世界の一流カンパニーとして人気を二分するパリ・オペラ座バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団のスターたちが集い、それぞれの珠玉のレパートリー、さらには彼らがひとつの作品で共演する合同プログラムを上演するオペラ座&ロイヤル夢の共演〈バレエ・スプリーム〉が、この夏、実現する。3月上旬のパリ・オペラ座バレエ団日本公演期間中、出演者たちがプレス懇談会に出席し、公演への抱負を語った。オペラ座&ロイヤル 夢の競演 〈バレエ・スプリーム〉チケット情報公演に参加する精鋭ダンサーたちとともに現れたのは、パリ・オペラ座チームのスーパーバイザーを務めるオレリー・デュポン(パリ・オペラ座バレエ団芸術監督)。「これはとても野心的なプロジェクト。英国ロイヤル・バレエ団は素晴らしい、豊かなバレエ団で、日本のお客さんにふたつの異なった流派を見比べていただける素晴らしい機会になる」と、自身が選りすぐったダンサーたちを紹介した。パリ・オペラ座バレエ団の最高位、エトワールとして日本公演初日の主役を担ったマチアス・エイマンとミリアム・ウルド=ブラームをはじめ、昨年暮にエトワールに任命されたばかりのレオノール・ボラックとジェルマン・ルーヴェ、懇談会前夜にエトワールに任命され、会場を興奮の渦に巻き込んだユーゴ・マルシャン、デュポンが「素晴らしいショーマン」と太鼓判を押すプルミエ・ダンスールのフランソワ・アリュ。彼らが踊るのは、オペラ座自慢のレパートリーの数々だ。エイマンとウルド=ブラームがAプロで踊るのは、ヌレエフ版『白鳥の湖』第2幕のパ・ド・ドゥ。「新世代のエトワールたちと共演できることは、貴重な経験」(エイマン)、「皆さんに舞台をお見せできるのは幸せ」(ウルド=ブラーム)とふたりは話す。ボラックとルーヴェも、同『白鳥の湖』より第3幕のパ・ド・トロワをAプロで踊る。ともにエトワール任命の日に踊った作品だけに、その思いは特別のよう。「踊れることが楽しみ。ジェルマンは完璧なパートナーです」(ボラック)、「彼女は、私を物語世界へ導いてくれる頼もしいダンサー」(ルーヴェ)。アリュがBプロで踊る『レ・ブルジョワ』(コーウェンベルグ振付)は、テクニックと芝居心が求められるユニークな作品。「個性を発揮できると思います」と自信をのぞかせる。マルシャンが、Bプロの『グラン・パ・クラシック』(クゾフスキー振付)他で共演するのは、日本出身初のプルミエール・ダンスーズとして話題のオニール・八菜。「彼女とともにフランスのバレエを国際的に広めることができ、嬉しい」とコメント。「素晴らしいコラボレーションとなる」と、デュポンも新たな試みへの期待感に胸を躍らせているようだ。公演は7月26日(水)から30日(日)まで、東京・文京シビックホール 大ホールにて。チケットぴあではインターネット先行を3月30日(木)午前10時より受付。取材・文:加藤智子
2017年03月24日パリ・オペラ座バレエ団が実に15回目となる日本公演のために来日。開幕を前に2月27日、都内で記者会見が行われ、ステファン・リスナー総裁をはじめ、マチアス・エイマン、昨年末にエトワールに昇格したばかりのレオノール・ボラックらが出席し、意気込みを語った。パリ・オペラ座バレエ団 チケット情報カリスマエトワールとして活躍したオレリー・デュポンが昨秋、芸術監督に就任。今回の来日公演では、ロマンティック・バレエの代表作と言える「ラ・シルフィード」、さらに「グラン・ガラ」では、「テーマとヴァリエーション」「アザー・ダンス」、そしてバンジャミン・ミルピエによる「ダフニスとクロエ」が上演される。リスナー総裁は冒頭、毎回の日本のファンの温かい歓迎への感謝を口にする。デュポン就任後、初の来日公演となるが「古典は新作に栄養を与え、新作は古典に刺激を与えるもの。歴史を大切にしつつ、現代性を表現することがオペラ座の芸術監督には求められるのです」と語り、特に「ダフニスとクロエ」は1年ほど前に作られたフレッシュな作品。現代的な美術を含めて注目してほしい」と語った。人気エトワールのマチアス・エイマンは「ラ・シルフィード」「ダフニスとクロエ」の両公演に出演するが「『ラ・シルフィード』はロマンティック・バレエの代表作であり、オペラ座のレパートリー。私にとっては演じるのは2度目ですが、再演においても常に探求の余地があり、新たなパートナーを得て再発見をしていくべきものです。特に日本はバレエを愛する人々が多く、熱意を持って迎え入れてくださるので、こうしてみなさんの前で踊れること嬉しく思っています」と語る。これまで同じダンサーとして向き合ってきたデュポンと芸術監督とエトワールという関係で向き合うことについて「彼女の選択を信頼しています。彼女は“継承”と“共有”を目的とし、すでに自分の場所を見つけたと思います。彼女の好奇心が今回も大いに発揮されることと思います」と深い信頼をうかがわせた。レオノール・ボラックは12月31日にエトワールに昇格したばかりの“新星”。「エトワールとしての第一歩を日本で踏み出せること、12月31日の公演でも一緒に踊ったマチアスと今回もパートナーを組めることに、より強い感動を覚えています。エトワールになったということを考え過ぎれば、それは緊張と恐怖の元となるので、プリミエールの頃からやってきたことの継続を心掛けて踊りたいと思います」と意気込みを語っていた。パリ・オペラ座バレエ団2017日本公演は3月2日(木)開幕。撮影・取材・文:黒豆直樹
2017年02月28日レペット(Repetto)から、バレンタインに向けたバレエシューズ「グルーピー(GROUPIE)」が10足限定で登場。2017年2月1日(水)より、銀座フラッグシップストアで発売される。レペットのアイコンである「バレリーナシューズ」が今回バレンタイン仕様に。トゥには真っ赤なハートモチーフがあしらわれ、ヒール部分も真っ赤に染められている。また、インソールには「SAINT VALENTIN」の文字が記された特別デザインだ。世界で100足の限定販売となり、日本では銀座の旗艦店で10足が販売される。【詳細】バレンタイン限定シューズ グルーピー<限定10足>発売日:2017年2月1日(水)価格:41,000円+税取り扱い店舗:銀座フラッグシップストアのみサイズ展開:35.0〜39.0
2017年01月30日プリティ・バレリーナ(Pretty Ballerinas)から、2017年春夏コレクションの新作バレエシューズが2017年2月9日(木)より発売される。プリティ・バレリーナのバレエシューズは、可愛くてロマンティックなデザインと脚を美しく見せる絶妙なカッティングで人気。ケイト・モス、オリヴィア・パレルモ、ミランダ・カーなども愛用している。今シーズンのテーマは「macaroon」。春の足音が聞こえてくるような、ふんわり弾む甘いカラー配色やモチーフ、シースルー素材やグリッターなど・・・フェミニンで上品シューズが多数展開される。フラミンゴや甘いマカロンカラー大人な印象のベージュスエードを使用したポインテッドトゥのシューズには、可愛らしいフラミンゴが描かれた。2匹の首でハート型になったロマンチックなデザイン。他にも、マカロンパープルや春の花々を彷彿させる鮮やかなレッド×オレンジ配色のシューズがお目見え。エッジの効いた大人グリッター全面グリッターのインパクトのあるバレエシューズは、トップにあしらわれたさりげないリボンでバランスが取れた一足。またメッシュ素材のブラックバレエには、つま先とかかとにラメが部分使いされたシックな雰囲気。他にも銀座限定商品として、つま先にスタッズがあしらわれた大人なポインテッドトゥも展開される。涼し気なシースルーバレリーナ暖かな風が吹く春夏に履きたいシースルー素材のシリーズからは、キラキラと輝くストーンが散りばめられた透け感のあるホワイトのバレエシューズや、つま先にフラワーカットを施した一足が登場。他にも、繊細なカットワークで指先が見え隠れするモデルも展開される。【概要】プリティ・バレリーナ 2017年春夏コレクション発売日:2017年2月9日(木)取り扱い店舗:プリティ・バレリーナ ギンザ、アオヤマ / 他、百貨店・セレクトショップ【問い合わせ先】F.E.N.TEL:03-3498-1642
2017年01月21日1月1日よりバレエ・ダンサーのオニール・八菜を起用した三越伊勢丹グループの企業広告が掲出される。同グループは、“基本を大切にしながら、未来へ向かっていく勇気”をテーマに、「this is japan.」を発信していく。「this is japan.」とは、三越伊勢丹グループが日本の伝統・文化・美意識の作り出す価値を再認識し、新しい価値として客に提供する取り組みを深化させ、企業メッセージとして2015年より設定したもの。品ぞろえ、おもてなしの心遣い、立ち振る舞いに、日本の四季で育まれた五感を生かした企業活動を行っている。17年のメッセージは「基本に磨かれて、信頼でかがやく。大切なことはいつも変わらない。」――このメッセージには、日々基礎を磨き上げるダンサーの能力を、信頼する監督や振付家が引き出して表現を輝かせてくれるというバレエの世界に同社が共鳴し、“自分自身を磨くこと、そして人との信頼を大切にしていこう”という想いを込めている。オニール・八菜は、1993年に東京で生まれ、3歳の頃よりバレエを始める。その後2001年にニュージーランドへ移住し、2008年にオーストラリアンバレエスクールに入学、2013年にパリ・オペラ座のシーズン契約を経て正団員に。そして2016年にはプルミエール・ダンスーズに昇格、同年5月には23歳にしてバレエ界のアカデミー賞とも言われる「ブノワ賞」を受賞した経験を持つ。広告ビジュアルでは、世界的に著名な振付家のピエール・ラコットとコラボレーションし、“未来の季節”と“二十四節季”をテーマに、未来と夢に向かって進んでいく勇気を表現したパフォーマンス姿が捉えられている。オニール・八菜は撮影時のインタビューで、「毎日の努力が未来へと通じる、と考えています。少しずつの日々の積み重ねが大切で、近道はなし!そうして到達した未来には、青空が広がり、きれいな光が差していると嬉しいですね」と話している。インタビューの様子は、三越伊勢丹のスペシャルサイト()で公開される。また、2017年2月4日の立春より同スペシャルサイトにて、オニール・八菜とピエール・ラコットが“二十四節季”をダンスで表現した、四季と「this is japan.」を象徴する舞踏が、2週間ごとに二十四節気の時候の挨拶と重ねて随時公開されていく。
2017年01月01日2007年に結成されたshoji、kazuki、NOPPO、Oguriの4人によるダンスチーム、s**t kingz(シットキングス)、通称シッキン。ストリートがベースの彼らのダンスは、しなやかで優雅。デジタルチックかつスマートである一方、アナログなおかしみも感じられるスタイルだ。s**t kingz チケット情報2010年にアメリカ・カリフォルニアで開催されたダンスコンテスト『BODY ROCK』初出場にして初優勝を果たし、翌年も出場。2年連続で優勝し、一気に注目度を高めた。その後も国内外のアーティストの振付やバックダンサーを務め、三浦大知やBIGBANGなどと競演。2013年の初単独公演『THIS SHOW IS s**t』の初演は30分で完売、再演を含めると5000人以上の動員を記録した。快進撃を続ける彼らが2016年、また新たな扉を開いた。漫画『テルマエロマエ』の原作者、ヤマザキマリの脚本でトイレをテーマにした単独ダンス公演『Wonderful Clunker -素晴らしきポンコツ-』を開催。ヤマザキマリとのタッグも、長編も、全国ツアーも、すべては初めてのことばかり。初の長編作を手がけるにあたって「ストーリーを進めていく際に、ダンスだけでどこまで表現できるのかというバランスが難しかったです。説明しすぎたらうるさいけど、しないと分からなくなるし…というさじ加減とか。初めてのチャレンジでしたけど、楽しかったです」と語るのはメンバーのOguri(写真)。本公演のテーマを「トイレ」にしたのも彼だ。「“シッキン”ですし、トイレを題材にしたら面白いかなって」(Oguri)。そして、「水周りといえば」とヤマザキに脚本を依頼。何度もキャッチボールを重ね、サラリーマンを主人公にしたコメディタッチのエンタメ作品に練り上げた。ヤマザキとのコラボも新鮮だったと目を輝かせる。「ヤマザキさんも“舞台の脚本は初めて”っておっしゃっていたんですけど、“面白そうだからやってみた”って。すごく柔軟な方で、話してみると考え方が似ているというか、共感できる部分がありました。漫画も、表情だけとか台詞を使わないものも描かれるみたいで。そういう、描写だけでストーリーを進めるという部分もダンスに近いものがあるなと思いました」(Oguri)。東京公演を終え、12月に入って長野、愛知と巡った。大阪公演を前に、「東京公演を経て、いろいろブラッシュアップできる時間もあったので東京以上に濃い内容でできたらと思います。スカッとした気分で帰られるような、明日からも頑張ろうと思えるような楽しい舞台ができたらなと思いますし、大阪ならではの舞台ができたらいいなと思いますので、楽しみにしていただけたらと思います」(Oguri)と意気込む。『Wonderful Clunker -素晴らしきポンコツ-』は、12月8日(木)広島JMSアステール、12月10日(土)・11日(日)大阪・松下IMPホール、12月12日(月)福岡市民会館 大ホールで開催。大阪、福岡公演のチケットは発売中。
2016年12月07日舞台の共同制作・上演を通じてアジアのダンスの交流を目指し、2014年にスタートしたプロジェクト「ダンス・ダンス・アジア(DDA)」。3年目の今年は、アジア6か国のダンサーたちが3グループに分かれ、日本の牧宗孝、フィリピンのVince Mendoza、ベトナムのLION Tの振付・演出の作品を踊る。DANCE DANCE ASIA チケット情報11月某日、牧作品『BLACK LIP BOYZ』の稽古場では、牧と演出助手のBOWが見守る中、5人のダンサーがキレキレの踊りを展開していた。肩や腕をくねらせたり、口元にスプレーを吹きかけるような仕草をしたり、指を挑発的に前に突き出したり。妖しさ漂うクールでユニークな振付を、ダンサー達自ら、英語や片言の日本語で確認し合っていく。彼らは牧がワークショップや公演時に出会った、15~25歳の逸材だという。「10月のチラシ撮影時に誰かが黒のリップを塗りたいと言い始め、他のメンバーが『僕も』と言って、この公演タイトルになりました。それぞれダンスのスタイルは違いますが、踊る時の美意識やパッションは共通点すると思います」と牧は語る。「フィリピンのEl-JohnとRenzとは昨年、DDAマニラ公演の際に知り合いました。狭き門であるG-Forceというエリート集団に入って活動しているのでタフだし、バレエや体操などを基礎とする筋肉とエナジーが素晴らしいんです。Renzはフェミニンで『私はこういう美が好き』という主張が強いダンサーだし、El Johnはバイセクシャルだからか、女の子っぽさもジェントルマンな雰囲気も出せるダンサーです。マレーシアのTeddyは、ゲイだとカミングアウトしたところマフィアのお父さんに殺されそうになって家を飛び出すという壮絶な経験の持ち主。だからなのか、彼が踊る時は戦っているように見える。実際、バトラーでもあって、アンダーグラウンドのバトルでひとり、ガーリーな恰好をして戦う姿がカッコいいです。台湾のA-Yaoは高校生のころ、私が台湾で行なったワークショップを受けにきて。数年後に私がショーに出演するために台湾に行った時、ショーのイベントのバトルに出てすぐ負けちゃったんだけど、その踊りがとてもエレガントでボディコントロールがすごくて、思わず『私にはあなたがナンバーワン』と言いに行きました。日本のkEnkEnは15歳ですが、両親がダンサーで、2歳頃から踊っているので、ダンス歴は私と同じ位。音の取り方やリズム感などに真似できない天性のものがあり、末恐ろしい才能と可能性を感じるダンサーですね」。彼らが火花を散らす姿を、牧は「ショーガール」と称する。「仲良しなんだけど、皆、『私がセンター。私を見て』という強さを持っている。今回はディープな思想を込めるのではなく、それぞれが持つ個性を生かし、『これ、おしゃれ! ファビュラス!!』といった感じの、ライトで華やかな世界を作りたいと考えています」。公演は12月9日(金)から11日(日)まで、東京芸術劇場 シアターイーストにて。取材・文:高橋彩子
2016年12月02日国際的な評価の高いダンサー大植真太郎を中心としたC/Ompany(シースラッシュ)の新作公演「忘れろ/ボレロ」が11月11日(金)より、DDD青山クロスシアターにて開幕する。ジャンルレスなダンスでシルクド・ソレイユの舞台にも立った辻本雅彦、モナコ公国を本拠地とするJAPON dance projectのメインメンバー柳本雅寛、本年度トヨタ コレオグラフィーアワードにて次代を担う振付家賞とオーディエンス賞のW受賞を果たした平原慎太郎といずれも国内外の第一線で活躍する気鋭のダンサーを集めた今回挑むのは、モーリス・ラヴェルの「ボレロ」。ダンス「忘れろ/ボレロ」チケット情報今作は、2016年3月、日本全国15箇所を駆け巡った、大植真太郎・森山未來・平原慎太郎によるダンス公演「談ス」の第2弾として発表される。コンテンポラリーダンス作品としては異例の大型ツアーとして話題になったその作品は、いつしか既存のダンスとも演劇とも違うジャンルとして、「談ス」という新たなジャンルを作り上げる。誰もが1度は聞いたことのある名曲は、4人の男たちによってどう表現されるのか。リーダーの大植真太郎からコメントが届いた。『最近、ダンス公演を見に行った時に、内容や踊りよりも音楽しか印象に残らない作品が多かったんです。そうなったときに、身体やダンスは意味があるのか?と思い始めてしまった。舞台上でダンスに付随するBGMのように音楽を使うことは、音楽に正面から向き合っているとは言えないと考えてしまったんです。そこで今回は、みんなが知っているボレロの、「1つの到達点があって、そこに到達した途端、また新たな目的が生まれる」というイメージを、ダンサーの身体だけで表現していきたいのです。この終わりのない旋律の終わりはどこなのか?作品が終わる瞬間に、ダンスは終わっているのか?果たして劇場を出るときに作品は終わっているのか?この作品はお客さんとのコミュニケーション型のダンスです』公演は11月11日(金)・12日(土)東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて上演。チケットは発売中。
2016年11月01日梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』が、10月15日に東京グローブ座で開幕した。今作では、大貫勇輔、梅田彩佳、松浦司(Shya7)らをゲストに迎え、シェイクスピア「ロミオとジュリエット」をベースに “ダンス×J-POP×演劇”という独自のスタイルで上演する。梅棒 6th OPUS『GLOVER』チケット情報劇場に入り、まず圧倒されたのは美術。むき出しの鉄骨とそこに植物のように這う管、そして植物が天井を覆い、これから始まる『GLOVER -グラバー-』のスケールの大きさを予感させる。この美術、劇中では照明によってもさまざまに印象が変わっていた。梅棒の舞台は基本的に台詞がない。出演者のダンス、芝居、曲(J-POP)の歌詞で物語を表現するのが独特のスタイルだ。台詞がなくても、物語の軸となる大貫演じるロメオと梅田演じるジュリエッタの恋模様はもちろん、その周囲の登場人物たちの心の機微までしっかり伝わってくる。今作ではやや複雑な設定もあったが、そこのわかりにくさもなかった。それは衣裳などの視覚的な要素もあるし、キャスト達のダンスや演技、そして演出によるものだろう。「台詞がない」ということが逆に、舞台を豊かにしているように感じた。加えて面白かったのは、今まで何度も聴いてきたであろうJ-POPが梅棒の舞台で聴くと「こんなにいい曲だったのか」と感じることだ。それはストーリーに乗って心情にピタリとリンクしていることや、魅力的なダンスと合わさっていることもあるだろうが、この独特な表現方法の舞台を受け止めているうちに観客の感受性も全開になっているからではないかと思う。バラバラなミュージシャンの曲を使いながら観客の集中力を途切れさせないのも、細部まで世界観を作り込んでいるから。もちろんダンスは一番の見どころだ。物語に沿って、アニメーションダンスやブレイクダンスなどさまざまなジャンルのダンス、さらにダンサーならではの美しい殺陣などが次々と観られる贅沢さは、梅棒ならでは。中でもやはり世界を舞台に活躍する大貫の技術には圧倒された。その高い身体能力を敢えて無駄遣いする、梅棒の舞台だからこそ見られるシーンなども楽しく、のびのびとした大貫の姿が印象的だった。そして梅田はこの舞台の華。少しずつ恋を学んでいくジュリエッタの愛らしさや透明感は、梅田でなければ成り立たないと感じるほど。梅田がダンスすると自然と目が引き付けられる、そんな魅力がある。その個性的なゲストたちをひとつの作品の上でつないでいく梅棒メンバーの存在も強く感じられる舞台だった。公演は、10月23日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。取材・文:中川實穗
2016年10月19日10月15日(土)に、東京グローブ座で開幕する、梅棒 6th OPUS『GLOVER』。大貫勇輔、梅田彩佳、松浦司(Shya7)らをゲストに迎え、シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」をベースに “ダンス×J-POP×演劇”の梅棒スタイルで上演する。梅棒 6th OPUS『GLOVER』チケット情報今回、その稽古場にお邪魔した。稽古場には、数日前に組みあがったばかりという大きなセットが。東京グローブ座、森ノ宮ピロティホール(大阪)と、梅棒史上で最も大きな劇場となる今回は、セットもこれまでにないサイズ。キャスト達は、それを決まった時間内で転換できるように、スムーズさや見た目にもこだわりながら少しずつ調整していた。その確認作業中、他のメンバーは稽古場のあちこちでジャンルもさまざまなダンスを踊っている。その楽しそうな姿はまさに「梅棒の現場」と感じさせられる光景。この人たちがひとつの作品で一緒に踊ると考えるだけでも楽しみだ。梅棒の総合演出・伊藤今人の号令で、ダンスシーンの稽古がスタート。この日見られたのは3シーンほどだが、これまでより広くなった舞台にも関わらず、ところ狭しといった印象だった。シーン全体から受ける楽しさも、一つひとつの動きの面白さも、両方がパワーアップしており本番への期待が高まる。夜に初の通し稽古を控えていたこの日は、それぞれのシーンを通す中で伊藤からのブラッシュアップや細かな調整が入り、誰もが真剣な表情に。しかしそんな中でも、梅棒メンバーの遠藤誠がクドい芝居をいつまでも続けて伊藤に突っ込まれるなど、梅棒らしい空気が稽古場を盛り上げていた。また、稽古場で圧倒的な存在感を放っていたのが、この物語のヒーロー&ヒロインを担う大貫と梅田。群舞のシーンではふたりが一緒に踊っている姿に目が引き付けられ、「もっとふたりの踊っているところが見たい」と感じさせられた。梅棒は台詞がほとんどなく、J-POPの歌詞で物語を伝える独特のスタイルだが、梅田はダンスで表情豊かに感情を伝えていた。さらに大貫は、あまりイメージにない、世の女性をときめかせるような動きも!普段舞台を観ない人でも楽しませるのが梅棒の舞台。今作はさらに、心動かされるものになりそうだと感じた。ダンスに詳しくなくても、さらにはシェイクスピアに興味がなくても、ぜひ一度体験してほしい。梅棒 6th OPUS『GLOVER』は、10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。また、10月16日(日)18:00公演終了後大貫勇輔、梅田彩佳、伊藤今人(梅棒)によるアフタートークも開催決定!詳細は公式HPにて。取材・文:中川實穗
2016年10月13日2017年1月8日(日)にグループ初となる武道館ライブも決定し、今最も勢いのある女子高生6人組のスーパーヴォーカルグループ、Little Glee Monster。彼女たちの力強い歌声と高度なアカペラをも歌いこなす透き通ったハーモニーは世代を問わず多くのファンを魅了する。そんな彼女たちが「梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』」の上演を控えるジャズタンスチーム「梅棒」のメンバーにエールを贈った。梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』チケット情報梅棒とリトグリは、梅棒がダンスの振付を担当しメンバー6名が出演もした「KREVAの新しい音楽劇『最高はひとつじゃない2016 SAKURA』」大阪公演で今年4月に初共演。その時、初の音楽劇出演に緊張していたリトグリメンバーに優しく、楽しく声をかけた梅棒への感謝の気持ちから、今回の応援メッセージへと繋がった。彼女たちがエールを贈った梅棒、彼らの公演はダンス×演劇×J-POPで織り成す“新しい劇場型のダンスエンタテインメント”。馴染みのあるヒット曲を20曲以上用いて演劇的ストーリーをダンスで表現し、大きな笑いと感動を生み出す。そんな梅棒の第6回単独公演『GLOVER -グラバー-』は、日本が世界に誇る若手トップダンサーの大貫勇輔や48グループを卒業したばかりの梅田彩佳をはじめ、実力派、個性派のゲスト陣を迎えシェイクスピアを題材にした作品に挑む。公演は10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて開催。また、Little Glee Monsterは11月9日(水)に1万枚限定でのニューシングルとデビュー前に僅か約1000枚限定でリリースされたインディーズ盤プレデビューミニアルバム「Little Glee Monster」の復刻版を発売。今後の彼女たちの活躍にも注目したい。
2016年09月29日孤独な王子が男性ダンサー演じる妖しくも美しい白鳥と出会う『白鳥の湖』、大ヒット映画を大胆にバレエ化した『シザーハンズ』など、独創的な演出・振付と、美学に貫かれたセットや衣装で熱狂的なファンをもつマシュー・ボーン。今回の『眠れる森の美女』は、彼が手がけてきた『白鳥の湖』『くるみ割り人形』に続く“3大バレエ”の完結編。ボーン率いる〈ニュー・アドベンチャーズ〉が2012年にロンドンで初演して人気となった作品で、待望の来日公演を果たしている。マシュー・ボーンの『眠れる森の美女』古典バレエの大作として知られる『眠れる~』は、ダンサーたちの高度なテクニックが連続して披露される、バレエファンにはたまらない作品。だが場面展開がゆるやかなため、門外漢の目には少々退屈に映ってしまうのも事実だ。だがこのマシュー・ボーン版では、チャイコフスキーの音楽は存分に生かした上で、親しみやすいキャラクターとわかりやすくテンポのいいストーリーで展開。紗幕に「むかしむかしあるところに……」という文字が浮かんで始まる第1幕は、オーロラ姫の誕生を「1890年」に設定。赤ん坊のお祝いに妖精たちがやってくるのは古典バレエと同じだが、チュチュを着たリラの精ではなく、ゴシックテイストのダークな衣装に身を包んだ妖精の王・ライラック伯爵というのがボーンらしい。また「物語の最後でオーロラ姫と王子が初めて恋に落ちるのは、説得力に欠ける」(ボーン)ということで、オーロラ姫が二十歳を迎える第2幕「1911年」では、狩猟番の青年レオとすでに恋仲という設定に。自立心旺盛なオーロラと、彼女を100年愛し通すレオとのチャーミングなカップルが誕生した。一方、黒づくめの服に白いロングコートをなびかせて登場するカラボスの息子カラドックも、冷たい眼差しがなんとも魅惑的。『白鳥~』で王子を惑わすザ・ストレンジャー(黒鳥)しかり、芸術性とエンタメ性を融合させる心憎さは、ボーンの真骨頂だ。物語は、100年後にオーロラが目覚める第3幕「2011年」、クライマックスの第4幕「きのう」と進んでいく。オーロラとレオがどういう結末を迎えるかは……実際にその目で確かめてもらうとして。ボーンの作品を観るたびに思うのは、ダンサーが形作る舞台上の“絵”と西洋美術との共通点だ。眠るオーロラに覆いかぶさるカラドックは、多くの画家たちが描いてきた“美女と夢魔”のイメージ。また、共に背に羽根をもつカラドックとライラック伯爵の戦いの場面は、“サタンを退治する大天使ミカエル”のモチーフそのものだ。コマ送りのフィルムのように浮かび上がる美しい“絵”は、もちろんボーンの意図するところだろう。さまざまな見方で愉しめる舞台。だからこそ、彼の作品はこんなにも魅力的なのだ。マシュー・ボーンの『眠れる森の美女』は9月25日(日)まで、東京・東急シアターオーブにて。取材・文佐藤さくら
2016年09月16日梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』が10月に上演される。今作のモチーフは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」。不朽の名作を“ダンス×J-POP×演劇”の梅棒スタイルで上演する。本作にゲストとして出演するのが、舞台で幅広く活躍する大貫勇輔と、この4月に48グループを卒業したばかりの梅田彩佳。今回、梅棒の総合演出・伊藤今人、大貫、梅田に聞いた。梅棒 チケット情報「これ以上はない100点のキャスティングができました。これでつまんなかったら俺の責任です」と話す伊藤。大貫の印象は既出の対談で語ってもらったが、梅田に関しては「梅ちゃんがセンターをやっていた『抱きしめちゃいけない』(アンダーガールズ/’11)のMVが焼き付いてて。透明感があってダンスが上手いので、いつかヒロインを外部から呼ぶってことになったときは梅ちゃんがいいねって話をずっと梅棒ではしていて」と熱烈オファーだったことを語る。「ヒップホップとハウスダンスを2年間やっていましたが、それ以降はAKB48だけなのでダンスがちゃんと踊れるか心配」と話した梅田だが、伊藤は「ダンスの上手い下手じゃないんですよ、梅棒。もちろん、技術があるに越したことはないですが、そこを超越した表現力だったりとか、気持ちの表れを僕らは大事にしていて。ダンスがうまいだけの人には出せないようなところを出していきたいっていうのが梅棒のひとつの挑戦ではあるので。ていうかそもそも(梅田は)うまいんで丈夫です!」。伊藤が「スーパースキルダンサー」と評す実力派・大貫も「僕はもう120%生かしてくれるのを期待してついていきます!」と梅棒色に染まる準備は万全だ。ふたりがどんな役柄になるか聞いてみると「大貫くんは、今回はちょっと荒々しくなってもらおうかなって。泥だらけになって上裸でウオー!みたいな感じ。梅ちゃんはロボットで、イチから感情を学んでいくんです。その後ふたりがどうなっていくのかは、劇場でのお楽しみです!」(伊藤)大貫「創っていく作業の時間がすごく楽しみですね。それを考えると一番ワクワクするかも。僕も全力を尽くすので、たくさんの人に観てもらえればなと思っています」梅田「ガツガツ踊るのがすごく楽しみになりました。アイドルっぽいダンスはいっぱいやってきたんですけど、ガツガツってあんまりないですし。それをファンの方に観てもらうことも楽しみですね」公演は、10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。取材・文:中川實穗
2016年09月16日2016年10月14日より開幕するDAZZLE 20周年記念公演「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」の記者会見が、9月1日に都内で行われた。登壇者は、DAZZLE主宰の長谷川達也、メンバーである宮川一彦、金田健宏、荒井信治、飯塚浩一郎、南雲篤史、渡邉勇樹、高田秀文。そしてドラマ「あさが来た」「リーガルハイ」などドラマからアニメにわたるまで様々な作品の音楽を手掛け、本作品の音楽制作を担当する作曲家・編曲家の林ゆうき。DAZZLE チケット情報DAZZLEは大学のダンスサークルからスタートし、ストリートダンスにコンテポラリーダンスを融合させた独創性の高いダンス、テキストやナレーション、小道具を駆使して幻想的な物語を精緻に紡ぎ上げる孤高のダンスカンパニー。記者会見では、公演の一部が披露され登壇者それぞれが20周年に関してや、作品への意気込みを述べた。主宰である長谷川達也は「20年間続けてこられたのは、自分たちの表現に絶対的な確信があるから。また、一緒に踊るメンバーがいてくれたことがなによりも恵まれていて、幸せです。これからもこのメンバーで続けていきたい」と20年を振り返った。また宮川は「20年間振り返ると、長く感じたりあっという間だったりと不思議な感覚。新たなDAZZLEとして今後も踊り狂っていきたい」と意気込み、南雲は「このメンバーと過ごす時間は人生の中で両親と過ごす時間よりも長い」と大切な仲間たちと共に迎える20周年を喜んだ。新作「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」は幾度も繰り返される人間の愚行を見つめながら千年の時を生きてきた人魚の物語。主宰の長谷川は「不朽の名作を作りたいと思い、不朽や永遠を感じさせる象徴として日本の“八百比丘尼(やおびくに)”伝説にもある人魚を登場させている」と語った。また上演ごとに結末を観客が選択する『マルチエンディング』を採用していることについて「作品の大きなテーマのひとつである“決断”をお客様に体験して欲しかった。物語の一員になっていただいき、自分たちの未来を自分の手で選んでいくことを体験してほしい」と思いを述べた。また、多くのDAZZLE作品の音楽を担当する林ゆうきについて「身体表現に合わせて音楽をあてていくことに長けている作曲家。物語も音楽で表現していきたいという希望と、踊れる音楽という両方を兼ね備えた音楽を制作してくれる。DAZZLEの音楽は林ゆうきさん以外では考えられない」とベタ褒め。一方、林は音楽制作の中での苦労を聞かれ「達也さんの細かい発注は、自分がこれまで色々な仕事をする中でここまで具体的に頭の中で音楽ができている人はいないのではないかと思うくらい」と長谷川の細かさに対応していく苦労を笑いながら語った。ダンスカンパニーDAZZLE 20周年記念公演「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」は10月14日(金)から東京・あうるすぽっと(池袋)で開幕。チケット発売中。
2016年09月07日織田裕二主演で贈るTBSの新・日曜劇場「IQ246~華麗なる事件簿~」。この度、人気バレエ団「Kバレエカンパニー」のプリンシパルとして活躍中の“バレエ王子”こと宮尾俊太郎が、本作にレギュラー出演することが分かった。本ドラマは、やんごとなき貴族の流れを汲みながら、時の権力とは無関係に代々ありとあらゆる学問のみを探求してきた法門寺家の末裔で現89代目当主、沙羅駆が、嫡子だけに連綿と受け継がれるという“IQ246”という異能を武器に、世にはびこる難事件を鮮やかに解決する本格ミステリー。ストーリーは1話完結で描かれる。キャストには、主人公・法門寺沙羅駆役の織田さんを始め、土屋太鳳、ディーン・フジオカ、真飛聖、矢野聖人、篠井英介、寺島進、そして中谷美紀と個性豊かなキャスト陣が集結。そして今回新たに出演が明かされた、日本のバレエ界を牽引している「Kバレエカンパニー」のバレエダンサー・宮尾さんが演じるのは、警視庁捜査一課の刑事・山田次郎。ドラマの見どころは、常に暇を持て余し、自らが解くに値する謎を求める沙羅駆が、世間にはびこる難事件を鮮やかに解決へと導いていく姿であるが、そんな沙羅駆が首を突っ込んでいくことになる難事件の捜査を担当する刑事として登場するのが宮尾さんが演じる山田なのだ。山田は、灘高、東大、ハーバード大という超名門を次々首席で卒業したという経歴を持つ超インテリで、その上拳銃、柔術などにも長け、数か国語を操るという警視庁内でも一見優秀な刑事。警視庁内でその能力を見込まれているかは定かでないが、沙羅駆に出会って以来、難事件の捜査にあたる度に沙羅駆から捜査に首を突っ込まれては振り回され、その上その地味な名前をイジられたりしてプライドを踏みにじられるという役どころだ。連続ドラマのレギュラー出演は、2010年放送の「ヤマトナデシコ七変化」以来、本作で2作目となる宮尾さん。「出演オファーを頂き、とても嬉しかったです」と喜び、「映像のお仕事をしっかりとやってみたい、という気持ちがありましたし、豪華なキャストの方々からも沢山学ばせていただける機会をいただけたので、役者としての成長ができるように取り組みたい」と意気込んだ。また、今回は初の刑事役ということで、「刑事らしい所作、話し方など、普段経験したことがないので難しい部分もあると思っております。山田次郎は少し変わっているところがありますが、刑事という根本的な部分が揺らがないようにしたい」ともコメントした。今回の宮尾さん起用にあたって植田博樹プロデューサーは、「バレエ界という、ドラマとは異なるフィールドで日々戦っている宮尾さんから、新鮮で、バレエのように伸びやかな刺激をこの作品も受ける事を期待しています。気品溢れる佇まいの奥に親しみやすさを持つ宮尾さんは、この“山田次郎”の役にピッタリだと確信しております。ぜひ、お楽しみに!」と期待を寄せた。「IQ246~華麗なる事件簿~」は10月より毎週日曜日TBSにて放送予定。(cinemacafe.net)
2016年09月07日長らく劇団四季で活躍していた蔡暁強、ヴァルナ国際バレエコンクールで金賞を受賞している吉本真悟、ダンス界のみならずミュージカル界でもひっぱりだこの大野幸人。日本トップクラスの実力を誇るダンサー3人による舞台『Baked Hotel』が9月、東京で上演される。3人に話を訊いた。『Baked Hotel』チケット情報はこちら物語は、豪華ではないけれど悪くない、少し古い不思議なホテルを舞台に、従業員、客、出入りする業者の人間らがドタバタな騒動を巻き起こすもの。チラシには“ダンス・ショウ”という言葉とともに“スラップスティック”の文字が躍る。「ダンスがメインのお芝居ですが、アメリカのコメディやギャグ漫画っぽかったり、アクション映画っぽかったり……色々な要素がごちゃまぜになったエンタテインメントです」と、作・構成も担う大野が話す。東京公演に先駆け昨年、京都で行われた公演は完売御礼となった。「すっごく、楽しんでやっています」(吉本)、「思い切ってふざけてます」(蔡)とふたりも語るように、笑いの要素も多分に占める。「都会的だけどダサい、大泣きするけど大笑いする…そんな感じです」(大野)。とはいえ、3人ともスーパーダンサー。ダンスシーンも見どころなのは間違いない。「クライマックスには、15分近いダンスシーンがあります。コメディなんですが、椅子を使ったり、色々なものが飛び交ったりする。そこはすごいことになりますよ」と大野。ちなみにまったく個性の違う踊りをする3人が動きを揃えるのは大変なのでは、と尋ねたところ「そうなんです、リズムの取り方も表現の仕方も違うので、同じ振りでも全然違うものになっちゃう!」と蔡。さらに吉本が「間の取り方、手の角度…ほんのちょっとの違いが大きいんです。でも幸人君が、かなり厳しくダメ出しをするんですよ(笑)」と話すと、「結構、厳しいよね!」と蔡も同意する。ふたりの攻撃を受け苦笑しながらも、「でも、揃えたいんです! そこも今回は頑張ろうと思って」と大野。なんだかすでに3人、楽しそうである。お互いの印象については「シャオチャン(蔡)は驚愕の人。ジャンプや柔軟性、身体能力が本当にすごい。真悟さんはムードメイカーですね。いるだけでその場が明るくなる。あと、いじられ役(笑)」(大野)、「幸人くんは器用でスタイリッシュ。しかも今回の脚本も書いているんですが、幸人君が本を書いたということにまずびっくり、しかも読んだら面白くて。こんな才能あったんだね」(吉本)とのこと。大野の脚本もだが、本作で初めて本格的なセリフを喋ったという吉本も、ユニークなキャラクターに扮する蔡も、それぞれがいわゆる“ダンサー像”のイメージを軽々と飛び越えている。「ダンサーってこんなことも出来るんだ、今のダンサーってすごいね、というところまで挑戦したい」(蔡)、「ダンスでしか伝わらない感覚と、言葉だからわかる面白さ、そのふたつが同時に来るステージです」(吉本)。3人の才気溢れるステージ、必見だ。公演は9月17日(土)から19日(月・祝)まで、東京・スパイラルホールにて。チケットは発売中。
2016年08月29日今年、15周年を迎える梅棒が10月に上演する、梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』。今作のモチーフは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」。“ダンス×J-POP×演劇”の特徴的なスタイルで、梅棒が古典に挑戦する。梅棒 6th OPUS チケット情報そんな挑戦作で主役・ロミオを務めるのが大貫勇輔。幅広い演劇で活躍する実力派の大貫だが、梅棒の総合演出・伊藤今人の対談で、意外な接点が判明した!伊藤「僕は劇場から作品をイメージすることが多いのですが、グローブ座と言えばやっぱりシェイクスピア。昔から梅棒が古典をモチーフにやったらどうなるかって言われていたし、僕らは普段演劇を観ない人にも観てもらいたいと思っているので『ロミオとジュリエット』を題材に選びました」梅棒と大貫、ダンス・演劇という共通項はあれど異色の組み合わせのように思えるが、大貫「梅棒さんの名前はずっと知っていましたが、あるとき今人さんがやられていることを知ってびっくりしました。2013年に出場した『ストリートダンスバトル DANCE@LIVE』で、MCの今人さんが応援してくれたんですよ」。伊藤「さっきそのことがわかって、テンションめっちゃ上がってます。あの時の彼に出てもらえるなんて!」と、思わぬ繋がりが発覚。大貫はダンスバトルに「Nonsuke」という名前で出場していたそうで、伊藤は「舞台に興味ないかなと思ってた」と笑う。大貫にオファーしたのはそんな事実が発覚する前だが、「“やべーヤツ”に出てもらおうって話をしてて。主役を務められるイケメンで、お客さんが『この人が梅棒に出るんだ』『どんなことになるんだろう』ってワクワクしてくれる方ってやっぱり限られてるんですよ。でもまさか出てくれるとは!」(伊藤)。「尊敬するのは、お笑い芸人とダンサー。人を笑顔にしたり元気にさせることがすごく好きなので、ダンスとエンターテインメント性がかけあわさった作品に出られるのはすごく嬉しいですね。僕がずっと願い続けているスタイルの作品です」(大貫)。大貫「15年やられている梅棒さんに、僕がなにかひとつ新しい石を投げ入れられたら嬉しいし、それが僕の仕事だと思うし。与えられたものを僕はとにかく全力でやる。いろんなものを感じてくれるような新しい舞台、新しい場になったらいいなと思います」伊藤「まず、見たことないのんちゃん(=大貫)が見れますよって言いたいですね。それに、彼が加わることで見たことない梅棒になります…Win-Winです!楽しみにしていてください」公演は、10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。取材・文:中川實穗
2016年08月24日『溺れるナイフ』『ピース オブ ケイク』などでおなじみのジョージ朝倉さんが、青年週刊誌で連載している『ダンス・ダンス・ダンスール』2は、クラシックバレエに情熱を傾ける男子中学生が主人公。バレエがテーマの現代版スポ根物語とは、ちょっと意外な気もするが…。「私も意外です(笑)。好きな作家さんでも、バレエマンガは読み飛ばしてしまうくらい興味がなかったので。だけど娘が習っているバレエ教室に男の子が入ってきて、この子はどういうメンタリティでバレエを始めて、この先、思春期をどう乗り越えていくんだろうってところから興味を持つようになったんです」幼い頃バレエにひかれながらも、父を亡くした潤平は、男らしくあろうとあきらめた。そんな彼がバレエと再び出合い、ピタピタのタイツ姿で舞う独特の美意識や、「女の子の習いごと」というイメージに反発しながらも、取り込まれていく。「やりたいことを見つけた人は羨ましいなって、自分の青春時代を走馬灯のように振り返って気づいたんです。オレの分まで羽ばたけ、潤平!と思いながら描いてます(笑)」本作のためにバレエを習い始めた朝倉さんは、うまく踊れないストレスで一時的に激ヤセ(!)してしまったほど。迫力あるダンスシーンも、そんな努力の賜物といえる。『溺れるナイフ』で実証済みだが、思春期の危なっかしい心のうちを描く手腕は本作でも際立っているし、男性目線なところも新鮮だ。「私のなかの中2男子を出しているだけ。潤平はお調子者だからフワッと生きてこられたけど、自分で人生を選ばなければいけない時期に差し掛かった感じを表現したいんです」いじめやスクールカーストなど、バレエ以外の部分も読み応えあり。人生をかけるべきものと出合った愛すべきおバカ中学生がどう成長していくのか、先物買いのファンのような気持ちで応援したくなるはず。◇幼い頃に出合ったバレエへの未練を隠しながら、男らしく振る舞う村尾潤平の前に、転校生の美少女と、孤高の天才少年が現れる。著者初の青年週刊誌連載。小学館各552円。◇(C)ジョージ朝倉/小学館「ビッグコミックスピリッツ」連載中。◇じょーじ・あさくらマンガ家。代表作に『恋文日和』『ピースオブ ケイク』『溺れるナイフ』『テケテケ★ランデブー』など。『溺れるナイフ』の実写映画版が11月公開予定。※『anan』2016年7月13日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・兵藤育子
2016年07月12日世界約30か国で指揮者として活躍する西本智実。2012年にイルミナートフィルハーモニーオーケストラを結成し、13年にはイルミナートバレエもスタート。14年および15年に西本の演出・指揮でバレエ『白鳥の湖』を上演した。そして今年、チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』で再び演出と指揮を手がける。公演チケット情報「イルミナートの『くるみ割り人形』では、音楽もバレエも全て、総合芸術として有機的に結びついた舞台を目指します」と語る西本。『くるみ割り人形』といえば、クリスマスに醜いくるみ割り人形をもらったドイツの少女マリーが夜中、くるみ割り人形と敵対する鼠を退治し、王子の姿に戻ったくるみ割り人形に案内されて雪の国やおとぎの国を巡るという物語が一般的。西本はその流れを踏まえつつ、細部に様々な工夫を施すという。「この作品は、ドイツの作家E.T.A.ホフマンの原作に、フランスの作家A.デュマ・ペールが翻案を施したものですが、現行のバレエでは抜け落ちてしまっているエピソードも多いのです。たとえば原作では、ドロッセルマイヤーが世界各国を回り、旅先でみつけたくるみを割ると、中から漢字が出てくるという記述があるので、今回、そういったエピソードも演出に織り込んで創っています。おとぎの国で展開する各国の踊りにしても、なぜその国の踊りが登場するのか、それは一体何を表しているのかを、提示する事で“もう1つの世界”を見ていただきたい」西本は『くるみ割り人形』の世界に現代との共通点を見出している。「原作が書かれたのは、フランス革命後、ヨーロッパの価値観が大きく変化した時代。グローバリゼーションと言われ、価値観が多様化する現代に重なります。マリーはこちらの世界では内向的に映りますが、その感受性や誠実さによって、別の価値観を持つ世界の人達から選ばれていきます。私はこの作品を通じて“もう1つの世界”というチャンスが誰にでも起こり得るということも表現したい。絵画と違って音楽は瞬間を留めることはできませんが、ご覧になった方が、幕が降りてからも舞台を思考の中で巻き戻し、思考の窓を広げていけるような仕掛けを、舞台上で幾つも創るつもりです」マリーの旅は、西本自身の指揮者としての活動とも重なる。「チャイコフスキーの音楽を指揮すると、自分が今、何時代のどこの国にいるのかわからなくなることがあります。チャイコフスキーも通った劇場で指揮者をしていたころは特にそうでした。ロシアのサンクトぺテルブルクの冬はとても寒いので、窓は全て二重窓になっているのですが、真冬になると二枚目のガラスの向こう側がすっかり凍ってぼやけて見えます。しかしよく見ると雪の結晶が結合し、大きな雪の結晶の模様が浮き上がるのです!この光景はとても幻想的なんですよ。チャイコフスキーと同じ情景を見た者として、その美しい世界を、斜幕なども用いながら表現したいと思っています」公演は8月16日(火)大阪・フェスティバルホール、30日(火)・31日(水)、東京・新国立劇場 オペラパレスにて。取材・文:高橋彩子
2016年07月06日激しく足を打ち鳴らす音と手拍子、掛け声の余韻がいつまでも耳に残る…。そんなフラメンコの舞台『「フラメンコ・カフェ・デル・ガト』が大阪・サンケイホールブリーゼで幕を開けた。同作は、湖月わたる、水夏希、原田薫で結成された「BAD GIRLS」が、異国のダンスに挑戦する「ダンス・レジェンドシリーズ」の第3弾。今回は、スペイン人舞踊家でマリア・パヘス舞踊団第一舞踊手のホセ・バリオスが構成・演出・振付を手掛けた。「BAD GIRLS」のメンバーに、元宙組男役スター緒月遠麻、ダンサー大貫勇輔を迎え、皆、マドリッドで約1ヵ月間の稽古を積んだという。そのメンバーにスペインから招聘した女性ひとり、男性4人の若手実力派のフラメンコダンサーが加わった。「フラメンコ・カフェ・デル・ガト」チケット情報1幕目は、スペインの酒場「カフェ・デル・ガト」で、長女ローラ(湖月)、次女カルメン(緒月)、弟ルイス(大貫)ら兄妹がフラメンコを踊り始める。そこへ仲間を連れた闘牛士が登場。スペイン人を含めたキャスト全員が踊り、その迫力、華麗さに目は釘づけになった。日本人女性キャストは、踊りながらマントン(大型のショール)を回したり、アバニコ(扇)を振ったり、難しい小道具も使って美しく優雅に見せる。大貫はスピーディにステップを踏み体の切れも抜群だ。日本人キャストは皆、フラメンコ初挑戦だが、スペイン人キャストに引けを取らない。「ダンスのジャンルが違っていても『核』があれば踊りこなせる」と、大貫が取材で語った言葉を全員が体現している。ローラは闘牛士に心を奪われ、女たらしの彼と付き合うことを許さないルイスは怒り狂う。ルイスと闘牛士がバストン(杖)で地面を激しく叩き合って闘うシーンは、そのバストンの音、ダンサーが奏でる箱型の打楽器カホンのリズム、ダンサーが足で床を鳴らす音が、大雨のように舞台を打ち続け強烈な印象を残す。さらに、闘牛士を誘惑するマリア(原田)まで現れ、店の主人アナ(水)は混乱した状況を収めようとするが…。意外な結末は見てのお楽しみだ。第2幕は、アンダルシアを舞台に、キャストが各地を旅するようにフラメンコで表現するショーが展開。土地によって違う独特の音楽や踊りが堪能できる。日本人女性キャストが、アルメリアでパンツスーツを着てジャズダンスを踊る場面は、マニッシュで「BAD GIRLS」らしい魅力が満載だ。また、スペイン人キャストがセルビアで踊るシーンは、一秒ごとに振付けをしているかのような緻密で繊細な手と足さばきに圧倒される。息をするように踊り、大地を踏みしめて力強く生きることがフラメンコだと実感した。日本、スペインの両キャストが美しく調和しそれを伝えてくれた。この後、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京芸術劇場 プレイハウスで上演される。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2016年06月27日左)Ella black love heart 29000円右)NICOLE suedestars 25000円スペイン発バレエシューズブランド「プリティ・バレリーナ(Pretty Ballerinas)」から、2016年秋冬の新作が登場。プリティ・バレリーナはバレエをコンセプトに、バレエシューズ、フラットシューズなどを中心に展開している。そのはき心地のよさと、脚を美しく見せる絶妙なカッティングが評判で、世界中のファッショニスタに愛されるブランドだ。今季のテーマはレトロ&クラシック。ウール、ポンポンファー、ベルベットなど異素材を組み合わせたり、鮮やかなブルー、ボルドー、深みのあるグリーンなどレトロ感のあるカラーのシューズがラインナップ。ソックスやタイツとも合わせて、女性らしいスタイルを演出したい。【概要】プリティ・バレリーナ 2016年秋冬コレクション発売日:2016年8月4日(木)価格帯:21,000〜38,000円取り扱い店舗:プリティ・バレリーナ ギンザ、アオヤマ / 他、百貨店・セレクトショップ【問い合わせ先】F.E.N.TEL:03-3498-1642
2016年06月26日湖月わたるら宝塚歌劇団OGを中心とする“BAD GIRLS”がフラメンコに挑戦する『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』が、6月25日(土)の開幕に先がけ、公開稽古で4曲を披露した。「フラメンコ・カフェ・デル・ガト」チケット情報本作は、2012年の『BAD GIRLS meets BAD BOYS』、2014 年の『Argentango』に続くダンスレジェンドシリーズの第3弾。今回は、第1弾から出演する湖月わたる、水夏希、原田薫に加え、昨年2月に宝塚歌劇団を退団した緒月遠麻が初参戦。さらに、2014年公演で“BAD BOYS”に参加した大貫勇輔と、本場スペインのダンサー4人で作り上げられる。構成・演出・振り付けは、フラメンコの名門マリア・パヘス舞踊団の舞踊手・振付家であるホセ・バリオス。ホセは、スペインフラメンコ界で最も権威のある賞「フラメンコ・オイ賞」男性舞踏家部門・最優秀賞を受賞したばかり。フラメンコの本場・マドリッドでの稽古を終え、6月13日に帰国したばかりというキャスト達。稽古場には、約1か月間の稽古を共に過ごす中で生まれたであろう濃厚な空気が漂う。ACT1は、19世紀に存在したフラメンコショーを観劇できる酒場「カフェ・デル・ガト」で起きる愛と悲劇の物語。その中から披露されたM1「GALLARDO」、M2「Carmen Overture」は大迫力の群舞。まず振動を感じるほどのサパテアード(足を踏み鳴らす動き)に圧倒され、そして情熱的なダンスに心を奪われる。照明もセットもない稽古場でも、その熱い空気に飲み込まれてしまいそうなフラメンコは、実際のステージでは更に強烈な魅力を放つはずだ。M4「Yo solo quiero caminar」は芝居仕立てで、湖月演じるローラと闘牛士が互いに惹かれ、想いを伝え合うように踊る姿がセクシーで印象的。その仲を裂こうとするローラの弟役・大貫の演技にも注目だ。ACT2は、アンダルシアをイメージしたダンスショウ。披露されたM6「FLAMENCO JAZZ」では、ACT1から雰囲気をガラリと変え、BAD GIRLSの4名がマニッシュなパンツスタイルで登場。宝塚歌劇団時代の男役を彷彿させる姿で披露されたクールなダンスは必見だろう。稽古後の囲み取材では日本人キャストの5人が本作について、「言葉より、観て、感じていただくと魅力がわかる」(湖月)、「フラメンコは難しいイメージがあるかもしれないが、気負いなく楽しんでもらえるはず」(水)、「東京に戻ってまたいい雰囲気になった。楽しむ雰囲気が伝われば」(原田)、「スペインチームの足さばきはすごい」(緒月)、「僕らにしかできないフラメンコを観てもらいたい」(大貫)と話した。公演は、6月25日(土)・26日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。撮影・取材・文:中川實穗
2016年06月22日ヴァレンティノ(VALENTINO)2016-17年秋冬コレクションで発表された、新作「バレエシューズ」が2016年6月より発売される。バレエやミュージックなどのアートからのエッセンスを受けた今季は、エレガントなドレスルックが目立つ。美しいドレープを効かせたもの、細やかなプリーツを配したもの、幾何学模様をあしらったものなど、多種多様なドレスたちがランウェイに彩りを添える。足元は、ウェアの優美さとは対照的とも言える、バレエシューズをマッチ。ブラックとベビーピンクをベースに、甲の部分にはストラップを添えた。ヴァレンティノのアイコンの一つ‟スタッズ”を均等に並べ、エレガンスと相反するハードさも香らせている。【アイテム詳細】ヴァレンティノ バレエシューズ 71,000円+税展開時期:2016年6月(予定)【問い合わせ先】ヴァレンティノ インフォメーションデスクTEL:03-6384-3512
2016年06月18日英国ロイヤル・バレエ団の日本公演が開幕、多くのファンが待ちわびた3年ぶりの日本公演とあって、会場は熱気に溢れ、華やいだ雰囲気に。6月16日の初日の模様をレポートする。英国ロイヤル・バレエ団 チケット情報日本公演で上演されるのは、『ロミオとジュリエット』と『ジゼル』の2作品。いずれも同団ならではの伝統を体現する、人気のレパートリーだ。特に公演日程前半に組まれた『ロミオとジュリエット』は、1965年に英国ロイヤル・バレエ団で創作、世紀のスター、マーゴ・フォンテインとルドルフ・ヌレエフが初演したことでも知られる同団の看板演目。いくつものバレエ団でレパートリー化された人気作でもあるが、この公演では、“本家”だからこその優れたれた上演に、皆が期待を寄せる。初日のジュリエットは、同団のプリンシパル、ローレン・カスバートソン。この役を得意とするという彼女だが、第1幕の登場場面から、まさに十代前半としか思えない無邪気さと可憐さで、瞬く間に客席を魅了してしまう。最大の見どころとなるバルコニーのパ・ド・ドゥは、弾けるような瑞々しさで恋の喜びを表現するフェデリコ・ボネッリのロミオとの、うっとりするような愛の語らいに、すっかり心を奪われる──。ダイナミックなリフトを多用した見応えある踊りも、身体のラインの美しさや技術の確かさより、何より、ふたりの心の動き、そのドラマが胸を打つ。“シェイクスピアの国のバレエ”のなせる技か、台詞のあるお芝居を見るように、ごく自然に、気負わずに楽しめることも、大きな魅力だ。悲劇へと突き進み、どんどんその印象が変わっていくふたりの姿に息を呑むいっぽうで、町の人々が集まる市場や厳かな舞踏会の場の迫力に、圧倒されることもしばしば。ヴェローナの町の人々を活き活きと演じる彼らの姿を前に、初演以来、この作品の魂を大切に受け継ぎ、上演してきた彼らの素晴らしき伝統を実感した。日替わりで登場する主役ダンサーたちは皆、いまが旬とも言うべき実力派ばかり。多彩な才能を擁するロイヤル・バレエ団の魅力を存分に味わいたく、連日劇場に足を運ぶファンも少なくないだろう。日程後半に上演される『ジゼル』は、細やかな演劇的アプローチが特徴的なピーター・ライト版。これも英国ならではの魅力的な作品だ。さらに、先ごろ日本人ダンサーの高田茜、平野亮一のふたりがプリンシパルに昇進するという嬉しいニュースも飛び込んできた。彼らの活躍への注目度も、自ずと高まる。公演は6月26日(日)まで東京文化会館にて。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2016年06月17日ロシア名門バレエ団で「白鳥の湖」に出演するなど、注目のバレエダンサーがスクリーンデビューを果たす、音楽とダンスが融合するエンタテインメント・ムービー『High Strung』が邦題『ハートビート』として、8月20日(土)より全国公開されることが決まった。誰もが夢を叶えるために訪れる街、ニューヨーク。プロのバレエダンサーになるために上京してきたルビーは、ある日、生活のために地下鉄で演奏するバイオリニストのジョニーと出会う。2人は徐々に惹かれ合っていくが、自分が思い描くようなダンスができないルビーは、同居人のジャジーと共に奨学金の資格剥奪の危機に直面する。一方、ジョニーは大切なバイオリンを盗まれてしまった上、グリーンカード詐欺に遭ってしまう。追い詰められた2人は、ヒップホップダンスチーム“スイッチ・ステップス”を誘い、お互いの夢を叶えるために“弦楽器&ダンスコンクール”に出場することになるが…。ニューヨークの街で夢を叶えるために奮闘し、成長していく2人を、ジャンルを超えた音楽とダンスが彩る、夏にぴったりなアツいエンタテインメント・ムービー。主人公のルビーには、アメリカ人で初めてロシアの名門マリインスキー・バレエに入団し、本作が女優デビューとなるキーナン・カンパ。また、彼女が出会うジョニーには、ミュージシャンとしても活躍し、イケメン英国男子の新星として注目を集めているニコラス・ガリツィン。さらに、ルビーのルームメイト、ジャジーには、英国ロイヤル・バレエ学校出身で、アリシア・ヴィキャンデル出演『エクス・マキナ』でAIロボットのひとり(?)を演じ、オスカー・アイザックとキレッキレなダンスも披露、エマ・ワトソン主演『美女と野獣』への出演も決まっている日系英国人のソノヤ・ミズノ。加えて、ロンドン、パリ、ロサンゼルス、ニューヨークから集められた、世界最高峰のダンサーたち62人が参加し、圧巻のパフォーマンスを披露する。『ハートビート』は8月20日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月13日今のセレブたちの定番エクササイズといえばやっぱりバレエ。ミランダ・カーをはじめ、ロージー・ハンティントン=ホワイトリーやジョーダン・ダンなどもバレエを取り入れた運動をしているとか。ボクシングをしているジジ・ハディッドも、最近はバレエを始めて、さらにスッキリ細くキレイになっています!セレブが火付け役となり、大人からバレエを始める人たちが続々といる中、自分も始めようかな……と考えている人もいるはず。そこで今回は、今さら聞けないけど知っておきたいバレエで痩せる理由と「太もも痩せポーズ」に迫りたいと思います。バレエをすると、なぜ痩せるの?バレエは全身運動なので、さまざまな筋肉を使います。だからダイエット効果が高いのですが、特にスマホをよく使う現代女性にオススメしたい理由は、姿勢が良くなるから!バレエは、お尻もお腹もキュッと引き締め、上から引っ張られたような感覚でまっすぐに立つことが基本。そのため、何度も繰り返すことで自然に美しい姿勢が身につきます。美しい、正しい姿勢をすれば、全身の血流が良くなり、脂肪燃焼効果がアップ。すると、日常の活動で消費するカロリーが上がり、痩せボディを手に入れることができるんです!気になる下半身は、このポーズでほっそり!?JCelesteFMさん(@sicelise)が投稿した写真 – 2015 7月 25 8:09午前 PDTPhoto by Instagramバレエやバレエエクササイズを行っている人の下半身は、適度に筋肉がついていて細い!その秘密は、かかと同士をくっつけ、つま先を外に広げたバレエの基本ポーズにあります。やってみると分かると思いますが、単純に見えてかなり難しいもの。まずはつま先を外に向けるだけでも大変ですし、そのポーズを保っていると、お尻や太ももの内側などがピリピリしてくると思います。でも、それこそがバレエの良いところ!普段使わない筋肉、特に下半身の筋肉をくまなく使うので、引き締め効果がバッチリなのです。究極の「太もも痩せポーズ」を家でやってみよう!Jourdan Dunnさん(@officialjdunn)が投稿した写真 – 2015 3月 14 8:05午前 PDTPhoto by Instagram(ジョーダン・ダン)バレエでは、かかと同士と膝同士をくっつけ、つま先を外に広げたポーズを第一ポジションと言います。そこから膝を曲げると「プリエ」、かかとを上げると「ルルベアップ」になります。第一ポジションから、ルルベアップ、さらにプリエしたポーズは「ダイアモンドポーズ」と言われ、究極の太もも痩せが叶うポーズ!さっそくやってみましょう。ダイアモンドポーズの作り方Aleenta BARREさん(@aleentabarre)が投稿した写真 – 2016 5月 18 8:56午後 PDTPhoto by Instagram1. まっすぐ立ち、膝とかかと同士をくっつけ、つま先をできるだけ外に向けます(第一ポジション)。2. かかとを上げ、つま先に体重を乗せます(ルルベアップ)。3. 膝をできるだけ深く曲げ(プリエ)、10秒キープ!4. もう一度かかとをくっつけ、ゆっくり降ろし、膝を伸ばせばOK。このポーズを一日10回ほど行ってみましょう。上半身はまっすぐ、両手もしくは片手を腰の高さほどの椅子に置いて行いましょう。注意してほしいのは、ふくらはぎばかりに集中してしまい、ふくらはぎに筋肉がついてしまうこと。あくまでも意識は太ももに向けるのがポイントです!太ももがプルプルするのは効いている証拠なので、それを実感してみてください。もしダイアモンドポーズが難しいという人は、まずは第一ポジションからプリエをするだけでもOK。その際、膝はつま先と同じ方向に向けましょう。また、膝を伸ばすとき、太ももをくっつけるように意識すると、内側の筋肉が使われて太ももの引き締めに◎。もっとチャレンジしたいなら、第一ポジションからプリエ、そこからさらに膝を深く曲げた「グラン・プリエ」に挑戦!深く膝を曲げたときはお尻が出たり、上半身が傾かないように注意。こちらも膝を伸ばすときに太ももの内側を意識しましょう。Gigi Hadidさん(@gigihadid)が投稿した写真 – 2015 11月 5 1:56午後 PSTPhoto by Instagram(ジジ・ハディッド)エクササイズなら家で簡単にできますし、本格的に始めたいなら手軽にレッスンも受けられるバレエ。自分ができる範囲で日常生活に取り入れて、痩せボディを手に入れちゃいましょう!
2016年06月03日世界60都市で大ヒットを繰り広げてきた『sutra』が、ついに日本初上陸を果たす。舞台で見せつけるのは、本場中国の少林寺の僧侶による迫力あるダンスとアクロバット。演出と振付を担っているのは、ダンス界のスーパースター、シディ・ラルビ・シェルカウイだ。日本では、『テヅカ』、『プルートゥ』の演出でも知られている。その舞台の主演を務め、ラルビをよく知る森山未來が、今作の魅力を語ってくれた。『sutra』チケット情報『sutra』を観て森山がまず感じるのは、少林寺拳法の迫力だ。「ずっと修行を続けてきた人たちの身体的なパフォーマンスが、とにかく圧倒的な衝撃なんです。少林寺拳法というものをこういう新しいカタチで観て、そのゴージャスさを感じるだけでも、観る価値はあると思うんですね」。それに加えて強調するのは、ラルビの演出である。「この作品についてラルビと直接話したことはないんですけど、これはラルビが、少林寺やアジアの文化との出会いに対するインプレッションを作品にしていったものではないかなと、僕は感じるんです。ラルビのなかでイメージしたアジアの世界を、少林寺の僧侶たちの身体と木の箱を使った美術で表していく。彼は仏教のことなどについても造詣が深いのですが、一つひとつの配置や動きに何らかの意味合いが絶対あるんですよね。それをすべてわかる必要はないんですけど、どうしてそういう配置や動きになっているんだろうと想像しながら作品と会話していくのは、クリエイターと観客のお互いにとっていい作用になると思いますし。そこまで考えなくとも、ラルビの驚きと喜びがあふれている作品だと思うので、それを単純に楽しんでもらえたらいいと思います」。『テヅカ』や『プルートゥ』でともに創作していくなかで、ラルビに敬愛の念を抱いていったという森山。「ダンスを見せるということだけでなく、空間を作っていくという考え方が面白く、その思考の柔軟性にもとても惹かれた」と語る。ラルビが作り出すものには、“ダンス”という言葉では括りきれないものがあるというわけである。この『sutra』も同様だ。「ダンス作品の領域は今、どんどん広がっていて、ラルビはそれをより広げたひとりです。この作品も間違いなく、観る人の価値観を広げてくれる力強さを持つもの。きっと新しい扉を開いてくれると思います」。日本公演では特別にラルビ自身が主演する。世界に衝撃を与えたパフォーマンスを体感することで何が発見できるか。楽しみにしたい。公演は10月1日(土)・2日(日)東京・オーチャードホールにて。チケットの一般発売は6月11日(土)午前10時より。
2016年06月01日ダンスをはじめ、映像やストレートプレイでも活躍をみせる大貫勇輔。今回、舞台『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』では、フラメンコに初挑戦する。ジャズ、コンテンポラリー、ストリートダンスなど何でも得意の彼が、どんな踊りを見せてくれるのか。稽古を目前に、その心意気を聞いた。「フラメンコ・カフェ・デル・ガト」チケット情報湖月わたる、水 夏希、原田 薫で結成されたユニット『BAD GIRLS』が、異国の男性ダンサーと共演する舞台「DANCE LEGEND」シリーズ。今回はその人気シリーズの第3弾で、構成・演出・振付をフラメンコの名手ホセ・バリオスが手掛ける。大貫はスペインのフラメンコダンサーとともに参加する。「フラメンコは今まで踊ったことはないんです。スペインには以前から興味があり、現地で稽古があると聞いて『やったー!』と声を上げてしまいました(笑)。以前、パリに行きたいと思っていたら、ストリートダンスの大会で優勝してパリに行けたり、自分がやりたいと思うと何かつながる瞬間があるんです。今回もスペインに呼ばれているような気がして、運命的なものを感じました」。フラメンコ初挑戦に「もちろん不安はあります」というが、どこか余裕を感じさせる。「水 夏希さんが、フラメンコのテクニックを学んだだけでは、外国人が付け焼刃で日本舞踊を踊るみたいになってしまう。それよりも、どれだけスペインの文化を愛し、フラメンコの血を自分の中に入れられるかが大事だとおっしゃっていたんです。僕も同感で、自分の内側から出て来るものが一番大切。それがダンスだと思うんです」。フラメンコは、ジプシーと呼ばれるロマ族をはじめとする多数の民族が培ってきた伝統文化だ。「僕は、ダンサーの母親の胎内にいるときから舞台に立っていて、生まれながらのダンサーだと思っています。言葉にならない思いや、つらかったことを肉体を通して変換し表現してきた。フラメンコも現地の人が生きる上で、必要としてきた踊りです。そこは通じる思いがあるんです」。核が同じなら、ダンスのジャンルが違っても踊りこなせる。そんな自信が彼の中に脈打っているのが伝わってくる。今作は第1幕が『ロミオ&ジュリエット』のように愛や闘いを描く物語で、大貫もある役柄を演じ、第2幕は、スペインの地方や都市を巡るショー形式の舞台になる予定だ。「いいダンサーは日本で食べていくのは難しいから、まず、海外に出て日本に帰ってくる。それは熊川哲也さんがすでにされているから負けず嫌いの僕は、逆の発想で(笑)、日本を拠点にして世界に行きたい」と言い切る。「僕と同じ踊りはほかの人にはできない。僕にしかできないものを持っている」ともいう。大貫ならではのフラメンコに注目したい。公演は、6月25日(土)・26日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2016年05月02日ピエール・ラコット版『ラ・シルフィード』の上演を控えた東京バレエ団が公開リハーサルを開催、続いて行われた記者懇親会で、斎藤友佳理芸術監と主演ダンサーたちが舞台への意欲を語った。【チケット情報はこちら】懇親会冒頭、「すべてこの作品からスタートした、私の原点ともいえる作品。踊り込んできたことでわかったことがたくさんあります。ラコットさん、(ギレーヌ・)テスマーさん(同作品の初演ダンサーで、指導者として活躍)から教えていただいたことを、すべて伝えたい」と、指導への並々ならぬ熱意を明かす斎藤。東京バレエ団のプリマとしてこの作品にたびたび主演、海外公演でも絶賛されたが、近年は、ラコットの信頼を得てモスクワ音楽劇場で振付指導アシスタントを務め、2013年の東京バレエ団での上演では振付指導を手がけている。愛着のある作品だけに、その指導ぶりは熱く、厳しくもなる。「ラコットさんから教えられたことを大切にし、ロマンティック・バレエの薫りを伝えたい」(斎藤)。『ラ・シルフィード』は19世紀前半のロマンティック・バレエの傑作だが、1972年にラコットが復元上演して人気を得た作品だ。スコットランドの農村を舞台に、結婚式を控えた青年ジェイムズと、彼の前に突然現れた空気の精シルフィードとの悲恋を描く。初日に主役を踊るのは、この4月にプリンシパルに昇進したばかりの渡辺理恵と、昨年8月に入団した宮川新大のペア。「2度目のシルフィード役。ジェイムズへの思いを軸に、柔軟に創っていきたい」(渡辺)、「毎日が勉強!物語の中での表現を、つきつめたい」(宮川)。また、2日目に主演する沖香菜子と松野乃知は2013年の上演でもペアを組んだが、「いろんな作品に触れ、成長できたのではないかと思う。私なりのシルフィードを出していきたい」(沖)、「この3年で感じ方は変わってきた。今の僕ができるジェイムズとして、舞台を生きたい」(松野)と抱負を語る。彼らの言葉に目を細める斎藤。「指導で同じことを要求しても、人によって受け取り方は違うもの。このふたりの妖精も、全く違う。それはとても素晴らしいこと」と、彼らの個性に期待を寄せる。「皆、舞台に命をかけているなと思うけれど、命はかけ過ぎず(笑)、楽しんでもらいたい。そうなったとき、それぞれの良さがでる。成功を見守っていただきたいと思っています」と、ダンサーたちを激励した。公演は4月29日(金・祝)、30日(土)、東京・東京文化会館にて。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2016年04月22日1999年の英国初演が話題沸騰、すぐに欧米ツアーを敢行して、日本への初来日も2002年に果たしている『バーン・ザ・フロア』。その後8回に渡る来日公演の間に、ブロードウェイ公演や英国ウエストエンド公演を成功させるなど、いまや名実ともに世界トップクラスの“エンターテインメントショー”に成長した本作が、現在9度目の来日公演中だ。「バーン・ザ・フロア NEW HORIZON」チケット情報今回『NEW HORIZON』と銘打ち、「全てが新しい挑戦。衣装やセットの変化はもちろん、音楽もトラディショナルな部分は残しつつ、例えばロックの名曲をフラメンコでアレンジしたりと、大きく変わったと思う」と語るのは、芸術監督のピータ・ロビー。その言葉通り、映画『バーレスク』の楽曲で表現する男女の駆け引きや、オペラ『カルメン』の三角関係を現代風の衣装と音楽で魅せるなど、どのシーンも目が離せないものばかり。その他、中世ヨーロッパの衣装で展開するボールルームダンス、日本でも人気の米国製・学園ミュージカルドラマを思わせる群舞など、時代もテイストも多彩なステージに息つくひまもない。一般に海外作品の来日公演は、ブロードウェイなどでヒットした後で来日することが多いが、『バーン・ザ・フロア』は欧米だけでなく、オーストラリアやアジアなどでもツアーを行いながら進化を続けてきた作品。日本では宝塚歌劇団や一部の舞台以外では馴染みの薄い“エンターテインメントショー”を、ドラマチックで豊かな歌唱力と圧巻のダンスで見せ切るのは、世界の観客と共に成長してきた実力の証だろう。そしてどのシーンでも共通しているのは、男女の機微。セリフがないからこそ、観客それぞれの想いを投影することで、自分だけのストーリーが浮かび上がる。本作はそんな真の“エンターテインメントショー”を堪能できる貴重なチャンスだ。初日前に行われたゲネプロでは、スペシャルサポーターのはるな愛と武井壮がダンスをセッション。ダンス経験のあるはるなはもちろん、武井もキレのある踊りを見せ、ダンサーたちから笑顔で拍手が送られるひと幕も。さらに終演後の会見では、同じくスペシャルサポーターのホラン千秋が「悩みごとがあっても吹き飛んでしまうような作品」と太鼓判を押せば、最近はニューヨークにダンスレッスンに通っているというはるなも「歌も照明もすごくて、今までこういう作品を観たことがないという方にもぜひ観てほしい」と興奮気味。「(色んな感情を表現しているダンスを)観ていると、恋をしたくなるね。付き合い始めのカップルなら、見終わった後にビッグチャンスが訪れるかも」と武井が言うと、ホランとはるなも笑いながら同意。三者三様に魅了された様子が伝わってきた。公演は4月13日(水)まで東京・東急シアターオーブ、4月15日(金)から18日(月)まで大阪・フェスティバルホールにて。チケット発売中。取材・文佐藤さくら
2016年04月11日