更新日:2023/01/26
生命保険は2社以上の複数加入は可能?入れる上限は何社まで?
生命保険に複数加入することは可能なのでしょうか?また、複数の生命保険に加入することでメリットやデメリットがあるのでしょうか?今回は生命保険の複数加入する場合の上限や、メリット・デメリット、複数加入する際の注意点について解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 生命保険は2社加入など複数契約可能!注意しなければならない点も
- 生命保険に複数加入することはできるが、受け取れる保険金には上限がある
- 生命保険を複数社で契約することのメリット
- 生命保険を複数社で契約することのデメリット
- 生命保険に複数加入する場合の注意点!損をする可能性がある
- 生命保険の複数加入がおすすめな人はどんな人?
- 生命保険に複数加入していて見直しが必要なケースは?タイミングを解説
- 生命保険に複数加入している場合、年末調整や確定申告で合算できる?
- 生命保険に複数加入している場合、保険金の請求手続き方法は?
- 生命保険に複数加入する場合の選び方とおすすめの組み合わせ
- 参考:生命保険の契約者・受取人は誰にしたら一番節税できる?相続税とは?
- まとめ:生命保険に複数加入することは可能だが、保険金の上限に注意
生命保険は2社加入など複数契約可能!注意しなければならない点も
- 生命保険の複数契約は可能だが受け取れる保険金には上限額がある
- 生命保険に複数加入のメリットは破綻リスクの分散、保障のいいとこ取りなど
- 生命保険に複数加入のデメリットは保険料が高額、手続きが面倒など
- 生命保険に複数加入するのなら定期的に保障見直しと保障内容を把握する必要がある
- 複数の保険に加入している場合、保険料の控除には上限がある
- 複数の保険に加入している場合、保険金請求はそれぞれの会社に請求する
- 生命保険に複数加入するなら、世帯のリスクと保障内容を考慮して検討する
生命保険は2社加入するなど、複数契約することが可能です。
しかし、複数加入することでメリットもありますが以下の事に注意が必要です。
- 受け取れる保険金には上限がある
- 保険料控除の上限を超える可能性がある
- 保険内容を理解していなければ保障内容が重複することもある
これらを理解した上で複数の保険契約をしなければ損をすることもあります。
具体的にどのような事に注意する必要があるのか見ていきましょう。
複数の生命保険の加入を考えているなら、無料保険相談で保険のプロに話をきくのがおすすめです。今ならスマホ1台で無料オンライン相談できて、保険の悩みはそこですぐに解消。
生命保険に複数加入することはできるが、受け取れる保険金には上限がある
複数の生命保険に加入することは可能です。
生命保険に複数加入している場合、万が一の事が合った時は加入しているすべての保険会社から保険金を受取ることは出来ます。
ただし、ここで注意したいのが必ず保険金全額を受取ることができない可能性があるという点です。
その理由は、一般の人が何社もの保険に加入し、何億もの生命保険をかけることができると保険金目当ての事件が発生する可能性があるためです。
保険金を受取ることが出来る上限額は保険会社により異なりますが
- 職業 …ケガや死亡リスクが高い職業ではないか
- 年齢 …15歳未満の未成年ではないか
- 年収…年収に見合った保険額か
年収は例えば年収360万円なら5400万円までなど、受取人の年収により上限が異なります。
年齢は15歳未満の場合は上限額は1,000万円です。
職業は死亡、ケガのリスクによって異なり上限額は
職業 | 保険金 |
---|---|
潜水士 | 3,000万円 |
高所作業職 | 3,000万円 |
トラック運転手 | 5,000万円 |
また、生命保険会社は保険会社同士の専用ネットワークを持っているためどこの保険会社にいくらの保険金をかけているのか?という事は分かります。
生命保険を複数社で契約することのメリット
死亡保険金には上限があり、契約している保険会社から保険金全額を受け取る事ができない事がわかりました。
では、全額保険金を受け取る事ができないのに複数の生命保険会社に加入するメリットとは何なのでしょうか?
ここからは、生命保険を複数社契約することのメリットについて解説していきます。
メリット①保険会社の破綻リスクを分散することができる
生命保険は一度契約をするとその後は何年、何十年と長い付き合いになります。
しかし、自分が加入した保険会社の財務状況が加入時は良くても数年後にどうなっているかは分かりませんよね。
万が一、加入した保険会社が破綻してしまった場合すぐに他の保険会社が引き継ぎをしてくれなら大きなダメージはありませんが、引き継ぐ会社がなければどうなるでしょう?
どの会社も引き継ぎをしてくれなかった場合、最悪の場合そのまま保険の契約が解消されて保障が無くなってしまうリスクがあります。
メリット②希望する保障を組み合わせることができる
2つ目のメリットは、複数の生命保険を契約することで足りない保障を補うことができるからです。
例えば、
- A社…死亡時は全額死亡保険を払う
- B社…死亡時だけでなく介護状態でも保険金を払う
- C社…解約返戻金がどこの会社よりも多い
この場合「A社だけだと不安」という場合もありますよね。
しかし複数の保険を契約していれば、それぞれの足りない部分を補う事ができ、無限に自分の好きなように保障を組み合わせることができます。
メリット③保険の相談をする相手が増える
ひとつの保険会社だけと契約をしていると、保険やお金に関する相談相手は契約をしている保険会社の人のみになります。
しかし、複数の保険会社と契約をしていれば相談相手が増えます。
さらに「A社はこんな事をアドバイスしてくれたけどB社は他の方法がある事を教えてくれた」など、様々な情報や意見を聞く事ができますよね。
色々な意見が聞ける事で知識や選択肢を広げる事ができるのは大きなメリットといえるでしょう。
生命保険を複数社で契約することのデメリット
生命保険を複数社、契約することでこのようなデメリットもあります。
- 支払い、満期時の手続きが複雑
- 保険料など支払い負担が増える
- 保障内容が重複することがある
などがデメリットとしてあげられます。
詳しくみていきましょう。
デメリット①支払いや満期時の手続きが複雑になる
複数の保険会社と契約することで、保険金や給付金の申請時に支払い手続きが複雑で面倒になるというデメリットがあります。
例えば、病気で入院し入院給付金を申請する場合、加入している保険会社に診断書を発行してもらい、保険会社に必要書類を提出するなどの手続きが必要です。
全ての保険会社が同じ請求方法ならいいのですが、会社によって手続き方法が違うため複雑に感じる方も多いです。
また、死亡した場合は遺族が保険金の請求をしなければなりません。
故人をなくしたばかりの状況で各保険会社への手続きなど心労も重なり大変な思いをさせてしまいます。
デメリット②保険料や診断書費用などの支払いの負担が増える
複数の保険会社と契約をしていると、契約している分だけ保険料がかかります。
また、保険の契約時などに医師の診断書が必要になる場合がありますし、死亡時は死亡診断書が必要です。
診断書のコピーで問題ない場合もあるのですが、「原本が必要」と言われるケースもあり、その場合は診断書を複数取得しなければならず費用もかさみます。
デメリット③保障内容が重複する可能性がある
保険会社に複数契約をしていると、既に加入している似たような保障内容の保険を勧められ保障内容が重複してしまう可能性があります。
そのため、自分は今どのような内容の保険に加入しているのか?を把握しておく必要があります。
加入している保険が多ければ多いほど、保障内容を把握しなければならないというデメリットもあります。
生命保険に複数加入する場合の注意点!損をする可能性がある
生命保険に複数加入することで、保険料控除の上限を超え控除の対象外になるなど損をしてしまうため注意が必要です。
ここからは、生命保険に複数加入する場合の注意点について解説していきます。
保険料控除の上限を超える場合がある
生命保険料控除とは、1年間払った保険料の金額により、保険を支払った人の所得税と住民税の負担が軽減される制度のことです。
生命保険料控除制度には限度額があり、限度額は新制度と旧制度により異なります 。
2012年1月1日以降の契約(新制度)の控除限度額
控除限度額 | |
---|---|
一般生命保険料控除 | ・所得税…4万円 ・住民税…2.8万円 |
介護医療料控除 | ・所得税…4万円 ・住民税…2.8万円 |
個人年金保険料控除 | ・所得税…4万円 ・住民税…2.8万円 |
3分野を合計した全体の控除限度額 | ・所得税…12万円 ・住民税…7万円 |
2011年12月31日以前の契約(旧制度)
控除限度額 | |
---|---|
一般生命保険料控除 | ・所得税…5万円 ・住民税…3.5万円 |
個人年金保険料控除 | ・所得税…5万円 ・住民税…3.5万円 |
2分野を合計した全体の控除限度額 | ・所得税…10万円 ・住民税…7万円 |
例えば旧制度契約で一般生命保険料11万円、個人年金保険料11万円支払った場合、
5万円(一般生命保険控除額)+5万円(個人年金保険料控除額)=10万円
となるため全体控除額は10万円となります。
複数の保険を契約している場合、これらの保険料控除の上限額を超える可能性があります。
保障内容が重複する可能性がある
複数の保険に加入していると、似たような保障内容の商品も多いため保障内容が重複してしまう可能性があります。
例えば、夫、妻、子供の3人の家族がA社とB社の保険に加入したとします。
- A社…家族全員のケガによる医療費を無制限に保障
- B社…妻のケガをした時に最大100万円の医療費を保障
妻がケガをした場合A社にもB社社にもケガの保障がありますが、A社は無制限に保障されるためB社の保険は必要無いことがわかります。
このように、保障内容が重複することで保険料の無駄が発生するという点にも注意しなければなりません。
このような保障の無駄が発生しないように、保険の複数加入をする場合は保険のプロに相談し、確認することが必要です。
複数の生命保険の加入で悩んでいるなら、無料保険相談で保険のプロに話をきくのがおすすめです。今ならスマホ1台で無料オンライン相談できて、保険の悩みはすぐに解消されます。
生命保険の複数加入がおすすめな人はどんな人?
生命保険に複数加入することで、様々なメリット・デメリットがあることが分かりました。
では、ここからは具体的に
- 生命保険の複数加入がおすすめな人
- 生命保険の複数加入がおすすめできない人 について
解説していきます。
生命保険の複数加入がおすすめな人
生命保険に複数加入するのがおすすめな人は
- 保障の目的が明確な人
- 管理が得意な人
- 金銭的に余裕がある人
- 節税対策をしたい人
などが挙げられます。
自分はどのようなリスクに備えたいのか?など目的が明確で、さらに加入している保障内容もしっかりと把握出来る人であれば複数の保険に加入するのがおすすめです。
また、生活状況が変わった時などマメに保険の見直しが出来る人、給付金の手続きなどが苦にならないなど管理が得意な人も複数加入に向いています。
生命保険の複数加入がおすすめできない人
生命保険に複数加入はおすすめできない人は
- 保険に加入する目的がはっきりしていいな人
- 管理が苦手な人
- 金銭的に余裕がない人
万が一に備え、あれもこれもと保険に加入していれば保険料も高くなりますし、契約時や保険金請求時の手間も大変です。
そして、管理が苦手な人は自分がどのような保険に加入しているのか把握できず保障内容が重複しやすく、保険の見直しも面倒に感じてしまう可能性があります。
生命保険に複数加入していて見直しが必要なケースは?タイミングを解説
生命保険に複数加入した場合も、保障内容の見直しが必要になることがあります。
ここからは
- 複数の生命保険に加入していて見直しが必要なケース
- 保険内容の見直しをするタイミング
について解説します。
ケース①一つの生命保険でも保障が十分だと感じたとき
複数の保険に加入することで、幅広い保障を得る事ができ万が一の時も安心できるだけでなく、保険会社の営業員などから様々な情報を得る事ができます。
しかし、長く保険契約をしている間に「これ以上情報は不要」「幅広い保障を受ける必要がなくなった」などの変化があった場合、複数の保険に加入しているメリットが薄れます。
そのため、複数保険に加入するメリットが薄れたと感じた時は、保険の解約や自分にあった保障内容をもう一度確認し不要なものは切り捨てるなどの見直しが必要です。
ケース②手続きや保険料などの負担を重く感じたとき
複数の保険と契約をしていると
- 保険料が高い
- 管理が面倒
- 入院時や死亡時など保険金請求時の手続きが困難
- 国税庁の調査対象になる
など、契約時には気にならなかった事が時間の経過とともに気になったり、負担になりがりです。
これらのことが負担に感じ始めた時は、負担を軽く出来るよう保険の見直しをしましょう。
ケース③生活状況が変わったとき
結婚、出産時、退職時など生活環境に変化があった時は保険の見直しをしましょう。
例えば、子供がまだ小さな頃に必要な保障(死亡時の保障や子供の教育費など)に必要な保障と、子供が成人したり定年退職後に必要になる保障や必要な金額は変わります。
得に複数の保険を契約している場合は、生活状況が変わればそれに合わせた保障にするなどマメな見直しが必要です。
複数の生命保険の見直しをするなら、無料保険相談で保険のプロに話をきくのがおすすめです。今ならスマホ1台で無料オンライン相談できて、保険の悩みはその場で解消されます。
生命保険に複数加入している場合、年末調整や確定申告で合算できる?
複数の生命保険に加入している場合、年末調整では
- 給与所得者の保険料控除申告書
- 生命保険料控除証明書
が必要で、複数保険に加入している場合は加入している保険の件数分の「生命保険料控除証明」を記入する必要があります。
控除額は「一般用」「介護用」「個人年金用」の3分野の金額により決められており、複数保険に加入している場合は3分野を支払いの多い順に並べて記載します。
「生命保険に複数加入する場合の注意点!損をする可能性がある」でも解説しましたが、控除額には上限があるためそれぞれの保険料が上限額を超える場合は、あとは書く必要はありません。
生命保険に複数加入している場合、保険金の請求手続き方法は?
複数の保険に加入している場合、保険金の請求はそれぞれの保険会社に請求しなければなりません。
保険金請求の手続き方法・流れは
- 保険会社に保険金・給付金の請求理由が発生したことを知らせる
- 保険会社が請求に必要な書類を送付
- 請求に関する必要書類を保険会社に提出
- 保険会社から保険金・給付金の支払い
- 保険金受け取り後、保険会社から支払明細が送付される
連絡は保険会社、保険代理店、加入している保険会社の担当者に連絡してください。
保険会社に連絡をした際、
- 保険証券番号
死亡保険金請求の場合は
- 亡くなった原因
- 入院の有無
給付金の請求の場合は
- 手術名
などを聞かれますので、分かるようにしておきましょう。
生命保険に複数加入する場合の選び方とおすすめの組み合わせ
生命保険に複数加入している場合、どのような選び方をするといいのでしょうか?
ここからは、複数の生命保険に加入する場合の
- 保険商品の選び方
- おすすめの保険組み合わせ
について解説していきます。
保険商品の選び方
保険には
- 終身保険
- 定期保険
があります。
終身保険は一生涯保障が続き、保険料も一定です。
解約した時は解約返戻金で、これまで支払ってきた一定の保険料が戻ってきます。
そして定期保険は一定期間だけ保障され保険料は更新するたびに変わります。
保険を解約しても解約返戻金はありませんが、終身保険よりも保険料が低額で保障額が手厚いのが特徴です。
複数の保険に加入する場合は、まずこの違いを知り世帯に合わせたリスクを確認します。
「死亡時の保障を手厚くしたいのか?」
「老後の保障を手厚くしたいのか?」
「保障期間はどのくらい必要なのか?」などを考え選ぶ必要があります。
(例)独身の場合:終身保険+医療保険
独身の場合は、死亡保障はそれほど必要ないと考えられています。
そのため、一生涯続く終身保険で自分の葬儀費用200万円~500万円+医療保険の組み合わせがおすすめです。
医療保険や死亡保険は、年齢が若い時に加入したほうが保険料が安いため、年齢が若いうちに終身保険に加入し、結婚して子供ができたら死亡保険に定期保険をプラスするとよいでしょう。
(例)既婚(子供あり)の場合:終身保険+定期保険+医療保険
既婚で子供がいる場合は、万が一の時に家族が困らないよう死亡保険は保障額の大きなものを選びます。
定期保険の場合は、大きな保障額でも毎月の保険料はそれほど高くありませんので家計を圧迫する心配はありません。
また、死亡時と同様に家族がいる場合は万が一病気やケガで長期間の治療が必要になった時の備えも必要ですので、医療保険にも加入する必要があります。
終身保険は金銭的に余裕のある場合は少額のものでもいいので加入しておくと安心です。
参考:生命保険の契約者・受取人は誰にしたら一番節税できる?相続税とは?
相続税とは、故人が死亡した際に財産を引き継いだ人に対して課税される税金のことです。
相続税の対象となるのは
- 不動産(土地や建物など)
- 金融財産(現金、株式、投資信託、預貯金など)
- その他(自動車、家具、著作権、保険金など)
などがあり、保険金も相続税の課税対象となっています。
また、保険金受取人を誰にするのか、契約者は誰なのかによって税金の取り扱いが変わるため注意が必要です。
- 契約者=被保険者(例)契約者が夫、被保険者も夫で保険金受取人が妻の場合…相続税
- 契約者=保険金受取人(例)契約者が夫、被保険者が妻、保険金受取人が夫の場合…所得税
- 契約者≠被保険者≠保険金受取人(例)契約者が夫、被保険者が妻、保険金受取人が子供の場合…贈与税
そして、保険金の受取人を誰にするのかによっても課税額が変わります。
1~3の中で課税対象額が少なくできるのは1の相続税です。
生命保険金には非課税財産という相続税が課税されない財産があり、一定条件を満たした保険金は非課税となります。
非課税限度額は
非課税限度額=法定相続人の数×=500万円
法定相続人1人あたり500万円までは非課税になります。
例えば、2000万円の死亡保険金がある場合、妻、子供2人の家庭なら
500万円×3人=1500万円
1500万円が非課税で、500万円が課税対象となります。
まとめ:生命保険に複数加入することは可能だが、保険金の上限に注意
生命保険の複数加入の上限やメリット・デメリットなどについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは
- 生命保険の複数契約は可能だが受け取れる保険金には上限額がある
- 生命保険に複数加入のメリットは破綻リスクの分散、保障のいいとこ取りなど
- 生命保険に複数加入のデメリットは保険料が高額、手続きが面倒など
- 生命保険に複数加入するのなら定期的に保障見直しと保障内容を把握する必要がある
- 複数の保険に加入している場合、保険金請求はそれぞれの会社に請求できる
でした。
複数の生命保険に加入することで、足りない保障を補い幅広いリスクに備える事ができますが、保険の組み合わせや税金に関することなと注意点も多くあります。
そのため、まずは保険のプロにどのような組合わが適しているのか?などを相談しましょう。