生命保険の保険金に上限・通算限度額はある?生命保険料控除の最大額についても解説

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生命保険に加入するときや見直すときに、「いくらまで保険金をかけるられるのか?」ふと疑問に思うことはないでしょうか。

実は保険金には上限金額がありますその金額は保険会社により定められていますが、人それぞれ上限金額が異なります。

この記事では「生命保険にかかわる上限限度額の疑問について」以下の視点から解説しています。
  • なぜ生命保険には上限金額が設定されているのか
  • 生命保険の上限限度額を決める大きな3つのポイント
  • 高額な生命保険に加入するときの注意点
  • 生命保険料控除の限度額と計算方法
ぜひこの記事を読んで、保険に関する上限金額の知識を身につけ保険を心強い味方にしましょう。

内容をまとめると

  1. 生命保険の上限金額は保険会社だけではなく契約者同士の損失からも守るために必要な制限
  2. 高額な生命保険の契約には、モラルリスクも高くなり、審査基準が通常よりも高くなる
  3. 高額な保険料を支払いつづける必要があるため、契約者に支払能力がない場合は、保険金の減額や保険契約ができない場合もある
  4. 支払った保険料に応じて生命保険料控除が受けられる
  5. 生命保険控除は新制度・旧制度があり、それぞれ上限金額・計算方法が異なる
  6. 生命保険控除とふるさと納税をあわせて利用する場合は、所得金額に影響があるため注意が必要
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生命保険(死亡保険)の保険金には上限・限度額がある


生命保険(死亡保険)の保険金には限度額があります。

各保険会社が設定する上限限度額以上の生命保険に加入することはできません


上限限度額は、わたしたち保険加入者を守ることや保険会社を守るために必要な制限です。高額な保険金の契約は、保険契約者にも保険会社にとってもリスクが生じます。


以下では

  • 上限限度額はなにか?
  • なにがリスクになるのか?

について説明します。

生命保険の加入限度額とは?

加入限度額とは支払限度額、保険金限度額、限度額などとも呼ばれています。


保険には、契約者が支払う保険料と不測の事態があった場合に保険会社から支払われる保険金があります。


どちらも無制限に支払ったり支払われたりするものではありません


各保険会社によって基準があり、一定ではないものの、その基準によって上限額以上の保険料や保険金の支払いは制限されています。

保険金が高くなると詐欺や殺人などの危険(モラルリスク)が高まる

モラルリスクとは生命保険制度の悪用や道徳的な危険を意味します。

契約者が不正に保険金を受けとるリスクです。


例えば、保険金を目的とした、殺人・自殺・虚偽が考えれれます。


保険会社は高額な保険金の支払いを防ぐため、保険金詐欺や殺人、不正な相続などに生命保険金が利用されないよう注意をはらっています。現在は犯罪防止のため、法定相続人は2等身以内の血縁者に限定されています。


また保険会社が高額な保険金の支払いをすることは、保険契約者にとっても悪影響となります。保険料として支払っているお金が不正に利用されることは、保険契約者同士にとっても損失です。


モラルリスクが高い契約に対する制限は、不正な保険金の支払いを未然に防ぎ、結果として保険加入者全体を守ることにつながります

保険金が高くなると支払わなければならない保険料も上がる

額な保険金の生命保険を契約する場合、月々支払う保険料も高くなります。


たとえば年収300万円の人が1年間に200万円の保険料をはらっていたとしたら、日常生活に支障ができることが容易に予想されます。


高い保険料の支払いのために生活維持が困難になり、保険契約者の健康状態や資産に悪影響が出ないよう、保険会社は保険料に制限をかけます。


保険会社の基準により、契約者が保険料を支払えないと判断した場合はその保険に加入できません。


もし保険料の支払いが滞ってしまう場合は、解約返戻金を担保にする契約者貸付制度を利用することもできます。

終身保険などの「積立型」保険には解約時に支払われる「解約返戻金」があります。契約者貸付制度は、「解約返戻金」を担保にお金を借りることができる仕組みです。


保険金の前借りに近い仕組みで、審査なしで借りることができます。


一方で、本来もらえるはずの保険金から、借りた金額・利子などを相殺されることや、返済が滞った場合は保険契約解除の要因になります。

将来のために貯蓄していたお金を切りくずすことになるため、慎重に利用しましょう。

生命保険の保険金最高額を決める3つの要素

生命保険に加入する場合は保険会社による審査があります。


保険会社は審査により、保険加入者の不測の事態に対するリスク=保険金支払いのリスクを判断します。


保険はたくさんの人が保険料を支払い、万が一の事態が起こってしまった人に保険金を支払う仕組みです。そのため、加入者同士の公平性を確保することがとても重要です。


加入者は保険会社の審査によって、保険金の上限限度額が定められます。


上限額を決めるポイントは以下の3つです。

  • 健康状態
  • 職業
  • 年齢

それぞれの基準についてくわしく説明します。

①健康状態

保険会社による健康状態の審査は、保険加入者間に公平性をたもつためにとても重要です。


以下のように、契約者の健康状態への質問があります。

  • 身長・体重
  • 病歴
  • 健康診断や人間ドックの結果
  • 妊娠の有無

身長・体重からBMI指数を算出し、太り過ぎや痩せすぎの場合は保険に加入しにくくなる場合があります。


女性の場合は、現在・過去の妊娠についても問われます。


申告方法は「告知書に記入」のみと、「健康診断書や人間ドックの結果」が必要な場合があります。


健康状態によっては、保険への加入ができないことや、条件の変更や保険料を上げて保険に加入するなどの措置が取られます。

②職業(年収)

死亡や怪我のリスクが高い仕事をされている方は、保険に加入できない、もしくは制限がかかる場合があります。


例えば、格闘技の選手やスタントマン、消防士やトラックの運転手などです。


同じ年齢でくらべた場合、デスクワークで1日を終える人と1日中トラックを運転してる人では危険にあう確率がどちらが高いかすぐにわかります。


リスクの高い職業についている場合は、複数の保険会社に分けて加入をすることでより手厚い保障を持つことができます。


またスカイダイビングなどの危険なスポーツを趣味にしている場合も、保険金の制限がかかることがあるので、契約の際はしっかりと確認しましょう。

③年齢

「保険は若いときに加入したほうがいい。」どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。


死亡・病気・ケガのリスクは、年齢とともに上昇します。保険料の算出において、年齢は重要な判断基準となります。


また「保険年齢」と呼ばれる保険契約時の年齢を示す言葉があります。


契約時点で、加入者の満年齢を適用する保険会社もあれば、誕生日から6ヶ月をすぎた場合は実年齢より1歳年上になる計算をする保険会社もあります。プランにより1歳の差によって、支払う保険料に大きな差が出ることもあります。


契約時には「保険年齢」に注意しましょう。

参考:未成年(15歳未満)の「通算限度額」は1,000万円

15歳未満の保険金の上限金額は「1,000万円」です。


この「1,000万円」は複数の保険会社や保険を契約していた場合も含む通算限度額です。通算とは合計額を指します。


例えば、保険会社Aで保険金800万円の保険に加入していた場合、保険会社Bでは200万円までの保険金しか設定できません。


気をつけたいことは子供の「学資保険」です。


「学資保険」は死亡保障がついているものがあります。


たとえば、すでに保険会社AとB、2社から通算限度額1,000万円の保険に加入している場合、死亡保障がついている「学資保険」には新たに加入できません。


15歳未満の保険金の上限金について、金融庁から保険法の改正案が2008年に発表されています。未成年者の一番の心配ごとは「モラルリスク」が高いことです。


つまり保険金を目当てにした事件・事故を防ぎ子供を守ることが目的です。

高額な生命保険金を設定する場合に注意してほしいこと

高額な生命保険金には、さまざまなリスクがあります。

  • 加入者の職業・健康状態
  • 高額な保険金を支払う損失
  • 保険金の不正取得の可能性
高額な保険金を契約する場合、上記のようなリスクが考えられます。

これらのリスクは保険会社だけではなく、契約者同士の公平さにも影響します。

ひとつひとつのリスクを低くするため、高額な保険金に加入する場合はいくつか注意が必要です。

注意点①:告知書の提出が必須になる

告知書は、加入者の健康状態や職業を生命保険会社に伝えるための書類です。


加入者同士の保険料の負担を公平に保つため、保険会社がリスクを把握するために必要な手続きです。また加入時から健康状態が悪い人や危険度の高い職業についている人が無条件で契約することを未然に防いでいます。


高額な保険金の契約の場合は、よりリスクが高まるため、告知書の提出が必須となる場合が多くなります。


考えられる大きなリスクは以下の3点です。

  • 加入者の健康状態や職業などのリスクを事前に把握できない
  • 高額な保険金の支払いによる保険会社の損失
  • モラルリスクが高まる
これらのリスクに対して、前もって把握することで、高額な保険を認めるか加入条件を見直すなどの措置をとることができます。

加入者は「告知義務」があるため、告知をしないor虚偽の告知をした場合は、契約の取り消しや保険金の支払の停止などの罰則があります。

注意点②:審査が厳しくなる

高額な保険金の加入審査は、一般的な保険金の審査より厳しくなります。


高額な保険金の契約には、詳細な健康状態の告知・職業の確認・モラルリスクなど、一般的な契約より厳しく審査されます。

保険会社が定める基準以上の保険金契約の場合は、医師の診断や面談を受けるなど、通常の告知より求めらる内容も多くなります。

高額な保険金の支払は保険会社にとって大きな損失です。慎重に審査を行う必要があり、審査結果がでるまでに、よりの多くの時間を費やすこともあります。

注意点③:保障期間が変更できるか確認する

定期保険は「保障期間が60歳まで」などのように保障期間が定められた保険です。


たとえば、60歳までに死亡した場合は保険金が支払われます。けれど、60歳を1日でも過ぎてしまうと保険金の支払いは一切ありません。


高額な保険金を無駄にしないために、以下の2つの制度を利用できるか、事前に確認しましょう。

  • 保険期間延長制度
  • 変換制度

上記の制度は、対応していない保険会社や保険の種類も多いため、事前に確認することが大切です。


また、再度健康状態の告知が必要な場合もあります。


制度を利用した場合のデメリットもあります。

  • 一時金の支払いが必要
  • 保険料が制度利用時の年齢で再計算

定期保険で高額な保険金を契約している場合は、保険金が「0」にならないために保障期間が変更できる制度を利用も検討しましょう。

参考:保険金3億円の生命保険に加入した方の体験談

生命保険料控除にも限度額がある

保険料の支払いは生命保険料控除制度の対象になる場合があります。節税を考え生命保険に加入する人もいるのではないでしょうか。


制度の改正により、現在は控除限度額が新・旧制度によって計算方法が変わり、上限金額も異なります


また最近では、ふるさと納税をおこなう人が増えています。


生命保険料控除を受ける場合は所得金額に影響があります。ふるさと納税で効果的に利用できる寄付金額に注意が必要です。


この項目では以下について説明します。

  • 実際の控除額はいくらなのか?
  • 生命保険控除がある場合のふるさと納税の注意点

年末調整や確定申告で申告すると支払った保険料が控除される

生命保険料控除は生命保険の契約者(保険料を支払っている本人)が申告できます。


生命保険料控除を利用するメリットは課税対象の所得金額が下がることです。課税対象の所得金額が下がることにより、所得税・住民税が減税される仕組みです。


生命保険料控除額は、年間の保険料支払額に応じて限度額が定められています。


また申告する場合は生命保険会社発行の「生命保険料控除証明書」が必要です。


生命保険料控除は自動的に受けられないため、必ず申告しましょう。

  • 会社員…年末調整に「生命保険料控除証明書」を添付し勤務先に提出する
  • 自営業…所得税の確定申告の際に「生命保険料控除証明書」を添付する

生命保険料控除における適用限度額=控除される最大額

新制度と旧制度の違いは、控除区分が3つに増えたことと控除上限額の変更です。


現在控除対象の生命保険の種類は3種類です。また新・旧制度で限度額がことなります。


新制度と旧制度の控除の種類 

新制度

2012年以降
旧制度

2011年以前
控除の種類・一般生命保険料控除
・介護医療保険料控除
・個人年金保険料控除
・一般生命保険料控除
・個人年金保険料控除


新旧制度での生命保険料控除の限度額 

控除の種類保険料控除の限度額
新制度

2012年以降
◆3種類

一般生命保険料

介護医療保険料

個人年金保険料
◆3種類受けた場合 
所得税12万円 住民税7万円

 ◆2種類受けた場合 
所得税8万円 住民税5.6万円
  
◆1種類受けた場合 
所得税4万円 住民税2.8万円
旧制度

2011年以前
◆2種類

一般生命保険料

個人年金保険料
◆2種類受けた場合
所得税10万円 住民税7万円

 ◆1種類受けた場合
所得税5万円 住民税3.5万円

※新旧制度全体の適用限度額 所得税12万円 住民税7万円

生命保険センター

保険を契約した時期(新制度・旧制度)によって適用限度額が異なる

2012年の契約分から生命保険料控除の控除金額が変更になりました。


2012年以降の契約は新制度の控除金額が適用されます。2011年以前の契約は旧制度が適用されます。


以下は控除額の計算式です。


新制度での控除額計算式

所得税の計算式

年間の支払保険料控除額
〜20,000円
支払保険料の全額
20,001円〜40,000円支払保険料×1/2+10,000円
40,001円〜80,000円
支払保険料×1/4+20,000円
80,001円〜一律40,000円

住民税の計算式

年間の支払保険料控除額
〜12,000円支払保険料の全額
12,001円〜32,000円支払保険料×1/2+6,000円
32,001円〜56,000円支払保険料×1/4+14,000円
56,001円〜一律28,000円


旧制度での控除額計算式

所得税の計算式

年間の支払保険料控除額
〜25,000円支払保険料の全額
25,001円〜50,000円支払保険料×1/2+12,500円
50,001円〜100,000円支払保険料×1/4+25,000円
100,001円〜一律50,000円

住民税の計算式

年間の支払保険料控除額
〜15,000円支払保険料の全額
15,001円〜40,000円支払保険料×1/2+7,500円
10,001円〜70,000円 支払保険料×1/4+17,500円
70,001円〜一律35,000円

生命保険センター


新制度 所得控除額 計算例

下記のように保険に加入していた場合を例とします。

保険種類契約日年間払込保険料
一般生命保険2016年11月180,000円
介護医療保険2017年4月36,000円
個人年金保険2015年12月120,000円

新制度の所得控除額の計算方法に当てはめると控除額は以下の通りです。

控除種類控除額
一般生命保険料40,000円
介護医療保険料控除28,000円
個人年金保険料40,000円

合計控除額は上記3つを合算した108,000円です。


参考:生命保険料控除額計算のケーススタディ

参考:ふるさと納税をする場合には控除できる限度額に注意

ふるさと納税の限度額は、年収と家族構成をもとに決められます。


なぜ家族構成が関わるのか?


配偶者控除や扶養控除といった家族に関わる控除額が所得金額に影響するため、ふるさと納税に寄付できる金額は家族構成も関係します。


同様にふるさと納税の限度額には、生命保険料控除・住宅ローン・医療控除などの控除が関わるため、自身の控除額をよく把握する必要があります。


自己負担額2,000円で効率よくふるさと納税を行うためにも控除上限額を把握するといいでしょう。


控除上限額のシュミレーションはふるさと納税のWebサイトで確認ができます。

生命保険の限度額はあなたを守るために用意された仕組み

生命保険のにかかわる限度額について説明しましたがいかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは以下の通りです。

  • 生命保険には限度額があり、保険会社の基準や保険契約者の健康状態・職業(収入)・年齢によって決められている
  • 高額な生命保険加入する場合は、より詳細な告知義務が必要なうえ、保険会社の審査基準も厳しくなる。
  • 生命保険料控除は、新制度・旧制度があり上限金額や計算方法がことなる
  • ふるさと納税を利用する場合は生命保険控除も注意する

自分の生活や家族の安心のために、高い保険金をそなえることもひとつの手段です。


単に高額な保険金契約をするだけではなく、生命保険控除額を把握し、かしこく保障を手に入れることも重要です。


今の生活〜将来の生活を考え柔軟に対応することで、保険を味方にし安心を手にいれましょう。

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