アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督のもと、主演を務めたレオナルド・ディカプリオが本年度アカデミー賞をはじめ、賞レースを席巻した『レヴェナント:蘇えりし者』。今回は、念願のオスカー獲得につながったディカプリオの俳優魂を明らかにする、7つの“過酷すぎるチャレンジ”に注目した。本作の舞台は、19世紀、アメリカの広大な未開拓の荒野。狩猟中に熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(ディカプリオ)は、狩猟チームメンバー、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)の裏切りで置き去りにされてしまうばかりか、目の前で愛する息子を殺されてしまう。フィッツジェラルドに復讐を果たすため、“生きる”という意志だけを武器に、グラスは厳しい冬の寒さに耐え、交戦中の部族の熾烈な襲撃を交わし、約120キロの容赦ない旅を生き延びようとする――。本作で何より注目を集めるのは、まさに文字どおり“渾身”で挑んだディカプリオの熱演だ。その中の7つの過酷なチャレンジについて迫った。■チャレンジ1:手付かずの大自然を相手に挑んだ撮影!本作の撮影でロケ地として選ばれた場所は、手つかずの自然が残るリアルな未開の土地で、あらゆる場所に点在した撮影ポイントは100か所近くに及んだという。しかも、アカデミー賞史上初、3年連続の撮影賞受賞を果たしたエマニュエル・ルベツキによる撮影は、自然光のみを使うというこだわりのため、1日の内、実際に撮影に使用できた時間は1時間半程度。そのために8~9時間に及ぶリハーサルを行い、ミスの許されない状況の中で毎日撮影が行われた。まるで鑑賞者がその場に居合わせたかのように感じる臨場感は、こうして作り上げられたのだ。■チャレンジ2:バナナで釘が打てる!気温がマイナス27度まで低下することも!手つかずの大自然が広がる土地はとにかく寒く、時にはマイナス27度まで気温が下がったことも。クルーたちは、お互いに凍傷の兆候がないか確認し合ったほどだったという。ディカプリオも「低体温症になりかけたし、何度も風邪を引いたよ」と語っている。しかし、そんな過酷な冬の寒さを相手に、ディカプリオは裸になり、雪にも埋まり、さらには極寒の川にダイブするという荒業をやってのけ、グラスの経験にリアリティを生み出している。■チャレンジ3:本物そっくりのゼリーがあるのに、バイソンの生レバーを食す!劇中で、グラスは木の根を食べ、川で手づかみした魚をそのまま食し、飢えを回避する。それらのシーンも非常に印象的だが、最も衝撃的なのは、ベジタリアンといわれるディカプリオがバイソンの生肉を食らうシーンだろう。このシーンの撮影にあたり、撮影班は本物そっくりのゼリーで作ったレバーを用意したが、ディカプリオはそれを使うことを拒否。リアルさを追求するため、本物の生レバーを食した。思わず咳き込んで吐き出すも、演技を超えた本気のそのリアクションは、そのまま本編に使用されている。■チャレンジ4:鼻の骨を折るほどの格闘シーン!劇中で、重傷のグラスを置き去りにするばかりか、彼の最愛の息子を殺害してしまう非情な男ジョン・フィッツジェラルド。アクションシーンにもリアルさを求めた監督は、終盤、グラスを演じるディカプリオと、フィッツジェラルドを演じるトム・ハーディを実際に殴り合わせた。その過程でディカプリオは鼻を骨折。それでも撮影は続行され、並のアクション映画を超えるほどの迫真のアクションシーンが完成することとなった。■チャレンジ5:世界で話せる人はほとんどいない!?先住民族の言語をマスター!当時の人々の様子もリアルに描くことにこだわった本作。実在する部族も描かれており、歴史研究家も作品に多くのアドバイスを送っている。グラスは部族の女性と結婚しているため、矛盾を生まないよう、ディカプリオは本物の部族の中でも現在では話せる人が10人未満と言われる2種類のネイティブ・アメリカンの言語を習得した。劇中では、息子とのやり取りや回想シーンで、ディカプリオがこれらの言葉を使いこなすところが目撃できる。■チャレンジ6:役作りに1年半! ヒゲを伸ばし続けたのは映画のためだった!リアリティにこだわり抜いた撮影は、なんとあごヒゲにまでも及んでいた。ディカプリオは2014年の冬ごろ、かなり伸びたあごヒゲが端正な顔立ちを台無しにしていると話題になり、世界中を悲しみに暮れさせたが、これは本作に向けた準備だったのだ。当時のハンター、グラス役として求められる量のあごヒゲを蓄えるのにかかった期間は1年半。それだけの間、プライベートでの見てくれには脇目もふらず、ヒゲを伸ばし続けたディカプリオの役者魂には感服だ。■チャレンジ7:まさかのノースタント! 熊に襲われるシーンでは実際に地面にたたきつけられた!劇中で、グラスは灰色熊に襲われて重傷を負う。このシーンばかりはCGも使用されたが、その撮影は過酷を極めた。熊に襲われるグラスの姿を再現するため、ワイヤーで吊るされたディカプリオを何度も地面にたたきつけるという撮影は、スタントマンなしで、1週間に渡って続いたという。劇中で熊に襲われながらグラスが見せる苦悶の表情は、実際にディカプリオが見せたリアルな反応そのものなのだ。ちなみに、熊はどう見ても実物にしか見えないリアルさで、思わず手に汗握る迫真のシーンとなっている。こうした過酷過ぎる撮影は、すべて映画の“リアルさ”のために行われている。CG、スタントといった手法があふれる現代にありながら、ハリウッドの大作映画にもかかわらず、それらの手段をあまり使用せずに撮影された本作の映像からは、大自然の過酷さや登場人物の動きを、まるでその場に居合わせたかのようなリアルさで体験できる。その中で描かれる親子の深い愛と、そこから紡ぎだされる奇跡のサバイバル。まさに唯一無二の映像体験といえそうだ。『レヴェナント:蘇えりし者』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年05月11日公開中のレオナルド・ディカプリオ主演映画『レヴェナント:蘇えりし者』のメイキング映像が公開になった。本作で、3年連続でアカデミー撮影賞に輝いた名撮影監督エマニュエル・ルベツキの描き出す映像の魅力に迫った内容だ。『レヴェナント:蘇えりし者』メイキング映像ルベツキは、1964年にメキシコシティで生まれ、朋友アルフォンソ・キュアロン監督の作品を数多く手がけて、好評を博した。彼の名が世界に轟くようになった大きなきっかけは鬼才テレンス・マリック監督の作品を手がけるようになったことだ。これまでネストール・アルメンドロス、ジョン・トールら名だたる撮影監督と仕事をしてきたマリックは、新たにルベツキとタッグを組み『ニュー・ワールド』『ツリー・オブ・ライフ』『トゥ・ザ・ワンダー』を発表。その精緻な映像は多くの観客を驚かせた。その後、ルベツキは2013年の『ゼロ・グラビティ』、2014年の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、2015年の『レヴェナント: 蘇えりし者』で3年連続アカデミー撮影賞を受賞。このほど公開になった映像で、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督は「ルベツキは私の友人であり、兄弟であり、相棒、教師でもある」と言い、ディカプリオは「誰にでも撮影できるような単純な物語ではない」とコメント。映像にはルベツキのインタビューや、リハーサル風景も収録されている。監督が語る通り、ルベツキの最大の魅力は「光を巧みに利用する」ことだ。本作では自然の姿を繊細にとらえるため、本作の物語の時代にはまだ電灯が普及していなかったことを考慮して、撮影はすべて自然光のみで行われた。一方で、ルベツキの映像はいつも“レンズ”の存在を重視し、自然を“単に美しく”切り取ることを良しとしない。映画では、主人公グラスが瀕死の状態で大自然の中を旅する過程が描かれるが、彼が地面を這いながら荒々しく呼吸すればレンズは曇り、太陽の強い光が差し込めば映像に虹色の模様のようなレンズフレアが発生し、誰かが負傷すると飛び散った血がレンズに付着し、しばらく画面に残る。大自然の姿を繊細にとらえながら、“肉眼”で見たものとは違った景色を徹底的に追求し、映画でしか描けない映像がそこに現れる。映像の最後でディカプリオは「息をのむような体験ができる」と作品に自信を見せている。『レヴェナント:蘇えりし者』公開中
2016年04月28日「アカデミー賞」を獲得したレオナルド・ディカプリオの鬼気迫る演技、坂本龍一の自然と人間の葛藤を描いた音楽でも話題の『レヴェナント:蘇えりし者』。このほど、本作で「アカデミー賞」監督賞を2年連続受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥとタッグを組み、同賞史上初の3年連続撮影賞受賞を果たした撮影監督エマニュエル・ルベツキの手法に迫る特別映像が到着した。19世紀の未開拓の荒野を舞台に、ディカプリオが熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負った上に、目の前で息子を殺され復讐心をその胸に宿す主人公を熱演、約300kmの壮絶なサバイバルを繰り広げる本作。今回、到着した映像は、『ゼロ・グラビティ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に引き続いて、本作で「アカデミー賞」撮影賞を受賞、ディカプリオやイニャリトゥ監督から親しみを込めて“チーヴォ”との愛称で呼ばれるルベツキの仕事ぶりについてフォーカスしたもの。監督とルベツキは、ディカプリオ演じるグラスの旅の自然な流れを維持するため、時系列に沿って撮影を進めること、自然光をクリエイティブな方法で使うこと、長回しのなめらかで継続的な撮影法を『バードマン』とは全く違う効果を狙って利用することの3つのルールを決めたという。なかでも、自然光撮影については、「当然の選択だったと思う」と監督は言う。「第一に、森に照明を当てる方法はない。太陽があれば、光は十分だ。自然光が持っている複雑ですばらしいところに匹敵するような人工照明は存在しない」と、本作独自の撮影スタイルを明かしている。さらに、撮影は冬だったために、午後2時半ともなれば、樹木の下はもう光がない状態だったという。「何度もリハーサルを重ねて準備を万全にして臨んだ。長いテイクを2、3回撮り直しするのに1時間か、1時間半ぐらいしかなかったからだ」と失敗の許されない撮影だったことを監督はふり返る。このような撮影ができたのは、『バードマン』に引き続いて監督とタッグを組んだルベツキの功績だといえるだろう。その証拠に「ルベツキは照明の名人だ」と監督は絶賛。ディカプリオも「息をのむような体験ができる」と明かすように、自然が持つ美しさや優雅さ、そして荘厳さをも堪能することができるはずだ。『レヴェナント:蘇えりし者』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月28日これまで“無冠の帝王”といわれていたレオナルド・ディカプリオに、初の「アカデミー賞」主演男優賞をもたらした『レヴェナント:蘇えりし者』。このほど、5分強に及ぶ彼のインタビュー映像が到着、オスカー獲得へ導いた本作への熱い思いや、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督との信頼関係が明らかになった。本作の舞台は、19世紀、広大な未開拓の荒野。狩猟中に熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(ディカプリオ)は、狩猟チームメンバー、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に愛する息子を殺され、さらに森に1人置き去りにされてしまう。グラスはフィッツジェラルドに復讐を果たすため、極寒の大自然の脅威の中、交戦中の部族の熾烈な襲撃をも交わし、約120キロの容赦ない旅を生き延びなければならなかった――。ディカプリオが、目の前で息子を殺され復讐心をその胸に宿す主人公を文字通りに体を張って熱演、悲願の「アカデミー賞」を手にした本作。到着した映像では、まず、65年ぶり史上3人目の快挙となる“2年連続の「アカデミー賞」”を獲得したイニャリトゥ監督について絶賛している。「(イニャリトゥ監督作品は)“ハリウッド映画”の型にはまらない作品ばかりだ。今回は壮大な作品で彼の個性が生きているよ」。イニャリトゥ監督と、史上初となる3年連続の同撮影賞を受賞したエマニュエル・ルベツキの仕事ぶりについても、「何度もリハーサルを重ね、複雑な動きのショットを練り上げるんだ」、「バーチャル・リアリティの世界に入ったように主人公たちの体験を味わえる」と語る。映像の後半で、自身の演じたグラスの役どころに話が及ぶと、力強い言葉が次々と彼の口からあふれてくる様子が伺える。さらに父と子の絆の話になると、心なしか、優しい眼差しで“父親・グラス”そのもののようなディカプリオの姿を、目にすることができる。以前、別のインタビューでは本作を「ドキュメンタリーに近い作品だ」と語り、「熊のシークエンスは、映画史上、見たことがないものになっている。観客としてもう一つ別の感覚を手にしたかのような気になるだろう。アレハンドロとルベツキが一緒に成し遂げたことは、それほどパワフルだ」と懐述していたディカプリオ。物語の発端となる臨場感たっぷりのこのシーンに代表されるように、人間が“生き抜く”かつてないほど壮大で、本質的な映画体験を、ディカプリオ自身も肌身で感じていたに違いない。『レヴェナント:蘇えりし者』はTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月22日本日22日に公開を迎えた映画『レヴェナント:蘇えりし者』で、アカデミー賞主演男優賞を獲得した主演のレオナルド・ディカプリオが、同作への思いを語るインタビュー映像が同日、公開された。本作では、ディカプリオが復讐心をその胸に宿す主人公ヒュー・グラスを熱演。65年ぶりの快挙となる2年連続のアカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督、脚本、制作を務め、国際的なアーティスト・坂本龍一が音楽を担当している。舞台は19世紀アメリカの広大な未開拓の荒野。狩猟中に熊に喉を裂かれ致命的な重傷を負ったグラスは、狩猟チームの一人による裏切りで極寒の地に置き去りになるばかりか、愛する息子を殺されてしまう。彼は復讐のため、生の意志だけを武器に大自然の驚異の中、冬の寒さに耐え、交戦中の部族の襲撃を交わし、約120キロの容赦ない旅を生き延びなければならない。ディカプリオは映像冒頭で、本作のオファーを受けたきっかけを「イニャリトゥの作品だからだ」と断言。脚本段階から製作に携わり、本作の壮大なストーリーを作り上げたイニャリトゥ監督から構想を聞かされただけで、「夢中になったよ」とも続ける。また、イニャリトゥ監督が撮る作品を「"ハリウッド映画"の型にはまらない作品ばかり」と絶賛。「今回は壮大な作品で彼の個性が生きている」と語る。そんなイニャリトゥ監督と史上初となる3年連続アカデミー賞撮影監督賞を受賞した撮影監督のエマニュエル・ルベツキの仕事ぶりについても「バーチャル・リアリティの世界に入ったように主人公たちの体験を味わえる」と力強い評価を送っている。本作については、「ドキュメンタリーに近い作品」と表現。CGを用いたのも、「動物を使ってやれない部分があったからだ」と明かす。中でも「熊のシークエンスは、映画史上、見たことがないものになっている。観客としてもう一つ別の感覚を手にしたかのような気になるだろう」とし、「アレハンドロとルベツキが一緒に成し遂げたことは、それほどパワフルだ」と述懐する。自身の演じたグラスの役どころに話が及ぶと、そのキャラクター性を説明しながら、「彼は実在した人物でありこの事件も本当に起きた」と背景を話し、「グラスは人間の可能性を証明してみせた」とコメント。父と子の絆のテーマになると、劇中で描かれている当時の人種問題などに触れながら、グラスが息子に教えた大切なことをまっすぐな視線で語っている。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年04月22日レオナルド・ディカプリオが第88回アカデミー賞でアカデミー主演男優賞に輝いた『レヴェナント:蘇えりし者』が4月22日、公開を迎える。アカデミー賞(特に会員)に嫌われ、ノミネートで持ち上げられては栄誉を逃すという屈辱プレイを何度も味わった後の、"悲願"の受賞。そもそもアカデミー賞ってナンボのもんじゃ?という意見や、ディカプリオ本人も受賞後のパーティーでオスカー像を飲食店に忘れるなど、その価値は人によって違いそうだが、どういうわけかレオ様の受賞は特別。SNSが盛り上がった現象も、うなずけるというものだ。主演男優賞だけでなく、監督賞と撮影賞も受賞した『レヴェナント:蘇えりし者』。(1)アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督と撮影監督エマニュエル・ルベツキのコンビ、(2)レオ様とトム・ハーディの激突――もはや多くを語らずとも、この2要素だけで傑作臭が漂う作品だ。実際ストーリーそのものは、シンプルの極み。19世紀アメリカの広大すぎる未開拓の荒野を舞台に、レオ様演じるハンターのヒュー・グラスが瀕死の重傷を負いながらも、愛する息子を殺した同じくハンターのジョン・フィッツジェラルド(トム)に復讐を果たすため、約300キロという過酷な旅に身を投じていくという物語。しかし、これがまるで初めて観るような種類の映画で、圧倒的な映画的興奮に満ち、われわれの心を捕らえて離さない。この点、3月に行われたレオナルド・ディカプリオ来日記者会見で、「アカデミー賞の受賞理由の分析は……難しいけれど、これだけの世界観に入り込める作品は例がなかった。全員が約一年半、作品の世界にどっぷりと浸かったよ。イニャリトゥ監督はどのようにしてあの世界を作り上げたか僕自身にも説明できないけれど、永遠に映画史に残るような芸術作品に仕上がったと思う」とレオ本人もコメント。そして一人の男のサバイバルであると同時に、レオ様本人の関心が高い環境についてのテーマも含まれ、単なる復讐劇でもないと、レオ様は補足した。「この映画はヒュー・グラスの物語であると同時に、アメリカの大自然が侵されていく物語でもあって、それは今も世界中で起きていること。現代では自然や土地、そこに生きている動物たちに対して敬意が欠如している。僕は地球を守りたくて気候変動を問題にしているけれど、そういったものも映画の中には入っているんだ」。おそらく、レオナルド・ディカプリオがオスカー像をゲットした理由のひとつでもあるだろう、生きるという強い意志を持った主人公のグラスが、大自然の脅威に負けることなくサバイブしていく本能的な姿に、観る者は惹かれていると思う。それまでのレオ様は心に闇を抱えた実在の人物や身勝手で自己中心的な犯罪者などを比較的よく話すキャラクターを演じてアカデミー賞界隈をザワザワ言わしてきたが、この点、「ヒュー・グラスは寡黙な男。だから、どの言語、どの国の方々にも伝わりやすかったと思う。そして一人の男のサバイバルストーリーであると同時に、大自然の中での物語でもあるんだ」と、レオ様自身も決定的な違いを語っていた。グラスはほぼ言葉を使わないため、生々しいリアルな演技が必要で、肉体的にも過酷な撮影ではあったが、イニャリトゥ監督と撮影監督が仕掛ける実験的な映像の効果とあいまって、人間の本質や人間と自然との関係などが浮き彫りに。予想以上に"返り"が多い『レヴェナント:蘇えりし者』は、スルー厳禁の傑作ドラマだ。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年04月21日4月22日に公開される『レヴェナント:蘇えりし者』で、アカデミー賞主演男優賞を獲得した主演のレオナルド・ディカプリオが、現場を振り返り、意外な"共演者"の存在を明かした。本作では、ディカプリオが復讐心をその胸に宿す主人公ヒュー・グラスを熱演。65年ぶりの快挙となる2年連続のアカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督、脚本、制作を務め、国際的なアーティスト・坂本龍一が音楽を担当している。舞台は19世紀アメリカの広大な未開拓の荒野。狩猟中に熊に喉を裂かれ致命的な重傷を負ったグラスは、狩猟チームの一人による裏切りで極寒の地に置き去りになるばかりか、愛する息子を殺されてしまう。彼は復讐のため、生の意志だけを武器に大自然の驚異の中、冬の寒さに耐え、交戦中の部族の襲撃を交わし、約120キロの容赦ない旅を生き延びなければならない。ディカプリオは、自身もグラスと同じ状況下で撮影を敢行。その現場を「グラスはほとんど一人きりでサバイバルに挑む。周りに誰もいない中で演じている時には、共演者は俳優の仲間ではなく、周囲の大自然たちだった」と打ち明ける。また、「これは本当に貴重な体験」とも言い「映画の撮影と言うより、壮大な旅に出たような感覚」と表現。「この作品に出演できたことは僕の誇りになることを確信している」と胸を張っている。しかし、自然との"共演"は非常に過酷なもの。ディカプリオは、氷点下の中で裸になって極寒の川に飛び込むなど命がけで撮影に臨んでおり、肉体的に厳しいチャレンジとなった。それでも、自ら多くのスタントを手掛けたことから、グラスの意思に一歩近づけたという。自然を相手に過酷な体験をしたのはディカプリオだけではない。悪天候時にはマイナス27度まで下がり、スタッフたちが互いに凍傷の兆候を確認しあう事態に。撮影チームが厳しい環境下での撮影にこだわったことで、ストーリーの真価を引き出すことに成功している。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年04月20日音楽家の坂本龍一(64)が7日、都内で行われた映画『レヴェナント:蘇りし者』(4月22日公開)の特別試写会に出席し、音楽を担当した本作のメインテーマ曲などをピアノで生演奏した。第88回アカデミー賞でレオナルド・ディカプリオが悲願の主演男優賞を、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が2年連続となる監督賞を受賞した本作。音楽を担当した坂本は、監督の右腕的な人物から「明日LAに来てくれ」と電話で突然言われたと、本作に関わることになった経緯を説明した。そして、制作途中の本作を初めて見た時は「映像に圧倒された」と言い、「(前作の)『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』もぶったまげたけど、その次のレベルに行っていた」と当時の衝撃を告白。そこから約6カ月かけて音楽を作り上げ、完成した映画を見た時は「音楽が大きい」と驚いたという。「映画によっては思っていたより下げられ聞いてほしいところが聞こえないというのはよくある。今回はでかい! うれしいといえばうれしいんだけど、ちょっとでかすぎじゃないかなって心配した」と笑った。また、監督について「音楽に対する耳とセンスがめちゃくちゃいい。驚くほど精度の高い耳でああだこうだ言ってくるのでやる方としては困る。細かいです」と、笑いながらその耳を称賛。「またオファーがあったらやりますか?」と質問されると、「来ないと思いますけど」と笑いつつ、「デビュー作の『アモーレス・ペロス』から注目して大好きな監督だったので、万が一また依頼してくれたら喜んでやります」と答えた。さらに、自身の近況を聞かれると、「2年前に人生初の大病をしましたが、おかげさまで治って、こんなハードな仕事もできるようになりました」と中咽頭がんを乗り越えた話をし、「体重も10キロ減ってスリムになって、安心して人前に出られるようになりました」と笑顔で報告。「映画も音楽も健康じゃないと楽しめない」「音楽と健康はすごい大事な結びつきなんだなと身をもって知りました」と語った。イベントでは、本作のメインテーマ曲などをピアノで生演奏し、観客を魅了。演奏後には、ピアノを愛おしそうにいじり、「ピアノをなでたり、ぶったり、押さえたり、いろいろしてるんです」と、いろんな方法で音を生み出したことを明かした。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年04月08日アカデミー賞主演男優賞を獲得したレオナルド・ディカプリオが主演を務める『レヴェナント:蘇えりし者』(4月22日公開)で、音楽家・坂本龍一の楽曲が全編にわたって使用されている音楽版予告が1日、公開された。本作でメガホンを取るのは、65年ぶり史上3人目の快挙となる2年連続アカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督。巨額の製作費をかけ、極寒の地で自然光のみを使った9カ月間のロケを敢行した。ディカプリオは、ハンティング中に熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負った上に、目の前で息子を殺され復讐心を燃やす主人公に扮し、鬼気迫る演技で親子の絆を見せる。本作の音楽を作曲した坂本は「この作品には息をのむような素晴らしい映像が詰まっています」と説明。その上で、「私は音楽で、主人公ヒュー・グラスの壮大なドラマを表現しました」と明かす。また、本作の「まだまだ荒い編集の映像を監督と一緒に見て、音楽について実際の音を聞きながら長く話し合いました」と制作背景を話し、「初めて見たその時から、この映画の主人公は"自然"だと思いました」とその感触を口にする。複雑なドラマも描かれている本作だが、特に坂本の気を引いたのは自然の大きさだったようで、「(本作の撮影を務めたエマニュエル・)ルベツキが自然光で素晴らしい精度で撮影しています」と指摘。続けて、「そこで人間ドラマを包む大きな自然というものを音楽で描きたかった」とも打ち明けている。『バベル』(07年)でも「美貌の青空」など坂本の楽曲2曲を使用したイニャリトゥ監督は、「彼の曲には余計なものがなく優雅で感動的だ」と評価。「今回の音楽には、感動的な静寂がある。静寂という"間"が映画にとって重要な役割を果たすんだ」と大ファンでもある坂本による音楽が、作品にとって重要な役割を果たしていると分析する。坂本は、イニャリトゥ監督との最初の電話で「メロディよりもサウンドだ。サウンドの積み重ねが必要なのだ!」と力説したという。それを思い返しながら、イニャリトゥ監督は「覚えやすいメロディの音楽を使う映画が多いのですが、そういうものを目指していたのではない」と胸を張ってアピールした。公開された映像では、坂本の壮大ながらも奥行きを感じさせる、非常に繊細な音楽を収録。同時に坂本が語った大自然の映像や、ディカプリオの迫真の演技を堪能することができる。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年04月01日レオナルド・ディカプリオ主演映画『レヴェナント:蘇えりし者』で音楽を手がけた坂本龍一が作品の魅力と音楽について語った“音楽版予告”が公開になった。坂本が手がけた音楽も登場する。『レヴェナント:蘇えりし者』音楽版予告映像映画は、アメリカ西部の未開拓の荒野を旅する途中で熊にノドを裂かれて瀕死の状態に陥るも、仲間のジョン・フィッツジェラルドに置き去りにされてしまった主人公ヒュー・グラスが、自然の脅威に立ち向かいながら、死の淵から蘇り、約300キロもの旅をして、フィッツジェラルドに復讐しようと壮絶なサバイバルに挑む姿を描いたもの。映像の冒頭に登場した坂本は「この作品には息を呑むような素晴らしい映像が詰まっています。私は音楽で、主人公ヒューグラスの壮大なドラマを表現しました」とコメント。劇中の音楽は坂本、“アルヴァ・ノト”ことカールステン・ニコライ、The Nationalのギタリストでもあるブライス・デスナーが担当。監督から『メロディよりもサウンドだ。サウンドの積み重ねが必要なのだ!』というリクエストを受けた坂本は、ミニマルな構成でドラマを支える“サウンド”を構築。制作された楽曲と、こだわり抜かれた映像、ディカプリオの決死の演技は見事に調和しており、「人間ドラマを包む大きな自然というものを音楽で描きたかった」という坂本の言葉に思わずうなづいてしまう映像になっている。『レヴェナント:蘇えりし者』4月22日(金) TOHOシネマズ 日劇ほか 全国ロードショー
2016年04月01日先日、半年にわたるプロモーションの終焉の地として、約2年ぶりに来日したレオナルド・ディカプリオ。このほど、その渾身の主演作『レヴェナント:蘇えりし者』から、念願のオスカー受賞となった本作について自身が解説する特別映像が到着した。舞台は19世紀のアメリカ、その広大な大地のほとんどが荒野だった時代。狩猟中に熊に喉を裂かれ、瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(ディカプリオ)は、狩猟チームメンバーの1人、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に見捨てられ置き去りにされてしまうばかりか、愛する息子を目の前で殺されてしまう。“生きる”という純然たる意志だけを武器に、グラスは厳寒の大自然のなか、交戦中の部族の熾烈な襲撃を交わしながら、フィッツジェラルドに復讐を果たすため、約300キロの容赦ない旅を生き延びようとする――。ディカプリオが鬼気迫る演技で、愛する息子への思いと復讐心で壮絶なサバイバルに挑む本作。監督・脚本・製作を務めたアレハンドロ・G・イニャリトゥは、いまだかつてない製作費と相当な準備期間をかけて、大自然が猛威をふるう極寒の地で自然光のみを使った9か月間のロケ撮影を敢行。監督として2年連続のオスカーを獲得し、ディカプリオもそのビジョンと手腕に大絶賛を贈っていた。今回の映像でディカプリオは、「これは1人の男の壮大な物語だ」と本作について明かす。マイケル・パンクによる本作の原案小説のように、グラスの物語は、限界を超えた体力と精神力を持つ男の驚異的な話の1つとして長らく語り継がれてきたものだ。そんなグラスの逸話の根底に流れる共感を呼ぶテーマを、イニャリトゥ監督は掘り下げることになった。最愛の息子という大きな喪失にも関わらず、グラスは瀕死の状態を生き延び、何があっても先へ進もうと意思を固める。まさに、彼は死の淵から戻り、“レヴェナント”(黄泉の国から戻った者)となるのだ。さらに、別のインタビューでディカプリオは、「アレハンドロの手にかかると、人間の精神力の素晴らしさ、そして大きな障害を乗り越えるために必要なものについても描かれ、復讐ものというよりも、さらに深みのある話になっていると思う」とも語っている。果たして、蘇えった者が下す復讐の先に“何があるのか”?ますます気になるところだ。『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月27日米俳優のレオナルド・ディカプリオが来日を果たし3月23日に、都内で主演作『レヴェナント:蘇えりし者』(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)の記者会見を行った。同作で第88回アカデミー賞主演男優賞を獲得し、“5度目の正直”で悲願を達成。来日は約2年ぶり10度目で、オスカー受賞後は初めてとなる。その他の画像会見にはスチール250人、記者150人、TVカメラ50台、総勢500人ものマスコミが駆けつけ、注目度の高さを証明。記者からオスカー後の心境の変化を問われると、「受賞はありがたいが、目的ではない。これからも変わらず、俳優としての夢や理想を追求し、優れた作品に参加し続けたい」と真摯にコメント。その上で「この映画は、永遠に残る芸術作品。撮影というよりは、壮大な旅に出かけた感覚があり、過酷だった分、チャレンジした自分を誇りに思う」と胸を張った。西部開拓時代の厳しい荒野を舞台に、熊にノドを裂かれて瀕死の重傷を負い、さらに仲間の裏切りによって愛する息子まで奪われたハンター、ヒュー・グラスが、死の淵から“蘇って”復讐を果たすため、壮絶なサバイバルを繰り広げる。ほとんどセリフを発せず、多くのスタントも自らこなす体当たりの熱演が高く評価された。また、ディカプリオの主演男優賞受賞に加えて、イニャリトゥ監督が史上3人目となる2年連続の監督賞、エマニュエル・ルベツキが3年連続の撮影賞に輝いた本作。「以前からイニャリトゥ監督の大ファンだったから、どんなに過酷な現場だろうと、オファーを断る理由はなかった。自然光のみでの撮影も画期的だし、ロケできる時間が限られている分、いざ本番が始まるとアドレナリンが出たよ」とクリエーターの情熱に敬意を示した。「監督と一番時間をかけて話し合ったのは、この作品が人間と自然の関わりを描いているという点。豊かな自然や伝統的な文化が、資本主義によって失われる事態は、今も世界中で起こっているからね」とも語り、自身が熱心に取り組む環境保護活動の重要性を訴える場面もあった。『レヴェナント:蘇えりし者』4月22日(金)TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2016年03月23日レオナルド・ディカプリオが、ついにアカデミー賞「主演男優賞」を獲得した渾身作『レヴェナント:蘇えりし者』。このほど、レオナルドの鬼気迫る演技と、圧倒的な映像美、そして実話に基づく壮絶なストーリーを後押しする音楽を担当した坂本龍一をゲストに迎え、4月7日(木)に恵比寿 ザ・ガーデンホールにて本作を特別上映することが決定。坂本さんがピアノの生演奏を披露することが明らかとなった。本作でレオナルドが演じたのは、ハンティング中に熊に喉を裂かれ、瀕死の重傷を負った実在のハンター、ヒュー・グラス。目の前で最愛の息子を殺され復讐心に駆られた男が、極寒の大自然の中、敵対する部族の熾烈な襲撃を交わしながら、約300kmの容赦ない旅を生き延びようとする姿を熱演し、初のオスカー獲得をはじめ賞レースを席巻。また、脚本・製作も務めたアレハンドロ・G・イニャリトゥは、65年ぶり史上3人目の快挙となる2年連続のアカデミー賞「監督賞」を受賞、自然光のみを使った圧倒的な映像でエマニュエル・ルベツキが史上初「撮影賞」を3年連続受賞した。坂本さんが手がけた「美貌の青空」など2曲を『バベル』(’06)でも使用したイニャリトゥ監督は、「彼の曲には余計なものがなく優雅で感動的だ。今回の音楽には、感動的な静寂がある。静寂という間が映画にとって重要な役割を果たすんだ」と語り、自身も大ファンである坂本氏の音楽が本作にとって、とても重要な役割を果たしていることを明かす。今月23日(水)に緊急来日することが決まり、日本中を熱狂の渦に巻き込んでいるレオナルドもまた、「サカモト氏の音楽は、この映画のテーマそのものを表現していると思う。初めて聴いたとき、まさに求めていた音楽だったから、強く感銘を受けた」と大きく心を揺さぶられたことを語っていた。いまハリウッドで最もホットな監督と俳優から賞賛を浴びた坂本さんは、「本作の話があったときは、まだ体調は万全ではなかったのですが、イニャリトゥ監督からの話なので、これは何があってもやらないといけないと内心思いました」と、オファーを受けた当時をふり返る。また、本作については「初めて観たそのときから、この映画の主人公は“自然”だと思いました。人間ドラマを包む大きな自然というものを音楽で描きたかったのです」と、その思いに言及した。大島渚監督(『戦場のメリークリスマス』『御法度』)や、山田洋二監督(『母と暮せば』)、ブライアン・デ・パルマ監督(『ファム・ファタール』)といった日本をはじめ、世界の名だたる監督とタッグを組み、ベルナルド・ベルトルッチ監督『ラストエンペラー』では日本人として初めてアカデミー賞「作曲賞」を受賞した坂本さん。また、音楽家としてだけでなく、デヴィッド・ボウイと共演した『戦場のメリークリスマス』や、キーパーソンとなる日本人を演じた『ラストエンペラー』など、俳優としても活躍している坂本さんが、自身が参加し、アカデミー賞3冠を獲得した本作について何を語るのかは気になるところ。さらに当日は、ピアノの生演奏も予定されており、どんなメロディーを奏でるかにも注目だ。『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。オリジナル・サウンドトラック盤「The Revenant(蘇えりし者)」(音楽:坂本龍一、アルヴァ・ノト、ブライス・デスナー)は発売中。(text:cinemacafe.net)
2016年03月15日坂本龍一が音楽を手がけた映画『レヴェナント:蘇えりし者』の特別上映が4月7日(木)に恵比寿 ザ・ガーデンホールで行われ、映画の上映だけでなく、坂本のピアノ演奏も行われることが決定した。その他の画像映画は、アメリカ西部の未開拓の荒野を旅する途中で熊にノドを裂かれて瀕死の状態に陥るも、仲間のジョン・フィッツジェラルドに置き去りにされてしまった主人公ヒュー・グラスが、自然の脅威に立ち向かいながら、死の淵から蘇り、約300キロもの旅をして、フィッツジェラルドに復讐しようと壮絶なサバイバルに挑む姿を描いたもの。本年度の米アカデミー賞で、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞に、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが監督賞に、エマニュエル・ルベツキが撮影賞に輝いた。坂本は自身のキャリアの中で、ベルナルド・ベルトルッチ監督(『ラストエンペラー』『シェルタリング・スカイ』)や、大島渚監督(『戦場のメリークリスマス』『御法度』)、ブライアン・デ・パルマ監督(『ファム・ファタール』)など多くの映画作家の作品の音楽を手がけているが、本作では「まだ体調は万全ではなかったのですが、イニャリトゥ監督からの話なので、これは何があってもやらないといけないと内心思いました」と言い、「初めて観たその時から、この映画の主人公は“自然”だと思いました。人間ドラマを包む大きな自然というものを音楽で描きたかった」という。劇中の音楽は坂本、“アルヴァ・ノト”ことカールステン・ニコライ、The Nationalのギタリストでもあるブライス・デスナーが担当。イニャリトゥ監督は以前から坂本の楽曲を自作で使用しており「彼の曲には余計なものがなく優雅で感動的だ。今回の音楽には、感動的な静寂がある。静寂という間が映画にとって重要な役割を果たすんだ」と語っている。特別上映では、坂本のピアノ演奏も予定されており、彼が作品について何を語り、どの楽曲を演奏するのかも気になるところだ。『レヴェナント:蘇えりし者』4月22日(金) TOHOシネマズ 日劇ほか 全国ロードショー
2016年03月15日レオナルド・ディカプリオが俳優として実に5度目のノミネートで、悲願のアカデミー賞「主演男優賞」を獲得した『レヴェナント:蘇えりし者』。このほど、レオナルドが同「監督賞」を2年連続で受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥ、そして臨場感たっぷりの映像で「撮影賞」を3年連続で受賞したエマニュエル・ルベツキとともに、本作のテーマについて熱く語る特別映像が解禁となった。本作は、レオナルドが、19世紀アメリカの未開拓の荒野を仲間たちと移動する途中で、熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負った上に、目の前で息子を殺され復讐心をその胸に宿す主人公ヒュー・グラスを熱演した文字通りの渾身作。実在したハンターの揺るぎない息子への愛と絆を鬼気迫る演技で表現し、ついにオスカーを手中に収めた。また、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と本作で65年ぶり史上3人目の快挙となる2年連続の「監督賞」を受賞したイニャリトゥは、脚本・製作も務め、いまだかつてない製作費をかけて、大自然が猛威をふるう極寒の地で自然光のみを使った9か月間のロケ撮影を敢行。撮影監督を務め、3年連続「撮影賞」受賞という史上初の快挙を達成したルベツキは、大きく引いたロングショットとクローズアップを駆使して圧倒的な映像を作り上げている。到着した映像でレオナルドは、「全く新しい感覚だ。あまりの臨場感に息をのむだろう」と明かす。それは、ルベツキと再びタッグを組んだ監督がユニークな撮影スタイルを屋外へ持ち出し、広大な土地をなめらかに進むカメラワークと、登場人物たちの息づかいが聞こえるほどのクローズアップを多用したことだけに留まらない。「グラスの身に起きた悲劇を壮大なスケールで描くと同時に、彼の精神を映し出している」と監督自身が分析するように、そこには映像に加えて、感情移入できる普遍のストーリーがある。「父と息子の愛を最も丁寧に描いた。本作の核となるからだ」と監督が明かすように、レオナルドは最愛の息子を失い、燃えたぎるような復讐心を原動力に、想像を絶する過酷なサバイバルへと身を投じていく父親を演じる。多彩なキャラクターを演じてきたレオナルドにとって、グラスは全く新しい役へのチャレンジとなった。「これまで、私はさまざまな形で考えを多くの言葉ではっきり伝えるキャラクターを演じてきたから、この役を演じることはユニークなチャレンジだった」と語り、ほとんど言葉を使わない生々しい演技が必要とされたことをふり返っている。多くを語らぬとも、その視線、息づかい、身のこなし方などから、壮絶な男の生還を体現してみせたディカプリオ。そんな彼を余すところなくとらえた鮮烈な映像を、ここからも確かめてみて。『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月03日本年度の米アカデミー賞で、主演男優賞、監督賞、撮影賞に輝いたレオナルド・ディカプリオ主演作『レヴェナント:蘇えりし者』の特別映像が公開になった。ディカプリオ、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、撮影監督を務めたエマニュエル・ルベツキが作品の魅力をじっくりと語る内容だ。その他の画像/特別映像本作は“実話”の映画化ではないが“モデル”が存在する。法律の専門家から作家に転身したマイケル・パンクは、19世紀に実在したヒュー・グラスとその時代について長い時間をかけてリサーチを重ね、そこにフィクションを織り交ぜながら小説を執筆。この小説がどの程度、実際の出来事と関連しているかは、現在発売されている書籍『レヴェナント:蘇えりし者』(漆原敦子・訳/早川書房)の巻末に“歴史的注釈”として詳細に記載されている。さらにイニャリトゥ監督は映画化にあたって、小説の核を活かしながら大胆に脚色を行った。特別映像でイニャリトゥ監督は「ジャック・ロンドンの要素をすべて盛り込んだ。美しいほどに残酷で、恐ろしいほどに詩的で、壮大な物語だ」と語る。ロンドンは米国の作家で、飼い犬が誘拐されてソリ犬になったことを機に内なる野生が目覚めていく様を描いた『野生の呼び声』などで知られている作家だ。本作では、クマに襲われて瀕死の状態の中で最愛の息子の命を奪われ、野生の中で捨てられた主人公グラスが、息子への愛、復讐心から甦り、過酷な旅を経て、復讐を果たそうとするドラマが描かれる。しかし、本作は単なる“復讐劇”ではない。グラスを演じたディカプリオは「単なる旅ではなく、彼は一生分の感情を経験する。アレハンドロは何よりも詩的な美しさを追求していた。人生に立ちはだかる不条理に打ち勝つ精神の美しさだ」と言い、撮影監督を務めたルベツキは劇中で彼が旅する厳しい自然は「キャラクターを知る大切な要素だ。外界の変化だけでなく、心の変化を表している」と分析する。本作はサバイバル劇であるのと同時に、愛する妻を失い、息子を失い、自身の肉体も激しく損傷し、死の淵に立った男がそれでも生きようとする“精神”を描いており、ドラマも背景となる大自然も主人公グラスの“こころ”を描くために存在しているようだ。『レヴェナント:蘇えりし者』4月22日(金) TOHOシネマズ 日劇ほか 全国ロードショー
2016年03月03日第88回アカデミー賞の授賞式が29日(現地時間28日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『レヴェナント:蘇えりし者』のアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督賞を受賞。イニャリトゥは、昨年の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でも同賞を受賞しており、2年連続での快挙となった。イニャリトゥは「信じられません。こんなことが起こるなんで。才能豊かなキャストやスタッフたちと共有したいと思います」と感激。「レオ、あなたこそが"レヴェナント"です。魂、ハート、そして人生を注ぎ込んで演技してくれてありがとう」と主演のレオナルド・ディカプリオに向かって感謝の言葉を述べた。また、今年のアカデミー賞で大きな問題となった人種差別にも触れ、「あらゆる偏見から自らを解放しましょう。その原始的な考え方から離れて、肌の色は無意味なものなんだということになるようにしましょう」と熱く呼びかけた。アレハンドロ・G・イニャリトゥが監督・脚本・製作を務める本作は、アメリカ西部の未開の荒野に取り残された一人の男の壮絶なサバイバルを描いた作品。主演のディカプリオが、ハンターのヒュー・グラスとして、格闘シーンで鼻を折るほどの体当たりの演技を見せている。監督賞には、アレハンドロ・G・イニャリトゥのほか、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のアダム・マッケイ、『スポットライト 世紀のスクープ』のトム・マッカーシー、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー、『ルーム』のレニー・アブラハムソンがノミネートされていた。WOWOWでは、2月29日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日にはダイジェスト版も放送する。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年02月29日第88回アカデミー賞の授賞式が29日(現地時間28日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『レヴェナント:蘇えりし者』(4月22日公開)のレオナルド・ディカプリオが主演男優賞に輝き、悲願のオスカー獲得を果たした。過去に『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『ブラッド・ダイヤモンド』『アビエイター』『ギルバート・グレイプ』でアカデミー賞に4度ノミネートされながら無冠に終わっていたディカプリオ。本作では、大自然の脅威の中で壮絶なサバイバルを繰り広げるハンターのヒュー・グラスとして、格闘シーンで鼻を折るほどの体当たりの演技を見せ、5度目のノミネートにしてついにオスカーを手にした。祝福の拍手と歓声が送られる中、ステージに上がったディカプリオは「ありがとうございます。みなさまに感謝します」と達成感に満ちた表情。共演したトム・ハーディ、2年連続で監督賞を受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥをはじめ、過去の作品に関わった人たち、両親、友人への感謝の気持ちを語った。そして、本作は「人間と自然界の関係を描いた作品」だと言い、「気候変動というのは本物です。最も切迫した人類の危機です。先延ばしすることなく行動する必要があります」と環境問題について呼びかけると、大きな拍手が送られた。主演男優賞には、レオナルド・ディカプリオのほか、『トランボハリウッドに最も嫌われた男』のブライアン・クランストン、『オデッセイ』のマット・デイモン、『スティーブ・ジョブズ』のマイケル・ファスベンダー、『リリーのすべて』のエディ・レッドメインがノミネートされていた。WOWOWでは、2月29日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日にはダイジェスト版も放送する。
2016年02月29日第88回アカデミー賞授賞式が2月29日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『レヴェナント:蘇えりし者』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が「監督賞」に輝いた。イニャリトゥ監督は昨年も『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で監督賞に輝いており、同一監督が2年連続で「監督賞」を獲得するのは、アカデミー賞の歴史において、ジョン・フォード、ジョセフ・L・マンキーウィッツに続き史上3人目の快挙となる。「2年連続の受賞はない」の予想から、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督、『スポットライト 世紀のスクープ』のトム・マッカーシー監督らが有力視されていた監督賞。しかし、イニャリトゥ監督は負けじと、オスカー前哨戦となるゴールデン・グローブ賞監督賞、全米監督組合賞、英国アカデミー賞監督賞を次々と受賞し、アカデミー賞への弾みをつけていた。『レヴェナント:蘇えりし者』は未開拓の荒野を舞台に、瀕死の重傷を負った上に仲間に見捨てられ、最愛の息子まで奪われた孤高のハンターが、“生きる”という純然たる意志と“復讐”という憎しみだけを武器に、約300キロの壮絶なサバイバルを繰り広げる。イニャリトゥ監督は「アカデミーに感謝致します。こんなことが起きるなんて信じられません」と喜びの言葉を述べ、「才能豊かなキャストと同僚たちに感謝します。レオ、あなたこそ“レヴェナント”です」と語った。さらに、「私は本当に幸運です、しかし同じような運に恵まれていない人もいます。この世界であらゆる偏見から解放されましょう」とメッセージを送った。作品賞をはじめ、監督賞(イニャリトゥ監督)、主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、助演男優賞(トム・ハーディ)、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞と本年度最多となる12部門にノミネートされている。(text:cinemacafe.net)
2016年02月29日第88回アカデミー賞で最多12部門にノミネートされている俳優レオナルド・ディカプリオ主演『レヴェナント:蘇えりし者』(4月22日公開)のポスタービジュアルと特別映像が26日、公開された。オスカー4冠に輝いた『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督・脚本・製作を務める本作は、一人の男のサバイバル・アドベンチャーと人間の偉大な精神力を描いた作品。過去4作でアカデミー賞にノミネートを果たすもいまだ無冠のディカプリオが、悲願のオスカー獲得を狙う。公開された映像では、ディカプリオ演じるヒュー・グラスの父親としての姿が見られる。熊に喉を裂かれ瀕死(ひんし)の重傷を負ったハンターのグラスは、狩猟チームメンバーの一人、ジョン・フィッツジェラルドに見捨てられ置き去りにされてしまうばかりか、愛する息子を殺されてしまうが、"生きる"という純粋な意志によって復活。大自然の驚異の中、冬の寒さに耐え、交戦する部族の激しい襲撃を交わしながら、「息子を殺したやつらに絶対に復讐する」と自らに誓い、約300kmの旅を進んでいく。この役作りについて、ディカプリオは「追求したのは、生き残ろうとする本能の一番奥にあるものを見つけ出すことだった」と明言。続けて、「父と息子の絆は、とても強い力で彼を突き動かす」と口にする。アカデミー賞2年連続受賞がかかっているイニャリトゥ監督も、「父と息子の愛を丁寧に描いた。それが本作の核となっている」と説明した。イニャリトゥ監督の言葉を裏付けるように、公開されたポスターでは、小さな息子をいとおしそうに抱くグラスが上部に大きく描かれている。その一方で、息子のために復讐に燃える姿も捉えており、異なる2つの表情が見られる。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年02月26日アカデミー賞目前、さまざまなメディアで“悲願”のオスカー受賞を予見されているレオナルド・ディカプリオ。その話題の主演作『レヴェナント:蘇えりし者』から、彼が演じたヒュー・グラスの父親としての姿が浮かび上がるポスター画像と特別映像が到着した。舞台は19世紀アメリカ、広大な未開拓の荒野。狩猟中に熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、狩猟チームメンバーの一人、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に見捨てられ、置き去りにされてしまうばかりか、愛する息子を殺されてしまう…。“生きる”という純然たる意志と“復讐”という憎しみだけを武器に、グラスは厳しい冬の寒さに耐え、交戦中の部族の熾烈な襲撃を交わし、約300キロの容赦ない旅を生き延びる――。大自然が猛威をふるう極寒の地で、自然光のみを使った9か月間におよぶロケ撮影を敢行した本作。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『ブラッド・ダイヤモンド』『アビエイター』、そして助演男優賞の『ギルバート・グレイプ』でアカデミー賞に4度ノミネートを果たすも、いまだ無冠のレオナルドが、格闘シーンで鼻を折るほどの体当たりの熱演を見せ、オスカー獲得に“王手”をかけている。そんな中、届いたポスター画像は、レオナルド演じるヒュー・グラスの父としての姿をとらえたもの。幼いころの息子を愛おしそうに抱く彼の表情は、これまでに見せたことがないほど印象的だ。本作で「作品賞」「監督賞」ともアカデミー賞2年連続受賞に期待がかかるアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は、「父と息子の愛を丁寧に描いた。それが本作の核となっている」と明かしている。ところが、映像では一変して、「息子を殺した奴らに絶対に復讐する」と語るグラスの強い眼差しから、強い憎悪と復讐心を抱いていることが伝わってくる。演じたディカプリオは「父と息子の絆は、とても強い力で彼を突き動かす」と懐述する。瀕死の重傷を負ったまま置き去りにされながらも、これほどまでに生きようとしたのは、自身を置き去りにされたことではなく、息子への愛情から生まれた感情だったのだ。「追求したのは、生き残ろうとする本能の一番奥にあるものを見つけ出すことだった」と、その役作りについて語るレオナルド。まさに魂の熱演を見せた本作では、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞をはじめ数々の映画賞で「主演男優賞」を受賞しており、悲願のオスカー獲得は世界中の注目の的。日本でも、Twitterには「#レオにオスカーを」というハッシュタグ付きで、「本作のレオの演技を正当に評価しなくっちゃ!」「今回こそは獲ってほしいよなぁ それに値する人だと思うよ!」といった応援メッセージが続々投稿されているという。臨場感を極めた圧倒的なスケールの映像と、レオナルドの鬼気迫る演技、そして坂本龍一が手がけた畳み掛ける音楽。唯一無二の鮮烈で壮大な映画体験が、アカデミー賞でどう評価されるのか、引き続き注目していて。『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月26日レオナルド・ディカプリオ主演作『レヴェナント:蘇えりし者』の新たなポスター画像と特別映像が公開になった。本作の主人公は、過酷な自然環境下で死の淵から蘇ってサバイバルを繰り広げるが、その壮絶な魂の奥底には、最愛の息子を奪われた深い悲しみと、復讐への決意があるようだ。『レヴェナント:蘇えりし者』特別映像本作の主人公グラスは、愛する息子や仲間たちとアメリカ西部の未開拓の荒野を旅する途中で熊にノドを裂かれて瀕死の状態に陥る。まったく動くことができず、死の淵を彷徨うグラスを仲間のジョン・フィッツジェラルドは置き去りにすることを決め、グラスは極寒の地に放り出されるだけでなく、最愛の息子の命もフィッツジェラルドに奪われる。このほど公開になった映像では、グラスが必死に這って、すでに冷たくなってしまった愛する息子のもとにかけよる場面から始まる。グラスはそこでフィッツジェラルドに復讐することを決意し、過酷な自然環境下で傷を回復させ、約300キロもの旅に出る。本作は、壮絶なサバイバルを描いたドラマだが、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督は、「父と息子の愛を丁寧に描いた。それが本作の核となっている」という。愛する息子への想いを胸に、必死に生き、旅を続けるグラスは、復讐を果たせるのか? 仮に果たせたとしてどんな結果が待っているのか? これまでに公開されてきた予告編/映像は、壮大な大自然や過酷なサバイバルに焦点をあてたものだったが、本作は観客の胸をうつ重厚なドラマもしっかりと描かれているようだ。『レヴェナント:蘇えりし者』4月22日(金) TOHOシネマズ 日劇ほか 全国ロードショー
2016年02月26日第88回アカデミー賞で最多12部門にノミネートされた俳優レオナルド・ディカプリオ主演『レヴェナント:蘇えりし者』(4月22日公開)のキャストやスタッフらがお互いたたえ合う特別映像が19日、公開された。2015年、オスカー4冠に輝いた『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督・脚本・製作を務める本作は、一人の男のサバイバル・アドベンチャーと人間の偉大な精神力を描いた作品。『ギルバート・グレイプ』(93年)をはじめ過去4作で、アカデミー賞にノミネートを果たすもいまだ無冠のディカプリオは、悲願のオスカー獲得を狙っており、2013年の俳優休業宣言を覆して出演を快諾したこともあり、格闘シーンで鼻を折るほどの熱演を見せる。公開された映像のなかで、イニャリトゥ監督はディカプリオを「目だけで全てを語ることのできる俳優」と表現。続けて、「わずかなセリフだけで、複雑に入り組んだ感情を同時に表現できる。身体や目で演技するんだ」としつつ、「彼の演技は私の監督人生で初めてみる素晴らしさ」とその実力を絶賛している。一方のディカプリオは、「僕はトム・ハーディの大ファンなんだ」と告白。「彼ほど力強い俳優は他にいない。キャラクターを作りこむ彼の集中力は見ていて興奮する」「本作の彼は過去最高」とまでたたえている。ディカプリオが前回の受賞を逃した際は、世界のファンが落胆し、Twittrerのトレンドワードに「Poor Leo(かわいそうなレオ)」が入るなど、SNS上は落選を嘆く声が続出。今回も、ディカプリオがオスカー像を追いかけるオンラインゲームまで登場し、オスカー獲得となるかには注目が集まっている。日本時間29日の授賞式へ向け、盛り上がりを見せる中、日本でもディカプリオを応援すべく、ハッシュタグ「#レオにオスカーを」で応援メッセージをツイートするキャンペーンも開始された。第73回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、主演男優賞(ドラマ部門)、監督賞の最多3部門、第69回英国アカデミー賞では作品賞、主演男優賞(ディカプリオ)、監督賞(イニャリトゥ)、撮影賞(エマニュエル・ルベツキ)の最多5部門を、それぞれ受賞した本作。第88回アカデミー賞では、ディカプリオだけでなく、映画自体が何部門受賞するかも期待されている。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年02月19日レオナルド・ディカプリオ主演作『レヴェナント:蘇えりし者』が本年度の米アカデミー賞で作品賞、主演男優賞など最多12部門で候補になっている。さらに本作は、ゴールデン・グローブ、英国アカデミー賞、アメリカ撮影監督協会賞など数え切れないほどの映画賞で栄冠に輝き、アメリカでも動員でも成功を収めている。本作は一体、なぜそこまで映画ファンと批評家を惹きつけるのか? 監督、出演者たちが作品の魅力を語った特別映像が公開になった。『レヴェナント:蘇えりし者』特別映像本作は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督と、ディカプリオがタッグを組んだ作品で、アメリカ西部の未開拓の荒野を旅する途中で熊にノドを裂かれて瀕死の状態に陥るも、仲間のジョン・フィッツジェラルドに置き去りにされてしまったグラス(ディカプリオ)が、自然の脅威に立ち向かいながら、死の淵から蘇り、約300キロもの旅をして、フィッツジェラルドに復讐しようと壮絶なサバイバルに挑む姿を描いている。このほど公開になった映像にまず登場するのは、主人公グラスと息子、そしてフィッツジェラルドたちが船に乗って川を移動する場面を捉えた壮大な場面だ。重く沈んだ空、濁りきった川をゆっくりと進む船に乗り込んだ男たちは疲労に満ちた表情を浮かべているが、眼光はみな鋭い。イニャリトゥ監督は、まるで色が消滅してしまったような過酷な大自然に観客を放り込むため、徹底的に準備を重ねて撮影にのぞんだ。あるシーンでは90分間もの間、カメラをまわし続けて、複雑なシーンを撮影し、そんな状況下で“ドラマ”を描くために、ディカプリオを主演に据えた。監督は「レオは目だけですべてを語ることができる俳優だ。彼の演技は私の監督人生で初めて見るすばらしさだった」と語る。ディカプリオ演じるグラスは映画の前半で熊にノドを裂かれており、声を出すどころか、息を続けることすら困難な状況にある。しかし、完成した映画ではグラスが何を考えているのか、なぜ死の淵から蘇ろうとするのかが観客にしっかりと伝わってくる。さらに、ディカプリオが「彼ほど力強い俳優はいない」と絶賛するトム・ハーディが強烈な演技でグラス=ディカプリオを追いつめ、スタッフが過酷な自然をリアルに描くことで、グラスの生への、復讐への“執念”がさらに深くなる。本作は、キャストの演技、映像、重厚なドラマのすべてが高い評価を集めており、監督は「奇跡の芸術と演技の真髄を見られて、この上なく幸福だった」と撮影を振り返っている。『レヴェナント:蘇えりし者』4月22日(金) TOHOシネマズ 日劇ほか 全国ロードショー
2016年02月19日2016年英国アカデミー賞(BAFTA)の受賞式が現地時間14日、ロンドンのロイヤル・オペラハウスで開催され、『レヴェナント:蘇えりし者』が最多5冠に輝いた。『レヴェナント:蘇えりし者』は、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞を獲得したのをはじめ、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の監督賞、最高賞となる作品賞、音響賞、撮影技法賞を受賞した。また、『マッドマックス怒りのデス・ロード』も編集賞、プロダクション・デザイン賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアー賞など、技術部門で同じく5部門に輝いている。一方で、主演女優賞には『ルーム』のブリー・ラーソン、助演女優賞には『スティーブ・ジョブズ』のケイト・ウィンスレット、助演男優賞には『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランスが選ばれた。唯一の一般投票で、新人俳優に送られるEEライジング・スター賞には、タロン・エガートンやダコタ・ジョンソン、ベル・ポウリー、ブリー・ラーソンら他のノミネート者を破り、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のジョン・ボイエガが見事受賞を果たした。2016年度英国アカデミー賞受賞リスト作品賞:『レヴェナント:蘇えりし者』監督賞:アレハンドロ・G・イニャリトゥ『レヴェナント:蘇えりし者』主演女優賞:ブリー・ラーソン『ルーム』主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ『レヴェナント:蘇えりし者』助演女優賞:ケイト・ウィンスレット『スティーブ・ジョブズ』助演男優賞:マーク・ライランス『ブリッジ・オブ・スパイ』EEライジング・スター賞:ジョン・ボイエガ特別視覚賞:『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』音響賞:『レヴェナント:蘇えりし者』編集賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』プロダクション・デザイン賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』コスチューム・デザイン賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』脚本賞:『スポットライト世紀のスクープ』撮影技法賞:『レヴェナント:蘇えりし者』音楽賞:『ザ・ヘイトフル・エイト』メイクアップ&ヘアー賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』長編アニメ賞:『インサイド・ヘッド』脚色賞:『マネー・ショート 華麗なる大逆転』ドキュメンタリー賞:『エイミー』(C)BANG Media International
2016年02月16日第88回アカデミー賞で最多12部門にノミネートされたレオナルド・ディカプリオ主演『レヴェナント:蘇えりし者』の日本公開が4月22日に決定し、本編映像が20日、公開された。昨年アカデミー賞で最多4部門を受賞した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督・脚本・製作を務める同作は、一人の男のサバイバル・アドベンチャーと人間の偉大な精神力を描いた作品。1月10日に発表された第73回ゴールデン・グローブ賞で、作品賞&主演男優賞(共にドラマ部門)&監督賞の3冠を獲得し、最多受賞となった。そして、第88回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、撮影賞、美術賞、編集賞、衣裳デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞の12部門にノミネート。格闘シーンで鼻を折るほどの体当たりの熱演を見せているディカプリオが悲願のオスカー獲得なるか、イニャリトゥ監督が2年連続受賞となるか、注目が集まる。このたび公開された映像では、ディカプリオの迫真の演技が明らかに。イニャリトゥ監督は「今回の撮影では、リズム、タイミング、勢い、沈黙と膨大な量の要求をしたが、レオは力強い存在感で、全てをこなした」と、ディカプリオがさまざまな試練に直面したことを強調。監督の言葉に応えるように、ディカプリオもまた「『レヴェナント:蘇えりし者』は、私の人生で最もやりがいのある経験になった」と自信のほどを語る。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年01月20日本年度の米アカデミー賞で作品賞、主演男優賞など最多12部門で候補になっているレオナルド・ディカプリオ主演作『レヴェナント:蘇えりし者』の日本公開日が4月22日(金)に決定し、本編映像の一部が公開になった。その他の画像/新映像が公開本作は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督と、ディカプリオがタッグを組んだ作品で、アメリカ西部の未開拓の荒野を旅する途中で熊にノドを裂かれて瀕死の状態に陥るも、仲間のジョン・フィッツジェラルドに置き去りにされてしまったグラス(ディカプリオ)が、自然の脅威に立ち向かいながら、死の淵から蘇り、約300キロもの旅をして、フィッツジェラルドに復讐しようと壮絶なサバイバルに挑む姿を描いている。このほど公開になったのは、熊から受けた傷が癒えぬまま、凍てつく荒野を旅する主人公グラスが眠っている場面から始まる。しかし、すぐに彼を狙う一団が現れ、グラスは馬に飛び乗り、その場から逃走する。「今回の撮影では、リズム、タイミング、勢い、沈黙と膨大な量の要求をしたが、レオは力強い存在感で、すべてをこなした」と監督が語る通り、本作は緊迫感、リアルな世界観、生々しい感情が徹底的に追求された。このほど公開された映像でも、主人公グラスが眠っている段階から急襲に気づき、反撃しながら馬に飛び乗るまでがカメラを止めることなく撮影され、続いてグラスが追ってを倒しながら逃走していく過程がワンカットで描かれている。何かひとつミスをすれば“最初からやり直し”という状況下で、ディカプリオは圧倒的な集中力を発揮。彼の鬼気迫る演技を支えているのは、イニャリトゥ監督、撮影監督のエマニュエル・ルベッキ(『ゼロ・グラビティ』『ニュー・ワールド』)、美術監督のジャック・フィスク(『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ツリー・オブ・ライフ』)ら世界有数の映画人たちだ。本作はすでに高い評価を集めており、ゴールデン・グローブ賞では作品、監督、主演男優の主要部門を受賞。アメリカでは興行成績も好調で、今後、日本でも注目を集めることになりそうだ。『レヴェナント:蘇えりし者』4月22日(金) TOHOシネマズ 日劇ほか 全国ロードショー
2016年01月20日第88回アカデミー賞のノミネーションが14日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスで行われ、レオナルド・ディカプリオ主演『レヴェナント:蘇えりし者』が最多12部門にノミネートされた。レオナルド・ディカプリオを主演に迎え、2015年アカデミー賞で最多4部門を受賞した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督・脚本・製作を務める同作。このたび、第88回アカデミー賞で、作品賞、監督賞(アレハンドロ・G・イニャリトゥ)、主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、助演男優賞(トム・ハーディ)、撮影賞(エマニュエル・ルベツキ)、美術賞、編集賞、衣裳デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞の12部門にノミネートされた。作品賞では、アレバンドロ・G・イニャリトゥ監督作品としては『バベル』『バードマン…』に続く3度目のノミネートで、2年連続の頂点を狙う。監督賞でも同様に3度目のノミネートとなるが、2年連続の獲得となれば半世紀ぶりの快挙となる。そして、5度目のノミネートとなったレオナルド・ディカプリオが悲願のオスカー獲得となるか、注目が集まっている。同作は、1月10日に発表された第73回ゴールデン・グローブ賞で、作品賞&主演男優賞(共にドラマ部門)&監督賞の3冠を獲得し、最多受賞。これまでに40の映画賞に輝き、37の映画賞にノミネートされている。中でも、主人公ヒュー・グラスを演じたディカプリオは、すでに17の主演男優賞を獲得している。第88回アカデミー賞授賞式は、現地時間2月28日にハリウッドのドルビー・シアターにて行われる。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年01月15日第73回ゴールデン・グローブ賞が10日(現地時間)、ロサンゼルスのビヴァリーヒルトン・ホテルで発表され、『レヴェナント:蘇えりし者』が作品賞、監督賞、主演男優賞の三冠受賞した。ゴールデン・グローブ賞はハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)会員の投票によって決定するもので、最多3部門を受賞した『レヴェナント:蘇えりし者』は、荒野で狩猟中にクマに襲われ、重傷を負ったハンターの壮絶なサバイバルを描く作品。同作でドラマ部門男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオはこれが3度目のゴールデン・グローブ賞受賞だが、スタンディング・オベーションと鳴り止まない拍手に感極まった表情を見せていた。今回の受賞は悲願のアカデミー賞主演男優賞への追い風となりそうなだけに、2月28日(現地時間)のオスカー候補発表が楽しみだ。監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥはスピーチで「映画作りはどれも大変だけど、今回は本当に大変だった」と苦難が続いた撮影をふり返りつつ、主演のレオとの仕事を「最高の経験だった」と語った。今年はノミネーションの段階から大本命作がなく、各部門で授賞はばらけたが、ドラマ部門は『レヴェナント:蘇えりし者』、ミュージカル/コメディ部門は作品賞と男優賞(マット・デイモン)が受賞した『オデッセイ』と2作が各部門を代表する受賞結果となった。ほかに、『スティーブ・ジョブズ』が助演女優賞(ケイト・ウィンスレット)、脚本賞(アーロン・ソーキン)を受賞。最多4部門5つのノミネーションを受けた『キャロル』は無冠に終わった。今期の賞レースで唯一、無敵の強さを誇っている『ルーム』のブリー・ラーソンがやはりドラマ部門女優賞に輝き、圧倒的な勢いを見せつけた。ミュージカル/コメディ部門で女優賞を受賞したのは『JOY』(原題)のジェニファー・ローレンス。『世界でひとつのプレイブック』(ミュージカル/コメディ部門主演女優賞)、『アメリカン・ハッスル』(助演女優賞)で受賞してきたジェニファーは「ここに上がれるのは、いつもあなたのおかげよ」とデヴィッド・O・ラッセル監督に感謝した。ミュージカル/コメディ部門男優賞はマット・デイモン、助演男優賞は『クリード チャンプを継ぐ男』で、伝説のロッキー・バルボアを演じたシルベスター・スタローンに輝いた。脇に回ることなどほとんどないスタローンだが、実質主役と言ってもいい存在感で物語を牽引して見事受賞。「ロッキー・バルボアは最高の“見えない親友”だ」とスピーチで語った。助演女優賞はケイト・ウィンスレット、そしてTV部門のリミテッドシリーズ/TVムービー部門の女優賞をレディー・ガガ(「AMERICAN HORROR STORY: HOTEL」原題)が受賞するなど、スターという肩書きにふさわしい大物の受賞が印象に残る結果となった。授賞結果は以下の通り。映画部門ドラマ部門作品賞:『レヴェナント:蘇えりし者』男優賞:レオナルド・ディカプリオ(『レヴェナント:蘇えりし者』)女優賞:ブリー・ラーソン(『ルーム』)ミュージカル/コメディ部門作品賞:『オデッセイ』男優賞:マット・デイモン(『オデッセイ』)女優賞:ジェニファー・ローレンス(『JOY』原題)助演男優賞:シルベスター・スタローン(『クリードチャンプを継ぐ男』)助演女優賞:ケイト・ウィンスレット(『スティーブ・ジョブズ』)監督賞:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(『レヴェナント:蘇えりし者』)脚本賞:アーロン・ソーキン(『スティーブ・ジョブズ』)作曲賞:エンリオ・モリコーネ(『ヘイトフル・エイト』)アニメ作品賞:『インサイド・ヘッド』外国語映画賞:『サウルの息子』(ハンガリー)主題歌:「ライティングズ・オン・ザ・ウォール」(『007スペクター』)TV部門ドラマ部門作品賞:「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」男優賞:ジョン・ハム(「MAD MEN マッドメン」)女優賞:タラジ・P・ヘンソン(「Empire 成功の代償」)ミュージカル/コメディ部門作品賞:「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」男優賞:ガエル・ガルシア・ベルナル(「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」)女優賞:レイチェル・ブルーム(「CRAZY EX-GIRLFRIEND」原題)リミテッドシリーズ/TVムービー部門作品賞:「ウルフ・ホール」男優賞:オスカー・アイザック(「SHOW ME A HERO」原題)女優賞:レディー・ガガ(「AMERICAN HORROR STORY: HOTEL」原題)助演男優賞:クリスチャン・スレイター(「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」)助演女優賞:モーラ・ティアニー(「アフェア~情事の行方~」)(text:Yuki Tominaga)
2016年01月11日映画『レヴェナント:蘇えりし者』(2016年4月公開)のニューヨーク・プレミアが現地時間6日、ニューヨークのAMCロウズ リンカーンスクエアで開催され、主演のレオナルド・ディカプリオ、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督らに加え、音楽を担当した坂本龍一も参加。レッドカーペットで初めて3人がそろった。坂本の大ファンで、『バベル』(06)でも「美貌の青空」など坂本の2曲の楽曲を使用したイニャリトゥ監督は「彼の曲には余計なものがなく優雅で感動的だ。(今回の音楽には)感動的な静寂がある。(静寂という)間が映画にとって重要な役割を果たすんだ」と楽曲の魅力をコメント。ディカプリオも「サカモト氏の音楽はこの映画のテーマそのものを表現している」と言い、「曲を聴くと大きく心が揺さぶられるんだ。初めて聞いたとき、まさに求めていた音楽だったから強く感銘を受けた」と語る。セリフの少ないこの作品で音楽の占める役割は大きく、それが楽しみでもあり、プレッシャーでもあったという坂本は「イニャリトゥ監督の要望は、アコースティックと電子音楽を何層にも重ねたものだった。だからその2つを融合させた。加工され作り込まれた電子音楽と音質の良いオーケストラを組み合わせる大変な作業だった」と説明。「監督の要望にすべて応えられるような方法があればよいのだが、残念ながらこれという方法はない。だから崖を登るような監督の膨大な要求を一つ一つクリアしていった」と感慨深げに振り返った。1月10日17時(日本時間11日10時)には、作品賞、監督賞、主演男優賞、音楽賞にノミネートされているゴールデン・グローブ賞の授賞式がいよいよスタート。1月14日にノミネート発表、2月28日に授賞式となるアカデミー賞に向けて、大きなターニングポイントとなるゴールデン・グローブ賞での賞獲得に注目が集まっている。実話からインスピレーションを受けた『レヴェナント:蘇えりし者』は、一人の男のサバイバル・アドベンチャーと人間の偉大な精神力を描いた作品。2015年アカデミー賞で最多4部門を受賞した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督・脚本・製作を務める。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年01月11日