分を孤独にしない」努力だけは、したほうがいいように思います(私の経験上!)。親子でスクールカウンセラーを利用してきて…出典 : こうして、小学校時代、私達親子は長い間継続して、スクールカウンセラーのお世話になってきました。そのおかげもあり、長男は「自分の言葉で、自分のことを説明する」のが、かなり上手になりました。そして、中学でも自分で定期的にスクールカウンセラーを利用しているようです(ほぼ、雑談をしに行っているだけみたいですが、本人は「超楽しい!」そうです)。そして、次男のことの相談時間の終わりに、私は中学で自分らしく過ごしている長男の近況などを伝えると、スクールカウンセラーの先生は目を細めながら、(少々手のかかる子だった)長男の成長を「〇太郎君、本当に良かったですね〜」って、一緒に心から喜んでくれました。でも、そのカウンセラーの先生はコロナ休校中の間に、いつの間にか転任されていきました。お別れのご挨拶もできなかったけれど、その後、心配をかけた次男も回復し、無事小学校を卒業して、「おかげさまで、お兄ちゃんと一緒に、毎日元気に中学に通ってますよ」って、いつか報告できたらいいな…と思っています。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2020年09月14日むっくんの通う特別支援学級についてむっくんはADHDと自閉スペクトラム症の診断を受けていますが、発達検査上は大きな凸凹はなく、数値的にも通常学級に通えると言われていました。しかし、感覚過敏や感情のコントロール、対人コミュニュケーションの苦手さが親として心配だったことから、小学校と相談の上、特別支援学級の情緒級に在籍するに至りました。むっくんの通う小学校の特別支援学級は全部で4クラス。1クラスの定員は8名で先生は各クラス2人です。むっくんのクラスには1年生3人と5年生3人が所属しています。1年生3人は交流学級でも同じクラスです。運営上の理由もあってのクラス編成だと思われますが、移動教室の多い特別支援学級生活の中で、同じ友達と行動を共にできることがむっくんの安心に繋がっているように感じます。Upload By ウチノコまた、5年生も同じクラスなので、授業以外の場面でずいぶん上級生に面倒を見てもらっている様子。異なる学年の子と日常を一緒に過ごすというのは、刺激も多くおもしろいなぁと思いながら見守っています。むっくんの小学校生活特別支援学級では主に算数と国語の授業が行われています。先生1人で3人の1年生を指導しており、子どもの状態によってはヘルプの先生が来てくれることもあるようです。むっくんは情緒級なので、教科書、ノートなどの教材は全て通常学級と同じものを使用しています。また、各教科の授業回数、授業内容も通常学級と同じです。ただ、課題プリントなど、先生がオリジナルで作成する教材は交流学級とは違うものを使用しているようです。授業中の様子については、せっかちで課題を終えるのが早いむっくんはみんなの課題が終わるまで待つことが苦手だそう。待つのは嫌だと怒り、機嫌が悪いと課題の間違いをやり直すことも難しく、先生の指導に反発することも多いようです。今は無理にやらせるのではなく、先生との信頼関係を築きながらゆっくり本人のペースで進めてもらっています。おかげさまで夏休みには怒りながらも、指摘された間違いを直せるようになっていました。また、注意深く文章を読むことが苦手なむっくんが、文章にえんぴつを当てて、読み飛ばしを防止している姿には感動しました。個人の得意不得意を考慮しての指導が伺えます。Upload By ウチノコ特別支援学級に所属する子どもは、通常学級にも所属することになります。これは、交流学級と呼ばれる特別支援学級から通常学級に戻って授業を受ける時間があるためです。交流学級での科目は、体育、音楽、図工、生活など。むっくんの小学校では交流学級の時間には、必ず特別支援学級の先生が付き添う仕組みになっています。むっくんは集団の中でスムーズに授業を受けることが難しいときもあるので、この仕組みは親としてはとても安心です。Upload By ウチノコそんな交流学級についてむっくんは、「人が多くて疲れるから嫌だ。」と愚痴ることもあれば、「楽しい!」と話すこともあり、本人のペースで学んでいるようです。ただ、音に敏感なためか音楽の授業は辛いことが多いようで、どうにも参加することが難しいときは授業を受けずに特別支援学級に戻り、休ませてもらったこともあります。辛いときに静かに過ごせる場所が確保されているという安心感があるからこそ、少し疲れても交流学級を頑張れているのかもしれません。Upload By ウチノコUpload By ウチノコ特別支援学級の友達とはとても仲良く過ごしている様子です。特に同級生に対しては「一番仲良しの友達!」と嬉しそうに話してくれます。積極的に人と関わるタイプではないので、また、長時間過ごさない交流学級では友達を作ることが難しいかと思っていたのですが、意外とむっくんの名前を覚えて声をかけてくれる子もいてホッとしています。Upload By ウチノコ次回に続きますさて、ここまではいかにも学校らしい部分についてのお話となりました。とは言っても学校によって、様子やシステムには違いがあると思います。全ての小学校に当てはまるわけではないと思いますが、少しでも生活をイメージする参考になればと思っています。さて、次回は学校生活に付属する登下校や給食、休憩時間などについて詳しくお届けします。Upload By ウチノコ
2020年09月14日\チェック!/うちの子どうしたら勉強してくれる?こんな場合はオンライン学習が合うかもUpload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフ「学校の勉強に集中できない」「マイペースすぎて学校を窮屈に感じている」というお悩み。LITALICOライフの勉強会や個別面談でも、よく耳にします。Upload By LITALICOライフオンライン学習ってどんな学習スタイル?過去の学年の学び直しもできる2019年、文科省は「GIGAスクール構想」を打ち出しました。タブレットやインターネットを使い、それぞれのお子さまに最適な学習スタイルを実現させる構想です。オンライン学習の良い点は、自分のペースで進められること。そのため、苦手な科目を重点的に学んだり、好きな科目を先取りして学ぶこともできます。大人数で同じペースで進めることが苦手なお子さまも、主体的に取り組める良さがあります。Upload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフ通学するスタイルのオンライン学習もある!「オンライン学習」というと、どんなものを思い浮かべますか?学校から帰ってきた放課後、自宅でタブレットなどで学習する…というイメージもあるかもしれません。実は今、授業そのものがオンライン化しているものもあります。高校の選択肢では「通信制高校」はずいぶん認知されてきましたが、中学でも一部出てきました。家で一人でもくもくと机に向かうスタイルのものもあります。一斉指示が通りにくかったり、周りがガヤガヤしていると集中できない、というお子さまには良いかもしれません。先生やお友だちと関わるタイプだと、スクールに通学し、自習室で自分のペースで進めるスタイル、家で、ビデオ会議を用いて朝礼やグループワークをするスタイルなどもあります。Upload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフオンライン学習はあくまでも選択肢の一つ。他の選択肢や、お子さまに合った環境の整理は、無料勉強会でお伝えしていますもちろん、オンライン学習は、あくまでも選択肢の一つです。学習方法や合うと感じる環境は、お子さまによってそれぞれです。Upload By LITALICOライフLITALICOライフでは、保護者さまに向けた無料勉強会を開催中です。オンラインでの開催なので、ご自宅からご参加いただけます。「グレーゾーン向け 個性を伸ばす「中学・高校受験」発達に特性のある子にあった個性を伸ばす進路の選択肢勉強会」では、STEAM教育やものづくりの特色がある学校、海外留学についてなど、多様な学びの環境についてもお話します。「個別でより具体的に話したい」という場合は、勉強会参加後に希望すると、個別面談で進路や教育費など幅広い話をすることもできます。Upload By LITALICOライフ「不登校の支援と将来への準備」がテーマの勉強会は、不登校だけではなく、“お子さまが学校を行き渋っている”“不登校ではないけれどさまざまな選択肢を知りたい”、という方にもおすすめです。義務教育以降の高校進学の選択肢として、通信制・サポート校や高等専修学校、チャレンジスクールなどについてもお話します。Upload By LITALICOライフどの勉強会でも、チャットで質問できる機能や個別面談の案内をしています。少し興味がある、という方はお気軽にご参加ください。LITALICOライフでは、幼児教育や中学・高校受験、キャリア支援など、さまざまな専門領域をもつコンサルタントが、年間2,000以上のご家庭へ勉強会や個別面談を行っています。これらの知識やノウハウを基に、より多くのご家庭の困りごとや将来への不安を、少しでも「安心」に変えていけるような情報をお届けするメルマガを配信しています。想定配信内容・発達障害のある子にあった進路や自立に関するヒントやイベント情報・発達障害のある子の特性や個性を活かす手立てやお役立ち情報・読者からの子育てのお悩みQ&AなどUpload By LITALICOライフLITALICOライフはお子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。Upload By LITALICOライフ
2020年09月13日授業中にぼんやりしている子のつらさこれまで私は児童精神科医として少年院に勤めながら、自治体の教育相談、学校コンサルテーションなども行ってきました。教育相談の場を通じてお子さんの知能検査などを行うこともあり、その際に、お子さんの「見る・聞く」といった認知機能に弱さが見つかれば、それが学業不振につながっている可能性を保護者の方に説明してきました。すると、保護者の方の多くは、「それじゃあ、この子が授業中にぼんやりしていたり勉強が苦手なのは、ふざけていたりなまけたりしているせいではないのですね」と納得がいった様子を見せます。なかには、それまでの子どものつらさに思いをはせてか涙を流される方もいらっしゃいます。認知機能に弱さがあるのはどうしたら?そのあと、決まって保護者の方から受けるのはこんな質問です。「認知機能に弱さがあるのは、どうしたらいいですか?」しかし、そうたずねられても、以前の私は、なかなかいいトレーニングを紹介できずにもどかしい思いを抱えていました。当時も書店に行くと「見る・聞く力を育てる」という書籍もありましたが、効果検証が不足していたり、包括的に力をつけさせるものではなかったり……。学習ソフトやオンライン教材で「見る・聞く力を育てる」トレーニングを提供しているものもありますが、とても高額であったりしました。そこで、私自身が約5年間にわたり、当時勤務していた医療少年院でトレーニングを実施し、少年たちに対して手応えの得られたトレーニングを『コグトレ』として提供するようになったのです。認知機能を強化する『コグトレ』『コグトレ』とは、「認知○○トレーニング(Cognitive 〇〇 Training)」の略称です(○○には「ソーシャル(社会面)」「機能強化(学習面)」「作業(身体面)」が入ります)。コグニティブ(Cognitive)とは日本語で「認知」のことで、社会面・学習面・身体面から包括的に子どもたちを支援するプログラムが『コグトレ』です。認知機能強化もその1つです。私たちは、五感(「見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる」の感覚)を通して外部から入ってきた情報を処理しています。これが「認知機能」です。認知機能によって、自分の置かれている状況を認識したり、言葉でコミュニケーションをしたり、問題解決の手段を考えたりして、日常生活を送っています。先生の言うことも聞き取れないことも認知機能が弱いと、学習や対人関係にも弊害が生まれます。例えば、見る力が弱かったら、板書を写せなかったり、漢字の書き取りができなかったり、算数のうっかりミスにつながっているかもしれません。聞く力が弱かったら、先生が言っていることをきちんと聞き取れないこともあります。もしも、お子さんがまじめに勉強に取り組んでいても、テストでいい点が取れない、苦手意識がある、覚えられないというケースでは、認知機能のどこかにつまずきがある可能性があります。認知機能は、子どもの見る力、聞く力、想像する力といった、いわば「学習の土台(スポーツでいう基礎体力)」なのです。分かっていなくても「はい」と答える子の心理相談を受けたお子さんのなかには、先生の言うことが聞き取れていないのに、「分かりましたか?」という問いに、とりあえず「はい」と答えてしまうような子もいました。その子なりのプライドで、「分かっていない」と周囲に知られるのが嫌なのです。そうなると、あとになってできていないことが発覚したときに「ウソつきだ」「ふざけているんだ」「なまけたいからだ」などと誤解を受けてしまいかねません。授業についていけない子が「コグトレ」をすると教育相談では、市内の学校から、授業についていけない、黒板が写せない、漢字を覚えるのが苦手、計算が苦手といったお子さんが、保護者とともにやってきます。年齢はだいだい小学2~3年生が多く、なかには高学年のお子さんも見えます。わが子の発達を心配してわざわざ相談に来られるくらいですから、やはりなんらかの課題が見つかります。多いのが境界知能(明らかな知的障害ではないものの支援が必要な水準)や能力の偏りといったものです。その後は、お子さんの発達の特徴をより詳細に見るために、『コグトレ』のワークシートの問題をやってもらいます。計算が苦手、漢字を覚えられない、黒板を写せない背景「まとめる」「点つなぎ」「形さがし」といった課題シートに取り組んでもらいますと、黒板が写せない、漢字を覚えるのが苦手、計算が苦手といったお子さんは、いずれかの、またはすべてのシートがうまくできないことが多いです(課題シートの例題は、追って紹介します)。「まとめる」問題で、5つまとめて囲む力がなければ、繰り上がり・繰り下がり計算のときに必要となる「数を量としてみる力」が育っていないため、計算が苦手になってしまいます。「点つなぎ」問題で、見本を見ながらそれを模写することができなければ、漢字はもっと難しいのでなかなか習得できないでしょう。漢字を覚えられないのは、「形を認知する力」が育っていないことが原因の1つです。また、「形さがし」問題で、いくつもの点々のなかから三角形や四角形を見つけることができなければ、場所や大きさが変わってもある形を認識できる「“形の恒常性”という力」が育っていないと考えられます。“形の恒常性”が育っていないと、黒板に書かれた図形などをノートに小さくまとめて写すといったことが難しいのです。できないことの練習で苦しい子どもこういった「数える」「写す」「見つける」といった基礎的な認知能力の弱さが背景にあれば、どうしても勉強についていくのが難しくなります。しかし学校では、計算が苦手ならばひたすら計算ドリルを、漢字が苦手ならばひたすら漢字のドリルをやらせる場面もあるでしょう。そんなふうに苦手を克服させようとしても、子どもは苦しいだけかもしれません。計算や漢字といった学習の土台には、「数える」「写す」といった基礎的な認知機能が必要なのです。そして、基礎的な認知機能はトレーニングにより高められる可能性があります。子どもが楽しい「コグトレ・パズル」を紹介それでは次に、お子さんがもっと楽しんで取り組めるように再編した『コグトレ・パズル』の問題から、いくつか紹介しましょう。まずは「数える」問題からです。以下の問題は、5人のオバケ(コバケというキャラ)を5人ずつ、〇でかこんでいく「まとめる」問題です。数のまとまりを感覚的に身につけていきます。Upload By 宮口幸治「写す」の「点つなぎ」問題は、見る力の基礎力を強化していきます。以下の問題は「点つなぎ」で正確に形を見る力をつけていきます。漢字や黒板の書き写しのトレーニングになります。Upload By 宮口幸治「見つける」問題では、見る力の応用力を強化していきます。以下の問題は「形さがし」です。Upload By 宮口幸治また、「同じ絵はどれ?」では、複数ある絵のなかから同じものを見つけることで、物事を見るときに共通点や相違点を把握する力をつけていきます。Upload By 宮口幸治最後に、「想像する」問題です。以下の問題「スタンプ」ではイメージを反転させる力を強化します。ほかにも、他者視点で考える力、論理的な思考力、時間的思考力を強化する問題もあり、幅広い思考力や推理する力、物事を判断する力をつけていきます。Upload By 宮口幸治これらの問題は、スピードが遅いせいで時間内に課題を達成できないお子さん、記憶力は悪くないはずなのに暗記が苦手なお子さんの処理速度のアップや記憶力のアップも期待できます。また、中学生や高校生でも教科学習にミスの多いお子さんにも、力になることでしょう。ぜひ一度お試しいただければ幸いです。
2020年09月12日学校では教えてくれない、発達障害当事者の「将来」の描き方「進路や職業を考えろと言われるけれど、自分には何ができるのか分からない」年若い、発達障害当事者の友人から、そんな悩みを聞かせてもらったことがあります。「中学、高校、大学と進むにつれて支援が薄くなっていく。我が子の将来をどう考えればいいのか」発達障害のあるお子さんを育てる保護者の方から、そんな不安をお話しいただいたことがあります。発達障害者支援法が制定されてから15年が経ち、「発達障害」という概念やその特徴に対する認知は高まってきました。学校での特別支援教育や、児童発達支援・放課後等デイサービス、就労移行支援といったさまざまな福祉サービスも少しずつ、ですが着実に、充実してきたと言えるでしょう。しかし、思春期・青年期の子ども・若者たちの進路や職業選択に関するサポートはまだまだ手薄いのが現状です。世の中にはさまざまな職業があり、生き方がありますが、このような生の声は学校では教えてくれません。「他の多くの人と同じような人生を送ることはしたくないし、できない、しかし何がやれるのか分からない」「好きなことはあるけれど、自信がなくて諦めざるを得ない」と嘆く子どもたち・若者たちも少なくないと思います。そこでこの度、発達障害の診断のあるミドルエイジの先輩方から思春期の後輩たちに向けた、仕事・人生に関するアドバイスやメッセージを届けていく『すてきなミドルエイジをめざして:発達障がいのある子どもたちの人生設計のために』(仮)という企画をスタートしました。職業やライフスタイル、診断や特性、年齢もさまざまなミドルエイジの発達障害当事者の先輩方のインタビューを重ね、学苑社(特別支援教育関連図書を発行する出版社)さんからの書籍出版を予定しています。今回、LITALICO発達ナビとの連動企画として、書籍出版に先がけて、ウェブ上でのインタビュー記事連載をお届けします。職業も特性も多種多様。ミドルエイジの先輩たちが「自分らしい生き方」に至るまで記念すべき連載第1回は、落語家の柳家花緑さんのインタビューです(2020年9月23日に記事を公開します)。Upload By 鈴木悠平2017年に、発達障害の一種で文字の読み書きが難しいディスレクシア(読字障害・読み書き障害)であることを著書で公表した落語家の柳家花緑さん。幼少期の悩みや、落語家の道を進み、自信をつけるまでの過程を語っていただきました。研究者、事務職、整備士、バーテンダー、作家、心理士、ショップ店員などなど、これからご紹介するインタビュイーの方々の職業や働き方も多種多様です。働き方や生き方に、万人に通じるたったひとつの「正解」というものはありません。「発達障害だから」こういう仕事ができる・できないと決めつけることもできないし、するべきではないと思います。だからこそ、この連載では「答え」を提示するのではなく、多様な先輩たちの多様な生き方と、そこに至るまでの考え方や道のりをなるべく丁寧に共有していきたいと考えています。「これから」を考える思春期・青年期の若い発達障害当事者の皆さんが、自分らしい生き方を考える上での「ヒント」を、それぞれに見つけてもらえるような、そんな連載・書籍にしていきたいと思います。ぜひお読みいただき、感想をいただければ幸いです。企画メンバーからのメッセージ連載企画をスタートするにあたって、企画メンバーからのメッセージです。Upload By 鈴木悠平皆さんの将来の夢はなんでしょう?この企画では、発達障害のあるミドルエイジの人の仕事や生き方にフォーカスしていきます。自分のやりたいことと自分のやれることのギャップに悩んでいる人、障害があることを理由に夢を諦めようとしている人、また子どもの将来に不安を持つ保護者の方にはぜひお読みいただきたいと思います。連載で取り上げられる職業の中には一見、発達障害がある人には向いてなさそうな仕事で活躍している人もいます。自分の特性に周りの環境をいかに合わせるか、先輩達の工夫から「発達障害」の考え方自体が変わるかもしれません。プロフィール:鳥取大学医学系研究科臨床心理学講座教授 LITALICO社外取締役専門は、応用行動分析学、自閉症と発達障害への支援、臨床心理学、特別支援教育。 ペアレントトレーニングシステム、強度行動障害研修プログラム、不登校支援プログラムなどの支援プログラムを開発し、LITALICOジュニアのプログラム監修も務める。学生時代はオフロードバイクにテントを積んで各地を放浪、長らく続いたバイク乗り行動も最近は周囲のご批判から黄色信号。大人になりきれないアラフィフ。井上研究室ホームページ井上雅彦TwitterUpload By 鈴木悠平思春期はどんな人でも悩む時期です。発達障害の特性のある方は、さらに人付き合いや家族のこと、進路で頭がいっぱいになってしまうこともあるでしょう。実際、私も何をやりたいのか、やりたいことがあっても実際にそれで食いっぱぐれずに生活していけるのか、不安だらけだった時期がありました。誰に相談すればいいのかも分かりませんでした。でも、これからご紹介するミドルエイジの先輩たちならば、きっと乗り越えるためのヒントを何かしら知っているはずです。連載、どうぞご期待ください。プロフィール:フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本史学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)趣味はサウナと読書、飲酒。姫野桂TwitterUpload By 鈴木悠平進路のこと、仕事のこと、将来のこと。未だ来ずの「未来」のことなんか分からない。「早めに考えてしっかり準備する」なんてこと、僕にはとても出来ませんでした。今もあんまり分かっていません。これから連載を読んでくださる皆さん、特に、思春期・青年期の若い世代の皆さんには、だからどうか、焦らずじっくり、考えたり悩んだりする時間を大事にしてほしいなと思います。今回の企画では合計8名のミドルエイジの先輩方のインタビューをお届けしますが、参考になることもあれば、ならないこともあるでしょう。全部を無理に取り入れようとする必要はありません。でも、たくさんのインタビューの中から、何か1つでも2つでも、皆さん一人ひとりにとって「お守り」となるような、言葉や考え方が見つかると嬉しいな、と思っています。楽しんでもらえると嬉しいです。ぜひ感想もお聞かせくださいね。プロフィール:文筆家/インターミディエイター® 1987年生まれ。株式会社閒 代表取締役。LITALICO発達ナビの初代編集長として、2016年〜2019年4月までの3年間、発達ナビユーザーの皆さんと一緒に歩んできました。現在は独立し、文筆・研究を中心に活動しています。ADHD/ASD混合型。体調を崩したり色々ありながらも、仲間たちと助け合いながら無理なく健やかに働き続ける方法を模索中です。閒 - あわい -鈴木悠平TwitterUpload By 鈴木悠平年を重ねるにつれて、支援は薄くなっていく――これは障害のある子どもを育てる私にとっても常に心のどこかで不安を感じ、懸念していることです。そしてそれは保護者の方が多く感じていることだと思っています。「才能を生かして自立すればいい」と言われ、なぜ障害のある子ばかりがそう言われなくてはいけないのか、そのように吐露してくださった保護者の方は一人や二人ではありません。「手に職を」と言われ、まだ将来の夢も描き切れない幼いうちから職につながる進路選択を迫られることへの悩みを話してくれた中学生もいました。生き生きと等身大で暮らす当事者の取材を通して、将来に悲観することなく、今を大切に生きる道しるべを届けられたらと願っています。プロフィール:LITALICO発達ナビ編集長。慶應義塾大学法学部政治学科卒。大学卒業後、約15年大手出版社で雑誌・書籍の編集に従事。その後、事業会社の広告宣伝部を経て現職。子どもは高校生と小学生の2人。長女には先天性の重度知的・身体障害がある。発達ナビ上でのダイアリーへの投稿、コラムへのコメント投稿、編著メンバーのSNSへのリプライなども大歓迎です。
2020年09月11日友達付き合いは“コウのペース”で少しずつUpload By 丸山さとこ読書・工作・折り紙などの1人遊びが好きなコウですが、友人と遊ぶことも大好きです。学校の休み時間も家と同じように本を読んだり絵を描いたりしていることが多いようですが、たまにクラスメイトと絵を描いたり話をしたりすることもあるようです。今ではそんな風に自分なりのペースで友達関係を育んでいるコウですが、3歳頃までは公園や児童館で会う子ども達に興味を示すことはなく、むしろ避けて通ることもあるくらいでした。幼児期のコウの友達との関係は?相手が大人であれ子どもであれ人間にあまり興味を示さなかったその頃のコウは、行動が激しく声も大きいためか基本的には子どものことが苦手なようでした。大人しい子であれば近くにいることはできましたが、関わることはありませんでした。Upload By 丸山さとこ「同年代の子どもと接することを強要しても仕方ない。興味が出るのを待とう」と考えた私は、積極的に仲介をすることはしませんでした。とはいえ、「子どもという存在が見慣れないものになると“興味を持つきっかけ”も生まれないかもしれない」とも思ったため、コウにとって強いストレスにならないよう、ある程度空いている時間帯に公園や児童館へ行っていました。そうしてあまり子どもとの関わりがないまま保育園に入園したコウは、反応が乏しく大人しいことからおままごとに誘われるなどして、意外にも集団での遊びに参加していました。おままごとは家でも自発的に行うことの多い遊びだったことから、コウにとっても落ち着く作業になっていたようです。彼にとってのおままごとは“関わり遊び”というよりは“知っているシーンの再現遊び”だったようで、特に他の子と話をすることもなく黙々と料理を作ったりしていましたが、周囲もまだ幼児であることから大きく浮かずに一緒にいることができたようです。あまりしゃべらず大人しかった3歳までから一転、4歳になったあたりから語彙が増え始めたコウは、5歳頃から思うようにいかない時にブリッジをして怒るようになりました。Upload By 丸山さとこある程度会話で意思を伝えられるようになってきたことで、かえって「思うようにならない!」と感じることも増えてきたのかもしれません。この頃はまだ同級生とケンカが成立する程のコミュニケーション力はなく、突然1人で怒りながらブリッジを始めることが彼なりの怒りの表明だったようです。「意思を伝えるということは高度なコミュニケーションなのだな…」と思ったことを覚えています。そんなコウも、年長になる頃には一緒に図鑑を見たりふざけあったりする友達ができたようです。迎えに行くと誰かと遊んでいる姿を見ることも多くなりました。小学生になり、友達と行動を共にできるクラスメイトの中で…小学校入学後も、まだ学年全体に幼さの残る1年生の1学期までは“同じところに集まってワイワイやっている”だけで何となく友人関係が成立していましたが、夏休みが明けた頃から少しずつ周囲とズレが出てくるようになってきました。Upload By 丸山さとこ2年生にもなると、たとえ気の合う子と遊ぶのであっても、「友達と行動を共にする」ことや「ルールを擦り合わせて共有する」ことが必要になってきます。皆が違う遊具に移動する際に声をかけられても「僕はこれをしていたいから」と言いその場に留まるコウです。そんな“協調性の無さ”から同級生の中でも浮いていることが目立つようになってきました。私は、学校でのクラスメイトとの関係については“いじめ”でない限りは直接的な介入はしませんでした。授業中のグループワークなど、協力を得られず課題を進められないのであれば義務教育に支障が出ているということで介入の必要があるかと思いますが、休み時間に誰とどう過ごすかは、子どもの自由だと考えているからです。親から見れば些細な事に思えることでもコウ本人がいじめだと感じていることはありますし、“いじり”なのか“いじめ”なのか微妙だなと思う時もあります。そのような時は担任の先生に事実の確認や見守りをお願いしたり、スクールカウンセリングにて相談をしたりしていました。「こんな時どうする?」を一緒に考える日々コウは今までSSTを受けたことはありません。近くに通える施設が少なく、月に1度病院にてカウンセリングを受けながら空くのを待っている状態です。Upload By 丸山さとこその為、カウンセリングにて相談をしている他は、私がただの親子関係として「こんなことがあったんだよ」「お母さんはこういう時どうしたらいいと思う?」を聞いたり答えたりしているだけです。私自身もASD・ADHDの成人当事者です。コミュニケーションは全く得意ではありませんが、年齢分の経験があることから少しだけ「こうじゃないかな?」「こういうことが起こっているのかもしれないね」と“お母さんはこう思うよ”の範囲で話すことはできます。「遊んでいた友達が移動する時にコウが付いていかないのであれば、その子はまた新しく遊ぶ相手を確保しなくちゃいけなくなるね。そうしたら、その子は次からどうする?」と聞くと、コウは「うーん…『最初から違う子に声をかけたらずっと遊べる』ってなるか…」と答えます。そうして状況を推測して共有した後は、コウに「どうしたい?」と聞くようにしています。コウが「それなら僕も1人で遊んでいた方が自分のペースで遊べていいな」と思うのであれば、それに対するメリットとデメリットを並べて一緒に考えてみます。友達の繋がりを持っておかないとサッカーやキャッチボールなどの1人ではできない遊びの時に困るかもしれません。自分にとって都合の良い時だけ仲良くしよう!とはいかないからです。Upload By 丸山さとこ一方、あまりに無理をして友達のペースに合わせていると、「ちっとも楽しくないし疲れる!」となってしまうかもしれません。そうして考えていくと、「こういうところはもう少し周りに合わせた方が良さそうだな」とか「これは譲りたくないな。どうやって伝えたらいいのかな?」とか、「遊びの好みやテンポが合う子と一緒にいた方がいいんだな」ということが分かっていきます。もちろん、現実はそこまでシンプルではありません。特に、中学年以降になると“相手も本当は嫌だけど我慢をしている”とか、“力関係でNOを言いにくい状況である”など、色々と難しい場面もあるとは思います。それでも、「そういうパターンの可能性もあるよ」という経験を重ねていくことでトラブルの原因や対処法を理解していく部分はあるようです。資源回収などで色々な学年の子ども達が集まった時の様子を見ると、大体2~3学年下の子どもと丁度足並みが合うようで、本当は年齢に縛られず「コミュニケーション能力の発達段階が丁度合う相手」と関わる場があると良いのかもしれないなと感じています。5年生となった現在でも年齢より幼いコミュニケーション力からトラブルを起こすことはしばしばありますが、時には先生などの大人だけでなく、クラスメイトや上級生が仲裁に入ってくれることもあります。Upload By 丸山さとこまた、趣味をいくつか持つようになったことで、それをきっかけにクラスメイトとの交流が生まれることもあるようです。ゲームや将棋やScratch(プログラミングソフト)など趣味が合う友達と遊んだりしているようです。趣味があると余暇の過ごし方も少し豊かになるようです。無理強いにならない範囲で、新しいものに触れる機会を作っていけたらいいなと思っています。
2020年09月08日20代半ばで知った広汎性発達障害…診断を受けたのは就職後Upload By 桑山 知之「♯見えない障害と生きる」連載第2回は、愛知県名古屋市でグラフィックデザイナーとして働くノビさん(38歳・男性)に話を聞いた。ノビさんは愛知県内の大学を卒業後、印刷会社のデザイナーとして就職した。しかし、ある程度のカリキュラムをこなしていれば一定の評価を得られる学生時代とは違い、入社後ほどなくして壁にぶち当たった。「手が遅いんです。仕事にも時間がかかって、すごく残業してたんです。先輩に『そこまでやんなくていいよ』『うまく手を抜けよ』って言われるんですけど、手を抜くと肝心なところをすっ飛ばしちゃったりして、めちゃくちゃ怒られる。『うまく手を抜く』、その“うまく”ができなかったんです」その後、仕事を辞め個人でデザイナー業を始めようとしたが、それも失敗した。どうにもうまくいかなかった。何かがおかしい。そんな折、大学時代に同じゼミだった友人と再会する機会があった。彼は発達障害だった。「多分お前もそうだと思うから、診断受けてみろよ」。そう言われるまま、ノビさんはクリニックに足を向けた。そこで、広汎性発達障害という診断を受けた。20代半ばだった。発達障害の診断は「許されたような感じがした」Upload By 桑山 知之ノビさんは学生時代、勉強こそ多少できる方だったが、算数だけは異常に出来が悪かった。そして何より、誰かと一緒に何かをやるという楽しみがあまり理解できなかった。「大学時代の友達に久しぶりに会ったら、『学生のときは修行僧のようだった』と言われました。自分の中で正しいと思っていることは譲らないというか、会話を楽しんだり雑談が苦手というか…」思い返せば、幼いころから対人コミュニケーションには難があったノビさん。保育園ではみんながジャングルジムで遊んでいるのを見て「何が楽しいんだ」と思っていた。中学・高校では、仲の良いグループ以外の人間とはほとんど親しくすることができなかった。複数のコミュニティをまたいでいる友人は輪を広げていき、それに乗っかることができなかったノビさんは、やがて遊びに誘われる機会が減っていった。だが20代半ばで発達障害の診断を受け、心が穏やかになったという。「どちらかというとポジティブに受け止めたところがあって、正直ホッとしたんですよ。コミュニケーションもうまくいかなかったことが多くて、自分の努力が足りないとか、自分に責任があると思ってたんですけど、『障害です』『先天的なものです』って言われたときに、なんかこう許されたような感じがしたんですよ」Upload By 桑山 知之3歳児検診で「傾向あり」…伝えてほしかった発達障害というのは、“見えない障害”である。それゆえ、親が自身の常識や価値観を押し付けてしまい、子どもが苦しんでしまうことがままある。発達障害の特性が少しずつ見えてくるのは、3歳児健診であったり、幼稚園や保育園などといった集団生活であることが多い。早期に我が子の特性を理解したうえで親が接していくことで、併発しがちな二次障害を防ぐこともできるだろう。ノビさんは、診断について家族に対し思い切って打ち明けてみた。すると意外な言葉が返ってきた。「けっこう自分としてはそれなりに覚悟を持ってカミングアウトするつもりで、あるとき折に触れて話をしたんですよ。そのときの母の反応が、『あぁ、なんかね、そんな感じだよね』みたいな。なんかそんな気がしてたっていうノリだったんですよ」実はノビさんの母は、おそらく3歳児検診の際、「発達障害の傾向がある」と指摘されていたという。ただ、その段階では保育園で友達と揉めているなどの問題が起きていたわけではなかったため、様子を見ようということになり、そのまま進学、就職まで至ったらしい。その過程でも時折、例えば高校の進路を決めるときには自然がいっぱいあるところがいいんじゃないかという「謎の提案をしてきたこともある」と回顧する。Upload By 桑山 知之「(発達障害かも知れないと)わかってたんならもうちょっと何かこう、訓練とか何かあったんじゃないの?こっちはそれなりに苦労してるんだよ?っていうモヤモヤとした気持ちはありましたね。親は自由な考え方なので、こうじゃなきゃダメとか、レールを敷くような感じは全然なくて、放任主義なんです。それはそれでよかった部分もあるんですけど、もっと関わりがあってもよかったかなと。関係性が薄かったんです」我が子に発達障害かも知れないと伝えることのストレスは非常に大きい。ひょっとしたらノビさんの母はあえて“伝えない”という形を選んだのかも知れない。またそれは我が子を思っての選択だったのかも知れない。しかし成人後、ノビさんは確かに生きづらさを抱えてきた。これはあくまで結果論ではあるが、子どもが生活するうえで違和感を覚えていないか、親はアンテナを張っておく必要があるのかも知れない。再就職失敗、そして離婚…挫折から人の気持ちが分かるようにUpload By 桑山 知之“修行僧”のようだった大学生のころから、ノビさんには恋人がいた。「恋愛偏差値が低すぎた」ため、彼女の方からグイグイと来てくれたのがよかったという。やがて社会人になり24歳で結婚。しかし、個人での事業もうまくいかず、再就職を決意した。「新卒の就職活動と違って、再就職はレールがあるわけではない。面接で自分は必死にアピールしてるつもりでも、面接官から『お前さぁ、今のままでいいと思ってんの?』と説教されて帰ってくる。そうすると、夜の公園でブランコにもたれながら泣いちゃうんですよ。『何やってんだ自分は』って。抑えきれなかったんです」自分自身にそこまで感情の起伏がないため、他人の気持ちが理解できなかったノビさん。人が泣いているのを見ても、本当なのかと疑っていたという。しかし、再就職での挫折を受け、思わず涙をこぼす日々が続いた。それとほぼ同時に、離婚することになった。「本当に胸が潰れるような気持ちをそこで初めて経験しました。あのとき、あの人たちが言っていたつらい気持ち、苦しいとか悲しいっていうのはこれなんだというのが、そこで初めてわかったんです。今までは“自分の中での正しさ”を大事にしていたんですけど、“相手がどう思っているか”を大事にした方がコミュニケーションがうまくいくんだなって」発達障害の僕が生きるための“工夫”診断を受けたことで就労移行につながり、そのままその運営会社に就職したノビさん。現在はさまざまな受託事業のチラシを制作するデザイナーとして活動している。聴覚過敏で特に気になる「人のガヤガヤ声」を遮断するため、最近ではライフル射撃の選手が使うような耳栓をしているという。「努力というよりは、工夫するって感じですね。僕は発達障害以外にもてんかんの持病があって、薬を1日4回飲まないといけないんです。そこで、薬を1錠飲んだら、右腕から左腕にこのブレスレットを1本移していくんです。忘れないようにするっていう努力だとつい忘れちゃうので、仕組みを作るようにしました。このルールを伝えている人なら『朝飲んでないんじゃないの?』とか指摘をしてくれるんです。『この時間は全部左腕にないとダメなんじゃないの?』みたいな」つい忘れてしまうのであれば、仕組みやシステムを変えて、工夫する。診断を受け入れたからこそできる行動だ。他にも、仕事のタスクを付箋で貼っていく中で、優先順位が上がるとその付箋の位置を変えていくことで、見過ごさずに取り組めるといった方法を紹介してくれた。「前にインターネットで見た呟きで、すごいグッと来たものがあって。『みんなすごく我慢してるんだからお前も我慢しろ』って、よくあるセリフじゃないですか。でも、みんなが我慢してるんだったら、システムが悪いでしょって。障害って、みんなが当たり前にできることができないからこそ、“工夫”でなんとかしようと思ってます」Upload By 桑山 知之取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海
2020年09月03日初めての夏休みUpload By taeko夏休みが始まり、朝から一日中学童で過ごす生活になりました。夏休みの宿題はプリント13枚ほど、読書3冊~、休校期間中から育てていたアサガオの観察日記2枚、夏休みの出来事の絵日記2枚、防災マップを家族と話し合う課題がありました。今まで学童の学習時間には宿題をせず、市販のドリルをやっていました。市販のドリルはご褒美のシールが男の子向けのカッコいい絵柄で、それが目当てで同じドリルを持ってるお友達と競っているらしく…その調子でドリルを頑張ってほしい!そこで、夏休み期間中も学童ではドリルを、自宅で宿題をすることにしました。朝食後に「時計の針が何になったらやる?」とミミに聞いて、決めさせてから宿題の読書とプリントを1枚(表裏)やることに。Upload By taeko学童では一緒に遊ぶお友達がいるみたいなので心配していませんでしたが、ある日ミミは「学童に行きたくない」と言いました。迎えに行くと汗びっしょりになる程楽しんでいるのに、なぜ行きたくないのか理由を聞くと「家で遊んでいたい」とのこと。色々と疲れてるのかも?と思い、一日だけ休ませることに。私とパパは家にいるけど仕事をしているからミミと一緒に遊べないこと、私はオンラインで打ち合わせがあるから、その時は静かにしてねと伝えました。弟のふーは保育園に行っているのでミミ1人で過ごしてもらうことに。1回30分位と決めた動画を見終わると、やっぱりまだ1人ではいられず、ちょこちょこ話しかけて来るので私は仕事に集中できず...。打ち合わせ中も落ち着かず私はそわそわ。察してくれた部長がチャットで様子を聞いてくれて、「お子さん、学童楽しめるといいね」とフォローしてくれてホッとしました。ミミは学童を休むと、お友達に会えなくて退屈になることが分かった様子。私も仕事しながら小学1年生と過ごすのはまだまだ大変であると痛感したのでした。Upload By taeko学童を休ませた日、自主的にドリルをやりたいと言うミミ!ヤル気がある今がチャンス!でも私の仕事は就業時間が決まっているので、時間の融通が効きやすいパパに見てもらうよう頼みました。けれど、ミミは予想通り数分で涙を流して私の所へ。パパに聞くと、「ダメな所を注意してたら、勝手にあっち行った」とのこと。私は何も言わずにミミのフォローへ。Upload By taekoパパはよくいえばブレない性格。ミミへの言い方を優しくして欲しいとか、「ダメ」という言葉を「○○してごらん」と具体的に指示して欲しいとか、療育的な対応のアドバイスは一切聞いてくれないので、私も求めないことにしています。パパの言葉などによって自己肯定感が下がるようなことが起きたら、パパはミミのためを思って言っているのだと伝えるけれど、「僕はダメなんだ...!」と何度も否定しては落ちていくループ状態に...。私は「そうか~。でね...」と他の話題に変えて、ミミを切り替えます。Upload By taeko感情的になってケンカすると、ミミが「自分のせいでパパとママはケンカしている」と思ってしまうので避けたいところ。私がいつも通りにしていると、いつの間にかパパとじゃれていて拍子抜け。さっきあんなに怒ってたパパと、怒られて涙だったミミだけど、心配要らなかったようです。特別な夏休みだからこそUpload By taeko新型コロナや暑さで外出するのも大変だけど、この状況を楽しみたいものです。家にいる時間が長くなったこともあって子ども達に動画を見せるようになり、私も子育てや自己啓発についての動画を見始めました。参考になる所はどんどん取り入れていきたいなあと思います。
2020年08月31日「お母さん一緒に遊ぼう!」スペシャルタイムを与えるつもりが…Upload By スガカズUpload By スガカズある日の夜、次男と2人で遊ぶ約束をしたのですが、3歳の長女と2歳の三男を寝かしつける必要があったので、「下の子たちを寝かせてから遊ぼう」と言い寝室に行ったのですが、そのまま眠ってしまいました。気付いたころには深夜の1時…。焦った私は、寝ずに待ってくれていた次男を見て「まだ起きてたの?」「もう寝ないといけないよ」と、本人が頑張って待っていた行動を否定する声かけをしてしまいました。案の定次男は怒ってしまい、次の日の朝も険悪な状態でした。謝るタイミングもうまく見つけることができず、激しく後悔…。「約束をする前に、【寝てしまう場合がある】ことを話しておけばよかった」と後悔もしました。Upload By スガカズUpload By スガカズ次男を怒らせてしまった次の日、次男の特別支援教室の専門員さんと電話をしました。「頑張っていた次男くんに温かいミルクを差し出して、【待ってくれたんだね。ありがとう。】を付け加えると納得したかも知れないですね。」とアドバイスをいただけました。起こった後の行動を振り返るのも大事ですが、一番大事なのは次男にまず「待ってくれてありがとう」「寝てしまってごめんね」と気持ちを伝えること。当たり前のことですが、できていなかったのです。先生の言うとおりだと反省し、帰宅した次男にすぐ謝罪しました。この時「約束を交わしたとしても、守れない場面がある」ことについても話し合いました。本人の気持ちを考えたコミュニケーションが大事だと改めて感じた出来事でした。
2020年08月28日着慣れた服がいちばん!新しい洋服には興味ナシUpload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は現在22歳。昨年、車の整備士の資格を取得して車の販売店に就職しました。整備士として働いています。休みの前日や休日は、疲れていても誘われると友だちと遊びに行くなどして過ごし、人と関わることがわりと好きな性格です。女の子とも気軽に会ったりドライブをするのですが、息子は女の子と会うのにテキトーな服ばかり着ていきます。以前デートに毛玉だらけの服をチョイスしようとしたコラムを書きましたが、ファッションに関しては数年経った成人後でも成長がないままでした。Upload By かなしろにゃんこ。肌の感覚過敏があって、幼少期から中学卒業頃までは服の素材によっては痒みが出たり、肌と服がこすれる感覚を気にしたり、ストレッチ素材でないものは体の動きが阻害されるようで着ていてツラくなったり、色物の服では素材とインクによって汗をかいた際に化学変化で体臭が臭くなることを気にしていたり...と問題がいろいろありました。そのため、着るものでパフォーマンスを下げたくないという気持ちが大きく、結局は着慣れた服を着ることが一番落ち着くことから、新しい洋服への興味も、流行りのものに惹かれることもなかったのでした。Upload By かなしろにゃんこ。17歳くらいから母が買ってきた服で「カッコイイんじゃね」と気に入ったデザインの物は着ていましたが、ゆったり感がないものや綿以外の素材のものだとイヤがって絶対に着ませんでした。ところがそんな息子が今年になってはじめて、「こういう服が欲しい」と主張したのです。そんな息子が突然オシャレに目覚めた!?「80年代風の服が欲しい!」Upload By かなしろにゃんこ。80年代風のロゴデザインがあるTシャツや夏用の短い丈のパンツなどがほしいとのこと――そこで、一緒に買いに行くことになりました。成人したんだから一人で買いにいけば?とも思うのですが、上下をどう合わせていいのかなど分からないことがあるし、店員に聞きにくいというので母が合わせてあげることにしました。母は、女の子と出かけるのにオシャレしたいんだな…ふふふ大人になったわね♡と思って心の中でニヤニヤしていたのです。ファッションに興味を持ったことは成長なので、母の意見をグイグイ押し付けるのではなく、欲しいシャツに合わせてパンツや履物をいくつか候補に挙げて自分で選ばせることにしようと思いました。タグや襟首などの素材が肌にソフトな物を選ばせるようにアドバイスしながら選ばせ、お気に入りの物が手に入りました。早速新しい服で出かける息子。「もしかして、デート?」と尋ねると...Upload By かなしろにゃんこ。早速出かけるときに着ていたので、「女の子に会いに行くの?」と聞いたら...「違うよ、80年代旧車のイベントに行くんだ!参加する人はみんなオシャレだからオレも服を合わせたんだよ。女の子と出かけるときは普通のTシャツにGパンでよくね?」と。いやいや逆だろ!女子と会うときこそオシャレしろよ!とツッコミました。どうも「いいね♡」と思われる対象が同じ趣味の少し大人の人らしいのです。承認されたい相手が憧れの人というのはわからなくもないです。他人の目を気にせずに自由に振舞ってきた子でしたが、やっと社会の目や見た目に気を配るようになったのでした。次回は女の子と出かけるときに息子が気を付けている3つのことをお話したいと思います。
2020年08月27日自立生活を選ぶ障害者の日常を描いた映画、『インディペンデントリビング』Upload By 発達ナビニュース大阪にある自立生活センターを舞台にした本作。監督は、自らも介助者として働く田中悠輝さんです。障害当事者からの「自分たちの姿を撮って欲しい」という声を受け、自立支援の現場で3年にわたり撮影を続けました。本作で描かれているのは、病気や事故などによりさまざまな障害を抱えながらも、家族の元や施設ではなく、自立生活を希望する人たちです。彼らにとって、自立生活は自由を得られる一方、多数のリスクや責任を負うことになります。家族との衝突や介助者とのコミュニケーションでのトラブルなど課題も多く、ときに失敗することもあります。しかし、そんななかでも、自ら決断し着実に変化していく当事者たちの様子が鮮明に描写されています。“自立生活運動”の現在をテーマにした本作。「自立生活運動は出会った人を元気にし、社会を着実に変えていく力をもつ」と言う監督の田中さん。しかし一方でこれまで、自立生活運動はあまり国内で知られていませんでした。そんななかで「これからが本当に『この運動の価値を伝える』段階になっていきます。」と田中さんは語ります。今まであまり知られていなかったテーマに踏み込んでいるのが、本作の大きな見どころのひとつです。【上映情報】インターネット配信で上映中※詳しくは公式ホームページをご覧ください障害のある人たちを、デザインで楽しく応援する!手帳ケースやバリアフリーグッズがフェリシモから発売中!Upload By 発達ナビニュース車いすの女の子を家族に持つ水戸川真由美さんらによる「ブルーナ バリアフリープロジェクト」。フェリシモは、このプロジェクトの「〜こころのボーダーをなくそう!〜すべての人が共存するやさしい環境をめざす」というコンセプトに共感し、障害のある人たちを応援する雑貨を共同企画しました。汚れから手帳を守り、両面窓で提示も楽な障害者手帳ケースや、カーステッカーなど、ブルーナのイラストを使った素敵な商品が目白押しです。デザイン性だけでなく、機能性も抜群で、絵本のようなA4ファイルポーチはメッシュ素材で中が見やすいなど、日常使いに優れています。また9月中旬には、伸縮性のある素材とかかとのない仕様で、幅広いサイズに対応するバリアフリーな靴下が発売開始!イレギュラーなサイズの多い車いすのお子さまを持つママたちの声で生まれました。いずれもフェリシモのオンラインショップから、お買い求めいただけます。※詳しくはホームページをご覧ください子どもとおとなが共に創る「あそび場」Upload By 発達ナビニュース一般社団法人谷中のおかってが運営する「ぐるぐるミックス」は、たくさんの出会いのなかで、子どもとおとなが一緒になって「あそび」を生み出す創作教室。いつもは教室を拠点 に、地域やご家庭と連携しながら、子どもたちの日常の延長線上に、子どもたち一人ひとりにあったもうひとつの「あそび」の習慣をつくっていくことができる環境を提供しています。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、zoomを使って「リモート版ぐるぐるミックス」という活動を実施中です。リモート版ぐるぐるミックスは、オンライン上でおとなと子どもが一緒に遊べるアトリエの時間です。アーティストのアイデアが詰まった「ぐるぐるキット」が事前に参加者一人ひとりのお家に届き、そのキットを使って、アーティストの講師と一緒に作品を作ったり試行錯誤を楽しんだりすることができます。また、今までは4,5歳の子どものみが対象でしたが、9月からは「ダイバーシティ枠」という、年齢不問で、障害がある子どもも参加しやすい枠を設けるそう!以下は秋開催で実施予定のプログラムです。<秋開催のプログラム>1)9/26(土) オリエンテーション +「みてみてツール」2)10/10(土) 「飛んで!フェンフェン」3)10/24(土) 「ひたすらぷすぷす♪」4)11/7(土) 「不思議生物じゃーしの旅」5)11/21(土)「ナガイさんの帯紙(おびがみ)」6)12/5(土) 「アルミホイルで乾杯!」開催概要や募集要項など、詳細はホームページをご覧ください。
2020年08月26日ニュースを見るたび、不安が募る日々…新型コロナウイルスの影響で、なかなか気軽に外出できない日々ですが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。私が住む沖縄も日に日に状況が悪くなり、毎日ニュースで感染者の数を見るたびに不安が増してしまいます。Upload By SAKURAしかし、子どもたちの手前…なかなか不安を表に出すことはできません。大人だって不安だし、怖い。しかし、怖い怖いと泣き叫ぶわけにもいきません。Upload By SAKURA子どもには、冷静な対応を!私が過剰に怖がれば、子どもたちも不安にさせてしまいます。特に広汎性発達障害の娘(9歳)は、神経質で感じやすいところがあるため、私自身、落ち着く!冷静に対応する!…を心がけていました。最初の頃は、神経質に考えることはなく、いつも通り気にせず生活していた娘でしたが、沖縄での感染者が増える日々…そのニュースをテレビで見る機会も増えていきました。娘はだんだんと心配になってきたようで、不安を口にするようになりました。Upload By SAKURAその度に私は、手洗いうがいの大切さや、免疫力を上げるために規則正しい生活・睡眠・食事が大事ということを話すようにしていました。正しい知識を知ってもらい、少しでも子どもたちの不安が和らぐように、気にかけながら話をするようにしました。とはいえ、大人だって怖い!…とは言いつつも、本当は心配で仕方ない私。「今日は何人だろう…」「どこの地区の人だろう…」と考えるたび、マイナスな想像ばかりしてしまいます。不安をなかなか口にできない分、私の中には、もやもやした思いが溜まっていきます。ニュースを見た後は、ついつい考えすぎてしまって、子どもたちの前にもかかわらず黙り込んでしまうこともあります。Upload By SAKURAそんなふうに不安が溜まってくると、私は無意識に、“ある行動”をとっています。それは…不安な時、無意識にやってしまうのは…Upload By SAKURAパンやお菓子づくり。なぜか、私は不安に感じた時、無意識にキッチンへ向かい、パンやお菓子づくりを始めます。しかし、実は私、料理が苦手。普段のご飯づくりにもストレスを感じるタイプです。パンづくりも、お菓子づくりも、子どものためにはやりますが、そこまで好きではありません。Upload By SAKURAご飯の支度ほどではありませんが、パンもお菓子も、子どもたちに頼まれればつくりますが、できればつくりたくないと感じる方。普段、自分からつくることはほとんどありません。複雑な工程を淡々と続けることで、感じなくなる不安。しかし、その“したくないこと”を、不安になると急激にやりたくなるのです。その時は、やりたい・やりたくないの気持ちより先に体が動く…という感じ。材料をまぜたり…こねたり…工程のめんどくさいことを淡々と続けます。Upload By SAKURAいつもと同じように楽しいとは感じませんが、不思議と、作業している間は不安を感じることはありません。できあがったものを、子どもたちのところへ持っていき、「やった~!」「おいしい~!」「もっと作って~!」という子どもたちの笑顔を見る頃には、不安は消えています。ニュースは情報として知っておく必要がありますし、警戒もしなければなりません。しかし、過度に考え込んだり、不安を感じていては、精神的にも良くないし、免疫も落ちるかもしれない。不安は、考えないように、感じないように頑張ってみても、ついつい出てきてしまうもの…。私は、面倒な工程をこなすことで不安を追い出し、無意識に自己防衛しているのかもしれません。Upload By SAKURA私の場合…ですが、自分を平常心にすることができ、なおかつ子どもたちも喜ぶ、パンやお菓子づくり。みなさんも試してみてはいかがでしょうか。
2020年08月26日"一緒にいてもそれぞれ好きなことができる"心地よい家族の関係我が家はでこぼこ兄妹の二人と、兄妹のお父さん、それから私の4人家族です。なかよし兄妹のタケルといっちゃんを中心に、大体いつも一緒に行動しています。よそのお宅のことはよくわかりませんが、大変仲の良い家族だと思います。外に出ているより、家の中の方が安心ということもありますが、我が家はASD気質の強い人がマジョリティ(多数派)なので、お互いあまり邪魔にならないように暮らしており、一緒にいても好きなことができるというのが大きいと思います。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロお父さんが反抗期いっちゃんのターゲットになったワケは...しかし、時々その静寂が破られることがあります。それはお父さんが「不安定」なとき。LITALICO発達ナビでは子どものエピソードを中心に書いているので、今まであまり取り上げてきてはいませんが、でこぼこ兄妹のお父さんにはADHDがあります。また、Ⅰ型糖尿病で血糖値の高下が激しくなりがちなこともあり、身の回りのことに気が回らなくなって、ふらふらウロウロしていることがしばしばあります。普段から、パーソナルスペースが狭く、散らかし屋のお父さん。「不安定」になっているときは、ますますその傾向が強くなり、そのことがルールに厳格な子どもたち(私も)をイラつかせるのです。例えば、棚の上のリモコンを取ろうとして、床に置いたプリント類を踏み荒らしていくことなど日常茶飯事なわけです。Upload By 寺島ヒロ私たちASD組(でこぼこ兄妹と私)であれば、相手が集中して作業をしている間はできるだけ話しかけません。何か用事があっても、後でもよいことだと思えば、とりあえず棚上げし、自分も何か他のことを始めてしまいます。そうして伝えるのを忘れてしまうこともしばしばなのですが、お互いの間では「そういうこともある」とおおらかに捉えています。それで揉めるということはないのです。でもお父さんはADHDからか、一度話したい!と思うと待てません。相手が何をしているか、どこにいるかも構わず話し始めて、反応がないとどんどん声が大きくなっていきます。何か用事…伝言などあれば、更に傍若無人です。お父さんに言わせると「思い出したときに言わないと忘れちゃうじゃないか!」ということになるのですが、ASD組の方から見ると、いきなり飛び込んできて、何かわあわあ言っているぞ?…という感じにしかならないのですよね。ASDのある人に話を聞いてもらうには、まず「あなたに話しているのだ」ということを認識させ、短い言葉で、端的に伝えなければならない、とはよく言われることですが、他のことに集中しているときにそれを中断して、他のことに注意を向けるのは、ASDのある人にとっては大変な苦痛を伴う作業です。度重なると「この人、いつもなんかイライラすることを言ってくる」というイメージが人についてしまいます。わが家ではそれが「お父さん」だったのです。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ普段から泣くこともない妹いっちゃん、「荒れる」といった形で感情を表出させることもないので、反抗といっても大したことはしないのですが…何かというとお父さんに不満げに当たるようになりました。Upload By 寺島ヒロさすがにお父さんも「最近ムスメのあたりがキツイ…。」とこぼしていますが、いっちゃんの言っていることも一つ一つは至極ごもっとも。あるとき、「これを機会に、娘に尊敬されるきちんとしたお父さん像を目指してみてはいかがですか?」と言ってみたところ、お父さん、「え?俺が?ムリ。」「ただの反抗期でしょ?大丈夫だよ。お父さんキライって言ってるいっちゃんもかわいいよ!」とのこと。全く意に介すそぶりを見せません。と、そのとき…!Upload By 寺島ヒロ実は隣の部屋で聞いていたいっちゃん。絶対零度の冷たさを感じる一言でした…。まだまだこの件、解決にはほど遠いようです。
2020年08月25日神奈川県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス心音~ころん~では、運動プログラム、創作、クッキング、畑作業、ソーシャルスキルトレーニング等、様々なプログラムを通して、子どもたちの「脳」と「五感」を最大限に刺激し、発達を促しています。スタッフ間では日々検討会議を行い、支援のあり方や情報共有に努め、定期的な研修も取り入れ専門性を深めながらお子さんの支援を行っています。経験から得られる知識や知恵に繋げられるよう、世界の喜び・感激・神秘などを、子どもと一緒に再発見し、感動を分かち合うことで、様々な体験から得られる気付き、宝物を発掘します。神奈川県の放課後等デイサービスをもっと見るUpload By 発達ナビ施設情報Solverde global kids(ソルヴェルデ グローバル キッズ)は、療育と英語が学べる多機能型療育施設です。療育にあたるスタッフは日本人バイリンガルであり、かつ2年以上の療育経験者の為、お子さんも安心して学習が進められる環境が整っています。また、サイエンス(科学)、テクノロジー(技術)、エンジニアリング(工学)、アート(芸術)、マセマティックス(数学)にも取り組み、楽しみながら学習を進めています。英語ではお子さんの好きを見つけて伸ばし Specialist を、またはお子さんの好きを増やして伸ばし multi-potentialite を目指します。神奈川県の放課後等デイサービスをもっと見る神奈川県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報LITALICOジュニア中山教室では、言葉の遅れやコミュニケーション、集団行動などの困りごとを中心に、一人ひとりに合わせた指導計画を作成します。発語、親子やお友だちとのコミュニケーションスキル、身辺自立をはじめとする基本的な生活スキル・社会性を身につけながら、言葉や数の概念、手先や体の動かし方、読み・書きなどのプログラムを通じて学習を深めています。また、保育園・幼稚園との連携も積極的に取り入れていますので、包括的にお子様の生活や成長を支えていくことが可能です。小学校に向けての就学移行期にも、訪問や引継ぎなどを通して、お子様の未来もサポートしていきたいと考えています。神奈川県の児童発達支援事業所をもっと見るUpload By 発達ナビ施設情報Solverde global kids(ソルヴェルデ グローバル キッズ)は、英語を中心に支援を行う多機能型事業所です。科学や芸術、数学等様々な療育を取り入れながら、多角度からお子さまが楽しく英語を学べるよう自己肯定感を養います。航海をテーマとし、スタッフは旅のプランナーとして保護者様と旅のプランニング(経路、目的地)を行い、お子さんと航海(輝く未来)への夢を巡らすことで、錨をあげてお子さんの背中を押し、旅立ちを応援していきます。神奈川県の児童発達支援事業所をもっと見る千葉県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報LITALICOジュニア流山おおたかの森教室では、0歳~6歳(年長)のお子さんを対象とした児童発達支援をおこなっています。指導内容はコミュニケーションから集団参加、学習まで多岐にわたり、お子様に合わせた支援を提供しています。教材や指導員の研修は発達障害児支援の専門家である教授や医師に監修をいただいています。教室スタッフの思いとして、お子様、ご家族1人1人に寄り添い、お子様のできた!やお悩みを一緒に共有していける教室をつくっていきたいと考えています。また、保育園・幼稚園等への訪問支援を取り入れていくため、日常生活の中にも、よりお子様のできたを拡げていけたらと思っています。不安な点やお悩みは何でも教室スタッフにご相談ください。千葉県の児童発達支援事業所をもっと見る埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報オレンジスクール越谷教室では、学習を主体とし、一人ひとりのレベルにあった教材に取り組む中で、学力の基盤づくりを行っています。また、少数のグループで支援を行う事で、お子さんも安心して質問ができる環境を整えています。学習の時間と遊ぶ時間を分け、その日のスケジュール管理はお子さん自身で行うことで、自己決定力や気持ちの切り替えなどの力を養う事にも繋げています。学校での指導経験や、福祉施設での勤務経験のあるスタッフが、お子さまが楽しく学べるようサポートします。埼玉県の放課後等デイサービスをもっと見る大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス スマイルでは学習面から、運動・音楽・ソーシャルスキルトレーニングなど幅広く支援を行っています。思いっきり体を動かすことのできるプレイルームと学習スペースを分けることで、気持ちの切り替えができるよう環境整備。療育は担当制となっており、お子さんとスタッフ間の信頼関係を築きながら、療育の進み具合や変化等もしっかり把握します。個々に合わせた支援方法で、得意なことを伸ばし、笑顔で過ごせる環境を提供します。大阪府の放課後等デイサービスをもっと見るUpload By 発達ナビ施設情報児童発達支援 スマイルでは、就学前の準備や生活習慣のサポート等から運動療法・音楽療法、また個別支援から集団支援まで、幅広く支援を行っています。個別の支援計画とは別に学習支援計画を作成し、お子さんのペースに合わせて活動できるようサポートします。スタッフ同士が密に連携を図り、その日の様子や進み具合を確認、また親御様への日々の活動報告や支援内容の進め方等も確認・共有しながら療育を進めていきます。子ども達が大人になり、社会生活をしていく上で必要なスキルを習得できるように指導します。大阪府の児童発達支援事業所をもっと見る「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2020年08月24日成長と共に“特性の現れ方”も少しずつ変化をしていて…?Upload By 丸山さとこ先生からの個別の声かけや“小まめで具体的な指示”のおかげで小学1年生は大きなトラブルもなく過ぎていったコウですが、2年生になれば“自主的な判断”や“臨機応変な対応”が求められることも増えていきます。『大丈夫かな?1年生の時より集団行動は難しくなっているのでは…?』と気にかけていた2年生の1学期でしたが、意外にも担任の先生からは太鼓判を押されるくらい、学校生活は順調な様子でした。毎日楽しそうに出かけていくコウの様子を見ながらほっと一安心したのも束の間、予想外の方向から問題はやってきたのです。息子の特性の変遷――並べる、クレーン、オウム返し。「ASDあるある」が目立つが対応しやすかった頃【幼児期~1年生編】まず、2学期に入った頃から「連絡帳に宿題や忘れ物を書いてこない(ので親が気付かない)」ということが急に増えてきました。先生から連絡をいただいて初めて気が付いたので、とても驚き反省したのを覚えています。Upload By 丸山さとこ1年生から2年生の初めにかけて宿題の漏れが殆ど無かったことからすっかり油断をした私は、マメにチェックをしていませんでした。基本的には家事をしながら「机に向かっているな」と遠目に見ておしまいです。そんな行動を深く反省しつつ、同時に「え?たまたまチェックした日だけ宿題をしていたってこと?」と混乱もしました。おそらく連絡帳に全ての宿題を書いていないのだろうと察しはつきましたが、そうであれば連絡帳に赤ペンでの“忘れ物の記載”がある筈です。急にどうしたのか…宿題が難しいのか面倒なのかと本人に聞いたり先生に確認したりしたところ、どうやら2年生から始まった新ルールが影響していたようでした。本来は「宿題の大切さ」を教えるためのルールだった筈が…!?先生のお話によると、「宿題は必ず出さなければいけない」という方針に基づき、2年生になってからは“宿題をしていない児童は、登校後所定の時間内に終わらせて提出する”という新しいルールがあったのだそうです。それは多分、「宿題をすること・きちんと提出することの大切さ」を教えるためのルールだったのでしょう。けれど、コウは「登校後に終わらせれば大丈夫。家ではしたい読書や勉強をしよう!」と考えて動くようになってしまったのです。Upload By 丸山さとこ私はルール自体に大きな穴があったとは考えていません。コウの言う理屈は一般的には屁理屈とされるものですし、宿題未提出の逃げ切りを防ぐことで一定の効果もあったのではないかと思います。ただ、「コウならそう考えるだろうなー…!」と頭を抱えました。2年生になり、先生の指示や児童の行動に「臨機応変さ」が出てきたことも、コウの「自分にとって都合の良い解釈」に拍車をかけたようです。物事の背景が見えにくいコウにとっては、「皆、自分の都合に合わせてルールを変えていく」のが新しいルールに見えているところもあったのかな?と思います。本人としては「自分はしっかりルールを守っている。何も問題はない」という意識があったそうです。コウはそれ以降、自宅で宿題をやりたがらなくなりました。チェックが強化されてからは、チェックをすり抜けられるよう連絡帳から宿題の記載を消すようにもなりました。コウも理屈の上では宿題をする必要があるのだと分かっています。けれども、コウからしてみれば「宿題をしていなくても何も困らない」のです。Upload By 丸山さとこ見落とし多発、見通し下手な発達障害息子、脱・「やってもらって当然」へ…!助けを求めるスキル、ただいま習得中この頃のコウはADHDによる不注意やうっかりミスが強く目立ってきた頃だったので、「宿題やったよ」と本人が言っていても宿題の範囲を間違えたりページが飛んでいたりすることが多く、手書きの文字を読むのが苦手な私にとって、彼の宿題をチェックするのは難しい作業でした。それでも何とかチェックを済ませ、宿題が終わっているのを確認したとしても、「あ、忘れてた」「あれ?学校では見つからなかったんだけどな…?」と宿題を未提出のまま持って帰ってくることも珍しくありませんでした。(後に、「チェックは私には難しい」ということで夫に担当してもらうことになりました。)一度「ルーズであること」「嘘をつくこと(その場の利益が得られる行動をとった結果嘘になること)」の旨味を知ったコウは中々手強く、4年生まで2年半かけて“お父さんにチェックをお願いする”という習慣が身につくようになりました。1つ1つ“解説”していく日々コウが宿題をしたくない理由は明快です。「学校から帰ったら疲れてる。疲れている時にしたくないことはしたくない。宿題より他にもっとしたいことがある」ただそれだけです。Upload By 丸山さとこ親としては「それは通らないよ」と言いたくなるようなコウの主張ですが、苦痛が大きく必要性の見えないことをするのが嫌だという気持ち自体は分かる部分もあります。実際、学校から帰ってきたコウは「1クラスにいる人間の数が多い…いるだけで疲れちゃう…」とかなりグッタリしていますし、宿題は学力をつけるためだと言われても、コウからすれば「宿題をしなくても漢字や計算はもう覚えてるよ」といったところでしょう。コウの気持ちは分かる。でも親としては「そうではないよ」と思う。気持ちだけで動くと“コウが望んだ通りの結果”にならなかったりする。その辺りを伝えるのは私が比較的向いているということで、チェックのメインは夫、説得(?)は私がすることになりました。Upload By 丸山さとこ見落とし多発、見通し下手な発達障害息子、脱・「やってもらって当然」へ…!助けを求めるスキル、ただいま習得中チェックのメインが夫なのは、「一緒にいる時間が長い私がチェックをすると細かくなり過ぎてしまうだろうな」という予想もあってのことです。思春期に入っていく今、「見て見ぬふり」をする技術は私の今後の課題なのかもしれません。コウは“理屈を理解する力”そのものは高い一方、その場の気持ちだけで見通しなく動くところがあります。なので、理屈を理解したからといって即行動を変えるわけではありません。そのこと自体は何も珍しくはないことなのだろうと思います。「甘いものばかり食べていてはいけないと知っていてもついつい食べてしまう」「明日の朝が辛いと分かっていてもスマホに手が伸びてしまう」「運動をした方が健康に良いと分かっているが面倒」どれも珍しくはない話です。もし「分かっているのに何で!?」と聞かれたら、「したかったから(したくなかったから)…」としか答えようがないのではないかと思います。私がコウに理屈を伝えるのは、もちろん彼の行動を変えて欲しいからです。同時に、理屈を知って納得をすることで、彼の「理不尽だ!」という辛い思いを少しでも減らせたらいいなとも考えています。Upload By 丸山さとこ全てのことを理屈で解説するのは実際のところ無理なことです。どうしても納得いかない!と思うこともあるでしょう。けれど、そういう時に「納得いかない!と思ったけれど、後から考えたらそうでもなかったな」と思い出したら、「仕方ない、一回やってみるか」と思えるかもしれません。その上で「どうしても嫌だ!おかしいと思う!」と感じるのであれば、その時は考えたり聞いてみたり止めてみたりしてもいいのかな?と思います。その時々に合わせて、少しずつこうして改めて振り返ってみると、コウの特性の現れ方はその時々によってかなり違っているのだなと感じます。2年生から忘れ物などのミスが増えるようになったのは、コウが「忘れ物をしてもパニックにならなくなった」という意味では成長と捉えられるのかもしれません。大人から見れば悪知恵にしかならない理屈を繰り出すのも、成長による知恵の1つと言えそうです。Upload By 丸山さとこ環境という面から見れば、保育園~1年生まで忘れ物などが目立たなかったのは「親がフォローできたから」という部分も大きかったのだろうなと思います。そうして考えてみると、その時々によって現れ方が様々なように見える特性そのものは、実はあまり変化していないのかもしれません。今後もコウ自身の成長や環境の変化によって“現れ方”が変わっていくであろう特性を「ゆっくり見ていけたらいいな」と思う、何かと焦りがちな私です。コウのノンビリさを、少し見習っていくといいのかもしれません。
2020年08月24日