3月12日、第96回米アカデミー賞で、アジア映画で初となる視覚効果賞を受賞した「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督(59)、VFXディレクターの渋谷紀世子氏(54)らが帰国し、羽田空港で、アカデミー賞受賞記者会見が開かれた。会場には同作でヒロイン役を演じた浜辺美波(23)が駆けつけ、受賞を祝った。山﨑監督からオスカー像を手渡された浜辺は「重たっ」と言い、「落としたら困るから、お返しします」と心配していたが、ゴジラの撮影現場でも“運動オンチ”な場面がーー。’23年11月に『ゴジラ-1.0』の初日舞台挨拶に登壇した際、MCから「ぶらさがり健康器みたいなシーンが……」と話をふられると、「あれは火事場の馬鹿力を出させてもらったんですけど、脚本を読んだときに、これ本当に私がやるのかなと思って、監督は私の運動が苦手なのを知っているから“正気かな?”って思いました(笑)」と、撮影の苦労を語っていた。さらに’23年11月11日に『読売新聞オンライン』で配信された、同作で主演を務めた神木隆之介(30)との対談でも、ゴジラから逃げるシーンに関する話題の際に、神木が浜辺に「足、もう速くならないですか?」と要望。神木が「もう少しスピードに乗って走りたいのに、隣で足が空回りするぐらい浮いている。『無理、こける!』って言いながら……」と浜辺の足の遅さを明かすと、浜辺は「隣の人にがっちりとホールドされて、走るときの恐怖感。ついていけなくなるんですよ」と弁明していた。浜辺は幼い頃から運動オンチだったようだ。芸能関係者が明かす。「浜辺さんは10歳の時にダンスレッスンを受けた際に、上手く踊ることができず、泣いたことがあったそうです。また’18年にテレビ番組『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演した際には、ダンスは苦手と断ったうえで、ぎこちない踊りを披露していました」アクションで活躍する浜辺も見たいものだが……。
2024年03月13日第96回米アカデミー賞で、アジア映画初となる視覚効果賞に輝いた映画『ゴジラ-1.0』。本作を手掛けた山崎貴監督(59)らが3月12日夜にロサンゼルスから凱旋帰国し、羽田空港で授賞記念会見を開いた。監督として同賞を受賞したのは、映画『2001年宇宙の旅』(’68年)のスタンリー・キューブリック以来、55年ぶり2人目。会見で歴史的快挙の喜びや授賞式の裏話を語った山崎監督だったが、“ある発言”が波紋を呼んでいる。注目を集めているのは、トロフィーを受け取った時の感想を問われた場面。山崎監督はオスカー像について、「想像をはるかに超える重さでちょっとビックリしました」とコメント。緊張を忘れるほどの重さを感じたといい、「でも『本当に本当に今、オスカー像を持ってるんだ』っていう風に思ってすごく嬉しかったです」と語った。次に『バットマン リターンズ』(’92年)のペンギン役などで知られるダニー・デヴィート(79)から、オスカー像を受け取ったエピソードも披露した山崎監督。プレゼンターにはアーノルド・シュワルツェネッガー(76)もいたことを振り返り、手振りを加えてこう語ったのだった。「ダニー・デヴィートさんとシュワルツェネッガーがいたんですけど、シュワルツェネッガーさんからもらいたかったんですけど……言っちゃいけないのかな(笑)もちろんダニー・デヴィートさんでも全然嬉しいんですけど、『あ、俺たちこっちなのね』っていう感じでした」続けて「その後、シュワルツェネッガーさんと握手できたので嬉しかったです」と、満足そうな表情を見せていた。いっぽう今回の米アカデミー賞をめぐっては、受賞者のプレゼンターに対する振る舞いが“アジア系差別”だと物議を醸していた。映画『オッペンハイマー』(’23)で助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.(58)は、満面の笑顔で歩み寄るプレゼンターのキー・ホイ・クァン(52)を“スルー”。オスカー像も素っ気なく受け取っており、その振る舞いに批判が集まっていた。こうした出来事も相まって、山崎監督の「こっち」発言に“プレゼンターへの敬意がない”と感じた人も少なくないようだ。SNSでは落胆する声が上がっている。《た…貴… 嘘だよな… ペンギンをこっち呼ばわりだなんて…》《なんだよ「こっち」って。ダニー・デヴィートに失礼じゃないか》《「こっち」とは。山崎貴監督、観客を一斉に裏切る発言。祝った観客はどうしたら良いのか。プレゼンターと目を合わせる合わさないで議論になっているのに、こっちと称するのは何様?がっかり過ぎる》《これはまずい「こっち」は公の場で言ってはいけないセリフ。 失礼過ぎる… 山崎貴監督ちゃんと謝罪した方がよいよなんだかなぁ。RDJしかり厳しいマナーとか作法を求めてる訳じゃないのに、初歩的な相手への思いやりが欠如してる面が多くて、今回のオスカーの情報見てて負担かかったな》
2024年03月13日第96回アカデミー賞にて、主演女優賞受賞、衣装デザイン賞ほか合計4部門を受賞した『哀れなるものたち』より入場者プレゼントの配布が決定した。『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーンが再集結した本作は、3月10日時点で、アート系作品としては異例の世界興行収入1億8400万ドルに到達。7週目にもかかわらず満席回が出続ける日本の興行収入も4億6400万円に達している。先日開催された第96回アカデミー賞ではエマ・ストーンが『ラ・ラ・ランド』に続く2度目の主演女優賞、さらに衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、美術賞の4部門を受賞。この度、オスカー受賞を記念して特製"ヴェネチア・ポストカード"の入場者プレゼントの配布が決定した。3月16日(土)の初回上映から先着1万名様に全国の公開劇場にて配布される(なくなり次第終了)。本プレゼントは、前売特典として3回に分けて展開された10種類のポストカードが海外仕様で1枚綴りとなっており、ヴェネチア国際映画祭でプレスのみに配布された、レアアイテム。前売券未購入の方は勿論のこと、すでに前売券購入済み、鑑賞済みの方も、ベラが経験したヨーロッパ横断の旅を追体験できる代物となっている。『哀れなるものたち』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:哀れなるものたち 2024年1月26日より全国にて公開©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年03月13日映画『ゴジラ-1.0』(公開中)のアカデミー賞受賞記念記者会見が12日に東京・羽田空港で行われ、山崎貴監督(監督・脚本・VFX)、渋谷紀世子氏(VFXディレクター)、高橋正紀氏(3DCGディレクター ※高ははしごだか)、野島達司氏(エフェクトアーティスト/コンポジター)、浜辺美波が登場した。同作は、ゴジラ70周年記念作品であり、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目である最新作。監督・脚本・VFXを、自身もゴジラのファンであることを公言する山崎貴が務め、主人公・敷島浩一を神木隆之介、ヒロイン・大石典子を浜辺美波が演じている。さらに山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介といった、実力派俳優陣が勢揃いし、モノクロ映像版『ゴジラ-1.0/C』も公開された。○■映画『ゴジラ-1.0』アカデミー賞の勝因は第96回アカデミー賞において、アジア圏の映画で初めて「視覚効果賞」を受賞した同作。山崎監督は「日本映画がハリウッドでそれなりの興行成績を上げられて賞を貰えたということは、今後の日本映画の作り方が変わってくる可能性を秘めているなと思いまして。アジアのもの、日本のものが、字幕上映で日本人のキャストしか出てなくても、北米で観られるようになっているという動きは感じたので、そこまで見据えた作品作りになれば、制作費も潤沢にしていけると思いますし、色んな意味で可能性が広がったことはすごく良かったんじゃないかなと思いました」と感想を述べる。「大リーグに野茂選手が意外と行けたじゃんとなった途端に、たくさんの人が大リーグに挑戦できるようになったように、ワールドワイドになった興行を目指した作品を作っていくというのはあるのかなと思います」と今後に期待した。また「アメリカに生まれた人にしか与えられなかったチャンスみたいなものが、ハリウッドはもうちょっと広く受け入れてくれるようになってきたんだなというのは、改めて感じました」と山崎監督。「外国語映画賞とか、最初から海外から来たものじゃなくて、『視覚効果賞』は聖域だったと思うので、その部分を開放してくれたというのは懐の深さ、外にもオープンにしてくれてるんだなという感じを受けましたので、色んなチャンスがこれから芽生えてくるといいなと思います」と展望も。今回の受賞については、「完全にゴジラのおかげですね」ときっぱり。「ゴジラというキャラクターが本当に大スターだったということは改めて思い知らされましたし、アメリカの人たちがいかにゴジラが好きか思い知らされました。僕らが会場に入って行ったら『こいつはなんなんだ』という感じですけど、みんなでゴジラを持って歩いてたので、皆さん『Godzilla!』と言ってくれるんですよ。ゴジラに連れて行ってもらったし、ワールドワイドなものになっているんだということは、想像以上にすごかった。ゴジラのVFXだからあそこに立てたと思わなければならないと思います」と気を引き締める。勝因について聞かれると、渋谷氏は「VFXのショートリストの10本に残った方々とか、ノミネートの方々に言われたのは、皆さんが最初の頃にない知恵を絞ってなんとか作っていこうともがいて作っていた頃を思い出したと。皆さんのあたたかい気持ちみたいなもの、見守っていただけていたということも含めて、そういうところに響いたのかなと思いました」と語る。山崎監督も「少人数、少ない予算で、他の作品が今までのVFXの延長線上にある中で面白がってもらえたんじゃないかなと。あとは、VFXはいかに物語に貢献したかを非常に大事にされるみたいなので、VFXで作り出されたゴジラの恐怖感、絶望感が、お話に貢献している部分を評価されたのかな」と分析する。状況を「真面目に見ちゃうと心がずたずたになるぐらい、他のものが素晴らしいので、『なんでオリンピックに来てるんだ?』というくらいの凄まじい空気のものが続く中で、僕らの面白ビデオを見せるという」と表すが、「そのポンコツチームが頑張ってる感じが、おそらくVFXの初期(を思い起こさせる)。『スター・ウォーズ』は、CGが使えなかった時代にいろんな工夫をしながらなんとか成立させようと思って効果を上げてるんですね。だからそういう部分が、皆さんの琴線に触れたのかなと思うようにしています」と明かした。「日本のVFXは世界と戦えると思いましたか?」という質問に、山崎監督は「全然思わない」と苦笑。「やっぱりかなりまだまだというのは改めて感じましたね。だから本当にラッキーパンチだと思いますし、いろんな条件が重なって、今回こういう賞をいただきましたけど、改めてまだまだいろいろ頑張っていけないなと。中枢に近づいたからこそ思うすごさはありました。でも、ちょっと戦えたんで! 結果は出せたんで、また頑張っていいかなと思っています」と語った。
2024年03月12日第96回アカデミー賞で、邦画・アジア映画として初めて視覚効果賞に輝いた『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が3月12日(火)、授賞式が行われた米ロサンゼルスから帰国し、羽田空港で凱旋記者会見を実施した。会見場に、オスカー像を手にして現れた山崎監督は「想像をはるかに超える重さで、ビックリしました」とその重みを改めて実感。授賞式当日のプレゼンターは、アーノルド・シュワルツェネッガーと、ダニー・デヴィートが務め、「まさか、ターミネーターに(名前を)呼ばれるとは」と喜びを語った。改めて「最高の結果になった」と安どの表情を見せ、「僕のつたない英語のスピーチを、がんばれという感じで見守ってくれて、めちゃくちゃ温かった」と授賞式の雰囲気をふり返った。「視覚効果賞はある意味、ハリウッドの聖域だったが、ずっと(VFXを)やり続けて、あの場所に立てたのが、とてもうれしい。完全にゴジラのおかげですね。ゴジラがワールドワイドで大スターであることを、改めて思い知らされた。ゴジラのVFXだから、あの場所に立てた」(山崎監督)記者から「ハリウッド大作と戦える自信になったか?」と問われると、「全然思わない」と即答。「もぎ取りに行くのはまだまだ。いろんな条件が重なり、賞をいただいたので、ラッキーパンチのようなもの」と語った。その上で、「視覚効果賞は、VFXがいかに物語に貢献しているかが大事とされるようなので、VFXが生み出したゴジラの恐怖感と絶望感が、お話に貢献したのでは」と勝因を分析していた。また、今回の快挙で「今後の日本映画の作り方が変わるかもしれない」と話し、「日本人キャストが出演する映画が、北米で字幕上映され、興行的に結果が出るのであれば、それを見据えて、製作費が潤沢になる可能性は広がる」と展望を語った。受賞スピーチでは、「40年以上前『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』を観て、ショックを受けて、この道を志した」と語っていた山崎監督。会見で「中学生だった、当時の自分に何か伝えたいことは?」と質問されると、「生意気で何でもできると思っていたから、『ゴジラ』を撮ったと言えば信じるかもしれない。でも、オスカーをとったと言えば、『あっ、そうっすか』って変なおじさん扱いするかも(笑)。でも、『スター・ウォーズ』や『未知との遭遇』にメロメロになった自分には感謝したい」と少年のように、瞳を輝かせた。今後については、「賞を目指す映画はあんまり好きじゃないので、そういうことはあまり考えず、自分が作りたいものを徹底的に作れば、もしかすると道が開けるかも。ここを到達点にせず、ここを出発点にしたい」と決意を新たにしていた。会見には、山崎監督とともにオスカー像を手にした渋谷紀世子(VFXディレクター)、高橋正紀(3DCGディレクター)、野島達司(エフェクトアーティスト/コンポジター)が同席。会見の最後には、本作のヒロインを演じた浜辺美波(大石典子役)がサプライズで駆けつけ、「本当におめでとうございます」と快挙を祝福。オスカー像を手にすると、「重たい!生で見られる日が来るとは」と感激していた。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.
2024年03月12日映画『ゴジラ-1.0』(公開中)のアカデミー賞受賞記念記者会見が12日に東京・羽田空港で行われ、山崎貴監督(監督・脚本・VFX)、渋谷紀世子氏(VFXディレクター)、高橋正紀氏(3DCGディレクター ※高ははしごだか)、野島達司氏(エフェクトアーティスト/コンポジター)、浜辺美波が登場した。同作は、ゴジラ70周年記念作品であり、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目である最新作。監督・脚本・VFXを、自身もゴジラのファンであることを公言する山崎貴が務め、主人公・敷島浩一を神木隆之介、ヒロイン・大石典子を浜辺美波が演じている。さらに山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介といった、実力派俳優陣が勢揃いし、モノクロ映像版『ゴジラ-1.0/C』も公開された。○■映画『ゴジラ-1.0』アカデミー賞の空気を語る山崎監督第96回アカデミー賞において、アジア圏の映画で初めて「視覚効果賞」を受賞した同作。オスカー像を持った山崎監督は「想像をはるかに超える重さでびっくりしました。けっこう緊張してたんですけど、一瞬それを忘れるぐらいの重さで、本当に今オスカー像を持ってるんだと思って、すごく嬉しかったです」と感想を述べる。「ダニー・デヴィートさんと(アーノルド・)シュワルツェネッガーさんがいて、シュワルツェネッガーさんからもらいたかったんですけど」と苦笑。「ダニー・デヴィートさんももちろん嬉しいんですけど、その後シュワルツェネッガーさんと握手ができたのでよかったです」と喜んでいた。渋谷氏は「直前に配られたテキーラもあって、テンションがめちゃめちゃ上がってしまいました」、高橋氏は「『ゴジラ-1.0』と呼ばれて、本当に頭が真っ白というかよくわからなかったです。僕はシュワルツネッガーさんからもらって、目を見ただけでもいい人なのがわかりました」と振り返る。野島氏も「僕もシュワルツネッガーさんからいただきました。手足が痺れて、感じたことのない痺れで、なんだこれはという。で、シュワルツネッガーさんを見て、わけわかんなかったですけど、山崎さんの英語のスピーチをすごくあたたかく見守ってくださってる会場の皆さんの顔が忘れられなくて、本当にいい場所だなと感じました」と感想も。会見では英語のスピーチをいじられていた山崎監督だが、実際の会場の空気については「『頑張れ』という顔で見てくださってて、その空気ってビシバシ伝わってきていましたし、あたたかく見守ってくれているという空気が心地よくて。ものすごい焦ってたんですけど、最高峰の人たちが集まっている素晴らしい場所だなと感じていました」と感謝する。今回の視覚効果賞についても「聖域中の聖域で、ものすごく予算をかけて凝りに凝ったVFXがある中でのベストなので、僕らは挑戦権がなかったんです。夢見ることすら許されてなかった場所だったので、僕ら的にはオスカーとか考えるのもタブーだった」と説明。「門を開いてくれたことはすごく嬉しいことだし、ハリウッドという場所の懐の深さ、力の強さ。僕らがそこで賞を取ったからといって、彼らの映画産業は揺らぎはしないという自信を感じましたし、繰り返しになりますけど、会場の皆さんのあたたかい『頑張れ』という感じが本当にうれしかったので。僕はVFXが1番長いキャリアなので、それをずっとやり続けてきた今にこの場所があったということは本当にうれしいことです」と語った。
2024年03月12日アカデミー賞授賞式で、助演男優賞を受賞した俳優がオスカー像を受け取る際にアジア系のプレゼンターを”無視した”として波紋を呼ぶなか、ハリウッドで20年にわたり活動してきた日本人俳優が明かしたハリウッドの実情に注目が集まっている。問題となったのは現地時間3月10日に行われた授賞式での一幕。映画『アイアンマン』の主演俳優として知られ、今年は『オッペンハイマー』のルイス・ストラウス役で助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.(58)が、助演男優賞のプレゼンターの1人で、昨年の助演男優賞受賞者のベトナム系アメリカ人のキー・ホイ・クァン(52)を”無視した”というもの。ステージに上がったダウニーは、オスカー像を渡そうと近づいたクァンを“スルー”し、目を合わさずに彼の手からオスカー像を受け取ると、壇上にいたティム・ロビンスとサム・ロックウェルの2人とだけ握手とグータッチをした後、アカデミー賞の封筒を手渡そうとしたクァンを再び“無視”して、喝采を送る観衆に向き直りスピーチを始めてしまった。SNS上ではこれらのダウニーの振る舞いが”アジア人への差別ではないか”と波紋を呼ぶことに。そんななか、注目が集まっているのが『ラスト サムライ』『硫黄島からの手紙』などハリウッド作品にも出演するなど、日米で活躍する日本人俳優の松崎悠希(42)だ。松崎は日本時間の3月11日、ハリウッドの多様化の実情について語った、自身の過去のインタビュー記事を引用して次のように投稿した。《>ハリウッドが言う「多様化」というのは本当の意味での多様化ではないんです。トランプのカードにはハート、ダイヤ、スペード、クラブの4種類があるじゃないですか。「全種類」揃っていますよと見せるためだけにやっているどこまで行っても我々アジア系は「おまけ」扱い…》昨今のアカデミー賞は多様化を意識しており、その結果、20年の韓国映画『パラサイト半地下の家族』の作品賞受賞を初め、非白人の活躍が増えたことは事実。しかし、松崎氏はそうした“多様化”はあくまでも《ポーズ》であると指摘している。さらに、松崎氏は3月12日、ハリウッドのアジア人差別の実態として、“大御所俳優”の例もあげた。《20年間ハリウッドで俳優として活動してきた私がこれまで「ラストサムライのセットでの真田広之」を、ハリウッドの業界人からどう聞かされてきたか。「Hiroyuki Sanadaという小うるさい俳優がいて、セットの雰囲気を乱していた」「Hiroyuki Sanadaは細かすぎて、和を乱す」うるせえよ馬鹿ども》アカデミー賞授賞式でのダウニーに差別意識があったかどうかは定かではないが、《夢を壊してスミマセンが、我々にとっての「ハリウッド」は2024年の今でも、クッソ人種差別的です》と結んだ松崎氏の見解には共感する声が多く上がった。《しっくりきた》《ハリウッドも闇が深そうだなぁ》《今まで不思議だったハリウッドで出てくる謎日本の街並み。あれは日本へのリスペクトがなく、どうでもいいからイメージ上の日本のままやってたんだな…》《ラストサムライが日本でもヒットしたのは真田広之が小煩く指摘してたからなんだろうなぁ》《ハリウッドの言う多様性は嘘っぱちなんですねー 想像に難くないでーす そんな環境の中で頑張っている日本やアジアの俳優さんに拍手》
2024年03月12日ディズニープラスにて独占配信中の『ラスト・リペア・ショップ』が第96回アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞した。本作は、アメリカ最大の都市ロサンゼルスで、1959年から楽器を無料で修理して公立学校の生徒たちに提供している楽器修理職人の様子を描いたドキュメンタリー。アカデミー賞ノミネート経験のあるベン・プラウドフットとクリス・バワーズ、2人の監督が倉庫の隅々まで撮影し、生徒のために8万を超える楽器の修理に情熱をかける職人たちのインタビューで構成されている。プレゼンターであるケイト・マッキノン、アメリカ・フェレーラからオスカー像を受け取った監督/プロデューサーのクリス・バワーズは、「ありがとうございます。アカデミー、これは信じられない光栄です」と、オスカー像を握りしめながら嬉しそうな表情を浮かべ感謝。続けて「(この作品は)学校の英雄たちについてのものであり、彼らは世に知られておらず、感謝されず、見過ごされています。今夜、そんな彼らに光が当たりました」と、影の功労者である職人たちがいかに重要な役割を担っているかを強調した。さらにディズニープラスでは、長編アニメーション映画賞ノミネートの『マイ・エレメント』や、エミー賞にて最多となる10部門に輝いた「一流シェフのファミリーレストラン」など、賞レースを席巻した数々の話題作や、来年度のエミー賞やゴールデングローブ賞といった賞レースの本命作品になるのではないかと早くも期待されている「SHOGUN 将軍」を配信中。過去の話題作から現在の注目作までぜひチェックしてみてほしい。『ラスト・リペア・ショップ』はディズニープラス「スター」にて独占配信中。(シネマカフェ編集部)
2024年03月12日昨年世界中で大ヒットした『バービー』でケンを演じたライアン・ゴズリングが、3月10日(現地時間)に開催されたアカデミー賞授賞式で、劇中歌「I’m Just Ken」のパフォーマンスを披露した。パフォーマンスの多くの案はライアンが考えたもので、『紳士は金髪がお好き』でマリリン・モンローが歌った「Diamonds Are a Girl’s Best Friend」のオマージュにしたのもライアンの案。ピンクのギラギラスーツを着て、観客席からパフォーマンスをスタートさせたことや、最後の方にステージから降りて最前列に座っていたマーゴット・ロビー、グレタ・ガーウィグ監督、アメリカ・フェレーラらと一緒に歌ったのもそうだという。ショーのプロデューサーを務めたモリー・マクネアニーと振付師のマンディ・ムーアが「Variety」誌に語った。ライアン・ゴズリング第96回アカデミー賞授賞式 Myung J. Chun / Los Angeles Times via Getty Images『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督もショーのクリエイティヴ面で協力を惜しまなかった。ガーウィグ監督が望んだことはただ一つで、「観客全員が立ち上がって一緒に歌えるようなショー」にしたかったそうだ。ショー終盤の会場の盛り上がりは最高潮に達し、その願いは叶えられた。オスカーでライアンが「I'm Just Ken」を歌うことが決まった後、『バービー』ファンは「ライアンだけでなく他のケンも出演してほしい!」と声を上げていたが、こちらもシム・リウ、ンクーティ・ガトワ、キングズリー・ベン=アディルらの出演が実現。「本当にうれしかった」「3万回観た」「ケンたちの圧巻のショーだった!」と大喜びだった。(賀来比呂美)■関連作品:紳士は金髪がお好き
2024年03月12日米国時間10日夜に行われた第96回アカデミー賞授賞式。助演男優賞を受賞したロバート・ダウニーJr.と主演女優賞を獲得したエマ・ストーンの壇上での振る舞いが「アジア人差別では」と注目を集めている。例年は、前回の受賞者1人がプレゼンターとして受賞者にオスカー像を手渡すが、今年は歴代の受賞者5人が登壇。主演女優賞の発表の際は、昨年のミシェル・ヨーを筆頭にサリー・フィールド、シャーリーズ・セロン、ジェシカ・ラング、ジェニファー・ローレンスが登場した。ヨーがエマ・ストーンの名前を発表すると、ストーンは背中のファスナーが壊れてしまったことを気にしながら舞台に登り、「ねえ見て」と言わんばかりに親友のローレンスに背中を向けて照れ笑い。その直後にミシェル・ヨーがオスカーを手渡したが、ストーンは像をローレンスに一度持たせ、彼女から受け取るような仕草を見せた。これがXなどで「アジア人のヨーではなく、白人であるローレンスから像をもらいたかったのだろう」という憶測を広げる原因となった。その数十分前に助演男優賞を受賞したロバート・ダウニーJr.も、昨年の受賞者キー・ホイ・クァンと目を合わせることなく像を片手で受け取り、握手やハグで喜びを分かち合うこともせず素通り。並んでいたティム・ロビンスの元へ直行した。その姿にも「まるでウェイターからドリンクをもらうようだった」と、X上に“人種差別では?”という声が広がったのだ。ヨーは翌日にInstagramを更新。議論を引き起こしたオスカー像贈呈の瞬間について振り返った。「おめでとうエマ!混乱させてしまったけど、オスカーを手渡すという素晴らしい瞬間を、あなたの親友であるジェニファーと分かち合いたかったの!!彼女は私の大親友、ジェイミー・リー・カーティスを彷彿とさせたわ。いつもお互いのために!!」ヨーが自ら像を持ってローレンスの元へと導き、彼女と一緒にストーンへ手渡したというのが真相のようだ。しかし、コメント欄には、《ストーンは無礼だったよ》《人種差別が根底にあるマイクロアグレッション(無意識に他者を傷つける行為)だ》といった声が絶えず、いまも騒動が続いている。
2024年03月12日3月10日(現地時間)に開催されたアカデミー賞授賞式にて、エマ・ストーン(『哀れなるものたち』)が主演女優賞を受賞。その際に、過去同賞の受賞歴があるシャーリーズ・セロン、ジェシカ・ラング、サリー・フィールド、ジェニファー・ローレンス、ミシェル・ヨーから舞台上で祝福を受けた。ジェニファーとエマは親友同士であり、ジェニファーはエマの受賞を特に喜んでいたようだ。前年の受賞者からオスカー像を受け渡すという慣例に従い、今年はミシェルがエマに渡すはずだった。しかし、エマが舞台に上がるとミシェルの隣にいたジェニファーが「ミシェルからオスカー像を取り、エマに渡した」というようにも見えたため、ジェニファーに批判が噴出。エマに対しても、「ミシェルとアイコンタクトを取っていない」「前回の受賞者に対してあまりにも敬意がない」「アジア人を軽視している」といった声がXに殺到した。この件に関して、ミシェル本人がインスタグラムで真相を語った。「おめでとう、エマ!混乱させてしまったかもしれませんが、私はあのオスカー像を渡すという素晴らしい瞬間をあなたの親友であるジェニファーとも分かち合いたかったのです。彼女は私の大親友ジェイミー・リー・カーティスを彷彿させます。いつもお互いに寄り添っています」。ファンはミシェルのこの投稿に「あなたは混乱なんてさせていません」「本当のことを言ってくれてありがとう」などのコメントを寄せている。(賀来比呂美)
2024年03月12日最新作『オッペンハイマー』でアカデミー賞最多7部門を受賞したクリストファー・ノーラン監督の初の商業映画『メメント』が、4月19日(金)より1週間限定で再上映されることになった。第96回アカデミー賞(2024)をはじめ多数の映画賞でのノミネート、受賞で話題を席巻しているクリストファー・ノーラン監督。監督の長編映画第2作で初の商業映画作品でもある『メメント』は、何者かに妻を惨殺され、自らも記憶障害を患ってしまった主人公・レナード(ガイ・ピアース)が犯人への復讐に突き進む物語。レナードが“10分しか記憶を保てない”なかでポラロイド写真やメモ、体中にタトゥーを彫ることで記憶を残し、時系列を逆行しながら事件の真相に迫っていくという手法が評判となり、全米でロングランヒットを記録。一躍、<監督クリストファー・ノーラン>の名を世に知らしめた作品でもある。後に『インセプション』や『インターステラー』、そして『TENET テネット』など“時間”を題材に、多くの難解で画期的な作品を生み出すノーラン監督のエッセンスを体感できる1作となっている。なお、本企画ではオリジナルの来場者特典の配布も実施予定。詳細は後日発表される。『メメント』は4月19日(金)より新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋、シネクイントほか全国66館にて1週間限定上映。『オッペンハイマー』は3月29日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:オッペンハイマー 2024年3月29日より全国にて公開© Universal Pictures. All Rights Reserved.
2024年03月12日アカデミー賞授賞式番組のアメリカでの視聴率が判明した。ニールセンの調べによると、アメリカで番組を見た人の数は1,950万人。昨年は1,880万人だったので、およそ4パーセントのアップだ。今年は『オッペンハイマー』『バービー』といった大ヒット作が候補入りし、またいつも終了が東海岸時間で午後11時を越えてしまうため、始まりを1時間早くした。それらのおかげなのかどうかは不明ながら、少しでも数字が上がったのは良い知らせだ。『オッペンハイマー』は、作品、監督、主演男優部門を含め、7部門で受賞。一方、8部門で候補入りしていた『バービー』は、歌曲部門での受賞にとどまった。やはり作品部門を含め、複数部門にノミネートされていた『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』『マエストロその音楽と愛と』『パスト ライブス/再会』は、手ぶらで帰ることになった。『オッペンハイマー』3月29日(金) 公開(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.文=猿渡由紀
2024年03月12日現地時間3月10日に行われたアカデミー賞授賞式で、俳優のロバート・ダウニー・Jr.(58)が自身の初となるオスカー像を手にしたが、その振る舞いが波紋を呼んでいる。『アイアンマン』の主演俳優として知られるダウニーは、『オッペンハイマー』のルイス・ストラウス役で今年のアカデミー賞で、助演男優賞を受賞。助演男優賞のプレゼンターは歴代受賞者のマハーシャラ・アリ、ティム・ロビンス、クリストフ・ヴァルツ、サム・ロックウェルらに加え、昨年の受賞者で80年代に子役として『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』のショート・ラウンド役や『グーニーズ』のデータ役で知られるベトナム系アメリカ人のキー・ホイ・クァン(52)がメインで進行を務めた。クァンはステージ上で、受賞者であるダウニーの名前を興奮気味に発表し、ダウニーがステージに向かう際には、クァンはオスカー像とダウニーの名前が書かれた封筒を手にしていた。通常、受賞者はここで像と手紙を受け取ったうえで、プレゼンターと言葉を交わしたり握手やハグなどが行われるため、クァンもそれを予想していた動きだった。しかし、ステージに上がったダウニーは、満面の笑みで近づくクアンを“スルー”。彼の手からオスカー像を受け取ると、共同司会者ティム・ロビンスと握手し、サム・ロックウェルとグータッチをした後、アカデミー賞の封筒を手渡そうとしたクァンを再び“無視”して、喝采を送る観衆に向き直ると、そのままスピーチを始めてしまった。その後、ダウニーはバックステージでクァンや他のプレゼンターたちとハグをしたり自撮りをする様子が確認されており、本人たちの間に確執は無いよう。しかし、SNS上ではステージ上でのダウニーの振る舞いが“無礼ではないか”と波紋を呼んでしまった。《満面の笑みで祝福を表し発表したキー・ホイ・クァンに対して、ロバート・ダウニー・Jrの態度かなり感じ悪い》《ロバート・ダウニー・Jr、助演男優賞プレゼンターのキー・ホイ・クァンに対して無礼すぎ。よくアカデミー授賞式でこんな態度とれるなあ》《確かにロバート・ダウニー・Jr、ほぼフルシカトで見もしなくて感じ悪いわ。残念だ》《ロバート・ダウニー・Jrが司会者に目を合わせず素通りしたことが物議を醸している件、受賞の喜びに感極まって冷静な対応ができていなっただけだと思いたい》「実は、今年2月のグラミー賞授賞式でも似たようなことが起きています。最優秀アルバム賞のプレゼンターとしてセリーヌ・ディオンがテイラー・スイフトにトロフィーを渡したのですが、4度目の受賞という偉業達成に興奮したのか、テイラーはトロフィーを受けとる際にセリーヌにお礼を言ったりハグをせず、“セリーヌを無視した”と大炎上しました」(海外ゴシップライター)世界的な賞の受賞は大スターでも興奮してしまうのかもしれない。
2024年03月11日東京国際映画祭(TIFF)が香港国際映画祭、釜山国際映画祭とともに共催するアジア全域版アカデミー賞「第17回アジア・フィルム・アワード(以下AFA)」の授賞式が3月10日夜、香港の戯曲センター(Xiqu Centre)Grand Theatreにて開催。日本作品の『悪は存在しない』(濱口竜介監督)が、最優秀作品賞と最優秀音楽賞(石橋英子さん)を受賞したほか、日本映画勢が多数受賞した。『悪は存在しない』の濱口監督と石橋さんは、昨年の『ドライブ・マイ・カー』に続いての最優秀作品賞獲得。また、是枝裕和監督も『怪物』で最優秀監督賞を受賞し、昨年の韓国作品『ベイビー・ブローカー』に続く2年連続の同賞受賞に輝いた。『怪物』是枝裕和監督このほか、第36回TIFFのオープニング作品で、日本アカデミー賞でも最優秀主演男優賞を受賞した『PERFECT DAYS』にて役所広司が最優秀主演男優賞の栄冠を手に。第36回TIFFのクロージング作品で、日本アカデミー賞で最多8冠に輝き、米アカデミー賞の視覚効果賞をアジア初受賞した『ゴジラ-1.0』チームが、視覚効果賞(山崎貴監督、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司)、音響賞(井上奈津子)の2部門を受賞。併せて先の発表のとおり、『エゴイスト』などが話題を集めた俳優・鈴木亮平がアジア映画界・アジア文化における業績と貢献を称える「Excellence in Asian Cinema Award」に、韓国のイ・ヨンエととも授与された。イ・ヨンエ/鈴木亮平大規模で豪華なレッドカーペットの後に開催されたAFAの授賞式では、日本人として初めて審査委員長に就任した黒沢清監督が、世界中の映画人が務める審査員陣と投票メンバーを率いて決定された受賞者が登壇。“Youth Ambassador”の1人として様々なAFAイベントに参加した宮沢氷魚がプレゼンターを務めたほか、特別功労賞を受賞したチャン・イーモウ監督、主演男優賞にノミネートされたトニー・レオン、プレゼンターを務めたファン・ビンビンなど、アジア全域よりスターが集まる華やかな式典となった。第17回 アジア・フィルム・アワード 受賞結果一覧(敬称略)『悪は存在しない』最優秀作品賞『悪は存在しない』(日本)最優秀監督賞是枝裕和 『怪物』(日本)最優秀新人監督賞ニック・チェク 『年少日記』(香港)最優秀主演男優賞役所広司 『PERFECT DAYS』(日本)最優秀主演女優賞ジャン・チンチン 『西湖畔に生きる』(中国)最優秀助演男優賞パク・フン『12.12:The Day』(英題/韓国)最優秀助演女優賞レイチェル・リョン 『白日の下』(香港)最優秀新人俳優賞Tergel Bold-Erdene『City of Wind』(フランス、モンゴル、ポルトガル、オランダ、カタール、ドイツ)最優秀脚本賞ペマ・ツェテン 『雪豹』(中国)最優秀編集賞キム・サンボム『12.12:The Day』(英題/韓国)最優秀撮影賞マティアス・デルボー『雪豹』(中国)最優秀音楽賞石橋英子『悪は存在しない』(日本)最優秀衣装デザイン賞マン・リムチョン『The Goldfinger』(香港、中国)最優秀美術賞Eric LAM『The Goldfinger』(香港、中国)最優秀視覚効果賞山崎貴、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司 『ゴジラ-1.0』(日本)最優秀音響賞井上奈津子『ゴジラ-1.0』(日本)Excellence in Asian Cinema Award鈴木亮平(日本)、イ・ヨンエ(韓国)特別功労賞 (Lifetime Achievement Award)チャン・イーモウAFA Next Generation Awardチャオ・リーイン(中国)AFA Rising Star Awardメータウィン・オーパッイアムカジョーン(タイ)2023 Highest-Grossing Asian Film Award『満江紅(マンジャンホン)』監督:チャン・イーモウ(中国)受賞者よりコメント<鈴木亮平Excellence in Asian Cinema Award 受賞>(英語で挨拶:和訳)大家好(中国語)。ここに来ることができて本当にうれしいです。とりわけ、著名なイ・ヨンエさんと一緒にここに立つことができて、とても光栄です。偉大な映画監督、偉大な映画プロデューサー、映画製作者、偉大な俳優、アジアの伝説の俳優たち、皆さんの前に立つことができて、本当に光栄に思っています。でも正直なところ、今年は何もノミネートされていないので、とてもリラックスしてここに立っています。もちろん、ノミネートされることは良いことですが、ノミネートされないのも良いことです。なぜなら、何も心配する必要がないからです。ちなみに、昨年は、トニー・レオンさんのせいで私は最優秀主演男優賞を逃しました。(笑)でも、今年再び彼に会えてうれしいです。もちろん、賞を受賞することは非常に重要でワクワクしますが、このイベント、この大きなイベント、AFAの素晴らしいところは、皆さんに出会い、新しい人たちに出会い、アジア各地の映画制作者と出会い、語り合い、学びあうことだと私は考えています。そして願わくは、今後一緒に新しいプロジェクトを始めたい。今日、あるいは今夜が、未来の新しいプロジェクトの始まりになるかもしれません。そして、いつか一緒に映画を作れることを本当に願っています。なぜなら、"私たちは一緒に物語を紡ぐ(※Together we tell story)"からです。ありがとうございました。※「Together We Tell Story」は今年のAFAのテーマ。<『悪は存在しない』最優秀作品賞受賞>※濱口竜介監督が欠席のため、監督に代わり高田聡プロデューサーと石橋英子がコメント。高田聡:私たちの映画にこのような非常に光栄な重みのある賞を頂きまして、代表してまずは感謝を申し上げます。同じくノミネートされた撮影の北川喜雄さん、共同編集の山崎梓さん、またこの映画に関わったすべての皆さん、おめでとうございます。そして、この場に残念ながら来ることができなかった濱口竜介監督、そして濱口監督に一番最初にこの企画の話を持ってきて、素晴らしい音楽で共同制作をされた石橋英子さん、おめでとうございます。石橋英子:本当に濱口監督が来ることができなかったのは残念です。でもこうやって、撮影の北川さんや編集の山崎さん、今もしかしたら日本で見ているかもしれない主演のおおみか(大美賀均)さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当に皆さんの力のおかげでできました。もちろん、ミュージシャンの皆さん、ミックスをしてくださったジム・オルークさん、本当に皆さんのおかげで、今こうやって、私たちはここに来られて、楽しい時間を過ごせていると思っています。ありがとうございました。<是枝裕和監督最優秀監督賞受賞>尊敬する黒沢清監督からこのようなトロフィーを頂くなんて、本当に光栄です。出会う才能ということで言えば、今回は坂元裕二さんという尊敬する脚本家の方の素晴らしい脚本があって、もう20年近く一緒に仕事をしている美術の三ツ松けいこさんが、今日一緒にスタッフを代表してここに来ていただきました。そんなスタッフとキャストと出会えたことが、この賞を頂けた一番大きな僕の才能ではないかと思います。昨年に続いてこの壇上に立たせていただくことができて、本当にうれしいです。来年は、作品はないのですが、ノミネートされていなくても、またこの場で映画を愛する皆さんとこの時間を共有できたらうれしいです。ありがとうございました。<石橋英子最優秀音楽賞>全く期待してなかったので、全然スピーチを考えていなかったです。まずアジア・フィルム・アワードの皆様、審査委員の皆様、本当にありがとうございます。まず濱口監督、長い道のりでしたが、何をつくるのかわからないまま一緒に歩んできた道のりが奇跡のようでした。撮影やその後の編集など、一緒に皆さんが作ってこられた努力にも感謝したいと思います。撮影の北川さん、編集の山崎さん、本当にありがとうございます。皆さんの仕事がなければ、私のこういう音楽もなかったと思います。スタッフとキャストの皆さんにも感謝したいと思います。本当にありがとうございました。『悪は存在しない』は4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会ゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2024年03月11日映画『君たちはどう生きるか』の「第96回 米アカデミー賞」長編アニメーション映画部門賞ノミネート会見が11日にスタジオジブリで行われ、スタジオジブリ 鈴木敏夫プロデューサーが出席した。宮崎駿監督作品としては、2002年米公開の『千と千尋の神隠し』、2005年米公開の『ハウルの動く城』、2014年米公開の『風立ちぬ』に続く4度目の米アカデミー賞ノミネートになった同作。日本時間きょう早朝に行われた「第96回 米アカデミー賞」で長編アニメーション映画賞を受賞した。○■鈴木敏夫P、宮崎駿監督の第一声明かす「みっともないのはわかってると……」一度、引退を発表した宮崎駿監督が、復帰して約7年の制作期間を経て完成させた同作。鈴木Pは「作品というのはいつもこれが最後だと思って作るんですよね。その次のスケジュールが決まってるっていうのは、本来変なこと。映画監督というのは、常にそういうことにさらされてると思うんですよ」と話す。「何しろ7年の間にいろんなことが起きたわけで、だから、宮崎は今回特に『果たして今回の作品がいろんな人にどうやって受け取られるんだろうか、皆さんにちゃんと見てもらえるんだろうか?』といつも以上に心配が大きかったんですよ。日本での興行が始まったとき、お客さんが来てるかどうかものすごく気にしてました」と明かした。また、宮崎監督からのコメントについて聞かれると、鈴木Pは「もう二度と作らないって大記者会見やったじゃないですか。(宮崎は)あれをすごく反省しているんです」と代弁。「今回作るときだって、僕は彼がやりたがってるのはなんとなくわかったんですけど、知らん顔していたんです。(宮崎監督の)最初の言葉は『みっともないのはわかっている』と言ったんです(笑)。それと同時に言ったことがあって『もう世間には出ません』と。これは本心だと思っていて、一生懸命皆さんの前でご説明しても結果として嘘になった。本人としてはその愚行を繰り返したくないという気持ちだと思います。仕方がないからそれに関しては僕が引き受けてやっていく次第です」と宮崎監督が公の場に姿を現さない理由を明かした。
2024年03月11日「第96回アカデミー賞」の授賞式が、日本時間3月11日、ドルビー・シアター(アメリカ・ロサンゼルス)にて開催。日本の作品では、『ゴジラ-1.0』と『君たちはどう生きるか』が受賞し、キャストや関係者がお祝いや喜びのメッセージを寄せている。今回、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』は、視覚効果賞を受賞。アジア映画で初の同賞受賞という快挙となった。主演の神木隆之介(敷島浩一役)は「米アカデミー視覚効果賞受賞おめでとうございます!!!!!!!凄すぎます!!!!ゴジラと戦えたこと誇りに思います!!」とコメント。「わーーー!!おめでたいいいいいい!!」(浜辺美波/大石典子役)、「おめでとうございますすげぇ!」(山田裕貴/水島四郎役)、「やばいこれから撮影なのに嗚咽がとまらない、久々に呼吸ヒッヒってなるくらい号泣してる!」(安藤サクラ/太田澄子役)、「山崎貴監督始め白組の皆様!チームゴジラの皆々様!そして阿部秀司様!おめでとうございます!」(佐々木蔵之介/秋津清治役)など、多くの共演者も祝福のコメントを投稿している。一方、スタジオジブリの『君たちはどう生きるか』は、長編アニメ映画賞に輝いた。主題歌「地球儀」を担当した米津玄師は「アカデミー賞、長編アニメーション賞おめでとうございます。偉大な作品に関われたことを誇らしく思います」と今回の受賞への喜びを投稿した。『ゴジラ-1.0』は公開中。『君たちはどう生きるか』英語吹替版(日本語字幕付き)は3月20日(水・祝)より上映。※秋津清治の「清」は旧漢字(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibliゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.
2024年03月11日映画『君たちはどう生きるか』の「第96回 米アカデミー賞」長編アニメーション映画部門賞ノミネート会見が11日にスタジオジブリで行われ、スタジオジブリ 鈴木敏夫プロデューサーが出席した。宮崎駿監督作品としては、2002年米公開の『千と千尋の神隠し』、2005年米公開の『ハウルの動く城』、2014年米公開の『風立ちぬ』に続く4度目の米アカデミー賞ノミネートになった同作。日本時間きょう早朝にアメリカで行われた「第96回 米アカデミー賞」で長編アニメーション映画賞を受賞した。○■スタジオジブリ、次作は短編アニメ? 鈴木プロデューサー「テーマも話し合っている」集まった報道陣に「なんでも答えます」と声をかけた鈴木P。今回の受賞を受けて期待が高まる次作について聞かれると、「まだ映画の公開が続いていきます。そして、このアカデミー賞をきっかけにアメリカでも映画館の数が増えるみたいなんですよ。あと中国も残っていますし。そういう興行が全部終わるまでは次に行くことが難しいんです」とコメント。「だからまず自分が抱えていること、頭の中がからっぽになるまで時間がかかるような気がしています。そのうえでもう一本作りたいということなら、次の作品に取り掛かるんであろうという風に僕は見ています」と現状、次作については白紙だと話した。また、「宮崎監督にまた作ってほしいという思いはありますか?」と聞かれると、鈴木Pは「僕の本心を言いますと、もう1度長編映画を作るのはそんな簡単じゃないと思う。それで言うと、短編アニメというものも宮崎は作ってきましたから、僕はそういう話を今しています」と明かし、「(短編アニメについては)1回、2回じゃなく延々話しているんです。そのテーマも話し合っています」と次作の期待をあおった。
2024年03月11日前哨戦の勢いそのまま、『オッペンハイマー』が全7部門を受賞し、賞レースの最後を飾った第96回アカデミー賞。日本映画2品も受賞を果たした今年、レッドカーペットは多様なスタイルのファッションで華やいだ。『哀れなるものたち』で恐れなき熱演で主演女優賞を受賞したエマ・ストーンは、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のカスタムドレス。薄いミントグリーンのストラップレス・ドレス。ジャカードの生地にペプラムのディテール以外はシンプルなデザインで、エマはダイヤモンドとサファイアのネックレスを合わせた。エマ・ストーン Photo by John ShearerWireImageストラップレスは今年人気のデザインのようだ。今回は作品賞候補の主演作『バービー』のプロデューサーとして出席したマーゴット・ロビーは、「ヴェルサーチ(Versace)」のシークイン・ドレス。長年携わった『バービー』という作品の締めくくりにチョイスした色は黒だ。先住民族の血を引く俳優として初の主演女優賞候補となったリリー・グラッドストーン(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)は、「グッチ(GUCCI)」のサバト・デ・サルノと先住民族のクイルワーク・アーティスト、ジョー・ビッグ・マウンテンとのコラボレーションでミッドナイトブルーのベルベットのドレス。クイルワークの花モチーフで飾られたトレーンがアクセントだ。リリー・グラッドストーンPhoto by Gilbert FloresVariety via Getty Images助演女優賞候補のキャリー・マリガン(『マエストロ:その音楽と愛と』)は、「バレンシアガ(Balenciaga)」の黒のマーメイドスタイルのドレスに白いチュールのスカート。ダニエル・ブルックス(『カラーパープル』)は、「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」の黒のサテンのコルセットドレス。左側に深いスリットが入っている。キャリー・マリガン Photo by Jeff KravitzFilmMagic『君たちはどう生きるか』が受賞した長編アニメ映画賞を発表したアニャ・テイラー=ジョイは、「ディオール(Dior)」。1949年発表の傑作「ジュノン」を基に、3,500時間かけて全面にビーズ刺繍をほどこしたシルバーのドレスは、ボッティチェリの絵画「ヴィーナスの誕生」にインスパイアされたデザインだそう。作曲賞と歌曲賞のプレゼンターを務めたアリアナ・グランデは、『バービー』を意識したピンクの「ジャンバティスタ・ヴァリ・オートクチュール(Giambattista Valli HauteCouture)」。ボリュームあるペプラムとトレーンがポイントで、「ティファニー(Tiffany & Co.)」のジュエリーを合わせた。アリアナ・グランデ Photo by Gregg DeGuireWWD via Getty Images助演女優賞を受賞したダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』)は、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のペールブルーのシークインドレス。ホルターネックで袖にチュールのフリルをふんだんにあしらったデザインだ。撮影賞のプレゼンターを務めたゼンデイヤは、「アルマーニ プリヴェ(Armani Prive)」のメタリックピンクとシルバーのワンショルダー。髪は往年のハリウッドスターを思わせるスタイルに仕上げた。ゼンデイヤ Photo by John ShearerWireImage主演女優賞のプレゼンターとして登場したオスカー女優2人も、ワンショルダーのデザインをチョイスした。ジェニファー・ローレンスは、「ディオール・オートクチュール(Dior Haute Couture)」のポルカドット・ドレスに「スワロフスキー(Swarovski)」のダイヤモンドのネックレス。ミシェル・ヨーは、「バレンシアガ(Balenciaga)」のカスタム。シルバーの濃淡のシークインドレスに黒のオペラグローブでシックに決めた。Photo by Al SeibA.M.P.A.S. via Getty Imagesレッドカーペットを賑わせたのは、視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』のチーム。山崎貴監督をはじめ出席者全員が、かかと部分がゴジラの爪をモチーフにした靴で登場し、話題を集めた。主演女優賞候補のザンドラ・ヒュラー(『落下の解剖学』)は、「スキャパレリ(Schiaparelli)」のカスタムでV字型のシャープなデコルテのデザインが際立った。助演女優賞候補だったエミリー・ブラントも、「スキャパレリ」。シャイニーなクリーム色のドレスに「ティファニー(Tiffany & Co.)」のジュエリーを合わせた。助演女優賞候補のアメリカ・フェレーラ(『バービー』)は、作品のテーマカラーであるピンクのシークインドレス。「アトリエ・ヴェルサーチ(Atelier Versace)」のデザインだ。同じく助演女優賞候補のジョディ・フォスター(『ナイアド~その決意は海を越える~』)は、「ロエベ(Loewe)」のミッドナイトブルーのホルターネックのサテン・ドレス。ビリー・アイリッシュ&アメリカ・フェレーラ Photo by Arturo HolmesGetty Imagesパートナーのアルチュール・アラリと脚本賞を受賞し、女性として唯一の監督賞候補でもあったジュスティーヌ・トリエ(『落下の解剖学』)は、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のパンツスーツ。黒にシルバーのピンストライプをきかせ、インナーも黒で締めた。一部ではカジュアル過ぎるという声もあったが、堂々とした本人のキャラクターに合う装いだ。主演女優賞候補のアネット・ベニング(『ナイアド~その決意は海を越える~』)も、ネイビーのジャンプスーツでパンツスタイルをチョイスした。歌曲賞を受賞したビリー・アイリッシュは、「シャネル(Chanel)」。学校の制服を意識した白のボタンダウンシャツに黒のブレザー、黒と白のツイードのひざ丈スカートに白ソッククス、黒のストラップシューズ。スカートの柄にマッチしたバッグを持った。共に受賞した兄のフィニアス・オコネルも胸につけていた赤いピンは、「Artists4Ceasefire」のシンボル。昨年10月に始まったイスラエルとガザの停戦を求める公開書簡をバイデン米大統領に送ったアーティスト団体で、彼らのほかにも助演男優賞候補のマーク・ラファロ、ラファロと『哀れなるものたち』で共演したラミー・ユセフ、長編アニメ映画賞候補の『ニモーナ』に声の出演をしたリズ・アーメッドらもつけていた。フィニアス・オコネル&ビリー・アイリッシュ Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic作品賞と脚本賞候補になった『パスト ライブス/再会』のセリーヌ・ソン監督も、白シャツにダブルの黒ジャケット、ローファーの制服スタイルだが、アシンメトリーなデザインのスカートが華やか。「ロエベ(Loewe)」のデザインで、同作に主演したグレタ・リーも、「ロエベ」の白と黒のドレスで登場した。フローレンス・ピューは、「デルコア(Del Core」)のプランジネックのシルバーのドレス。「ブルガリ(Bulgari)」のネックレスを合わせ、どこか最新出演作の『デューン 砂の惑星PART2』を思わせるスタイルだ。主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィー(『オッペンハイマー』)は、「アトリエ・ヴェルサーチ(Atelier Versace)」のカスタムのタキシードに、香港のブランド「Sauvereign」がオッペンハイマーをイメージして作成した銀のブローチを胸につけた。助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.は、「サンローラン(Saint Laurent)」の黒のスーツ。今日の装いはよほど気に入ったらしく、受賞スピーチでスタイリストにも感謝を述べた。ロバート・ダウニー・Jr. Photo by Jeff KravitzFilmMagic助演男優賞候補で、歌曲賞候補として「I’m Just Ken」を歌ったライアン・ゴズリング(『バービー』)は、ステージ上では鮮やかなピンクのスーツだったが、レッドカーペットの装いは「グッチ(Gucci)」の黒のスーツ。ノータイで黒いシャツの胸をはだけ、シルバーのシークインのステッチがアクセントになっていた。主演男優賞候補のコールマン・ドミンゴ(『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』)は、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のカスタムで、クリスタルのボタンを付けたダブルのブラック・タキシードにカウボーイブーツ。「デヴィッド・ヤーマン(David Yurman)」のシルバーのジュエリーと「オメガ(Omega)」の時計を合わせた。レッドカーペットでは『ニモーナ』に声の出演をしているユージン・リー・ヤンも、かつてのビリー・ポーターを彷彿とさせる真紅のロングドレスを姿で注目された。ユージン・リー・ヤン Photo by Sarah MorrisWireImage(冨永由紀)
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『オッペンハイマー』が作品賞をはじめ、7冠に輝いた。また、日本映画の躍進が、日本の映画ファンを喜ばせる授賞式でもあった。『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』がオスカーを受賞この日は、スタジオジブリ製作・宮崎駿(※崎=たつさき)監督作品『君たちはどう生きるか』が下馬評通り、長編アニメ映画賞に輝いた。スタジオジブリの作品が、同賞に輝くのは、第75回アカデミー賞の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶり2度目。なお、宮崎監督と、鈴木敏夫プロデューサーは受賞式には出席しなかった。君たちはどう生きるか©2023 Studio Ghibliまた、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』(英題:Godzilla Minus One)が視覚効果賞を受賞。邦画のみならず、アジア映画で初の同賞受賞という快挙を達成した。ハリウッド映画に強い憧れを抱き、映画監督を志した山崎監督にとって、アカデミー賞受賞式は、まさに夢の舞台だったはず。喜びのスピーチでは、日本で活動する映像クリエイターに向けて「ハリウッドが君たちにも挑戦権がある事を証明してくれた」とエールを送る場面もあった。山崎貴監督のスピーチ/第96回アカデミー賞授賞式 Stewart Cook/Disney via Getty Images惜しくもヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』は、国際長編映画賞を逃したが、第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した役所広司の存在、東京の公共トイレを題材にした企画の独自性と、ヴェンダース監督が生み出す化学反応といった日本映画製作の新たなスタイルを提示した点で、非常に意義深いノミネートだった。快挙の一因には、「ジブリ」「ゴジラ」というブランドの強さもあったはずだが、それだけでは突破できない壁の厚さが、アカデミー賞にはある。第96回アカデミー賞授賞式 Photo by Arturo Holmes/Getty Imagesふり返ると、2年前(第94回)では、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が、日本映画史上初となる作品賞にノミネートされる快挙を成し遂げたほか、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門で候補となり、見事、国際長編映画賞を受賞したことが記憶に新しい。作品のクオリティはもちろんだが、作品を認知させるマーケティング、セールス、PRといった戦略面が、緻密かつ広角的に展開され、それらが目に見える効果を出しつつあるのは確かだ。今回の快挙によって、日本映画もオスカーに“手が届く”のだと証明されたことは、純粋に喜ばしい出来事だった。戦争に対する“無関心”に警鐘を鳴らす映画たち「和平を構築するためにこの賞を捧げたいです」。受賞スピーチでこう語ったのは、『オッペンハイマー』で主演男優賞に輝いたキリアン・マーフィだった。第96回アカデミー賞授賞式は、各地の戦火が鎮まる気配のない現実を、突きつけるものでもあった。主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィ Photo by Kevin Winter/Getty Images原爆の父とされるアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描く『オッペンハイマー』はもちろんのこと、国際長編映画賞を受賞した『関心領域』、長編ドキュメンタリー賞に輝いた『実録マリウポリの20日間』など、戦争を題材にした作品が多く名を連ねた。イギリス代表作品『関心領域』は、ホロコーストや強制労働により、ユダヤ人を中心に多くの人々を死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で、平和に暮らす一家の日常を描いた衝撃作だ。受賞スピーチに立ったジョナサン・グレイザー監督は、「今、伝えたいのは、何をしたか、ではなく、これから何ができるかということ。最悪の事態が起きています。ホロコーストが拝借され、罪のない人々が犠牲になっています」と現在の中東情勢を語り、“無関心”に対する警鐘を鳴らした。ジョナサン・グレイザー監督/第96回アカデミー賞授賞式 Photo by Arturo Holmes/Getty Imagesまた、『実録マリウポリの20日間』は、ロシアによるウクライナ侵攻直後、マリウポリに向かったAP通信取材班が、市内に残る唯一のジャーナリストとして撮影した映像だ。監督のムスティスラフ・チェルノフは、「ウクライナ史上初のアカデミー賞だ」と挨拶し、「ここに立つ監督として、私は『この映画を作ることがなければいいのに…』と初めて願った監督ではないか」と悲痛な思いを語った。また、この1年で世を去った映画人を追悼する「IN MEMORIAM」の冒頭に登場したのは、今年死去した政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏。ロシア政府の暗部に切り込んだ映画『ナワリヌイ』は、第95回アカデミー賞の最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞している。ムスティスラフ・チェルノフ監督/第96回アカデミー賞授賞式 Photo by Rich Polk/Variety via Getty Images授賞式のレッドカーペットでは、ビリー・アイリッシュをはじめ、一部の出席者が付けていた赤いピンバッジに注目が集まった。これは、ガザへの即時停戦や人道支援を訴える「Artists4Ceasefire」のピンバッジだ。現在、アメリカ国内は、ウクライナ支援や中東情勢に対して、世論が大きく分断されており、11月の大統領選の結果いかんでは、さらなる混乱も予想されている。そんななか、今後ハリウッドがどのよう姿勢で、どんなメッセージを発信するのか、注目したい。と同時に、映画ファンにも、『オッペンハイマー』をはじめ、戦争を描く受賞作品にぜひ触れてほしいと願う。第96回アカデミー賞授賞式 Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic(Ryo Uchida)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibliゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.オッペンハイマー 2024年3月29日より全国にて公開© Universal Pictures. All Rights Reserved.関心領域 2024年5月24日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.
2024年03月11日第96回アカデミー賞にて、長編アニメ映画賞を受賞したスタジオジブリ映画『君たちはどう生きるか』。この度、この受賞記念として、“英語吹替版(日本語字幕付き)”の上映が決定した。本作は、宮崎駿監督10年ぶりとなる長編映画最新作。監督が少年時代に感銘を受けた書籍「君たちはどう生きるか」からタイトルを採用し、全く別のオリジナルストーリーとして完成させた冒険活劇ファンタジー。アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された今回のアカデミー賞授賞式。スタジオジブリ作品が同賞に輝くのは、『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶり2度目となった。今回上映が決定した英語吹替版(日本語字幕付き)の日本語字幕は、英語セリフを翻訳したセリフではなく、オリジナル台本のセリフを使用。主人公の眞人役を演じるのは「YOU -君がすべて-」シーズン1でパコ役を演じたルカ・パドヴァン。青サギ役にロバート・パティンソン、キリコ役にフローレンス・ピュー、ヒミ役に福原カレン、夏子役にジェンマ・チャン、勝一役にクリスチャン・ベール、大伯父役にマーク・ハミル、老ペリカン役にウィレム・デフォー、インコ大王にデイヴ・バウティスタがキャスティングされている。ファンからは「英語版で見たいと思っていました!嬉しいです~」、「絶対に行きます!」、「英語で違う声優さんでまた楽しめる」、「これはもう一度観にいかないと!!!!」などと上映を喜ぶ声が寄せられている。『君たちはどう生きるか』英語吹替版(日本語字幕付き)は3月20日(水・祝)より上映。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画『オッペンハイマー』が作品賞、監督賞(クリストファー・ノーラン)、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)など7冠に輝いた。下馬評通りの圧勝を収めた『オッペンハイマー』2006年ピュリッツァー賞を受賞したノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描いた本作。ノーラン監督は、『ダンケルク』に続き2度目のノミネートで、今回が初の受賞。映画表現の可能性を追求し続けてきたノーラン監督が、オッペンハイマーの視点で語られるカラー映像では、感情を揺さぶる抽象的なイメージとモンタージュさせ、第二次世界大戦後のアメリカの原子力政策に大きい影響力を持っていた人物ルイス・ストローズを中心とするシーンは、モノクロ映像で描き分けた。主演男優賞は、キリアン・マーフィが初受賞。アメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを演じ、世界の運命を握ると同時に、世界を破滅させる危機に直面するという、矛盾を抱える男の数奇な人生を体現した。ノーラン監督とのタッグは6度目。ノーラン作品で初めて主演を務めた。さらに助演男優賞は、メリカ原子力委員会のルイス・ストラウス委員長を演じたロバート・ダウニー・Jr.が手にし、こちらも初受賞を果たした。過去に、チャールズ・チャップリンを演じた『チャーリー』で主演男優賞、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』で助演男優賞にノミネートされており、今回が念願の受賞だ。『哀れなるものたち』主演女優賞はじめ4部門で栄冠『オッペンハイマー』の最大のライバルとして、賞レースをけん引してきた『哀れなるものたち』(ヨルゴス・ランティモス監督)も、主演女優賞をはじめ4部門で栄冠に輝き、存在感を放った。胎児の脳を移植されたヒロインが、「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられ、大陸横断の旅に出るダークファンタジー。主演女優賞に輝いたエマ・ストーンは、数奇な冒険の果て、時代の偏見から解放され、驚異の成長を見せる主人公のベラ・バクスターを演じ、『ラ・ラ・ランド』以来2度目の同賞受賞を果たした。『哀れなるものたち』(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.また、『哀れなるものたち』は、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞も受賞。圧巻のビジュアルで世界中を魅了した同作にふさわしい結果を収めている。日本からノミネートされた3作品の結果は?『君たちはどう生きるか』(C)2023 Studio Ghibli注目を集めた長編アニメ映画賞は、スタジオジブリ製作・宮崎駿監督作品『君たちはどう生きるか』が受賞。スタジオジブリの作品が、同賞に輝くのは、第75回アカデミー賞の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶり2度目となる(宮崎監督作品のノミネートは4度目)。宮崎監督が長編作品からの引退を撤回し、原作・脚本・監督を手掛けた同作は、少年時代に感銘を受けた同名書籍からタイトルを採用し、自伝的要素を含むオリジナルストーリーとして完成させた冒険ファンタジー。国内外の映画賞を数多く受賞した本作が、米アカデミー賞で有終の美を飾った。また、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を受賞。邦画のみならず、日本及びアジア映画で初の同賞受賞という快挙を達成した。『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』『ザ・クリエイター 創造者』『ナポレオン』という強力なライバルを蹴散らした。全米では昨年12月、『Godzilla Minus One』のタイトルで封切られており、全米における累計興収が、邦画実写作品として、34年ぶりに記録を塗り替えている。『ゴジラ-1.0』(C)2023 TOHO CO.,LTD.なお、役所広司が主演した『PERFECT DAYS』(ヴィム・ヴェンダース監督)は、国際長編映画賞を逃した。文=内田涼<受賞コメント>■主演女優賞/エマ・ストーン素晴らしい共演者の皆さん、ノミネートされた皆さんと一緒に受賞したと思っています。皆さんから、常に刺激を受けています。この賞は私のためではなく、持てる力以上を発揮してくださり、素晴らしいものを作り上げたチームのためのものです。これこそ、映画製作の醍醐味です。そして映画製作の場に、愛と光、気づかいを注いでくれたすべての人々と、この受賞を分かち合えることができて、とても光栄です。ベラ・バクスターという、一生の贈り物をありがとう。■主演男優賞/キリアン・マーフィ(撮影を通して)ワイルドで創造的な旅路に出ることができました。(家族に対し)本当に愛しています。アイルランド人として誇らしい思いです。和平を構築するためにこの賞を捧げたいです。■助演女優賞/ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ神は素晴らしい。私は、自分がこのようなキャリアを歩むとは想像もしていませんでした。キャリアのスタートは、歌手でした。ある日、母は私に「あの通りの向こうにある劇場に行けば、きっと何かがあるはず」と言ってくれました。母に感謝します。私のそばにいてくれた人たち、導いてくれた人たち、ここにいるすべての美しい人たちに感謝します。長年、私はいつも“自分とは違う何か”になりたいと願っていましたが、今はただ、私らしくいればいいと気づきました。クラスでただひとりの黒人の女の子だった私に、担任の先生は「大丈夫よ、今から自分の道のりを切り開きましょう」と導いてくれました。私のことを見守ってくれて、ありがとう。■助演男優賞/ロバート・ダウニー・Jr.ありがとうございます。悲惨だった幼少期とアカデミー賞、私の獣医、妻のスーザンに感謝します。私はうなり声を出す保護動物みたいでしたが、蘇らせてくれたのです。おかげで、私はここにいるのです。俳優業が私を必要としてくれる以上に、私が俳優業を必要だったんです。クリス(クリストファー・ノーラン)はそれを知っていて、(プロデューサーの)エマ・トーマスが、エミリー・ブラント、キリアン・マーフィ、マット・デイモン……、素晴らしいキャストとスタッフを集めてくれた。そのおかげで、私はより善良な人間として、ここに立っているのです。私たちのやることには意味があり、私たちが作ると決めた作品は大切なのです。■監督賞/クリストファー・ノーランユニバーサル・スタジオ、この作品の可能性に気付いてくれてありがとうございます。原作者にも感謝申し上げます。(関係者に)私を信じてくれて、ありがとうございます。100年以上にわたる映画の歴史には、さまざまなことがありました。このすばらしい旅が、今後どこに導かれるかわかりませんが、その一翼を担えたことに感謝しています。■視覚効果賞/山崎貴監督40年以上前に『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』を見た衝撃から、キャリアをスタートさせた私にとって、ここは想像することさえできない場所です。ノミネートの瞬間、私たちは、まるでロッキー・バルボアのようでした。偉大なライバルたちを相手に、リングに立てた事が、奇跡でした。しかし、私たちは今この場に立っています。ここから遠く離れた場所でVFXを志す皆さんに伝えたいです。ハリウッドが、誰にでも挑戦権があると証明してくれました。最後に、昨年亡くなった我々のプロデューサーである阿部秀司さんに「やりました!」と言いたいです。ありがとうございました。【第96回アカデミー賞】受賞結果■作品賞『オッペンハイマー』■監督賞クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』■主演男優賞キリアン・マーフィ『オッペンハイマー』■主演女優賞エマ・ストーン『哀れなるものたち』■助演男優賞ロバート・ダウニー・Jr.『オッペンハイマー』■助演女優賞ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ『ホールドオーバーズ置いてけぼりのホリディ』■脚本賞ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ『落下の解剖学』■脚色賞コード・ジェファーソン『アメリカン・フィクション』■視覚効果賞『ゴジラ-1.0』■美術賞『哀れなるものたち』■撮影賞『オッペンハイマー』■衣装デザイン賞『哀れなるものたち』■長編ドキュメンタリー賞『実録マリウポリの20日間』■短編ドキュメンタリー賞『ラスト・リペア・ショップ』■編集賞『オッペンハイマー』■国際長編映画賞『関心領域』(イギリス)■音響賞『関心領域』■メイクアップ&ヘアスタイリング賞『哀れなるものたち』■作曲賞ルドウィグ・ゴランソン『オッペンハイマー』■長編アニメーション賞『君たちはどう生きるか』■短編アニメーション賞『WAR IS OVER! Inspired by the Music of John & Yoko』■主題歌賞ビリー・アイリッシュ“What Was I Made For?”(『バービー』)■短編実写映画賞『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』(ウェス・アンダーソン監督)
2024年03月11日『オッペンハイマー』でアカデミー賞最多13部門にノミネートされているクリストファー・ノーラン監督が、ティモシー・シャラメ主演、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が放つ『デューン 砂の惑星PART2』を絶賛。この度、両監督の対談映像が解禁された。3月1日(金)からはアメリカを含む72の国と地域で公開を迎えた本作は、初日3日間のオープニング興行収入は、全米では前作『DUNE/デューン 砂の惑星』の4100万ドルを約2倍となる8250万ドル、全世界累計でも1億8250万ドル(約273億9140万円※3月4日付Box Office Mojo調べ1ドル150.09円換算)という今年NO.1の特大ヒットスタート。この数字は、ラージフォーマットや劇場体験にこだわりを持つなど、共通点が多いノーラン監督の『オッペンハイマー』のオープニング興行収入(全米8245万ドル/世界累計1億7610万ドル)を超える数字であり、主演のティモシー・シャラメ、監督のドゥニ・ヴィルヌーヴにとっても歴代1位のデビューになる。日本では3月8日(金)~10日(日)には3日限定先行上映も行われ、「映像、効果音、音楽、これぞ劇場で観るべき一本」「圧倒的な没入感や音響が凄まじかった」「現実に戻れない程じっくり魅せられた」「映像と物語の壮大さとティモシー・シャラメの美しさは圧巻」など、圧巻の“惑星体験”に魅了される声が続々。本作を鑑賞したノーラン監督は、「もし(前作)『DUNE/デューン 砂の惑星』が『スター・ウォーズ』だとしたら、このPART2は“帝国の逆襲”だと思う。『スター・ウォーズ』シリーズの中で一番好きな作品だ。それにPART1で描かれたすべてが信じられないほどエキサイティングに展開していると思った」と、映画史に残る名作のタイトルを引き合いに出して本作を絶賛。自身も『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の大ファンだというヴィルヌーヴ監督が、これに対し大感激する様子が収められている。想像を超える圧倒的ビジュアルセンスや深い余韻を残すストーリーテリングで熱狂的な支持を集め、常に映画界のトップを走り続けている両監督。何より自らが大の映画好きである2人の、笑顔溢れる対談の一部を目にすることができる。すでに世界中から称賛を浴びている本作だが、ヴィルヌーヴ監督が『デューン』2作目を製作するにあたり最も配慮したことの1つが「観客に既視感を感じさせないようにすること」だったという。「新しいロケ地を探し、セットも一新して、1作目で登場した場所には戻らなかった。1作目の美しいカラーパレットや境界の定義がすでにあったおかげで、それらの要素を再定義する必要はなく、1作目でうまくいった非常に特殊な表現を使うことができたんだ」と、自身と最高のスタッフ陣とで生み出した前作の良さを引き継ぎながら、新しい見せ方を模索していったことを明かしている。『デューン 砂の惑星PART2』は3月15日(金)より全国にて公開。(C) 2024 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories.(シネマカフェ編集部)■関連作品:デューン 砂の惑星PART2 2024年3月20日より全国にて公開© 2023 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2024年03月11日日本時間の2024年3月11日、アカデミー賞の各賞の発表がアメリカ、ロサンゼルスで行われ、日本映画『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を受賞しました。同賞は、その年の最も優れた視覚効果(以下、VFX)を使った映画に与えられるもので、日本映画が受賞するのは、初となります。授賞式では、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーさんによって受賞の発表がされると、ゴジラの像を抱えた山崎貴監督ら4名の日本人スタッフが壇上に上がり、オスカー像を受け取りました。山崎監督は、用意した原稿を見ながら、英語で次のようにスピーチをしています。40年以上前に『スターウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアを始めました。ハリウッドから遠く離れた私にとって、ここは手に届かない場所でした。ノミネートの瞬間、私たちはまさにロッキー・バルボアで、強大な敵の前でリングに立たせてもらえたことが、すでに奇跡でした。しかし私たちは今ここにいます。ハリウッドから遠く離れた所にいるVFXアーティストのみなさん!ハリウッドがあなたたちにもチャンスがあることを証明してくれたよ!最後に、『ゴジラ-1.0』に携わった人々を代表して、阿部秀司プロデューサーに報告したいと思います。やったよ!スピーチの最後に、山崎監督は2023年12月に亡くなった映画プロデューサーの阿部秀司さんの名前を挙げ、英語で「やったよ!」と喜びの感情を表現していました。日本映画初の快挙に、ネット上では「やりましたね!日本のゴジラが受賞するなんて、泣ける」「うおーこれはすごい!世界がやっとゴジラに追いついた!」「めっちゃ嬉しい!まだ観てない人もぜひ劇場に足を運んで」などの声が寄せられています。また、出演者も続々と喜びのコメントを発表。主演で俳優の神木隆之介さんはX(Twitter)で「ゴジラと戦えたことを誇りに思います!」と祝福のコメントをつづりました。米アカデミー視覚効果賞受賞おめでとうございます!!!!!!!凄すぎます!!!!ゴジラと戦えたこと誇りに思います!!本当に嬉しいです!!山崎貴監督をはじめ白組の皆様、チームゴジラの皆様おめでとうございますっ!!!!!神木— 神木隆之介 (@kamiki_official) March 11, 2024 日本映画の新たな1ページを刻んだ『ゴジラ-1.0』のアカデミー賞受賞。本当に、おめでとうございます![文・構成/grape編集部]
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『オッペンハイマー』が作品賞に輝いた。クリストファー・ノーラン監督が、原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた伝記映画。第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞、脚色賞、撮影賞、美術賞、編集賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞、音響賞と同年度最多となる合計13部門にノミネートされ、うち7部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、撮影賞、編集賞、作曲賞)を受賞。オスカー前哨戦を振り返ると、第81回ゴールデングローブ賞では、作品賞<ドラマ部門>、監督賞、主演男優賞<ドラマ部門>、助演男優賞、作曲賞の最多5部門を受賞。クリティックス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)で作品賞を含む最多8部門、英国アカデミー(BAFTA)賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞など7冠、アメリカ製作者組合(PGA)賞映画部門の作品賞、全米俳優組合(SAG)賞で3冠など、他を寄せ付けぬ強さを発揮していた。興行的にも、全世界興行収入9億5000万ドルを超える大ヒットを記録。実在の人物を描いた伝記映画作品として、歴代1位の記録を樹立している。受賞コメント(エマ・トーマス)私もここに立つことを夢を見ていました、それが現実になるなんて…この映画を作ったクリス、素晴らしく優秀な監督。彼と一緒に仕事ができてうれしいです。本当に素晴らしいチームでした、キャスト、クルーのみなさんありがとうございました。IMAXのみなさんにも感謝を示したいと思います。みなさん、ありがとうございます。『オッペンハイマー』は、3月29日(金)から全国公開。全国のIMAX劇場50館で同時公開される。(シネマカフェ編集部)■関連作品:オッペンハイマー 2024年3月29日より全国にて公開© Universal Pictures. All Rights Reserved.
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『哀れなるものたち』で主人公・ベラを演じたエマ・ストーンが見事主演女優賞に輝いた。2017年の『ラ・ラ・ランド』以来、2度目のオスカー主演女優賞獲得となる。『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーンが再集結した本作は、主人公・ベラが辿る数奇な運命と冒険の旅を描く物語。原作は日本でも2008年に翻訳された、スコットランドの作家アラスター・グレイ著の傑作ゴシック奇譚「哀れなるものたち」(早川書房刊)。風変わりな天才外科医ゴドウィン・バクスターの手によって死から蘇った若き女性ベラが、世界を知るために大陸横断の冒険の旅へ出る。時代の偏見から解き放たれたベラは、平等と解放を知り、驚くべき成長を遂げていく…。本作にプロデューサーとしても加わっているエマ。オスカー前哨戦を振り返ると、第81回 ゴールデングローブ賞(ミュージカル/コメディ部門)、英国アカデミー賞(BAFTA)で主演女優賞を受賞している。1月26日から劇場公開された本作は、公開3日間(特別先行含む)の興行収入成績でFOX/Disney配給サーチライト作品として、『ブラック・スワン』(最終興収3.8億)、『シェイプ・オブ・ウォーター』(最終興収8.9億)に次ぐ、史上第3位という輝かしい大ヒットスタートを切った。エマはランティモス監督とタッグを組んだ前作『女王陛下のお気に入り』でもアカデミー賞助演女優賞にノミネート。現在は、ランティモス監督と再タッグを組んだ『Kind of Kindness』が待機している。受賞コメント少し声がかすれていますが、素晴らしい共演者の皆さん、ノミネートされた皆さん(4名の名前を挙げて)と一緒に受賞したと思っています。私は皆さんから、常に刺激を受けています。ご覧の通り、よくあることですが、昨晩はパニックに陥っていました。もしかすると、こんなことが起こるのではと思っていたら、ヨルゴス(ヨルゴス・ランティモス監督)が「自分を客観視しなさい」と言ってくれました。そう、彼は正しかったのです。この賞は私のためではなく、持てる力以上を発揮し、素晴らしいものを作り上げたチームのためのもの。これぞ、映画製作の醍醐味です。そして愛と光、心配りを映画製作に注いでくれたすべての人々と、この受賞を分かち合えることができて、とても光栄です。ベラ・バクスターという、一生のプレゼントをくださって、ありがとう。そして私の娘、3歳になるんです、彼女が私の人生を変えてくれました。本当にありがとうございました。(シネマカフェ編集部)■関連作品:哀れなるものたち 2024年1月26日より全国にて公開©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年03月11日映画『君たちはどう生きるか』の「第96回 米アカデミー賞」長編アニメーション映画部門賞ノミネート会見が11日にスタジオジブリで行われ、スタジオジブリ 鈴木敏夫プロデューサーが出席した。○宮崎駿監督、21年ぶり2度目の快挙に喜び「良かったです」宮崎駿監督作品としては、2002年米公開の『千と千尋の神隠し』、2005年米公開の『ハウルの動く城』、2014年米公開の『風立ちぬ』に続く4度目の米アカデミー賞ノミネートになった同作。日本時間きょう早朝に行われた「第96回 米アカデミー賞」で長編アニメーション映画賞を受賞した。受賞発表直後に行われた記者会見に登場した鈴木Pは「オスカー像って1個もらえるじゃないですか? 実は注文してお金を出せば何個も作ってくれるんですね。さっき3個注文しました(笑)。どうもありがとうございました!」と話し、笑顔を見せる。そして「時の運だと思ってますから、こういう賞をいただけたのはやっぱり心の底から嬉しかったですね。もうそれ以上言いようがありません!」と受賞の喜びを語った。また、スタジオジブリ近くのアトリエで受賞式を視聴していたという宮崎監督と受賞後に電話で会話したそうで、「興奮してましたよね。『俺は気にしてないから』と一生懸命自分の気持ちを抑えるようにそういう言い方してましたけど、欲しがらないといいながら欲しいんだなと(笑)。(受賞に関しては)『良かったです』と。僕がつい、おめでとうございますという言い方をしちゃったら『お互い様です』と言っておりました」と宮崎監督の反応を明かした。オスカー像3個を注文した内訳については「いろんな要望が出てくる。『千と千尋の神隠し』のときに当時は1ドルを出すと余分に作ってくれることを知ったので、それで宮崎のところに1個、僕のところに1個、観覧用に1個あると便利かなと思って(笑)」と話し、「今1ドルかどうかわかりませんけど、高くなってたら減らしますね」と笑いを誘った。
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、監督賞に『オッペンハイマー』のクリストファー・ノーランが輝いた。同賞候補になるのは『ダンケルク』に続き2度目で、今回が初の受賞となる。常に「映画館の大スクリーンで堪能できる作品づくり」を追求し続け、映画表現の地平を塗り替えてきたノーラン監督。『オッペンハイマー』では、さらなる高みを極め、オスカー前哨戦である第81回ゴールデングローブ賞、英国アカデミー(BAFTA)賞、全米監督協会賞(長編映画監督賞)などでも監督賞を受賞していた。今回は、2006年のピュリッツァー賞を受賞した、カイ・バードとマーティン・J・シャーウィンによるノンフィクション「オッペンハイマー:『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの視点で語られるシーンを、脚色としては異色の一人称で書き、カラー映像で表現し、感情を揺さぶる抽象的なイメージとモンタージュされている。同時に、第二次世界大戦後のアメリカの原子力政策に大きい影響力を持っていた人物ルイス・ストローズを中心とする場面は、モノクロ映像で描き分けた。また、撮影賞を受賞したホイテ・ヴァン・ホイテマとともに、IMAX65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラを組み合わせた最高解像度の撮影を敢行。本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAXモノクロ・アナログ撮影も実現させた。受賞コメントありがとうございます。多くの人たちのおかげでここに来れましたユニバーサルスタジオ この作品について、可能性について気づいてくれてありがとうございました。この本の原作者にも感謝を示したいと思います。素晴らしいクルー、スタッフのおかげです。また私を信じてくれて感謝します。映画というものは100年以上の歴史、100年にわたってさまざまなことがありましたがこの素晴らしい旅路はどこへいくのでしょうか。私がその一翼を担えたことに感謝しています。『オッペンハイマー』は、3月29日(金)から全国公開。全国のIMAX劇場50館で同時公開される。(シネマカフェ編集部)■関連作品:オッペンハイマー 2024年3月29日より全国にて公開© Universal Pictures. All Rights Reserved.
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『オッペンハイマー』に出演したキリアン・マーフィが主演男優賞を初受賞した。クリストファー・ノーランの最新作である本作で、マーフィは、原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを演じた。世界の運命を握ると同時に、世界を破滅させる危機に直面するという、矛盾を抱える男の数奇な人生を体現。原爆投下による惨状を知り、その破壊力に対して苦悩する姿も熱演している。これまでも、マーフィは、悪役スケアクロウを演じた『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』『ダークナイトライジング』、『インセプション』『ダンケルク』など、多くのノーラン作品に出演。今回、ノーラン作品としては初の“主演”を務め、その本領を発揮した。オスカー前哨戦では、ゴールデングローブ賞<ドラマ部門>、英国アカデミー(BAFTA)賞、米俳優組合(SAG)主催のSAG賞などで、主演男優賞を獲得し、第96回アカデミー賞でも受賞が本命視されていた。今回の受賞は、マーフィとノーラン監督が約20年間にわたり、共に歩んだ絆の結実ともいえる。受賞コメント圧倒されています、アカデミー賞に感謝します。すべてのクルーのメンバー、キャストのメンバーオッペンハイマーのメンバー、みなさんのおかげで成し遂げることができました。(撮影を通して)ワイルドで創造的な旅路に出ることができました。(家族に対し)本当に愛しています。アイルランド人として誇らしい思いです。私たちはオッペンハイマーの世界に生きています。和平を構築するためにこの賞を捧げたいです。『オッペンハイマー』は、3月29日(金)から全国公開。全国のIMAX劇場50館で同時公開される。(シネマカフェ編集部)■関連作品:オッペンハイマー 2024年3月29日より全国にて公開© Universal Pictures. All Rights Reserved.
2024年03月11日映画『ゴジラ-1.0』(公開中)が11日、第96回アカデミー賞で 「視覚効果賞」を受賞した。同作はアメリカ・ロサンゼルスで開催され、世界最高峰の映画賞である「第96回アカデミー賞」にアジア圏の映画で初めて「視覚効果賞」にノミネートされていたが、現地時間3月10日16時(日本時間3月11日8時)より始まった授賞式において見事受賞した。「視覚効果賞」(Academy Award for Visual Effects)はその年に公開された映画の中で最も優れた視覚効果(VFX)を用いた作品に与えられる栄誉で、アカデミー賞で最も注目される部門のひとつ。過去には『スターウォーズ』、『タイタニック』、『アバター』などの映画史を代表する傑作が受賞してきました。ノミネート作品代表者としてアカデミー賞授賞式に参加したのは、監督・脚本・VFXを担当した山崎貴監督、VFXディレクターの渋谷紀世子氏、3DCGディレクターの高橋正紀氏、エフェクトアーティスト/コンポジターの野島達司氏の4名。現地時間13時頃、4名は全員“ゴジラシューズ”を履いて登場し、取材に来た現地のメディアを沸かせた。授賞式の中盤、いよいよ「視覚効果賞」の発表に。プレゼンターであるアーノルド・シュワルツェネッガー、ダニー・デヴィートは受賞作の書かれた封筒を開け、少し沈黙した後に「GODZILLA!」と読み上げた。会場中に大きな歓声が響き渡り、その中で歓喜の表情を浮かべながら壇上に上がる受賞者4名。代表して、英語でスピーチをした山崎監督は 「40年以上前に『スターウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアをスタートさせた私にとって、この場所は望む事すら想像しなかった場所でした。ノミネートの瞬間、私たちはまさにロッキー・バルボアでした。強大なライバルたちの前でリングに立たせてもらえた事はすでに奇跡でした。しかし私たちは今ここに居ます。この場所から遠く離れた所でVFXを志しているみんな! ハリウッドが君たちにも挑戦権がある事を証明してくれたよ! 最後にスタッフキャストを代表して、去年失った我々のプロデューサー、阿部秀司さんに言いたいです。『俺たちはやったよ!』ありがとうございました!」(日本語訳)と、溢れる喜びの気持ちを伝えた。長い歴史を持つ「アカデミー賞」の中で、監督として「視覚効果賞」を受賞したのは『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリックのみであり、山崎監督は55年ぶり、史上2人目の受賞監督となる。また、日本映画だけでなく、アジア圏の映画で同賞を受賞した実績はなく、史上初の快挙となった。3月3日までの公開122日間で観客動員392万人、興行収入60億円を突破。2023年に日本で公開された実写映画ランキングで第1位!(※興行通信社調べ)となっている。北米では現地時間の2月1日までの63日間で上映が終了し、最終興行収入は5,641万ドル。北米で公開された邦画実写映画の興行収入記録を大きく塗り替え、歴代1位。北米公開の外国語の実写映画の歴代興収の中でも3位という記録を残した。世界各地でもヒットし、日本興収も含めた全世界累計の興行収入で160億円(※)を突破している。(※現時点のレートで換算)○■山崎貴監督 受賞時のスピーチMy career began 40 years ago, after the shock of seeing Star Wars and Close Encounters of the 3rd Kind.To someone so far from Hollywood, even the possibility of standing on this stage seemed out of reach.The moment we were nominated, we felt like Rocky Balboa — welcomed into the ring as equals by our biggest rivals, which was already a miracle.But here we stand.To all the VFX artists outside Hollywood, Hollywood was listening, and this award is proof that everyone has a chance.Finally, on behalf of the cast and crew of Godzilla Minus One, I want to tell our producer, Shuji Abe, who we’ve lost too soon…We did it! Thank you so much!!・日本語訳四十年以上前に『スターウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアをスタートさせた私にとって、この場所は望む事すら想像しなかった場所でした。ノミネートの瞬間、私たちはまさにロッキー・バルボアでした。強大なライバルたちの前でリングに立たせてもらえた事はすでに奇跡でした。しかし私たちは今ここに居ます。この場所から遠く離れた所でVFXを志しているみんな! ハリウッドが君たちにも挑戦権がある事を証明してくれたよ!最後にスタッフキャストを代表して、去年失った我々のプロデュ―サー、阿部秀司さんに言いたいです。「俺たちはやったよ!」ありがとうございました!
2024年03月11日