アルゼンチンのブエノスアイレスに住むカミラ・カストルディさんが、自宅の近くを歩いていた時のことです。彼女は、電柱に貼られた迷い猫のポスターに目を留めます。ポスターには、オレンジ色と白色の毛をした猫の写真とともに、『猫のルイスがいなくなりました』と記されていました。そして、カミラさんがその下のほうを見ると…何が起きたのかは、こちらをご覧ください。El otro día encontré un gato perdido y lo devolví a sus dueños, el chabon estaba abajo de su cartel de perdido. pic.twitter.com/aarteiSRo0 — Castoldi. (@camilacastoldi_) February 16, 2022 …ルイスがいた!!自分を探すポスターの真下でくつろいでいたルイス。カミラさんが「ルイス!」と呼ぶと、お腹を見せて甘え始めます。なんというマイペースっぷり!彼女がすぐに連絡すると、駆け付けた飼い主は大喜びだったそうです。この動画には19万件の『いいね』が集まり、たくさんの喜びの声が寄せられています。・なんていいニュースだ!そのポスターをパレルモのいたるところで見たよ!・あなたが足元を見てくれてよかった!・この猫は、自分のポスターだって分かっていたんじゃないかな。ルイスは4日間も行方不明だったのだとか。飼い主は、さぞかし心配していたことでしょう。後日、カミラさんの元には、飼い主から元気そうなルイスの写真が送られてきました。Ahora su dueña me manda fotos de Luis pic.twitter.com/6PQcMmjbB8 — Castoldi. (@camilacastoldi_) February 16, 2022 迷子の猫を探すポスターを見かけたら、真下にその猫がいるなんて、奇跡的な偶然でしょう。ルイスが、自分を探すポスターだと知っていたのかどうかは分かりませんが、カミラさんにあっさりと見つけてもらえてよかったですね![文・構成/grape編集部]
2022年02月28日2018年『万引き家族』、2019年『パラサイト 半地下の家族』、2020年の開催中止を経て2021年・第74回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)に選ばれたジュリア・デュクルノー監督による怪作『TITANE/チタン』。この度、チタンプレートを頭に埋め込まれた主人公アレクシアがたどる数奇な運命を切り取った場面写真が初解禁された。『RAW~少女のめざめ~』(16)で鮮烈なデビューを飾ったデュクルノー監督の長編2作目となる本作。エドガー・ライト監督は「完全に独創的。脳がブッ飛んだ」と語り、さらにポール・トーマス・アンダーソン監督も「警告する、心して見よ。身を任せて観た先に素晴らしい映画体験が待っていた」と驚愕を超えて絶賛評を送っており、すでに世界的に注目を集めている。今回解禁になった場面写真には、睨みつけるような形相で髪を束ねるアレクシアをはじめ、火事現場で「あるもの」を見つめる消防士のヴァンサンをとらえる。交通事故で頭蓋骨にチタンを埋め込まれ固定器具をつける幼少期のアレクシア、そして、燃え上がる炎をまっすぐ見つめるアレクシアの姿が写し出されている。『TITANE/チタン』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:TITANE/チタン 2022年4月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開© KAZAK PRODUCTIONS – FRAKAS PRODUCTIONS – ARTE FRANCE CINEMA – VOO 2020
2022年02月24日広瀬すずと松坂桃李がW主演する『流浪の月』の公開日が5月13日(金)に決定。特報映像&ティザービジュアルが到着した。『パラサイト 半地下の家族』『バーニング 劇場版』のホン・ギョンピョが撮影した映像の美しさが垣間見える今回の特報映像では、「その男、家内さんを誘拐した犯人よね?」という不穏な言葉で幕を開ける。雨の桟橋に佇む更紗(広瀬さん)と、水辺に浮かび空を仰ぐ文(松坂さん)、消せない烙印を背負った2人に加え、横浜流星演じる更紗の恋人・亮、多部未華子演じる文に寄り添う看護師・谷が涙する姿も映し出され、緊張感漂いながらも、登場人物それぞれのやり場のない表情に心揺さぶられる映像となっている。そして、更紗と文が並ぶ写真の下に、初披露となる亮と谷の表情が写し出されたティザービジュアルも公開された。『流浪の月』は5月13日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:流浪の月 2022年5月13日より全国にて公開(c)2022「流浪の月」製作委員会
2022年02月22日『パラサイト半地下の家族』で知られるポン・ジュノ監督の『母なる証明』(’09年)や、『花より男子ファイナル』(’08年/石井康晴監督)、『味園ユニバース』(’15年/山下敦弘監督)等、様々な作品に助監督として参加し、自費製作による長編映画監督デビュー作『岬の兄妹』(’18年)が複数の映画賞を受賞した片山慎三監督による初の商業映画作品が『さがす』だ。主演は20年前に片山監督が制作スタッフとして参加したドラマ『アイノウタ』(’02年)に出演していた佐藤二朗。佐藤は撮影当時21歳だった片山監督に対し、「右も左もわからぬいわゆる“使い走り”だが、発想や発言がおもしろい」という印象を抱いていたという。片山監督は本作を製作するにあたり、佐藤に主演をオファーする手紙を送り、そこに添えられた脚本に惹かれた佐藤は出演を快諾したのだとか。その佐藤が演じるのは、大阪の下町で中学生の娘・楓とふたり平穏に暮らす原田智。ある日、彼は楓に「指名手配中の連続殺人犯を見た。捕まえたら懸賞金の300万円がもらえる」ということを伝える。楓は父のいつもの冗談だと思い相手にしないが、翌朝、智は姿を消す。そこから楓の父捜しが始まり、父の名前で日雇いの仕事をする指名手配中の連続殺人犯・山内照巳とおぼしき姿を見つける…。とにかく見どころの多い作品だ。『岬の兄妹』でも見せた、どこかユーモラスな人間味を漂わせながらも、現代社会の闇と人間の本質をえぐりとるようなドラマを描く片山監督の手腕。おかしみと親しみやすさを感じさせながらも何を考えているかわからない凄みを背負う智役の佐藤二朗。愛する父を捜すために、連続殺人犯かもしれない謎の男に物怖じせず向かっていく楓を演じるのは伊東蒼。『湯を沸かすほどの熱い愛』(’16年)で子役として鮮烈な印象を与え、多くのメディアで2021年の年間ベストに入った傑作映画『空白』やNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』といった作品でどんどん輝きを増している16歳だ。そして、静かな狂気を発する連続殺人犯・山内照巳を演じるのは『渇き。』(’14年)のいじめられっ子役で注目され、近年『東京リベンジャーズ』(’21年)や『おかえりモネ』といった作品で存在感を高めている清水尋也。巧みな脚本、演出、芝居…確固たる才能が集結し、死生観、親子関係、倫理観といった人が生きる上では避けて通れない問題を内包し、登場人物それぞれの正義が交錯しながら物語が進んでいく重層的な映画作品が生まれた。必死で父を捜す楓に警察官が「君はいったい誰を捜しているの?」と問いかけるシーンがあるが、視聴者自身の価値観をも問うような強烈な余韻が残る作品でもある。片山監督はポン・ジュノ監督作品等で韓国の撮影現場を経験したことで「日本の映画監督に足りないのは時間」という持論を抱くようになり、『さがす』はこの規模の作品では異例の約2か月という撮影期間が設けられた。それによりひとつひとつのシーンに多くの時間がかけられ、丁寧な作品作りができたという。そういった日本映画の現状に危機感を持ち、業界全体を底上げし未来に繋げようという気概も『さがす』には宿っている。『さがす』ある日、父は娘に「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と告げて姿を消す。監督・脚本/片山慎三出演/佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也ほか1月21日より全国順次公開。©2022『さがす』製作委員会※『anan』2022年1月26日号より。文・小松香里(by anan編集部)
2022年01月24日京王井の頭線下北沢駅の新高架下施設「ミカン下北」が、2022年3月30日(水)にオープン。街歩きが楽しくなる!高架下施設「ミカン下北」「ミカン下北」は、街歩きが楽しい下北沢の魅力を活かした高架下商業施設。施設内は5つのエリアで構成され、先行して3つのエリアに19店舗が出店。残るエリアは2022年夏にオープン予定だ。小田急電鉄が世田谷代田から東北沢駅までの1.7kmにわたるエリアを「下北線路街」として開発し、京王電鉄はこの路面店が立ち並ぶような高架下商業施設「ミカン下北」によって、下北沢の街を盛り上げる。A街区:TSUTAYA BOOKSTOREから人気居酒屋まで11店舗新オープンとなるショップは、古着・雑貨の店「東洋百貨店」の“別館”、宮崎県の自社工場から仕入れる新鮮若鶏を使用した鶏肉レストラン「ザ・トリフターズ」、栃木の人気クラフトベーカリー「ザ スタンダード ベイカーズ」など。高円寺のベトナム料理店「チョップスティックス」と三軒茶屋で人気を博す居酒屋マルコグループは、商業施設初出店で、新業態店舗をオープン。その他、韓国料理、台湾屋台料理、タイ料理と、様々なジャンルの店舗が軒を連ねる。■人気クラフトベーカリー「ザ スタンダード ベイカーズ」中でもイチオシは、栃木県宇都宮市大谷町に本店を構えるクラフトベーカリー「ザ スタンダード ベイカーズ」。北海道産の小麦やバターを中心に、旬の食材を使った、日常で楽しめるパンからプレミアムなパンまで幅広いメニューを取り揃える。■本格イタリアンダイニング「ピッツェリア 8」本格ピッツァと手打ち生パスタが味わえる「ピッツェリア 8」では、ピザ窯と生パスタ製麺機を店内に併設し、出来立てのおいしいメニューを提供する。ビール、グラスワインは500円以下と手頃な価格設定も魅力的で、家族や友人を誘って出かけてみるのもいいかも。「ピッツェリア 8」のアイコンメニューは、ブッラータチーズを一個丸ごとのせた「王様のブッラータピッツァ」。モチモチ食感のピザ生地は、高温の窯で焼き上げているため、香ばしく、小麦の風味も感じられる。■シェアラウンジ併設の「TSUTAYA BOOKSTORE」さらに注目したいのが、下北沢最大のコミック売場を備える「TSUTAYA BOOKSTORE」。2フロアで展開される同店では、生活実用、ビジネス、アート/デザインなどのジャンルに特に力を入れ、書籍を提案する。下北沢に関連したブランドの雑貨をはじめ、定期的にテーマを変えて、服飾雑貨・生活雑貨などのライフスタイルアイテムも展開する。また、ラウンジの居心地の良さとシェアオフィスの利便性を持ち合わせた「シェアラウジン(SHARELOUNGE)」を併設しているのも「TSUTAYA BOOKSTORE 下北沢」の魅力。利用は、60分~の設定となっており、1日利用、5日分綴りの1デイチケットも販売する。合わせて、個室を利用できる月額プランも展開する。D街区:人気グルメバーガー店舗が出店D街区に出店する、四谷三丁目の人気グルメバーガー店「アイランドバーガー(Island Burgers)」も注目店舗。天然酒種酵母仕込みのバンズでサンドされた牛肉100%パティは、ひとくちかぶりついた瞬間に肉の旨味が感じられるだろう。また、個性豊かな3店舗が集まる「下北ミートスポット(SHIMOKITA MEAT SPOT)」、下北沢の地で30年以上愛されてきた「下北沢ワインショップ・Bar FAIRGROUND」、ラーメン店「楽観」も出店となる。E街区:メガネブランドのゾフ、美容室などE街区には、下北沢発祥のメガネブランド ゾフ(Zoff)のほか、美容室、図書館窓口サービスがオープンする。なお、駅上のスペースには「OHAGI3」が出店し、カラダにやさしい「無添加おはぎ」をはじめ、和スイーツを展開する。下北沢店限定の「ワンハンドわらび餅」は、食べ歩きで気軽に楽しめるのが嬉しい。施設概要ミカン下北開業日:2022年3月30日(水)※B街区は2022年夏開業予定■建物概要<A街区>住所:東京都世田谷区北沢2-11-15店舗一覧:東洋百貨店 別館、PIZZERIA 8、THE STANDARD BAKERS、大衆ビストロハルタ、ダパイダン 105、韓国食堂&韓甘味 ハヌリ、下北六角、チョップスティックス、タイ屋台 999、TSUTAYA BOOKSTORE、SYCL by KEIO■「TSUTAYA BOOKSTORE 下北沢」場所:ミカン下北 2・3FTEL:03‐6778‐4039営業時間:9:00~22:00取扱商品:書籍・コミック・雑誌、雑貨・文具、SHARE LOUNGE(85席)<B街区>住所:東京都世田谷区北沢2-296-1(地名地番)用途:店舗、オフィス、駐輪場店舗数:1店舗<C街区>住所:東京都世田谷区北沢1-38-16用途:駐輪場<D街区>住所:東京都世田谷区北沢2-10-20店舗一覧:SHIMOKITA MEAT SPOT、Island Burgers、下北沢ワインショップ/Bar Fairground、楽観<E街区>住所:東京都世田谷区北沢2-6-4店舗一覧:Zoff、図書館カウンター下北沢、IT by ALBUM<その他>駅上:OHAGI3【問い合わせ先】京王お客さまセンターTEL:042-357-6161(9:00~18:00)
2022年01月24日『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞4冠に輝き、新作を切望されているポン・ジュノ監督が、ワーナーのSF映画で監督、脚本、製作を担当することが決まったという。主演候補にはロバート・パティンソンが挙がっており、現在交渉中とのこと。「The Wrap」などが報じた。タイトル未定の本作は、まもなく出版されるエドワード・アシュトンの小説「Mickey7」が原作で、「アンディ・ウィアーの『火星の人』とブレイク・クラウチの『ダーク・マター』を足して2で割ったような作品」とのこと。死の危険性がある仕事のためにデザインされた、消耗品かつ使い捨てのクローン人間の物語で、主人公は危険な未開の地を開拓するべく調査に派遣されているミッキー7。すでに6回の“死”を経験し、記憶は彼らから引き継がれて“再生”され再び仕事に就くが、ある日ミッキー7は行方不明となり、死んだとみなされる。しかし、ミッキー7は死んでいなかった。彼は基地に生還すると、ミッキー8が仕事をしているのを見て…。ツイッターには「原作小説さえまだ発売されていないのに、すでに楽しみ」「ポン・ジュノ監督とロバート・パティンソンの組み合わせが最高」「ジュノ監督のことは信頼しているからね!」と期待の声が多数寄せられている。(Hiromi Kaku)
2022年01月20日キム・ヘスが主演、『パラサイト 半地下の家族』のイ・ジョンウン、ドラマ「その年、私たちは」に出演中のノ・ジョンイが新人監督パク・チワンとタッグを組んだ『ひかり探して』。この度、3人の女性キャストと女性監督が撮影をふり返るメイキング映像がシネマカフェに到着した。第57回百想芸術大賞で最優秀脚本賞、第42回青龍映画賞で新人監督賞を受賞した本作。今回解禁となった映像では、キム・ヘス、イ・ジョンウン、ノ・ジョンイとパク・チワン監督の4人が、それぞれ撮影時のエピソードを語っている。3人は、それぞれのキャラクターの役作りに関して三者三様に試行錯誤をしたようだ。休職から復帰したばかりの刑事・ヒョンスを演じたキム・ヘスは、「とても疲弊してやつれている必要があったので、私自身も同じようなコンディンションを維持するように努めました」とふり返る。また、過去の事故で声を失った“スンチョンから来た人”を演じたイ・ジョンウンは、「セリフがなくても普段のように感情を伝えられるか」について意識したと語る。そんなイ・ジョンウンに対して、「役者としてとても良い顔をこの映画で見せていた」とキム・ヘスも賛辞を贈る。「監督とはたくさん話しました」と語るのは、複雑な役どころをこなしたノ・ジョンイ。彼女について、パク・チワン監督は「その明暗がとても良かった」と明かす。この4人の女性たちがそれぞれ語るコメントは、島での過酷な撮影当時をふり返る貴重な映像とともに必見となっている。そして、監督は本作について「何の関係のない人の人生も私に影響を及ぼし、その人から与えられた力で明日を生きることができる、そんなパワーが与えられるお話だと思います」と語っている。『ひかり探して』は1月15日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ひかり探して 2022年1月15日よりユーロスペースほか全国にて公開©2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2022年01月07日ドラマ「シグナル」や映画『国家が破産する日』などの韓国を代表するトップ俳優キム・ヘスと、『パラサイト 半地下の家族』をはじめ多数の映画・ドラマに出演する名優イ・ジョンウンが初共演を果たした映画『ひかり探して』の日本版ビジュアルが完成した。本作で長編監督デビューを果たした新鋭パク・チワンは、第57回百想芸術大賞で最優秀脚本賞を受賞。キム・ヘスが離島の絶壁から身を投げた少女の事件を追う刑事ヒョンスに、イ・ジョンウンが“スンチョンからきた人”と呼ばれる声を失った島の住民を演じている。日本版ビジュアルは、ヒョンス(キム・ヘス)と“スンチョンからきた人”(イ・ジョンウン)の涙の跡が残る繊細なまなざしと、どこか温かみを感じる表情が目を惹く印象的なデザインに仕上がった。添えられた「わたしは今日から、人生を始める―」というキャッチコピーからは、未来への一歩を踏み出そうとする彼女たちの強い決意が感じられる。『ひかり探して』は2022年1月15日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ひかり探して 2022年1月15日よりユーロスペースほか全国にて公開©2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2021年11月27日「シグナル」『10人の泥棒たち』など韓国を代表するトップ俳優キム・ヘスと、『パラサイト 半地下の家族』をはじめ多数の映画・ドラマに出演する名優イ・ジョンウンが初共演を果たし、新人監督とタッグを組んだ『The Day I Died: Unclosed Case』(英題)が邦題『ひかり探して』として、2022年1月15日(土)より全国公開されることが決定した。台風が吹き荒れるある日の夜、遺書を残し離島の絶壁からひとりの少女が身を投げた。休職を経て復帰した刑事ヒョンスは、少女の失踪を自殺として事務処理するため島に向かい、少女の保護を担当した元刑事、連絡が途絶えた少女の家族、少女を最後に目撃した聾唖の女らを通じて、少女がとある犯罪事件の重要参考人だった事実を知る。捜査を進めていくにつれ、自身の境遇と似ている少女の人生に感情移入した彼女は、上司の制止を振り切って捜査に深入りしていく。監督・脚本は、新鋭監督パク・チワン。監督が長い時間を掛けて書き上げた繊細なオリジナル脚本である本作は、キム・ヘスやイ・ジョンウンをはじめとする多くの映画人たちの賛同を得て、シナリオ初稿から8年を経過して完成。長編デビュー作品にして、韓国のゴールデン・グローブ賞と呼ばれる第57回百想芸術大賞で<映画部門最優秀脚本賞>に輝くなど、高い評価を得た。「人と人との関わりが、生きる希望となる物語を描きたかった」と語るパク・チワン監督は、まさに将来を嘱望される映画監督のひとりである。刑事ヒョンスを演じたキム・ヘスは、「いくつかのシナリオの中でまるで映画のように『私が死んだ日(原題)』の題名が目に焼き付いた。ジャンルが何なのか、どんな役なのかを知る前に、私はこの映画への出演が運命のように感じた」と出演理由を語った通り、ヒョンスという人物と同化し、体現してみせた。また過去に不慮の事故で声を失った事件の目撃者役は、『パラサイト 半地下の家族』の家政婦役で多数の助演女優賞に輝いた名バイプレーヤーのイ・ジョンウンが演じ、物語に厚みを持たせている。逆境や絶望の淵で、それぞれの生きるための選択について描いた物語。厳しい現実に立ち向かう全ての人に勇気と希望の光を指し示す、新たなヒューマンドラマが誕生した。『ひかり探して』は、2022年1月15日(土)よりユーロスペースほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ひかり探して 2022年1月15日よりユーロスペースほか全国にて公開©2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2021年11月04日『パラサイト』の衝撃からの反動など多種多様。世界的ヒットや新しい才能の台頭など、ますます目が離せない“韓国映画”の世界とは?現時点で韓国の最もエポックメイキングな映画といえば、昨年アジア映画史上初のアカデミー作品賞受賞など数々の金字塔を打ち立てた『パラサイト 半地下の家族』。「そのポン・ジュノ監督が、『パラサイト』に多大な影響をもたらしたと公言しているのが、’60年公開の『下女』。今年『ミナリ』でアカデミー助演女優賞を受賞したユン・ヨジョンが受賞スピーチの際、故キム・ギヨン監督へメッセージを送ったことからも、今日の韓国映画の礎となる重要な作品といえるでしょう」(日本映画大学学部長・石坂健治さん)そして、韓国映画が爆発的な飛躍を遂げるのは’90年代終盤から。「国策として映画産業支援が始まったことが大きい。以降、多くの名作が生まれていますが、韓国映画の特徴といえば、ロマンスにしても暴力描写にしてもとにかく過剰なところ。ただ、最近は淡々とした映画を撮る監督にも秀作が豊富など多士済々です」(石坂さん)そんななか才能豊かな女性監督の存在も目立ってきているという。「自身の実感を登場人物に重ねて繊細に描く監督が増えています。『はちどり』や『チャンシルさんには福が多いね』がまさにそんな作品」(ライター・西森路代さん)一方、『パラサイト』のような社会派の反動からか、コミカルなアクションにもヒット作が続々と。「『エクストリーム・ジョブ』が歴代興収1位を記録するなどユルい空気も楽しいエンタメが人気に。この傾向が続きましたが、『ガール・コップス』はフェミニズムの視点も入った進化系」(西森さん)また、韓国はコミック原作のドラマが多いが、そのムーブメントは映画にも及んでいるという。「実写はもちろん、『整形水』のようにコミックがアニメ化されるケースもあります。いずれにしてもクオリティが高い」(映画評論家・くれい響さん)韓国映画の新潮流1:女性監督の目覚ましい活躍『はちどり』(2018年)監督のキム・ボラは、今作で長編デビュー。’94年のソウルを舞台に、14歳の少女の、自分が女性であるがゆえの生きづらさや、それを覆したいという思いなど、揺れ動く気持ちを静かな映像の中に映し出す。「’94年の聖水大橋の崩落事故なども描いていることで、経済的な成長が急がれていた時代を振り返り、その時に主人公の少女がどう感じていたのかが伝わってきます」(西森さん)©2018 EPIPHANY FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.Blu‐ray&DVD発売中発売元:アニモプロデュース販売元:TCエンタテインメント提供:アニモプロデュース、朝日新聞社デジタル配信中『チャンシルさんには福が多いね』(2019年)長年、ホン・サンス監督のもとでプロデューサーとして働いていたキム・チョヒの初監督作。主人公は映画プロデューサーのチャンシルで、長年、仕事をしてきた監督が急逝し、失業してしまい…とキム・チョヒ自身の投影も感じさせる物語。「飄々とした空気の作品ですが、主人公の状況は他人事ではない。大きなことは起こらないけれど何もないわけではない、そんな作品です」(西森さん)2019 Copyright ©KIM Cho-hee All RIGHTS RESERVED / ReallyLikeFilmsBlu‐ray&DVD発売中発売元:リアリーライクフィルムズ販売元:オデッサ・エンタテインメントデジタル配信中韓国映画の新潮流2:漫画と併せて楽しめる作品も続々『整形水』(2020年)韓国の「WEBTOON」発、日本では「LINEマンガ」で独占配信中のオムニバス作品『奇々怪々』の中の「整形水」をアニメ映画化。顔を浸すと思い通りの容姿になれる“整形水”を手にした女性の末路とは。「韓国に根強いルッキズムを、おどろおどろしく描いた作品。美しくなりたい気持ちは誰しもあって不思議はないので、興味がある人は多いと思います」(くれいさん)©2020 SS Animent Inc. & Studio Animal &SBA. All rights reserved.全国順次公開中配給:トムス・エンタテインメント/エスピーオー韓国映画の新潮流3:コミカルな爽快アクションがヒット!『エクストリーム・ジョブ』(2019年)麻薬捜査班のいわば落ちこぼれ組が、犯罪組織のアジトを監視するために、向かいのフライドチキン店を買い取り、フェイクで商売をスタート。それがうっかり大繁盛してしまい…。「これまでのアクションは力強いヒーローが巨悪に立ち向かうというものが多かったのですが、この映画は、登場人物全員が脱力系で、派手じゃないけどクセになる。その後、同じ系譜の作品がブームに」(西森さん)©2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVEDBlu‐ray&DVD発売中発売元:クロックワークス販売元:TCエンタテインメントデジタル配信中『ガール・コップス』(2019年)警察署の同じ課で働くことになった義理の姉妹で刑事のミヨンとジヘ。ソリが合わない二人は家でも職場でも衝突するが、ある女性のネットでの性的被害を捜査することになり…。「嫁と小姑の落ちこぼれ刑事が喧嘩しながらも敵に立ち向かうコミカルなバディもの。同時に、韓国で実際に起こった事件を彷彿とさせるフェミニズム映画でもあります。セリフにグッときました」(西森さん)©2019 CJ ENM CORPORATION, FILM MOMENTUM ALL RIGHTS RESERVEDBlu‐ray&DVD発売中発売・販売元:ギャガデジタル配信中石坂健治さん日本映画大学学部長。東京国際映画祭「アジアの未来」部門シニア・プログラマー。専門はアジア映画史、日本ドキュメンタリー映画史。西森路代さんライター。韓国などアジア作品について執筆。ハン・トンヒョンさんとの共著『韓国映画・ドラマ―わたしたちのおしゃべりの記録2014~2020』(駒草出版)。くれい響さん映画評論家、ライター。映画誌、情報誌などさまざまな媒体での執筆や、『少年の君』『唐人街探偵 東京MISSION』といったアジア映画のパンフへの寄稿も多数。※『anan』2021年10月20日号より。取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2021年10月17日冷蔵庫やベッドといった、大きな家具の下を掃除するのは難しいと感じませんか。普段、視界に入らない場所なだけに、汚れていても気にしないですよね。ですがほこりが溜まると、家具を動かした時などに舞ったり、床が汚れたりすることが考えられます。ほこりの中には、ダニといった虫の死骸が入っていることもあるため、きれいにしておきたいところ。筆者の場合、ベッド下にほこりが溜まっていました。引き出し付きで、収納ができるベッドなだけに、ものの出し入れで汚れが付着していたのです。思えば入居してから9か月、一度も掃除していませんでした。奥に行くにつれて、ほこりが落ちているのが分かりますね。掃除機も届かず、「どうすれば掃除できるのか…」と思っていたところ、見つけたのがホームセンターの『カインズ』で売られている『奥まで届くすき間ワイパー』でした。必要な長さに応じて取り外しができるワイパーに、シートを押し込んで使います。このワイパーは柔軟性に優れているといい、家具の下にも届きやすいとか。なんと、最大で138cm伸びるといいます。実際に、ベッド下にワイパーを潜らせてみると…。折れることなく、奥までワイパーは届いています!横にスライドさせ、ベッド下を拭くことができました。掃除後の様子が、こちらです。ベッド下に落ちていた、ほこりがなくなりましたね!シートを見ると、目で確認できるほどのほこりが付着していました。ただ、シートをしっかりとはめ込んでも、奥から戻す時に外れやすくなったので、そこは注意したいポイントといえるでしょう。値段は税込み980円。備え付きのシート5枚がなくなったら、『クイックルワイパー』などで使われているシートを取り付けることができます。ワイパーさえあれば、シートがなくなっても困ることはなさそうですね。Twitterでは、「薄い隙間でも、簡単に入るので便利」といった声が上がっていました。掃除しづらいと思っていた家具の下。たまにはしてみると、部屋も気分もすっきりするでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年09月27日玄関を開けると焼き菓子店「玄関先にお店をつくるという条件を先に決めて設計に取りかかりました」と話すのは村上譲さん。村上さんは建築家で、お店というのは妻の祥子さんが切り盛りする焼き菓子のお店だ。「妻が焼き菓子をつくって自然食品屋さんに卸したりしていたんですが、お菓子をつくって売る場所がほしいということでまずはそれをつくることが最初に決まりました」。旗竿地で、東側には広い駐車場があって開けているけれどもいつ建物が建つかわからない。この敷地条件のもと、お店をつくるほかには、外に開いていく設計ではなく、家の中でいかに快適に過ごせるかかがまずは設計のテーマになったという。村上邸は旗竿地に立つ。右の玄関戸の正面に焼き菓子のお店を設けた。半地下の大空間家の中に入ってすぐ正面につくられた焼き菓子のお店の前を進むと住宅には珍しいといっていい大きな空間が現れる。将来的に焼き菓子店の延長で客席を設けカフェのような空間にすることも考えてつくったというこの半地下の空間は「セミパブリックのような感じで人が入って来られるような状況をつくりたかった」という。天井までの高さが3.5mで面積は32㎡ほど。気積の大きな空間にしたかったが、ふつうにつくったら家自体のボリュームが周囲より大きくなってしまうので、そうならないよう80cmほどフロアレベルを下げて半地下空間にしたのだという。「敷地が旗竿地ということもあり、できるだけ窓を取りたかったのですが、周囲と同じレベルで窓を開けると外部からの視線が気になるので、半地下にすることで視線をずらし居心地を損なわないことを意図しました」手前のフロアよりも80㎝低い半地下空間。現在は村上家のLDKとして使われているが、将来的には外部に開放してセミパブリックな空間にすることも考えているという。壁は漆喰仕上げ。漆喰には川砂とすさをまぜている。半地下の空間から見る。左奥に玄関と焼き菓子店、中央奥が水回り関係、キッチン奥にはパントリーがある。落ち着き感と安心感この半地下空間は「フロアレベルを少し下げることで洞窟にこもっている感じをつくろう」とも意図したというが、これがまた空間に落ち着き感をもたらしている。この空気感をつくり出すのにはさらに木を多用しつつ材のスケールに少し余裕をもたせていることも作用しているようだ。「この家では設計で線を細くしてくような作業はしていません。家具や開口の枠周りなどもスギの無垢材で30㎜程度であえて太めにつくっています」。さらに「材をぎりぎりまで細くして緊張感をつくるというよりは安心感をつくりたかったというのはあったかもしれない」とも。天井のスギ板は厚さが36㎜で梁せいは240㎜あるという。こうした設計上の選択も無意識の裡に安心感のようなものを空間にいる人間にもたらすのだろう。開口部は東側に設けた。トップライトから落ちる光が大きな壁面を照らしている。キッチンの横幅は4.3mと広め。娘さんたちとともに料理をするためのほか、いずれ料理教室を開くことなども想定してのものという。天板と壁はモールテックス。ロフト部分は昔の民家を思わせるような懐かしさを感じる。スケルトンにして家のつくりを見せる2階の柱梁のグリッド構成をもとにしたシンプルなつくりは家族の成長の具合に応じられるよう可変性を考えてのものという。仕切りには障子を採用したが「この昔からの日本の様式はすごくいいなと思っていたので、あえて壁を立てずに障子だけで仕切ることで、空間を大きくしたり小さくしたり調整しながら生活ができる」という。「それとこれは家全体の話になりますが、成り立ちというか、どうやって家が出来ているかをこの家を訪れてくれた方に、ぱっと目で見てわかりかつ容易に説明ができるようにしたいという思いもあって、できるだけ木造のスケルトンのような状態にしています。また、この家をつくってくれた棟梁は飯能で修業時代を過ごし西川材に縁があるため、スギの無垢材はすべて飯能の西川材を使用しています。そういった“ものづくり”のストーリーも大切にしたいと考えています」東側に設けた階段部分が吹き抜けになっている。トップライトから落ちる光が壁にさまざまな表情をつくり出す。2階はシンプルなグリッド構成でつくられている。左の障子の奥が書斎で右が寝室。左の大きなスピーカーは実家のご両親がマンション住まいになる際に引き取ったタンノイというイギリスのメーカーのもの。寝室の横に設けられた書斎的スペース。東側の壁をトップライトからの光が明るく照らす。お菓子の陳列に一工夫祥子さんが切り盛りしているのはmalcoと名付けた焼き菓子店。扱っているのはスコーンやクッキーなどの日持ちのする焼き菓子がメインで、卵、乳製品や白い砂糖を使わずアレルギーにも対応したもの。今では全国から注文が来ているという。スペースが限られていて平棚などにお菓子を並べて置くことが難しいため、譲さんには「本屋さんで本を立てかけて陳列させているような感じでお菓子を並べていきたい」とリクエストしたという。玄関のガラス戸を開けると正面が焼き菓子店のスペース。場所をコンパクトにおさめるため商品の焼き菓子は桟の上に本のように立てかけて並べている。景色がいいこの家に移り住んでから2年ほど。祥子さんは半地下の空間の東側に設けられた窓が気に入っているという。「わたしはこの窓が一番好きで、床に座ると視線が気持ちよく空まで抜けていくんです。電線も目に入らないし大きい建物もなくて隣の駐車場のところに人がいても視線が合わないのでカーテンがなくてもそんなに外が気にならない。あと家の中にいながら天気や明るさの変化が感じられるというのもすごくいいなと思っています」祥子さんはこの開口部から外を眺めるのが好きという。譲さんは階段を上がりながら1階の景色が変わっていく感じが気に入っているという。譲さんは半地下のダイニングテーブルに座っていることが多いという。「最近は家で仕事をすることが多くて、2階の書斎で子どもと並んで作業をしたりすることもあるんですが、夜、家族が寝てからはこちらのほうが落ち着くのでこの場所にいる時間が長いですね」さらに「この場所の景色がいい」「目のやり場がたくさんある」とも。住宅ながら空間を“見渡せる”ようにゆったりとしたスペースは天井も高く上を向いてもすぐに視線がぶつかることもない。こうしたことが落ち着くだけでなく、飽きることなく長い時間過ごすことを可能にしているのではないか――そう思えた。村上家は夫婦と娘さん3人の5人家族。床は当初モルタル仕上げだったが、お子さんが生まれた際にカーペットを敷いたという。大きな空間を半地下につくったため、周囲の2階建ての住宅と比べても屋根は高くない。グレーの部分がトップライトになっていて吹き抜けから半地下空間へと光を供給する。村上邸設計Buttondesign所在地東京都中野区構造木造規模地上2階延床面積99.2㎡
2021年09月06日ドラマやグルメ、アイドルグループなど韓国ブームの勢いが止まらない。映画の分野でも『パラサイト 半地下の家族』以降、ますます韓国映画への注目が高まっている。そんな中で、韓国における軍事独裁と民主主義を求める者たちの闘いを描いた映画にはヒット作が多く、史実をベースにした重厚なサスペンス要素と韓国ならではの人情溢れるキャラクターが混じり合い、傑作が多く誕生している。そこで今回は、韓国国内でも大ヒットを記録したお墨付きの韓国現代史をテーマにしたおすすめ3作品を紹介する。『KCIA南山の部長たち』2021年日本公開実際にあったパク・チョンヒ大統領殺害の事件を、イ・ビョンホン主演で映画化したサスペンス。1979年10月26日、大韓民国大統領直属の諜報機関である中央情報部(通称:KCIA)部長キム・ギュピョン(イ・ビョンホン)が大統領を射殺した。大統領に次ぐ強大な権力と情報を握っていたともいわれるKCIAのトップがなぜーー?さかのぼること40日前、KCIA元部長パク・ヨンガク(クァク・ドウォン)が亡命先であるアメリカの下院議会聴聞会で韓国大統領(イ・ソンミン)の腐敗を告発する証言を行った。さらには回顧録を執筆中だともいう。激怒した大統領に事態の収拾を命じられたキム部長は、アメリカに渡り、かつての友人でもある裏切り者ヨンガクに接触する。それが、やがて自らの運命をも狂わせる哀しき暗闘の幕開けとも知らず…。『タクシー運転手 約束は海を越えて』2018年日本公開1980年5月の光州事件を題材にした、ソン・ガンホ主演の2017年韓国No.1大ヒット作。タクシー運転手のマンソプは外国人客を乗せて光州へと向かった。通行禁止になる前に現地に入れば、滞納している家賃を返せる金額10万ウォンを支払うという言葉につられ、マンソプはドイツ人記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま一路、光州を目指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの言葉に耳を貸さず、ピーターは大学生のジェシクとファン運転手の助けを借り撮影を始める。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは留守番させている娘が気になりはじめる…。『偽りの隣人 ある諜報員の告白』9月17日(金)公開日本でも大ヒットした『7番房の奇跡』のイ・ファンギョン監督による最新作。1985年、国家による弾圧が激しさを増す中、次期大統領選に出馬するため帰国した野党政治家イ・ウィシク(オ・ダルス)は空港に到着するなり国家安全政策部により逮捕され、自宅軟禁を余儀なくされた。諜報機関はウィシクを監視するため、当時左遷されていたユ・デグォン(チョン・ウ)を監視チームのリーダーに抜擢。デグォンはウィシクの隣家に住み込み、24時間体制の監視任務に就くことになった。機密情報を入手するため盗聴器を仕掛けたデグォンだったが、家族を愛し、国民の平和と平等を真に願うウィシクの声を聞き続けるうちに、上層部に疑問を持ち始める。そんな矢先、ウィシクとその家族に命の危険が迫り…。こうした映画やエンタメから韓国現代史により親しんでみては?(text:cinemacafe.net)■関連作品:タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜 2018年4月21日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2017 SHOWBOX AND THE LAMP. ALL RIGHTS RESERVED.KCIA 南山の部長たち 2021年1月22日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2020 SHOWBOX, HIVE MEDIA CORP AND GEMSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.偽りの隣人ある諜報員の告白 2021年9月17日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2020 LittleBig Pictures All Rights Reserved.
2021年08月30日『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督から、2020年代に注目すべき監督20人のひとりに選出された女性監督の『セイント・モード/狂信』と、第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、クィア獅子賞を受賞した『ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明け』が、10月6日(水)よりデジタル配信されることになった。『セイント・モード/狂信』監督・脚本は、本作が長編映画監督デビュー作となるローズ・グラス。第41回ロンドン映画批評家協会賞では、『ノマドランド』と並ぶ3部門、英国/アイルランド作品賞、英国/アイルランド女優賞(モーフィッド・クラーク)、ブレイクスルー英国/アイルランド映画作家賞(ローズ・グラス)に輝いた。ストーリー住み込み看護師のモード(モーフィッド・クラーク)は、病に侵され独り豪邸に暮らす有名ダンサーのアマンダ(ジェニファー・イーリー)を看護することになる。アマンダは病状の悪化を紛らわせてくれる信心深いモードに興味を惹かれ、モードもまたアマンダの魂の救済にのめり込んでいく。しかし、モードは過去に、神のお告げを信じ問題を起こしたという秘密を隠していた。やがてモードは、自分がアマンダの元に派遣されたのは神の意志を全うするためだと確信する。現実からの乖離に歯止めが効かなくなった彼女の看護は、手段を選ばない危険な“手当て”と化していく――。『ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明け』ジム・シェパードの同名短編小説を映画化。第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門ほか、サンダンス映画祭2021にも出品された。監督はノルウェー出身の女優で脚本家のモナ・ファストヴォールド。恋に落ちる農家の妻たちを『ファンタスティック・ビースト』シリーズのキャサリン・ウォーターストン、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』『ミッション:インポッシブル』シリーズのヴァネッサ・カービーが演じた。ストーリー19世紀半ばのアメリカ北東部。農家の妻であるアビゲイル(キャサリン・ウォーターストン)は、娘を病で失った深い悲しみに暮れながら寡黙な夫ダイアーの要求に応えようと気を配っていた。新しい隣人としてアビゲイルの前に現れたタリー(ヴァネッサ・カービー)もまた、嫉妬深い夫フィニーの支配に苛立っていた。アビゲイルとタリーは強烈に惹かれ合い、強い絆で結ばれることで解放され、これまで気づいてもいなかった空虚さが満たされていくのだった――。『セイント・モード/狂信』『ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明け』は10月6日(水)より各サービスにて配信開始。(text:cinemacafe.net)
2021年07月27日昨年は韓国映画『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞4部門受賞、今年は『ノマドランド』のクロエ・ジャオがアカデミー賞で監督賞、『ミナリ』のユン・ヨジョンが助演女優賞を受賞するなど、近年、アジア系映画人の活躍が注目されている。とはいえ、南カリフォルニア大学のアネンバーグ・インクルージョン・イニシアティヴの調べによると、2007年から2019年までのハリウッドの上位興収1300作品において、セリフを与えられているアジア人あるいは太平洋諸島またはハワイの血を引く俳優(以下、API俳優)は、ほかの人種・民族と比べて6パーセント未満であったという驚きの結果が明らかになっている。1300の作品で51159人のキャラクター中、“しゃべる”API俳優はたったの3034人で、5.9パーセントだったという。API俳優が主演、または共同主演した作品は、より少ないことが明らかに。1300作品で白人の男性俳優が主演または共同主演した作品が336作品なのに対し、わずか44作品(3.4パーセント)しかなかったのだ。44作品のなかで、主演または共同主演として活躍したAPI俳優は、ドウェイン・ジョンソン、キアヌ・リーヴス、ジョン・チョー、コンスタンス・ウー、ヘイリー・スタインフェルド。さらに、API俳優は悪役または端役にキャスティングされがちで、ハリウッドではAPIに対して害のあるステレオタイプが横行し続けていることが数字によって証明された。(Hiromi Kaku)
2021年05月19日『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞、カンヌ国際映画祭のパルムドールなど数々の賞を受賞したポン・ジュノ監督が、「人間と深海の生き物」をテーマとした韓国のフルCGアニメ映画に着手しているという。「IndieWire」などが報じた。ポン監督はこのアニメ映画の脚本を2018年から韓国の「4th Creative Party」とともに手掛けており、脚本は今年1月に完成したとのこと。同社はVFXの製作会社で、ポン監督の『母なる証明』『オクジャ』『スノーピアサー』にも携わってきた。アニメ映画とは別に、ポン監督は英語で製作される映画の脚本も執筆しており、『パラサイト 半地下の家族』から初めてメガホンを取る作品はアニメ映画よりこちらが先になるようだ。これら以外にも、米HBOでドラマ化される『パラサイト 半地下の家族』を『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『バイス』などのアダム・マッケイとタッグを組んで製作し、自身がプロデューサーと脚本を務めた韓国映画『海にかかる霧』をハリウッドでリメイクすることも決定しており、多忙を極めている。さらに、ポン監督は今年8月から9月に開催されるヴェネチア国際映画祭の審査員長を務めることが決定している。(Hiromi Kaku)
2021年05月14日2020年に大ヒットし、アカデミー賞で4部門を獲得した『パラサイト 半地下の家族』。家族ドラマでありながら強烈な風刺や演出で話題になりました。同作のように『家族』をテーマにしながら、物語に『ひねり』を加えた『異色の家族映画』をご紹介します。お化け屋敷にロボットバトル そこから垣間見える親子の絆アダムス・ファミリーまずは、1991年公開のファンタジックコメディ映画『アダムス・ファミリー』です。カートゥーン作家のチャールズ・アダムスの同名漫画を原作とした映画で、1993年には続編も公開されました。2020年9月にはCGアニメ映画版も公開されるなど、世界的に長らく愛されてきた作品です。■あらすじ街のはずれにある豪華だが不気味な屋敷。そこに住むアダムス・ファミリーの弁護士を務めるタリーは借金まみれ。高利貸しのアビゲイルと手を組んで一家の財産を狙っていました。アビゲイルは、一家の主人・ゴメスの兄で行方不明のフェスターにそっくりな自身の息子を一家にけしかけますが…。世間では変人と揶揄(やゆ)されるほどに個性的なアダムス家。しかし、互いに家族を思いやる絆は本物です。一家を貶めようとする世間の陰謀に、一致団結して立ち向かう姿から「自分たちを理解して受け入れてくれる家族」のありがたさを実感できることでしょう。グッバイ、レーニン!次は、日本で2004年に公開された、ドイツのコメディ映画『グッバイ、レーニン!』です。本作は、ドイツで社会現象ともなる大ヒットを記録したほか、世界中でも無数の映画賞を受賞したコメディ作。1989年のベルリンの壁崩壊をモチーフに東西の格差をおかしく、時に切なく描き出しました。■あらすじ舞台は、社会主義世界の東ドイツ。青年アレックスは、心臓発作で昏睡し、ベルリンの壁崩壊を含む8か月間眠っていた熱烈な社会主義者の母のため、仲間たちとともに「東ドイツは崩壊していない」と思わせる壮大なウソをつき続ける決心をするのでした…。父が西ドイツに出て行ってしまったことが母の社会主義への熱狂の原因と知っていたアレックス。だからこそアレックスは、愛ゆえに母のプライドを守るためのウソをつき続けます。笑えるコメディの根底には「母をこれ以上傷付けたくない」という深い家族愛が垣間見えるはずです。ラブリーボーン次は、日本で2010年に公開された、ファンタジーサスペンス映画『ラブリーボーン』です。本作は、主演に当時15歳の女優シアーシャ・ローナンを迎え、映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで知られるピーター・ジャクソンがメガホンを取りました。■あらすじ恋に勉強と、まさに青春時代に足を踏み入れたばかりの14歳の少女・スーザンは、ある日無残にも何者かに殺されてしまいます。残された家族が悲しみに暮れる中、この世にとどまったスーザンは、犯人特定に燃える父・ジャックの手助けを決意するのでしたが…。犯人探しのミステリーかと思いきや、同作の本当のテーマは『家族を失った後、どう歩んでいくか』ということのように思えます。美しく純粋な『過去の亡霊』であるスーザンとの別れは、観客にとっても劇中の家族にとってもつらいもの。しかし、それこそが先を歩んでいくためには必要なのだ…と、見終わった後にそっと背中を押してくれるような感動作です。リアル・スティール次は、2011年公開のSF映画『リアル・スティール』です。主演に映画『X-メン』シリーズのウルヴァリン役で知られるヒュー・ジャックマンを迎えた本作。共演は当時11歳だった子役のダコタ・ゴヨです。■あらすじ遠隔操作で戦う『ロボットボクシング』が大流行している架空の世界。流行の陰で職を失った元・ボクサーの主人公チャーリーは、別れて暮らしていた11歳の息子マックスをひょんなことから預かることになります。道中見つけた廃ロボット『ATOM』とともに、ロボットボクシングの世界で一攫千金を夢みるのですが…。目を見張るロボットボクシングの痛快さは、まさに往年の名作映画『ロッキー』を彷彿とさせます。しかし、本作には『ないも同然だった父と子の絆の再構築』がテーマにあります。親権問題ゆえに一緒には暮らせない…しかし、旅した思い出の集大成である決勝戦は息子とともに出場したいと懇願するチャーリー。ラストの決戦は涙なくしては見れません。search サーチ最後は、2018年公開、謎が謎を呼ぶ新感覚サスペンス映画の『search サーチ』をご紹介します。物語がすべて『パソコンの画面上』の映像として進んでいくという、驚きの演出が魅力の本作。FacebookやInstagram、Twitterといった、ネットの世界を駆け巡りながら、緊迫のミステリーが展開されます。■あらすじ母を病気で亡くした16歳の女子高生マーゴットとその父デビット。どこかぎこちなく暮らしていた2人の生活は、マーゴットの突然の失踪によって一変してしまいます。娘の無事を信じるデビットは、利用していたネット上の痕跡をたどる中で、知らなかった娘の側面を知ることになり…。娘の失踪の原因はなんなのか…不安にさいなまれる父の心境にシンクロしてしまう展開も魅力な本作。一方で、すれ違いを起こしていた親子関係と、それでも娘を信じ続ける父の想いも濃厚に描かれていきます。ラストで父が娘に向けて送るメッセージには、思わず泣かされてしまうはずです。ありふれた日常を描いた王道の家族をテーマにした作品もいいですが、たまにはこうした、ひねりのある環境で輝く『家族関係』というのも魅力的ですよ![文・構成/grape編集部]
2021年04月30日世界各国の映画祭で観客賞を受賞しながら、「『パラサイト 半地下の家族』に続きアカデミー賞で波乱を起こす作品」と海外メディアから評された映画『ミナリ』。本年度の第93回アカデミー賞でも作品賞、監督賞ほか6部門にノミネート。主演のスティーヴン・ユァンもアジア系アメリカ人として初めて主演俳優賞にノミネートされた。ユァンといえば、海外ドラマファンでなくともその名は知る、大人気サバイバル・ヒューマンドラマ「ウォーキング・デッド」のグレン・リー役でお馴染み。大出世作となったこの「ウォーキング・デッド」を含め、製作総指揮も務めた『ミナリ』までの彼の軌跡に追った。コメディ&音楽のセンスも抜群!スティーヴン・ユァンの魅力1983年12月21日、韓国ソウル生まれ。幼少時にカナダをへてアメリカに移住し、ミシガン州トロイで育つ。「ウォーキング・デッド」においても、グレンが“ミシガン出身で韓国からの移民”と話すシーンがあり、自身の境遇が生かされている。心理学を学んでいた大学在学中から演技に目覚め、卒業後はシカゴでアジア系アメリカ人で構成されるスケッチ・コメディグループ「シチュー・フライデー・ナイト」に参加。また、ビル・マーレイやスティーブ・カレル、マシ・オカらを輩出した即興コメディ劇団の名門「セカンド・シティ」のメンバーでもあった。短編映画やコメディ映画『My Name Is Jerry』(原題/09)などに出演し、人気ドラマシリーズ「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」シーズン3にシェルドンの元ルームメイト役でゲスト出演、1シーンながらもコメディ俳優としての才覚を発揮する。そして2009年に受けたオーディションで、AMCの「ウォーキング・デッド」(10~)の主要キャラクター、グレン役を見事に掴むと、シーズン1からシーズン7第1話まで同役を演じた。ドラマは日本をはじめ世界的人気を博し、彼も一躍ブレイク。アメリカのTVシリーズで最も成功したアジア系俳優のひとりとなった。走り回ったり、大声で叫んだり、何かと体力を消耗する撮影にはボクシングで鍛えて臨んでいたとか。2016年12月に写真家ジョアンナ・パクと結婚、現在は2児の父でもある。また、声優の仕事にも定評があり、ロボットアニメシリーズ「ヴォルトロン」をはじめ、「ファイナル・スペース」、映画『ザ・スターはじめてのクリスマス』、ギレルモ・デル・トロ監督の「トロールハンターズ」「ミッシング・スリー」「ウィザード」の“アルカディア物語”など多数の作品で活躍する。確かにユァンの深みのある低めの声質は、聞いていて心地よい。「ウォーキング・デッド」シーズン2ではグレンが「誰かギターを弾ける?」と尋ねるシーンがあったが、実は彼こそギターの達人で美しい歌声の持ち主。しかも、2016年にはJ.Y.Parkことパク・ジニョンの「Fire」MVにアメリカの人気司会者コナン・オブライエン、「TWICE」「Wonder Girls」と参加したことも。K-POPアイドル風メイクでキレキレに踊る姿も必見だ。映画では『アイ・オリジンズ』(14)や『ホワイト・ボイス』(18)ほか、ポン・ジュノ監督『Okja/オクジャ』、イ・チャンドン監督『バーニング 劇場版』と母国・韓国を代表するアイコニックな監督の作品に相次いで出演、“「ウォーキング・デッド」のアジア人”だけじゃない魅力をスクリーンで見せつけた。主演の短編映画『頑固者』(18)はショートショートフィルムフェスティバル &アジアでも日本に紹介されている。2019年には『ゲット・アウト』『アス』のジョーダン・ピールによる「トワイライト・ゾーン」リブートや、YouTube Premiumのシュールなコメディ・アンソロジー「ウィアード・シティ」にも参加。次回作は『ミナリ』の「A24」製作、トニー賞受賞舞台をエイミー・シューマーで映画化した『The Humans』(原題)で、ジェイン・ハウディシェルやリチャード・ジェンキンスといったベテラン、『ブックスマート卒業前夜のパーティーデビュー』のビーニー・フェルドスタインらと共演。さらに「トロールハンターズ」の新作ほか、ジョーダン・ピールが手がけるダニエル・カルーヤ共演のホラーなども待機する。「ウォーキング・デッド」で愛された“グレン”“ウォーカー”が大量発生した終末世界で、キャップを被った元ピザ配達の青年はいつしか銃を携え、愛する妻や仲間を命がけで守るたくましい青年へと見事な成長を遂げた。ミショーン役ダナイ・グリラを筆頭に、アフリカ系やヒスパニック系ほか、女性キャラクターも数多く登場し活躍する作品ではあるが、アジア系俳優のユァンが期待された以上の役割を演じたことに誰も異論はないはず。極限サバイバルでの人間関係も色濃く描かれた本作で、彼が演じたグレンは視聴者が心を寄せた屈指の人気キャラクターだ。シーズン序盤のグレンは、気弱なところはあるが生きるために必死。俊敏で機転が利き、偵察や物資調達の名人。仲間思いで誠実、決して嘘がつけない男。当初ダリル(ノーマン・リーダス)に中国人と間違えられるも、「韓国だ」とはっきり言うシーンもあった。人気キャラクターとなったゆえの宿命か(!?)、幾度も幾度も絶対絶命のピンチに遭遇しながら“絶対に生き抜く”という覚悟で乗り越えてきたグレン。シーズンを重ねるごとに、リーダー格の保安官リック(アンドリュー・リンカーン)が終末世界での大混乱に際して倫理観が揺らぎ、生きた人間を殺めることにも躊躇しなくなっていくのとは対照的に、グレンの変わらぬ善意に溢れた人間性はより強い印象を放っていった。シーズン2で出会い、シーズン3で夫婦となったマギー(ローレン・コーハン)から、グレンは“賢くて頼りがいのある”男性であり、囮や偵察に使われるなんて「軽視されている」と指摘されるシーンも印象的。さらに、マギーとともに捕虜になったとき初めて感情を爆発させ、ウォーカーを倒すシーンや、離ればなれになったマギーを探しにいく際の黒ずくめの防御服を着た姿などもグレンを語る上では外せない。必要とされれば、やるしかない。とにかく、前に進むしかない。そんな彼の生き様は観る者を高揚させたが、あまりにも衝撃的すぎる最期には世界中のファンが騒然となり、日本でも追悼特別映像が作られたほど。愛する者のために力強く成長していく姿を見せてきたグレン(と彼の精神)が理不尽な暴力に倒れたことは、現実の不寛容な世界を暗示しているようでもある。そして時を経て、映画『ミナリ』ではアメリカン・ドリームが打ち砕かれる恐怖を家族にも見せまいとする、理想の父親像や“男らしさ”に囚われすぎた役どころを演じている点も見逃せない。ポン・ジュノ監督×プランBとタッグ『Okja/オクジャ』(2017)ブラッド・ピットの製作会社「プランB」とポン・ジュノ監督が組んだNetflixオリジナル映画。多国籍企業のスーパーピッグ計画により誕生した“オクジャ”は、韓国の山村で少女ミジャ(アン・ソヒョン)とともに立派に育ったが、やがてアメリカへ連れていかれることに。そこへオクジャを救い、ミジャに手を貸す活動家ジェイ(ポール・ダノ)率いるALF(動物解放戦線)が現れる。ユァンが演じたのは、ALFメンバーの韓国系アメリカ人でミジャへの通訳を任されるケイ。だが、彼がジェイの言葉を正しくミジャに伝えなかったことから、さらなる悲劇がミジャとオクジャに降りかかる――。昨年度の各映画賞でポン・ジュノ監督が何度も口にしていた、「英語を習えば役に立つ」「翻訳は尊い」が身に染みたはずの(?)ケイの活躍ぶりは要チョック。ミステリアスな青年を怪演…イ・チャンドン監督『バーニング 劇場版』(2018)主人公イ・ジョンス(ユ・アイン)は兵役を終え、大学を卒業してもバイト暮らしの小説家志望の青年。パントマイムを勉強中という幼なじみシン・ヘミ(チョン・ジョンソ)と再会するが、彼女がアフリカ旅行から帰ってくると見知らぬ年上の男ベンと親しくなっていて――。ポン・ジュノ監督と組んだ縁から、イ・チャンドン監督に起用されたというユァン。「ウォーキング・デッド」の純朴青年が、優雅で都会的な雰囲気をまとい、カリスマ性と色気を放つ危険な男を演じることになるとは!彼の含み笑いには、胸騒ぎが止まらない。一等地に住み、高級車に乗り回す裕福でインテリなベンが、田舎の幻想的なマジックアワーを背景にジョンスに語る“ビニールハウス”の比喩が鍵を握る。あまりにも魅惑的なベンを演じたユァンはロサンゼルス映画批評家協会賞、全米批評家協会賞などで助演男優賞を受賞。アカデミー賞にもノミネートされてほしかった作品。感染パニックの高層ビル内で大暴れ『Z Inc. ゼット・インク』(2018)製作総指揮も兼任したユァンが演じる大手法律事務所の弁護士デレク・チョーは、ある日、同僚のミスの責任を押しつけられ解雇を言い渡される。そんなとき、感情と理性のバランスを狂わせるウィルス「ID7」が社内で蔓延、高層ビルのオフィスがまるごと隔離処置されてしまう。「ウォーキング・デッド」序盤のころのグレンの姿はどこへやら。本作では一切の迷いナシ、解雇撤回を求めてペントハウスにいるボスのもとへ、クライアントの女性(サマラ・ウィービング)とコンビを組みながら血で血を洗うバトルを繰り返して暴れ回る。本作で不思議な爽快感を得てしまうのは、かなり職場にストレスがたまっている証拠かも!?こんな彼氏に思い当たる節あり?「トゥカ&バーティー」(2019)自信家で自由奔放なオオハシのトゥカ(声:ティファニー・ハディッシュ)と、自分に自信のもてないウタツグミのバーティー(声:アリ・ウォン)はルームシェアをする親友同士。バーティーが彼氏のスペックルと同居することになり、トゥカは真上の部屋に引っ越すのだが…。トゥカとの友情や職場のセクハラなどに悩み、内に抱えがちなバーティーに対し、彼女が悶々としていることは分かっても、それが何に対してなのか見当もつかず(そのモヤモヤの原因は自分ではないと思っている)、あるときは鈍感すぎ、あるときはセンシティブすぎる彼氏スペックルの声を演じているのがユァン。大切なパートナーに黙って家を購入してしまうあたりは、『ミナリ』のジェイコブにも通じる!?なお、Netflixではシーズン2の更新がキャンセルされたが、カートゥーンネットワークの大人向け時間帯「Adult Swim」にて2021年内に復活が決定(日本上陸は未定)。また、カップルを演じたウォンとは「A24」製作のドラマシリーズで再共演することになり、ともに製作総指揮も務める。「ザ・ボーイズ」に匹敵する!?「インビンシブル ~無敵のヒーロー~」(2021)Amazon Original作品として3月26日より配信されたばかりの本作は、「ウォーキング・デッド」の原作者で製作総指揮のロバート・カークマンが手がけるスーパーヒーローアニメ。17歳のマーク・グレイソンは父親のスーパーパワーを受け継ぎ、地球で最も偉大なヒーローの1人として活動することになるが、ある衝撃的な出来事がすべてを変えてしまう…。成長途上のティーンエイジ・ヒーロー物かと思いきや、なんとR18+指定の完全大人向け。「ザ・ボーイズ」並に血しぶきが飛び、ユァンが声を務めるマーク=インビンシブルの“ヒーローであること”の恐怖や葛藤、試練に焦点が当てられる。J.K.シモンズ、サンドラ・オー、マーク・ハミルほか声優陣は豪華で、マギー役のローレン・コーハンら「ウォーキング・デッド」キャストも。全8話。「子どもたちに成功する姿を見せてやりたい」『ミナリ』(2020)リー・アイザック・チョン監督が妻のいとこだった縁もあって、参加を決めたというユァン。主演とともに製作総指揮にも名を連ねている。韓国から移住したのが4歳ごろという彼は、まさに自分の親世代に当たるジェイコブを演じた。「プランB」がこれまでも取り組んできたような、家族の再生を描くリー監督の自伝的物語であり、誰もが共感できる夫婦や、孫と祖母の普遍的な物語ともなっている。最初は西海岸で、ヒヨコの鑑別をしながら地道に働いて資金を貯めたジェイコブは、アーカンソーの高原に50エーカーもの土地を買う。映画冒頭で一家が目にする光景は、妻モニカ(ハン・イェリ)でなくとも「約束が違うじゃない!」と言いたくなるほど、何もない。ジェイコブはこの地に、自分の手で一から農園を作ることに意欲を燃やす。家族の運命を自分が握っているという、使命感とある種の優越感にひたっていることが、トラクターの後をついてくる子どもたちの様子を悠々と振り返る姿からもうかがえる。まるで、“俺が拓いた道についてくればいい”とでも言いたげだ。しかし、水が干上がり思うように作物が育たなかったり、取引先が見つからなかったりと苦難は続く。ジェイコブが闘うのは大自然でも、家族の困難でもなく、自らが背負った“子どもたちに成功する姿を見せなければ”“彼らのために道を作らなければ”という十字架のようなもの。やがてジェイコブは、アメリカン・ドリームとは父親や夫だけのものではないと気づくことになる。これまでも男性ゆえに求められる強さと、恐怖やプレッシャーと向き合う役柄を演じてきたユァン。2度目の収穫からがおいしいとされる「ミナリ」のごとく、世界的ヒットシリーズを糧にした本作で次なる躍進のときを迎えている。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ウォーキング・デッド [海外TVドラマ]© 2010 American Movie Classic Company,LLC. All Rights Reserved.【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-オクジャ/okja Netflixにて配信バーニング 劇場版 2019年2月1日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reservedミナリ 2021年3月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24
2021年04月09日家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。Netflixドラマ『愛の不時着』『梨泰院クラス』や映画『パラサイト半地下の家族』など、恋愛や家族を描けばピカイチの韓流作品。でもこんなSFジャンルは初めてでは?『スター・ウォーズ』ばりの宇宙戦争映画『スペース・スウィーパーズ』をご紹介しましょう。■Netflix映画『スペース・スウィーパーズ』独占配信中時は2092年。土壌の酸性化で地球には植物が育たず、人々は悲惨な生活を送っていました。宇宙船操縦士テホは、女船長チャン、元麻薬王ギョンス、アンドロイドらと宇宙船「勝利号」に乗って、宇宙ゴミを集めては金に換える毎日。偶然見つけた子どもを200万ドルで引き渡す取引で、一獲千金を狙います。しかしその子どもは、宇宙開発企業UTSが探している大量破壊兵器ロボットでした。妙にアナログなオンボロ宇宙船がとんでもないスピードで宇宙を駆け巡り、戦って敵を倒していくシーンは迫力満点。見事なCG映像は、ハリウッド大作レベルです。なのに、荒れくれチームの4人が子どものかわいさに振り回されるところが、何ともほほ笑ましい展開。子役のパク・イェリンの名演技にやられます。韓国作品の子役のレベルの高さといったら!テホがなぜ金儲けに一生懸命なのかも、次第にわかってきます。一人ひとりの個性とその仲間愛がしっかりと描かれていて、記者は137分がとっても短く感じました。(文:西元まり)「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載
2021年03月22日なぜ面長さんには下まぶたメイクが重要なの?出典:byBirth面長さんは、目から口までの距離が長いので、頬のあたりに余白ができてしまう方が多いです。メイクのテクニックで目を下に、口を上に見せることで、顔の黄金比に近づくことができます。下まぶたのメイクテクニック涙袋メイク涙袋の下の線のところに薄いブラウンのアイラインを引きます。その後涙袋に明るい色のアイシャドウを乗せて、ラメやパールのアイシャドウも乗せたら完成です。もともと涙袋がある方は、アイラインを引く工程はなくてもOKです。ベージュや白っぽい色のラメをポンポンと乗せるだけです。筆者が愛用している涙袋メイクのアイテムはこちらです。エチュードハウスキラキラ アイシャドウ この投稿をInstagramで見る エチュード 公式アカウント(@etudejapan)がシェアした投稿 やわらかく密着するパールで、煌びやかに輝く目元になります。キラキラな目元を演出するスティックアイシャドウです。ロングタイプのマスカラを塗る出典:byBirthマスカラで下まつ毛を目立たせます。下まつ毛にマスカラを塗る際は、ブラシを立てると塗りやすいです。マスカラの色はブラックだとより目立つのでおすすめです。パンダ目防止のポイント!目元に水分や油分があると、パンダ目になりやすいです。特に下まぶたは目の形によってはすぐに滲んでしまう方もいます。まずは、まつ毛の油分を取ります。「え、そこから~?」と思う方も多いと思いますが、綿棒などで拭うだけでOKなので簡単です!その後、ベースメイクをしっかりとして、パウダーファンデーションで油分を抑えると良いでしょう。マスカラはウォータープルーフのマスカラや、マスカラトップコートなどを使っても良いです。アナスイマスカラ プライマー & トップ コート この投稿をInstagramで見る ANNA SUI COSMETICS(@annasuicosmetics)がシェアした投稿 このアイテムは、カールアップ&キープ効果に優れたワックスやシリコーン樹脂が配合されています。マスカラが完全に乾いてから、まつ毛の根もとから毛先に向かって持ち上げるように付けましょう。また、アイシャドウベースを使うことでもパンダ目を防げます。アイシャドウベースはメイクのヨレを防いだり、メイクの発色を良くしてくれるアイテムでもあります。筆者のおすすめはルナソルのアイリッドベースです!ルナソルアイリッドベース(N) この投稿をInstagramで見る LUNASOL|ルナソル(@lunasolofficial)がシェアした投稿 こちらのアイシャドウベースは、くすみをリセットして、アイシャドウの発色と持ちをUPしてくれます。肌の色や、その日のメイクによって使い分けられる2色展開です。美容液成分配合なので、乾燥肌の方にもおすすめです。下まぶたメイクは面長解消以外にもこんな効果があった!?クマを目立たなくする出典:byBirth下まぶたの悩みと言えば、クマですよね?下まぶたにアイシャドウを乗せることによって、明るくなってクマを目立たなくさせることができます。薄いオレンジやイエローなどのアイシャドウがおすすめです。下まぶたにアイシャドウを塗ると、ワンポイントになって可愛い上まぶたにはグラデーションをせずに単色の淡い色のアイシャドウを乗せて、下まぶたにしっかりアイシャドウを乗せるテクニックが流行っています。下まぶたの目尻にだけ濃いピンクやオレンジ、パープル、カーキなど、普段使わないような奇抜な色を乗せて色で遊ぶのも良いですね!おすすめはこちら。SUQQUトーン タッチ アイズ この投稿をInstagramで見る SUQQU(@suqqu_official)がシェアした投稿 番外編:唇を上に見せるメイク術を紹介!出典:byBirth冒頭でも記載した通り、面長さんは目を下に、口を上に見せると顔の黄金比に近づきます。ここでは唇を上に見せるためのポイントも紹介します。上唇を少しオーバーリップで書きます。次に上唇の上にハイライトを乗せて、唇を立体的に見せます。そうすると唇を上に見せることができます。下まぶたのメイクと一緒に、是非やってみてください。まとめこの記事では、下まぶたメイクのポイントを紹介致しました。今まで下まぶたメイクは、滲んだりするので苦手意識があったという方も、この機会に下まぶたメイクに挑戦してみてくださいね。
2021年03月20日タイタンに所属するお笑いコンビ『キュウ』の清水誠(@pentachansp)さんは、Twitterに食事中の写真を投稿。すると10万人以上から反響が上がりました。ラーメンを食べようとした清水さんでしたが、下から視線を感じたといいます。その視線の正体は…。ご飯食べてると下から覗いてくる…。 pic.twitter.com/PmPDNBGapY — キュウ 清水 (@pentachansp) February 7, 2021 赤ちゃんが覗いてる…!おいしそうな匂いにつられたのでしょうか。純粋無垢な瞳で清水さんを見つめる赤ちゃん。食事がしづらいのは困りますが、かわいくてキュンとしてしまいますね!投稿を見た人たちからは「猫かと思ったら、赤ちゃんだった!」「かわいすぎて震えた。子供の行動って最高」などのコメントが寄せられています。日常を切り取った何気ない1枚は、多くの人を笑顔にしました。[文・構成/grape編集部]
2021年02月08日●すべてを計算したポン・ジュノ監督ソウルの“半地下”住宅に住む無職のキム一家が、高台の高級住宅に住むパク家に徐々に寄生(パラサイト)し始め、思わぬ事態に突入していくポン・ジュノ監督作品『パラサイト 半地下の家族』。第72回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、第92回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)に輝き、ちょうど1年前の昨年1月には日本でも劇場公開され、大ヒットを記録した。この話題作が、動画配信プラットフォーム「TELASA(テラサ)」で見放題配信を開始。同時スタートの音声解説バージョンを担当し、「これは全方向映画です!」と高く評価する映画評論家・町山智浩氏に、改めて魅力を聞いた。※編集部注:本記事はストーリー展開を解説する内容も一部含んでいます。知らない状態で映画をご覧になりたい方はご注意下さい。○■韓国には“半地下”の住宅が実在する物語の中心となるのは、タイトルにもある“半地下”に住む家族。名優ソン・ガンボ演じる父を中心に、母、息子、娘の4人家族のキム一家が暮らす、“半地下”住宅の描写で幕を開ける。「おそらく映画のためのフィクションだと感じる人が多いと思います。でも韓国の事情を知っている人には分かりますが、あのような“半地下”の住宅は実在するんです。もともとは北朝鮮が攻めてきた時のための防空壕として作られました。そのあと、ソウルの地価がどんどん上がっていって住みづらくなったので、アパートとして貸し出されました。だから実際、すごい数の人が住んでいる。自分たちの座っている位置よりも高くにトイレ(下水)があるというのも、誇張でもなんでもなくて、現実。その一方で、IT系を始めとしたものすごい億万長者がたくさん出た。韓国に急激な格差社会が起きたんです」リアルな社会事情を基盤に、ポン・ジュノ監督は徹底的なコントロールのもとで作品を構築していった。「とにかく細かいところまで徹底的に作られていて、計算されている。突っ込みどころのほとんどない映画です。まず序盤。“半地下”というすごく狭いところから始まって、なかなか空を見せない。さらに、すごくうるさい雑踏音がずっと入り続けています。そこから、彼らが潜入していくことになる、お金持ちのパクさんの家に近づくにつれて、画がだんだん広がっていきます。そしてパクさん家に着いた途端に、周りの音がすっと消える。実はキム家もパク家もロケではなく、セットで作られています。監督自ら図面を描いて作ったセットです。全部作り物。舞台も音も、全てが計算されているんです」ため息が出るほどに美しく、憧れを抱かせるパク家だが、建築基準に合っておらず、実際には住みづらい造りなのだとか。しかし一見したところは、素晴らしいロケーションにしか思えない。実際、カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門の審査員長を務めたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督(『バベル』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』)は、「ロケーションがとてもいい」とポン・ジュノ監督に伝え、すべてがセットだと知って驚いたという。さらに町山氏の音声解説バージョンによると、パク家の広いリビングから見える開けた美しい庭も、グリーンバックではめ込まれた映像なのだとか。●名優ソン・ガンホの存在感※編集部注:本記事はストーリー展開を解説する内容も一部含んでいます。知らない状態で映画をご覧になりたい方はご注意下さい。○■前半は『オーシャンズ11』や『ミッション:インポッシブル』のよう!?そんな“半地下”と高台を舞台に、ジャンルレスな物語が展開していく。「監督自身も言っていたのですが、前半はいわゆるケイパーもの、ミッションものの形式を取っています。ケイパーものというと、たとえば『オーシャンズ11』のような、ターゲットの組織のなかに入り込んでいって内部を操作してみたいな強奪ものですね。同時に、変装してミッションに挑むような『ミッション:インポッシブル』みたいな感じもある。しかもそれがコメディになっているんです。ものすごく笑うシーンがいっぱいあります」そんな、つい「笑ってしまう」感じも、ポン・ジュノ作品の特徴だという。「笑っちゃうんだけど、やっていることはすごくエグイ。長編デビュー作の『ほえる犬は噛まない』からしてそうです。『殺人の追憶』もそうですね。ものすごく残酷な殺人事件、しかも実話を描いたものにも関わらず、あっちこっちにコメディシーンがあって、笑わせるようにできている。その辺のいじわるな、居心地の悪さみたいなものを感じさせるところがポン・ジュノ監督の特殊なところです」『殺人の追憶』といえば、本作で主演を務めたソン・ガンホとの初タッグ作でもある。その後、ポン・ジュノ監督とソン・ガンホは、『グエムル-漢江の怪物-』『スノーピアサー』で組んできており、本作が4度目のタッグとなった。「監督が、ソン・ガンホは、どんなに悪いことをしても観客が全然憎めない非常に稀有なキャラクターだと言っています。もしも今回のキム一家のお父さんを、ほかの人が演じていたら、『なんて奴だ』と観る人の心が離れていくと思うのですが、ソン・ガンホが演じると、観客は共感をもって観てしまう。すごく貴重な才能を持った俳優です」本作では、特に彼の“表情”に注目だ。「後半、キムお父さんはほとんどしゃべらなくなるんですけど、パク家の奥さんの買い物に同行するあたりから、どんどん表情が暗くなっていきます。そしてある事件が起きますが、あれは突然起きたのではないことが、ソン・ガンホの表情からよく分かります。セリフではなく、顔の演技で見せていく。その辺はやっぱり彼の凄さです」○■『パラサイト』は、ジャンルものを超えた映画そして町山氏は『パラサイト』は「全方向映画」だと評した。「後半、物語は全く違う色合いを帯びていきます。詳しいことは言えませんが、『パラサイト』はキム家とパク家の二層構造だけには終わりません。前半はドタバタで大いに笑わされますが、一転してどんどん背筋が寒くなってくる。後半はホラーですからね。ビックリしますよ。社会派的なメッセージや現実を描く側面のある映画ながら、前半はケイパーもの、ミッションものとしてのサスペンスをコメディとして撮り、後半はホラーになる。しかも最後はすごくしっとりと深く終わる。『パラサイト』は、ジャンルものを超えた映画になりました。まさに全方向映画です!」音声解説バージョンでは『パラサイト』が強く影響を受けた作品について、前半と後半を転換するスイッチといえる演出、撮影カメラにまつわる話、綿密な絵コンテ、他のキャストについてなど、町山氏によるさらなる解説が、2時間を超える本編と共に語られる。望月ふみ 70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビュー取材が中心で月に20本ほど担当。もちろんコラム系も書きます。愛猫との時間が癒しで、家全体の猫部屋化が加速中。 この著者の記事一覧はこちら(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2021年01月08日年末年始は、ごちそうを食べる機会が多く『正月太り』を気にする人も多いですよね。どうやらそれは人間だけではないようです。「あれ?前はもっとすんなりと…」5匹の猫と暮らしている飼い主(@jirosan77)さん。ある日、飼い主さんはリビングで『衝撃の瞬間』を目撃してしまいます。その様子をとらえた映像がコチラ!連休太りかな? pic.twitter.com/BzBkae31qk — みかんとじろうさんち (@jirosan77) January 2, 2021 す、すごくひっかかってる…!ソファにはまってしまったのは、猫の『みかんちゃん』。成長して体が大きくなったことに、気付いていなかったのでしょう…ソファと床の隙間につっかえて、なかなか抜け出せません…!ソファの上でその様子を見ていた、猫の『じろうさん』からは「なにやってるのニャ…」とあきれた声が聞こえてきそうですね。ネット上では、焦るみかんちゃんの姿に癒された人が続出しました!・出られてよかったです…!もしかしてお正月太りしちゃったのかな?・抜け出した後の、何事もなかったような顔が最高です!・あんな狭い隙間を抜け出せるなんて…!「猫は液体」といわれている理由がよく分かりますね。「前はすぐに出られたのにニャ…」と困惑する様子のみかんちゃん。もしかしたら、人間のようにお正月にぐうたらしていたのかもしれませんね…![文・構成/grape編集部]
2021年01月05日《text:宇野維正》『パラサイト 半地下の家族』の第92回アカデミー賞での作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門受賞という歴史的快挙、及び日本における韓国映画史上最高の大ヒット(最終興収47.1億円)で華々しく幕を開けた2020年の映画界。しかし、同時期に日本公開された『フォードvsフェラーリ』、『リチャード・ジュエル』、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』といった秀作の記憶と合わせて、その直後に起こった新型コロナウイルスの世界的パンデミックを経た今となっては、もう何年も前の出来事のような気がしてくる。一人の映画ファンとしては、「もしコロナがなかったら」という並行世界に想いを馳せずにはいられない。もしコロナがなかったら、4月はダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドの最終作となる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に、5月はジャスティン・リン監督が復帰を遂げる『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』と、マーベル・シネマティック・ユニバースがフェーズ4に突入する『ブラック・ウィドウ』に、映画館で大興奮していたに違いない。『万引き家族』、『パラサイト 半地下の家族』に続いて、アジアの映画作家の作品は2020年もカンヌ映画祭を沸かせただろうか?サマーシーズンのシネコンでは『るろうに剣心 最終章』の連作と『トップガン マーヴェリック』がデッドヒートを繰り広げていただろう。ウェス・アンダーソンの『The French Dispatch』(原題)、あるいはドゥニ・ヴィルヌーヴの『DUNE/デューン 砂の惑星』で、ティモシー・シャラメは念願のオスカーを手にすることになったかもしれない。2020年3月以降、映画を取り巻く環境、特に「劇場で観る映画」を取り巻く環境は大きく変わった。本稿では「主に北米をはじめとする海外」と「日本」、それぞれの映画界で2020年に起こったことについて、前後編に分けて振り返っていきたい。どうして分ける必要があるのかは、後編の最後まで読んでもらえればわかっていただけるはずだ。少なくとも現時点では、その深刻さにはあまりにも大きなギャップがある。3月以降にアメリカ各地で映画館が閉鎖された後、ハリウッド・メジャーで最も早く大きく動いたのはユニバーサル・ピクチャーズだった。ファミリー向けのアニメーション作品『トロールズ ミュージック☆パワー』を全米公開予定日の4月10日、同日にPVOD(通常よりも高い価格設定のビデオ・オン・デマンド)で配信リリース。それが収益的に一定の成功を収めると、今後は映画館の営業が平常化してからも、配信と映画館の両方で映画を公開する予定であることを発表。当然、劇場サイドはそれに猛反発した。その先鋒に立ったのは、ユニバーサル・ピクチャーズに「今後ユニバーサル作品の上映を拒否する」と通告した全米最大規模のシネコンチェーンAMCシアターだったが、両社は協議の結果、「配信開始は劇場公開から17日後」という取り決めを交わすことに。それでもこれまでと比べたら異例のウィンドウ(劇場公開から他のプラットフォームでの展開までの期間)の短さだが、事態はそんなレベルでは収まらなかった。当初、『ムーラン』の劇場公開を2020年4月17日に予定していたディズニーは、パンデミックの影響による度重なる公開延期を経て、8月4日に北米をはじめとする既にディズニープラスを展開している地域では、同作を9月4日からディズニープラスでのみPVODで配信リリースすると発表。10月9日には、もう一段階進んで、ピクサーの新作『ソウルフル・ワールド』をディズニープラスの契約者なら課金なしで見られる通常プログラムとして12月25日から配信することを発表。つまり、秋の時点ではヨーロッパ各都市や日本の映画館は営業を再開しているにもかかわらず、劇場での公開そのものが吹っ飛んでしまったわけだ。現在世界最大のスタジオであるディズニーの配給事業から配信事業への大転換は、世界中の劇場に大きなダメージを与えることとなった。クリストファー・ノーラン監督の強い意向によって、9月に『TENET テネット』の劇場での世界公開にこぎつけたワーナー・ブラザーズだったが、12月3日におこなった発表はハリウッドのこれまでの歴史をひっくり返すような衝撃的なものだった。同社は2020年12月25日に北米公開される『ワンダーウーマン 1984』を皮切りに、2021年に劇場公開するすべての作品を、その公開日から自社のストリーミングサービスであるHBO Maxで追加料金なして配信すると明らかにした。つまり、モンスターバースの最新作『Godzilla vs. Kong(原題)』も、ジェームズ・ガン監督の新作『The Suicide Squad(原題)』も、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作『DUNE/デューン 砂の惑星』も、『マトリックス』シリーズ18年ぶりの続編『Matrix 4(原題)』も、北米ではすべて劇場公開日から自宅で追加料金なしで見ることができるわけだ。それぞれ自社のストリーミングサービスを持つディズニーとワーナーの配信事業への注力は、今後の5年、10年を見据えての「映画を取り巻く環境」の変革の一環と受け止めるべきだろう。「コロナウイルスの影響」はその計画を早めるきっかけにはなったものの、もはや決定的な理由ではない。自社の収益、そして投資家や株主の意向を優先した際に、そこで切り捨てられたのが「劇場」というわけだ。2021年4月25日、例年よりも2カ月遅れて開催される今度のアカデミー賞受賞式では、「特例」としてこれまでは認めてこなかった「配信公開のみの作品」もノミネートの対象となると発表されている。しかし、果たしてそれは本当に今回だけの「特例」になるのだろうか?現在起こっていることを冷静に判断するなら、今後はそれが映画界の「ニューノーマル」になっていくと考えるのが妥当だろう。(text:宇野維正)
2020年12月30日《text:桑畑優香》『パラサイト 半地下の家族』が米アカデミー賞4部門に輝き、女性監督の『はちどり』が日本でミニシアターを中心にロングランを記録するなど、今年、日本と世界で進撃を続けた韓国映画。2021年も話題作の日本上陸が続々決定している。中には今年大ヒットしたドラマで人気の俳優が出演している作品も。大作、社会派、コメディ、青春ドラマetc. 来年必見の多様で多彩な4本をピックアップした。壮大なるディストピアで生き抜く人々『新感染半島 ファイナル・ステージ』コン・ユが釜山行きの列車でゾンビと闘った『新感染ファイナル・エクスプレス』の4年後の物語。とはいえ、『新感染半島 ファイナル・ステージ』は、おそらく多くの人にとって、予想を裏切る(いい意味で!)はずだ。なぜなら『新感染半島 ファイナル・ステージ』が描くのは、完全なるアナザーストーリー。本作の舞台は、もはや現実社会でいうところの日常が崩壊した後の終末後の朝鮮半島だ。前作からさらにスピード感を増したアクロバティックなゾンビが恐怖を高める中、ヨン・サンホ監督ならではのヒューマン・ドラマはしっかり健在。軸となっているのは、ディストピアと化した朝鮮半島で生きるために抗う生存者一家の奮闘だ。監督に「彼の目から伝わってくる思いがあまりにも強烈で、つい引き込まれてしまう」と言わしめたカン・ドンウォン。そして「冬のソナタ」でヨン様の上司役で人気を博したクォン・ヘヒョが、生存者一家の祖父役でいぶし銀の演技を見せる。さらに、「美しき日々」でチェ・ジウ扮するヒロインの妹的存在の少女を演じたイ・ジョンヒョンが、家族を守るために体を張って闘う母親(!)役に。ダークカラーの服に身を包み、銃を手にする凛とした姿は、『ターミネーター』シリーズのお母さん戦士、サラ・コナーを彷彿させる。怖いのはゾンビのみならず、人間の渦巻く欲望。極限状態に置かれた人たちに残された未来は、破滅か希望か――。知られざる「闇の40日」を掘り下げる『KCIA 南山の部長たち』社会派サスペンスの真打が『KCIA 南山の部長たち』。韓国現代史最大の事件のひとつ、パク・チョンヒ大統領暗殺を正面から捉えた作品だ。「独裁者」「経済発展の立役者」といまも見方が大きく分かれるパク・チョンヒ大統領だが、本作が焦点を当てるのは単なる人物評価ではない。全編を貫くのは、「大統領に次ぐ強大な権力を持っていたと言われるKCIAのトップが、なぜ大統領を射殺したのか」というミステリー。1979年10月26日に至るまでの40日間に関わった人物の行動を掘り下げ、歴史の闇に肉薄する。特筆すべきは、「ミニマムな演出」だ。KCIAの部長に扮する主演のイ・ビョンホンも、大統領役のイ・ソンミンも、抑えたトーンのセリフと動作を生かしつつ、目や眉、唇の小さな動きで深い感情を表す。それが一層ひりひりかつジリジリと、誰もが知る歴史的な「暗殺の日」に向けて緊張感を高めていく。韓国映画評論家協会賞で作品賞と主演男優賞を受賞し、2021年開催のアカデミー賞国際長編映画賞韓国代表にも選出。まさに名実ともに今年の韓国映画界を象徴する作品といえるだろう。ユーモアたっぷりで心ほっこり『チャンシルさんには福が多いね』2020年の韓国は、女性監督が相次いでデビューした年だった。そのひとりが、『チャンシルさんには福が多いね』のキム・チョヒ監督だ。キム監督は、もともと『ハハハ』『ソニはご機嫌ななめ』『自由が丘で』などホン・サンス監督のプロデューサーを務めていたが41歳で辞め、今後に悩んでいた時に女優のユン・ヨジョンの映画での方言指導の仕事をゲット。それが「元プロデューサーが俳優の家で家事手伝いをすることになる」という本作の着想につながったという。映画はチャンシルさんがともに仕事をしていた映画監督が突然亡くなるところからスタート。職を失ったチャンシルさんは、年下の俳優ソフィのお手伝いさんとなり、ソフィのフランス語の先生(年下!)に心をときめかせ……。アラフォー女性の切ない物語かと思いきや、ちょっぴりとぼけたハートウォーミングなコメディだ。カン・マルグム扮する、のびのび自然体なチャンシルさんに加え、『ミナリ』でアメリカの賞レースで高い評価を受けた演技派ユン・ヨジョン、ランニング&トランクスで『欲望の翼』のレスリー・チャンのそっくりさんに扮するキム・ヨンミン(ご存じドラマ「愛の不時着」の耳野郎!)など、脇のキャラも立ちまくり。‘太陽のように輝く果実’という名前のごとくポジティブで明るいチャンシル(燦実)さんの姿ににっこり、ほっこり。かけがいのないものをひとつ失っても、それに代わるたくさんの福が実は身近にあるということを、気づかせてくれる。現実にもたくさんいる私たちの物語『野球少女』まず、冒頭に流れる文字に驚く。「韓国のプロ野球が始まった当時、医学的に男性でない者は不適格選手とされた。1996年の規約改定により、現在は女性もプロになれる」とある。つまり、女性もプロ野球選手になれるのだ。『野球少女』は、そんな女子にとって稀有なプロの世界を目指す高校3年生のスインが主人公。演じるのは、ドラマ「梨泰院クラス」のトランスジェンダーの料理長役でブレークした、イ・ジュヨンだ。天才少女と称えられ、韓国で高校野球20年ぶりの女子選手として注目されるスイン。ところが、憧れのプロ球団に指名されたのはチームメイトで幼なじみの男子だった。母や友達、野球部の監督からも夢をあきらめるように忠告され、女子だからという理由で入団テストを申し込むのもままならず――。監督が「シナリオを書きながら多くの人にインタビューをしたところ、現実にも大勢のスインが存在すると気づいた」と言うように、学生時代は男女平等だったはずが社会に出たら実は不公平というのは、日本でもあるあるな出来事。すなわち、『野球少女』は特殊なスポーツの世界ではなく、現実にもたくさんいる私たちの物語だ。真っすぐに夢を信じるスインの姿に勇気をもらえるのはもちろん、コーチのジンテのアドバイスも心に響く。そう、若者のみならずビジネスにも役立つヒントがちりばめられた、「NiziU」の生みの親J.Y.Parkの金言のように。(text:桑畑優香)■関連作品:チャンシルさんには福が多いね 2021年1月8日よりヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© KIM Cho-hee All RIGHTS RESERVED/ ReallyLikeFilmsKCIA 南山の部長たち 2021年1月22日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2020 SHOWBOX, HIVE MEDIA CORP AND GEMSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.新感染半島 ファイナル・ステージ 2021年1月1日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2020 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILMS.All Rights Reserved.野球少女 2021年3月より全国にて公開© 2019 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED
2020年12月25日今年のアカデミー賞作品賞を受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』が、劇場公開1周年を迎える2021年1月1日より、動画配信プラットフォーム「TELASA(テラサ)」で日本初の見放題最速配信を開始する。同作は、全員失業中で“半地下”住宅で暮らす貧しい一家と、“高台の豪邸”で暮らす裕福な社長一家という、相反する2つの家族の出会いから想像を遥かに超える展開へと向かっていく物語。ポン・ジュノ監督がメガホンを取り、今年のアカデミー賞で作品賞を始め4部門を受賞(作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞)。アジア映画では史上初めての作品賞受賞となった。さらに、第72回カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドール受賞をはじめ、世界各国の映画祭を席巻し、日本でも47億円を超える興行収入を記録した。TELASAでは本編の見放題最速配信に加え、スペシャルコンテンツを合わせて配信。映画評論家の町山智浩氏がTELASAのために、伏線やストーリーの秘密、韓国の事情から映画撮影の技法をシーンごとに語り尽くした「リアルタイム音声解説バージョン」や、字幕・吹替両バージョンの本編4K版、名優ソン・ガンホ主演作品特集配信、アカデミー賞作品賞受賞作品特集配信も展開。本作に登場するジャージャー・ラーメンのレシピ動画は、加入の有無に関わらず誰でも視聴できる。ポン・ジュノ監督は「本作は家族が主人公のストーリーですが、家族みんなで集まって見るよりも、ひとりひとり順番に、今日はお母さん、明日はお父さん、子どもたちもみんな曜日別に、それぞれこっそりと見てもらえたら、より面白く衝撃的だと思います(笑)」とオススメの視聴方法を提案し、「ホーム・エンタテインメントでは、既にストーリーを知った上で繰り返し本編を観ることができます。後半の展開につながるとても細やかな伏線が実は前半に少しずつ隠れているので、結末を知りながら伏線を探すのも楽しんでください」と呼びかけた。ソン・ガンホは「貧しいキム家と大富豪パク家同士の、熾烈な演技合戦、そういったものを楽しんで頂けたら」と作品の見どころを語り、「劇場で初めて映画をご覧になった時は、映画自体に集中しきりで余裕がなかったかもしれません。ホーム・エンタテインメントでは、俳優たちのアンサンブルや演技合戦をじっくりと堪能できると思います」と自宅で見ることの魅力をアピール。一方の町山氏は「『パラサイト』は、マンガ家志望だったポン・ジュノ監督自身が絵コンテを描いて画面の隅々まで完璧に設計した映画です」と監督の制作事情を明かし、「一見ギャグに見えるシーンにも実はリアルな韓国の現実が反映されています。掘れば掘るほど奥深い『パラサイト』、自分は音声でそのガイドをさせていただきます」とのコメントで、音声ガイドの挨拶に変えた。
2020年12月24日日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」では、ポン・ジュノ監督のアカデミー賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』を地上波初放送することが決定。2021年最初となる1月8日に本編ノーカット、オリジナル吹き替え版で放送する。本作は、今年のアカデミー賞で作品賞始め4部門を受賞(作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞)し、アジア映画では史上初めての作品賞受賞となった。さらに、第72回カンヌ国際映画祭では、最高賞のパルムドールを受賞、世界各国の映画祭を席巻した。また、日本でも公開直後から話題となり、47億円を超える興行収入を記録。今回の放送では、「金曜ロードSHOW!」でしか観られない新吹き替え版で放送。“半地下住宅”で暮らすキム一家の父親、ソン・ガンホ演じるギテクを、他作品でもソン・ガンホの声を担当する山路和弘。家庭教師になりすました青年・ギウを、俳優で数々のアニメ作品で声の出演もする神木隆之介。家庭教師の生徒・ダへを、「賭ケグルイ」蛇喰夢子役や「鬼滅の刃」の胡蝶しのぶ役などを担当する早見沙織が吹き替える。ほかにも、津田真澄(チュンスク役)、近藤唯(ギジョン役)、恒松あゆみ(ヨンギョ役)、東地宏樹(ドンイク役)、小林由美子(ダソン役)らが参加する。キム一家の長男・ギウの声を担当した神木さんは「今まで声で参加させてもらった作品では、僕の出す声の色がついていましたが、今回はそれをあえて抑えて、今までにない声の出し方に挑戦させて頂きました。やった事がないチャレンジだったので不安もありつつ、どんな出来上がりになるかとても期待しています」とコメント。気に入っているセリフは、父の「計画通りいかないのが人生だ。だから人間計画すべきじゃない。計画がなければ失敗することもない…」というセリフだそうで、「世の中、自分の思い通りいかないのが当たり前で、失敗しないための逆転の発想がすごいなと思いました」と話し、「映画自体、素敵な映画で、何度見ても『伏線の回収の仕方が見事だなあ!』という思いは色あせません。是非、字幕以外の形でみなさんに見て楽しんで頂けたらうれしいなと思います!」と視聴者へ呼びかけている。金曜ロードSHOW!『パラサイト 半地下の家族』は2021年1月8日(金)21時~日本テレビにて放送。(cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年12月18日外を気にせず開放感のある家「東京にいる感じがしません」という上野さん。敷地を購入したときには周囲は植木畑だった。現在では畑の面積は減ったものの緑が多く、また静かな環境で「蓼科や軽井沢などの別荘地に住んでいるような感じがする」と話す。上野夫妻が設計を依頼した建築家の村田淳さんへのリクエストは大きなところでは2つあった。「ひとつは外の目を気にしないで暮らしたい。当初、コートハウスのイメージをもっていたので、外の目をあまり気にしないで生活ができて、かつ開放感のある家がいいなと」右の駐輪スペースの後ろに立つのがアズキナシ。図書室の外につくられたデッキスペースに植えられていて2階からもその緑を楽しむことができる。図書室をつくる「もうひとつは図書室がほしかったんですね。本が多いので、家族3人の本を1カ所に集めて、みんなで読める場所をつくってもらいたいとお願いしました」(上野さん)図書室をつくる思いは上野さんがいちばん強かったという。「引っ越しのたびに本を処分するのがとてもつらかったようで、この家ではちゃんとスペースをつくろうということになりました」(奥さん)上野さんも「自分の家ができたら本はすべて捨てずにとっておいていつでも読み返せるようにしたいという思いは強くありました」と話す。さらに「本はどこでも読むし寝る前に読んだりもするんですが、ゆったりと座って気持ちよく読めるスペースがほしかった」とも。半地下につくられた図書室を1階レベルから見る。庭側から図書室の外部につくられたデッキスペースを見る。アズキナシの木が見える。デッキスペース側から図書室と奥の庭を見る。半地下につくられた図書室の天井高は約3.8mある。夫妻ともに図書室のイメージとしてもっていたのはオードリー・ヘプバーンが主演した1963年の『マイ・フェア・レディ』のヒギンス教授の書斎だった。バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』を原作とするこの映画では、2層分のスペースが本棚でぎっしりと埋まり、上の棚にある本を梯子を使って取るシーンがあるが、そこから梯子付きの背の高い本棚が生まれた。天井高約3.8m。設計側では住宅でこの大きさを確保するための苦労があった。「この土地は建ぺい率に余裕がないのでいろんなご要望を入れていくとどうしても入りきらない。図書室を魅力的な空間にしたいけれども、かといってほかの部屋がその犠牲になるのも良くない。それで寝室を地下にもっていくことにしました」(村田さん)本棚の上にも開口が設けられて明るい室内。対面して設けられたデッキスペース側と庭側の2つの開口の間を空気が流れ湿気の心配もない。階段下から庭の緑を見上げる。玄関から小窓を通して図書室を見ることができる。高2の息子さんはこの図書室について「作業が落ち着いてできてけっこう快適です。明るいのもいいですね」と話す。ソファの左に見えるのが寝室開口部。デッキスペースの脇に植えられたアズキナシ。半地下からの眺めしかし単に地下にもっていっただけでは湿気の問題が発生する。そこで天井高のある図書室を半地下につくりその両サイドに大きめの開口を設けて空気がこもらず流れるようにしたうえで、さらに低い位置にある寝室とつなげることにした。半地下にある図書室のソファに座ると開口からは緑と空しか見えない。このスペースの心地よさはこの緑が大きく作用していると夫妻で口をそろえていう。「窓が上にあるため、両サイドにある緑を下から見上げるかたちになります。そうすると緑の後ろに空だけ見える感じになるのでそれがものすごく気持ちがいいんです」(上野さん)濡れ縁から図書室を見る。奥のデッキスペース側の開口との間で風が抜ける。静かで落ち着いた空気感のある庭。この緑があるおかげでお隣の視線も気にならない。手前の木はオオサカズキ(モミジ)。床がルーバー状になっているのは地下との間で空気を循環させるため。その上は物干しスペースになっている。右奥に見えるのが玄関でその左に図書室がある。地下室からルーバー状の床を見上げる。左下の鉄棒は上野さんが懸垂をするために取り付けられたもの。階段室を1階から見る。2階の天井とキッチン道路側にアズキナシが立ち、奥の庭にはオオサカズキとシラカシなどが植えられているが、それらの緑は2階からも楽しむことができる。下階とはまた違う角度から緑に接することのできる2階は家型の天井がL字でつながっている。「勾配屋根の木造の2階は天井を自由につくりやすいので、空間に変化をつけるためにL字のプランのままに家型の天井をつなげてみました。家型にするとフラットな天井よりも陰影が出るし、陰の部分も時間によって表情が変わっていくので面白いのではないかと」(村田さん)リビングダイニングと一体的につくられたキッチンでは、食洗器をビルトインにするなど隠せるものはなるべく隠して表にモノが出ないようにするほか、広さについてのリクエストがあった。「2人立てるような広さにしてくださいとお願いしました。一緒に料理することも多いので、2人いてもつっかからないような広さがほしいとお伝えしました」(奥さん)リビングからダイニングとキッチンを見る。キッチンは夫婦2人で作業ができるよう広めにつくった。家型の天井を交差させた部分は少し不思議な印象を与える造形になっている。ダイニングとキッチンを見る。ダイニングからキッチン内のモノが見えないようキッチンを囲む壁の部分を高くしている。2階は引き戸で階段室が仕切られるようになっている。約24㎡あるリビングダイニング。表と庭側の2つの開口のほかにテレビの上にも開口が開けられていて室内が明るい上に天井も高めで快適に過ごせる空間になっている。キッチンからリビングを見る。右の開口からはアズキナシの木がよく見える。リビングから庭の方向を見る。オオサカズキが少し紅葉しているのが見える。アズキナシの前の室内にも緑が置かれている。“ここはどちらですか?”最後にこの家で5年ほど暮らされての感想をうかがった。「図書室がいちばん好きなスペースですね。両方に緑と空が見えてまた静かで明るい部屋なので、最高の空間かなと思っています」と奥さん。さらに2階のキッチンスペースも好きという。「キッチンに立つとちょうどアズキナシがダイレクトに見られてお気に入りの場所ですね」上野さんも自らの強い希望でつくった図書室がやはりとても気に入っているという。「しかし、僕がメインで使おうと思っていた当初の予定と違って家族に取られてしまうことが多い」と話す。3月からのコロナ禍のもとでは大学で英語の教師をされている奥さんがZoomでオンライン授業を行う際に図書室を使っているため「ほぼ使えない」状態になっているという。「Zoomでは皆さん背景を替えたりしますが、うちではそのまま室内を映しています。そうすると大きな本棚とその後ろの中庭の緑が大きな開口を通して見えるので、“ここはどちらですか?”とよく聞かれます。今は思っていたほど図書室で過ごすことができていないですが、やっぱりあそこに座るとすごく落ち着くし集中もできるのですごくいいですね」。こう話す上野さんには、世の中とはまた別にもうひとつ、「コロナ禍が早く過ぎ去ってほしい」と願う強力な理由があるように思えた。上野邸設計村田淳建築研究室所在地東京都三鷹市構造木造規模地上2階地下1階延床面積142.19㎡
2020年11月30日WOWOWでは、話題作『パラサイト 半地下の家族』をはじめ計8本のポン・ジュノ監督作品を放送することが決定した。第92回アカデミー賞で非英語映画初となる作品賞など4部門に輝き、第72回カンヌ国際映画祭ではパルムドールを制した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』。半地下にある家で暮らす貧しい4人家族は、高台で暮らす裕福な家族の豪邸に出入りするようになるが、そこには想像できない秘密が…。また今回は、監督が公開前に完成させた“モノクロ版”も放送される。この2本に加え、長編第1作目となった『ほえる犬は噛まない』。ソン・ガンホ主演の実際の未解決の連続殺人事件を基にしたミステリー『殺人の追憶』。殺人事件の容疑者となった息子を救うため、真犯人を追う母親を描く『母なる証明』。ソン・ガンホ、ペ・ドゥナらが出演するパニック・ムービー『グエムル 漢江の怪物』。新たなる氷河期を迎えた地球をひた走る列車内で繰り広げられる、生き残った人類の壮絶な闘いを描く『スノーピアサー』。そして、3本で構成されるオムニバスのうち監督が1本を手掛けた、日本=韓国=フランス合作『TOKYO!』も放送が決定した。『パラサイト 半地下の家族』は11月7日(土)21時~WOWOWシネマにて独占初放送。(cinemacafe.net)■関連作品:TOKYO! 2008年8月16日より渋谷シネマライズ、シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開母なる証明 2009年10月31日よりシネマライズ、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国にて公開©2009 CJ ENTERTAINMENT INC. & BARUNSON CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVEDスノーピアサー 2014年2月7日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© 2013 SNOWPIERCER LTD.CO. ALL RIGHTS RESERVEDパラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年10月16日下ネタを話せば盛り上がると思っているのか、はたまた単純に下ネタが好きなのか、下ネタが止まらない男性っていますよね。心から不愉快に感じている女性も多いでしょう。ここでは下ネタの撃退テクニックを紹介します。リアクションを取らない下ネタを言われると、嫌な気持ちがとっさに顔に出てしまうこともあるかもしれません。しかし、下ネタを言われた女性の嫌がる顔や困る様子を見て、その反応を楽しんでいる男性も中にはいます。下ネタを言われて不快に感じたら、真顔で通しリアクションを取らないようにしましょう。場の雰囲気を壊したくないからと、笑顔で接する必要はありません。リアクションをとってしまうと相手が調子に乗ることもあります。目には目を!質問返しをする下ネタは嫌だけど、場の雰囲気を壊したくない、相手からの好感度を下げたくない場合には、質問返しが効果的です。下ネタを言われたら「どういう意味ですか?」と返したり、フェチについて聞かれたら「あなたは何フェチですか?」など質問には質問で返します。話に付き合うフリをしておけば好感度が下がることもありません。また、返し方によっては好感度が上がることもあります。例えば、「今日の下着は何色なの?」と変態まがいのセクハラ質問をされたら、「何色だと思います~?」といたずらっぽく返しておけば、男性はかまってもらえた嬉しさと下着の色が本気で気になって舞い上がります。もちろん正直に答えなくても大丈夫で、「正解は教えな~い」とか「さあどうでしょう?」などとかわしましょう。どうしようもない時は席を外すそもそも下ネタが生理的に受け付けられなかったり、その都度対処していてもどんどん過激になってしまう場合がありますよね。手が付けられなくなるほどであれば、トイレに行くなどしてしばらくその場から離れましょう。我慢してその場にいても事態は好転しません。自分の心身を守るために、席を外したり帰るなりして距離を取りましょう。男性に下ネタを言われて困っても、NO!と言うのはハードルが高いと感じてしまう女性も多いでしょう。ここで我慢して下ネタに付き合ってしまうと、更にエスカレートしてしまうこともあります。リアクションをとらない、席を外すなどして、下ネタをスルーするのがいまは得策と言えるでしょう。
2020年09月26日