チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (23/342)
野外音楽フェス「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2023」(HMF)が2023年4月29日(土)、30日(日)に、埼玉県狭山市の県営 狭山稲荷山公園 特設会場で17年ぶりに行われる。第二次世界大戦終戦後、米軍に接収された「ジョンソン基地」。1958年以降、数回に分けて基地が返還され、その一部が狭山稲荷山公園として整備された。HMFは、10人の音楽を愛する地元住民が「地元に何か貢献したい」「壊れていた公園の外周フェンスをどうにかしたい」という思いで企画。初回の2005年には細野晴臣、小坂忠、マーク・ベノ、SAKEROCKらが出演し、06年も開催。地元発信型のコンサートイベントの先駆けとなったが、資金難で3回目以降の開催が見送られていた。都内で行われた記者会見に出席したHMF実行委員長の麻田浩によれば、HMFに賛同してくれた小坂忠が今年4月に亡くなったこと、同公園の環境を守りたいと思ったこと、ベテランと若い世代が互いに影響し合う場をまた作りたいと思ったことなどから、17年ぶりの開催を決めたという。開催にあたっては、インターネット上で資金を集めるクラウドファンディングを実施する予定だという。会見に出席した「いーはとーゔ」の菊地芳将は「2005年当時、フェスのことは知る由もない年齢だったのですが、中学から高校ぐらいにかけていろいろな音楽を探求するなかで、このフェスの存在を知りました。歴史あるイベントに呼んでいただけて大変光栄に思っています」とコメントしていた。同じく会見に出席した「民謡クルセイダーズ」の田中克海は「いつもやっているようなことを、みんなで楽しみたいと思います。お囃子や盆踊りなどができたらいいな」。出演者はムーンライダーズ、きたやまおさむ、松山猛、田島貴男(オリジナル・ラブ)、佐野史郎、サニーデイ・サービス、久保田麻琴、民謡クルセイダーズ、トクマルシューゴ、関口スグヤ(ex:KEEPON)、いーはとーゔを予定している。ぴあ最速先行は2022年12月11日(日)23:59まで。詳しくは取材・文・撮影:五月女菜穂
2022年11月28日「いま最も旬でうまいラーメンは?」をコンセプトに関西最強のラーメンを決定する「第11回 究極のラーメンAWARD関西」が、11月28日(月)発売のムック本『究極のラーメン2023関西版』(ぴあ)にて発表された。今回で早くも11回目を迎えた今アワード。“関西ラーメン四天王”と呼ばれる有名ラーメン通4名が選考委員を務め、1000店以上ものノミネート店の中から総合グランプリに選んだのは、旨味の相乗効果スープと自家製麺の艶やかな競演で人気を博す奈良・京終の「麺屋えぐち」。2022年4月に大阪から移転した、ラーメンマニアから絶大なる支持を受ける超人気店だ。グランプリの記念盾が贈呈され、店主の江口卓哉さんは「受賞は皆様のおかげです。本当にありがとうございます」と、喜びをかみしめた。また、新店をはじめ、醤油、塩、豚骨、鶏白湯、味噌、つけ麺、バラエティなどの各部門のグランプリ&準グランプリ店も同時に発表。今回も関西のラーメンシーンの最新トレンドが分かる、興味深いラインナップとなっている。『究極のラーメン2023関西版』11月28日(月)発売定価990円(本体900円+税)ぴあ
2022年11月28日注目の劇作家・横山拓也の新作「夜明けの寄り鯨」(演出:大澤 遊)が新国立劇場で12月1日より上演される。11月中旬、稽古場の模様を取材した。25年前に友人たちとある港町を訪れた女性が結婚を前に町を再訪。かつて自分が傷つけてしまったかもしれない男性の面影を追う。この日の稽古は、25年前の旅行の回想から。三桑(小島 聖)は旅行中、ヤマモト(小久保寿人)に告白するが断られてしまう。三桑はヤマモトが好きな相手を執拗に尋ね、さらに同性愛者なのか? と問い詰める。彼は否定するが、彼女はその疑念を周囲にも話してしまい、そこから事態は思わぬ方向へ…。こうしたやりとりに【現代】から25年前をのぞく青年・相野(池岡亮介)から「アウトですよ!」と厳しいツッコミが飛ぶが、過去に意識せず発した言葉が「誰かを傷つけていたかも…」と思い当たる経験は誰しもあるだろう。25年前の“当たり前”の会話を傍から眺めつつ、発せられる悪意なき言葉の刃にドキリとさせられる瞬間が幾度となく訪れる。誰かの当たり前が、別の誰かにとってはそうではない。だが、若さ、そして時代ゆえに、想像が及ばず、自身の「常識」や「正義」で他者を傷つけてしまう――。本作では性的指向に関するアウティング(=本人の了解を得ずにセクシャリティを第三者に明かすこと)、捕鯨によって生活してきた港町に対する非難などを通じ、指向や立場の違いを超えて、他者を「理解する」というのはどういうことなのか? を問いかける。稽古で印象的だったのが、演出の大澤と俳優陣のやりとり。劇中で三桑たちは、浅瀬に漂着した鯨に遭遇するが、若者たちは、遠目にそれを見つつ、近づこうとはしない。永嗣(阿岐之将一)は、恋人の景子(森川由樹)から「近くで見てきたら?」と言われると「やだよ」と即答する。大澤の「永嗣は鯨が怖いの?」という問いかけに、阿岐之は「わからないものへの恐れかな? 得体のしれないものについて、離れた外側からワーワー言ってたいのかも…」と答える。大澤曰く、25年前のシーンは「みんな、うまくいかないまま終わる。解決しちゃいけない。みんな、抱えたままいなくなる」とのこと。鋭い言葉の刃と共に醸し出されるこの“モヤモヤ”がどこへ着地するのか? 完成を楽しみに待ちたい。「夜明けの寄り鯨」は新国立劇場小劇場にて12月1日より開幕。取材・文:黒豆直樹
2022年11月25日2004年に制作されたハイスクールコメディ映画をミュージカル化した『MEAN GIRLS』。ヒロイン・ケイディはアフリカで育ち、16 歳で初めてアメリカのハイスクールに通うことになる。「その設定自体がすごく面白い」と、生田絵梨花は語った。それまではずっとホームスクールで学び、同年代の若者たちとの集団生活をまったく知らなかったケイディ。そんな彼女が変わっていく姿を、「最初はダサくて、そこからキラキラ女子たちに囲まれて学校生活をサバイバルしていく。見た目や環境が変わることで内面も変わっていくって、誰もがあり得るので、丁寧に、コミカルさもありつつリアリティを出せたら」という。周りの女の子たちを意識して見栄を張り、“イケてる”自分であろうとする。『MEAN GIRLS』にはそんな“女子あるある”がポップでコミカル、でもシニカルな視線も交えながら描かれる。そうしたケイディたちの姿には、生田もシンパシーを感じるそう。「みんな多少は経験したことがあるだろうし、自分の感覚に引き寄せながら演じたいと思います」ケイディはハイスクールで、カースト上位の女の子たちのグループ・プラスティックスと出会う。そのリーダーが、レジーナ。ふたりの関係性が全編を通じての見どころだ。生田も、「女子カーストのトップに君臨している彼女に対して、ケイディは、最初は反発心を感じて『違う世界の人』って捉えていたのに、いつの間にか彼女に巻き込まれて仲間になり、仲間になってもまた衝突する。そういう関係性や、憧れと表裏一体の感情は探っていきたいと思います」とイメージを膨らませる。レジーナを演じるのは、モデルとして、また舞台でも活躍している石田ニコル。彼女と行動を共にするプラスティックスのメンバーは、グレッチェンを松原凜子、カレンを松田るかが演じる。彼女たちの華やかな存在感にも注目だ。また、ケイディの同級生であるロック系少女・ジャニスに田村芽実、ゲイの男子・ダミアンに内藤大希、ケイディが一目ぼれするアーロンに小野塚勇人、数学オタクのケヴィンに中谷優心など、個性豊かな若手キャストが集う。彼らのパワフルな演技・歌が、観客を魅了するに違いない。ブロードウェイでこの作品を鑑賞した生田は、「言葉はわからなかったけれどすごくワクワクした」そう。「女の子たちのキラキラやチャーミングさが、舞台のエネルギーとして渦を巻いたらいいですね。それと、女の子のブラックな側面もコミカルに描きたい。舞台って、これだけ五感をフルに稼働する空間は他にないと思っています。色々と閉鎖されたり抑制されたりした時期が続いた今だからこそ、気兼ねなく参加してもらえたら嬉しいですし、男女問わず楽しんでもらえたら。私もそういう空間を創れるように微力ながら頑張りたいと思います」。キラキラとした笑顔でそう語る彼女は、きっと魅力的なケイディを生み出すだろう。
2022年11月25日NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で、長崎・五島で暮らしながら主人公の孫の成長を見守るおばあちゃん役が好評の高畑淳子。今度は舞台で、マンハッタンに住む孤独な91歳のおばあちゃん・ヴェラを演じる。作品は、2011年にオフ・ブロードウェイで開幕し、オビー賞などを受賞したヒューマンドラマの傑作で、今回が日本初演。西海岸からアメリカ大陸横断の旅に出た大学生のレオが、心に傷を負ったままニューヨークで祖母と久しぶりに再会、同居する中で年齢や時代を越えて触れ合う祖母と孫との交流を描く物語だ。レオ役には舞台での活躍めざましい岡本圭人、演出は今年2度目の読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞した上村聡史。本格的な稽古を控え高畑が来阪、役柄や作品への意気込みを語った。4000マイルズ~旅立ちの時~』チケット情報若い時からおばあちゃん役は経験があるが、91歳の役は初めてと言う高畑。オファーを受けて「その役が自分に来るということは、それができるだろうともくろんでくださった方がいらっしゃるわけですから、それに大いに乗っかってみようと。おばあさん役はおもしろい芝居が非常に多いんです。それに、今とても勢いづいている演出家の上村さんとぜひとも一緒にやってみたかったので」。ヴェラの登場は、入れ歯がなくフガフガしゃべるシーンから。「今、歯のない顔を練習しています(笑)。あと、背中が丸く見えるように座布団を1枚入れようかな」と役作りに余念がない。が、外見を作るだけでなく「人生を探索してきた人間と、これから探索したい若者が語り合う芝居なので内面を大事にしたい。ヴェラが生きてきた“中”を耕したいと思っています」。五島のおばあちゃんと比べてヴェラは「孫と一緒に考えるタイプで、共に悩み、子供のように怒る、ちょっと人間臭いところがあるので『ドラマとはまた違ったおばあちゃんだったね』と言っていただけるように。何がきっかけでも興味を持って劇場に足を運んでくださって、何か心が温かくなった、人を思うとはこんなことかなと感じていただけたら、もうこれ以上の幸せはないです。精魂込めて演じます」。さらにお客様へ。「怪我した羽を休めたくて来た彼と、休ませてやっているおばあちゃんの話です。歳も考え方も違う者同士が、ぶつかることもあるけれど、なぜか羽を摺り寄せ合って。今、飛びにくくなってる若者は多いと思いますので、そんな若者とご年配の方がおふたりで来ていただけたら。そして劇場を出たあと、あぁだこうだと芝居を糸口に語り合ってもらえたらうれしい。それが役者冥利に尽きることだと思っています」。公演は12月12日(月)から28日(水)まで東京・シアター・クリエ、1月7日(土)から9日(月・祝)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ。その後、愛知、香川にて上演。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年11月25日ミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』が3年ぶりに2022年12月7日(水)から日生劇場で上演される。開幕を前にした11月21日(月)、都内で製作発表会見があり、市村正親、武田真治、今井清隆らが登壇。劇中の3曲を披露したほか、公演に向けた意気込みを語った。舞台は19世紀半ばのロンドン。クリスマス・イブを迎えた街は賛美歌が流れ、陽気な賑わいを見せていた。しかし、金貸しを営むスクルージ(市村正親)はひたすら不機嫌だ。クリスマスなんか大嫌い。ドケチな彼は今宵も借金の取り立てに勤しみ、献金を拒み、人々に嫌われるばかり。そんな彼のもとに深夜、かつての親友の亡霊とクリスマスの精霊たちが現れた。彼らはスクルージを過去、現在、未来の旅へと連れていく……。本作は、1970年のミュージカル映画『クリスマス・キャロル』(原題『Scrooge』)をもとに、脚本・作詞・作曲をレスリー・ブリカッスが担当し、1992年にバーミンガムにて初演。以後、世界各地で上演されるようになった。1994年の日本初演以降、7度目のスクルージ役となる市村正親。来年は役者生活50周年ということで「本当によくやっているなと自分を褒めております」と切り出し、「初めてスクルージをやった頃はメイクに約2時間かかりました。今日は10分で終わっております。なぜでしょう?メイクが上手くなったんですね」などと会場の笑いを誘う。「ついこの間『ミス・サイゴン』を卒業しました。しかし、スクルージという役は今がちょうど脂が乗っている時期。市村正親のスクルージをぜひご堪能いただけたら」などと語っていた。ボブ・クラチット役の武田真治は「クリスマスシーズンにこの作品に関われることは、エンターテイメントの世界で生きる者にとって贅沢な時間」とコメントし、「3年前は個人的には独身でしたが、今回は家庭を持つ者の温かみみたいなものが自分の中で表現できたらなと思います」。現在のクリスマスの精霊役の今井清隆は「前回は3年前で、世の中の状況が今とは違いました。人との絆や命の大切さが殊更重く感じられるこの時代。この作品を見てくださった方に生きる希望や勇気を与えられたら」と述べた。上演時間(予定)は1幕80分、休憩20分、2幕60分。公演は12月25日(日)まで。演出は井上尊晶。そのほかの出演者は相葉裕樹、実咲凜音、安崎 求、愛原実花、今 陽子ら。取材・文:五月女菜穂
2022年11月25日3年ぶりにインテックス大阪での開催が決定した『FM802 RADIO CRAZY』。今年は初の4日間、12月25日(日)から28日(水)まで開催される。すでに全出演者が発表されており、タイムテーブルやグッズ情報の公開は11月末を予定している。チケットはぴあ先着先行を受付中。『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2022』12月25日(日)~28日(水)インテックス大阪[25日(日)出演]岡崎体育/OKAMOTO’S/小山田壮平/神はサイコロを振らない/KEYTALK/9mm Parabellum Bullet/クリープハイプ/くるり/Kroi/THE BACK HORN/SHE’S/スガ シカオ/ストレイテナー/高橋優/Novelbright/ビッケブランカ/04 Limited Sazabys/flumpool/BLUE ENCOUNT/ヤバイTシャツ屋さん/UNISON SQUARE GARDEN/(sic)boy/Chilli Beans./帝国喫茶/Tele/ねぐせ。/Mega Shinnosuke/YAJICO GIRL[26日(月)出演]秋山黄色/Saucy Dog/サンボマスター/SiM/TOTALFAT/NEE/にしな/Vaundy/ハルカミライ/Hump Back/ハンブレッダーズ/PEOPLE 1/フジファブリック/マカロニえんぴつ/Mr.ふぉるて/ROCK KIDS 802 EXTRA CRAZY BAND(トオミヨウ、小野武正、阪井一生、辻村勇太、高橋武)/ROTTENGRAFFTY/WurtS/映秀。/This is LAST/ドミコ/Hakubi/ヤユヨ/Lucky Kilimanjaro[27日(火)出演]aiko/[Alexandros]/androp/indigo la End/Galileo Galilei/KALMA/Creepy Nuts/ゲスの極み乙女/kobore/SUPER BEAVER/Superfly/sumika/10-FEET/東京スカパラダイスオーケストラ/羊文学/フレデリック/milet/リーガルリリー/緑黄色社会/クボタカイ/chilldspot/なきごと/マルシィ/リュックと添い寝ごはん/RADIO∞INFINITY「電波無限大」[28日(水)出演]ASIAN KUNG-FU GENERATION/打首獄門同好会/ELLEGARDEN/OAU/KANA-BOON/キュウソネコカミ/go!go!vanillas/ザ・クロマニヨンズ/THE BAWDIES/THE ORAL CIGARETTES/SHISHAMO/SCANDAL/w.o.d./Nulbarich/BIGMAMA/フラワーカンパニーズ/HEY-SMITH/マキシマム ザ ホルモン/yama/ユニコーン/Omoinotake/クジラ夜の街/Cody・Lee(李)/THE 2/tonun/BREIMEN
2022年11月25日年末の京都といえば南座の歌舞伎の祭典「吉例顔見世興行」。出演俳優の名前を大きく書いた看板が南座正面に飾られる“まねき上げ”は京の冬の風物詩だ。今年は三部制。歌舞伎の魅力を盛り込んだ演目が並ぶ中、第三部に近松門左衛門作『女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)』が「顔見世」に初登場する。主役の河内屋与兵衛を演じるのは片岡愛之助。「顔見世で、上方の役者で『油地獄』ができるのは本当に幸せ」と語る愛之助は、第二部『封印切』でも「大好きな役」の丹波屋八右衛門役と、関西人2役を演じる。50代となった愛之助が、今回の与兵衛役への意気込み、「顔見世」や上方歌舞伎への思いを語った。「當る卯歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」 チケット情報『女殺油地獄』は、油屋の大店・河内屋の放蕩息子・与兵衛が遊びの金で借金がかさみ、同業の美しい人妻・お吉(片岡考太郎)を惨殺するという物語だ。愛之助は2004年に与兵衛を初めて演じ、今回は10年を経て4回目。関西には13年ぶりの登場となる「いつかやりたい」と思っていた役。役作りは、これまで何度も与兵衛を演じた叔父の片岡仁左衛門に習った。仁左衛門から「等身大で、その年の若さで演じる与兵衛がいい」と言われ、50歳になった愛之助は「若さが大事というのは難しい役なんだと今回初めて感じました」と語る。本作は文楽から歌舞伎となった義太夫もの。今回は「もう一回初心に戻って調べたい」と文楽の音源を聞いているところだ。「文楽の語りとはセリフや息が違いますけど、根っこは一緒とよくわかりました」。見どころは、油まみれで転び回りながらの殺害シーン。「油で滑るのがわざとらしく見えないように」という仁左衛門の教えの中「最初はわあっとやりますが、だんだん目つきが変わってくるんです」。今年は『夏祭浪花鑑』、『日本怪談歌舞伎(Jホラーかぶき)』に本作と「ずっと殺し続けている。来年はいい人の役もしたいな(笑)」。今、歌舞伎俳優は東京勢が圧倒的に多く、上方歌舞伎の演目がかかることも少ない。「だから僕は上方歌舞伎がしたかったし、観ていただきたいんです」と愛之助。南座で初舞台を踏んだ時には夢にも思っていなかったという「顔見世」での主演演目。「上方の役者にとって非常に大切な「吉例顔見世興行」で、きっちりお役を勉強して勤めるのは非常に大事。これからも顔見世に出続けたいと思っています」。仁左衛門、そして昨年亡くした父の片岡秀太郎。「師匠たちの背中と生き様を追い続け、上方歌舞伎を大切に上方歌舞伎の一端を担っていきたいです」。「當る卯歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」は、12月4日(日)から25日(日)まで、京都・南座にて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年11月24日現在全国をツアー中で、浅田真央自らがプロデュースするアイスショー『BEYOND』が、2023年3月に東和薬品RACTABドームで開催される。公演に向けて、浅田が大阪市内で会見を開いた。浅田真央アイスショー「BEYOND」 チケット情報今回はキャストの選出から振付、選曲、構成、演出、衣装、グッズ製作まで本人がすべてにこだわり抜いて作り上げた。「『BEYOND』は、私自身のテーマとして、いろんなことに挑戦して乗り越えて進化していきたいという思いが込められています」と浅田。浅田が現役時代に滑った曲を中心に、ジャズやミュージカル、クラシック、オペラなど浅田が影響を受けた様々なジャンルの楽曲を使用。「最初は眠っていて、光を見つけ、色んな世界へ旅をする。最後は不死鳥になり羽ばたいていくというストーリーを表現しています」と熱を込める。『BEYOND』は、浅田と10名のフィギュアスケーターがゴールドのシルクハットとタキシード風のきらびやかな衣装に身を包み、ジャズの名曲『シング・シング・シング』で軽快に幕が開く。続く『アイ・ガット・リズム』では、ミュージカルを見ているような浅田のダンスがかわいらしい。「今までのアイスショーは、トップのスケーターが集まって自分のソロを1、2曲滑り、トップスケーターだけでつないでいくというプログラムがほとんどで、滑る時間も長くて1人5分ぐらい。『BEYOND』は私をメインに11人のキャストで15曲を滑ります。誰もやったことがないショーを作りたいと思ったんです」。注目のひとつは、現役時代にも滑った『シェヘラザード』『白鳥の湖』を、ソロではなく、ペアで挑むことだ。「当時はまだ自分自身も10代、20代で経験不足でした。でも32歳になり、今回滑ることになって、これまで学んで経験してきたことすべてが生かせると感じています。現役時代と今の滑りを比べてもらい、進化したなと思っていただければうれしいです」。その『シェヘラザード』では、打って変わって、王を誘惑するアラビアの姫をかつてないほどの大人の艶っぽさで見せる。『白鳥の湖』では、繊細ではかなげな白鳥と、大胆で挑発的な黒鳥をひとりで演じ分け、リフトやスロージャンプも必見だ。「1公演、1公演すべてを注ぎ、私もキャストも常に120%で臨んでいます。体力的にも精神的にも『BEYOND』していく作品。大阪の皆さんもパワーを感じ、明日から頑張ろうという気持ちになっていただければ」と、大人の女性になっても変わらない“真央ちゃんスマイル”で終始語っていた。大阪公演は3月4日(土)・5日(日)東和薬品RACTABドームにて。チケットぴあでは、11月27日(日)までプレリザーブ先行受付中。一般発売は12月10日(土)。取材・文:米満ゆう子
2022年11月24日売れない漫画家・ムラオカの前に、「ゆう」と名乗る女性が現れた。彼の友人や担当編集者、年の離れた妹、人気俳優と、ムラオカの周囲が大きく動き始める。これはゆうと関係があるのか、そしてムラオカはどうなってしまうのか……?コメディの中にさまざまな要素がぎゅっと詰まった、まさに“全部のせ”SF青春ラブサスペンスミステリーコメディ『きみ、僕の世界のなんなのさ』。作・演出の善雄善雄は「つらい現実だとか、停まらない戦争だとか、嫌なことだけを描いても何も変わらない気がしてきた。世界は変えられる可能性がある、と提示してみたい」。そんな思いで書き上げた脚本は、出演する俳優たちに大きな刺激を与えたらしい。美ツ海を演じる三津谷亮は、「本当に自由に、僕自身がやりたいことをやったうえで取捨選択をしてくれるので、自分がやっている意味がある。こういう余白のある作品をやりたかった」と、のびのびと稽古に取り組んでいる様子が伝わってきた。ゆうを演じる多田香織も、「自分が自由に芝居をしている時が楽しいし、作品そのものが自由に創られていく姿を見るのが好き。今回の作品にすごく期待しています」と語る。そんなふたりの笑顔を見て、善雄は「おふたりに限らず全員感度が高いので、最初に脚本を読んでもらった時に『全部正解』だと思えた」と俳優陣を称える。善雄から見て、三津谷は「『売れている俳優』という役なので、華がある人にやっていただけて嬉しい。俳優にとってはプレッシャーのきつい役を見事にそう見えるように演じていて、すごいことだと思う」、多田は「内に秘めたエネルギーがすごくて、いい意味で『平穏な日常に紛れ込んだ優しい怪物』みたいな、普通の人ではないお芝居もできる」という。さらに、多田は「今回のキャストは皆さんタイプの違う声で、そういう意味でも稽古が楽しい」と、それぞれに美声な“耳福”キャストだと教えてくれた。三津谷は、「想像力=思いやりだと僕は思う。想像力が増えることでたくさんの思いやりを持って、人に優しい気持ちで接していける。劇場という場所を通して心の手を繋ぎながら、一緒に歩んでいけたら」、多田も「善雄さんがこの作品で伝えたいことが誰かに届いて、それが少しでも心に残ったら」という。善雄もまた、「コロナ禍で上演できるだけで奇跡みたいになっているなかで、本当に奇跡みたいな瞬間をお届けできるんじゃないかと思います。ぜひ見届けていただきたい」と語る。劇場での小さな奇跡を、ぜひ観客として目撃したい。公演は11月25日(金)から12月4日(日)まで、東京・シアター711にて。チケット発売中。
2022年11月24日Bryan Adams(ブライアン・アダムス)の6年ぶりとなる来日公演が決定した。心昂ぶるサウンドで音楽シーンの最前線に立ち続ける不変のロック・スピリット!ヒット曲満載でおくる待望の来日公演は、2023年3月4日(土)仙台サンプラザホール、3月6日(月)大阪城ホール、3月7日(火)日本武道館、3月8日(水)Zepp Nagoyaにて開催される。Bryan Adams チケット情報大阪・東京・愛知公演の11月24日(木)12:00から27日(日)23:59まで、宮城公演は11月26日(土)11:00から30日(水)11:00まで、最速抽選いち早プレリザーブの受付を実施。
2022年11月24日累計発行部数9200万部(2022年9月現在)を突破した原泰久原作の国民的大人気コミック『キングダム』が、藤沢文翁脚本、山田和也演出で初の舞台化。2023年2月の東京・帝国劇場を皮切りに大阪、博多、札幌を巡演する。舞台「キングダム」、「キングダム展-信-」チケット情報舞台は紀元前の中国・春秋戦国時代。戦災孤児の少年・信と、玉座を追われ、のちの始皇帝となる若き王・嬴政(えいせい)が手を組み、王弟から玉座を奪還するまでの「王都奪還編」を、俳優たちの迫力ある演技と生演奏でエモーショナルに描いていく。信役は三浦宏規と高野洸、嬴政(えいせい)・漂役は小関裕太と牧島輝と、それぞれWキャストで務める。今回、信役の三浦に意気込みなどを聞いた。主人公の信役はうれしいと話す三浦だが、まずは舞台化に驚いたという。「企画そのものがすごく衝撃で。とんでもないことになりそうだなと思いました。国と国との戦いのシーンを舞台上でどう見せるのか。稽古しながらどんどん作り上げていくと思うので、今から楽しみです」。一方で「何としてでもやり遂げようと思う」と意欲も見せる。大作を前に、いつもどんなマインドで挑むのか。「基本的には“なんとかなるさ”と思っているので、深く悩んだり、プレッシャーを感じたりすることは少ないです。9対1ぐらいの割合で、楽しみとプレッシャー、緊張、不安がある感じで。その割合はいいバランスだなと思っています」。Wキャストの高野洸とは2020年に上演された「ミュージカル『刀剣乱舞』髭切膝丸 双騎出陣 2020 ~SOGA~」で兄弟役を演じ、話題を呼んだ。「嬴政は信にとって相棒であり、尊敬する人物。そんな存在はいるか」と問うと、三浦は真っ先に高野の名を挙げた。「洸は『刀剣乱舞』に同時期に参加しずっと一緒にやってきた仲。ふたりで切磋琢磨して、まさに相棒と呼ぶにふさわしい存在。そんな洸と同じ役ができてすごくうれしいです。同じ役を目指しても、演じる人が違うとまったく違うものになりますが、洸と話し合いながら、より良い信を作っていきたいと思っています」。「勇敢で怖いもの知らず、がーっと突き進む彼にみんながついていく。いい意味でおバカな一面もあって。いろんな人と出会うなかで考え方が変わって成長する信を応援しながらコミックも読みました。完璧ではないからこそ、応援したくなる」と信のキャラクターについて語る。12月11日(日)までグランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタルで開催中の『キングダム展 -信-』も「この取材後に観に行く」と期待を寄せ、「コラボドリンクも飲むんです!」と笑顔を見せた。舞台『キングダム』は、2月5日(日)から27日(月)まで東京・帝国劇場、3月12日(日)から19日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて。その後、4月に博多座、5月に札幌文化芸術劇場hitaruにて上演。取材・文:岩本
2022年11月24日2017年、ピンクと黒で構成されたポスターの雰囲気に惹かれて観た『リチャード三世』に大きな衝撃を受けた。耽美な世界観の中で繰り広げられるシェイクスピア劇、権力に執着するあまり狂気にとらわれる佐々木蔵之介のリチャード三世、クライマックスの盛り上がり! あれから5年。演出家・シルヴィウ・プルカレーテ×佐々木蔵之介がタッグを組む2作目に選ばれたのは、モリエールの『守銭奴』。フランスを代表する劇作家の、17世紀半ばに生まれた作品だ。ミニマムで美しい舞台美術の中に登場した佐々木蔵之介の姿に、まず「!?」と驚かされる。禿頭で白髪、杖をついて歩き回り、周囲を疑っては口汚く攻め立てる主人公・アルパゴンは、全くかっこよくはない。けれど、その極度のケチっぷり、金が得られるとわかると豹変する態度、結婚しようとしている若い女の前ではちょっとカッコつけるところなど、その振る舞いの滑稽さが際立っていて、つい笑ってしまうし、目が離せなくなる。極端に見えてその実、彼は人間らしさの塊なのかもしれない。最初こそ、佐々木演じるアルパゴンのケチぶりに笑っているけれど、彼の病はむしろ、金への執着から来る周りの人々への猜疑心だ。家族や長年ともに過ごしてきた使用人たちを、信用することができない。その悲しみが、彼自身の演技はもちろん、作品後半の荒涼とした舞台からも伝わってくる。そこへ、思いがけないできごとが訪れる。終盤の物語の急展開ぶりには、歌舞伎の匂いも感じた(余談になるが、プルカレーテは鶴屋南北の歌舞伎作品『桜姫東文章』を全く違うアプローチで舞台作品にもしている。先月上演されたこちらも素晴らしかった! 桜姫がミニセグウェイで登場するのだ)。喜劇でありながら、アルパゴンの疑り深さゆえにどこか常に重苦しさをまとっていた空気が一転、カーニバルが繰り広げられる。この時間は観客へのご褒美のようだ。そこでただ一人喧騒に加わることなく、自分の唯一信じる金を抱きかかえている主人公……。そうそう、リチャード三世のとき、傍若無人な振る舞いでやっと手に入れた玉座を愛撫する佐々木蔵之介は狂気に満ちていた。今回も、金の入った小箱をひしと抱きかかえる彼の表情をぜひ観てほしい。もしも戯曲が古典であることや、プルカレーテを説明するときにつく「ルーマニア演劇界の巨匠」という形容詞に「難しそう」「観るのがしんどそう」と思っている人がいたら、本当にもったいない。物語はわかりやすいし、プルカレーテの演出はとても先鋭的でポップなのだから。予想を裏切る演出、洗練された舞台美術と印象的な音楽。舞台という総合芸術の面白さを、日本で、日本人キャストで観られるこの贅沢。プルカレーテと同じ時代に生きていること、佐々木蔵之介をはじめとしたキャストたちがプルカレーテと出会ったこと。まさに奇跡のような舞台を観られる機会を、決して逃さないでほしい。文・釣木文恵
2022年11月24日11月24日(木)に初日が迫る、ブス会*の最新作『The VOICE』。開幕を控えた稽古場で、脚本・演出を手がける主宰のペヤンヌマキと音楽監督・演奏を務める向島ゆり子に現在進行形の創作について尋ねた。これまで“自分ごと”を起点に、現代の日本に生きる女性のリアルを描き続けてきたペヤンヌ。最近は自身の暮らす東京都杉並区で起きている道路問題をきっかけに、杉並区長選挙に立候補した岸本聡子に密着し、ドキュメンタリー映像『〇月〇日、区長になる女。』を撮影・編集した。一連の活動で出会った人々の“声”をベースに演劇を立ち上げる本作では、伝承スタイルの音楽劇が展開される。ペヤンヌは「私たちはこういう風に暮らしていて、いまこんな問題に直面している……という事実を伝えるとき、私がずっと取り組んできた演劇の形にすればお客さんにも“自分ごと”として受け止めてもらいやすい気がした」と話す。そのペヤンヌと『男女逆転版・痴人の愛』(2017年)や『エーデルワイス』(2019年)などでタッグを組んできた向島は「作品の題材がすべて“自分ごと”から始まっているのが、ペヤンヌさん独自の強さ。自分を俯瞰できる賢さがないと到底できない芸当だよね」と心を寄せる。「いま現実に起こっていることを、無理やりまとめて物語にするのは乱暴。だから多様な“声”があることを、ただ提示したかった」とペヤンヌ。そこで様々な思いや悩みを抱える人にインタビューして“声”を採集した。多様な“声”を演劇にするにあたってキャストも取材に同行。声を提供した協力者の想いがキャストに伝承されていく様子を、向島は「聞いたばかりの話をもとに即興で演技すると、その土地に生きる人たちの切実さが伝わるの。立場を問わず、みんな懸命なんだよ」と驚きを口にする。キャストの体を通じて発される“声”と呼応するように、向島は音楽を奏でているという。その現場を目の当たりにしたペヤンヌは「音楽があるから、俳優も語りやすくなる側面があるみたいで」とコメント。向島も「役者さんの口調が高まっていくときに音楽も一緒に盛り上がっていく。一方でトゲのある“声”はオブラートで包んであげたりしてね」とセッションの舞台裏を覗かせた。上演会場である東京・西荻窪の遊空間がざびぃは、道路拡張が決定したら立ち退きを余儀なくされてしまう立地に位置する。これを踏まえ、ペヤンヌは「道路問題は劇場のあるこの場所でいま起こっていることだと感じられるお芝居です。そういう場所で観劇するのは、ここでしか得られない体験。帰り道においしいものを召し上がって、街をまるごと楽しんでもらえたら」と語り、インタビューを終えた。キャストは高野ゆらこ、罍陽子、異儀田夏葉、天羽尚吾、古澤裕介、金子清文が名を連ねる。公演は11月30日(水)まで東京・遊空間がざびぃにて。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年11月22日2022年東京文化会館、サントリーホールなどで開催した、ジョン・ウィリアムズの90歳を記念した「ジョン・ウィリアムズ」ウインド・オーケストラ・コンサートは瞬く間に完売となり、待望の次回公演がこの度2023年4月東京・5月兵庫にて開催が決定した。東京公演は4月7日(金)東京芸術劇場にて、兵庫公演は「スター・ウォーズの日」5月4日(木・祝) 兵庫県立芸術文化センターにて開催する。「スター・ウォーズ」をはじめ、「ジョーズ」「スーパーマン」「インディ・ジョーンズ」「E.T.」「ハリー・ポッター」など数え切れないほどの作品の映画音楽を60年以上に渡って作り続けてきたジョン・ウィリアムズは、アカデミー作曲賞においては、今までに52度のノミネート、5度の受賞、グラミー賞は驚異の25回受賞など数々の受賞歴を誇り、映画音楽以外でも、4つのオリンピック(1983夏ロサンゼルス、1988夏ソウル、1996夏アトランタ、2002冬ソルトレークシティ)のテーマ曲、ボストン・ポップス・オーケストラの音楽監督を14シーズン務め、ボストン・ポップス日本ツアーに際し、当時皇太子だった徳仁天皇陛下の結婚の儀(1993年)のために『雅の鐘』(Sound the Bells!) を作曲するなど、記憶にも記録にも残る数多くの功績を残している。2022年2月8日に90歳を迎え、今なお映画音楽界のトップランナーとして輝き続ける、巨匠「ジョン・ウィリアムズ」の名曲の数々を、ウインドオーケストラが奏でる極上の生演奏でぜひご体験ください!
2022年11月22日佐々木蔵之介が主演を務める『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』が、東京・東京芸術劇場 プレイハウスで11月23日(水・祝)に開幕する。これに先駆け、報道陣に向けた取材会とゲネプロが行われた。今年で生誕400年を迎えたフランス古典喜劇の劇作家モリエールによる『守銭奴』を、秋山伸子の翻訳、ルーマニアから来日しているシルヴィウ・プルカレーテの演出で立ち上げる本作。あらゆることに金を出し渋り、召使い(手塚とおる他)に始まり息子(竹内將人)や娘(大西礼芳)にまで極度の倹約を強いる“どケチ”の主人公アルパゴン(佐々木)が、息子の恋した相手(天野はな)と再婚したいと申し出たことから始まる騒動の様子がコメディタッチに描かれる。ゲネプロ後の取材会には佐々木、執事役の加治将樹、竹内、大西、手塚の5人が参加した。2017年にタイトルロールを演じた『リチャード三世』以来、プルカレーテとは2度目の創作となった佐々木。「かっこいいセリフがひとつもない」とボヤきつつ、「いちばん最初にプルカレーテから“アルパゴンは悲劇の人”と言われました。独りで金を手に入れても寂しいですよね。社会と隔絶されて、振り上げた拳を降ろせなくなってしまった猜疑心の強い怪物」と役人物の解釈を語る。その佐々木と対峙した竹内は「蔵之介さんの瞳には狂気が宿って、体中にたぎる正体不明の怒りが空気を通じて伝わってきました。実際に恐れながら息子クレアントを演じています」とコメント。一方で大西は「こんなお父さんですが、私の父であることに変わりない」と素朴に述べ、報道陣の笑いを誘う。「この考えをいつも大切にしつつ、横たわる現実を受け入れながら娘エリーズになっています」『真夏の夜の夢』(2020年)でプルカレーテ演出に触れている加治は、返し稽古を確認しないプルカレーテに触れて「プルさん帰宅後にキャストだけで復習した成果を翌日お見せする瞬間がスリリングでした。想像の斜め上からアイディアが飛んでくる」と稽古を振り返る。佐々木と同じ『リチャード三世』に参加した手塚は「日本人にとって自然な生理をどんどん削ぎ落とされ、ワケのわからない境地に到達させてくれる大巨匠。本当に贅沢な体験を、ぜひ皆さんにも」と観客にプルカレーテ演出の魅力をアピールした。ゲネプロ上演時間は、約120分(休憩なし)。佐々木は、アルパゴンの過剰などケチぶりと強欲さを“老害”の百科事典ともいえる多様さで展開し、周囲を愚弄する。かと思えば盗まれた金の入った箱を慈しむように抱える菩薩のような表情を見せるひと幕も。いずれにせよフライヤービジュアルとは異なる卑しい風貌が、アルパゴンの得体の知れなさに拍車をかけていた。東京公演は12月11日(日)まで。その後、2023年1月にかけて宮城・大阪・高知と巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年11月22日大阪のイベンター清水音泉が主催する浪花の大晦日の風物詩『謹賀魂』略して『KINDAMA』が、12月31日(土)に大阪・梅田にて開催される。昨年同様、サーキット形式ではなく、umedaTRADと梅田クラブクアトロの2会場で実施。<クアトロの湯>に、かずき山盛り、古墳シスターズ、SHIMA、セックスマシーン!!、バックドロップシンデレラ、ビレッジマンズストア、他。<トラッドの湯>に、アフターアワーズ、WOMCADOLE、climbgrow、崎山蒼志、The Songbards、帝国喫茶、他が出演。追加出演者および入浴順(タイムテーブル)は追って発表される。詳しくは清水音泉HPをご確認ください。
2022年11月21日東京二期会オペラ劇場 オペレッタ『天国と地獄』がいよいよ11月23日(水・祝)から日生劇場にて上演される。東京二期会オ『天国と地獄』は、ギリシャ神話をオッフェンバックがパロディ化した作品だ。もともとは、吟遊詩人オルフェウス(オルフェ)が、毒蛇にかまれて死んだ妻エウリュディケ(ユリディス)を取り戻すために冥府の王のもとに向かい、2人はあともう少しで現世に戻れるというところで、ある過ちから永遠の別れを迎える…という悲話だが、オッフェンバックはパロディや風刺の要素を多分に取り入れ、どこを取っても愉快なメロディに満ちた喜歌劇に作り変えた。オッフェンバックの最高傑作という声もある、人気の高いオペレッタだ。今回の上演は、2019年に好評を博したプロダクションの再演となる。演出は2004、2010、2016年に読売演劇賞最優秀演出家賞を受賞し日本の演劇界の第一線で活躍を続ける鵜山仁。これまでにも東京二期会で『ラ・ボエーム』『ナクソス島のアリアドネ』の演出を手掛けており、『天国と地獄』ではとりわけフランス文学に造詣が深い鵜山が自ら日本語台本を書き下ろしている。指揮は原田慶太楼。2014年『チャールダーシュの女王』三ツ橋敬子、2020年『メリー・ウィドー』沖澤のどか、2021年『こうもり』川瀬賢太郎と、これまでにも日生劇場での東京二期会のオペレッタ公演で、日本の若手指揮者が登場してきたが、原田は本公演が二期会デビューとなる。2020年アメリカジョージア州サヴァンナ・フィルハーモニックの音楽&芸術監督、2021年4月東京交響楽団の正指揮者に就任、NHK交響楽団との共演を果たすなど今もっとも勢いに乗るフレッシュな才能の一人の指揮に期待が高まる。また、市川浩平、下村将太、湯浅桃子、冨平安希子らをはじめ、若手からベテラン、実力派など多彩な歌手との共演にも注目したい。『天国と地獄』の代名詞ともいえるのが、フィナーレ近くで演奏されるギャロップ風の曲だ。昔からフレンチカンカンや無声映画にも使われており、誰の耳にもお馴染みのメロディだろう。日本では、運動会でのBGMや1960年代から長く放映されたCMでも親しまれている。オペレッタは、ほぼ全編が歌でつづられるオペラと違い、セリフが多用され、コミカルな演劇的要素も大きく、「ミュージカルの元祖」とも言われている。親しみやすく愉快なメロディに溢れたこの作品は、オペラ初心者の方やミュージカル派にとっても「オペラの入口」として楽しめるに違いない。■東京二期会オペラ劇場「天国と地獄」日程:2022年11月23日(水・祝) ~ 27日(日)会場:日生劇場 (東京都)
2022年11月21日日本大学芸術学部のダンスサークルから生まれ、疾走感のあるダンスとJ-POPの名曲とで構成される“劇場型ダンスエンターテインメント”で人気の「梅棒」。アーティストのライブをはじめ映画や舞台での振付・演出でも活躍中の彼らの最新作、15th “RE”PLAY『シン・クロス ジンジャー ハリケーン』が、11月18日(金)から東京・サンシャイン劇場で上演中だ。本作は、2015年に上演された4th PLAY『クロス ジンジャー ハリケーン』をバージョンアップしたもの。メンバーのみで上演される「梅棒」の代表作のひとつが、7年の時を経てよみがえる。舞台は「日本のどこかにプカッと浮かんだちっちゃな島」。野球青年や受験少年、おまわりさん、漁師、花火職人、神主らがにぎやかに暮らす島に、ひとりの女性が旅行で訪れたことから物語が始まる。彼女を巡って男たちが争うなか、昔から伝わる「島一周競争」の行方は意外な方向へ……。幕開きは、舞台上になつかしい“ラジカセ”が置かれ、DJを演じる塩野拓矢の軽快なトークと音楽からスタート。続けて上記の役どころを演じる遠山晶司、鶴野輝一、櫻井竜彦、楢木和也、天野一輝が日常生活をユーモラスにダンスで表現すると、シーンが終わる頃には、“基本的にはセリフなし&感情はダンスで表す”梅棒の世界にいつのまにか引き込まれてゆく。先述のとおり、物語を彩るのはいずれも新旧のJ-POPの名曲だ。大ヒットした曲ばかりなので幅広い層の耳になじむのはもちろん、秀逸な歌詞はダンスを伴うことで重層的な意味合いを帯びる。いまTikTokでバズり中の曲もさりげなく登場し、客席の熱気が上昇していくのを感じた。ストーリーは、遠山演じる野球青年と、野田裕貴が演じる島を訪れた女性を中心に進行。遠山の真面目で一生懸命な様子と、野田の純粋な可愛らしい佇まいが醸し出す淡いラブストーリーは、王道のそれ。だからこそ、客席で受け取る側は自分の思い出に引き寄せて観ることが可能だ。ダンスと音楽のみで物語を描くという「梅棒」の舞台は、セリフがないからこそ無限に広がっているのだ。後半で登場する元カレ役の多和田任益、落ち武者役の梅澤裕介も、いわくありげな役どころを繊細に表現。クセのありすぎる池の主を演じる伊藤今人も、さすがの存在感。登場するたびに目で追ってしまう“視線泥棒”で物語にアクセントを加えていた。冒頭には島の盆踊りの振付レクチャーがあり、舞台と客席が一緒に楽しめる仕掛けもしっかりと。ほのぼのとした前半から意外な展開を見せる後半まで、疾走感あるダンスで飽きさせない。なにより2時間の上演中、最初から最後まで全力で、かつエモーショナルな表現で魅せる彼らを観ていると、こちらまでエネルギーがチャージされる感覚になるのが不思議だ。社会に沈鬱な空気が蔓延している今だからこそ、甘酸っぱくて少し切ない、さらに面白くてかっこいい唯一無二の「梅棒」の世界を、ぜひ味わってほしい。取材・文/藤野さくら
2022年11月21日今回出演するのは、6年ぶりの北海道上陸となる、日本語の響き、美しさを大切にした、大阪発、青春文學ロックバンド『BURNOUT SYNDROMES』、人と人との繋がり、ライブハウスとオーディエンスへの思いを真っすぐに歌い続ける、こちらも大阪発、ギターロックバンド『ラックライフ』後日発表の一組を加え、計三組の対バンとなります。チケットは、ぴあにて11/22(火)昼12:00~11/27(日)23:59プリセール(WEB先着先行)を実施!また、今回より幅広い世代へ「いま観てみたい」を叶える、『エコノミーチケット』が新登場。レギュラーチケットと比べ安価な分、発売時期や入場順は優遇されませんが、お買い得なプライスでゲットすることができ、今まで以上に参加しやすくなること間違いなし。いま聴きたい、いま観てみたいを叶える珠玉のイベント『NO BORDER』未来を切り拓くパフォーマンスの数々をお見逃しなく!!
2022年11月21日“恋人の聖地”としても人気の観光スポット・梅田スカイビル(大阪市北区)では、11月18日(金)から40階空中庭園で『天空の白い森』を、同23日(水・祝)からは地下1階の新梅田シティ・屋外広場「中自然の森」で『Precious Time ひかりの森』を開催。幻想的でロマンティックな非日常空間が出現し、この冬のクリスマスシーズンを彩る。梅田スカイビル チケット情報40階の空中庭園展望台では、雪の世界に包まれたホワイトツリーの森が出現し、幻想的なブルーにライトアップされた夜の森が楽しめる。また昨年好評だった「推しにささげるクリスマス」エリアもクリスマス仕様になっているので、推し活撮影スポットとして今年も人気を集めそうだ。新梅田シティの南側に広がる「中自然の森」では、11月23日(水・祝)から12月25日(日)までの17時から22時に、輝くイルミネーションに彩られた幻想的な森になる『UMEDA SKY BUILDING Christmas 2022~Precious Time ひかりの森~』を開催。本物のもみの木を使った高さ7mのクリスマスツリーも登場する。27階の「絹谷幸二 天空美術館」では、特別展『永遠にあたらしい!! 人類最古の壁画技法アフレスコ』(後期展示)を開催中。色鮮やかなアフレスコ鑑賞と、絵の中に飛び込むような3D映像やVRも楽しめる。暖かい館内でアート体験をしてみてはいかが?12月11日(日)まで。12月16日(金)からは特別展「不二法門」を開催予定。ロマンティックな空間に彩られる梅田スカイビルは、この冬のお出かけスポットとしておすすめ。大切な人とのデートはもちろん友人やファミリーを誘って気軽に訪れよう。取材・文/滝野利喜雄
2022年11月21日“最高の遊び場を”をコンセプトにしたライブハウス「GORILLA HALL OSAKA」が、2023年1月21日(土)大阪市住之江区にオープンする。翌22日(日)からはスペシャルシリーズ公演「KOKERAOTOSHI SERIES」が開催される。2月25日(土)、the band apart、ドミコ、tricot、illiomoteの4組の対バンが決定した。「GORILLA HALL OSAKA KOKERAOTOSHI series」チケット情報チケットは、11月28日(月)23:59までオフィシャル先行(抽選)を受付中。
2022年11月21日日本全国のプロ・オーケストラからコンサートマスターや首席奏者を中心に編成されたジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ〔JVSO〕。その第11回兵庫公演「名手たちの交響楽団ニューイヤーコンサート」が、2023年1月4日(水)に行われる。「ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ 第11回兵庫公演 名手たちの交響楽団 ニューイヤーコンサート」チケット情報JVSOは日本のオーケストラが、今どれだけの音を創り出せるかという可能性を求めて作曲家、プロデューサーの三枝成彰と指揮者の大友直人が1991年に試演。以来、東京・名古屋・大阪で定期的に公演を重ねてきた。2012年からは三枝の出身地である兵庫県でニューイヤー公演として開催。クラシック音楽本来の魅力を追求する一方で、阪神淡路大震災や、同じ震災の記憶から東日本大震災の被災者に寄り添ったプログラムなども取り上げ、京阪神を中心に多くの熱心な観客を獲得している。今回はコンサートマスター7名、首席奏者34名に副首席、フォアシュピーラーを含む59名という編成でモーツァルトの最後にして最大の交響曲、第41番「ジュピター」やメンデルスゾーンが陽光降り注ぐイタリアの印象を描いた交響曲第4番「イタリア」といったプログラムを届けてゆく。本公演で聴き逃せないのが、ソリストとして登場するヴァイオリンのHIMARIだ。2011年生まれの11歳、3歳からヴァイオリンを始め、国内外42のコンクールで第1位に輝いた逸材である。2021年9月には、ポーランド(ルブリン)で3年に1度開催される「第15回リピンスキ・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール2021」で史上最年少、特賞グランプリ(第1位を上回る)を受賞。現在は慶應義塾幼稚舎5年生に在籍する傍ら、フィラデルフィアの名門カーティス音楽院に学んでいる。すでに国内外の主要なオーケストラと共演を重ねており、今回はヴィエニヤフスキのヴァイオリン協奏曲第1番より第1楽章を演奏する。ピアニストの奥井紫麻やチェロの北村陽など、JVSOのステージでは多くの若い才能を紹介してきた。三枝成彰はかつてこのことに触れて、演奏家の一番フレッシュな瞬間を聴いてもらいたいと語ったことがある。「もちろん音楽的にはもっともっと深くなっていく演奏家もいます。しかし10代で才能を発揮している人たちには、やはりこの時期にしかない新鮮な輝きがある。それを聴くことは私たちにとって、希望のひとつだと思います」。その希望に満ちた音色を、この春、名手たちの響きとともに体感したい。文:逢坂聖也
2022年11月21日ハードロックの生ける伝説!デビュー55周年を迎えるDEEP PURPLE(ディープ・パープル)の来日公演が決定した。公演は2023年3月13日(月)東京・日本武道館、17日(金)広島・広島上野学園ホール、19日(日)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール、21日(火・祝)大阪・丸善インテックアリーナ大阪にて。Deep Purpleチケット情報レジェンドの時代を超越した圧倒的ライヴ・パフォーマンスをお見逃しなく。東京・大阪公演は12月3日(土)10:00、福岡公演は12月10日(土)10:00よりチケット一般発売開始。一般発売に先駆け、東京・大阪・福岡公演は、11月17日(木)昼12:00から20日(日)23:59まで最速抽選いち早プレリザーブの受付を実施。
2022年11月17日ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』が来年2月5日(日)から東京・東京国際フォーラム ホールCほかで上演される。2022年11月14日(月)、都内で製作発表会見があり、主演の望海風斗らが登壇。代表曲「Dreamgirls」が歌唱披露された後、各々が意気込みを語った。本作は、トニー賞6部門・グラミー賞2部門を受賞し、2006年にはビヨンセ主演で映画化された大ヒットブロードウェイ・ミュージカル。今回、読売演劇大賞で優秀演出家賞を2年連続受賞した演出家・眞鍋卓嗣のもと、初の日本オリジナルキャスト版として上演される。主演のディーナ・ジョーンズ役を務める望海風斗。本作の映画版も公開時に見ている上、来日公演も観劇したというが、当時は宝塚歌劇団で男役として舞台に立っていたこともあり「ちょっと遠いと言いますか......もっとあのとき真剣に見ておけばよかったかな」と笑う。21年に退団後、女優として活躍している望海は「性別が変わってしまって、まさか自分がここにいるなんて。お話をいただいたときは信じられなかった。これからもっとちゃんと勉強していきたい」などと今の心境を語っていた。エフィ・メロディ・ホワイト役はWキャスト。福原みほは「私は60年代のソウルミュージックを聴いて育ちました。アレサ・フランクリンやエタ・ジェイムズなど、アーティストのイメージが何人かいるので、これから詰めていきたい。本当に光栄です」と話し、村川絵梨は「私なりのエフィを作っていけたらなと思ったりもしています。期待していてください」。ローレル・ロビンソン役のsaraは「子どもの頃から大好きだった作品にオリジナルキャストとして出演することが、夢のよう。自分の全力を尽くして、作品に臨んでいきたい」とコメントしていた。会見で「夢」を問われた望海は「子どもの頃の夢は宝塚に入ること。一つ大きな夢を叶えました」と話した上で、「自分の家を買うことが今の夢。安心できる、ほっとできる家をつくりたいです」と現実的な回答。会見の最後には「皆さんといろいろ話をしながら、時代背景のことなどいろいろなことを勉強して、最高の初日を迎えられるように、みんなで力を合わせていきたいと思います」と意気込んでいた。そのほかspi、内海啓貴、なかねかな、岡田浩暉、駒田一らが出演。東京公演は2023年2月5日(日)~14日(火)、東京国際フォーラム ホールC。大阪公演は2月20日(月)~3月5日(日)、梅田芸術劇場メインホール。福岡公演は3月11日(土)~15日(水)、博多座。愛知公演は3月22日~26日(日)、御園座。取材・文:五月女菜穂
2022年11月16日ミュージカル『バンズ・ヴィジット』が来年2月7日から日生劇場ほかで上演される。15日、都内で製作発表会見が行われ、「Haled’s Song About Love」や「Omar Sharif」といった楽曲が披露されたほか、出演者らが意気込みを語った。本作は映画『迷子の警察音楽隊』を原作に、ミュージカル『ペテン師と詐欺師』の作曲家デヴィッド・ヤズベクが作曲と作詞を手掛けた作品で、18年に米国トニー賞10部門を独占した話題作。日本初演となる今回、森新太郎が演出を務め、風間杜夫、濱田めぐみ、新納慎也らが出演する。風間は、自身がミュージカルに初挑戦した『リトル・ナイト・ミュージック』(2018)での苦労から「2度とミュージカルはやらない」と心に決めたが、「歌わなくていい、踊らなくていい」というオファーで出演を決めたという。「(演じるトゥフィーク役は)確かに踊らなくていいんです。ただ、濱田さんとのデュエットみたいな曲があって。その1曲に魂を込めよう、力の限りを尽くそうと決意しました」。本作の魅力について、演出の森は「この物語はびっくりするくらい、大したことが起きない」としつつ、「でも、第三者からしたら大したことではないけれど、登場人物の一人ひとりにとっては、もうこれ以上ないぐらい大したことが起きている」と話す。「それはほんの一瞬、心と心が通い合う瞬間があったということ。音楽の力を媒介にして、お互いがお互いの心の傷を分かち合えるような、素敵な瞬間が訪れるんです。それ自体もささやかな出来事だと思うんですけど、実はこのささやかな出来事こそが、我々が日常生活で一番待ち望んでいること、求めていることなのではないかという気がする」。ディナ役の濱田は、森のコメントを受けて、「何でもないことが、実はすごく大切で、素敵なこと。それは他の人には何も気がつかないし、何事もなかったかのようだけれども、本人たちの経験や人生の中では大切な1ページで、人生の宝物なんですよね」とコメント。その上で「自然に、素朴に、素直に、情熱的に。ニュアンス的にはエモいと言うのでしょうか。そういう素敵な中東のオリエンタルの風が吹かせられれば。これからお稽古が楽しみです」と意気込んでいた。カーレド役の新納は、2018年にブロードウェイで本作を観劇したことがあるというが「この作品の良さをなかなか言葉にするのは難しいんです。繊細で、何も起こらない。でもじわーっと心が温かく、すごく素敵な気持ちになる。......こんな平たい言葉でしか言えないんです。だからもう、つべこべ言わずに観に来て!と書いておいてください」などと語っていた。東京公演は2月7日~2月23日、日生劇場。大阪公演は3月6日~8日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ。愛知公演は3月11日、12日、刈谷市総合文化センター大ホール。取材・文・:五月女菜穂
2022年11月16日演劇ユニット「富山のはるか」による新作舞台『バーン・ザ・ハウス』が2022年11月17日(木)から東京・シアター・バビロンの流れのほとりにてで上演される。舞台は、とある地方の村。大槻ヨダカは母の葬儀を終え、障害を持った兄・アサトと今後について話し合っていた。すると、突然行方不明だった父・丈太郎が現れる。「この家は呪われている!」。丈太郎の言葉を発端に大槻家を怪奇現象が襲い始める。霊媒師、友人、父親、そして兄……。さまざまな人物を巻き込んでヨダカの物語は思いもよらぬ展開を迎える。ヨダカたちを襲う呪いの正体とは一体……。2014年に演劇ユニット「富山のはるか」を旗揚げした、演出家の松尾祐樹。これまで海外のアーティストらと積極的にコラボレーションを手掛けてきたが、コロナ禍になり、「改めてどういう作品を作るかを考えたときに、演劇の楽しさを詰め込んだ作品を作りたいと思いました」という。今回、ホラーというジャンルを選んだのは「お化け屋敷のように、目の前に役者がいて、照明や音響も含めた体験をすること。そこが演劇が素敵だなと思うところだから」といい、「簡単に手放すことのできない『家』という『縛り』を大袈裟にホラーに置き換えたらどうなるんだろう、と。それが最初の発想でした」。主人公のヨダカを演じるのは、緒形敦。自身、俳優一家に生まれ育ったというバックグラウンドを持ち、「俳優を始めたばかりの頃は、緒形という苗字をネガティブな『縛り』に感じていました。ただ、経験を重ねていく中で、ポジティブに捉えるようになって。この『縛り』はずっと続くし、向き合うほかないと思っています」と語る。演じるヨダカについては「共感できるシチュエーションが多くありました」といい、「長い目でみた時に、この作品が自分のターニングポイントになるように。役者としてはもちろん、人間としても成長できたら」と意気込んでいた。本作に出演する東迎昂史郎は、所属している劇団「ゴジゲン」以外からのオファーに「純粋に舞い上がりました」と笑顔。一方で、石垣島出身の東迎は「30歳を過ぎて、親のことや家のことの話題が増えたんです。この脚本を読んで、身につまされる思いになりました」といい、「舞台に出演している全員が存分に身体を動かしているエネルギッシュな舞台です。観終わった後に、きっと何か引っかかるものがあるのではないかなと思います」とPRした。公演は11月20日(日)まで。取材・文:五月女菜穂
2022年11月15日成田昭次の新たなバンド「成田商事」が大阪市のZepp Osaka Baysideで、ミニアルバム「ボストンバッグ」のリリースライブを開催した。成田商事チケット情報成田商事は今年結成し、10月27日に「ボストンバッグ」を配信開始。バンド名から表されている通り、コンセプトは会社として、ボーカル・ギターの成田が社長・業務担当、ベースの寺岡呼人が制作担当、ドラムの青山英樹が技術と広報担当、サポートメンバーのキーボードのデビン木下とギターの芳賀義彦は出向社員となっている。成田と寺岡は青山は、スーツ姿でステージに登場。成田商事のミニアルバムからの曲はもちろん、男闘呼組や過去のソロ楽曲含めた17曲を駆け抜けた。その中で、大阪公演だけのスペシャルゲストとして、10月の再結成公演でも大きな話題となった、男闘呼組の前田耕陽も登場し、一緒に「Gimme a Break」での煽りを担当し、会場を盛り上げた。この後、11月16日(水)・17日(木)に東京の豊洲PITTで、ツアーのファイナルを迎える。
2022年11月14日世界最高峰のサーカス・エンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユが、2023年2月より5年ぶりに来日する。公演作品は『アレグリア-新たなる光-』に決定!「シルク・ドゥ・ソレイユ ダイハツ アレグリア」チケット情報『アレグリア』は約19年もの間、世界255都市で上演され、1400万人以上の方にご覧いただいているシルク・ドゥ・ソレイユにとって最も重要なショーのひとつだ。2019年には初演からの25周年を記念し、コンセプトの新解釈、大胆なクリエイティブの変更をおこない、より力強く進化を遂げたアクロバット、新たにデザインされた衣装とセットの採用等により『アレグリア-新たなる光-』として生まれ変わった。日本では1996年に『アレグリア』が東京、福岡で67万人。2004年には『アレグリア2』が東京、福岡、名古屋、大阪で開催され、114万人を動員した。『アレグリア-新たなる光』は、コロナ禍で公演中止を余儀なくされたシルク・ドゥ・ソレイユにとって、海外テント公演復活の第一歩であり、前作「キュリオス」から5年ぶりとなる日本公演最新作となる。シルク・ドゥ・ソレイユ社長のステファン・ルフェーブルは、「『アレグリア』とその音楽が、シルクを世界中に広めたと言えるでしょう。ファンの皆様との感情的な絆を築いた、シルクにとってDNAともいえるショーであり、『アレグリア-新たなる光-』は、我々シルクの復活を祝い、ファンの皆様と再び結びつくためのパーフェクトなショーです。希望というメッセージも踏まえたこのショーは、まさにパンデミック後の世界にとても重要なもの」とコメント。『アレグリア』はスペイン語で『喜び』の意。『アレグリア-新たなる光-』は、今だからこそ、日本中の人に見て欲しい「希望に満ち溢れた歓喜の物語」だ。『ダイハツ アレグリア-新たなる光-』東京公演は、2023年2月8日(水)から6月4日(日)まで東京・お台場ビッグトップにて開催。その後、大阪公演は2023年7月14日(金)から10月10日(火)まで大阪・森ノ宮ビッグトップにて開催される。東京公演のチケットは発売中。大阪公演のチケットは、12月1日(木)10:00よりフジテレビダイレクト()にて最速先行販売を開始。また、12月15日(木)10:00よりチケットぴあ先行も受付を開始する。
2022年11月14日2022年4月より本格始動したチケットぴあ主催の若手バンドを応援するライブハウス企画「Grasshopper supported by チケットぴあ」。9回目の開催となる「Grasshopper vol.9」は2023年1月30日(月)下北沢CLUB Queで行われる。合わせて、「ofulover」と「Absolute area」の2組の出演が決定した!チケットは、11月11日(金)21:00よりチケットぴあにて販売開始となる。中本樹(Vo/Gt)の力強く耳に残る歌声と、洗練された歌詞やステージングがオーディエンスを魅了しているofuloverと、山口諒也(Vo/Gt)のソングライティングと歌声が最大の魅力で同世代から絶大な支持を得ているAbsolute area。ともにミニアルバムのリリースが決定し、ライブの規模も拡大しているこの2組のライブをお見逃しなく。■「Grasshopper vol.9」チケット情報■「Grasshopper supported by チケットぴあ」イベントサイト
2022年11月11日