更新日:2020/11/30
県民共済の保険料が安い?保障内容は十分?民間保険と比較して検証!
内容をまとめると
- 県民共済は非営利団体によって運営されているため、保険料が「安い」
- 保険料は年代別に分かれている。働き盛りの世代の保障としてはとても良い
- こども保険は第三者への損害賠償や、契約者死亡の保障がある
- シンプルで分かりやすい保障内容となっている
- 県民共済は生命保険料控除にも使える
- 死亡保障が少ない
- 高齢になるほど保障が下がり、最高でも85歳までしか続けられない
- 県民保障が自分にベストな保険かどうかは、保険のプロに無料相談して検討するのがおすすめ
- 今ならスマホ1つで無料オンライン相談できるので、この機会に保険の悩みを解決しましょう!
目次を使って気になるところから読みましょう!
県民共済は保険料が安い?実際のコースと保険料を確認
保険に加入する際に、保険料は大きなポイントですよね。内容がいくら良くても、保険料が高すぎては元も子もありません。ある程度の予算を決めて、その範囲内で保険選びをする方も多いのではないでしょうか。
- 県民共済は非営利の共済事業
- 県民共済には年代ごとのコースがある
- 0歳~17歳向けのコース
- 18歳~64歳向けコース
- 65歳~69歳向けコース
- 県民共済の特約とは
都道府県民共済は全国生協連による非営利の共済事業
そもそも都道府県民共済は、全国生活協同組合連合会が消費生活協同組合法に基づき、内閣総理大臣の認可を受けて行っている共済事業です。
さらに、各都道府県に全国生活協同組合連合会の業務委託を受けた会員生協があり、共済加入業務や共済金の支払業務を非営利にて行っているのです。
2016年には共済加入者が2,100万人を超えていますので、国民の約6人に1人が加入者であり、いかに大きな組織であるかが分かりますね。
都道府県民共済には大きく分けて、以下の3つの商品があります。
- 生命共済 :病気・けがなどによる入院や通院、死亡などの保障
- 新型火災共済 :地震や水害、火災による家や家財などの保障
- 疾病保障型共済:交通事故や不慮の事故によるけがの入院や死亡、重度障害などの保障
県民共済の生命共済には年代ごとコースが用意されている
県民共済では、先述のとおり健康状態や性別、年齢や職業によって保険料が異なるのではなく、年代ごとに分かれているのが特徴です。
ここでは、年代ごとの大まかな特徴について説明します。
下記の表は、加入することのできる代表的な商品と条件についてまとめたものです。
こども向け | 青壮年 中高齢向け | 高齢者向け | |
---|---|---|---|
年代 | 0歳~17歳 (健康な人) | 18歳~64歳 (健康な人) | 65歳~69歳 (健康な人) |
主な商品 | こども1型 | 総合保障型 | 熟年型 |
主な商品 | こども2型 | 入院保障型 | 熟年入院型 |
主な商品 | 総合保障型 + 入院保障型 | 熟年型 + 熟年入院型 |
県民共済に加入が可能な年齢は0歳から69歳までです。保障は熟年型に加入した場合、最長で85歳まで続きます。
また、県民共済の大きな特徴の一つとして、告知のみでの加入が可能であることが挙げられるでしょう。
①0歳~満17歳の方向け(こども型)
- 1日目からの入院・通院保障
- 手術・先進医療の保障がある
- 第三者への保障(過失によるもの)
- 契約者の死亡保障がある
こども1型 | こども2型 | |
---|---|---|
保険料(月) | 1,000円 | 2,000円 |
入院保障 | 日額5,000円 | 日額10,000円 |
がん診断 | 50万円 | 100万円 |
契約者死亡 | 最大500万円 | 最大1,000万円 |
損害賠償 | 100万円 | 200万円 |
②満18歳~満64歳の方向け(総合保障型)
次に、18歳から64歳までを対象としたコースを表で見てみましょう。(コースは1型・2型.4型とありますが、一番人気の2型を中心に解説します)
ここでは、主に入院保障と死亡保障に着目します。
まずはじめに「総合保障2型」です。
18歳~59歳 | 60歳~64歳 | |
---|---|---|
保険料(月) | 2,000円 | 2,000円 |
病気による 入院 | 日額4,500円 | 日額4,500円 |
けがによる 入院(事故) | 日額5,000円 | 日額5,000円 |
交通事故による 死亡 | 1,000万円 | 700万円 |
病気による 死亡 | 400万円 | 230万円 |
次に、「入院保障2型」です。
18歳~59歳 | 60歳~64歳 | |
---|---|---|
保険料(月) | 2,000円 | 2,000円 |
病気による 入院 | 日額10,000円 | 日額7,500円 |
けがによる 入院(事故) | 日額10,000円 | 日額7,500円 |
手術 | 最大10万円 | 最大4万円 |
交通事故による 死亡 | 10万円 | 5万円 |
病気による 死亡 | 10万円 | 5万円 |
最後に「入院保障2型+総合保障2型」です。
18歳~59歳 | 60歳~64歳 | |
---|---|---|
保険料 | 4,000円 | 4,000円 |
病気による 入院 | 日額14,500円 | 日額12,000円 |
けがによる 入院(事故) | 日額15,000円 | 日額12,500円 |
手術 | 最大10万円 | 最大4万円 |
交通事故による 死亡 | 1,010万円 | 705万円 |
病気による 死亡 | 410万円 | 235万円 |
これらの表から
- 「総合保障2型」は入院や死亡に備えたい人向けの商品
- 「入院保障2型」は入院保障を充実させたい人向けの商品
- 「入院保障2型+総合保障2型」は双方を充実させたい人向けの商品
③満65歳~満69歳の方向け(熟年型)
さいごに、65歳から69歳までが対象のコースを見ていきましょう。(コースは2型・4型とありますが、2型を中心に解説していきます)
ちなみに、保障される年齢は最長で85歳までとなっています。
ここでも、主に入院保障と死亡保障に着目します。
まず「熟年2型」です。
65歳~69歳 | 70歳~79歳 | |
---|---|---|
保険料 | 2,000円 | 2,000円 |
病気による 入院 | 日額2,500円 | 日額2,500円 |
けがによる 入院(事故) | 日額2,500円 | 日額2,500円 |
交通事故による 死亡 | 200万円 | 150万円 |
病気による 死亡 | 100万円 | 50万円 |
80歳~85歳 | |
---|---|
保険料 | 2,000円 |
病気による 入院 | 日額1,000円 |
けがによる 入院(事故) | 日額1,000円 |
交通事故による 死亡 | 50万 |
病気による 死亡 | 30万 |
次に「熟年入院2型」です。
65歳~69歳 | 70歳~79歳 | |
---|---|---|
保険料 | 2,000円 | 2,000円 |
病気による 入院 | 日額5,000円 | 日額3,500円 |
けがによる 入院(事故) | 日額5,000円 | 日額3,500円 |
手術 | 最大4万円 | 最大4万円 |
交通事故による 死亡 | 5万円 | 5万円 |
病気による 死亡 | 5万円 | 5万円 |
80歳~85歳 | |
---|---|
保険料 | 2,000円 |
病気による 入院 | 日額2,000円 |
けがによる 入院(事故) | 日額2,000円 |
手術 | ー |
交通事故による 死亡 | 5万円 |
病気による 死亡 | 5万円 |
最後に「熟年2型+熟年入院2型」です。
65歳~69歳 | 70歳~79歳 | |
---|---|---|
保険料 | 4,000円 | 4,000円 |
病気による 入院 | 日額7,500円 | 日額6,000円 |
けがによる 入院(事故) | 日額7,500円 | 日額6,000円 |
手術 | 最大4万円 | 最大4万円 |
交通事故による 死亡 | 205万円 | 155万円 |
病気による 死亡 | 105万円 | 55万円 |
80歳~85歳 | |
---|---|
保険料 | 4,000円 |
病気による 入院 | 日額3,000円 |
けがによる 入院(事故) | 日額3,000円 |
手術 | ー |
交通事故による 死亡 | 55万円 |
病気による 死亡 | 35万円 |
これらの表から
- 「熟年2型」は入院や死亡に備えたい人向けの商品
- 「熟年入院2型」は入院保障を充実させたい人向けの商品
- 「熟年2型+熟年入院2型」は双方を充実させたい人向けの商品
県民共済には特約も用意されている
これらの基本的な保障の他に、満18歳以上のコースには様々な特約を付加することができます。ここでは、特約の種類とその内容について表を使って解説をします。
まず、18歳~69歳までを対象とした特約は
- (熟年)医療特約
- (熟年)新がん特約
- (熟年)新三大疾病特約
- 長期医療特約
特約種類 | 主な保障内容 | 追加保険料 |
---|---|---|
医療特約 | 先進医療保 入院一時金 在宅療養 疾病障害 手術 | 1,000円~ |
新がん特約 | がんの入院 がんの通院 がんの手術 がんの先進医療 | 1,000円~ |
新三大疾病特約 (心筋梗塞 脳卒中 がん) | 入院 通院(がんのみ) 手術 先進医療 | 1,200円~ |
長期医療特約 ※64歳まで | 重度障害割増 長期入院 手術 | 500円~ |
県民共済と民間保険の違いとは?
ここまで、県民共済のおおまかな種類について解説をしてきましたが、実際に加入を検討する際には、民間保険との比較は欠かせないですよね。
- 保険料は安い?年代別に見た保険料
- 県民共済は高齢になるほど保障が弱くなる?保障内容の特徴
- 健康状態の審査は簡単?住まいは関係あるの?加入条件について
- お金が戻ってくる?県民共済にはお得な「割戻金」がある
民間保険と保険料を比較
ここでは、県民共済の保険料と、オリックス生命の保険料を比較し、解説します。
※県民共済:入院保障4,500円 オリックス生命:入院保障5,000円
※女性を対象とした保険料です。
加入年齢 | 県民共済 | オリックス生命 |
---|---|---|
20歳 | 2,000円 | 1,829円 |
30歳 | 2,000円 | 2,269円 |
40歳 | 2,000円 | 2,914円 |
50歳 | 2,000円 | 4,247円 |
60歳 | 2,000円 | 6,436円 |
65歳 | 4,000円 | 8,573円 |
この表から、県民共済は
- 保険料がほぼ一定
- 50代・60代の保険料が特に安い
ただし、気を付ける点もあります。オリックス生命は80歳まで加入が可能なのに対し、県民共済は65歳までしか加入ができないということです。
民間保険と保障内容を比較
次に、県民共済と民間保険の主な保障内容を下記の表にて比較し解説していきます。
県民共済 | 民間保険 | |
---|---|---|
入院保険金額 | ○ (最高20,000円) | ○ (最高20,000円程度) |
事故による 死亡保障 | ○ (最高2,000万) | ○ (1億円以上も可) |
病気による 死亡保障 | ○ (最高800万円) | ○ (1億円以上も可) |
がんの保障 | ○ | ○ |
三大疾病の保障 | ○ | ○ |
長期入院 | ○ | ○ |
保険料払込免除 | × | ○ |
85歳以上の保障 | × | ○ (一生涯も可) |
- 死亡保障が少ない
- 保険料払込免除の制度がない
- 85歳以上の保障がない
民間保険と加入条件を比較
県民共済に加入する際の条件も、民間保険と異なる点があります。ここでは、それぞれの加入条件について解説をしていきます。
県民共済 | 民間保険 | |
---|---|---|
年齢 | 0歳~69歳 | 0歳~90歳 ※入院保障は 85歳まで |
健康状態 | 告知のみ | 告知 医師の診断書 |
居住地 | 住民票のある都 道府県または勤 務先の所在地の ある都道府県で のみ加入可能 | 制限なし |
まとめると、県民共済は、民間生保と比較した場合
- 加入できる年齢幅が少ない(0歳~69歳まで)
- 健康診断が不要で簡単(告知のみでOK)
- 場所による加入制限がある(居住地、勤務地)
- 組合員になる必要がある(基本的に加入すれば組合員になる)
参考:県民共済には「割戻金」と呼ばれるキャッシュバックがある
県民共済には「割戻金」という名目で、決算時の剰余金を加入者に還付する制度があります。
簡単に言うと、
- 「全ての加入者から集めた保険料から、支払った共済金(入院や死亡保障など)と、事業の運営費を引いた残高を加入者に還付する制度」
県民共済の保険料引き落とし日はいつ?
県民共済の保険料は口座引き落としです。引き落とし日は、基本的に毎月15日となっています。15日が営業日(土日祝)でない場合、翌営業日に引き落としとなります。
仮に15日に口座の残高不足により引き落とせなかった場合は、28日に改めて引き落としがかかるので、忘れずに入金をしておく必要がありますね。
加入して一番最初の保険料の引き落としに関しては、加入申込み(告知)をした翌月の15日となります。例えば1月に加入申込み(告知)をした場合、引き落としは2月15日からということになりますね。
もし、長い期間引き落としができなかった場合は、失効(保障そのものがなくなる)してしまうケースもあるので注意が必要です。県民共済では3か月間保険料が滞納した場合、失効となるようです。
例えば1月15日、2月15日、3月15日と連続して引き落としができなかった場合は、3月28日の引き落としに間に合わなければ、失効となります。
県民共済は生命保険料控除制度の対象になるの?
生命保険に加入するメリットの一つとして、生命保険料控除制度が使えるというものが挙げられます。生命保険料控除とは、所得金額から支払った保険料に応じた金額を控除できるという税金面で有利となる制度です。
控除できる保険料の種類は
- 一般生命保険保険料控除 ※死亡保険の保険料など
- 介護医療保険料控除 ※医療保険の保険料など
- 個人年金保険料控除 ※個人年金保険の保険料など
の3つです。
では、県民共済の保険料は、対象となるのでしょうか。
【答え】生命保険料控除制度の対象になります
結論、県民共済も生命保険料控除の対象になります。ですが、県民共済は、そもそも個人年金保険のような性質の商品を取り扱っていません。
したがって、対象となる種類は
- 一般生命保険料控除
- 介護医療保険料控除
- 県民共済は、一般生命保険料控除及び介護医療保険料控除の対象となる。※ただし、傷害共済は対象外
- 県民共済の特約は、介護医療保険料控除の対象となる
年末調整での保険料控除申告書の書き方
- 名称
- 種類
- 期間又は年金支払期間
- 契約者の氏名
- 受取人(氏名・続柄)
- 新・旧の区分※一般生命保険料控除のみであり、区分については生命保険料控除証明書に記載あり
- 本年中に支払った保険料等の金額
新保険料の合計額 | 控除額の計算式 |
---|---|
20,000円以下 | 全額 |
20,001円~40,000円まで | (新保険料の合計額)×1/2 +10,000円 |
40,001円~80,000円まで | (新保険料の合計額)×1/4 +20,000円 |
80,001円以上 | 一律に40,000円 |
旧保険料の合計額 | 控除額の計算 |
---|---|
25,000円以下 | 全額 |
25,001円~50,000円まで | (旧保険料の合計額)×1/2 +12,500円 |
50,001円~100,000円まで | (旧保険料の合計額)×1/4 +25,000円 |
100,001円以上 | 一律に50,000円 |
参考:県民共済の保険料が今後上がる可能性はある?
県民共済の保険料は、民間保険と比べても安いということが分かりました。ですが、今後、現在の保険料を維持していくことが可能なのか、保険・経済の情勢から推察していきます。
結論からいうと「長い間には上がる可能性があるが、直近での保険料改定は考えにくい」です。
その根拠は2つあります。
1つは、民間保険の保険料率改定時にも、県民共済の保険料は変わらなかったということです。民間保険業界は、平成26年に多くの商品で保険料が上昇し、平成28年の保険料改定では主に死亡保障に係る保険料が下がりました。
県民共済がこのような状況下でも、同じ保険料を維持してきたことを考えると、直近で改定があるとは思えません。
2つは、インフレーション(物価上昇)などによる保険料の上昇です。
物の値段が上がり、お金の価値が低くなれば、当然保険料も上がります。ですが、現在の日本は、急激なインフレーションが起こるとは言い難い状況です。したがって、「長い間のうちには上がる可能性がある」と言えるでしょう。
県民共済の魅力はシンプルな保障と手頃な保険料(掛け金)
- 69歳まで手ごろな保険料で加入することができる
- 特に働き盛りの世代の保険料に関しては安いと言える
- シンプルな保障内容のため、分かりやすい
- 健康状態について、告知のみで加入することができる
- 割戻金があり、実質保険料はさらに安い
- 生命保険料控除の対象である
- 民間の保険会社のように、頻繁に保険料の改定がない
- 県民共済の商品内容と特徴
- 民間生保との違い
- 引き落としは?生命保険料控除の対象?
- 今後の保険料の展望
- 県民共済の魅力
について解説をしていきます。