第92回アカデミー賞授賞式が2月10日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が作品賞に輝いた。韓国映画が同賞を受賞するのは初めて。作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4冠を達成した。まさにアカデミー賞の歴史が“激動”した一夜となった。アカデミー賞史上初、といえば『パラサイト 半地下の家族』は作品賞と国際長編映画賞(昨年まで外国語映画賞)の同時受賞も達成。これは昨年、旋風を巻き起こしたNetflix映画『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン監督)も成し遂げることができなかった快挙だ。また、カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルム・ドールを受賞し、アカデミー賞の作品賞も手にするのは『マーティ』(第28回/1955年)以来2作目。こちらも、記憶に留めておきたい記録である。監督賞を手にした際のスピーチで、ポン・ジュノ監督は「映画を勉強していた若い頃、最も印象に残ったのは『個人的なことこそが、もっとクリエイティブなことだ』という言葉。それは、偉大なるマーティン・スコセッシによるものでした。わたしはスコセッシ監督の作品で、映画を学んだのです」と同じ監督賞候補に挙がった名匠に最敬礼。また、以前からポン・ジュノ監督の作品を高く評価していた、同じく監督賞候補のクエンティン・タランティーノへの感謝も惜しまなかった。俳優部門はオスカー前哨戦にならい、サプライズなしの結果に。主演男優賞をホアキン・フェニックス(『ジョーカー』)、主演女優賞をレネー・ゼルウィガー(『ジュディ 虹の彼方に』)、助演男優賞をブラッド・ピット(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)、助演女優賞をローラ・ダーン(『マリッジ・ストーリー』)が順当に受賞している。作品賞を『パラサイト 半地下の家族』と競い合った『1917 命をかけた伝令』は撮影賞、録音賞、視覚効果賞の3部門を受賞。やはり、全編ワンカット(のように見える)撮影が高く評価され、名撮影監督であるロジャー・ディーキンスが2度目のオスカー獲得を果たした。一方、9部門(10候補)にノミネートされていたマーティン・スコセッシ監督のNetflix映画『アイリッシュマン』は無冠に終わった。【第92回アカデミー賞主な受賞結果】作品賞:『パラサイト 半地下の家族』監督賞:ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』主演男優賞:ホアキン・フェニックス『ジョーカー』主演女優賞:レネー・ゼルウィガー『ジュディ 虹の彼方に』助演男優賞:ブラッド・ピット『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』助演女優賞:ローラ・ダーン『マリッジ・ストーリー』国際長編映画賞:『パラサイト 半地下の家族』(韓国)脚本賞:『パラサイト 半地下の家族』脚色賞:『ジョジョ・ラビット』撮影賞:『1917 命をかけた伝令』編集賞:『フォードvsフェラーリ』美術賞:『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』衣装デザイン賞:『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』メイク・ヘアスタイリング賞:『スキャンダル』作曲賞:『ジョーカー』歌曲賞:『ロケットマン』視覚効果賞:『1917 命をかけた伝令』長編アニメ映画賞:『トイ・ストーリー4』文:内田 涼
2020年02月10日「第92回アカデミー賞」の授賞式が10日(現地時間9日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催され、ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が作品賞を受賞した。同作は、全員失業中で“半地下”住宅で暮らす貧しい一家と、“高台の豪邸”で暮らす裕福な社長一家という、相反する2つの家族の出会いから想像を遥かに超える展開へと向かっていく物語。アジア映画がアカデミー賞作品賞を受賞するのは今回が初めて。なお、同作は作品賞のほか、脚本賞、国際長編映画賞、監督賞も受賞し、最多4冠に輝いた。作品賞は、『パラサイト 半地下の家族』のほか、『フォードvsフェラーリ』、『アイリッシュマン』、『ジョジョ・ラビット』、『ジョーカー』、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』、『マリッジ・ストーリー』、『1917 命をかけた伝令』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』がノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月10日21時から「第92回アカデミー賞」授賞式の字幕版を放送。
2020年02月10日第92回アカデミー賞授賞式が2月10日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、作品賞にポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が輝いた。英語以外の作品が作品賞を取るのはアカデミー史上初。韓国映画としても初受賞となる。今年のアカデミー賞では作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞、美術賞、編集賞の計6部門にノミネートされ、4冠を達成。作品賞と国際長編映画賞(昨年まで外国語映画賞)を同時に受賞するのは、アカデミー賞の歴史において初めてとなる。昨年、旋風を巻き起こしたNetflix映画『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン監督)も成し遂げることができなかった快挙だ。また、カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルム・ドールを受賞し、アカデミー賞の作品賞も手にするのは『マーティ』(第28回/1955年)以来2作目となる。前述のカンヌ国際映画祭のパルム・ドールを皮切りに、ニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、シカゴ映画批評家協会賞、シアトル映画批評家協会賞、ワシントン映画批評家協会賞などで作品賞を受賞。SAGアワード(全米俳優組合賞)では、最高賞にあたるアンサンブル・キャスト賞にも輝いていた。ステージには『パラサイト』のスタッフ&キャストが集結し、「想像もしたことがないことが現実となりました、本当にうれしいです。いまこの瞬間に、意味のあるタイムリーで象徴的な歴史が作られていると思います」とアカデミー賞への感謝を述べた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年02月10日第92回アカデミー賞授賞式が2月10日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、監督賞に『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が輝いた。受賞コメントではマーティン・スコセッシ監督、クエンティン・タランティーノ監督に対する感謝を述べた。今年のアカデミー賞では作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞、美術賞、編集賞の計6部門にノミネートされており、ポン・ジュノ監督は初ノミネートで、監督賞を受賞した。韓国人の映画監督として、初めて同賞を手にする快挙を達成。なお、1月に発表された第25回放送映画批評家協会賞授賞式では、サム・メンデス(『1917 命をかけた伝令』)とともに監督賞を同時受賞している。映画はセレブ一家の豪邸に、家庭教師、家政婦、運転手として潜り込み“寄生(パラサイト)”を試みた貧しいキム一家が、そこで想像を絶する悲喜劇に巻き込まれる姿を描いた。共同脚本も手がけたポン・ジュノ監督は、学生時代に家庭教師のアルバイトをした経験があるといい、昨年末に来日した際「他人の私生活を覗き見る奇妙な感覚…。それが映画のアイデアの源泉になっている」と語っていた。受賞コメント「さきほど国際長編映画賞を受賞して今日の仕事は終わったなと思いました」とユーモアたっぷりに語ったポン・ジュノ監督。「映画を勉強していた若い頃、最も印象に残ったのは「個人的なことこそが、もっとクリエイティブなことだ」という言葉でした。その言葉は、偉大なるマーティン・スコセッシによるものでした。わたしはスコセッシ監督の作品で、映画を学んだのです。ですから、こうして候補者として名前が並んだことだけで光栄です」と語ると、会場はスタンディング・オベーションとなり、マーティン・スコセッシ監督に向けて拍手が沸き起こった。さらに、ポン監督は「私の映画をアメリカの人が知らなかったときに、私の作品をいつもリストにあげてくれたクエンティン・タランティーノ監督ありがとうございます。愛しています。もちろん、トッド・フィリップス、サム・メンデスもすばらしい監督ですし、アカデミー協会が認めてくれるなら、このオスカー像を5つに分けたいと思うほど。」と感謝を述べた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年02月10日第92回アカデミー賞授賞式が2月10日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』が「国際長編映画賞」を受賞した。韓国映画史上初の受賞、脚本賞に続き2部門目の受賞となる。第72回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた、ポン・ジュノ監督作『パラサイト 半地下の家族』。韓国では動員1,000万人を突破、フランス動員も170万人を突破、全米でも昨年の外国映画興行収入第1位、歴代興行収入でも現在第7位と、各国で動員記録を塗り替える大ヒットとなっており、先日、日本でも興行収入10億円を突破した(1月27日時点)。第92回アカデミー賞では作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞、美術賞、国際長編映画賞と6部門でノミネート。同賞ノミネート作品の中にはフランスの『レ・ミゼラブル』、スペインの『ペイン・アンド・グローリー』などが候補作として挙げられていた。■『パラサイト』ってどんな映画?『スノーピアサー』『グエムル-漢江の怪物-』のポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』は現代社会が抱える問題を内包しつつ、ユーモア、サスペンス、アクション…映画全ての要素を融合させながらツイストの効いた展開で描き切った傑作。受賞コメント「外国語映画賞から国際長編映画賞にカテゴリの名前が変わりましたよね、新しい名前に変わったこの賞を受賞できて幸せに思います」と喜びを口にした。さらに「この映画をつくった素晴らしいキャストとスタッフがここに集まっています」と語り、キャスト陣が起立すると会場からは大きな拍手が送られた。ポン・ジュノ監督は「これから明日の朝までたっぷり飲もうと思います」と受賞の喜びをユーモアたっぷりに語った。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年02月10日第72回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞し、本年度のアカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、美術賞、国際長編映画賞と6部門に現在ノミネートされているポン・ジュノ監督の最新映画『パラサイト 半地下の家族』。全員失業中の貧しい一家と、IT企業を経営する裕福な社長一家という相反する2つの家族の出会いから、想像を遥かに超える展開へと加速していく物語は、爆発的な盛り上がりを見せており、既に韓国では動員1,000万人を突破。人気は本国だけに止まらず、フランスでの動員170万人突破や、全米での歴代興行収入第7位にランクインする他、日本でも韓国映画として10年ぶりに興行収入10億円を突破している。「チャパ グリ」ストーリーはさることながら、劇中に登場する「ジャージャーラーメン」が、今巷で話題になっている。「チャパゲティ」と「ノグリ」という2種類のインスタント麺を使用して作られることから、韓国では「チャパ グリ」と呼ばれており、 食べ進めるほどに食欲が刺激される味わい。ここ数年大流行しているメニューだ。「チャパゲティ」も「ノグリ」もインターネットを通じて日本でも購入が可能。たった3つの食材で簡単に作ることができるので、是非トライしてみてはいかが? ■材料・牛肉 200g~300g (高級な肉ほど、劇中の味に近づく)・チャパゲティ・ノグリ・水 500ml■作り方1. 500mlのお湯にノグリとチャパゲティの麺・かやくを入れて5分茹でる2. サイコロ上に切ったぎゅうにくを焼く3. 茹で上がった麺に、粉末スープを2種類入れる ※ノグリの粉が辛めなのでお好みで調整を4. よく混ぜた麺に牛肉を入れ、付属のオリーブオイルをかける5. 弱火で軽く馴染ませ完成 【映画概要】『パラサイト 半地下の家族』(原題:GISAENGCHUNG、英題:PARASITE)監督:ポン・ジュノ出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン撮影:ホン・ギョンピョ音楽:チョン・ジェイル提供:バップ、ビターズ・エンド、テレビ東京、巖本金属、クオラス、朝日新聞社、Filmarks配給:ビターズ・エンド英題:PARASITE/原題:GISAENGCHUNG/ www.parasite-mv.jp2019 年/韓国/132分/PG-12/2.35:1c 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年02月04日第72回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた、現在公開中のポン・ジュノ監督作『パラサイト 半地下の家族』が、昨日1月27日までで興行収入10億円を突破したことが分かった。韓国では動員1,000万人を突破、フランス動員も170万人を突破、全米でも昨年の外国映画興行収入第1位、歴代興行収入でも現在第7位と、各国で動員記録を塗り替える大ヒットとなっている本作。ゴールデングローブ賞を筆頭に、すでに各国で140以上もの映画賞を受賞と、賞レースを賑わせる本作が、日本では1月10日(金)より上映がスタート。休日はもちろん、平日までも全国的に満席が続出する爆発的大ヒットスタートを切った本作は、SNS上でも「震えるほどすばらしい映画!」「見終えてすぐに立ち上がれなかった!」「こんな映画体験今までにした事がない」などと絶賛の声が相次いでいる。そして、週を追う度に勢いは増し、3週目の土日の動員数と興行収入は、先週比120%を記録。今回興行収入10億円超えが発表されたが、韓国映画が10億円を超えるのは、中山美穂主演の『サヨナライツカ』(’10)以来となり、10年ぶり。なお、製作も主演も韓国人が務めた韓国映画では、『私の頭の中の消しゴム』(’05)以来、15年ぶりの快挙だ。また現在、上映回数や席数を増やす劇場もあり、上映劇場も緊急拡大中だという。『パラサイト 半地下の家族』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年01月28日1月19日(現地時間)、第26回SAGアワード(全米映画俳優組合賞)授賞式がロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで開催された。映画部門の最高賞にあたるキャスト賞は、ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が獲得。SAGアワード史上、外国語映画がキャスト賞に輝くのは初めてという快挙を成し遂げた。同作に関しては、受賞前から会場内で盛り上がりを見せる一幕もあった。受賞の数時間前、キャストたちが壇上で同作を紹介した際に、出席者たちが一斉に立ち上がって2分におよぶ拍手を送ったのだ。ゴールデングローブ賞ではジュノ監督が監督賞を受賞。オスカーでは6部門にノミネートされている『パラサイト 半地下の家族』が、何部門で受賞なるかに注目が集まる。SAGアワード 受賞リスト映画部門キャスト賞『パラサイト 半地下の家族』主演男優賞ホアキン・フェニックス『ジョーカー』主演女優賞レニー・ゼルウィガー『ジュディ 虹の彼方に』助演男優賞ブラッド・ピット『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』助演女優賞ローラ・ダーン『マリッジ・ストーリー』スタントアンサンブル賞『アベンジャーズ/エンドゲーム』テレビ部門【テレビ映画・リミテッドシリーズ部門】男優賞サム・ロックウェル「Fosse/Verdon」女優賞ミシェル・ウィリアムズ「Fosse/Verdon」【ドラマ部門】アンサンブル賞「ザ・クラウン」男優賞ピーター・ディンクレイジ「ゲーム・オブ・スローンズ」女優賞ジェニファー・アニストン「ザ・モーニングショー」【コメディ部門】アンサンブル賞「マーベラス・ミセス・メイゼル」男優賞トニー・シャルーブ「マーベラス・ミセス・メイゼル」女優賞フィービー・ウォーラー=ブリッジ「Fleabag フリーバッグ」【部門共通】スタントアンサンブル賞「ゲーム・オブ・スローンズ」(Hiromi Kaku)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年01月20日映画『パラサイト 半地下の家族』の受賞ラッシュが止まらない。2019年カンヌ国際映画祭では、最高賞であるパルムドールを受賞。2020年1月6日に発表されたゴールデングローブ賞でも、外国語映画賞に輝いた。2月10日に行われるアカデミー賞授賞式においても、台風の目となることは間違いないだろう。(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED俳優や監督たちの熱量がほとばしるコメントからは、本作の放つ衝撃がいかに大きなものであるか伝わってくる。2018年にパルムドールを受賞した『万引き家族』の監督・是枝裕和さん(57)は『パラサイト 半地下の家族』の同賞受賞に際し、こんなコメントを寄せた。「観る前の人に、この映画の内容を説明するのは野暮だ。『見ろ!』としか言えないし、『面白い!』としか言いようがない。だから、とにかく見て欲しい」『永い言い訳』の原作および映画監督を手掛けた西川美和さん(45)も絶賛だ。「ポン・ジュノ監督の持つ天才的なグロテスクさと笑いとに、最高の洗練が加わった。これだけ社会の重い病巣を描いているのに、どうしてこんなにも面白く観られてしまうんでしょうか。どんなに斜に構えている人でも、どんなに映画を見慣れていない人でも、五分で目を離せなくなるように作られています。世界中に褒められて当然!」また『天気の子』などを代表作に持つ映画監督の新海誠さん(46)は、昨年11月28日の試写会後にTwitterで感想を残した。「凄い。マスコミ試写であれほど笑いが起きたのも、あれほどの一体感で展開を見守ったのも初めての経験でした。今も思い返して、アニメ映画にもらえるものを必死に探し続けてしまっているくらい刺激的です。できれば友人と観てからソジュを飲みたかったな…笑」俳優・映画監督の斎藤工さん(38)は、公式サイトにコメントを寄せている。「史上最強傑作!!遂にポン・ジュノは現代映画の到達点を本作でサラッと更新してしまったのではないだろうか。己の現在地は、果たして地上なのか、地下なのか、それとも半地下なのか。観終わってからずっとその疑心に寄生されている」『サマーウォーズ』などの映画監督・細田守さん(52)も、同じく公式サイトでこう語っている。「ものすごいものを観た! 家2軒しか出てこない映画かと思わせて、最後には予想もつかないようなところまで連れて行ってくれる。観た後に誰かと語り合いたくなる映画です。ネタバレ厳禁につき多くを語れないので、とにかくまずは観てください!」しかしまだ観ていない人に魅力を伝えようとすると、どうしても慎重に言葉を選ばざるを得ない。そう、本作は「ネタバレ厳禁」の映画なのだ。今回は、映画のストーリーについての言及を必要最低限に抑えながら、今作のポイントを紹介していきたい。まず、簡単なあらすじから。《全員失業中。日の光も、電波も弱い“半地下住宅”で暮らす貧しいキム一家。大学受験に失敗し続けている長男ギウは、ある理由からエリート大学生の友達に家庭教師の仕事を紹介される。身分を偽り訪れた先は、IT企業を経営するパク社長一家が暮らす“高台の大豪邸”。思いもよらぬ高給の“就職先”を見つけたギウは、続けて美術家庭教師として妹ギジョンを紹介する。徐々に“パラサイト”していくキム一家。しかし、彼らが辿り着く先には、誰にも想像し得ない衝撃の光景が待ち構えていた―》(映画公式ホームページより)特筆すべきは、その一切予測不可能な怒涛の展開である。いくら予想しようとしても、豪快に、鮮やかに、そして観たこともない形で覆され続ける。果たして、今作はコメディなのかコメディなのか、サスペンスなのか、ジャンルの分類は不可能である。(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVEDそして『パラサイト 半地下の家族』が世界を震撼させている最大の理由、それはポン・ジュノ監督(50)が込めたメッセージである。二つの家庭の姿を通し、不平等な社会の負の側面がスクリーンに映し出される。この映画が鳴らす警鐘は、僕たちが生きる現実世界における問題意識と恐ろしいまでに共振しているのだ。「パラサイト」とは何か。「半地下」とは何か。それぞれの登場人物に、善悪の境界線を引くことはできるのだろうか。加速する負の連鎖を前にして、私たちにできることはあるのか。この映画は全ての観客に、そういった問いを突きつける。普段はあまり映画館に足を運ばないという人にこそ、この映画を観て欲しい。圧巻の132分間を体験できることを、ここに約束する。【プロフィール】松本侃士(まつもと つよし)編集者・ライター。1991年生まれ。慶應義塾大学卒業。2014年、音楽メディア企業 ロッキング・オン・グループに新卒入社、編集・ライティング等を経験。2018年より、渋谷のITベンチャー企業にてメディア戦略を担当。「note」(@tsuyopongram_)にて、音楽や映画のコラム記事を毎日投稿中。
2020年01月18日第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞をはじめとする6部門に堂々ノミネート。米国が製作に入っていないアジア映画が作品賞にノミネーションされるのは史上初、韓国映画のノミネートも史上初と、映画史を変える偉業に王手をかけた『パラサイト 半地下の家族』。この度、同賞にもノミネートされたプロダクション・デザイナー、そして韓国映画界を代表する撮影監督が裏側を語る特別映像が公開された。日本でも1月10日から全国公開となった本作は、先行公開時から大きな話題を呼び、全国的に満席が続出する大ヒットスタート。SNS上でも「震えるほどすばらしい映画!」「見終えてすぐに立ち上がれなかった!」「こんな映画体験今までにした事がない」「全力で周りに勧めたくなる最高の映画」と絶賛の声が溢れている。そんな中、今回到着したのは、ポン・ジュノ監督が絶大な信頼を寄せるスタッフの仕事ぶりに迫る特別映像。撮影監督やプロダクション・デザイナーのインタビュー映像やコメントを交え、世界中を熱狂させている本作誕生の裏側に迫っている。『哭声/コクソン』などを手掛ける撮影監督とキャストも感服する美術監督製作には、監督からの信頼も厚いスタッフの存在が欠かせない。撮影監督を務めたホン・ギョンピョは、ウォン・カーウァイ作品の撮影監督として知られるクリストファー・ドイルの元で経験を積んだのち、1998年に撮影監督デビュー。現在韓国映画界を代表するシネマトグラファーとして幅広く知られ、ナ・ホンジン監督『哭声/コクソン』(’17)やイ・チャンドン監督『バーニング劇場版』(’18)など、日本でも人気のある作品を多く手掛けている。ポン・ジュノ監督とは『母なる証明』(’09)、『スノーピアサー』(’14)に続く3度目のタッグとなる。プロダクション・デザイナーのイ・ハジュンは、大ヒット映画『10人の泥棒たち』やジョニー・トー監督『ドラッグ・ウォー毒戦』、カンヌのコンペティション出品作イム・サンス監督『ハウスメイド』など話題作を多く手掛けるベテラン。ポン・ジュノ作品ではNetflix映画『オクジャ/Okja』に続く2度目のタッグ。本作でアカデミー賞美術賞にノミネートされるという快挙を成し遂げている。どちらも新たな傑作を生みだすべく結集した最高峰のスタッフだ。ソン・ガンホが「見せた顔はまた新しいもの」物語は、日の当たらない“半地下”と、高台にある“豪邸”を中心に、豪華キャストのアンサンブルで展開していく。名役者たちの表情を引き出した撮影について、そしてセットのこだわりについて撮影監督ホン・ギョンピョは、「本作は一人の登場人物についての話ではないので、全ての役者の間で本当のエネルギーが生み出され、私たちはたくさん笑いました」と、撮影は活気のあるものだったとふり返る。「セリフの多い人物中心の映画なので、レンズは執拗に役者の顔を映しているのですが、彼らの新たな一面を見ることができたのは非常に楽しい経験でした。特に、ソン・ガンホは膨大な数の映画に出演してきていますが、この映画で彼が見せた顔はまた新しいものでした」と、名優ソン・ガンホがさらに新しい表情を見せたことに驚いたという。“半地下”も“豪邸”もセット!「ハエや蚊も実際に飛ばしました」さらに“半地下”や“豪邸”など撮影に使われた多くが、セットで作られている。プロダクション・デザイナーのイ・ハジュンは「最初に私たちが思いついたコンセプトは、高い場所にあるパク家の邸宅と、低い場所に広がる半地下アパートのギテクの家族の家のコントラストでした」と、キム一家とパク一家の格差を立地で表現したとこだわりを明かす。「空間にリアリティを求めました。多くの時間を費やして、ソウルの再開発が予定されている古い町並みや、歴史ある集合住宅を歩き回りました。パク家の邸宅は映画の中では有名な建築家によって設計されたものという設定だったので、モダンだけれどエレガントなオープンセットを建て、家具や小物など内装にもこだわりました」と、物語の設定に沿ったよりリアリティなセットを作ることができたと自信をのぞかせる。街の細部まで精密なコンテを描いて形作った半地下住宅街については、インタビュー映像で「ハエや蚊も実際に飛ばしました。地下特有のカビ臭さを出そうと意識した」と、劇中で重要な鍵となるが映像には映らない“匂い”や雰囲気についてもリアルを追求しながら挑んでいたと語っている。『パラサイト 半地下の家族』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年01月15日『ジョーカー』の最多11部門ノミネートに、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の快挙など、早くも大きな話題を振りまいている第92回アカデミー賞のノミネーション結果。とはいえ、前哨戦を席巻したルピタ・ニョンゴやジェニファー・ロペス、ゴールデン・グローブ賞受賞のタロン・エジャトンやオークワフィナなどの落選に、世界中の映画ファンからは“あの人が選ばれないなんて!”と残念がる声が噴出している。「なぜ?」…落胆するファンの声でTwitterのトレンド入り去る1月5日(現地時間)に行われた第77回ゴールデン・グローブ賞で、レオナルド・ディカプリオら強力な先輩俳優を抑え、見事ミュージカル/コメディ部門主演男優賞に輝いた『ロケットマン』のタロン。誰の脳裏にも、昨年同賞を受賞して大きく弾みを付け、ついにはアカデミー賞まで受賞した『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックの姿が蘇ったはず。しかも、タロンは自らエルトン・ジョンの楽曲を歌唱しているのだ。加えて、主演女優賞に『アス』のルピタ・ニョンゴ、『フェアウェル』のオークワフィナ、助演女優賞に『ハスラーズ』のジェニファー・ロペスなども選ばれなかった。いずれもファンに愛されているだけでなく、作品自体も大ヒットし、評価も高かったことから「なぜだ?」「ショック」「がっかり」と言及する人が続出、タロンやジェニファーらの名前が“ノミネートされていないのに”トレンド入りする事態となった。そんな中、『アンカット・ダイヤモンド』(1/31よりNetflix配信)で主演男優賞の有力候補といわれていたアダム・サンドラーは、自らTwitter上で「悪いニュース:アカデミーに愛されていない、いいニュース:スーツを着なくていい」と負け惜しみ(?)を言いつつ、「友人たち、特にママ(過去作で共演したキャシー・ベイツ)おめでとう」と祝福を贈っている。ノミネート発表のMCが指摘!今年も女性の監督賞候補なし『パラサイト』ポン・ジュノ監督の初ノミネートも注目を集めている監督賞は、『アイリッシュマン』マーティン・スコセッシや『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』クエンティン・タランティーノなど、今年も前年に続き、候補者が全員男性に。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』グレタ・ガーウィグ監督(脚色賞でノミネート)をはじめ、『フェアウェル』ルル・ワン監督、『ハスラーズ』ローリーン・スカファリア監督などがかすりもせずだったことに抵抗を見せたのが、ノミネーション発表のプレゼンターを務めていた海外ドラマ「インセキュア」のクリエイターで女優のイッサ・レイだ。『search/サーチ』のジョン・チョーと時に談笑しながら和やかに発表していた彼女だったが、監督賞候補の名前を呼び上げた後、「Congratulations to those men」(男性のみなさん、おめでとうございます)と、カメラに向かって真顔で言い放つひと幕があった。ちなみに、長編ドキュメンタリー部門では『娘は戦場で生まれた』など女性監督(共同監督含む)の作品が4作品選ばれている。そのうちの『アメリカン・ファクトリー』はオバマ元大統領夫妻が立ち上げた製作会社によるものだ。俳優賞は「#OscarsSoWhite」再びか…さらに、「#OscarsSoWhite」(白すぎるオスカー)が問題になって以降、アカデミー賞では女性や幅広い人種・世代の新会員を増やしてきたはずだったが、今回の俳優部門では主演女優賞の『ハリエット』シンシア・エリヴォ以外オール白人という結果に。『ルディ・レイ・ムーア』のエディ・マーフィはもちろん、『フェアウェル』の“おばあちゃん”チャオ・シューチェン、『パラサイト』の“半地下住人”ソン・ガンホらに期待する声もあったのだが…。これに対し、日本の映画ファンからも「そーいうとこだろ、アカデミー!」「パラサイト(主要部門に)入れたからいいだろ、みたいに感じる」と言った辛辣な声が続々。その一方、計24ノミネートを獲得したNetflixがディズニーやソニーなどメジャースタジオを抜いて製作者別でトップに立ったことは新しい動き。特に長編アニメーション映画賞で、『アナと雪の女王2』を抑えて『失くした体』『クロース』の2作品がノミネートされたことは大きなサプライズ。また、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』からは期待の新鋭フローレンス・ピューが助演女優賞にノミネートされ、『ブラック・ウィドウ』で彼女と共演し、単独主役に挑むスカーレット・ヨハンソンは史上12人目となる主演/助演でのWノミネートと勢いに乗っている女優陣もいる。何はともあれ、日本時間2月10日に行われる授賞式では、現代社会の問題に斬り込んだ『パラサイト』がどこまで受賞数を伸ばすのかが見どころとなることは間違いないだろう。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ロケットマン 2019年8月23日より全国にて公開©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 2020年3月より全国にて公開ハリエット 2020年3月よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2019Universal Pictures International, Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc.
2020年01月14日第92回アカデミー賞のノミネーションが日本時間1月13日夜に発表され、ポン・ジュノ監督のカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作『パラサイト 半地下の家族』が韓国映画としては初となる作品賞ほか、監督賞、オリジナル脚本賞、国際長編映画賞など6部門にノミネートされる快挙を達成。最多は『ジョーカー』の11部門で、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』とゴールデン・グローブ賞2冠を制したサム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』が10部門ノミネート、Netflix配信中の『アイリッシュマン』が9部門10ノミネートとなった。なお、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は惜しくもグレタ・ガーウィグの監督賞ノミネートはならなかったものの、脚色賞やシアーシャ・ローナンの主演女優賞、フローレンス・ピューの助演女優賞など健闘。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でオスカーを獲得したカズ・ヒロ(辻一弘)が、今回は『スキャンダル』でシャーリーズ・セロンなどの特殊メイクを手がけ、通算4度目のノミネートを果たした。授賞式は例年よりひと月ほど早い2月9日(現地時間)に開催され、2019年に続いて司会者不在で開催される。第92回アカデミー賞ノミネート一覧■作品賞『フォードvsフェラーリ』『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『ジョーカー』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』『マリッジ・ストーリー』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『パラサイト 半地下の家族』■監督賞マーティン・スコセッシ『アイリッシュマン』トッド・フィリップス『ジョーカー』サム・メンデス『1917 命をかけた伝令』クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』■主演男優賞アントニオ・バンデラス『Pain and Glory』(原題)レオナルド・ディカプリオ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』アダム・ドライバー『マリッジ・ストーリー』ホアキン・フェニックス『ジョーカー』ジョナサン・プライス『2人のローマ教皇』■主演女優賞シンシア・エリヴォ『ハリエット』スカーレット・ヨハンソン『マリッジ・ストーリー』シアーシャ・ローナン『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』シャーリーズ・セロン『スキャンダル』レネー・ゼルウィガー『ジュディ 虹の彼方に』■助演男優賞トム・ハンクス『A Beautiful Day in the Neighborhood』(原題)アンソニー・ホプキンス『2人のローマ教皇』アル・パチーノ『アイリッシュマン』ジョー・ペシ『アイリッシュマン』ブラッド・ピット『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』■助演女優賞キャシー・ベイツ『リチャード・ジュエル』ローラ・ダーン『マリッジ・ストーリー』スカーレット・ヨハンソン『ジョジョ・ラビット』フローレンス・ピュー『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』マーゴット・ロビー『スキャンダル』■オリジナル脚本賞『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』ライアン・ジョンソン『マリッジ・ストーリー』ノア・バームバック『1917 命をかけた伝令』サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』クエンティン・タランティーノ『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン■脚色賞『アイリッシュマン』スティーヴン・ザイリアン『ジョジョ・ラビット』タイカ・ワイティティ『ジョーカー』トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』グレタ・ガーウィグ『2人のローマ教皇』アンソニー・マクカーテン■国際長編映画賞『Corpus Christi』(ポーランド)『Honeyland』(北マケドニア)『レ・ミゼラブル』(フランス)『Pain and Glory』(原題/スペイン)『パラサイト 半地下の家族』(韓国)■長編アニメーション映画賞『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『失くした体』『クロース』『Missing Link』(原題)『トイストーリー4』■撮影賞『アイリッシュマン』ロドリゴ・プリエト『ジョーカー』ローレンス・シャー『The Lighthouse』(原題)ジェアリン・ブラシュケ『1917 命をかけた伝令』ロジャー・ディーキンス『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ロバート・リチャードソン■編集賞『フォードvsフェラーリ』アンドリュー・バックランド、マイケル・マカスカー『アイリッシュマン』テルマ・スクーンメイカー『ジョジョ・ラビット』トム・イーグルス『ジョーカー』ジェフ・グロス『パラサイト 半地下の家族』ヤン・ジンモ■美術賞『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『パラサイト 半地下の家族』■衣装デザイン賞『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『ジョーカー』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』■作曲賞『ジョーカー』ヒドゥル・グドナドッティル『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』アレクサンドル・デスプラ『マリッジ・ストーリー』ランディ・ニューマン『1917 命をかけた伝令』トーマス・ニューマン『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』ジョン・ウィリアムズ■歌曲賞「君のため」『トイ・ストーリー4』「(I’m Gonna)Love Me Again」『ロケットマン』「I’m Standing With You」『Breakthrough』(原題)「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」『アナと雪の女王2』「Stand Up」『ハリエット』■メイクアップ&ヘアスタイリング賞『スキャンダル』『ジョーカー』『ジュディ 虹の彼方に』『マレフィセント2』『1917 命をかけた伝令』■音響編集賞『フォードvsフェラーリ』『ジョーカー』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』■録音賞『アド・アストラ』『フォードvsフェラーリ』『ジョーカー』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』■視覚効果賞『アベンジャーズ/エンドゲーム』『アイリッシュマン』『ライオン・キング』『1917 命をかけた伝令』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』■長編ドキュメンタリー賞『アメリカン・ファクトリー』『The Cave』(原題)『ブラジル 消えゆく民主主義』『娘は戦場で生まれた』『Honeyland』(原題)■短編ドキュメンタリー賞※以下、表記以外原題『In the Absence』『Learning to Skateboard in a War Zone If You’re a Girl』『眠りに生きる子供たち』『St. Louis Superman』『Walk Run Cha-Cha』■短編アニメーション映画賞『Dcera』『Hair Love』『Kitbull』『Memorable』『Sister』■短編実写賞『兄弟愛』『Nefta Football Club』『向かいの窓』『Saria』『A Sister』(text:Reiko Uehara)■関連作品:ロケットマン 2019年8月23日より全国にて公開©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVEDジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainmentワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト 2019年9月27日より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開©1968 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.1917 命をかけた伝令 2020年2月14日より全国にて公開©2019 Universal Pictures and Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.ジュディ 虹の彼方に 2020年3月6日より全国にて公開© Pathé Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019スキャンダル(2020) 2020年2月21日よりTOHO シネマズ 日比谷ほか全国にて公開© Lions Gate Entertainment Inc.ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 2020年3月より全国にて公開
2020年01月13日現在日本で公開中のポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が、米HBOのリミテッドシリーズとしてドラマ化。『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『バイス』などのアダム・マッケイとポン・ジュノ監督がタッグを組むと「ハリウッド・レポーター」などが報じている。全員失業中の貧しいキム一家とIT企業を経営する裕福なパク社長一家という、相反する2つの家族の出会いが想像を遥かに超えた展開へと加速していく様を、コメディ、サスペンス、ホラーなどジャンルをまたいで描く本作。この度、Netflixとの熾烈な権利争いの末、「ゲーム・オブ・スローンズ」「チェルノブイリ」などのHBOが権利を獲得。チェイニー元・米副大統領を描いた『バイス』やジェニファー・ロペスら出演の『ハスラーズ』(製作)、ゴールデン・グローブ賞受賞のHBOドラマ「サクセッション(メディア王~華麗なる一族~)」などを手がけるアダム・マッケイ監督とポン・ジュノ監督が組み、英語でリミテッドシリーズを製作。映画の続編となるのか、リメイクとなるのかはまだ不明という。カンヌのパルム・ドールを皮切りに、先日の第77回ゴールデン・グローブ賞では外国語映画賞に輝き、第73回英国アカデミー賞にも4部門にノミネート、アカデミー賞では作品賞ノミネートもあり得るのでは?といわれている『パラサイト』。アメリカでは2300万ドル超えという外国語映画として異例の大ヒットとなっており、国内の主要賞を席巻。日本でのヒットにもさらに拍車がかかりそうだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年01月10日オネエ系映画ライター・よしひろまさみちさんの映画評。今回は『パラサイト』です。なんとも形容しようがないんだけど、とてつもない娯楽作で社会派で。しかも5分後の展開が全くわからない!そんなとてつもない傑作が『パラサイト 半地下の家族』よ。いや、マジで傑作としか言いようがないのよ~。あまりにもブッ飛びすぎてる物語を生み出したポン・ジュノ監督にそれを伝えたところ「それが一番うれしいホメ言葉」とな!「格差社会を描いているとか社会派とか、映画祭や先に公開された欧米ではそんなことばかりを言われたんだけど、それよりも映画を娯楽として楽しんでもらいたいんですよね。だから、ブッ飛んでいる、っていうのはオッケー!」物語の主人公は、家族全員が無職でその日暮らしをする、一男一女の子供がいるキム一家。長男ギウがたまたま紹介されたアルバイトが、IT企業CEOの娘の家庭教師だったことをきっかけに、彼らは徐々にその家庭に寄生していくの。パパは運転手、ママは家政婦、ギウの妹は子守り兼美術講師。それぞれのスキルを発揮して、完全にセレブ一家は偽装したキム一家の虜に…。これだけでも十分おもしろいんだけどね~。ここから先はマジでネタバレ厳禁!「これまでの作品はだいたいオチを決め、それに向かって脚本を仕上げていたんですが、じつはこの脚本を書いているときは、10ページ書いたところで、自分でも先がわからなくなっちゃって(笑)。続きを書きながら、そのつどプロデューサーに“おかしくない?”って確認してたんですよ。でも、キム一家の父役のソン・ガンホと長男役のチェ・ウシクだけは、やってもらうことを想定した当て書きをしています」そうやって悩みながら書いたわりには、これまた驚きの4か月で脱稿。これ、監督の脚本執筆の最短記録だったんですって!ひぃ、こんなクレイジーな話を4か月で書くなんて、マジで天才の所業じゃん!「書き始めて2か月半くらい経ったときかな。物語が急転するきっかけのシーンのアイデアがぽーんと浮かんで、そこからは芋づる式に後半をスラスラ書けちゃったんですよ~」観れば一発でハマるんだけど、ネタをバラすわけにはいかねぇ本作。中毒性高すぎておヤバよ!「どの国も、今は娯楽の選択肢が多すぎて、映画に目を向けてもらうのは大変。でも、これは確実に楽しんでもらえますよ!」『パラサイト 半地下の家族』監督・脚本/ポン・ジュノ出演/ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チェ・ウシク、パク・ソダムほか配給/ビターズ・エンド1月10日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー。©2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVEDポン・ジュノ1969年、韓国生まれ。『スノーピアサー』(’13)やNetflix映画『オクジャ/okja』(’17)で英語作品にも挑戦。本作で第72回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した。※『anan』2020年1月15日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・よしひろ まさみち(オネエ系映画ライター)(by anan編集部)
2020年01月08日先日発表された第77回ゴールデングローブ賞で、見事、外国語映画賞に輝いた『パラサイト 半地下の家族』。共同脚本も手がけたポン・ジュノ監督、主演を務めるソン・ガンホが昨年末、そろって来日を果たし、インタビューに応じた。面白い映画を撮りたいという一心だった昨年、第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画として初めてパルムドール(最高賞)に輝いて以来、数多くの映画賞で快進撃を続け、国内外の興行記録を更新。アメリカでは外国語映画の歴代興収トップ10入りを果たした。いまや、第92回アカデミー賞でも作品賞の有力候補と目されるほどの一大旋風だが、当のポン・ジュノ監督は「まったく予測していなかった事態。いつも通り、淡々と撮った作品ですが、公開後に予期せぬことが次々と起こった。胸躍るアクシデントとでも言うべきでしょう」と笑みを浮かべる。――セレブ一家の豪邸に、家庭教師として潜り込み“寄生(パラサイト)”を試みた貧しいキム一家が、そこで想像を絶する悲喜劇に巻き込まれてしまう本作。監督も大学時代、家庭教師の経験があるそうですね。ポン・ジュノ監督:そうです。映画同様、ある知り合いの紹介でした。その知り合いとは、今の私の奥さんなんですが(笑)。紹介された家庭が偶然、とても裕福だったんです。豪邸の2階にサウナがあったことを覚えています。幸い、2か月で解雇されましたが(笑)、他人の私生活を覗き見る奇妙な感覚…。それが映画のアイデアの源泉になっています。――貧富の格差が生み出す社会、そして人々の分断が重要なテーマになっています。ポン・ジュノ監督:その上で貧しいキム一家が暮らす半地下の家、彼らが足を踏み入れるIT企業社長の大豪邸という2つの“宇宙”を生み出しました。実際、映画のおよそ9割はどちらかの家で物語が展開していますから。ただ、私は経済学者や社会学者のように、世界の二極化を強く訴えたり、分析する意図はありませんでした。――それ以前に、学生時代の経験がベースになっていると。ポン・ジュノ監督:ただただ、オリジナリティあふれる面白い映画を撮りたいという一心だったので。映画のアイデアは、とても些細であり、日常にあふれていると思います。ですから、それらを的確にキャッチするため、日頃からアンテナは鋭敏に張っているつもりです。あえて『パラサイト 半地下の家族』の特徴を挙げるとすれば、善悪の境界がとてもあいまいだという点です。だからこそ、ご覧になる皆さんは展開が予測できないと思うし、おぞましい悲喜劇が起こったとしても、そこに“悪魔”は存在しないのです。進化の先を想像すると、誇らしくもあり、怖い気さえします韓国映画界のトップに君臨し続けるソン・ガンホ。ポン・ジュノ監督と4度目のタッグを組んだ『パラサイト 半地下の家族』では、貧しい4人家族の大黒柱キム・ギテクを演じている。「監督から映画の構想を聞き、私はてっきり富豪の役を演じるんだと思ったんです。年齢を重ねて、それなりに品位も身に着けたつもりだったので(笑)。ところが、監督は私を半地下に連れて行った」と笑いを誘う名優が取材中、絶えず口にしたのは、ポン・ジュノ監督への敬意と誇りだった。――ずばり『パラサイト 半地下の家族』が国際的な支持を集めている理由は何だと思いますか?ソン・ガンホ:この物語が韓国に限らず、欧米諸国や日本も含めた、地球上すべての人々にあてはまるからだと思います。何より、ポン・ジュノ監督らしい、鋭くも温かな視点で描かれている。そこが支持される理由ではないでしょうか。――ポン・ジュノ監督とは『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』『スノーピアサー』でタッグを組んでいます。『殺人の追憶』は2003年の作品ですから、15年以上の歳月が経っています。ソン・ガンホ:私は長編デビュー作『ほえる犬は噛まない』から、ポン・ジュノ監督に注目してきました。ですから“ファン歴”20年なんです。その間、期待をこめて監督の動向を見守り続けましたが、『パラサイト 半地下の家族』はポン・ジュノという映画作家の進化を示した1つの到達点といって間違いないでしょう。常に新作が心待ちですが、いまは進化の先を想像すると、誇らしくもあり、怖い気さえします。それほど、私たちをドキドキさせてくれる存在なんです。――逆にポン・ジュノ監督の「ここは変わらない」という部分はありますか?ソン・ガンホ:俳優のクリエイティブを最大限に信頼してくれる点ですね。撮影を前に、何か相談や打ち合わせ、リハーサルを重ねることはほぼありません。だからこそ、私たちも役柄を自分なりに解釈し、表現できる。それが豊かなイマジネーションの源泉になっているのではないでしょうか。今回演じたキム・ギテクに関しては、タコのような軟体動物を意識しました(笑)。一見、みすぼらしい彼ですが、隠し持った吸盤で社会に食らいついているのです。今という時代を、いかに生きるべきと問いかけている豪邸という閉鎖空間で、相反する2つの家族が繰り広げる駆け引きがスリリングに、ときに毒気あふれる笑いも振りまきながら展開する『パラサイト 半地下の家族』。サスペンス、コメディ、社会派ドラマ、果てはホラー(?)と表情を変えながら、映画は誰も予測できないクライマックスへとたどり着く。阿鼻叫喚という言葉がふさわしい結末について、もちろん詳細は記さないが、2人の証言から「シナリオとは違う結末になった」ことが明らかに!――あのクライマックスには、言葉を失いました。ポン・ジュノ監督:ある登場人物の行動について、シナリオでは意図をあいまいにしたままでした。「意志を持ってあえてそうしたのか、それとも偶発的な出来事なのか」その中間を漂っていたんです。ただ、シナリオに基づき、絵コンテを描き進めるうち(※ポン・ジュノ監督は自ら絵コンテも描く)、より瞬間的な感情の高ぶりを重んじようと決断しました。ソン・ガンホ:事前にシナリオは読んでいましたが、監督から相談を受けて、私もぜひそうしようと同意しました。これぞ、正解だと。なぜなら、私たちが生きる現実世界は、映画のクライマックスをも上回るほど、残酷で冷酷だからです。ポン・ジュノ監督:先輩であるソン・ガンホさんに背中を押されたこともあり、非常に複雑なシーンでありながら、撮影そのものはとてもスムーズで、驚くほどとんとん拍子でした。議論を巻き起こすかもしれないと躊躇もありましたが、「あっ、これを演じるのはソン・ガンホさんなんだ」と気づいた瞬間、観客の皆さんを納得させられると確信し、安心できた。ソン・ガンホさんとは、そんな存在なのです。ソン・ガンホ:私は『パラサイト 半地下の家族』での“水”の表現を大変気に入っています。人々が抱える悲しみや哀れみが、水を通して描かれているんです。そしてこの映画は決して格差や分断、それらの対立を描くだけの映画ではありません。私たちが今という時代を、いかに生きるべきと問いかけているのです。(text:Ryo Uchida/photo:You Ishii)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年01月07日カンヌの最高賞パルムドールを皮切りに、本国はもとよりアメリカをはじめ世界各国で大ヒット、映画賞レースでも注目を集めている『パラサイト 半地下の家族』。そのほかにも、『神と共に』シリーズのようなエンタメ超大作から『国家が破産する日』など国の暗部を見つめた社会派まで送り出す“活気のある”韓国映画、新世代が台頭し世界の映画祭で注目を集める中国映画、ド肝を抜く映像やストーリーで楽しませるインド映画など、2020年も年明け早々からアジアの映画が熱くなりそう。その中から、オススメ作品をピックアップした。麻薬捜査×チキン屋で歴代No.1ヒット『エクストリーム・ジョブ』1月3日(金)公開昼はフライドチキン屋を営み、夜は潜入捜査を行う崖っぷち麻薬捜査チームを描いて、観客動員1,500万人超え、韓国歴代興収ランキング第1位の記録をつくった『エクストリーム・ジョブ』で、まずは初笑い。“揚げる大捜査線”とはよく言ったもので、麻薬組織を24時間監視するために目の前のチキン屋を買い取り、試しにチキンを揚げてみたところ、絶対味覚を持つマ刑事の才能で店がまさかの大繁盛。本業の麻薬捜査がどうなってしまうのかが気にならずにはいられない。チーム班長を演じる『王になった男』『7番房の奇跡』『ポイントブランク~標的にされた男~』などのリュ・スンリョンをはじめ、イ・ハニ、チン・ソンギュ、イ・ドンフィら個性豊かな俳優陣のアンサンブルも絶対に楽しい。なお、本作は『ジュマンジ』シリーズや『THE UPSIDE/最強のふたり』のケヴィン・ハート主演でハリウッドリメイクされることも決まっている。気高き王妃の戦いに注目『マニカルニカ ジャーンシーの女王』1月3日(金)より2週間限定公開『バーフバリ』シリーズの監督S.S.ラージャマウリの父であり、同シリーズや『バジュランギおじさんと、小さな迷子』のK.V.ヴィジャエーンドラ・プラサード脚本のもと、傑作ロードムービー『クイーン 旅立つわたしのハネムーン』で高い評価を受けたカンガナー・ラーナーウトが主演するスペクタルアクション。彼女が演じるマニカルニカは、“インドのジャンヌ・ダルク”とも称され、人々から“ラクシュミー・バーイー”と呼ばれたインド史上最も有名な女性指導者。幼いころから武士階級の男子同様に剣や弓、乗馬を習って成長したマニカルニカは、史実では息子を背負ったまま馬と剣を巧みに操って戦かったと伝えられており、ポスタービジュアルにもその姿が再現されている。チョン・ウソン×『神と共に』キム・ヒャンギ共演『無垢なる証人』1月24日(金)公開『アシュラ』のチョン・ウソンが、今回は信念を貫くより現実と妥協して俗物になることを決めた弁護士に。ある殺人事件の弁護で容疑者の無罪を立証するため、唯一の目撃者である自閉症の少女ジウを証人として立たせようとするが…という法廷ドラマ。熱狂者が続出した『神と共に』シリーズの“天使”ドクチュンことキム・ヒャンギが、その少女を演じる。香港期待の新人監督とベテラン俳優のタッグ『淪落の人』2月1日(土)公開2019年・第14回大阪アジアン映画際で観客賞に選ばれた『淪落(りんらく)の人』は、本作が長編映画監督デビューとなる香港映画界の期待の星オリヴァー・チャンのもと、『インファナル・アフェア』などの名優アンソニー・ウォンが脚本にほれ込んでノーギャラで出演した話題作。半身不随の中年男性と、家族のために住み込み家政婦として働くフィリピン人女性の心の交流を描く。チョウ・ユンファが完全復活『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』2月7日(土)公開引退もささやかれてたアジア映画界の帝王チョウ・ユンファと『風雲 ストームライダーズ』『コールド・ウォー/二つの正義』アーロン・クォックという2大スターW主演で贈る、二転三転は当たり前の予測不能なクライムアクションサスペンス。あの『男たちの挽歌』を思い起こさせる2丁拳銃姿のチョウ・ユンファを再び見られる日が来るなんて!『インファナル・アフェア』脚本のフェリックス・チョンが初の単独監督と脚本も手掛け、中国で興収200億円超えのメガヒット、“香港アカデミー賞”香港電影金像奨で最優秀作品賞、監督賞、脚本賞など7部門を受賞している。成長著しいD.O.が弾ける!『スウィング・キッズ』2月21日(金)公開『神と共に』で涙を誘った「EXO」のD.O.(ディオ)が、減量や剃髪といった外見的変化だけではなく、約5か月に及ぶ猛特訓で難易度の高いタップダンスを披露する!黒人下士官ジャクソン(ブロードウェイで最優秀ダンサーに贈られるアステア賞を受賞しているジャレッド・グライムス)のもとに集うのは、D.O.演じるトラブルメイカーの朝鮮人民軍ロ・ギスや、満州出身の通訳者ヤン・パンネ、民間人捕虜のカン・ビョンサム、ダンスの実力を持つものの栄養失調の中国人捕虜シャオパンといったメンバーたち。『サニー 永遠の仲間たち』を手掛けたカン・ヒョンチョル監督が、朝鮮戦争を背景しながら、人種や思想・イデオロギーを超えたチーム力とタップダンスに乗せた人間ドラマを見せてくれるはず。ハ・ジョンウ×『テロ,ライブ』監督が再タッグ『PMC:ザ・バンカー』2月28日(金)公開ほぼリアルタイムで進行した『テロ,ライブ』で世界をアッといわせた主演ハ・ジョンウと監督キム・ビョンウのコンビが、現代の韓国と北朝鮮の軍事境界線、地下30mにある“地下要塞(バンカー)”で息つく暇もない、最後まで気の抜けない極秘ミッションに挑む。アメリカ、中国、韓国、北朝鮮の政治的思惑が絡み合う巨大な陰謀に巻き込まれていく、極限的な状況下でのミリタリー・サバイバル・アクションに加え、ハ・ジョンウ演じる傭兵エイハブと『パラサイト』イ・ソンギュン演じる北朝鮮のエリート医師との友情ドラマにも期待。革新的な映像美『ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ』2月28日(金)公開後半60分間、3Dのワンシークエンスショットという映像体験が話題となっている中国の新世代ビー・ガンの監督2作目。物語の中盤、主人公ルオが映画館に入り現実と記憶と夢が交錯する世界に入ると同時に、観客も3Dメガネを装着して、それを追体験できる。本国では名匠ジャ・ジャンクー監督『帰れない二人』の10億円を凌ぐ41億円のヒットとなったことは、ある意味、象徴的かも。本作に合わせ、これまで未公開だったビー・ガン監督の長編デビュー作『凱里ブルース』も2020年4月よりシアター・イメージフォーラムほかにて公開が決定している。実話ベースのネオノワール『シャドウプレイ』2月下旬「第20回東京フィルメックス」にてオープニングを飾った、『ブラインド・マッサージ』『スプリング・フィーバー』などで知られる名匠ロウ・イエ監督作品。中国と香港、台湾を舞台に、2013年に広州市の都市開発に取り残された小さな村で起きた暴動をベースとし、Netflix『僕らの先にある道』のジン・ボーランを主演に、『レッドクリフ』2部作のソン・ジアを相手役に迎えたサスペンス。市場経済への移行を目指す改革開放が本格化した1980年代末からの変動の時代と、2018年に亡くなったヨハン・ヨハンソン(『メッセージ』『博士と彼女のセオリー』)の音楽にも注目。ベルリンで絶賛!『在りし日の歌』4月3日(金)公開今作もまた、80年代に一人っ子政策が進められる中、たったひとりの息子を亡くした夫婦が経済成長を遂げる1990年、2000年代と30年にわたり、激動の時代を共に生きていく物語。『北京の自転車』『我らが愛にゆれる時』のワン・シャオシュアイ監督の最新作。老けメイクだけでなく、内面の変化も繊細に演じた夫役の『薄氷の殺人』ワン・ジンチュン、妻役の『黒衣の刺客』ヨン・メイはそれぞれ第69回ベルリン国際映画祭最優秀男優賞、最優秀女優賞をW受賞する快挙を成しとげた。ドニー・イェンのイップ・マン最終章『イップ・マン 完結』5月8日(金)公開『ムーラン』や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などハリウッドでも活躍するドニー・イェンが、ブルース・リーの師イップ・マンを演じる4作目で、最新作にして完結編。最愛の妻と死別したイップ・マンが愛弟子ブルース・リーの招待を受けて渡米するも、サンフランシスコのチャイナタウンで米海軍との闘いに立ち向かうことに。最強の師弟タッグが実現する。監督のウィルソン・イップ、アクション監督の巨匠ユエン・ウーピンら、お馴染みのスタッフで描く最終章や、いかに!?『バーフバリ』プラバース主演最新作『SAAHO』(原題)春公開『バーフバリ』シリーズで映画ファンを夢中にさせたプラバースが、架空の都市ワージーを舞台にしたクライムアクションに挑む。本国インドおよび世界では、オープニング世界興収が『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』に次ぐ第2位を記録、日本円で約45億円をあげたとか。メガホンを取ったのは、『バーフバリ』のS.S.ラージャマウリ監督の愛弟子で、注目の若手監督スジート。『ミッション:インポッシブル』や『マッドマックス 怒りのデス・ロード』級のカーアクションや肉弾戦に挑むプラバースに期待大。MCUにも仲間入りのマ・ドンソク主演『悪人伝』夏公開『新感染 ファイナル・エクスプレス』でゾンビを素手でなぎ倒す愛妻家を演じてブレイクし、『犯罪都市』『神と共に 第二章:因と縁』などで大活躍、マーベル作品『Eternals』(原題)でハリウッド進出も果たす“マブリー”ことマ・ドンソク主演。凶悪なヤクザのボスが問題児の刑事と手を組み、自分をめった刺しにした犯人を追う。日本では一足先に「シン・ファンタ/復活!?東京国際ファンタスティック映画祭ナイト」にてお披露目。すでにシルヴェスター・スタローン製作でハリウッドリメイクも決定しており、強面マブリーが日本の夏を席巻する!?コン・リー&オダギリジョーら豪華共演『サタデー・フィクション』秋公開第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されたロウ・イエ監督最新作。第2次世界大戦が勃発する直前、世界各国の諜報員が暗躍する東洋の魔都・上海に実在する「蘭心劇場」で巻き起こる愛と謀略の物語。女優とスパイ、2つの顔を持つ主人公をコン・リーが演じるほか、オダギリジョーに中島歩、台湾のマーク・チャオら国際色豊かなキャストが見もの。たくさん笑ってスカッとする、心躍るエンターテイメント作品から、激動の時代を生きる人々をとらえた人間ドラマまで、心惹かれる様々なジャンルの映画が勢揃い。4月には中国の新進女優リウ・イーフェイを主演に、コン・リー、ジェット・リー、ドニー・イェンなどアジアのトップ俳優たちが出演するディズニー作品『ムーラン』も控えている中、ますますアジアの俳優、アジアの映画は盛り上がりを見せることになりそうだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:イップ・マン 完結 2020年5月8日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開© Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.プロジェクト・グーテンベルク 贋札王 2020年2月7日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開© 2018 Bona Entertainment Company Limitedスウィング・キッズ(2019) 2020年2月21日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2018 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ANNAPURNA FILMS. All Rights Reserved.エクストリーム・ジョブ 2020年1月3日よりシネマート新宿ほか全国にて公開©2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVEDロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ 2020年2月28日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほかにて全国順次公開©️2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD - Wild Bunch / ReallyLikeFilmsSAAHO(原題) 2020年春より新宿ピカデリーほか全国にて公開淪落の人 2020年2月1日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開NO CEILING FILM PRODUCTION LIMITED © 2018悪人伝 2020年夏より全国にて公開© 2019 KIWI MEDIA GROUP. ALL RIGHTS RESERVEDPMC:ザ・バンカー 2020年2月28日よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開ⓒ 2018 CJ ENM CORPORATION, PERFECT STORM FILM ALL RIGHTS RESERVEDマニカルニカ ジャーンシーの女王 2020年1月3日より新宿ピカデリーにて2週間限定公開ⒸEsselvisionproduction(p) (LTD)在りし日の歌 2020年4月3日より角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開©Dongchun Films Production
2020年01月05日2020年1月6日(現地時間1月5日)に発表される第77回ゴールデン・グローブ賞にて監督賞、脚本賞、外国語映画賞の3部門にノミネートされている『パラサイト 半地下の家族』。いま、世界中を熱狂させている本作について、黒澤明監督が三船敏郎を主演にした名作『天国と地獄』にインスパイアされているとポン・ジュノ監督が明かした。黒澤明をリスペクトするポン・ジュノ監督かねてから、オールタイムベストを問われる度に『天国と地獄』(’63)や『乱』(’85)を挙げ、黒澤監督へのリスペクトを表してきたポン・ジュノ監督。自身も“韓国の黒澤明”と呼ばれ、黒澤作品のリメイクの話を持ちかけられたこともあるのだとか。先日アメリカで取材を受けた際に、「もしあなたが映画学校の先生になったとして、まず五本の映画を生徒に観せるとしたら何を選ぶ?」との質問に対し、キム・ギヨン『下女』(’60)、アルフレッド・ヒッチコック『フレンジー』(’72)、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー『恐怖の報酬』(’53)、ジョン・フォード『わが谷は緑なりき』(’41)と共に、黒澤監督の『天国と地獄』を挙げ、自身にとっても大きな影響を与えた作品だと語っている。『パラサイト』の半地下と高台の家は『天国と地獄』にインスパイアされていた『パラサイト 半地下の家族』には貧しい家族キム家と裕福な家族パク家が登場する。キム家は半地下に暮らし、パク家は高台の豪邸に住む――その着想源を問われ、「黒澤明『天国と地獄』にインスパイアされています」とポン監督は明かす。「(『天国と地獄』の)構造はよりシンプルで力強い。丘の上に金持ちがいて、底辺には犯罪者がいる、といった構造。基本的には『パラサイト』も同じですが、『パラサイト』の方がより多層的ではあります。物語は裕福な者と貧しい者についてなので、それを明確に意識して、音響や照明をデザインしていきました」とポン監督。「貧しければ貧しいほど陽を浴びることができない。それは現実でも同じです。例えば『スノーピアサー』では、最後尾の車両には窓がなく、(本作の)半地下の家では日中浴びることのできる日の光が限られています。おそらく日照時間は15分から30分ぐらいでしょうか。そういった描写から、『パラサイト 半地下の家族』は始まるのです」と語り、『天国と地獄』の構造から物語を作り上げていったことに触れている。『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月10日(金)より全国にて公開。12月27日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田にて先行公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2019年12月31日第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルム・ドールを受賞した『パラサイト 半地下の家族』の公開を記念して、同作でメガホンを取ったポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』が12月30日(月)深夜に放送される。2006年に公開され、韓国の歴代観客動員数第6位に輝いた『グエムル-漢江の怪物-』をはじめ、カンヌ国際映画祭の“ある視点部門”に正式出品された『母なる証明』や日仏韓合作によるオムニバス作品『シェイキング東京』などの作品で国際的にも評価の高いポン・ジュノ監督の2作目となる本作。韓国で1980年代後半に発生した、10人もの犠牲者を出しながら未解決となった華城連続殺人事件を基にしたストーリー。1986年、ソウル近郊の農村で若い女性が裸で死んでいるのが発見され、その後も同じ手口の連続殺人事件が相次いで発生。特別捜査本部が設置され、地元の刑事、パク・トゥマン(ソン・ガンホ)と、ソウル市警から派遣されたソ・テユン(キム・サンギョン)は、この難事件に挑む。性格も捜査方法も異なる2人は対立を続け、何度も失敗を重ねながらついに有力な容疑者を捕らえるのだが…というストーリー。主演は『シュリ』や『グエムル-漢江の怪物-』のほか『タクシー運転手 約束は海を越えて』など数々の作品で主演を務め、韓国国内では数々の映画賞にも輝くソン・ガンホと、韓国で大ヒットしたドラマ「大王世宗」で知られるキム・サンギョンによる圧巻の演技合戦も見どころだ。本作をはじめとした数々の作品で世界的な評価を受けるポン・ジュノ監督の最新作『パラサイト 半地下の家族』はTOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田の2劇場にて先行公開中。2020年1月10日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開される。全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが… この相反する2つの家族の出会いは、誰も見たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――という物語。『殺人の追憶』は12月30日(月)深夜25時50分~テレビ東京で放送。(笠緒)
2019年12月30日俳優の吉沢亮が12月27日(金)、都内で行われた韓国映画『パラサイト半地下の家族』のプレミア上映会にサプライズ登場!来日中のポン・ジュノ監督とソン・ガンホと対面を果たした。吉沢亮「こんなエンタメがあるんだ」と知ってほしいもともとポン・ジュノ監督の大ファンだと言う吉沢さんは「緊張しすぎて、うまく話せない」。そんな吉沢さんの緊張を解そうと、ポン・ジュノ監督が「自分がこれだけイケメンだって、いつ頃気づいたんですか?」と質問すると、吉沢さんは「小5ですかね(笑)」と笑顔。これに対し、ポン・ジュノ監督は「なぜ、もっと早く気づかないんですか?」とツッコミを入れ、会場を盛り上げた。また、ポン・ジュノ監督は吉沢さんの出演作『リバーズ・エッジ』を観ているといい「とてもすてきな青春を演じている」と評価すると、「うれしいですね。この場にいるのも、おこがましいですが、映画を観てもらったのは、すごく不思議な気持ちです」と喜んでいた。本作について「本当に純粋に、スゲーと思った」と吉沢さん。「ここ何年か観た中で1番です。圧倒的なエンタメ感で、笑いや涙、ホラーにサスペンスといろんな要素が完ぺきに融合している」と絶賛し、「映画好きは100%観ると思いますけど、普段映画館に行かない人にこそ『こんなエンタメがあるんだ』と知ってほしい」とアピールしていた。ポン・ジュノ監督、是枝裕和監督のエールに感激!韓国映画として初めてカンヌ国際映画祭のパルムドールに輝いた『パラサイト半地下の家族』。先日発表された第77回ゴールデングローブ賞で3部門にノミネートされ、第92回アカデミー賞でも作品賞を含めて“本命”の呼び声があがっている。セレブ一家の豪邸に、家庭教師として潜り込み“寄生(パラサイト)”を試みた貧しいキム一家が、そこで想像を絶する悲喜劇に巻き込まれてしまう。アカデミー賞について、ポン・ジュノ監督は「そればかりは、自分ではわからないですね」と苦笑い。それでも、「トロントで是枝裕和監督にお会いしたとき、『今年はきっと忙しくなるはず。大変だと思うけど頑張ってね』と言ってくださった。是枝監督もパルムドールに輝いた後、オスカー候補にもなりましたから」とエールに感激しきりだった。ポン・ジュノ監督と4度目のタッグとなった名優のソン・ガンホは、キム一家の父親を演じており「最初に監督から、映画の構想を聞いたとき、てっきり自分は裕福な社長を演じるのだと思っていた(笑)。ところが、私が半地下に連れていかれたんです(笑)」と明かし、「この作品は格差による分断や闘争を描いているのではなく、人間はどう生きるべきかを問いかけているんです」と話していた。『パラサイト 半地下の家族』はTOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ梅田にて先行上映中。2020年1月10日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2019年12月27日第72回カンヌ国際映画祭で最高賞・パルムドールに輝いた映画『パラサイト 半地下の家族』が来年1月10日(金)の全国公開に先がけ、TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ梅田で本日から先行公開される。世界各地の映画賞で次々に栄冠に輝き、映画人、評論家、すでに公開された地域の観客の絶賛が相次ぐ話題の作品だが、映画を観た人の多くが「ネタバレしたくないので、とにかく観て!」と本作を薦める。この映画は一体、どんなドラマが描かれるのだろうか? (本記事も観客に劇場に足を運んでほしい気持ちから掲載されているため、映画の詳細な内容には触れていません)『パラサイト』は完成前から世界中の映画ファンがその動向を注視してきた。監督と脚本を手がけたポン・ジュノは、『殺人の追憶』『グエムル 漢江の怪物』など発表する作品すべてが興行的に成功するだけでなく、国際的に高い評価を集める人気監督だ。『スノーピアサー』ではクリス・エヴァンス、ティルダ・スウィントン、エド・ハリスらをキャストに迎えて製作。続くNetflixオリジナル映画『オクジャ/okja』はネット配信作品として初めてカンヌ映画祭のコンペ部門に選出された。つまり彼のファンは世界中におり、評論家や映画人が新作の感性を待ちわびている。そしてついに完成した『パラサイト…』は先に紹介した通り、カンヌ映画祭で最高賞を受賞。トロント映画祭では観客賞を、LA批評家協会賞では作品賞と監督賞、助演男優賞を受賞。韓国では1000万人を、フランスでは150万人を動員するなど興行的にも大成功をおさめている。本作の主人公は“半地下住宅”で暮らす全員が失業中の一家。大学受験に失敗し続けている長男は、友人から家庭教師の仕事を紹介され、身分を偽って大邸宅を訪れる。金もなく、携帯の電波も入らず、薄暗い自宅とは正反対の豪華な家で家庭教師をはじめることになった長男は、思いつきで“美術家庭教師を紹介する”と言い、妹を大邸宅につれていく。ふたりは兄妹であることを隠し、偽りの設定で教師を始めるが、やがて事態は半地下で暮らす一家の、大邸宅で暮らす裕福な一家の、そして観客の想像もしない方向へと転がっていく。ポン・ジュノ監督は本作について「最後のどんでん返しだけがすべての映画ではありません」と言いつつも「観客にはハラハラしながら物語の展開を体験してほしい」とコメント。すでに開催されている試写会では大爆笑が何度もあがったかと思ったら、水をうったように客席が静まり返り、張り詰めた空気が試写室を満たす時間もあった。何が起こるのかは言えない。言わない方がいい。しかし、一度映画が始まってしまえば観客は笑い、驚き、翻弄され、最後は深く考えさせられることになるだろう。なお、先行公開は特別興行のため1900円均一で、ムビチケ使用は不可。『パラサイト 半地下の家族』TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ梅田で先行公開中2020年1月10日(金)より全国ロードショー
2019年12月27日「下の方にしまったフライパンが取り出せない」「ピーラーを使いたいのに見つからない」など、キッチンでイライラすることはありませんか?それは『収納』が原因かもしれません。シンク下のスペースを活用できる収納方法をタイプ別に紹介します。シンク下収納の基本シンク下は排水パイプがあるため、上手にスペースを活用するのがむずかしい場所の一つです。そのため、「適当に物を押し込んでいる」という人もいるのではないでしょうか?まずはシンク下収納について、全タイプに共通する『押さえておきたい基本的事項』について2点まとめました。キッチン収納は動線を考えてキッチンはシンクで野菜を洗ったりコンロに移動して調理したり、お皿を取り出して料理を盛り付けたりと、忙しく動く必要がある場所です。そのため『動線』を考えて収納することがとても大切となります。使いたいときに使いたい物がサッと取り出せると、無駄なアクションが減り料理の効率がグッとアップします。いつもキッチンのどこでどんな作業をすることが多いのか思い出してみましょう。特に水周りでよく使う物をシンク下に収納する・使う頻度の高い物を出し入れしやすい場所に収納すると楽ですよ。収納する物は湿気に強い物をシンク下は水道の蛇口の真下にあり、排水パイプが通っているために、どうしても湿気がたまりがちな場所です。そのため『湿気に強い物』を収納するのがおすすめです。缶詰のストックや未開封の食品・キッチン用洗剤などが向いているといえます。それ以外の物は、湿気対策に工夫をしてみましょう。食器・調理器具は水気をよく拭く、開封済みの食品類は密閉容器に移すなどすると、衛生的に収納できますよ。すのこを敷いたり除湿剤を置いたりすることもアリです。引き出しタイプの収納アイデア引き出しタイプのシンク下収納は、その都度かがんだり奥の方まで手を伸ばしたりする必要がなく便利ですよね。前後左右といった横の空間を広く使えるタイプの収納といえますが、実は上手な収納のカギは『縦の空間をどう使うか』にあるのです!浅い引き出しに背の高い物が引っかかって開かなくなったり、逆に引き出しが深すぎて、半分の高さまでしか活用できなかったりすることはありませんか?縦の空間を上手に活用するアイデアをまとめてみました。深いスライドは仕切って使いやすくフライパンやロールタイプのペーパータオルなど、高さのある物を横に寝かせて収納しているせいで、引き出し上部の空間をまるっとデッドスペースにしていることはよく聞く話です。深いスライド式の引き出しは、高さを生かせるように仕切って空間を縦に伸ばしましょう。フライパン・ペーパータオルも立てて収納できるようになり、収納アイテムの数がグンと増えますよ。さらに、この収納方法であれば上から物をどんどん積み重ねてしまい、下にある物が取り出せなくなることもなくなります。物を探したり出し入れしたりすることも楽になりますよ。ファイルボックスを使って立てて収納深い引き出しには、縦の空間を生かすための仕切りとしてファイルボックスがピッタリです。A4サイズだけでなく、近年はいろいろな大きさの物が売られています。引き出しの高さや収納する物のサイズに合わせて選びましょう。また、湿気が多くなりがちなのがシンク下です。湿気や耐久性の面から考えると、紙や段ボール素材よりもポリプロピレン樹脂や塩化ビニール素材のファイルボックスが適しているといえます。型崩れもしにくい上こまめに掃除もしやすいでしょう。ラベルを貼っておくと一目瞭然収納ボックス・密閉容器などは、同じ形・色の物を使用すると引き出し内に統一感が出てすっきりと見えます。その半面で中に何が入っているかが分かりにくくなることもあり得ますよね。これを防ぐためには、ラベリングをして中身が一目で分かるようにしておくと便利です。かわいいラベリンググッズを使うと、料理・片付けをするテンションも上がりますよ!引き出しを開けたときに上から物を見るので、容器のふたなど『物の上部』にラベリングをすることがポイントです。観音扉タイプの収納アイデア観音扉タイプのように前から物を出し入れするタイプの収納は、空間の上部・奥の方がデッドスペースになることが多いものです。そのため縦・横両方向の空間を生かす収納を考える必要があります。なるべく無駄を減らしつつ、見やすく出し入れしやすい収納をプランニングしましょう。具体的な方法として、次のアイデアをシェアします。収納ボックスを利用してざっくり収納奥の物も簡単に取り出しやすく、なおかつスペースを有効に使うには、引き出し式の収納ボックスを使うとよいでしょう。2~3段式のボックスを使うと、縦の空間もくまなくカバーできより多くの物を収納できますよ。キャスター付きの物であれば奥の物も楽に引っ張り出せて便利です。収納ボックスは空間の仕切りとしても効果的ですが、あまり細かく分類すると物をしまうのが面倒になったり、かえって分かりづらくなったりすることも考えられます。調味料類・食器類・食品類など、ざっくりしたジャンル別で収納ボックスにラベリングすると、とりあえずポイポイと物を入れるだけで済むので楽ちんですよ。収納は『無理せず長続きできる』ことも大切です。ラック・突っ張り棒でスペースを分ける「収納ボックスを置くほどスぺースが広くない」「通気性を重視したい」などの場合には、ラック・突っ張り棒を使って仕切る方法がおすすめです。伸縮タイプのラック・コの字型ラック・すのこなどを組み合わせて、シンク下にピッタリ合うようカスタマイズしてみましょう。2~3段にして縦の空間を生かすことで、鍋や調理器具も重ねずに収納ができ取り出しやすくできます。突っ張り棒を使うと、数センチの隙間も有効に使うことが可能です。鍋のふた・ラップ・まな板・お皿など平べったい物を収納するのに便利ですよ。扉裏も収納スペースに変身扉裏も立派な収納スペースとなり得ます。ワイヤーラック・フックなどを使って、細々した雑貨や使う頻度が高い小物類を収納してみてはどうでしょう。ラップ・ゴミ袋・フライ返しなどの調理器具は、ゴチャゴチャしていて生活感が丸出しに見えがちです。そういった物を隠して露出を減らすことができるので、キッチンの見た目もすっきりします。包丁やキッチン用ハサミなどの刃物類も扉裏に収納すると、小さな子どもがいる家庭でも安全ですね。オープンタイプのシンク下はどうする?『オープンタイプ』とは、シンク下に扉や引き出しがないタイプの収納です。空間をさえぎる物がないだけに、通気性がよい・広く見える・掃除がしやすいといったメリットがあります。しかし、収納している物が全て露出するため、常にきれいに整頓していないと逆効果にもなりかねません。使い勝手がよいことに加えて、センスよく『見せる収納』ができるようディスプレイ方法を工夫する必要があるでしょう。家電を設置してすっきり感を演出炊飯器・電子レンジ・湯沸かしポットなどの家電をシンク下に収納すると、物の露出が減ってキッチンをすっきりと見せることが可能です。カウンターやテーブルの上のスペースを節約できるので、より広いスぺースで料理の準備もできて一石二鳥ですね!憧れのシステムキッチンのように、おしゃれで動線的にも優れたキッチン空間を目指してみませんか?ゴミ箱収納にもピッタリ料理をする間に出るゴミをいちいち毎回離れたゴミ箱に捨てていると時間も労力ももったいないですよね。いっそのこと、シンク下をゴミ箱収納スペースにしてしまいましょう。燃やせるゴミ用・不燃ゴミ用・リサイクル用など、同じ形や色のゴミ箱をラベリングして並べるとすっきり統一感が出ますよ。ペダル式のゴミ箱は、ハンズフリーなので料理しながら同時にゴミ捨てができ、より衛生的かつ機能的です。ふた付きだと気になる臭いも抑えられますよね。シンク下に収納するなら何がおすすめ?以上タイプ別の収納方法を見てきましたが、ここからは「シンク下にはどんな物を収納するとよいか」を考えてみましょう。キッチンには本当に多くの収納すべき物があります。必要なときに必要な物にサッと手が届くように収納すると、料理も片付けも早く楽になるのではないでしょうか。鍋やフライパンなどキッチン用品動線を考えると、基本的には水周りで使う物はシンク下に、火周りで使う物はコンロ下に収納することが理想的です。水周りでよく使うザル・ボウル・包丁などのキッチン用品は、やはりシンク下に定位置を定めてあげると使い勝手がよいですよ。鍋やフライパンは、やはりコンロ下に収納することが基本でしょう。ただし、複数個持っているためコンロ下だけに収まりきらないことも珍しくありません。その場合はシンク下のスペースに収納してももちろんOKです。よく使う鍋・フライパンをコンロ下に収納し、使用頻度が低い物をシンク下に持っていきましょう。ラップや調味料など未開封のストック品ラップやアルミホイル・キッチンペーパー・ジップロックなどはよく使う物だけれど、カウンターの上にポンと出しておくとゴチャゴチャ雑多に見えますよね。シンク下のスペースに収納すると、見た目もすっきりできる上、サッと取り出せて便利です。定位置を決めることで物の紛失も防げますよ。未開封の調味料・パスタ・レトルト食品・ペットボトル飲料などもジャンル分けして収納するとよいでしょう。収納ボックスに入れておくと、じかに床置きするよりも衛生的です。万が一しょうゆなどの液体容器が破損してこぼれたとしても、しみ・汚れが床に広がることを防止できます。大きめのお皿など食器類もおすすめ一般的に重量の軽い物は空間の上の方、重い物は下の方に収納するのがよいといわれます。高所から重い物を取ることは、落としてケガをする可能性も高まりますし、地震などが起きたときのことを考えても危険です。そういった意味では、大きなお皿など重たい食器類をシンク下に収納することもグッドアイデアでしょう。高所にある食器棚に比べて取り出しやすい上、持ち歩く手間や労力を減らすことができるので、より安全で効率がよいといえます。大容量収納だからこそちょっとした工夫をキッチンの収納は、ちょっとした工夫で収納量も使い勝手も格段に改善できます。きれいに整えられたキッチン空間では、料理もうんと楽しい気持ちでできるでしょう。『料理上手は収納上手』といわれるのも納得ですね。おいしい料理を楽しく作るために、機能的・効率的な環境作りを心がけていきましょう。
2019年12月25日アメリカで今年の外国映画興行収入第1位となるなど、各国で驚異的なヒットとなっている『パラサイト 半地下の家族』。今回、全員失業中のキム一家の、貧しいながらもどこかユーモラスな“半地下”生活をとらえた約2分の本編冒頭映像が解禁となった。半地下の住居で暮らす、貧しい4人家族の日常が明らかに!?今回解禁されたのは、キム一家の貧乏暮らしが垣間見える冒頭約2分間の本編映像。日当たりが悪く、窓が地面と同じ高さにある“半地下”の家。窓の向こうには行き交う車や自転車のタイヤが見えている。まず登場するのは、険しい表情でスマートフォンを触るキム家の長男ギウ(チェ・ウシク)の姿。「まずい。もうタダでWi-Fiは使えない」とぼやくギウに「パスワード? 1から9まで押した?」と念押しするのは妹のギジョン(パク・ソダム)。雑然とした部屋で編み物をしていた母チュンスク(チャン・ヘジン)は、悪態をつきながら、床に寝転がる父ギテクを蹴飛ばして「タヌキ寝入りしないでよ。どう思う? スマホもつながらない。Wi-Fiもつながらない。計画はあるの?」と問い詰める。家の一番高い位置に鎮座するのは、なんとトイレ!ギテクがカビが生えてしなびた食パンを手に食卓に座ると、そこには先客が。ギテクはその姿に驚きもせず、「チクショウ 便所コオロギだ」と言いながら指で弾き飛ばす。どうやらこれは日常茶飯事のようだ。一方、スマートフォンを高くかざしながら電波を探していたギウは、唯一電波を拾える場所を発見。その場所とは、なんとトイレ!水圧が弱い半地下の家では、トイレが家の一番高い位置に鎮座しているのだ。兄妹はふたり揃って狭いトイレに上り、ようやく近所のカフェのWi-Fiをキャッチ!アルバイト先からのメッセージをチェックしはじめる。貧しい“半地下”生活に慣れきっている様子のキム一家だが、家族全員「こんな生活から早く抜け出したい」と思っているのは一目瞭然。そんな中、長男ギウが裕福な社長一家の家庭教師になったことで、一家の生活には劇的な変化が訪れていく。本編がますます気になる冒頭映像となっている。『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月10日(金)より全国にて公開。12月27日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田にて先行公開。(text:cinemacafe.net)
2019年12月23日2020年1月10日(金)より全国公開されるポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』。この度、11月のポン・ジュノ監督来日時に、13年振り、2度目の対談が実現した漫画家・浦沢直樹による描き下ろしコラボイラストが公開された。本作で描かれるのは、全員失業中の貧しい一家とIT企業を経営する裕福な社長一家という、相反するふたつの家族の出会いから、想像を遥かに超える展開へと加速していく物語。すでに韓国で動員数1,000万人を突破し、フランスでも動員160万人突破、全米でも今年の外国映画興行収入第1位になるなど、各国で動員記録を塗り替える爆発的な盛り上がりをみせている。先日発表となったゴールデングローブ賞では、監督賞、脚本賞、外国語映画賞の3部門に異例のノミネートを果たし、オスカー前哨戦でも作品賞受賞を重ね、第92回アカデミー賞での受賞も有力視されている。日本カルチャーに造詣が深く、漫画家を目指していた経歴もあるポン・ジュノ監督。そんな監督が、かねてからファンだと公言しているのが『MONSTER』『20世紀少年』、現在も『あさドラ!』が好評連載中の日本を代表する漫画家の浦沢だ。監督は浦沢の漫画を読みながら、シナリオをよく書いているという。2006年の『グエムル-漢江の怪物-』公開時に対談を果たしたふたりが、久しぶりの再会を果たし、お互いの作品の制作秘話を語り合った。気になるイラストでは、“半地下”に住む貧しいキム一家を演じたソン・ガンホ、チェ・ウシク、パク・ソダム、チャン・へジンの4人が脚本を読んでいる場面。対談で監督から飛び出した「出演者に台本を渡して、今ごろ読んでいるだろうなあと考える時が一番イヤな時間」というマル秘エピソードを聞かされた浦沢が、台本を読んでいる4人の姿を描き下ろしたもの。特に「ソン・ガンホさんが読んでいる時が……分かるわ〜〜〜」と、自分が丹精込めた脚本が審査されているかのような監督の気持ちを察した言葉が添えられ、日韓を代表するクリエイターの共感が述べられた貴重なイラストとなっている。本イラストは、劇場で販売される映画公式パンフレットに掲載される予定だ。また、浦沢とポン・ジュノ監督による対談記事は、朝日新聞(12/18朝刊)に掲載されている。『パラサイト 半地下の家族』2020年1月10日(金)より全国公開
2019年12月19日オスカーの国際映画部門(旧・外国語映画部門)の選考、第一段階の結果が発表された。91カ国から提出された中、この段階で残ったのは10本。日本からの提出作品『天気の子』は、入らなかった。選出された10本は、『パラサイト 半地下の家族』(韓国)、『レ・ミゼラブル』(フランス)、『Atlantics』(セネガル)、『Pain and Glory』(スペイン)、『Beanpole』(ロシア)、『Corpus Christi』(ポーランド)、『Honeyland』(北マケドニア)、『Those Who Remained』(ハンガリー)、『Truth and Justice』(エストニア)、『The Painted Bird』(チェコ共和国)。文=猿渡由紀『パラサイト 半地下の家族』2020年1月10日(金)全国公開
2019年12月18日第92回アカデミー賞における9部門のショートリスト(ノミネート前の最終候補リスト)が発表された。注目は、今回より「外国語映画賞」から名前が変更となった「国際長編映画賞」。ゴールデングローブ賞の「外国語映画賞」にノミネートされている『パラサイト 半地下の家族』、『レ・ミゼラブル』、『Pain and Glory』の3本がショートリスト入りを果たした。「The Wrap」によると、『パラサイト 半地下の家族』は、韓国映画でショートリストに入った2本目。昨年、『バーニング 劇場版』が韓国映画として初めて同部門のショートリストに挙がったが、ノミネートは逃している。主な部門のショートリストは以下の通り。国際長編映画賞『The Painted Bird』(チェコ)『Truth and Justice』(エストニア)『レ・ミゼラブル』(フランス)『Those Who Remained』 (ハンガリー)『Honeyland』(北マケドニア)『Corpus Christi』(ポーランド)『Beanpole』(ロシア)『Atlantics』(セネガル)『パラサイト 半地下の家族』(韓国)『Pain and Glory』(スペイン)メイクアップ&ヘアスタイリング賞『スキャンダル』『ルディ・レイ・ムーア』『ダウントン・アビー』『ジョーカー』『ジュディ 虹の彼方に』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『マレフィセント2』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『ロケットマン』作曲賞『アベンジャーズ/エンドゲーム』『スキャンダル』『フェアウェル』『フォードvsフェラーリ』『アナと雪の女王2』『ジョジョ・ラビット』『ジョーカー』『キング』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『マリッジ・ストーリー』『マザーレス・ブルックリン』『1917 命をかけた伝令』『Pain and Glory』歌曲賞「Speechless」(『アラジン』)「Letter To My Godfather」 (『The Black Godfather』)「I’m Standing With You」(『Breakthrough』)「Da Bronx」(『The Bronx, USA』)「Into The Unknown」(『アナと雪の女王2』)「Stand Up」(『ハリエット』)「Catchy Song」(『レゴ(R)ムービー2』)「Never Too Late」(『ライオン・キング』)「Spirit」(『ライオン・キング』)「Daily Battles」(『マザーレス・ブルックリン』)「A Glass of Soju」(『パラサイト 半地下の家族』)「(I’m Gonna) Love Me Again」(『ロケットマン』)「High Above The Water」(『Toni Morrison: The Pieces I Am』)「I Can’t Let You Throw Yourself Away」(『トイ・ストーリー4』)「Glasgow」(『ワイルド・ローズ』)このほかに、長編ドキュメンタリー映画賞、短編ドキュメンタリー映画賞、短編アニメ映画賞、短編映画賞のショートリストが発表された。(Hiromi Kaku)
2019年12月17日ロサンゼルス映画批評家協会賞の作品賞など3冠をはじめ、アメリカの映画賞レースを席巻中の『パラサイト 半地下の家族』。この度、ポン・ジュノ監督自らやソン・ガンホらキャスト陣が語る、本作の撮影現場をとらえた5分にわたるメイキング映像が解禁となった。本作は、“半地下”の家で暮らす、しがない内職で日々を繋ぐ貧しいキム一家と、豪邸に住む裕福なパク社長一家との出会いが予測不能な展開を迎えていく。役者のセリフや動き、小道具、背景など画面に映る全ての要素にメッセージを込める繊細さから“ボンテール(ポン・ジュノ+ディテール)”という造語まで生まれるほどのこだわりを持つポン・ジュノ監督。そんな監督の最新作撮影の現場は、果たしてどのような現場だったのか、映画ファン必見の映像となっている。ソン・ガンホ「唸らされた」…キャストも興奮のポン・ジュノ監督新作映像の冒頭、本作のテーマを「共生することの難しさ。そこから生じる笑いと恐怖。悲しみの悲喜劇です」と語るポン・ジュノ監督。メイキング映像をバックに、主演のソン・ガンホが「とても精巧で、その細かさと構成力はさすがポン監督だと唸らされました」と語る。続いて貧乏一家の長男役チェ・ウシク、豪邸に住む裕福な社長夫人を演じたチョ・ヨジョンなど、キャストたちも予想を超えて展開するポン・ジュノ監督のストーリーテリングを絶賛する。「ユニークな出来事の連続かと思いきや、十分に起こり得ることかと」というコメントに、本作が世界中で高く評価されている理由が伺える。“ボンテール”を支える精鋭スタッフ美術監督・撮影監督がこだわり抜いたポイントとは?「脚本を書いた時点で人物の動線がすでに頭の中にありました」というポン・ジュノ監督の緻密な脚本を見事に映像化した立役者が、ポン・ジュノ監督とは『オクジャ/okja』(’17)に続き2度目のタッグとなる美術監督イ・ハジュンと、『母なる証明』(’09)、『スノーピアサー』(’13)につづき3度目のタッグとなる撮影監督ホン・ギョンピョ。ハジュンが「リアルそのものです」と語る貧乏家族の暮らす半地下の家は、古びた家財道具や地下特有のカビ臭さまでが映像から匂い立つような再現度。一方、「落ち着いた色合いと建築資材で、すっきりと清潔感のある家」であるパク社長宅は、ポン監督のこだわりに応えるために大規模なセットが組まれ、パク社長を演じたイ・ソンギュンも「圧倒されました」とふり返っている。ふたつの家族の生活の格差が現れているのは美術のみにとどまらない。キム一家の暮らす半地下は「日光が入らず夜は緑がかった蛍光灯」、パク一家の暮らす豪邸は「高級感を出し黄色みのある照明」と、撮影監督ギョンピョがこだわった対照的な光の演出にも注目だ。カンヌを筆頭に世界中を沸かせた俳優たちの演技メイキングの終わりには、キャストによる役柄紹介も。ロカルノ国際映画祭でアジア人初のエクセレンスアワードを受賞したソン・ガンホは「僕が演じたギテクはまるで軟体動物のように彼特有のスタイルで状況を解釈して受け入れます」と自身の役柄を語る。カンヌ国際映画祭をはじめ、世界中で高い評価を受けているキャスト陣の役柄の解釈と、各々の演技に対する監督や共演者からのコメントは必見。最後に、貧乏一家の長女を演じたパク・ソダムが本作を「見終わったあとで一杯飲みながらいろいろ語り合える映画です」と表現。ソン・ガンホが「これまでにない新しさと独創性にあふれた映画です」とアピールする。そして「あれこれ考えてもらえたら嬉しいです」というポン・ジュノ監督のもと、キャスト、スタッフ一丸となってこだわり抜いた舞台裏が凝縮されたメイキング映像となっている。『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月10日(金)より全国にて公開。12月27日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田にて先行公開。(text:cinemacafe.net)
2019年12月16日今年のカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた家族を描く『パラサイト 半地下の家族』から、ポン・ジュノ監督とソン・ガンホが13年ぶりに揃って来日することが決定した。ゴールデングローブ賞3部門ノミネートに加え、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、ハリウッド映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ワシントンDC映画批評家協会などで作品賞受賞やノミネートを重ね、オスカーレースを席巻中の本作。そんな日本でもSNSなどで大注目の本作から、ポン・ジュノ監督と主演のソン・ガンホが、2006年に『グエムル -漢江の怪物-』で来日して以来、実に13年ぶりに2人揃っての来日が実現。本作の公開は来年だが、12月27日(金)よりTOHO シネマズ日比谷、TOHO シネマズ梅田にて先行公開が決定しており、2人は27日のTOHO シネマズ六本木ヒルズで行われる特別上映での舞台挨拶に登壇する。『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月10日(金)より全国にて公開、2019年12月27日(金)よりTOHO シネマズ日比谷、TOHO シネマズ梅田にて先行公開。(cinemacafe.net)
2019年12月11日9日(現地時間)、ゴールデングローブ賞のノミネーションが発表された。注目を集めたのは、監督賞にノミネートされた5人だ。ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』)、サム・メンデス(『1917 命をかけた伝令』)、トッド・フィリップス(『ジョーカー』)、マーティン・スコセッシ(『アイリッシュマン』)、クエンティン・タランティーノ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)と全員が男性。女性監督が1人もノミネートされなかったことで、多くの人が遺憾の意を示した。自身は『スキャンダル』で主演女優賞にノミネートされたが、シャーリーズ・セロンもそのうちのひとり。「Los Angeles Times」紙に思いを語った。「厳しい。本当に、とても厳しい。それに、すごくフラストレーションを感じる。女性監督の数を増やそうとがんばっているところなのに。この業界で女性監督はわずか10%しかいない。それでも今年は彼女たちの仕事ぶりは素晴らしかった。だから本当に悔しい」と残念がった。『スキャンダル』は男性であるジェイ・ローチがメガホンを取った作品。シャーリーズは「女性はもっとチャンスを得られるべきだと強く信じているけれど、だからと言って女性の物語を伝えられるのが女性だけだとは思わないし、男性の物語を伝えられるのが男性だけだとは思わない。そんなことを言ったら、エイヴァ・デュヴァーネイが悲しむ。彼女は冤罪になった5人の少年についての作品(「ボクらを見る目」)を撮ったから」という意見も述べている。(Hiromi Kaku)
2019年12月10日アカデミー賞の前哨戦として注目される、第45回ロサンゼルス映画批評家協会賞が発表された。今年は韓国の『パラサイト 半地下の家族』が作品賞、監督賞、助演男優賞を獲得するという快挙に。次点ではあるものの、脚本賞にも選ばれている。今回と同様、過去の作品賞にもアメリカの作品ではなく外国作品が選ばれたことがあった。昨年は『ROMA/ローマ』、2012年に『愛、アムール』、2000年に『グリーン・デスティニー』が選ばれ、3作品全てがアカデミー賞の作品賞にノミネート。惜しくも3作品とも受賞は逃したが、外国語映画賞は獲得している。果たして『パラサイト 半地下の家族』の運命やいかに。■主な受賞リスト作品賞受賞:『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督)次点:『アイリッシュマン』(マーティン・スコセッシ監督)監督賞受賞:ポン・ジュノ監督(『パラサイト 半地下の家族』)次点:マーティン・スコセッシ監督(『アイリッシュマン』)主演男優賞受賞:アントニオ・バンデラス(『Pain and Glory』)次点:アダム・ドライバー(『マリッジ・ストーリー』)主演女優賞受賞:メアリー・ケイ・プレイス(『Diane』)次点:ルピタ・ニョンゴ(『アス』)助演男優賞受賞:ソン・ガンホ(『パラサイト 半地下の家族』)次点:ジョー・ペシ(『アイリッシュマン』)助演女優賞受賞:ジェニファー・ロペス(『ハスラーズ』)次点:チャオ・シューチェン(『フェアウェル』)脚本賞受賞:ノア・バームバック(『マリッジ・ストーリー』)次点:ポン・ジュノ&ハン・ジンウォン(『パラサイト 半地下の家族』)アニメ賞受賞:『失くした体』次点:『トイ・ストーリー4』(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始
2019年12月09日カンヌ国際映画祭では韓国映画史上初となるパルムドールに輝き、アカデミー賞前哨戦といわれる各賞を席巻中のポン・ジュノ監督作品『パラサイト 半地下の家族』が、「2020年まで待てない!」「いち早く観たい!」という映画ファンの熱烈な声に応え、監督・キャストの特別メッセージ映像付きで先行公開されることが決まった。ハリウッド映画批評家協会賞では作品賞、脚本賞、監督賞、外国語映画賞、編集賞の5部門にノミネート、ナショナル・ボード・オブ・レビューでは外国語映画賞を受賞するなど、賞レースを席巻中の本作。外国語映画にして史上初の作品賞受賞への期待も高まり、「アカデミー賞の歴史を変えるか」(ハリウッドレポーター)と米メディアも大盛り上がり。日本でも、11月に行った日本最速試写で映画ファンを大熱狂させ、マスコミ試写は連日大行列で溢れ変えるほどの大盛況。Twitterなどでも「来年まで待てない!」「今すぐ観たい!」という声が多く上がっていたことから、急きょ12月27日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田の2劇場にて先行公開が決定。また、2020年1月9日(木)までの2週間限定となる先行上映期間中は、両劇場でしか観ることができないポン・ジュノ監督、キャストによる激レア特別メッセージ映像付きとなっている。『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月10日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年12月06日