チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (80/342)
渋谷・東急シアターオーブにて、12月14日(土)から25日(水)まで上演されるクリスマスショー『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』の特別番組が、11月16日(土)午後4時55分からテレビ東京にて放送されることが決定した。【チケット情報はこちら】2016年の初演から4年連続で応援サポーターを務め、ゲストスケーターとしても出演する女優/フィギュアスケーターの本田望結と、同じく4年連続でシンガーとして出演するサム・ハーヴィーが案内役として番組に出演。『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』の魅力を余すところなく紹介。番組をご覧いただいた方限定のお得情報もある予定だ。公演のチケットはぴあにて発売中。<ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド 2019>公演日時:2019年12月14日(土)~25日(水)全16回※本田望結は12/23、24、25の14:00公演のみ出演上演時間:約2時間予定(休憩20分含む)開場は各開演時間の30分前会場:東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)主催:Bunkamura/キョードー東京/テレビ東京/ぴあ出演:アメリカ・カンパニー 英語上演■特別番組「ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド劇場で楽しむ夢満載のハッピークリスマス!」11月16日(土)午後4時55分~テレビ東京にて放送。
2019年11月14日新作オリジナルミュージカル『(愛おしき) ボクの時代』が、11月15日(金)からの2期に渡るプレビュー公演期間を経て、11月30日(土)から本公演が上演される。その稽古場に潜入した。【チケット情報はこちら】日本発のミュージカルをオフ・シアターから育てていくというプロジェクトでもある本作。脚本・演出は、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』などでは俳優として活躍し、脚本家・演出家としても作品を精力的に発表する西川大貴。音楽は、ジャズピアニストの桑原あい。振付は、ダンサーで振付師の加賀谷一肇という同世代の3人。そして、日本では『ゴースト』などを演出したダレン・ヤップが、スーパーバイジング・ディレクターを務める。出演者は400名を超えるオーディションで選ばれた風間由次郎ら17名。この日は稽古開始から4週目という頃。来日したダレンも参加し、二幕の稽古が行われていた。取材時は、共に旅をする4人(風間由次郎、塩口量平、関根麻帆、溝口悟光)と天狗(猪俣三四郎)による芝居パートの稽古中。まず全員のキャラが濃く、小さなやり取りにも笑ってしまう。キャスト達はシーンを繰り返す毎に芝居でトライをしていて、そこにカンパニーの空気の良さも感じた。西川は、1シーン終えるごとに「今の芝居すごく好きだった!」などと声をかけ、時には自分も動いて見せながら芝居をつくっていく。舞台上には大小の箱があり、それをキャストが移動することでシーンを展開させるため決め事も多そうだが、全員がアイデアを出しながらいかに場面を磨いていけるかと考える様子が印象的だった。そして稽古は進み、四宮吏桜が恋について歌うシーンへと移った。四宮の美しい歌声と聴かせるメロディに、ざわついていた稽古場も静かになる。既にグッとくるほどだったが、ここでダレンが立ち上がった。四宮のすぐそばまで行き、「このメロディは自分の部屋にスッピンでいるような気持ちで歌ってみて」「この歌で彼女がどういう人間か伝えたい」「今彼女はこういうタイミングなんだと思う」など柔らかな口調で丁寧なアドバイスを送る。四宮も嬉しそうに感謝を述べ、もう一度歌ったとき、感動的なほどの変化があった。そうやって日々ブラッシュアップされた後に2度のプレビュー公演を経て、どんな作品と育っていくのかが楽しみな本作。1stプレビュー公演は11月15日(金)から18日(月)まで、2ndプレビュー公演は11月23日(土・祝)から26日(火)まで、本公演は11月30日(土)から12月15日(日)まで、すべて東京・DDD 青山クロスシアターにて上演。チケットぴあにてチケット発売中。取材・文:中川實穗
2019年11月13日昨年の新開場から1年を経た京都・南座。令和元年の「吉例顔見世興行」は、一周年記念を祝うにぎやかな演目と華やかな出演者がズラリと並ぶ。今回は昨年に引き続き、十五代目片岡仁左衛門が、息子・孝太郎、孫・千之助とともに、松嶋屋三代で出演するのが見どころのひとつだ。昼の部で『仮名手本忠臣蔵』「祇園一力茶屋の場」の大星由良之助、夜の部では『堀川波の鼓』で小倉彦九郎を勤める仁左衛門が、取材会で思いを語った。當る子歳 吉例顔見世興行」チケット情報『仮名手本忠臣蔵』は、討ち入りで有名な忠臣蔵の事件をモチーフに全十一段で描く物語で、「祇園一力茶屋の場」は通称“七段目”。討ち入りが噂されるなか、祇園の一力茶屋で遊びにふける大星由良之助のもとへ、息子・力弥が密書を届けに来る。遊女となって店にいたお軽が、それを盗み読みしているのに気付いた由良之助は…という物語だ。由良之助の仁左衛門に、お軽の孝太郎、力弥を初役で千之助が演じる。「役者の家に生まれてこの配役でできるのは本当にうれしいです。おそらく、三代そろっての七段目でこの組み合わせは歌舞伎史上初めてだと思うので、これまでにない楽しみがありますね」と喜びながら、千之助を心配する。「忠臣蔵の中でも、七段目の力弥が一番やさしそうに見えて一番難しい。どれだけやれるか、ひとつの試金石になります。まだこれからだから、荷が重い。でも、役者は経験していかないと成長しないものですから」。伸び盛りの千之助の演技にぜひ注目を。また、由良之助の役については「雰囲気が必要。遊興に浸っている雰囲気を、作るのではなく醸し出せるように。演技力ではなく、身に付いたものがものを言うので非常に難しいですね」と語る。9回演じてきたが「七段目は完成度が高く、特に変えようと思って変えたところはないですね。やっている間に、その時の自分の気持ちで自然と変わっていくんです」という仁左衛門の至芸を堪能したい。夜の部『堀川波の鼓』も仁左衛門が好きな狂言だ。夫・彦九郎が単身赴任中、酒の勢いで過ちを犯した妻・お種を軸に描く人間ドラマ。「彦九郎はお種に怒りはなく、同情も哀れみもある。しかし、武士として成敗しないといけない。そこにドラマの深さがあります。彦九郎の心が凝縮された最後の一言に、お客様も涙してくださるんじゃないかな」。夜の部最後の演目は『越後獅子』。昨年は中村鷹之資とふたりで『千社祭』を演じた千之助が、今年は中村隼人、橋之助、梅丸改め莟玉(かんぎょく)の若手4人で勤める。仁左衛門は「こんな企画をこれからもどんどんやっていただきたい」と、若手の成長に期待し応援している。取材・文:高橋晴代
2019年11月13日2007年にshoji、Oguri、kazuki、NOPPOの男性4人で結成した、世界的ダンスパフォーマンスグループs**t kingz(シットキングス)。この冬、東西で“観客巻き込み型”のクリスマス公演を行う。その実力は、全米最大のコンテストで2年連続優勝を果たしたほど。これまで国内外で振付を手がけたアーティストの楽曲は200以上。人気俳優の三浦春馬が華麗に歌い踊るドラマ主題歌やCMもメンバーの振付と聞けば、ピンと来る人も多いはず。「s**t kingz」チケット情報最新作『メリーオドリマX’mas』は、ダンサーとしての原点に立ち返るもの。クールやコミカルなどセクションごとに色分けし、約2時間を踊りまくる。shojiが「全編、短距離走の嵐!」と断言するほど、過去最大級の運動量に挑む。限界ギリギリのダンスライブだ。「体力的には現状でも踊りきれるか心配だって言ってるのに、さらに曲を増やすという」(shoji)。「全員、やってみないと想像できない(笑)」(Oguri)。「正直お客さんの前だと全然違うので。未知の領域に突入します。途中棄権の可能性?あるかも!?」(kazuki)。いよいよ“幻の伝説回”の様相を呈してきたツアー初日を飾る大阪公演は、見逃せない。先日グランドフィナーレの演出・振付を担った『FNS27時間テレビ』では、ダンスを踊れない先生やダンスに励む高校生らと触れ合い、改めてダンスの持つ可能性に気づかされたと話すメンバーたち。「ダンスが苦手な先生たちも底力で振付以上のものを見せてくれた。感動は無限大です」(NOPPO)。「挑戦することの大切さを改めて実感した」(Oguri)。自分たちも「ダンスで世界中の人々をハッピーに」との志はでっかく、日々愚直に歩み続けたいと口を揃える。「ダンスに興味のあるなしに関わらず、誰もが観て楽しめるのがシッキンの舞台なので」(shoji)。「いつも、嫌なことは全部忘れて『あー、楽しかった!』となれる舞台を目指しています」(Oguri)。「ライブは、ロマンチックでハッピーなクリスマス要素も加わって、本当に楽しいと思う。自分で言うのも何だけど(笑)」(kazuki)。「お客さんの声援が励みになるので、最初からノリノリで来てほしい。テンション上げて、一緒に楽しみましょう!」(NOPPO)公演は12月17日(火)・18日(水) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて、12月20日(金)・21日(土)東京・ LINE CUBE SHIBUYAにて上演。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2019年11月13日1997年公開の同名アニメ映画から着想を得て誕生したミュージカル『アナスタシア』。世界各国で上演を重ねるこの人気作が、ついに日本に上陸する。その製作発表会見が、11月12日、都内某所で開かれ、葵わかな、木下晴香、海宝直人、相葉裕樹、内海啓貴、山本耕史、堂珍嘉邦、麻実れいの8名が登壇した。【チケット情報はこちら】冒頭で披露されたのは、海宝、相葉、内海による「My Petersburg」と、葵、木下による「Journey to the Past」の2曲。それぞれ同じ舞台に立つのはこの日だけというスペシャルなステージで、その力強く美しい旋律は、作品への期待感をより一層高めてくれる。葵と木下が演じるのは、帝政ロシア時代最後の皇帝ロマノフ2世の子で、唯一生き延びたと言われるアナスタシアによく似た記憶喪失の少女アーニャ。葵は「いろいろな苦境に立たされながらも、夢と希望を忘れない強い女性。自分自身すごく共感出来る女性でもあり、演じられるのが楽しみです」と語る。一方木下は「楽しいエンターテインメント的な曲もあれば、壮大でロマンチックな曲もある。すごくいろいろな色の楽曲が楽しめるのも、この作品の大きな魅力だと思います」とアピールする。海宝、相葉、内海のトリプルキャストで挑むのは、アーニャを利用するつもりが、次第に彼女に惹かれていく詐欺師のディミトリ。「チャーミングでクスっとさせるところもありますが、どこか食えないキャラクターになればいいですね」とは海宝。相葉は「愛嬌たっぷりのキャラクターを、うまく楽曲に乗せてお伝え出来たら」と語り、内海は「アーニャと出会って成長していくディミトリの姿を見せたい」と続ける。アナスタシア暗殺の命令をくだされた将官グレブを演じるのは、山本と堂珍。山本は「お客さんがアーニャを応援したいという気持ちを掻き立てるような、大きな壁となる存在」と自らの役どころを分析し、堂珍は「登場人物の中で唯一マイナスからプラスに変わっていく人物。いいスパイスになれれば」と抱負を語る。またアナスタシアの祖母・マリア皇太后役の麻実は、本作が22年ぶりのミュージカル出演。「壮大な歴史ドラマであり、夢とロマンと幸せに満ちたこの作品に参加させていただけることがとても嬉しいです」と微笑む。フォトセッションで葵と木下が見せたのは、本番用の豪華で煌びやかな舞台衣裳。また高精細LEDスクリーンを使った映像は、かつてない劇空間を生み出す。この貴重な日本初演のステージを、ぜひ見逃さないで欲しい。公演は3月1日(日)~28日(土)まで東急シアターオーブ・東京にて、その後4月6日(月)~18日(土)まで梅田芸術劇場メインホール・大阪にて巡演。チケットぴあにてチケット発売中。取材・文:野上瑠美子
2019年11月13日「ミラクル☆ステージ『サンリオ男子』 ~ハーモニーの魔法~」が、11月8日に東京・品川プリンスホテル クラブeXにて開幕した。【チケット情報はこちら】サンリオキャラクターを愛する男子高校生の日常をオリジナルストーリーに仕立て、マンガ・ゲーム・TVアニメなど多彩なメディアで展開する『サンリオ男子』シリーズ。その舞台版2作目となる本作には、関東・関西勢に加えて新たに“九州サンリオ男子”が初登場する。脚本・亀田真二郎、演出・伊藤マサミは前作から続投。よりパワーアップしたステージが待ち受ける。囲み取材では、ポムポムプリンが好きな主人公・長谷川康太役の北川尚弥が「今回は九州という新しい“色”が加わって、キャラのバランスが取れました」と笑顔でコメント。「物語もダンスも歌も、前作から刷新して楽しい続編に仕上がりました!」と自信を覗かせるのは、マイメロディのライバル・クロミが好きな関西の高校生・羽倉虎男役の北乃颯希。その言葉通り、キャストはファンシーな装飾が施された円形ステージを所狭しと駆け回り、本編から終盤のショータイムまでスピード感あふれる華やかなステージングを繰り広げていた。本作から新たに登場する九州サンリオ男子は、こぎみゅん推しの古賀康弘(世古口凌)、ハローキティを敬愛する梅崎慎矢(梅津瑞樹)、ハンギョドン好きの糸永壱郎(大崎捺希)、マイスウィートピアノを愛する緒方尊比古(武子直輝)の4人。SNSで知り合った関東・関西のサンリオ男子を、大分県に実在するサンリオキャラクターパーク・ハーモニーランドでもてなそうと奮闘する。そこへやって来たのは、ある思いを胸に「サンリオを捨てた」と言って親友の前から逃げ出してきた康太。クールに装いながらも彼を心配する都会的な関東勢、動画投稿サイトで全国制覇を目指す芸人気質の関西勢らは、果たして康太の“サンリオ愛”を取り戻すことができるのか──? 個性豊かなキャラクターの競演、飛び交う全国の方言にも注目だ。また本作にはスペシャルゲストとして、ハローキティが全公演に、ポムポムプリン・こぎみゅんが日替わりで登場。公式グッズのぬいぐるみ4種に限り、膝上に乗せて鑑賞できる。お気に入りのキャラクターと一緒に、サンリオ男子の愛すべき日常を見守ってみては? 上演時間は約105分(休憩なし)を予定。公演は11月17日(日)まで。チケットぴあでは現在、当日引換券を販売中。取材・文:岡山朋代(c)’76, ’85, ’93, ’96, ’05, ’13, ’15, ’19 SANRIO(c)’15, ’19 SANRIOS/F・GMSSB2019
2019年11月13日FM802が12月25日(水)から27日(金)までの3日間、インテックス大阪で開催するロック大忘年会『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY』の第3弾出演アーティストが発表された。「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY」のチケット情報第3弾アーティストは、FM802 RADIO CRAZY×ROTTENGRAFFTY 20th ポルノ超特急臨時大増便!!、木村カエラ、グッドモーニングアメリカ、go!go!vanillas、THE BAWDIES、ストレイテナー、teto、TOTALFAT、Nulbarich、パスピエ、04 Limited Sazabys、フレンズ、ポルカドットスティングレイ、MY FIRST STORY、Yogee New Waves、緑黄色社会の計16組。さらに、会場内に設置されるライブハウスステージ「Spotify Early Noise LIVE HOUSE Antenna」にはAge Factory、サイダーガール、The Songbards、ネクライトーキー、Novelbright、ハンブレッダーズの出演が追加決定した。開局30周年を迎えたFM802と、20周年を迎えるROTTENGRAFFTYのコラボ企画「FM802 RADIO CRAZY×ROTTENGRAFFTY 20th ポルノ超特急臨時大増便!!」では、ROTTENGRAFFTYがホストバンドを務め、この日のこのステージならではのゲストボーカルを迎えたステージを予定しているという。チケットは、明日11月13日(水)11:00まで先行抽選を受付中。
2019年11月12日新生PARCO劇場のオープニング作品第一弾として上演される『ピサロ』に、渡辺謙が主演する。スペインのインカ帝国征服を描いたこの物語で演じるのは、スペイン将軍ピサロだ。35年前、同じくPARCO劇場で山崎努主演で上演されたとき、渡辺はインカの王アタワルパを演じてその名を世に知らしめている。いわばエポックメイキングとなった作品に、今度は主演としてどう挑むのか。渡辺謙がどう渡辺謙となり渡辺謙であり続けているのかを、ぜひ目の当たりにしたいものである。【チケット情報はこちら】かつて山崎努が演じた役を演じることになった渡辺。「山崎さんのピサロは体感として僕のなかにも鮮明に残っているので怖さはあります。でも、それを超えようとか、違うことをやってやろうというのではなく、今の年齢になった僕が感じるものを、今のお客様に伝えるということを探っていきたい」と真摯に語る。実際、当時の山崎の年齢を超えて今年60歳を迎える今、「ピサロがなぜインカへの過酷な旅を目指したのか、山さんとはまた違う何かが探せるのではないか」という自負もある。アタワルパを演じて1度この作品に携わったことをアドバンテージとは捉えていないところも、誠実に芝居に向かう渡辺らしい。「今度はピサロとして、アタワルパとはまったく違う価値観のなかでつくっていかないと成立しないし、前のことを思い出しながら演じてしまうと、予定調和になって面白くなくなりますから」。今回アタワルパを演じる宮沢氷魚に対して胸を貸すというようなつもりもない。「キャリアの差はありますけど、それはただ長さが違うだけ。大事になのは、ピサロとアタワルパとして向き合ったときにどっちのエネルギーが強いかということですから。勝ち負けではないですけど、やっぱり横綱相撲は取りたくない。エネルギーの量として負けないように頑張りたいと思います」渡辺といえば、『王様と私』で、ブロードウェイ、ウエストエンドの舞台にも立ってきた。「ここ5年、大きな舞台をやらせていただいて思うのは、やはり人間ひとりが発するエネルギーのすごさです。ひとりひとりのエネルギーが集結してそのバイブレーションが伝わると、こんなにも人の心を動かすんだということが、すごく信じられたんですよね。だから、そういう喜びを俳優としてもっと感じたいと思っているんです」。役者にも観客にも、舞台という場所でしか味わえない喜びがある。渡辺謙という役者のエネルギーを存分に浴びることで、その喜びに浴したい。チケットぴあでは11月18日(月)23時59分まで、先着先行受付中。取材・文:大内弓子
2019年11月12日2020年1~2月に『デスノートTHE MUSICAL』がオール新キャストで上演される。本作でヒロイン・弥 海砂(アマネ ミサ)を演じる吉柳咲良に話を聞いた。「名前を書かれた人間は死ぬ」という“死のノート”を巡る物語が描かれた漫画「DEATH NOTE」(原作:大場つぐみ・漫画:小畑健)。そのミュージカル版は、音楽をフランク・ワイルドホーン、音楽監督をジェイソン・ハウランド、そして演出を栗山民也という世界的コラボレーションで2015年に初演された。それから再演、海外公演と大ヒットし、今回は3年ぶり、オール新キャストでの上演となる。【チケット情報はこちら】注目の新生『デスノートTHE MUSICAL』に出演することについて吉柳は「正直なところ、不安もプレッシャーもあります」と明かす。「今までに演じたことのないような役ですし、難しい役だと思っています。いろんな意味で“自分以上”のものをこの役を通して感じとっていかなければいけない気がしていて。それを自分がどこまで表現できるか、弥海砂という独特なキャラクターを自分なりにどう表現するのか追求していきたいです。そして、初演・再演でこの役を演じられた唯月ふうかさんは『ピーターパン』でも先輩ですし、とても尊敬している女優さんです。また違った海砂になるかと思いますが、変わらずみなさんに愛されるミサミサをお見せできるようにがんばります」海砂という役については「真っ白なイメージがあります。何事にもまっすぐだからこそ考え方も極端なんだと思います。信念がすごいんですよ。それは夜神月への気持ちもそうだし、死神レムへの熱い信頼、親を殺した犯人への恨みもそう。あらゆる方向にまっすぐだから、いろんな場面で急に顔が変わる。アイドルとしてのミサミサと、月を守りたい海砂では、まったく違う顔を見せるんです。そこは演じるうえでも、ひとつひとつをちゃんと見せないと海砂の良さが出ない、重要な部分だと思っています」。アイドル・ミサミサとして歌って踊るシーンもあるが「個人的にアイドルがすごく好きなので、今回アイドルとして舞台に立つことが出来るのはとても嬉しいです。舞台上でこんなに歌って踊るのも初めてですし、不安もありつつですが、すごく楽しみにしています」と笑顔を見せた。原作について「読んでいて、正義も悪にも“正解”がないなと思いました。個人的には、デスノートを人間界に落とした死神リュークがこの物語にとっての悪なんじゃないかと思ったりもしますが・・“本当の悪は誰だ”と聞かれると、わからないんですよ。白黒でわけられない“グレー”が多いからこそ、お芝居で表すのが難しいなと思いますが、そこはがんばっていきたいです」と語る。最後に「ひるんだら海砂はできない。だから毎回100%出し切りたいです」と意気込んだ吉柳。新たな弥海砂の姿に期待したい!取材・文:中川實穂
2019年11月12日2018年に結成10周年を迎え、今年11年目に入った劇団ゴジゲン。これまで、北九州や久留米での公演はあったが、ついに福岡市内に初上陸。イムズホール公演を皮切りに、東京、北海道、京都と4都市でツアーを行なう。映画監督・脚本家・俳優としても活躍する福岡出身の主宰・松居大悟に、新作「ポポリンピック」の見どころ、高校時代までを過ごした福岡市での初公演への想いを聴いた。【チケット情報はこちら】「オリンピックの「オ」とパラリンピックの「パ」を重ねると、ちょうと「ポ」になる!」と気づき、名付けたというタイトルからも分かるように、モチーフはずばりオリンピック・パラリンピック。しかし、そこはゴジゲン、脚光を浴びる華やかな競技や選手の物語ではなく、東京オリンピックの追加種目にエントリーされながら、最終的に“選ばれなかった”競技の選手とその周囲の人々の物語になると言う。「東京オリンピックの正式種目は33種で、直前で5種目が追加されたのですが、選ばれなかったのがスカッシュ、武術太極拳、ボウリング。その選考基準は“競技が大衆受けするか”とか“絵的に映えるか”という至ってショービジネス的なもの。そんな“大人の事情”でオリンピックに出られない選手たちもいるのだと考えたら切なくなって。“選ぶ”“選ばれない”という行為の残酷さと人間臭さを描きたいと思いました」オリンピックの正式種目から落選した選手が、周囲の大人たちによって“悪”に仕立て上げられていく様を、キャラクターの魅力で見せていきたいと松居。「ゴジゲンの旗揚げも、選ばれないゆえの選択」だったと語っているように、このテーマは彼自身の想いにもつながっているようだ。「当時は、選ばれないからやりたいことができずに悩んだりしましたね。それで、誰かの基準で選ばれるのを待ち続けるより、自分で劇団を作ればいいと。“選ばれなかった”という経験をすると、人は自己肯定しづらくなったりしますよね。でも、そんなことに傷つく必要ない。どんな状態でもこの世界で生きていていい。観た人が“自分の生き方を自分で選択する”と決意できるような劇にしたいですね。舞台は、回数を重ねほど整えられていくものですが、まずは福岡で、いびつかもしれませんが、1番描きたい純粋な舞台の原型をお見せできれば」毎回観る者を、嬉しくて、寂しくて、おかしくて、悲しくて、愛しい…といった、いろんな感情がない交ぜになった“言語化できない感情世界”に、猛スピードで誘ってくれるゴジゲン。彼らの目線で描かれるもう1つのオリンピック・パラリンピック物語に、今から期待が高まる。福岡公演はイムズホールにて、12月21日(土)、22日(日)に上演。チケットは11月9日(土)より発売開始。その他、東京、北海道、京都でも上演。
2019年11月11日「ドン・パスクワーレ」舞台写真よりじつに楽しく、面白く、そして素晴らしい、出色の出来栄えの上演だ!【チケット情報はこちら】新国立劇場の《ドン・パスクワーレ》が11月9日に初日を迎えた。ドニゼッティ晩年のオペラ・ブッファ(喜劇オペラ)。人気や知名度でこそ、《愛の妙薬》や《ルチア》に一歩譲るかもしれないが、魅力的な旋律が、これでもかとばかりに惜しげもなく次々に繰り出される、完成度高い音楽。ドニゼッティの作品のなかでも破格の傑作なのだ。「悪人」はひとりも出てこない。大金持ちだが家族のない老人ドン・パスクワーレは、主治医のマラテスタが連れてくる花嫁候補を待ちかねている。甥のエルネストに、高貴で裕福な女性と結婚するのなら財産を譲ると申し出ていたのだが、ノリーナという若い未亡人の恋人がいるエルネストが拒んだため腹を立て、自分で結婚して跡継ぎを作ることにしたのだ。ところがマラテスタが自分の妹と称して連れてきたのが、そのノリーナ。若いふたりの恋を成就させるためのマラテスタの計略だ。貞淑な女性を装うノリーナにたちまち夢中になったパスクワーレは結婚を即決。しかしその途端、ノリーナは贅沢三昧の浪費を始めるわ暴力をふるうわ、挙句は浮気するわの悪妻に豹変。これはたまらぬと、彼女を追い出すため、パスクワーレがふたりの結婚を認め、正体を明かしたノリーナも許して、めでたしめでたし。悪女となったノリーナに振り回されるパスクワーレは、気の毒なのだけれど抱腹絶倒の喜劇の見せどころ。歌手たちはいずれも水準が高い。そしてそれだけでなく、キャスティングの巧みさに唸らせられる。パスクワーレ役のロベルト・スカンディウッツィのノーブルで深いバスは、ちょっと頑固だけれど悪意はない金持ち老人の孤独な悲哀を巧みに表現する。まじめな人がまじめに騙されるからこそ喜劇。コケティッシュな魅力を振りまきながら、高音の超絶技巧をこともなげに繰り出す新星ハスミック・トロシャンのノリーナには誰もが夢中になるはず。そしてエルネスト役のマキシム・ミロノフの甘いベルカント・テノール、マラテスタ役のビアジオ・ピッツーティの輝かしい声と切れ味ある演技。主要人物たちのキャラクターが声質でも明確に描き分けられているから、各アリアはもちろん、重唱の魅力や面白さが際立って聴こえてくる。ステファノ・ヴィツィオーリの演出は、1994年にスカラ座で初演された定評あるプロダクション。機械仕掛けの舞台転換を目の前で見せる趣向で、ノリーナの登場シーンで、彼女が座るソファが音もなく迫り出てくる仕掛けはイリュージョン。細部まで念が入っている。第3幕で、戸外から(つまり舞台裏から)聴こえてくるエルネストのセレナータのギター伴奏のひとりは、なんと人気ギタリストの村治奏一。ほんの5分ほどの、しかも舞台裏での出番に、なんて贅沢な起用!いいなあ。新国立劇場の《ドン・パスクワーレ》は11月17日(日)まで。絶対におすすめ。取材・文:宮本明
2019年11月11日城田優が演出を手がけ、自ら主演するミュージカル『ファントム』が、11月9日に東京・TBS赤坂ACTシアターにて開幕した。【チケット情報はこちら】ガストン・ルルーの小説「オペラ座の怪人」を原作に、アーサー・コピットが脚本、モーリー・イェストンが作詞・作曲を担当した本作は、1991年に米で初演されたミュージカル。日本では2004年から宝塚歌劇団が公演を実施しているほか、2008・2010年には大沢たかお、2014年には城田の主演で上演された。今回は加藤和樹もタイトルロールを務める。初日を控えた囲み取材にはW主演ふたりのほか、クリスティーヌ・ダーエ役の愛希れいかと木下晴香、フィリップ・シャンドン伯爵役の廣瀬友祐と木村達成(ともにWキャスト)が参加。それぞれ城田の演出家ぶりを「大変なポジションにもかかわらず、エネルギッシュにカンパニーを引っ張ってくれた」「作品に対する愛情を、誰に対しても平等に伝えていた」などと紹介し、感謝の気持ちを述べた。城田はその言葉に恐縮しつつ、「演出と主演の両立は初めての経験で、人生でいちばん大変でした」と稽古期間を振り返る。演出に多くの時間を費やした結果、「僕自身の稽古が足りていない」と不安を吐露するも「作品としては完璧です!」とコメント。「希望と絶望が入り混じった最高のエンターテインメントが完成しました」と続き、ファントムの仮面越しに自信を覗かせた。作品の舞台となるパリの街並みを想像させるオルゴールや街灯など、劇場ロビーのいたるところに『ファントム』の世界観が現れているのも本作の特徴といってよいだろう。このほか、開演前の客席でアンサンブルキャストが“2,000円フラン”の写真集を販売する趣向も。観客は本編スタートを前に、自然と劇空間へいざなわれていく。取材日のゲネプロは、加藤・愛希・廣瀬の組み合わせで上演された。城田は客席後方に設けられた演出席から舞台の様子を見守る。加藤は、悲しい過去を背負って地下に幽閉されたファントム(エリック)の純粋さを少年のようなあどけなさで造形。その彼を“先生”と慕い、音楽を通じて次第に心を通わせていくクリスティーヌを、愛希は可憐に演じた。劇中でリプライズされ、時に楽しく・時に切なく歌い上げられるふたりのデュエット『You are Music』は作品を象徴する必聴ナンバーだ。上演時間は約180分(休憩含む2幕)。東京公演は12月1日(日)まで。その後、12月7日(土)~16日(月)に大阪・梅田芸術劇場メインホールへ巡演する。東京公演の「当日整理番号券」を公演希望日の前日10:00~23:59まで予約受付中。取材・文:岡山朋代
2019年11月11日本格的な観光シーズンを迎えた今、大阪観光の定番アイテムとなりつつあるのが、「大阪周遊パス」である。1日2700円で、主な大阪市内の電車・シティバスが乗り放題。さらにお得なのが、40か所以上もの観光スポットが無料で入場できる点。国内からの旅行客はもちろん、海外からのツーリストにも大人気の「大阪周遊パス」。紅葉が美しい11月だからこそ訪れていただきたいおすすめの観光スポットをピックアップしてみよう。「大阪周遊パス」チケット情報12月8日までの期間限定で無料入場できるのが、大阪市立東洋陶磁美術館(通常:500円)。中国・韓国陶磁を中心に、東洋陶磁のコレクションとして世界第一級の質と量を誇る美術館。約7000点の美術品を収蔵している中には、2点の国宝と13点の重要文化財も含まれている。美術を楽しみたい方におすすめの観光スポットである。大阪ならではの紅葉を楽しむなら、大阪城天守閣(通常:600円)は外せない。天守閣8階の展望台からは、大阪城公園全体が紅葉している様子がうかがえる。堀の水面に映し出される紅葉も一見の価値あり。また、11月24日(日)までの土日祝限定で実施されているのが、重要文化財「大阪城の櫓」特別公開である。重要文化財に指定されている「多聞櫓」「千貫櫓」「焔硝蔵」を目にできる貴重な機会。江戸幕府における西日本支配の拠点となった名城の歴史に触れてみてはいかがだろうか。以上の紹介した観光スポットがすべて無料で利用できる「大阪周遊パス」。もちろん、この他にも多くの無料観光スポットがあるので、ぜひ詳細な情報をチェックしていただきたい。
2019年11月08日MAINA、ANNA、MANA、EON、YUNA、RUNAからなる、大阪在住の6人組ダンス&ヴォーカルグループ、大阪☆春夏秋冬。2012年に結成し、インディーズ時代からなんばHatchでワンマンライブを開催。2017年にメジャーデビューし、2019年にはa-nationやイナズマロックフェス、MBS音祭に出演するなど、勢いが止まらない。そんな彼女たちが「いつかやりたかった」という演劇の舞台に挑戦する。「劇団☆春夏秋冬 艶姿河内六人娘」チケット情報題して、カタヤブリ演劇公演『劇団☆春夏秋冬 艶姿河内六人娘』。歌あり、殺陣ありの本格時代劇だ。昨年の定期公演でオリジナル楽曲の世界観に基づいたショートストーリーを上演したことが、『艶姿河内六人娘』実現の起爆剤となった。本格的な演技経験があるのは、リーダーのMAINAのみ。それに加え、初めてという殺陣も控えている。「ダンス歴が長いので、ダンス風になっちゃうんです。ちゃんと学びながら殺陣でも私たちらしいものができたら。私たちは日本舞踊を何年もやっているので、腰の位置とか、男舞は得意分野。そのへんは飲み込みが早いかなと思います」とMAINA。「みんな、稽古初日から顔と声だけはいっちょまえにやってます!」とRUNAも楽しそうに話す。「大阪☆春夏秋冬を8年やってきて、ライブの構成やMCも自分たちで考えられるようになりました。いろんなことを学んできた8年があっての今だからこそ、こうして舞台に挑戦できるのだと思う」とYUNA、さまざまな経験で培ってきた自信ものぞかせる。「いつもの歌って踊るステージでは見えないような、メンバーの新しい一面を見てほしい」とMANA、アドリブも入れるかもと、ひとつとして同じ場面はないとアピールした。「6人の絆と、8年で成長した艶やかな姿を観てほしい」とはEON。衣装も和がモチーフで「メガネをどうするか…。このままかもしれないし、外すかもしれないし…」とANNA、本番でどんな姿になっているか、ファンは特に必見だ。「このお芝居で、人間の喜怒哀楽をいかに届けられるか。私たちの持っている強さ、優しさをたくさんの人に伝えられたらいいなと思います」とMAINA、「私たちのすべてを詰め込みたい」と意気込んだ。公演は2月21日(金)から24日(月・祝)、大阪・ABCホールにて上演。チケットは12月22日(日)一般発売開始。チケットぴあでは11月13日(水)11:00までいち早プレリザーブを実施中。取材・文:岩本
2019年11月08日12月14日(土)~25日(水)まで、東急シアターオーブ(東京都渋谷区)にて、クリスマスショー『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』が上演される。11月7日(木)、東急百貨店本店(同渋谷区)でクリスマスツリーの点灯式が行われ、ゲストとして公演の応援サポーターである女優兼フィギュアスケーターの本田望結と、4年連続で公演に出演しているシンガーのサム・ハーヴィーが登場した。『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』は、ミュージカルやダンスなどで構成されるクリスマスショー。欧米諸国でクリスマスシーズンに親しまれてきた“劇場で楽しむクリスマス”の日本版だ。2016年に初めて日本で上演され、今年で4年目を迎える。巨大ツリーやステンドグラスが輝く華やかなステージ上では、ゴスペルからポップスまでクリスマスソングの数々や、サンタクロースとダンサーによるタップダンスなどが披露され見どころ満載。ショーの中盤、舞台上にスケートリンクが登場して行われるスケートショーも必見だ。初年度から公演の応援サポーターを務める本田は、毎年ゲストスケーターとしてスケーティングも披露している。点灯式で公演に向けての想いについて、「今まで3日連続で出演することはなかったので緊張もあるが、これから曲を決めてショーを作り上げていく楽しみもありワクワクしている」と語った。本田と同じく4年連続の出演となるサム・ハーヴィーは、「この公演は自分にとってクリスマスの恒例行事で、毎年出演できることを楽しみにしている。クリスマスの高揚感を大好きな日本で広められたら幸せ」と、観客のみならず出演者も公演を楽しんでいる様子を伺わせた。クリスマスツリーの点灯後には、煌びやかなツリーをバックにサムがクリスマスの定番曲『Let it Snow』を歌い上げた。楽しげに歌うサムを前にした一般来場客からは手拍子が起こり、会場はショーのワンシーンのような一体感に包まれていた。点灯式の最後にはふたりからメッセージが送られた。本田が「クリスマスショーは日本ではあまり馴染みがないかも知れないが、新しいクリスマスを体験できる機会。素敵なシンガーやダンサーが待っているので、ぜひ足を運んでください!」と話すと、サムは「心に残る歌と笑顔を届けることを約束します!」と締めくくった。公演のチケットは、チケットぴあにて一般発売中。※本田望結のゲスト出演は12月23日(月)24日(火)25日(水)の14:00開演回のみ。取材・文:松崎 優美子
2019年11月08日海の上で生きたピアニスト──。映画にもなったイタリア文学『海の上のピアニスト』を、ピアノ・朗読・芝居による音楽ドラマにした舞台が熱望の声を受け再演する。天才ピアニスト・ノヴェチェントを演じる北翔海莉は「またあのピアノが聴ける。あの空間に行けると思うと嬉しい」と喜びを語った。【チケット情報はこちら】初演は3日間のみの公演だった。「前回は稽古と本番を合わせても短期間で、不思議なピアノの空間のなかで夢を見ているうちに終わっちゃった感覚でした。でも今回はしっかり稽古できるし、演出やキャストにも変化があり、また違った舞台になります」親友のトランぺッター役がいくつかの登場人物を演じ、ノヴェチェントの物語を語るという構成になる。北翔にとってはほぼ一人芝居だ。そのぶん、ノヴェチェント自身である北翔と、彼の音楽を奏でるピアノ・大井健の関係が濃くなり、表裏一体のような存在として際立つ。「大井さんと私はニコイチ。ふたりでひとりの人間を演じます」また、会場によって出演者や美術セットが異なる。トランぺッター役は、博多・京都公演では中村匡宏が、東京公演では喜多村緑郎が担う。「人が変わると同じ台本とは思えない。中村さんは大井さんと『鍵盤男子』というデュオを組んでいて、積み重ねてきた信頼関係があり、ピタッと合うんです。ひとりとふたりではアレンジも変わるので、ノヴェチェントの台詞にあるように“奏でられる音楽って無限なんだな”と実感します。喜多村さんは初演でもご一緒していて、なにより安心できる役者さん。信頼して懐に飛び込んでいます」。中村、喜多村、それぞれ台詞の端々まで違うというのも、キャストが変わる面白味だ。朗読と大井とのピアノの連打が見どころの音楽バージョン、喜多村の芝居部分がブラッシュアップされる芝居バージョンの違いが興味深い。当初、男性のノヴェチェントを演じることに疑問もあった北翔。「彼は陸に降りたことがない。男でも女でもないピュアな心の持ち主なので、性別が偏らないように演じることに意味があるんだと腑に落ちました」。音楽に乗せて、天才ピアニストの一生が語られていく。「ジャズ、子守唄……曲のジャンルが全部違っていて、歩んできた人生をちゃんと表現できる音楽なんです。作曲家の中村さんが天才!(笑)どの曲も好きなのですが、ノヴェチェントが8歳の時と大人になった時で、同じ曲を歌うんです。歳を重ねても、純粋でウブで無垢な目の奥の輝きが同じままで歌うことを大切にしたいです」公演は11月13日(水)・14日(木)・15日(金)東京・東京芸術センター天空劇場にて。取材・文:河野桃子
2019年11月08日12月13日(金)~29日(日)、東京国際フォーラムにて来日公演を迎えるミュージカル『サタデー・ナイト・フィーバー』のプレスイベントが、11月6日(水)、銀座にある都内最大級クラブ「CLUB DIANA」にて開催された。【チケット情報はこちら】この日、集まったのは、一般公募から選ばれた「盛り上げ隊」。作品のファン約100名とあって、皆、赤や紫のドレスを始め、水玉ワンピースや花柄パンタロンなど70年代のディスコファッションを身につけてフロアを熱気に包んだ。さらに公式サポーターのDJ KOOとアンミカも登場。深紅のスーツとスパンコールのミニドレスに身を包んで登壇し、映画公開当時1977年の思い出話に花を咲かせた。さらにミュージカルの主演を務めるリチャード・ウィンザーも登場し、自ら作品に登場するダンスの振り付けをレクチャー。DJ KOOがDJブースに入り、テーマ曲「サタデー・ナイト・フィーバー」をかけると、皆の想いが70年代にタイムトリップ。リチャードは全身から汗をほとばしらせながらキレキレのディスコダンスを披露し、アンミカや盛り上げ隊も一斉にフィーバー!13歳の少年からMCのフジテレビアナウンサー・軽部真一まで熱いダンスに酔いしれた。ちなみに、この贅沢なディスコタイムは今後も実施。ミュージカル開催中、カーテンコールと共に誰もが参加できる。最後に3人は公演に向けた思いを語った。「ディスコは元気がみなぎる場であり、出会いの場。それを再現するミュージカルを観て、皆さんにも思いきり笑顔になっていただきたいです。僕も20歳になった娘と一緒に観ようと思います」(DJ KOO)「ミュージカルでは、ダンスではなく、若者の葛藤や人生の機微、成長なども描かれているそうなので、深い物語も楽しみにしています。皆さんにも家族や友達などメンバーを変えて何度も楽しんでいただきたいです」(アンミカ)「イギリス公演を終え、キャスト全員、日本に来るのを楽しみにしています。人生に対するエネルギー、若者たちが悩みをどう解消していくのかを、ぜひ楽しんで欲しいです」(リチャード・ウィンザー)公演は、12月13日(金)~29日(日)、東京国際フォーラムにて上演。チケットは販売中。取材・文:浅水美保
2019年11月08日来る2020年2月7日(金)から19日(水)、ロシアの巨匠ラザレフ率いる日本フィルハーモニー交響楽団が九州各地を訪れる。県庁所在地7か所全てに加え、小倉、大牟田、唐津の総計10会場で演奏。海外公演にも匹敵する大規模ツアーだ。【チケット情報はこちら】1975年以来、45年目を数える毎年恒例のこの長期遠征は、開催地のホールが主催する公共事業ではない。日本フィルを聴きたい地元の音楽好きが実行委員を組織して、ホールを借り、手弁当で開くコンサートなのだ。指揮者ラザレフと二人三脚で現在の日本フィル復興を成し遂げた平井俊邦理事長いわく、「本当に苦しかったとき、九州の方々が日本フィルを呼んでなんとか助けようと始まりました。訪れる各地に実行委員会があり、1年前から準備を始め、企画、チラシ、チケット販売まで、地元ボランティアと日本フィルが一緒になって作っています」無論、どんなに社会的な意義があろうが、音楽がダメならそれまで。ラザレフと来るならこれ、という地元のリクエストに日本フィルが自信を持って応えたプログラムには、重厚なドイツ音楽の大作と、ボリショイ劇場音楽監督も務めた指揮者が十八番とするロシア音楽とが並ぶ。生誕250年を祝うベートーヴェンの巨大なヴァイオリン協奏曲を独奏する堀米ゆず子は、「譜面は簡単に見えますけど、ひとつの音を間違えても全然ダメになる落とし穴があり、弾きごたえがあります」と意欲満々。これまた超ヘビー級のブラームスのピアノ協奏曲第2番に挑む河村尚子も、「ラザレフさんとの初共演がブラームス第1番で、音楽の大きさ、雄大さ、流れなど、たくさん教えていただきました。ほとんど交響曲のこの曲をラザレフさんと共演でき、とても嬉しいです」聴き逃せないのは、プロコフィエフのバレエ組曲《ロミオとジュリエット》だ。ボリショイ劇場音楽監督を務めバレエ現場を知り尽くしたマエストロは、敢えて劇的な純粋管弦楽曲として再構築する。「プロコフィエフはバレエ音楽から3つの組曲を作り、第2組曲が最も人気があります。私たちは、第2組曲を《ジュリエットの墓の前のロミオ》で静かに終え、間を繋ぎ、最後は《ティボルトの死》で盛り上げます。筋からすると逆ですが(笑)、音楽だけを考えると悪くない」(ラザレフ)その音楽の熱さと精密さが世界でも高く評価され、今や日本発のブランドとなりつつある「ラザレフ指揮日本フィル」、九州各地でも本拠地東京と同じ真剣勝負が繰り広げられる。取材・文章:渡辺和
2019年11月08日11月7日(木)、KAAT神奈川芸術劇場にて『ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~』が開幕した。ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の新作で、「もしフランツ・カフカの第4の長編が発見されたら?」というifから構想されている。【チケット情報はこちら】カフカは3作の長編を手がけたが、40歳の若さで結核で亡くなった小説家だ。晩年のカフカは、公園を散歩中の幼い少女と交流していた……というエピソードが本作の軸となる。100歳になった少女(麻実れい)の孫ブロッホ(渡辺いっけい)は、少女が持っていたカフカ第4の長編の未発表原稿を出版社に持ち込んでお金にしようと奮闘していた。そんな“現実世界”と平行するように、第4の“小説世界”が物語られていく。主人公カーヤ(多部未華子)は婚約者の兵士・ラバン(瀬戸康史)と旅行をしていた。幸せなふたりだが、不穏な空気に飲み込まれるように旅の途中で生き別れてしまう……やがてカーヤのもとに「ラバンが戦死した」との報せが届く。ラバンの生死を確かめるため、戦地に向かうカーヤは、さまざまな誤解、裏切り、欲望など不思議な出来事に翻弄されていく。いつしか“現実世界”と“小説世界”は影響しあい、さらにはカフカが生きていた過去までもが入り交じっていく。KAATの広い舞台を活かした舞台美術と映像がダイナミックで、客席までも吸い込まれそうだ。生演奏と小野寺修二の幻想的な振付によりステージを行き交うダンサー達の動きに、何度もぞっとさせられる。先の見えない展開により渡辺や多部の困惑の演技が増す。一方、瀬戸や麻実や音尾琢真ら周囲が真剣で、そのギャップに物語の不条理さが際立つ。大倉孝二らによって客席は笑いつつも、リアリティある俳優の演技と演出が、つねに不穏さを漂わせる。これはカフカによって書かれた話なのかもと錯覚しそうだ。カフカが小説家として有名になったのは死後だ。親友に「小説を焼き捨ててほしい」と言っていたカフカは自身の人生を後世に残す気はなかったのだろう。その人生を、さらに謎多く、彼の小説のように不条理に描き出した今作。まるでカフカの小説に迷い込み、物語に現実まで飲み込まれてしまうような不思議な感覚になる。しかしKERAのポップさと小野寺の振付の美しさにより、恐ろしくも居心地が良い。いつしか虜になる……これが条理の魅力だろうか。上演時間は3時間30分(休憩15分をふくむ)。KAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて11月24日(日)まで上演。チケットぴあにてチケット発売中。
2019年11月08日岸谷五朗と寺脇康文が1994年に結成し、累計100万人に達する観客を動員する人気ユニットへと発展した「地球ゴージャス」。2009年に上演した『星の大地に降る涙』を本格ミュージカル化し、岸谷、寺脇以外は新キャストによる上演が来春に決定した。「地球ゴージャスはまず再演をしない。その時間があるなら前に進んで新作を作りたいから」と語る岸谷に再演の後押しをしたのは、25周年という区切りだった。「唯一の再演の『クラウディア』も10周年のときだった。今回は25周年で周りがお祝いしてくれる空気に乗っかっちゃえと(笑)。なので“祝祭公演”と銘打ちました」(岸谷)「25周年って、これまでを1回振り返ってみて、また新たなスタートを切る気持ちにもなる、いい時間。作品は僕らにとってはかわいい子供のようで全部愛しているけど、その中で特にやりたいものがあるんだとしたら、今の時代にもう一度よみがえらせるのもいいなと。結局、五朗ちゃんが今やりたいものをやることが一番いい結果を生んできているので」(寺脇)「『星の大地~』は唯一時代設定が決まっている作品で、1868年という日本が激動の時代に、とっても愛すべきひとつの部族が消滅していったという話。アメリカの移民問題や日韓関係…今このテーマが必要だなと思った」(岸谷)「俺も根拠はよくわからないけど、『今やるならこれだね』とは思いました。地球ゴージャスの作品がこれ以降、ちょっと大人っぽくなって、深みが増したという印象もある」(寺脇)「やるからには間違いなく前作を上回らなきゃ意味がない」と言う岸谷が今回の上演にあたり胸を張るのは、ミュージカル化というダイナミックな変化と充実のキャスト陣。舞台初主演となる新田真剣佑、ドラマ『ノーサイド・ゲーム』出演で映像でも注目を集めた笹本玲奈らが参加する。「マッケン(新田)は演劇の舞台に立つための素材を全て持っている“舞台に選ばれた人”。笹本さんは実際に母でもあり、よりリアルにステラ(妊婦という設定)という役に近づく人だなと感じます」(岸谷)「マッケンは計算や?が全くない、白い光がフワーッと降ってくるような芝居をするヤツで、一緒に舞台に立っていて吸い込まれそうになった。マッケンの純粋さと笹本さんの清廉さ、そして汚れた俺たち(笑)」(寺脇)華やかな、だが重く刻まれるテーマを孕む“祝祭公演”で次への一歩を踏み出す。公演は、2020年3月10日(火)~4月13日(月)まで、舞浜アンフィシアター・千葉にて。その後、2020年5月3日(日・祝)~14日(木)までフェスティバルホール・大阪にて上演。チケットぴあでは、一般発売直前先行受付中!ライター:武田吏都カメラマン:源賀津己
2019年11月08日FUJI ROCK’19で話題をさらった平沢進+会人の単独ライブ開催が決定した。【チケット情報はこちら】伝説のバンドP-MODELのリーダーとして今も第一線で活躍する平沢進と、全てが謎の2人組、会人(SSHOとTAZZ)。平沢進は、観客相互コミュニケーション型のインタラクティブ・ライブ、1999年には日本でいち早くインターネットによる音楽配信を開始するなど、時代に何歩も先駆けた姿勢で創作活動を行い、音楽業界内外のさまざまなアーティストたちへも影響を与え続けている。2018年の核P-MODEL 5DAYS(Zeppなんば大阪・Zepp Tokyo・豊洲PIT)は軒並みソールドアウトとなった。平沢進 + 会人(EJIN)の幕開けは2020年2月グランキューブ大阪、そして2020月3月にはZEPP TOKYO公演も決定している。大阪公演は平沢進+会人(EJIN)によって錬成された平沢ソロ曲の乱舞!東京公演は平沢ソロ+P-MODEL曲のハイブリッド仕様!どちらも見逃せない。チケットの一般発売に先駆けて、チケットぴあでは現在大阪公演の主催者先行を受付中。受付は11月12日(火)午後11時59分まで。『会然TREK 2K20▼02』2020/2/22(土)、23(日)グランキューブ大阪(大阪府)※主催者先行受付中~ 11月12日(火)午後11時59分まで『会然TREK 2K20▲03』2020/3/13(金)、14(土)ZEPP TOKYO(東京都)※チケット詳細は後日発表
2019年11月07日ダイワハウスSpecial地球ゴージャス二十五周年祝祭公演『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』が2020年3月から5月にかけて上演される。その製作発表会見が行われ、主演の新田真剣佑、笹本玲奈、松本利夫(EXILE)、湖月わたる、愛加あゆ、島ゆいか、森公美子、そして「地球ゴージャス」の岸谷五朗・寺脇康文が登壇した。【チケット情報はこちら】結成25周年を迎える地球ゴージャスの“祝祭公演”として上演される本作は、2009年に初演された人気作の新演出版。岸谷・寺脇以外は全キャストを刷新、初演時よりミュージカル要素をアップした作品になるという。会見ではまず岸谷が「“二十五周年祝祭公演”ですが、“25年続けよう”という決意があったわけではありません。またこの先も、三十周年、三十五周年をやろうと思っているわけではありません。ひとつひとつの作品を愛して丁寧につくりあげてきた結果が、この二十五周年の祝祭公演になりました。こうやって二十五周年を迎えることを我々は嬉しく思っています」と挨拶。寺脇も「前作を超えるものをつくっていきたい。フレッシュなキャストで、いろいろな化学反応が起こると思います。ご期待ください!」と意気込んだ。地球ゴージャス作品は『ZEROTOPIA』(2018年)から2作連続の出演で、今作で舞台初主演を務める新田は「日本に来る前にこの作品を映像で観て、衝撃を受けました。その時から地球ゴージャス作品に出たいという夢があったのですが、それが昨年叶って。今回この作品で主演をやらせていただくことが本当に幸せです」と感慨深く語った。さらに笹本は「私はこれまでたくさんのミュージカルに出演させていただきましたが、日本で作られるミュージカルをやるのは初めて」、松本も「自分はパフォーマーなので、舞台で歌うことが初めて」と明かした。湖月は「寺脇さんの妻役です。お客様が恥ずかしくなるくらい、やけどしちゃうくらい、羨ましくなるくらい熱々な夫婦をお届けしたいです」、愛加は「地球ゴージャスの舞台は、芝居、歌、ダンス、笑いあり涙ありの素晴らしいエンターテインメント。その一員になれることが嬉しく楽しみ」、島は「今まで観た舞台の中で1番大好きな作品がこの作品です。今この場に立てていることが本当に嬉しいです」と語る。森は「依頼が来たときに“他はなにもやらなくていいから、これをやらせてください”と言いました。絶対にやりたかった。素晴らしい作品になるのは間違いない」と太鼓判を押した。演出・脚本を手掛ける岸谷が「初演とは違うものになる」と話した本作は、2020年3月10日(火)から4月13日(月)まで千葉・舞浜アンフィシアター、5月3日(日祝)から14日(木)まで大阪・フェスティバルホールにて上演。11月9日(土)からの一般発売に先駆けて、チケットぴあにて先行発売中。取材・文:中川實穗
2019年11月07日秋田禎信によるライトノベルをもとに、脚本を吉田武寛、演出を松多壱岱が手がける舞台『魔術士オーフェン はぐれ旅-牙の塔編-が11月7日から六行会ホールにて上演される。今年8月に上演された第一弾に引き続き出演する主人公のオーフェン役の松本慎也、アザリー役の花奈澪、そして、今回からの参加となるウォール・カーレン役の末野卓磨の3人に作品の見どころなどを聞いた。【チケット情報はこちら】原作は1994年に第1巻が刊行されて以降、累計1200万部を突破した人気作。シリーズ生誕25周年プロジェクトの一環として、2020年には新作テレビアニメの放送も予定されている。今回の舞台は、8月の初演の続編という位置付けだ。初演からの続投キャストが多い第二弾。松本は「前回は前回で、稽古と本番期間を経て、みんなで作った役と関係性がある。その上でさらに新しい登場人物を迎えて物語を作るというのは、なかなかない贅沢な環境で、楽しい」と語る。作品については「長い間愛されている作品なので、キャラクターが魅力的で、世界観も緻密。それゆえに限られた時間がある舞台では、原作を読んでいないお客様にも楽しんでもらえる演劇にしなくてはいけない」と話し、「初参加のキャストに客観的な目線で分かりにくい部分を指摘してもらうことで、初めてのお客様を置いていかないように、みんなで努めている」。花奈は「壮大な世界観を持つ作品だと思う。前回は幼い頃や学生時代の話もあったが、今回はそれぞれが大人になり、ストーリーがおしゃれになった印象」と話す。物語を正確に理解するために、改めて時系列で出来事をまとめたといい、「世界史を勉強しているみたいだった」と笑う。来年からのアニメについても触れ、「アニメよりも舞台が先に上演されるのは稀だし、斬新」。そして、「演出の壱岱さんも、脚本の吉田さんも原作愛を持って臨まれている。絶対に原作ファンも喜んでもらえる作品だし、あまり2.5次元の舞台に馴染みのないお客様でも、舞台に興味を持ってもらえるきっかけになればうれしい」と力を込めた。末野は「悪役も含め、登場人物全員がかわいい」と作品の魅力を語る。「初めてのお客様は、一見、内容が難しいと思うかもしれないが、見ていくうちに“こういうことだったのか”と分かるような仕組みになっている。舞台をきっかけに原作を読みたい、来年からのアニメを見たいという風にもなるかもしれない。何も知らない人こそ、僕は見てほしい」と呼びかけ、「逆に物語を知っている人は舞台でどこまで描き切れているかのか、一緒に楽しんでもらえたら」。公演は12日まで。チケット発売中。取材・文:五月女菜穂
2019年11月07日「ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』“飛翔”」が、11月1日に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて開幕した。古舘春一のマンガ『ハイキュー!!』を原作に、2015年から7作品が上演された演劇『ハイキュー!!』シリーズ。オーディションによって刷新された“新生烏野”キャストが初登場する本作は、春の高校バレー全国大会・宮城県代表の座を掴んだ烏野高校排球部メンバーを中心に、それぞれが過ごす大会前夜までの様子が描かれる。囲み取材には、主人公・日向翔陽役の醍醐虎汰朗をはじめとする新生烏野メンバー11人が揃い踏み。稽古を終えた感触と初日に向けて意気込みを述べた。見どころを尋ねられた醍醐は「シリーズを引き継ぐ覚悟や舞台に懸ける今の思いを、芝居でなく“気持ち”で表現する魂のシーンを受け取っていただけたら」と真摯に語る。影山飛雄役の赤名竜之輔は「初めての芝居で、いろんな方に支えられて初日を迎えます」とコメントし、醍醐の家に居候して稽古場に通った日々を報告。稽古後の定例会でキャストと親睦を深め、信頼関係を育んでいった舞台裏を明かした。過去作に引き続いて脚本・演出を手がけるウォーリー木下は「音楽・美術・映像・振付などを改め、新たな切り口でバレーボールや演劇をお見せします!」と自信を覗かせる。ゲネプロは、新生烏野キャスト全員にスポットライトが当たる多彩なオープニングで幕開け。春高全国大会を控えたある日、セッターの影山に全日本ユース、ミドルブロッカーの月島蛍に宮城県1年生選抜強化合宿への招集がかかる。同じ1年の活躍に焦りを感じた日向は県の強化合宿に押しかけるが、監督からボール拾いを命じられてしまう。雑用の一方で強豪プレイヤーの動きをつぶさに観察し、自身の血肉にしていく日向の成長は、演劇『ハイキュー!!』の主演に起用され、改めてバレーボールの魅力を目の当たりにする醍醐の軌跡に重なる。プロジェクションマッピングや上下可動式のLEDパネルを活用した映像が劇効果を高める演出も健在だが、それ以上に試合や練習シーンにおけるキャストの激しくも軽やかで躍動感あふれる動きや群舞が目立った。上演時間は約150分(休憩含む2幕)。TOKYO DOME CITY HALLでの公演を終えた本作は、11月中に大阪・宮城へ巡演。その後、12月に再び東京・日本青年館ホールへ凱旋する。なおチケットぴあでは、大千秋楽ライブビューイングのチケットを11月16日10:00より発売する予定だ。取材・文:岡山朋代(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会(c)古舘春一/集英社
2019年11月06日大人計画主宰の松尾スズキが2000年に手がけたミュージカル作品「キレイ-神様と待ち合わせした女-」。100年もの間、三つの国による争いが続く“もう一つの日本” を舞台に、少女監禁、戦争、民族紛争などの設定・テーマを織り交ぜながら展開していくスペクタクル作品は、Bunkamura シアターコクーンでの初演後、2005年、2014年にも再演・再々演され、松尾スズキの代表作とも言える存在に。そんな同作が12月より4度目の上演をスタート。キャストには近年ミュージカル界で輝く生田絵梨花や、これが舞台初出演となる神木隆之介など注目の顔ぶれが揃った他、今回は、東京・大阪に加え、松尾の故郷でもある福岡・博多座での上演も。話題性充分な中、福岡公演のチケット発売を前に松尾が来福。今公演への思いを語ってくれた。【チケット情報はこちら】まず故郷でのロングラン公演について、「博多は大学生の頃よく遊んでいた街で、かつては素人演劇のようなものをやっていた場所。そこでこうした大きなカンパニーの芝居を打てるようになるとは思っていなかった」と喜びを見せつつ、今作については、「作ったのは僕が30代後半の頃。初めてシアターコクーンという劇場に進出するということで、今までやったことのないことをやりたい、ミュージカルの概念をぶっ壊したいという思いから、音楽はミュージカル経験のない音楽家に、舞台装置は漫画家に頼むなど、攻めながら作った作品でした。その後、回を重ねるごとに僕自身、ミュージカルの奥深さを知り、どんどん無駄を省きながら、今作は音楽的にもかなり充実した舞台になっていると思います」と続け、さらに「特にオープニングの『ケガレのテーマ』は名曲。日本発のミュージカルのスタンダードナンバーになっていくんじゃないかと思っています」と語ってくれた。キャストについては、「これまでの『キレイ』より、ミュージカル経験のある方が揃ったように思います。生田さんに関しては、橋本じゅんさんが出演した『レ・ミゼラブル』で共演されていて、手垢のついてない演技や素晴らしい歌声に惹かれてお声がけさせていただきました。神木くんは昔から注目していたんですけど、ハリコナという少年の役のフレッシュさが、彼の初舞台というコンディションに合致するのではないかと期待しています」と語り、「うち(大人計画)の俳優たちも博多が大好きで、博多公演と聞くと少しテンションが上がっています(笑)。僕も『やっと来れた』という思い。松尾もこれくらい派手なスペクタクル演出ができるんだということを感じていただけたら」と笑顔で締めくくった。福岡公演は、2020年1月13日(月・祝)から19日(日) まで博多座で上演。チケット発売は11月9日(土)、プレリザーブは11月7日(木)11:00まで受付中。その他、大阪公演も発売中。
2019年11月06日太鼓芸能集団「鼓童」が現在全国を巡演している「鼓童ワン・アース・ツアー2019『道』」が12月22日に東京・文京シビックホールにて最終公演を迎える。公演について、1982年より鼓童に所属する齊藤栄一と、メンバーとなって6年目の地代純に話を聞いた。【チケット情報はこちら】ベルリン芸術祭にて1981年にデビューして以来、世界中でさまざまな公演を行っている鼓童。日本でも石川さゆりから初音ミクまで幅広いアーティストとのコラボや「FUJI ROCK FESTIVAL」への出演、坂東玉三郎との共演など多彩なステージで活躍している。その中でも今回上演される『道』は、前身の「佐渡の國鬼太鼓座」時代(1971~81)を含めた長い歴史の中で継承してきたものを中心に組み立てられたプログラム。齊藤は「鼓童が歩んできた歴史を『道』と言い換えているような内容です。受け継いできたものを自分たちの中で練り直し、若い人たちに渡し続ける作業を、舞台上で表現している」と語る。2015年の初演から4度目となる作品だが、「鼓童の長い“道”の今を切り取ったもの。だから去年と今年も内容は違います」セットリストには、「佐渡の國鬼太鼓座」時代から受け継がれる『屋台囃子』、鼓童結成時に作られた『三宅』、今年の新曲『有頂天』まで並ぶ。齊藤が「僕は“鼓童クラシック”と呼んでいます」と言うようなテイストの楽曲揃いだが、それを今年初めて経験した地代は「“僕が観ていた鼓童の舞台”に立っている感じ」と明かした。「僕は2011年に研修所に入り2013年から舞台に立っているのですが、2012年に坂東玉三郎さんが芸術監督に入られたので、ずっと玉三郎さんのつくるステージに立たせてもらってきました。玉三郎さんのステージは僕らが想像もつかないようなアイデアが満載でしたが、そういう新たな体験を経ても『道』のような公演に戻ってこられるのが鼓童の強さ。こういう公演があるから、僕らはいろんな挑戦ができるのだと改めて感じています」不変的な太鼓の魅力を真っ直ぐに伝えながらも、毎回、表現の新しさや広さに驚かされるのが鼓童のステージ。真逆のようなことがなぜできるのか。「『変化していこう』と思ってやっているわけではないのですが、伝統芸能って“伝統”になった時から衰退する。歌舞伎なども、常にその時その時の世のニーズを取り入れながら何百年と続いてきた世界だと思います。鼓童も当たり前に“今”に順応しながら続けていきたいです」(齊藤)鼓童ワン・アース・ツアー2019『道』は12月18日(水)から22(日)まで東京・文京シビックホール 大ホールにて上演。取材・文:中川實穂
2019年11月06日2020年1月から2月に『デスノートTHE MUSICAL』がオール新キャストで上演される。死神リュークを演じる横田栄司に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「名前を書かれた人間は死ぬ」という“死のノート”を巡る物語を描き、世界中で読まれる漫画「DEATH NOTE」(原作:大場つぐみ・漫画:小畑健)。このミュージカル版は、音楽をフランク・ワイルドホーン、音楽監督をジェイソン・ハウランド、そして演出を栗山民也という世界的コラボレーションによって2015年に初演された。それから再演、海外公演を経て、今回は3年ぶり、オール新キャストでの上演となる。名だたる演出家の作品に出演し、その中でも特に蜷川幸雄演出作品、シェイクスピア作品に多く出演してきた横田だが、本作に向けて「とてつもなく大きな不安と、それを超えるほどの楽しみと燃える気持ち、それがせめぎ合っているところです」と笑顔で語る。不安とは「ミュージカルに不慣れだということ」、楽しみとは「新しい時代に、新しい人たちと、新しい『デスノート THE MUSICAL』をつくること」だと言い、「これまでを超えるというよりは、これまでとはまた別のいいものにしたい。きっと栗山さんも前作をなぞるようなことはしないでしょうしね」と意気込んだ。物語については「まずやっぱり“名前を書くと人が死ぬ”というルールは衝撃的でした。それによって正義というものがわからなくなり、誰がヒーローなのか悪なのかもわからなくなる。そういう曖昧さが面白かったし、新しい怖さになっていた」と話し、「面白い構造だと思うんです。原作漫画は作者…つまり“人間”が描いているわけで。要は、“死神”も人間がつくりだしたものですよね。でも、この作品に描かれている“人間”の、秘めた暴力性、他者への接し方、距離感…そういうもののほうが悪魔(死神)的に感じる。逆に“死神”のほうはどこか人間的で。むしろ大きな力や既得権益に捉われない、自由で理想的な姿に見える。そこが薄気味悪い」と横田ならではの読み。そんな物語の中で、自身が演じる死神リュークは「退屈しのぎで人間を使って遊んでいる。シェイクスピア作品に出てくる貴族たちに似ているなと思いました。金持ちで、暇で、やることがない。それで誰かをいじめて楽しむ悪趣味な貴族。だけど僕は、リュークに対して“わかるよ”という気持ちがあるんですよ。自分はこんなふうには絶対になれない。だからそのぶん痛快にも感じる。“もっとやれ!”という気持ちになるときもあります(笑)。でも、お客さんにもそう思ってもらえたら嬉しい」。「これまでのリュークを汚したくない、だけど超えたい欲もある」と明かした横田の死神リューク、そして『デスノートTHE MUSICAL』を楽しみに待ちたい。『デスノートTHE MUSICAL』は1月20日(月)から2月9日(日)まで、東京・東京建物ブリリアホールにて。その後、静岡、大阪を巡演。取材・文:中川實穂
2019年11月06日ロシアのオペラの殿堂マリインスキー歌劇場が11月に来日するのを記念し、チャイコフスキー作曲「スペードの女王」を楽しむための記念講演会が11月4日に開催された。登壇者は、ロシア文学者の鳥山祐介東京大学 大学院准教授、同劇場の劇場芸術総監督ワレリー・ゲルギエフとも親交が深い、元NHKモスクワ支局長の小林和男。【チケット情報はこちら】同オペラは1890年12月にサンクトペテルブルクで初演されたオペラだが、ロシアの最も偉大な文学者で詩人のプーシキンによる小説が原作。ナポレオン戦争(1912)、デカブリストの乱(1825)を時代背景に、カード賭博にとり憑かれていく士官・ゲルマンの姿を描く。鳥山氏が主に語ったのは原作小説とオペラの共通点や相違点について。さらに主人公の運命を左右するのがトランプ賭博であるという点にも着目。特にこの賭博の勝敗が運に大きく左右される性質のものであることに触れ「当時の閉塞的な社会にあって、このトランプ賭博は運命への挑戦という意味合いを強く持っている」と解説。「チャイコフスキーが自身の解釈により原作に独自の意味を付け加えた作品。チャイコフスキーの数々の作品でも、運命は重要なモチーフとなっている。(原作が描く)賭博の持つ運命という性質を意識的に引き継いでいる」と解説した。一方、小林氏はゲルギエフの人物像について紹介。小林氏がゲルギエフに初めて会ったのはソ連が崩壊した翌年、1992年の10月。当時、30代でマリインスキー劇場の芸術監督だったゲルギエフは初対面で小林氏に「お前を知っている」と声を掛けたのだとか。小林氏は、ソ連時代からロシア語を操り、ゴルバチョフに直球の質問をぶつけて取材をしており、ゲルギエフはそれを見て「面白い質問をするジャーナリストがいる」と認識していたそう。すぐに打ち解けたゲルギエフに小林氏は、国家の混乱の中で文化が崩壊する懸念を伝えると、彼は「政治や経済がダメになって、一緒にダメになるようなものは文化とは言わない。本物の文化によってロシアを再生させてみせる」と言い放ったという。またゲルギエフの“育成家”としての側面も紹介。以前から小林氏に対し「あの子に注目しておけ」と無名の若き才能についてたびたび言及していたとのことだが、そんな彼が日本人ピアニスト藤田真央の名を注目の存在として挙げたという。「若い力を育てるのが自分の仕事だというのが彼の信念であり、真央くんを育てるべき才能のトップに据えている」と明かした。聴講者から、ゲルギエフとプーチン大統領の関係について質問された小林氏は「2人は仲がいい」と明かし「プーチンは文化に根差した強い国、国民が信頼する国を作ろうとしている。それは私の考えと同じ」というゲルギエフの言葉を紹介した。歌劇「スペードの女王」は11月30日(土)、12月1日(日)、東京文化会館にて上演。取材・文:黒豆直樹
2019年11月06日鴻上尚史が作・演出、中山優馬が主演を務めるKOKAMI@network vol.17「地球防衛軍苦情処理係」が現在上演中。その公演レポートをお届けする。【チケット情報はこちら】本作は、定期的に怪獣の襲撃を受けるようになった近未来の地球を舞台に、人類を守るために創設された地球防衛軍……の「苦情処理係」に集まる人々を描いた新作。主人公で苦情処理係の新人・深町を演じるのは、鴻上と2度目のタッグとなる中山優馬。その同期・遠藤を原嘉孝(宇宙Six/ジャニーズ Jr)、先輩・竹村を矢柴俊博、同期・日菜子を駒井蓮、上司・瀬田を大高洋夫が演じる。苦情処理係は、地球防衛軍が怪獣と戦うことで被害を受けた住民達から出る「家が地球防衛軍のミサイルでやられた。弁償してほしい」などのクレームを処理することが仕事。日々対応に追われるメンバーは、時に内容に疑問を感じつつも、人のためになると信じてクレームを受け続ける。ある日、地球防衛軍が苦戦する怪獣の前に謎の巨大生物が現れる。後に「ハイパーマン」と命名されるその巨大生物は戦って怪獣を追い払うが、その巨大さゆえに戦いの中で建物や人に被害が及び、「迷惑」というクレームが殺到する。地球のために戦ったハイパーマンへの感謝もリスペクトもない声に日菜子は激怒。深町にある計画を持ちかける――。開幕前の囲み取材で鴻上が「今は、SNSなんかでみんなが正義の使者になっているというか、 みんなが自分を主張する時代になったなと感じたのが始まり」と話したストーリー。本作でも、登場人物たちの語る正義はそれぞれが理解できるもので、けれどその全てを通すのは現実的に不可能なものでもある。劇中の応酬に「じゃあどうすればよかったの?」と思わずにはいられない、けれど覚えのあるやり取りだ。とはいえシリアスな作品というわけではなく、怪獣の戦闘シーンは演劇の楽しさ満載で、今回は多めだというダンスシーンも華やか。職場のシーンはやり取りが面白く、恋のシーンはロマンチック。登場人物ひとりひとりが生き生きとしていて、彼らを見ていると、人は浮かれもすればヤケクソにもなる生き物で、それが言動に直結するということをやさしく思い出せる。けれどその“一時の感情”から生まれる言動こそ世のクレームの対象になりがちなのだ。では正義とは何なのか?真実とは?愛とは?エゴとは?彼らの迷いはどう結着するのか、ぜひ劇場で確認してほしい。公演は11月24日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA、11月29日(金)から12月1日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。取材・文:中川實穗
2019年11月06日東京国際フォーラム・ホールCにて11月9日(土) 10日(日)、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて11月11日(月)に開催される「舞台フラメンコ~私の地アンダルシア」。本公演のリハーサルレポートが到着した。【チケット情報はこちら】世界一に輝いた日本人フラメンコダンサーSIROCO(シロコ)と現代フラメンコ界を代表するJUAN DE JUAN(ファン・デ・ファン)による【舞台フラメンコ~私の地 アンダルシア】が11月9日(土)、10日(日)東京国際フォーラム・ホールC、11日(月)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて開催される。公演を1週間後に控え、ファン・デ・ファンが来日。ファン・デ・ファン(以下、ファン)が来日公演を行うのは2013年以来6年ぶり。今回は、由緒あるスペインのフラメンコ国際コンクール、第23回「アニージ ャ・ラ・ヒターナ・デ・ロンダ」で日本人男性舞踊手として初優勝を果たした盟友SIROCOとの共演。ファンは取材日前日の11月1日に来日。到着後に早速、大好きな寿司を食べて英気を養ったそうだが、時差ボケもあり、昨晩はほとんど眠れなかったという。しかし、今回にかける意気込みは相当なもので、側から見ていても非常にモチベーションが高い。この日はファンによる、バイレ(群舞)5名の演技指導。事前に練習してきたものを、ひと通り踊った後に、修正を加えていく。日本人ダンサーのレベルの高さに満足感を示しつつも、完璧主義者のファンらしく、口でメロディとリズムを刻みつつ、細部に渡るまで細かい指導を行う(本公演で彼は音楽監修も務めている)。素人目にもステップが非常に難しいのだが、そのステップが極まると確かに心地良い。納得いくものができた際に「!Ese!(それだ!)」とそれぞれに声をかけているのが印象的だった。ファンがソロを踊る場面はなかったものの、演技指導で見せる、複雑かつ、力強くも、正確なステップは、それだけとっても、嘆息ものの素晴らしさ。本番に期待感を抱かせつつこの日のリハーサルは終了した。カンテ(歌)、ギター、パーカッションといったフラメンコに欠かせない各パートを務めるスペイン人の来日もまもなく。スペイン×日本による一流アーティスト総勢14名で紡ぐ「舞台フラメンコ~私の地 アンダルシア」。ぜひ、期待したい。大阪公演は、完売。東京公演のチケットは、ぴあにて販売中。
2019年11月06日