チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (115/342)
吉本興業が『清く。明るく。麗しく。』をテーマに、「和の美意識を体現する少女達」のライブを関西の専用劇場から発信していく成長型ライブ・コンテンツ事業「少女歌劇団プロジェクト」をスタートする。10月14日には京都市内で本プロジェクト概要発表会見が行われ、概要を明かした。「少女歌劇団プロジェクト」詳細はこちら総合演出を担うのは『サクラ大戦』などで知られるクリエイター広井王子。広井を口説き落とした共同代表取締役社長CEO大﨑洋氏は「来年の夏には大阪のどこかに歌劇団専用の常設劇場を作ろうと思います。大阪万博の誘致やIRもありやなしや、という今、僕たちもエンタテインメントで大阪のパワーアップを計りたいと思います。また、この歌劇団がうまくいけば、地方やアジアの国の人たちともこんなことができればいいなと考えています」と、今後の展望も述べた。総合演出の広井王子は、「大正時代から戦前にかけて多く存在していた少女歌劇団ですが、戦後には“少女”の部分が消滅して。このプロジェクトでは、少女を通して日本文化を発信できたらいいと思います」とコンセプトを語り、茶道や華道、着付けといった日本文化なども劇団員とスタッフが共に勉強しながら、成長する姿を発信していきたいと続けた。“少女”とついているだけに20歳の誕生日を迎えると退団することも決まっており、「少女たちの限られた時間の中で、みんなで応援していくプロジェクトができたら」と意気込んだ。また、第1期生は30人程度で雪組、月組、花組の3組編成とすることに加え、メンバーの中にはCGも含まれるという驚きの計画も明らかにした。同プロジェクトを盛り上げるべく発表会見に登壇した尼神インター・誠子(29)はプロジェクトに興味津々で、「私、13歳です!」と猛烈アピール。元NMB48の三秋里歩と門脇佳奈子は20歳卒業制に賛成。「卒業する年齢が決まっていたら、そこまで頑張れると思う」(三秋)、「ファンの方もそれだけ熱をかけて応援すると思うので、ファンの方の団結力も強くなるのでは」(門脇)と期待を寄せた。第1期生の募集期間は11月1日(木)から12月31日(月)までで、応募資格は2018年12月31日の時点で満11歳から満17歳までの女性。国籍を問わず、国内外から広く募り、オーディションを経て2019年夏のデビューを目指す。取材・文:岩本和子
2018年10月16日NMB48の石塚朱莉が2018年4月に旗揚げした劇団「アカズノマ」の第2回公演が決定。扉座の劇作家・演出家である横内謙介の代表作『夜曲 nocturne』を、2019年1月24日(木)から27日(日)まで大阪・ABCホール、31日(木)から2月3日(日)まで東京・新宿村LIVEにて上演する。劇団アカズノマ公演情報はこちらぴあ関西版WEBでも「劇団 石塚朱莉」と題した演劇連載を展開している石塚が、「大好きな舞台を自ら作りたい」と結成したアカズノマ。公演ごとに演出家や出演者を迎えて行うスタイルで、旗揚げ公演では柿喰う客の人気作『露出狂』を、同劇団に所属する七味まゆ味の演出により、関西弁バージョンで上演した。続く今作も、七味を演出に迎えて『夜曲 nocturne』に挑む。本作は、1986年に初演され、さまざまなカンパニーで上演されている横内謙介の初期の名作戯曲。石塚は「私が生まれる前から長年にわたり、たくさんの方々に愛され続けてきた戯曲に触れるのはドキドキしますが、とてもうれしく思います!強烈なキャラクターたちと現在と過去との香りを、アカズノマの色に混ぜて届けたいなと思います!」とコメント。新聞勧誘員で放火魔のツトムは、ある晩、廃屋となった幼稚園に放火をし、そこでサヨという少女と出会う。ツトムが幼稚園を放火したことをなぜか喜ぶサヨ。すると、放火をきっかけに700年前の人間たちが現代に次々と蘇ってくる。怨霊によって呪いをかけられた人間、身分違いの恋、武士や貴族の主従関係…。有象無象の人間関係に振り回されるツトムは、やがて自分がすべきことは何かを考えはじめ…。『露出狂』にも出演したNMB48・古賀成美がヒロインを務めるほか、七味も出演。一部キャストはオーディションにより選出される。また、初の東京公演に向けては「東京でも変わらずに、活動拠点である関西色を出していけたらと思います!」と意気込みを見せ、「たくさんの方々にお楽しみいただけるように、また作品を通して自分自身も成長できるように全力を尽くし、愛を注いでいきたいと思います」と語る。公演は2019年1月24日(木)から27日(日)までABCホール、1月31日(木)から2月3日(日)まで新宿村LIVEにて。チケットは11月発売予定。
2018年10月16日昨年1月にベスト盤『ミラクル』をリリース、11月には東京・CLUB QUATTRO公演ワンマンを敢行して結成20周年のアニバーサリー・イヤーを締め括ったバンド、BUGY CRAXONE。21年目を迎え、10月17日(水)に14thアルバム『ふぁいとSONGS』の発表を控えた心境をボーカルのすずきゆきこに訊いた。【チケット情報はこちら】「これまでの20年で私たちが本当に人に恵まれてやってこれたバンドだなってつくづく思ったんです。と同時に、20年かけてもまだこれしか出来てないのかって思うこともたくさんあって。昨年QUATTROと、今年の2月にもワンマンをやったんだけど、それに向けてこれまでの13枚のアルバムの曲を全部コピーしたんです。時系列で遡っていったんですけど、年齢に伴って曲がどんどんシンプルになってた。20周年のライブが終わって、メンバー同士で“21年目どうする?”みたいな話も特にせず新曲を持ち寄ったときに、音楽がバラエティに富んでてとにかく元気だったから、自分もさらに力をもらったというか、“あっ、バンドって面白いな”って素直に思えた」確かに本作に収められた10曲は、聴く人の気持ちをぐいぐいと引き上げていく元気なナンバー揃いで胸を打つ。すずきと、笈川司(g)というふたりのソングライターを擁し、旭司(b)、ヤマダ ヨウイチ(ds)を加えた4人で一緒に歌うフレーズも多いBUGYの楽曲は、1曲1曲が活き活きと研ぎ澄まされた印象を受ける。「私の曲はアレンジも方向性も決まってるタイプが多くて、笈川君はまだまだ余白がある状態で持ってくるから、あとからメンバーのアイデアを取り込んでガラッと変わったりする。私たち、ただ続いてるからやってるバンドにはなりたくない。“わざわざ意志があってやってる”と認識してもらえたらいいと思うんですよ。こんないい大人になってまで、もうひとつ大成長しないと嫌だな!みたいな気持ちが音楽として表れているのかな」そんな気持ちの溢れた彼らのライブは必見。10月21日(日)に東京・渋谷TSUTAYA O-Crestで発売記念ライブが開催されるほか、2019年2月には「BUGYのナイスな生き様ツアー」が全国5会場で行われる。メンバーの笑顔につられて自然と微笑み、グッと心を掴まれてジンとくるステージをぜひともじっくり味わって欲しい。取材・文:浅野保志(ぴあ)■アルバム『ふぁいとSONGS』10月17日(水)発売3,000円TECI-1600テイチクエンタテインメント
2018年10月16日10月23日(木)より大阪・ABCホールにて『Small Town, Big City~大阪でひろった4つの小石~』が上演される。総合演出をPiper・後藤ひろひとが担い、後藤と玉造小劇店・わかぎゑふ、空晴・岡部尚子、THE ROB CARLTON・村角太洋が脚本を担当した4作品を繰り広げるオムニバス舞台だ。ぼんちおさむ、福本愛菜が作品をつなぐ狂言回しの役割を担い、関西の小劇団を中心に活動する俳優陣が出演する。「Small Town,Big City ~大阪でひろった4つの小石~」チケット情報大阪府を東西南北に分け、それぞれの地域の物語が展開する。総合演出の後藤が「信頼があり、何かやってくれるだろうし、それぞればらばらな作品を書いてくるだろう」と確信して、3人の作家に声をかけた。「1つの舞台の現場に複数の作・演出家が集うことはものすごく楽しい」と後藤、声を弾ませる。後藤は西側担当、大正区の物語だ。「沖縄と大阪の雰囲気が良く出ています」と、実在する商店街や場所も盛り込んだ。わかぎは南担当。後藤からの注文が“あまり有名じゃない場所の話”ということで、ローカル線の水間鉄道に入社した青年の物語を書き下ろした。「2000年までは小劇団のコラボ公演などたくさんあったのですが、随分静かになってしまって。でもこうして久しぶりにできて楽しいです」とわかぎ、この4人での取り組みが、舞台はもちろん関西小劇場界にケミストリーを起こしたら面白いと期待を寄せる。東エリアを担当する岡部の作品は門真が舞台だ。劇団で発表したリーディング作品『一番の誕生日!』を20分の芝居に置き換えた。「門真と言っても駅は古川橋という勘違いがよくあって。いつも誤解や勘違いが招くシチュエーション・コメディを書いているので、ちょうどいいかなと思いました」と岡部。3人の男が分娩室の前で出産を待つストーリーだ。最若手の村角は北側担当。「北摂ということで、舞台は阪急の高槻市駅のホームです。終電を待つ間の20分間をリアルタイムで体感する二人芝居です」と村角。普段の脚本は標準語が多く、関西弁で初めて書いた。「俳優もあまり関西弁を使う芝居に出たことないので、それも新しい挑戦です。派手ではないですが、地味に面白いことができるのでは」と意気込んだ。上演順は未定だが、最終的には一つの場所へと着地する。「ダイナミックなことをするわけでなく、副題にもあるように“拾った小石”ぐらいの感覚」と後藤、身近に感じられるようなオムニバス人情コメディを贈る。公演は10月23日(火)から25日(木)まで、大阪・ABCホールにて。チケットは発売中。取材・文:岩本和子
2018年10月15日琵琶、竹笛、古箏、楊琴、二胡など中国の民族楽器で演奏する女性グループ、女子十二楽坊が、ヴァイオリニストの川井郁子とバーチャルシンガーの初音ミクをゲストに迎え、11月に来日コンサートを開催する。中国トップレベルの音楽学校の卒業生から選抜された実力ある若いメンバーを加え、2016年に新たなスタートを切った彼女たちが、昨年に引き続きふたたび来日する。【チケット情報はこちら】約8年ぶりの来日となった昨年は単独によるコンサート。団長の石娟は、「女子十二楽坊は中国の伝統的な民族楽器で新たな風穴を開けるチームですので、これからは新しい音楽と積極的に融合していくつもりです」と今回の共演の経緯を語り、「結成18年の女子十二楽坊の歴史を振り返るような舞台になると思います」とアピールした。西安で行われた日中平和友好条約締結40周年記念コンサートで琵琶の演奏家と共演したという川井は、「琵琶とヴァイオリンの音色が響き合う、なんとも言えない世界が生まれてゾクゾクしながら演奏しました。今回はどんな化学反応を起こしてくれるのか楽しみです」とニッコリ。初音ミクの生みの親であるクリプトン・フューチャー・メディアの佐々木渉は、「初音ミクが生まれてきて良かったと思えるくらい、すごくダイナミックなセッションになると思います。しっかりと取り組んでいきたいと思います」と意気込んだ。本公演は、昔ながらの伝統曲から始まり、後半に向かって新たな試みや新たな曲目を用意。この公演のために楽器編成も変更され、古箏を4台にして低音の響きで豊かなアンサンブルを実現させる。コンサートの前半に登場する川井は、フィギュアスケート羽生結弦選手のプログラム使用曲として知られる「ホワイト・レジェンド」ほかで共演。「『白鳥の湖』を原曲にアレンジした曲です。中国の楽器の音色と一緒に新しい世界観を創造できたらと思います」と語った。後半に登場する初音ミクは、中国語バージョンのソフトがリリースされたこともあり、日本語と中国語を織り交ぜて、Google ChromeのCMソング「Tell Your World」ほかを歌唱する。「テクノロジーの部分も含めて現在調整中」という佐々木は、「歌声はこの公演のために特別にカスタマイズしています。女子十二楽坊さんの美しいアンサンブルの中で、初音ミクの歌声が邪魔することなく、調和したカタチで表現できればと思っています」と明かした。バージョンアップした初音ミクの歌声が堪能できそうだ。女子十二楽坊の日本公演は、11月27日(火)・30日(金)に東京・新宿文化センター 大ホールにて開催。チケット発売中。取材・文/門宏
2018年10月15日17世紀を代表する画家、ペーテル・パウル・ルーベンスの展覧会が、上野の国立西洋美術館で開催される。日本初公開作品を含む約40点が、10か国より集結。日本では、過去最大規模のルーベンス展となる。【そのほかの画像はこちら】本展覧会の見どころは、なんといっても大作たちの迫力だ。ルーベンスの圧倒的な画力をもって描かれた、3メートル級の作品がずらりと並ぶ部屋に足を踏み入れた瞬間、はっと息をのむ。古代彫刻やルネサンス美術を吸収して描かれた宗教画・祭壇画たちには、男性の力強い肉体美や、女性の美しく滑らかな肌が生き生きと表現されており、当時から画家の神様と崇められていたルーベンスの自信がみなぎっている。開催前日となる本日は、会場で開会式が行われた。4Kビジョンに映し出された、ほぼ原寸大のアントワープ聖母大聖堂の祭壇画をバックに、国立西洋美術館館長らが登壇。今回は特に、ルーベンスがイタリアに滞在していた時期の作品が多く展示されており、彼がイタリアから何を得、イタリアに何をもたらしたのかがテーマになっているという。芸術家のみならず、外交官や人文学者としても活躍し、ヨーロッパ文化の形成に大きく貢献したルーベンスの人柄や幅広い活動にまで言及し、ルネサンス最後の偉大な画家による同展覧会をアピールした。開催は10月16日(火)から。ルーベンスが残した圧巻の作品たちを目の当たりにすれば、きっと時の流れさえ忘れてしまうに違いない。■「ルーベンス展―バロックの誕生」会期:10月16日(火)~2019年1月20日(日)会場:国立西洋美術館(東京都)取材・文:飯塚さき
2018年10月15日12月9日(日)から12月25日(火)までの17日間、神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールで開催される音楽イベント「毎日がクリスマス2018」。同イベントの第3弾出演アーティストが決定した。【チケット情報はこちら】出演が決まったのは、TEE、ダイスケ、D.W.ニコルズ、SILENT SIREN、ねごと、chelmico、Anly、Kの8組。2008年に横浜ランドマークホールで始まった同イベント。各日で異なるアーティストが出演し、横浜のクリスマスシーズンを盛り上げている。チケットの一般発売は11月10日(土)午前10時より。各公演のチケット先行情報はオフィシャルサイトでご確認を。■「毎日がクリスマス2018」日程:12月9日(日)~12月25日(火)会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール(神奈川県)【第3弾出演アーティスト】12月10日(月)JASMINE、TEE12月17日(月)ダイスケ、D.W.ニコルズ12月18日(火)SILENT SIREN12月21日(金)ねごと、chelmico12月24日(月)Anly、K
2018年10月15日今年で結成30年を迎えた社会風刺コント集団、ザ・ニュースペーパー。30周年記念公演ツアーを前に、「安倍シンゾウ」こと福本ヒデに話を聞いた。【チケット情報はこちら】先の総裁選を戦った石破茂氏も持ちネタとする福本は「石破さんが選ばれていれば今日は石破さんで来ました」とすまして語る。与野党を問わず多くの政治家と実際に会う事も多く、石破氏本人からは自身のモノマネを「嬉しく…なくはない」と言われたとか。「器の大きい方ほど面白がってくれる気がします。風刺って悪口じゃないので。例えば集会とかで人のことを悪く言って拍手をもらうのとは違うんです。日々のニュースをどう面白く伝えるか。そこはこだわってますし、ご本人にもわかっていただけているのかな」舞台では、9人のメンバーがひとりあたり3役~4役を入れ替わり演じながら、10分~15分のコントをオムニバス形式でつなぐ。政治家に限らず、今回も個性的なキャラクターが続々登場する予定。「基本は“ニュース”ですから、その時に話題になっている人が登場するので内容は未定です。安倍さんとトランプさんは確実に出ると思いますけど(笑)。ネタの急な差し替えもしょっちゅうですよ。例えば誰かが失言したとか、辞任したとか、ミサイルが飛んだとか。ニュースによっては舞台の当日でもネタは変わります。でもまあ政府と一緒で、そんなに慌てません(笑)」平成30年に結成30年という節目の年を迎える彼ら。「平成も来年で終わりですからね。30年の総まとめ、みたいなネタはやろうと思っています。あの二子山部屋を軸に30年を語る、とか。僕、貴乃花もやってましたので(笑)。政治以外のニュースももちろん取り上げます。地元ネタ、福岡ソフトバンクホークスにも触れたいですね」世界遺産検定1級の保持者でもある福本。個人的な趣味だというが、舞台に生かされたことも。「富士山が世界遺産に登録された時、メンバーが富士山、三保の松原 、鎌倉の大仏に扮したコントをやりました(笑)。僕たちは人だけでなく、モノを擬人化して演じることもあります。来年は消費税が10%になるから、今の8%に比べてぐっと登場機会が減ることになる“1円玉の嘆き”なんてやろうかな(笑)」とアイデアは尽きない。「2019年の初めの舞台ということで、2018年の総決算みたいなことはやるつもりです。難しいことはわかりやすく、元々わかりやすいものでも面白くひねって皆さんにお届けします。若い人にも来ていただきたいし、普段ニュースは見ているけれど、お笑いや舞台は見ないなんていう中高年の方にもぜひ来ていただきたいですね」『ザ・ニュースペーパー JR博多シティライブ vol.8』は、2019年1月20日(日)JR九州ホールにて。チケットの一般発売は10月19日(金)午前10時より。その他、全国各地で公演あり。
2018年10月15日トップスター・真風涼帆(まかぜ・すずほ)率いる宝塚歌劇宙組公演-本朝妖綺譚-『白鷺(しらさぎ)の城(しろ)』、ミュージカル・プレイ『異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-』が10月5日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。宝塚歌劇宙組『白鷺(しらさぎ)の城(しろ)』/『異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-』チケット情報第一幕の『白鷺の城』は、ストーリー仕立ての日本物レヴューで、陰陽師・安倍泰成と妖狐・玉藻前が1000年にわたり転生を繰り返しながら、争い、魅かれ合う様を綴る。平安時代、古代中国など、時や場所が移ってもめぐり合いや別れを繰り返す陰陽師と玉藻前との宿縁。トップスターの真風は陰陽師をはじめさまざまな役に扮するが、どの場面も艶やかで美しい。しっとりと優美に舞い踊る様に目を奪われる。狐の化身である玉藻前に扮するトップ娘役・星風(ほしかぜ)まどかは、愛らしくも妖艶に魅せる。もちろん日本物ならではの、色とりどりの衣装や舞台美術も見どころで、壮大なストーリーと絢爛豪華な世界観に酔いしれられる。第二幕の『異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-』は、15世紀のイタリア・フィレンツェが舞台。時の統治者ロレンツォ・デ・メディチに創作を依頼されながらも、従うことを拒み続けてきたレオナルド・ダ・ヴィンチ。しかし、ロレンツォの愛人カテリーナが、かつて寂しさを分け合った幼なじみであることを知り…。彼の創作の源が、ひとりの女性への愛であったと仮定し、若き日のダ・ヴィンチと彼を取り巻く人々との愛憎がドラマチックに描かれている。真風が演じるダ・ヴィンチは、一見爽やかな好青年だが、幼い頃に孤独に生きた過去を持つ。そんな陰の空気をもまといながら繊細に表現している。また、権力に屈しない信念と芸術への高いプライドを持ち、カテリーナへの一途な愛を貫く。一方、星風が演じるカテリーナは、ロレンツォ、ダ・ヴィンチだけでなくロレンツォの弟・ジュリアーノからも愛されるほど、美しく魅力あふれる女性。心を閉ざしていたカテリーナが、ダ・ヴィンチによって次第に心を開いていく様を丁寧に表している。また、ロレンツォ役の芹香斗亜(せりか・とあ)、ロレンツォを陥れようと画策するフィレンツェ司教グイド役の愛月(あいづき)ひかる、ジュリアーノ役の桜木みなとらも好演。ダ・ヴィンチとカテリーナとの愛はもとより、それぞれの陰謀や確執などが絡み合う物語に引き込まれる。公演は11月5日(月)まで、兵庫・宝塚大劇場にて。東京公演は11月23日(金)から12月24日(月)まで東京宝塚劇場にて開催。東京公演のチケットは10月21日(日)発売開始。取材・文:黒石悦子
2018年10月12日昨年、新橋演舞場で上演されたスーパー歌舞伎セカンド「ワンピース」では怪我で休演となった市川猿之助の代役として、主役・ルフィを演じた尾上右近。また今年8月には自身初となる現代劇『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』で主演するなど活躍の場を広げている右近だが、「清元」として、今年2月に七代目 清本栄寿太夫という名を襲名していたことをご存知だろうか。【チケット情報はこちら】「清元」とは、語りを担当する太夫と、演奏の三味線方で構成された、歌舞伎舞踊の伴奏等を担当する「清元節」という浄瑠璃の一派。高い音域を持って、歌舞伎の世界を彩る詞章を、語る役割を持つ。その清元の家に生まれ、今年2月には清本栄寿太夫の名前も襲名した右近は、この襲名は歌舞伎俳優との異例の両立となるだけでなく、そして自身も「思っていたよりも早く実現した」と語るとおり、11月の歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」では歌舞伎俳優、清元の二刀流で歌舞伎座に立つことになる。今回の俳優、清元の両出演について右近は「父、菊五郎のおじさん、また諸先輩方の胸を借りて初出演ということになりました。菊五郎のおじさんの舞台で初舞台を踏める喜び、父の横に並べる喜び、そして『十六夜清心』という責任の大きい作品で初舞台を踏める喜び、いろんな喜びが重なりました」と語る。『十六夜清心』では太夫(語り)を務める。演目について、「名曲ですよね。お芝居の曲としての一面が強く、脇が清心の気持ちを歌う。役者として修行をつませていただいた、菊五郎のおじさんの気持ちを語る立場を担えると言うのがすごく嬉しい。こんな日が来るとは思わなかったです」と話す。9月末からすでに稽古をはじめており、その音域にのどを慣らしているという。「清元は、歌舞伎に使われる歌の中でも、ナレーションをかねた歌う役のようなポジション。音楽的にもオシャレで、節回しが細かかったり、高音が多かったり、音として楽しめると思います」昼の部では歌舞伎俳優として『お江戸みやげ』お紺役、清元として『十六夜清心』に、出演。夜の部では歌舞伎俳優として『法界坊』におくみ役で出演する。公演は11月2日(金)から26日(月)まで、歌舞伎座にて。チケットは現在発売中。
2018年10月12日宅間孝行が主宰するタクフェス第6弾『あいあい傘』が10月5日、埼玉・志木市民会館パルシティにて開幕。スペシャルカーテンコールも行われ、キャストが本作にかける意気込みを語った。タクフェス第6弾『あいあい傘』チケット情報2007年に東京セレソンデラックスで上演されて以来、11年ぶりに待望の再演を果たした本作。とある田舎町を舞台に、25年前に失踪した父とその父を探す娘の交差する思いを描いた作品だ。たっぷり笑って、最後はホロリと心に沁みる物語が繰り広げられる。初日を終えて、主演で娘・高島さつきを演じる星野真里は「地元埼玉で公演ができて、すごく嬉しく思います。稽古を通して、作品を作る上での厳しさ、辛さ、楽しさという両極端のものを感じさせていただきました。これから、たくさんの人に見ていただきたいです」とコメント。父・六郎を演じる永島敏行は「白髪からの早替えで、慌ててシャワーを浴びて、耳に水が入っています。人を想う“お節介”な宅間演出が、本作の見どころではないかと」と語る。六郎と生活を共にする玉枝役の川原亜矢子は9年ぶりの舞台出演。「宅間さんに色んなあだ名をつけていただきました。今日を迎えられて本当にほっとしています。一か月みっちりの稽古で、化粧室に行く時間もなかったですが、それくらい集中し、皆さんと濃い時間を過ごしていました」と、充実した稽古を振り返る。今作が初舞台の鈴木紗理奈は「一か月、とても愛のある稽古で、すごく楽しかったです。稽古を終えて本番が始まり、また新たなスタートを切ったのですが、大事なシーンで二度ほど噛んでしまいました…。残りの公演、頑張りたいと思います!」と意気込みを語った。作・演出・出演の宅間孝行は「チームワークが良く、いつもより稽古がスムーズに進みました。これからまた手直しをするので、日々、(作品は)変わっていくかと思います。芝居はお客さんと作り上げていくものですし、お客さんから学ぶこともある。またぜひ見に来ていただきたいですね」。タクフェス『あいあい傘』は12月9日(日)まで全10都市にて上演。チケットは発売中。
2018年10月12日ダンス・ボーカルユニットDEAR KISSが、11月30日から12月2日にかけてシンガポールで行われる「C3AFA Singapore 2018」への出演が決定した。「DEAR KISS」チケット情報「C3AFA」は、クールジャパンのイベントとして、キャラクターとホビーの文化を融合させた参加型エンタテインメントイベント。日本では幕張メッセで開催されている。シンガポールでは開催3日間ライブ&トークで出演。さらに東京、大阪、福岡のマルイで行われていた「DEAR KISS展」を同会場の特設ブースで展開する。ブースではオリジナル限定グッズの販売やパネル展示などが行われる。そんなDEAR KISSは、東名阪九州の4都市ツアーほか国内でもライブを開催。海外からオファーもくる彼女たちのパフォーマンスを是非とも体感してほしい。ツアーのチケットのお求めは是非ともチケットぴあへ。
2018年10月12日『CONGA!』、『1-2-3』など、1980~1990年代にノリの良いラテンサウンドで次々とヒットを飛ばしたグロリア・エステファン&ザ・マイアミ・サウンド・マシーン。そのヴォーカルであり、グラミー賞を7回受賞した歌姫グロリア・エステファンの、栄光と挫折の半生を描いたミュージカル『オン・ユア・フィート!』が待望の日本初演となる。同公演でグロリア役を務める朝夏まなと、夫エミリオ役を務める相葉裕樹が語り合った。【チケット情報はこちら】朝夏は本作をワシントンで観劇、「舞台上から発するエネルギーが素晴らしかったです。ノリノリの曲からバラードまで、名曲揃いで、ラテンダンスも見応えたっぷり。ストーリーもグロリアとエミリオとの出会いから恋愛、結婚、挫折からの復活とドラマチックで、母親とグロリアの確執、キューバ革命など紆余曲折を乗り越え、家族がひとつになる様はジーンときて感動して泣きました」と興奮気味。グロリアの人物像については「意思が強く、自分の道を貫くかっこいい女性。子供の頃はシャイだったのに、エミリオに才能を見い出されて、歌手として成功する。しかし栄光ゆえの影もあって、繊細な心の動きもきちんと表現したい」と、すでにイメージを描いている様子だ。一方、相葉は「これまで、ナヨナヨした役や人生に迷い自分探しをする役が多く、自分がラテン男を演じることが信じられない。まして、有能な音楽プロデューサーなんて、僕で大丈夫かな?」と戸惑いを見せるも、「エミリオは才能に溢れた、行動派。グロリアに心底惚れ込み、自分のバンドに彼女を誘って加入させ、そのうち公私ともに支えるように。魂のこもったエミリオとしてグロリアをきちんと導きたいです」と意気込んだ。朝夏は宝塚時代にショーでラテンの男役を度々演じているため、相葉は「朝夏さんからも習いたい」と、甘えん坊ぶりを発揮。朝夏は「分かった!私もラテンの女性は初めてだから一緒に頑張ろう!」と宣言した。エミリオ役をWキャストで演じる渡辺大輔について、朝夏は「すごく熱い方で、既にラテン男っぽい雰囲気。ふた通りの全く異なるエミリオが楽しめそう」と、ワクワク。2バージョン、どちらも見たくなること請け合いだ。最後に、「皆さんも一緒に楽しんで心をたくさん動かして見ていただけたら、良い時間を共有できると思います。ぜひ劇場に足をお運び下さい」(相葉)。「良曲ばかりで、ダンスも魅力。家族の絆など、前向きなテーマも素敵です。ホリデイシーズンにぴったりな作品なので、平成最後の年末をみんなで一緒に盛り上がりましょう!」(朝夏)と、熱いメッセージを寄せた。寒い季節、このパッションが私たちを温めてくれるに違いない。公演は12月8日(土)から30日(日)まで、東京・シアタークリエにて上演。その後、福岡、愛知、大阪を巡演。取材・文:三浦真紀
2018年10月11日畠中恵の人気小説を原作にした舞台「若様組まいる」シリーズの第3弾となる「~若様とロマン~」が10月6日に開幕。第1弾から主人公の若様・長瀬健吾を演じる入江甚儀、ヒロインの小泉沙羅を演じる宮崎香蓮に話を聞いた。【チケット情報はこちら】畠中恵の人気小説を原作とした舞台シリーズ第3弾の今作は、明治時代を舞台に、警官である「若様組」の面々がお見合いに奮闘する姿を描く。入江は「僕が演じる長瀬の、沙羅への想いは第1弾、第2弾と描かれてきたので、それがこの“お見合い”というテーマのなかでどう展開するかすごく楽しみです」と3作目ならではの見どころを語る。宮崎も「時代は違っても恋する気持ちは現代の人にも通じるものだと思います。勇気と元気を与えてくれる作品になりそうです!」と笑顔。恋模様がメインとなる今作。入江は「長瀬が不器用ながら恋に身を投じてがんばっている姿をみせられると思います。のろけ顔をどうしようかな…(笑)。前作の長瀬はずっとシャキッとしていましたし、今作ではそういう部分も見えていいんじゃないかなと思っています」、宮崎は「沙羅は明治時代にはいないタイプの、進んだ考え方の女の子。彼女のそういう部分が好きですし、今回もしっかり表現していきたいです」と構想を語る。「僕らだけではなく若様組のいろいろな恋愛模様がみられます。楽しみにしていてください!」(入江)脚本・演出は2作目に引き続き村上大樹。「基本、自由にやらせてもらってます。遊び心と基礎、その両方を大事にされる演出家さんです」(入江)、「稽古場で言われるのは役の軸の部分です」(宮崎)と、原作の軸を大切にしながらも役者それぞれの持つ力を引き出すことで、のびのびとした空気をつくりあげる。2016年上演の第1弾から共演して取材中も息ピッタリだったふたり。もしお見合いしたら?と聞いてみると、入江は「(宮崎は)守ってあげたくなると思います。この子犬拾ってあげなくちゃ、みたいな(笑)」、宮崎は「(入江は)誰にでも壁をつくらずにいける人だから、そういうところに魅力を感じると思う」とお互いの良さを語った。そんなふたりが出演し、第3弾でも「初めての方も楽しんでいただける作品です!」(入江)という舞台「若様組まいる~若様とロマン~」は、10月21日(日)まで東京・三越劇場にて上演。ドレスコード特典やアフターティーパーティーなどもあるので、ぜひチェックして明治の世界を堪能して!取材・文:中川實穗
2018年10月11日来年迎える結成40周年へのカウントダウンに入った、三宅裕司率いる劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)。1979年の結成以来、怒涛の勢いで公演を積み重ねてきた彼らの、実に56回目を数える本公演「テクニカルハイスクールウォーズ~鉄クズは夜作られる~」が、10月12日(金)に東京・サンシャイン劇場で幕を開ける。劇場入りを前に稽古場で初めて行われた通し稽古を見学した。もちろんセットや衣裳は稽古場仕様だったが、客演なしの劇団員のみで贈る本作に賭ける気合とその面白さを、早くも目の当たりにすることができた。【チケット情報はこちら】舞台は東京の下町。不良だらけの定時制工業高校に、ひとりの熱血教師・日立(ひたち)(おおたけこういち)がやってくる。無気力な生徒たちに“ものづくり”の楽しさを教えようと、日立は悪徳校長の妨害にも負けず奮闘する。初めは反発していた生徒たちだったが、工業高校の甲子園というべき「メカコン」への出場を決意。落ちこぼれ集団は、ライバルのエリート校を倒すことができるのか!?昭和のスポ根ドラマを思わせる、少々クサいがドラマティックで感情移入しやすいストーリー展開。そこにSET自慢の派手な見せ場を配し、老若男女が楽しめるエンターテインメントに仕上がっている。実はもうひとつの顔があった日立を中心とした群舞や、稽古場の床を揺らすほどの激しい格闘シーンは、本番さながらのド迫力。次のシーンに移行しても、袖にハケたキャストたちの「ハァハァ」という息切れの音がしばらく聞こえ、そのハードさを物語る。ちなみに特に気に入ったのは、後半で思わぬ活躍をすることになる演劇部員たちのシーン。滑舌の良さを生かしたとある見せ場は、本番での盛り上がり必至!観ている側ながら達成感を覚え、稽古場でもつい拍手をしてしまったほどだ。SETには67歳(三宅)から20歳まで三世代の劇団員が共存しているが、作品を面白くするためにどの世代もイキイキと自分たちの役割を果たし、“劇団力”がみなぎっていた。座長の三宅は校長役で小憎らしいヒールに徹し、看板俳優の小倉久寛はなんと校長と同級生という最年長の生徒役で出演。名コンビのふたりの掛け合いはいわゆる“鉄板”で、若い劇団員たちが熱い眼差しで見つめていた。大団円のフィナーレでもうひと盛り上がりした後、1時間55分で通し稽古は終了。この段階で十分楽しんだが、ここからエンタメ性、劇団力が何倍もパワーアップするはずの本番が楽しみでならない。公演は10月28日(日)まで。チケットは発売中。取材・文武田吏都
2018年10月11日「ゲゲゲの鬼太郎」の作者としておなじみの水木しげる。NHK朝ドラにもなった夫人のエッセイにより、その人柄も広く知られることとなった国民的漫画家だが、彼の作品に幼少期から当たり前のように接してきたという“イキウメ”の前川知大が水木ワールドに挑む舞台「ゲゲゲの先生へ」が、10月8日に東京芸術劇場 プレイハウスで開幕した。本作は前川のオリジナル。水木作品の舞台化でも、水木自身を描いた評伝劇でもないが、ファンとして深く知る前川が、水木の膨大な作品群から登場人物や言葉、エピソードを借りて、ひとつの作品に編み上げた。主演の佐々木蔵之介は、水木が最も愛したキャラクター“ねずみ男”をモデルにした根津(ねず)役を演じる。ほか、松雪泰子、白石加代子ら、あやかしの世界を表出させるにふさわしいムードの俳優陣が集まった。【チケット情報はこちら】完全暗転の中、上手で演奏するパーカッションの音がおどろおどろしくも力強く響く幕開き。舞台奥から這いつくばる形で、根津(佐々木蔵之介)が登場する。20年の眠りから覚めたという根津の正体は、半分人間半分妖怪の“半妖怪”。人間の見た目をしているが、据わった目が投げかけるねっとりとした視線はやはり、普通の人間のそれではない。「うるさいわねえ」などしばしばオネエ言葉が混ざるのは、モデルの“ねずみ男”の片鱗か。その根津のあばら家に、人間のカップル(水田航生、水上京香)が迷い込んでくる。謎の怪物の出現で混乱している都会から逃げてきたふたりで、女は妊娠中。なお障子に畳、ちゃぶ台のセットからすると昔話のようだが、時代設定は平成60年という(元号が変わるため)絶対に到来することのない近未来。ビジュアルと設定のこのアンバランスが、より作品に不気味さと深み、批判性を与えている。彼らが暮らす時代には人口が激減し、希少な妊婦と赤子は政府の管理下に置かれる。それから逃れようとこの廃村に迷い込んだふたりに根津は、詐欺師だった自分がなぜ“半妖怪”になったのかといういきさつを語る……。観劇後、不思議な夢を見ていたかのようでいて、ピリリとスパイシーな感覚が残る。水木の人生観に基づく、現代人へのけして甘くないメッセージが響いたからかもしれない。水木作品同様、本作の妖怪たちは人間よりも人間臭く、人間たちこそが怪物のようだ。選択肢の多すぎる現代における“本当の豊かさ”を、思わず考えさせられる。敬愛する作家の魂を、まるでイタコのように自身に乗り移らせて書いた、あの世とこの世のコラボレーション? 前川から水木への恋文兼感謝状のようなこの作品は、現代に生きる私たちに大切なものを届ける。東京公演は10月21(日)まで。その後全国を周る。取材・文:武田吏都
2018年10月10日畠中恵の人気小説を原作とした舞台『若様組まいる~若様とロマン~』が10月6日東京・三越劇場で開幕した。旗本出身の下っ端警官「若様組」や西洋菓子職人・皆川真次郎、勝気なお嬢様小泉沙羅を中心とした、明治時代の若者たちの恋模様や奮闘を描いている作品。初日を前にした5日、囲み取材と公開舞台稽古が行われた。【チケット情報はこちら】主人公の若様・長瀬健吾役を演じる入江甚儀は「稽古で培ってきたものをみんなそれぞれが全力を出して、素晴らしい初日を迎えられるようにカンパニー一同頑張りたいと思います」。ヒロインの小泉沙羅役を演じる宮崎香蓮も「稽古でみんなで積み上げてきたものがあるので、みんなのセリフを聞いて、一生懸命明治の時代を生き抜けたらいいなと思います」と意気込む。本作は『若様組まいる』(2016年、天王洲銀河劇場)、『若様組まいる~アイスクリン強し~』(2018年、サンシャイン劇場)と続き、シリーズ第3弾となる。明治24年の帝都東京を舞台に、若手からベテランまで20名を超える俳優たちが若様たちの恋模様を描き出す。芝居の中に時折織り込まれる殺陣やダンス、歌も華やかで楽しい作品だ。入江は「今回でラスト。第1弾、第2弾とみんな全力でやってきて、こうして第3弾を迎えることを本当に嬉しく思う。戦争が起きる前の明治という平和な時代をたっぷりと堪能して、楽しんでいただけたら」と話す。また、宮崎は「前回、前々回で得たものを持って次に行ける良さもあるが、前回を越えなくてはいけないというプレッシャーもある。すごく素敵な挑戦をさせてもらっている。私は小泉沙羅という役がすごく大好き。この時代で女性の地位が低いなか、自分の意見をはっきりと言って前に進む沙羅が、今の時代にも通ずるところがあって、大きな意味があることだなと思う」と語った。上演時間は約2時間(休憩なし)。脚本・演出は村上大樹。出演は入江甚儀、宮崎香蓮、原嶋元久、宇野結也、井澤巧麻、安川純平、伊崎龍次郎、森田桐矢、内藤大希、鎌苅健太、岡田達也ほか。10月21日(日)まで。出演者のトークを名店の洋菓子とともに楽しめるアフターティーパティーも開催。チケット発売中。文・写真:五月女菜穂※宮崎の「崎」は立つ崎が正式表記
2018年10月10日デビュー11年目を迎えたシンガーソングライターLOVEが、弾き語りによるワンマンライブ「Love rises…2007-2018 TOUR ~弾き語り旅~」を10月に東京、名古屋、京都で開催する。【チケット情報はこちら】LOVEは今年春に初のベストアルバムをリリースし、バンド編成でのワンマンを開催。今回のライブはその第2弾。新たなアレンジで魅力が引き出された楽曲を楽しむことができそうだ。チケットは発売中。■「Love rises…2007-2018 TOUR ~弾き語り旅~」10月20日(土)someno kyoto(京都府)開場 17:00 / 開演17:3010月21日(日)ボクモ BOKUMO(大阪府)開場14:00 / 開演14:3010月24日(水)代官山LOOP(東京都)開場19:00 / 開演19:3011月3日(土)ノータブランカ(宮城)開場12:00/開演12:30※京都・名古屋・仙台のチケットはオフィシャルサイトをご覧ください。
2018年10月10日ナイロン100℃主宰のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が、劇団外における演劇活動の場として2001年にスタートしたKERA・MAP。その新作、#008『修道女たち』の東京公演初日を約1か月後に控えた稽古場を訪れた。【チケット情報はこちら】稽古9日目を迎えた取材日、鈴木杏らキャストが手にしていたのは作・演出を手がけるKERAが前日まで執筆していたという追加台本。本読みにあたって、KERAは「転調に次ぐ転調」とこのパートが担う目的や伏線を説明する。巡礼に訪れた“修道女たち”を迎え入れる村の女・オーネジー役を演じる鈴木杏は、子どものような幼さが残るキャラクターをあどけない声色で造形。台本から顔を上げ、緒川たまき演じる友人役のシスター・ニンニに笑いかける場面も見受けられた。無邪気なオーネジーに対する修道女たちは、トーンを抑えた静かな演技で応戦。しかし、禁欲的で制約の多い聖職者が集まる場に似つかわしくない刺激的なセリフがオーネジーから放り込まれると、修道女に扮する緒川、KERA演出を初めて受ける伊勢志摩、ナイロン100℃の松永玲子と犬山イヌコ、ともに彼の作品へ出演経験のある高橋ひとみと伊藤梨沙子の6人も読みながら思わず笑ってしまう和やかなひと幕が。KERA作品の持ち味であるコメディの中で、シュールでナンセンスな筋運びや言葉選びは今回も大いに炸裂。修道女たちが滞在する、雪深く静謐で厳かな山荘を舞台にした劇空間とのギャップが楽しめるだろう。見学して感じたのは、キャストによる提案力の高さだ。立ち稽古でKERAが「距離があるというか……サバサバしすぎている気がするんだよね」と指摘すると、すぐさま反応したのが鈴木杏。「オーネジーはどんな印象を持っていたんでしょうか?」と物語に直接描かれていない背景についてKERAに意見を求め、回答を参考にセリフの抑揚や表情、動きに反映させる。他のキャストも、ある小道具を置く場所について「窓辺は盗まれそう」「暖炉に置くのは?」と積極的に意見を出し合い、全員一丸となって作品づくりに取り組んでいる印象を受けた。公演は10月20日(土)から11月15日(木)まで東京・下北沢本多劇場にて。その後、11月23日(金・祝)・24日(土)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、12月1日(土)・2日(日)に福岡・北九州芸術劇場 中劇場で上演される。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2018年10月09日不治の病で余命約1年の主人公が、18年ぶりに再会する家族との1日を綴った舞台『まさに世界の終わり』が、西宮市の兵庫県立芸術文化センターで幕を開けた。同作の映画版(邦題は『たかが世界の終わり』)は、時代の寵児であるグザヴィエ・ドラン監督が手掛け、2016年カンヌ国際映画祭グランプリに輝いた。この作品が舞台化されるのは日本では初めてだ。【チケット情報はこちら】本作は1957年に生まれ、1995年にエイズのため38歳で亡くなったフランスの劇作家・ジャン=リュック・ラガルスの作品。1980年代はエイズは不治の病で、ラガルスをはじめ多くの才能あるアーティストが命を落とした。エイズに対する偏見も根深く、病名を公にしない人も多かった。その時代背景と、死を宣告されたラガルスが、本作の主人公ルイに自身を投影していたことを知れば、より物語の世界に入っていきやすい。最初のシーンは、ベッドの上で病に苦しむルイ(内博貴)が、家族にもうすぐ死ぬことを知らせに行こうと決意するモノローグ。ルイは、もがきながらも手を伸ばし、何かを空中でつかもうとする。ルイの帰還を喜ぶが、18年の不在を責めるルイの妹シュザンヌ(島ゆいか)、愛情があるものの、ルイに嫉妬があり、日本の頑固親父のように頑なな兄のアントワーヌ(鍛治直人)、家族を懸命につなげようとするアントワーヌの妻カトリーヌ(大空ゆうひ)、肝っ玉母さんで、ルイに皆を励ましてほしいと頼む母親(那須佐代子)。登場人物のセリフによって、ルイの心臓の鼓動が効果音で客席に響き、彼の動揺が伝わってくる。ルイは、家族の前では物静かに微笑んでいるが、時々、織り込まれるモノローグでは、死への苦悩と、何故、家を出たのか、家族に対する葛藤を毒々しく吐露する。内の、静と動の対極の演技が印象的だ。家族との関係はやっかいだ。遠慮がない分、血や涙が流れ、後悔もする。それと同時に、かけがえがない。ルイと家族の状況は、誰もが通過するであろう鋭い痛さや深い苦さを抱えている。そう思わせてくれたキャスト全員の演技と、演出の石丸さち子の手腕が光る。映画版ではドランが脚本も手掛け、登場人物の表情や心象風景で、それぞれの心情を読み解く必要があったが、ラガルスの川の流れのような言葉を生かした舞台版(上演台本:石丸さち子)のほうが、私には分かりやすく物語に近づけた。ルイは家族に自分の死を伝えることができたのか。何かをつかみ取れたのか。ラストシーンのルイはあまりにも美しく、胸を突かれる。ここも映画とは違う。ラガルスは、約20年の間に25作品を書き残したが、日本ではあまり上演されることがなかった。彼が観客と再び出会う、そんなラガルスとの「世界の始まり」を感じた舞台だった。東京公演は10月13日(土)から11月6日(火)まで、東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて。取材・文:米満ゆうこ
2018年10月05日手塚治虫の不朽の名作漫画を原作にした舞台「七色いんこ」が10月4日より開幕。主人公“七色いんこ”を演じる乃木坂46の伊藤純奈、いんこに恋心を抱く刑事・千里万里子を演じるけやき坂46の松田好花に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、代役専門の天才役者で実は泥棒の“七色いんこ”を主人公にした犯罪活劇。脚本は畑雅文、演出は三浦香が手掛ける。今作が舞台初主演となる伊藤は「私自身、普段の活動のなかでもお芝居は唯一の“ちょっと自信があるもの”なので、今回主演が決まって、もう少し胸を張っていいのかなという気持ちにもなりました」と喜ぶ。もともと観劇することが好きだったという伊藤だが「今回ご一緒させていただく演出の三浦さんの作品はいくつも観ていたので、お名前を聞いて“ええ!”って嬉しくて。先日観た作品は影の使い方まで印象的でしたし、細部まで綺麗に演出される方なので、そういう三浦さんの頭の中についていけるように必死でやりたいです」。松田は、今年4月に上演されたけやき坂46メンバーの舞台『あゆみ』から2作目。「『あゆみ』は衣裳も全員真っ白だったし、本当に芝居だけで役柄を表現しないといけなくて。そのぶん学ぶものが大きかったし、またお芝居ができたらいいなと思っていました。今回出演できるのが素直に嬉しいです」と笑顔をみせた。自身が演じる七色いんこについて伊藤は「いんこは代役をすることで泥棒を見逃してもらうのですが、“演技がうまい”という設定があるので、そこがプレッシャーですね(笑)。初めての男役はやっぱり不安ですが、立ち姿や佇まいを研究します!」。松田は「私が演じる千里万里子は元スケバンで気の強い女性。だけど恋には奥手でそれがかわいいんですよ」お互いの印象を「純奈さんは1歳しか変わらないのに大人な印象。やさしいし、今回恋する相手役ですけど、本当に好きになってしまいそうです(笑)」(松田)、「私は一応、好花ちゃんよりも先輩なので、どうしたらいいんだろうと思って。普段はあまり人見知りしないのですが、今回は先輩らしくしなきゃってドキドキしています」(伊藤)。乃木坂46とけやき坂46が、舞台で共演するのは本作が初。「これから一緒に仕事をする機会も増えたらいいなと思うし、乃木坂46とけやき坂46の架け橋になれたら」(伊藤)公演は10月8日(月・祝)まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演。取材・文:中川實穗
2018年10月05日早いもので、今年がデビュー18年目。“演歌界の貴公子”として多くのファンに愛される山内惠介が、10月に福岡、愛知、北海道、大阪、東京の5大都市でツアー(以上、日程順)を開催する。10月25日(木)のファイナル公演の会場は、東京国際フォーラム・ホールA。約5000席の同会場で彼が公演を行うのは、昨年に続いて2度目になる。【チケット情報はこちら】「スケールの大きな歌声を届けられるからこそ、ファンひとりひとりのために歌いたい。2階席の最後方でもはっきりわかる色やデザインの衣装を選んだり、MCを少しゆっくり目にしゃべったりなど、工夫を色々と考えています」今回は、通常6人のバックバンドを倍にした12人のゴージャスな編成。第1部の演目には、松任谷由実、宇多田ヒカル、DREAMS COME TRUE、尾崎豊など、多彩な歌手のカバーが並ぶ。「好きな音楽のジャンルが多いほど人生は豊かになるという持論から、様々な時代を彩った名曲を選びました。それらのイメージを大切にしたいので、歌い方はオリジナルになるべく忠実にするつもりです」各々の選曲理由を尋ねると、次のような答えが。「僕はジブリ映画の大ファンで、『ひこうき雲』が主題歌になった『風立ちぬ』のサウンドトラックを、楽屋の支度中にいつも流しているんです。また、2017年に松任谷さんのラジオ番組に初出演した時にもかけていただいた“特別な1曲”ということもあり、今回選びました。宇多田さんはおそれ多いですが僕と同い年なので、ジャンルは違えど一緒に“今”を頑張ろうという想いで選曲。吉田さんの曲を歌うのは今回が初ですが、演歌のコブシが楽譜にならないのと同じような独特の歌い回しが多く、その難しさと吉田さんの凄さが改めてよくわかりました。そして尾崎さん。僕には9歳上の兄がいて、その影響で尾崎さんの曲をよくカラオケで歌うんです。聴いた方々が、尾崎さんとは違うけれどいいねとおっしゃるので、お楽しみに(笑)」そして第2部は、ほぼすべて山内のオリジナル。折しも10月10日(水)に、2001年のデビュー曲『霧情』から、2018年の最新ヒット曲『さらせ冬の嵐』までの全シングルを収めた『The BEST 18 Singles(ザ・ベストオハコシングルス)』がリリースされ、その収録曲が数多く歌われるというから嬉しい。「全シングルを改めて聴き直してみると、録音を重ねる度に楽曲のクオリティが着実に高まっていることに喜びを感じます。特に転機だったのが30歳になった時。自分はもう若くないのだから、ここから心機一転、性根を入れ直して頑張ろうと思えたことで、逆に若返ることができました。それから5年を経た自分の“今”をひとりでも多くの方にお届けできれば幸いです。あと、“ある1曲”で、東京国際フォーラムの大空間ならではの特別な演出を考えていますので、こちらもご期待ください!」取材・文:渡辺謙太郎(音楽ジャーナリスト)
2018年10月05日ドラマ脚本家として数々の名作を世に送り出してきた坂元裕二の書き下ろし『またここか』が、10月8日(月・祝) まで東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERで上演中だ。上演時間は休憩なしの2時間10分。坂元はこれまで『カルテット』『最高の離婚』『それでも生きてゆく』『anone』などで、珠玉の台詞と、人間関係の狭間から生まれる厳しくも優しい未来を描いてきた。【チケット情報はこちら】舞台は、東京サマーランド近くのガソリンスタンド。蝉の声が響く夏。ガソリンの匂いが漂う中、店長の若い男(吉村界人)と横柄な態度のバイトの女(小園茉奈)がまるで噛み合わない日常会話を繰り広げる。そんなところに、ひとりの女(木下あかり)を連れた中年男(岡部たかし)がやってくる。40歳をすぎた男は、20代の店長に向かって「わたくし、あなたの兄、兄の者でして」と挨拶をする。おそらく初対面だろう異母兄の出現に、弟は満面の笑顔で答える。「よく来てくださいました!」兄は、植物状態のふたりの父親が実は医療ミスのせいだと、病院を訴える画策をしていた。演じる岡部の小気味良い台詞が、物語を展開させていく。その横で女たちは身勝手に振る舞い、兄はイライラを募らせていく。それぞれが思惑通りに事を運ぼうと振る舞う中で、ひとりだけ笑顔を浮かべている、弟。周囲はいつしかその笑顔の正体が恐ろしい“何か”だと気づく。吉村は近年、映画『モリのいる場所』やドラマ『スモーキング』などで独特の佇まいを見せ、存在感を放ってきた。今回、初舞台とは思えない求心力で、劇場内の空気を震えさせていく。その吉村をうまく物語に乗せて転がしていく岡部。木下が垣間見せる女の業や、小園のふてぶてしい態度もあいまって、観客に考えるスキを与えない。吉村の、わかっているのかいないのか、考えているのか空虚なのかわからない狂気が、客席にジワジワと浸透していく……。演出は、坂元と長年の付き合いである俳優の豊原功補。2017年の芝居噺『名人長二』では企画・脚本・演出・主演の4役を務めたが、今回は初めて演出だけに専念した。丁寧に積み重ねられた演出に沿うように、照明が緩やかに変化し、夏を感じさせる。ちょっとした会話の運びや、飛び出す具体的なワードが、生々しく響く。登場人物のやりとりの狭間に狂気を孕む会話劇が進むうち、タイトル『またここか』の意味が浮かび上がる。人間の暗部を抉り出した先に、いつしかそれを包み込む坂元脚本が切なくも優しい。取材・文:河野桃子
2018年10月05日2016年に日本初演を迎えた「ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド」。同作は東急シアターオーブの劇場が巨大ツリーやステンドグラスが輝くクリスマスタウン、氷の世界などに変身し、シンガーやダンサー達が有名なクリスマスソングを歌い踊るスペシャルなクリスマスショー。【チケット情報はこちら】この日本にはあまり馴染みのなかった“劇場で楽しむクリスマス”は年々多くの方に受け入れられ、家族やカップル、お友達同士と幅広い層の方々が来場、渋谷の新たな冬の風物詩となりつつある。そして今年も最高にハッピーなクリスマスを劇場で体験できる「ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2018」が開催決定。昨年に引き続き、「トリバゴ」のCMでお馴染みシンガーソングライターのナタリー・エモンズの出演も決定。この度、前作で素敵な歌声とダンスを披露してくれた彼女が来日、今年の意気込みについて語った。「昨年ショーに出演出来てとっても楽しかったので今年のお話も頂けたことが本当に嬉しい。昨年のお気に入りはかっこいいタップダンスや力強くて愛に満ちたゴスペルのシーンや他にも沢山。今年も新しいパフォーマンスをお届けするので是非楽しみにして欲しいです」と語る彼女。さらに今年は日本語でストーリーテラー的役割のMCにも挑戦する。「昨年はご家族連れも多く、子どもたちに日本語で今起きていることを伝えられたらもっとショーを楽しんでもらえると思ったので、日本語間違えないように頑張ります!」そう話してくれるナタリーさんの日本語は昨年にもまして流暢で、ほとんど通訳さんの出番がないほど。ナタリー以外にも、今年は「ディズニー・オン・クラシック~まほうの夜の音楽会2016」で来日し、「アナと雪の女王」のアナ役を演じたジャナ・ミラーほか、本場アメリカで活躍する魅力的なシンガーやダンサーが集結。ナタリーさんは「また新しいメンバーで、クリスマスの楽しさや愛、そして私が子供の頃から感じてきたアメリカのクリスマスのスピリットを存分に感じてもらえたら。是非、当日は皆さんも一緒に歌って踊って楽しんで!」と目を輝かせた。また今年も応援サポーターとして本田望結が登場。ナタリーは1年ぶりの再会をとても楽しみにしているとか。最後に、今年のクリスマスショーが終わってお正月を日本で過ごすとしたら何をしたい?と質問したところ、「夜の神社にお参りして、そこで新年を迎えてみたい!」とのこと。日本が大好きなナタリーさんがMC、そして出演する本作、今年も会場全体がひとつになって楽しめる素敵なショーになりそう。公演は12月15日(土)から25日(火)まで、東京・東急シアターオーブにて上演。取材・文:ミカマイコ
2018年10月05日17世紀のオランダを代表する伝説のオランダ画家、ヨハネス・フェルメールの展覧会が、いよいよ明日から東京・上野の森美術館で開催される運びとなった。外観を見上げると、10年ぶりの来日となったアムステルダム国立美術館の至宝「牛乳を注ぐ女」の大きな写真が出迎えてくれる。【チケット情報はこちら】会場に一歩足を踏み入れると、ハブリエル・メツーやピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンといった、フェルメールと同時代を生きた画家たちによる傑作が並ぶ。肖像画・宗教画・風景画・静物画・風俗画と、テーマごとに部屋が区切られており、当時のオランダ絵画の広がりがうかがえる。作品のいくつかには、フェルメールの影響を受けたと思われる跡があり、今回のメインに胸を高鳴らせながらひとつひとつの作品を楽しむことができるのも、同展覧会の醍醐味だ。そして、最後に待ち受ける部屋が、フェルメール作品のみを集めた『フェルメール・ルーム』。この空間は圧巻だ。自然の光と影を、優しく美しく、かつ的確に描いた彼の作品同様、部屋全体も美しい光と闇のコントラストに包まれている。大小さまざまな作品たちに囲まれ、部屋の中心に佇んだ瞬間。それが、この上なく贅沢な、至福のひとときになることは間違いないだろう。来場者全員に無料で配布される今回の音声ガイドを担当するのは、女優の石原さとみ。当時のオランダの人々の様子や、ひとつひとつの作品解説に加え、自身が作品に抱く思いも、心地よいナレーションに乗せている。開催は10月5日(金)より。数々のフェルメール作品に囲まれる絶好の機会を、ぜひお見逃しなく。絵画はやはり、本物を見るのが一番だ。取材・文:飯塚さき■「フェルメール展」東京展会期:10月5日(金)~2019年2月3日(日)会場:上野の森美術館(東京都)
2018年10月04日ブルガリア国立歌劇場の3年ぶりの来日公演が幕を開ける。1890年以来の伝統を持つ同劇場は、アンナ・トモワ=シントウやゲーナ・ディミトローヴァ、ニコライ・ギャウロフらの名歌手たちを育んできた東欧の名門だ。今回は、この日本公演のために新たに制作した新演出のビゼー《カルメン》を携えての来日。現地では昨年11月に初演されて大成功を収め、10数回もの追加公演が行なわれたという評判の舞台である。初日を2日後に控えて行なわれた舞台リハーサルを取材した(10月3日・東京文化会館)。【チケット情報はこちら】演出を手がけたのは劇場総裁でもあるプラーメン・カルターロフ。日本へ持ってゆくことを念頭に、能と古代ギリシャ演劇をミックスしたというプロダクションを作った。舞台にはセビリャの酒場も闘牛場も出てこない。あるのは中央の真紅の回り盆と、それを囲む階段ステージだけ。コーラスは全員が同じ黒の衣装。白い仮面は能面からの発想か。個性を剥ぎ取った群衆の存在が、ギリシャ演劇のコロスや能の謡を想起させる。シンプルでクールだが、ドラマが美しく展開する舞台だ。しかし具象を廃しただけに、いっそう重要となるのが音楽。指揮はこれが日本での本格的なオペラ・デビューとなる原田慶太楼。1985年生まれの33歳。米国を本拠に活動し、現在日本国内のオケにも次々と客演して注目を集めている新鋭だ。昨秋のブルガリア初演を指揮したのも彼。情熱的なビゼーの音楽を、煽りすぎることなく丁寧に作ってゆく。ツアー公演の客演指揮者に与えられるリハーサル時間はけっして多くはないはずで、この日も寸暇を惜しむように、気になる箇所を返しながらオケや歌手と確認する熱心で貪欲な姿勢にも好感が持てた。なおセリフ部分は、既存の台本ではなく、いわゆる「グランド・オペラ版」のレチタティーヴォを元に、原田が新たなフランス語台本を起こしている。ダブルキャストでカルメンを歌うのは、現代を代表する「カルメン歌い」のひとりであるナディア・クラスティヴァ(10月5日(金))と、目下欧米の各歌劇場が注目する伸び盛りの新進ゲルガーナ・ルセコーヴァ(10月6日(土))。この日のリハーサルでは、ルセコーヴァが深い響きのメゾ・ソプラノで、ホセを惑わす妖艶な魔性の女を歌い切っていた。もうひとり、ツヴェタナ・バンダロフスカの、凛とした清楚なミカエラ役(10月5日(金))も印象に残った。オーケストラと合唱はブルガリア国立歌劇場管弦楽団・合唱団と杉並児童合唱団。ブルガリア国立歌劇場の《カルメン》東京公演は、10月5日(金)・6日(土)、東京文化会館。両日とも、劇場を赤で染めるキャンペーンを実施。《カルメン》の重要なモティーフである真紅のバラの花にちなんで(ブルガリアはバラ栽培が盛んな「バラの国」)、衣服でもワンポイントのアクセサリーでも、「赤」を身につけて出かけると、なにやら特典があるらしいことがほのめかされている。ぜひ!取材・文:宮本明
2018年10月04日1997年の初演以来、何度も上演されてきた土田英生(劇団MONO)の人気作『-初恋』が、登場人物を増やして現代の世相を切り取り『-初恋2018』としてリニューアルされた。9月27日(木)に東京・東京芸術劇場シアターウエストで幕を開け、10月4日(木)まで1週間上演している。【チケット情報はこちら】とある島に建つ「ハイツ結城」。そこには同性を愛する男性ばかりが入居している。初代管理人・結城の哲学を尊敬する堅物の笹川(デビット伊藤)、密かに女装に興味を持つ源田(深来マサル)、明るさが時に空回りする真田(南翔太)、最近元気がない最年少の久野(伊藤裕一)。彼ら4人が住むハイツを、結城の娘である小百合(小島梨里杏)が甲斐甲斐しく盛り立てている。そこは、同じ痛みを共有し、安心して暮らせる“城”だった。しかしある入居者の「好きな人ができました」という告白が、彼らの関係や人生にまでも影響を与えることになる。土田が描く男たちは、バカ話に花を咲かせ、他人にとっては小さな事にこだわる。そんな様子が愛らしくて可笑しい。しかし笑いを重ねていくうち、日常会話の些細なズレが登場人物たちの認識や本性、弱さを滲ませていく。その様は、土田が今年手がけたテレビドラマ『崖っぷちホテル!』でも感じられた。土田の本を人気演劇ユニットiakuの横山拓也が潤色。モロ師岡演じる「ハイツ結城」とは袂を別った元住人・吉村らの存在を際立たせる。最近とくに“LGBT”という言葉が広く認識され始めている。テレビのバラエティ番組で同性愛を揶揄する表現に苦情が寄せられたり、渋谷区を皮切りに同性のパートナー関係を証明する制度が導入されるなど、同性愛をめぐる社会的状況は変化してきた。それでも日々、差別的な発言は問題となっている。過疎化が進む土地ならば尚更だろう。「ハイツ結城」に住む面々も、それぞれがハイツを一歩出れば、職場や街中で周辺住人から疎まれ肩身の狭い思いをして生きていた。ひとつ屋根の下で暮らすことで孤独を分かち合おうとしていた彼らだが、会話を重ねるほどに、誰ひとりとして同じ人間はおらず、心の底から理解できないことを思い知らされる。当時よりも“LGBT”への理解が広まりつつある。しかし“LGBT”という言葉が普及するほどに、そこに含まれる人間はひと括りにされがちだ。『-初恋2018』は、それぞれが違う考えを持った人間だと改めて認識させる。すると、ひとりひとりが踏み出す一歩を応援したくなってくる。取材・文:河野桃子
2018年10月04日古谷大和が主演を務める「おとぎ裁判」が9月27日に開幕。初日に先がけ、公開ゲネプロ、囲み取材が行なわれた。【チケット情報はこちら】脚本を神楽澤小虎、演出を村井雄、また音楽に桑原まこ、振付に野田裕貴を迎えた、オリジナル作品となる今作。おとぎの国の奥深くにある「幻火の館」。裁判長のアケチ(古谷大和)、その執事ジュード(東 拓海)が住むその館には、公平なる判決を求め、夜ごと様々なおとぎの国の住人が訪れる。さらに敏腕で誠実な弁護人ブルー(古畑恵介)、ナルシストでちょっと適当な検察官ロブ(芹沢尚哉)らが熱いバトルを繰り返すも、裁判長のアケチがそれらに興味を持つことはなく・・・。会場でレンタルできるトーチ(ろうそく型ペンライト)を使い、各キャラクターのパフォーマンスシーンを盛り上げ、更に実際に判決にも参加できる。バラエティ豊かな楽曲の華やかなショーを繰り広げる中で、それぞれのキャラクターが持つ裏の顔がストーリーの中で垣間見えるシーンもあり、まさに「新感覚ジャッジメントショー」に仕上がっている。ゲネプロ後の囲み取材では、各キャストが意気込みを語った。裁判の中心となる赤ずきん役の古賀瑠は、「自分で考えたタップや、日替わりネタもたくさんあるので、全部楽しんでみてください」とコメント。裁判を混乱させる謎の弁護士ドローとしてコメディパートを盛り上げる小林健一は、「みんなで意見を出し合って壊して作って壊して作り上げてやっとできあがった作品です、新しいエンターテインメントになっていると思いますのでぜひ楽しんでください」と作品への思いを語った。東は「楽しんで演技をして、お客様にパワーをお届けできたらいいなと。個性の強いキャストだと思うので、ぜひぜひお楽しみあれ!」と作品をアピールした。「今回トーチを使ってお客様がその場で判定したり、本当に参加型の舞台になっています」と話した芹沢。「みんな知っている赤ずきんを題材にしているのでいろんな感じ方ができる作品になっていると思います。なにか現実の世界で変わったり前に進んだりするきっかけになると嬉しいとおもいます(芹沢)」と語った。ストーリー内で意外な展開を見せるブルーを演じる古畑は「声優としても活動しているので、声優ならではのお芝居、歌をみなさんにお届けできればと思っています」と意気込んだ。最後に、謎をかかえる主人公アケチを熱演した古谷は「ゼロからものを作り上げたオリジナル作品ということで、すごくみんなで試行錯誤して、ようやく出来上がった自信のある作品です。遊園地のように何年もあるものではなく、演劇は13公演しかない、その一瞬をみんな生きているなと。きてくれるお客様も、もう見られないかもしれないとか、いやまだ先があるかもしれないとか、いろんな気持ちを楽しんでくれるような作品になるといいなと思います」と語った。公演は10月7日(日)まで、東京・俳優座劇場にて。
2018年10月03日大野和士が新芸術監督に就任した新国立劇場の2018/19オペラ・シーズンがいよいよ始まる。その記念すべき開幕を飾るのはモーツァルトの《魔笛》。10月1日に行われた最終の舞台稽古を取材した。【チケット情報はこちら】海外での豊富な劇場キャリアで磨き抜かれた大野の眼が、「ぜひこれを日本で!」と自信を持って選んだのが、この、現代美術の巨匠ウィリアム・ケントリッジ演出の《魔笛》。2005年にケントリッジが初めて本格的に手がけたオペラ舞台で、すでに世界各地で上演されて大評判になっているプロダクションだ。美術家としてのケントリッジを象徴するアニメーション映像がほぼ全編を埋め尽くしているのだけれど、これがものすごい。まさにイリュージョン! とはいっても、最近流行のプロジェクション・マッピングやAR(拡張現実)などの手法とはイメージが異なり、ベースが手描きのドローイングなので、アナログな肌触りの安心感があり、序曲が始まるとほどなく、ケントリッジの摩訶不思議な視覚芸術にぐいぐいと引き込まれる。画は単なる情景描写ではなく、登場人物の脳内イメージを映し出したり、時に人間の代わりに戦ったり……。映像というのはつまり光と影だ。太陽神の高僧ザラストロと夜の女王との対立を背景とする《魔笛》の構図と重なるし、途中でその善悪がひっくり返る物語は、まさにポジとネガの反転。ケントリッジの木炭画のモノクロームな世界観にぴたりと合致する。有名な「プロビデンスの目」などフリーメイソンの象徴も描かれていて、そこにいろいろなメッセージを読み取ることもできるのだけれど、あまり難しいことを考えなくても、あるいは子供たちでも、素直に楽しめるはず。百聞は一見にしかず。オペラ・ファンなら、まずは体験したほうがよさそうだ。歓迎したいのは、そんなかなり派手な映像の動きも、まったく音楽の邪魔をしていないこと。というより、すべてがモーツァルトの音楽に丁寧に寄り添って展開しているのがうれしい。その音楽をまとめるのは、新国立劇場初登場のローラント・ベーア。(チェンバロでなく)ピアノの使用など、今となってはモダンなアプローチがかえって新鮮に聴こえる。セリフ部分で、打楽器がさまざまな効果音(短剣の「シャキーン!」とか)をつけているのも面白い。歌手陣で特筆すべきは、ザラストロ役の若いバス、サヴァ・ヴェミッチだ。とにかく声がすごくて、ひとりだけマイクをつけているのかと思うぐらい響き渡る低音が印象に残った。日本人指揮者の中で頭ひとつ抜けたオペラ実績を持つ大野和士の芸術監督就任は新国立劇場の新しい時代を予感させる。その船出を祝うのにふさわしい、新しい感覚の舞台だ。新国立劇場の《魔笛》は、10月3日(水)、6日(土)、8日(月)、10日(水)、13日(土)、14日(日)。初日のみ18時30分、他は14時開演。新たな試みとして、13日(土)、14日(日)には、日本語以外に英語の字幕も入る。取材・文:宮本明
2018年10月03日高いパフォーマンスが持ち味で、TSUTAYA O-WEST、SELENE b2と大箱でのワンマン公演を次々と成功させるダンスボーカルユニット「DEAR KISS」と2013年にメジャーデビューした元J☆Dee’Zにして、自ら振付を行う今話題のシンガー「Meik」が東名阪九州ツーマンツアーを開催する。「DEAR KISS/Meik」チケット情報東京以外の3都市では各エリアを拠点とする実力派ゲストを招き、彼女たちのステージを盛り上げる!!そしてファイナル公演は完全ツーマンライブ!是非ともこの機会に彼女たちのサウンドを体感してほしい。公演は、10月27日(土)福岡・LIVE SPOT WOW、11月3日(土・祝)大阪・梅田Zeela、11月4日(日)愛知・R.A.D、11月11日(日)東京・shibuya eggmanにて開催。東京公演以外は2部制となっておりお得な通し券も発売中。ツアーのチケットのお求めは是非ともチケットぴあへ。▼10月27日(土)福岡県 LIVE SPOT WOW[第1部] OPEN 12:30 / START 13:00[第2部] OPEN 17:30 / START 18:00ゲスト:トキヲイキル(第1部)▼11月3日(土・祝)大阪府 梅田Zeela[第1部] OPEN 12:30 / START 13:00[第2部] OPEN 17:30 / START 18:00ゲスト:我儘ラキア▼11月4日(日)愛知県 R.A.D.[第1部] OPEN 12:30 / START 13:00[第2部] OPEN 17:30 / START 18:00ゲスト:MNCorps▼11月11日(日)東京都 shibuya eggmanOPEN 17:30 / START 18:00※完全ツーマン
2018年10月03日