更新日:2021/03/21
老後に生命保険は必要か 定年・退職後にはいくら必要なのかや保険は不要なのか解説!
- 老後に生命保険は必要か
- 公的医療制度はどのくらい充実しているのか
- 老後にお金に困らないためには資産の見直しが大切
- 老後に保険ならばシニア保険がおすすめ
- 現在契約中の保険を見直すときに気をつけるべきポイントとは
内容をまとめると
- ひとりひとり考え方、経済状況が異なるため一概には、老後に保険が必要とも不要とも言いがたい
- 公的医療制度が充実しているので、健康保険適用対象の治療は医療費の負担が少ない
- 自由診療を受けることを想定して、医療保険に加入しておくと安心!
- 高齢になると生命保険の選択肢が狭まるため、家計の見直しや加入中の保険の見直しを優先した方がよい
- 老後資金に向けて節約するには、保険の見直しがおすすめ!
- 保険によっては満期時を待たずに解約をすると損するケースがある!
- 生命保険の見直しで損をしたくない人は、保険のプロに無料相談するのがおすすめ!
- 今ならスマホ1つで無料オンライン相談できるので、この機会に保険の悩みを解決しましょう!
目次を使って気になるところから読みましょう!
老後に生命保険は必要か不要か 公的制度での手厚い医療保障
シニアライフに備えて生命保険へ加入するべきか、迷っている方も多いことでしょう。
病気や死亡のリスクが高くなりますので、生命保険に加入しておいた方が無難と思われる方が多いですが、一家の大黒柱としての役割を終えたいま、生命保険に加入する必要があるのか判断が分かれる部分ですね。
そこで、この章では以下のポイントを抑えて老後の生命保険の必要性について詳しくお話します。
- シニア世代は医療費の負担が軽減される上、高額医療費制度が適用される
- 自己負担上限額を超えた医療費は還付される
- 賢く生命保険を選ぶコツ
老後は医療費の自己負担額が軽減されるうえに高額療養費制度も利用できる
高齢者の医療費の自己負担額は70歳〜74歳までは3割、75歳以上は2割です。
ただし、75歳以上の方であっても現役並みの所得がある人は3割負担のまま変わりません。
さらに、日本では家計に占める医療費の負担を抑えるために、一定額を超える医療費を還付する高額療養費制度を導入しています。
万が一、高齢になって手術や入院となったとしても、健康保険が適用される治療であれば、現役時よりも医療費の負担が軽減される制度が整ってます。
しかも、年金受給世代の高額医療費制度の自己負担上限額は現役世帯よりも低く設定されていますので、健康保険対象内ならば、十分に公的な医療費制度を利用して対処できるでしょう。
高額療養費制度を利用した場合の自己負担上限額
将来手術や入院が必要になったときに高額療養費制度により、どのくらい医療費が返還されるのでしょうか?
高額医療費制度は世帯所得によって異なりますので、以下の表を参考に確認してみましょう!
適用区分 | 毎月の上限額 |
---|---|
年収約1,160万円~ 標報83万円以上/ 課税所得690万円以上 | 252,600円+(医療費−842,000)×1% |
年収約770~約1,160万円 標報53万円以上/ 課税所得380万円以上 | 167,400円+(医療費−558,000)×1% |
年収約370~約770万円 標報28万円以上/ 課税所得145万円以上 | 80,100円+(医療費−267,000)×1% |
年収156万円~約370万円 標報26万円以下/ 課税所得145万円未満等 | (個人)18,000円(年144,000円) (世帯)57,600円 |
Ⅱ住民税非課税世帯(Ⅰ以外の方) | (個人)8,000円(世帯)24,600円 |
Ⅰ住民税非課税世帯(年収80万円以下など) | (個人)8,000円(世帯)15,000円 |
一般世帯に当たる年収370万円未満の世帯を例にとって表の見方を説明します。
がんの手術でひと月に87,600円の医療費を支払ったときには、世帯上限額の57,600円分を超える30,000円が返金されますし、通院、投薬にかかる医療費については、ひとりにつき年間144,000円を超えた分が返ってきます。
また75歳以上の高齢者の方で1年間に4回以上、高度医療費制度が適用された場合はさらに上限額が引き下げられます。
老後の生命保険の選び方 公的な医療保障制度で足りない部分とは?
70歳以上になると医療費の軽減措置が取られる上、高額療養費制度が適用されますので、健康保険が適用される範囲の治療ならば、生命保険や医療保険に加入する必要がないように感じられますね。
しかし、保険診療が適用されない自由診療での治療を選んだときに、公的な医療費制度は使えないため注意が必要です。
まして今や国民の2人に1人ががんにかかると言われていますので、治療の選択肢を増やすためにも医療保険に加入しておくと安心です。
またご自身が亡くなったときにかかる葬儀費用についても、死亡保険に入って備えておくと残された家族の経済的な負担を抑えられますね。
またパートナーの当面の生活費を確保するために、生命保険に加入される方も少なくありません。
高齢になるほど生命保険の新規加入はむずかしい…その理由とは?
まして持病をお持ちであったり、過去に手術や入院歴がある場合は加入のハードルが低い引受基準緩和型保険や無選択型保険であっても契約が難しいです。
この章では、高齢者はなぜ生命保険への加入が難しいのか、さらに加入を断られてしまったときの対策方法を以下のポイントに沿ってお話します。
- 持病や既往歴により終身保険への加入を断られる確率が高い
- 加入年齢の条件に引っかかるため加入しづらい
- 加入している保険がある方は保障の見直しがおすすめ!
持病や既往症があると医療保険や終身保険への加入がむずかしい
高齢になればなるほど、老化や若いときの無理がたたって病気にかかる確率や死亡するリスクがUPします。
終身保険は万が一契約者が亡くなったときに高額な死亡保険金を支払う義務があるため、保険会社としては、できる限り保険金の支払いを控えたいと考えて、リスクが高い高齢者の契約を断る会社が多いです。
さらに、終身保険の加入上限年齢を見ると「60歳まで」、「18歳から55歳」と年齢制限が設定されている商品が多く、高齢者の終身保険の加入は難しい傾向にあります。
老後は生命保険の新規加入よりも見直しが必要!
高齢者は新規に加入できる保険の選択肢が減るため、新たに加入するよりも現役時代に契約した生命保険の保障内容や保険料を見直すことをおすすめします!
高齢者の方が生命保険を見直すときにチェックすべき項目は以下の通りです。
- 保障額や保障内容に過不足はないか
- 保障は一生涯変わらないで得られるか
- 保険料を続けて支払っていけるか
- 受取人
- 死亡保険金を一括またはまとめてのどちらで受取るか
- 満期保険金、解約返戻金がついている保険か
- 契約更新期間はいつか
- 保障内容、保険金額
- どのようなときに給付金が支払われるか
- 解約返戻金つきの保険は解約返礼率のパーセンテージ
- 自由診療に対応できる保険であるか
老後は老後資金のために生命保険よりも貯蓄が大切! その理由とは?
テレビで「老後に2,000万円の資金が必要である」と報じられて、現在の預貯金をはるかに上回る金額に驚きと不安を感じた方が多いのではないでしょうか。
「定年までに2,000万円もの財産を築けるだろうか?」、「シニアライフに突入したいま、なにか節約する方法はあるだろうか?」と考えますね。
サラリーマン世帯にとって一生涯に稼げる額は限界があり、2,000万円もの資金を築くことは難しいからこそ、早い段階で家計を見直して貯蓄に回すことが大切です。
そこで、この章では以下のポイントを抑えて老後資金についてお話します。
- なぜ老後資金2,000万円を準備する必要があるのか
- 生命保険を検討する前に資産を明確に把握することが大事
50代から考えたい 定年後の老後資金は2000万円が必要⁉
「総務省家計調査2017年」のデータによると、無職の高齢者世帯の毎月の支出は平均26万3,717円という数値が報告されています。
この金額は持ち家世帯の支出額で、生活費、税金、医療費などが含まれた金額です。
賃貸マンションやアパートで暮らす場合はさらに家賃が加算されますから、平均支出額をオーバーしてしまいますね。
仮に、26万3,717円の金額で毎月生活を65歳から90歳まで送ったときの総額は約7,912万円にもなります。
この7,912万円の金額を年金だけに頼って暮らすのは無理ですから、赤字分を預貯金で補填するために、夫婦2人世帯の場合は老後資金として2,000万円を準備をすれば、安心というわけです。
生命保険は必要かの前にまずは退職金や年金など、定年後の資産を把握することが大切
50代となり、定年退職まであとわずかというときにできるだけ多くの老後資金を形成するにはどうしたらいいいのでしょうか?
大学を卒業してから1社に定着して働いたサラリーマンは、平均2,000万円〜2,300万円の退職金を得られます。
退職金で十分に老後資金を確保できると感じる方がいるかもしれませんが、課税対象となりますので額面全額をもらえるわけではないため注意が必要です。
またお子さんが独り立ちをしたいまとなっては、現役世代と同等の死亡保障が必要であるのか疑問に感じる部分ですね。
生命保険へ新規加入するよりも、定年後の資産を把握してシニアライフに備えることが大切です。
生命保険の見直しで老後資金を増やせる可能性が!
生命保険の保障や保険料金を見直して、保険料を節約して貯蓄に回すことを考えましょう!
「生命保険文化センター」の報告によると、1世帯につき年間に平均38万円もの保険料を支払っており、このデーターに基づいて20年間保険料を支払うと総額760万円になります。
例えば、月々の保険料を1万円節約すれば、20年間で240万円もの金額を老後資金に充てられます。
この機会に保険の見直しを考えている方は、以下のポイントを抑えて保障内容を確認してみてください。
- 死亡保険金が大き過ないか
- 見直しが難しい場合は、他会社の似たようなプランをシミュレーションする
- 契約後31年を経過した、利回りの高い解約返戻金つきであるか
- 一括払いをして保険料の節約を検討する
- 特約をつけた保険は本当に保障が必要か検討する
老後の生命保険が心配な方向け 50・60歳からの保険シニア保険とは?
病気、けがによる入院、手術のときに公的医療制度だけでは、医療費の不足分を自分で負担しなくてはならず、不安という50代、60代の方におすすめの商品がシニア保険です。
シニア保険は生きるための保険ですので、死亡保障額が小さく、その分医療費の保障が大きい点が特徴的で、万が一の病気やけがに備えたい方にぴったりな保険です。
健康な方はもちろん、引受基準緩和型保険、無選択型保険もありますので、持病を抱える方、既往歴がある方でも加入できる確率の高いです。
また葬儀費用を生命保険でカバーしたい方向けの、従来の終身保険に加えて、死亡保障額が小さい分保険料金を抑えられる少額短期保険もあります。
老後のために生命保険を見直し・解約をする際の注意点
生命保険を見直してシニア生活の準備に充てようと考えている方もいると思われますが、うっかり解約してしまうと、損をすることがあります。
しかし、保険の正しい知識がないと、生命保険を見直したり、解約するときに気をつけなければいけないポイントがわかりませんね。
こちらの章では、生命保険の見直しや解約にあたって以下の2つの注意点についてお話します。
- お宝保険は解約をすると損をする!
- 解約返戻金がついている保険は要注意
老後の準備のために生命保険の見直しを考えている方は、こちらのポイントを踏まえて手続きをすれば、安心です。
①バブル期に加入したお宝保険は解約すると損!
1990年代前半に加入した貯蓄型の保険は、バブル経済の好景気のときに契約していますので、予定利率が高く、超低金利時代の今途中解約すると損をします。
参考までに、以下の保険商品が貯蓄型保険に該当します。
- 終身保険
- 養老保険
- 個人年金保険
- 学資保険
②途中解約すると解約返戻金が受け取れない場合もある
解約返戻金つきの保険商品は、解約をすると返戻金を受け取れますが、一部商品は規定の条件をクリアしないと、解約返戻金が戻ってこないため要注意です!
また、低金利型解約返戻金タイプの生命保険は教育費や住宅ローンが重くのしかかる時期の保険料の負担が抑えられている分、保険料の払込みを完了しないうちに解約をすると解約返戻金が予想以上に少ないことがあります。
このように解約のタイミングによっては、解約返戻金が既存払込保険料よりも低い場合があるため、解約を検討する方は保険会社のお客様窓口や担当セールスマンに、解約返戻金の額を教えてもらってから検討しましょう。
まとめ:老後生命保険は必要か不要か 保険の見直しで貯蓄に充てよう
今回は生命保険は老後に必要なのか解説させていただきました。
内容をおさらいすると以下の通りです。
- 75歳以上の健康保険適用対象の治療は公的医療費制度が適用される
- 公的医療保障は自由診療は対象外のため、放射線治療などの最新の治療を選択するには医療保険やがん保険に入っていた方が心強い
- 高齢になると年齢、持病、既往歴によって保険の加入が難しくなる
- 老後資金を準備するためにも、保険よりも家計の見直しが大切
- 生命保険をうっかり解約すると損をするケースがあるため要注意!
- 万が一の病気に備えて保険を検討中の50代、60代には「シニア保険」がおすすめ!