梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー‼』の東京公演が2月19日(金)よりサンシャイン劇場にて上演される。佳境に入り熱量が増す稽古場から出演者のコメントが到着した。伊藤今人(梅棒/作・総合演出)もともとあった作品をリメイクする、ただリメイクするだけでなく、続きの物語だけど再演的要素もある新しい試みだったので、どうかなと思ったのですが、結果すごく素敵な作品になっているなと、いい方向に出ているなと思います。梅棒でもいろいろなテイストの作品がありますが、今観て元気になれる最適な作品という気がします。一年ぶりの梅棒の本公演になりますが、間違いなく元気にするので是非観に来てください!多和田任益(梅棒)梅棒メンバーになって初めての公演なので、前回客演で出ていた時の景色は残りつつも全てが初めての感覚で、梅棒メンバーとしてやっている自覚や出来ることは何だろうということをずっと考えて稽古をしてきました。初めて振付をすることに不安もありましたが、先輩メンバーたちが背中を押しつつ助けてくれたので、自分なりに精一杯挑戦できました。お客様に楽しんでもらいたい一心で創り上げてきたので、劇場に来ていただけたらパワーを受け取ってもらえる自信はあります。是非劇場にお越しください!押田岳この稽古場の空間が好きで、初めて会う人でもみんな一人一人の思っていることがわかって、ひとつのところを目指している感覚がすごくあるので、ピリッとするところはするし、楽しくできるし、いい雰囲気で作品をクリエイトしていくことにしっくりきています。ちょっと難しい時期ですが、みんなでこれだけ熱量をもって創っているので、絶対楽しんでもらえると思うので余裕がある方は来ていただけたら嬉しいです。新垣里沙稽古に参加させていただいて、(梅棒の作品で)あれだけ人を感動させて心を動かすには、ここまで大変なことを裏ではしていたんだというのを自分の身に感じてわかって、私が梅棒作品を観たあの時感じた思いや感動を今度は私がお客様に渡す番だ!と思って稽古に臨んでいます。今色々な思い、選択で迷っている中観劇に足を運んでくださると思うので、来ていただく方を絶対後悔はさせないような作品に仕上がっていると思います!梅棒 11th STAGE 『ラヴ・ミー・ドゥー‼』は、2月19日(金)~28日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。愛知、大阪公演あり。
2021年02月15日「私」と「彼」、たったふたりの出演者が一台のピアノと共に繰り広げる100分間ノンストップのミュージカル、『スリル・ミー』。実際にあった衝撃的な殺人事件を題材にアメリカで生まれ、日本では2011年に初演された人気作が、2021年4月に2年ぶりに再演される。これまで様々なペアが演じてきた「私」と「彼」は、日本初演10周年となる今回もトリプルキャスト。最後に、オーディションで選ばれたペア、松岡広大(私)と山崎大輝(彼)の対談をお届けする。これぞ厳正、栗山民也のオーディション──今回が初共演ということで、まずはおふたりの関係性を確認させていただきたいのですが……?松岡今日が初対面です!山崎会うや否やビジュアル撮影して、その足でここに来ました(笑)。松岡でも共演が決まって、動画は見させていただきましたよ。すごく歌える方だなって。山崎ありがとうございます。僕も広大君のインスタグラム見てますよ。それでなんとなく、あんまり喋らない方なのかなと思ったんですけど、お会いしたら全然そんなことなくて。「初対面だから喋らないと」みたいなギアが入ってるんですか?松岡全くないです! 単純にうるさい人間です(笑)。というか、人と話すのが好きなんですよ。どういう価値観とか論理を持っている人なのか、知っておいたほうが意思疎通がはかりやすいと思いますし。だからあの、無礼だと思われたらドーンと突き放してください(笑)。山崎いやいや、それはないですよ! 僕も、最初はどうしてもちょっと人見知りしちゃうんですけど慣れればけっこう喋るタイプで、広大君が静かだったら空回りしちゃうと思ってたから(笑)、喋る人で良かったです。松岡僕も、山崎さんが明るい方で安心しました!稽古でもっと深く知るのが楽しみです。──おふたりともオーディションを受けられたとのことですが、挑戦しようと思ったきっかけは?松岡僕は松下洸平さんと柿澤勇人さんのバージョンを観た時から、なんとなく「やりたいなあ」と思っていたんです。その後、僕が“演劇界の帝王”として尊敬している成河さんがやっているのを観て、「決めた! 俺もやる!」と(笑)。俳優の力量が試される作品だと思ったこと、栗山民也さんとはいつか絶対にご一緒したいと思っていたこともあって、お声がけいただいてすぐに挑戦を決めました。山崎僕はお声がけいただくまで作品を観たことがなかったんですが、ピアノ一台のふたり芝居と聞いて、「うわうわ、すごい!」と。なおかつ内容も濃密で、実際にあった事件が元になっているという点にも惹かれて受けさせていただきました。ただ、僕はミュージカルのオーディション自体あまり経験がなかったので、本当にめちゃめちゃ緊張してしまって。その時が初対面だった栗山さんもね? もうあの……松岡(眼鏡をずらしてじっと対象を見つめる仕草で)こういう感じでしたよね(笑)。山崎そうそう! これは届いているのだろうか? という気持ちになりました(笑)。松岡すごく分かります。細かいところまで見てくださっているからこそなのですが、あまりの反応のなさに、これが“厳正なオーディション”ってやつなのか! と思いました。山崎ほんっとにそう。だから受かったと聞いた時は、嬉しいと同時にすごく安心しましたね。「成河さんが出るのは聞いてない!」(松岡)「3組というのはやはりプレッシャー」(山崎)松岡僕ももちろん非常に嬉しかったんですが……成河さんがまたやられるとは聞いてないぞ、とも思いました(笑)。オーディションを受ける前、ちょうど『ねじまき鳥クロニクル』でご一緒していたので、受けるんですってお話もしてたんですよ。その時は「ああそうなんだ、頑張ってね~」としか言われなかったのに、蓋を開けてみたら同じ役。光栄ですが、やはり緊張します。山崎3組あるって、やっぱりプレッシャーではありますよね。しかもこの作品は、これまでにも何組もの方々が演じられている。選んでいただいた以上は新しいものを作りたいけれども、オリジナルを無理に狙って物語が成立しなくなるのもおかしいし、という葛藤があります。松岡そうですよね。とにかく作品に真摯に向き合って、選ばれた理由、僕たちの世代だからできることを、自分たちで見つけていくしかないのだと思います。俳優が変われば見え方も変わるのはごく自然なことだと思うので、果敢に挑戦していきたいですね。──ちなみに、逆の配役を考えたことは?松岡・山崎ないです!松岡おこがましいかもしれないですけど、「『私』は俺だ」って、なぜか最初から思っていたんですよね。できる! やってみせる! という、変な自信があったんです。逆に、自分が「彼」を演じている姿は想像ができなかった。「私」と僕にはきっと、どこかで共通項があるのだと思います。山崎僕は「彼」としてお声がけいただいたので、単純に初めからそっちに精いっぱいでした(笑)。冷酷な「彼」は、今の僕から見たら遠い役。でも僕は、自分に近い部分がある役のほうが演じやすいと思う一方で、遠い役を演じることで、自分の中から“裏面”の僕が出てくるような気もしてるんですよ。今回も、僕の中に眠る冷酷さが呼び覚まされるんじゃないかと期待してます(笑)。松岡はははは! それ、すっげー楽しみです(笑)。“化け物先輩”のことは、気になるけど気にしない!──今日のビジュアル撮影から、いよいよ作品が動き出した形です。ぜひ感想をお聞かせください。松岡すごく緊張しました! スタッフの皆さんは柔らかい感じでいてくださるんですけど、作品の歴史や系譜を考えるとやはり、ずっしりとした重厚感をまとっているような気持ちになって。山崎そうですね。まだホンをしっかり読んでいるわけではない中でも、役をちょっと“降臨”させようと思って臨んではいたので。広大君とお会いしたこともあって、自分は『スリル・ミー』に出るんだ、という実感がどんどん湧いてきました。同時に乗り越えなきゃいけない壁も具体的に見えてきて、めちゃめちゃ楽しみなんですけど、やっぱり不安も湧きましたね(笑)。松岡僕だって吐きそうです(笑)。田代万里生さんと新納慎也さんのペアにご挨拶する機会もあって、お客さんが観比べることになる相手を具体的に意識するようにもなりましたし。おふた組とも、僕たちとは明らかに厚みが違う“化け物先輩”ですからね!(笑)山崎本当にそうで、色んなことが具体的になればなるほど、「俺で大丈夫か!?」って思います(笑)。だから僕は、もちろんほかのペアのことは気になるんですけど、できるだけ気にしないようにしようと思ってて。オーディションの準備の時から、いただいた参考音源はあまり聴かないようにしてましたし、稽古が始まってからもそうするつもりです。松岡そもそもとんでもない方々な上に、おふた組ともこの作品で一度成功していらっしゃいますからね。僕も、学ぶところは学びつつ、意識し過ぎないようにしたいと思っています。フレッシュなふたりならではの作品にしたい──歌の手応えなどはいかがでしょうか。松岡またおこがましい話になるんですけど、オーディションで歌った楽曲に関しては自分の声に合っているというか、セリフを喋るように歌えた感覚があって。今まで積んできた、声と体のトレーニングが少し形になってきているのかなと思います。自分で思っているだけなので、お客さんからしたらまだ全然だと思いますけど(笑)。山崎さんはいいですよね! 歌えるから。山崎いやいや、そんなことないです本当に! というのも、昨年4月に『チェーザレ 破壊の創造者』で初めてミュージカルに出ることになって、ポップスとはやっぱり全然違うから、稽古が始まる前からボイストレーニングをしてたんですよ。でも稽古が始まったら、そこにもやっぱりアッキー(中川晃教)さんみたいな“化け物先輩”がいっぱいいて……松岡アッキーさんいたら「終わった…」ってなりますよね(笑)。山崎そう(笑)、それで本当に、もっともっと準備して稽古を迎えないといけないんだなってこう、改めて叩き込まれた感じがあって。『チェーザレ 破壊の創造者』は中止になってしまって、今回がミュージカル・デビューになるので、今はただただ未知数というか……“ヤバそう”という言葉しか出てこない(笑)。でもなんとか、胸を張って舞台に出られるようにしたいですね。――最後に、改めて意気込みをお願いします。山崎この作品が本当にすごいなと思うのは、出演者がふたりしかいなくて、そのふたりが違うだけなのに、すごく色んな色を見せてくれるところ。僕らにはフレッシュな僕らなりの色が出てくると信じて、作品ファンの皆さんに満足していただけるよう、精いっぱいやりたいと思っています。松岡「観るものを虜にするミュージカル」と、チラシなどにも書いてありますが、本当にその通りだと思います。まずは、その言葉に相応しい作品にできるように。日本語に翻訳されたことでニュアンスが変わっている部分もあると思うので、英語のスクリプトにもあたって、この作品が伝えたいことを丁寧に突き詰めたいと思っています。そして、なぜ2021年の4月に上演するのかといったことも含めて、ひとりの人間として真摯に考えて臨みたいです。取材・文:町田麻子撮影:杉映貴子松岡広大さんと山崎大輝さんのサイン入りチェキを2名様にプレゼント!ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=6f6f28bd-a3d9-43f3-8d0b-70ec1752d53f&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。ミュージカル『スリル・ミー』原作・脚本・音楽:Stephen Dolginoff翻訳・訳詞:松田直行演出:栗山民也出演:田代万里生(私役)×新納慎也(彼役) / 成河(私役)×福士誠治(彼役) /松岡広大(私役)×山崎大輝(彼役)ピアニスト:朴勝哲落合崇史篠塚祐伴【東京公演】2021年4月1日(木)~2021年5月2日(日)会場:東京芸術劇場シアターウエスト【群馬公演】2021年5月4日(火)・5日(水)会場:高崎芸術劇場 スタジオシアター【愛知公演】2021年5月15日(土)・16日(日)会場: ウインクあいち大ホール【大阪公演】2021年5月19日(水)~2021年5月23日(日)会場:サンケイホールブリーゼ
2021年01月22日「私」と「彼」、たったふたりの出演者が一台のピアノと共に繰り広げる100分間ノンストップのミュージカル、『スリル・ミー』。実際にあった衝撃的な殺人事件を題材にアメリカで生まれ、日本では2011年に初演された人気作が、2021年4月に2年ぶりに再演される。これまで様々なペアが演じてきた「私」と「彼」は、日本初演10周年となる今回もトリプルキャスト。3組のうち、2018-19年公演に引き続いての登板となるペア、成河(私)と福士誠治(彼)に話を聞いた。“再演”ではなく“リクリエイション”──まずは、今作に再び挑もうと思った理由をお聞かせください。福士僕、“再演”って人生で初めてなんですよ。同じ役をまたやることに対して、「ん……」っていう気持ちが実はあるのですが、今回に関しては流れるように決まりましたね(笑)。ソンちゃん(成河)とまたやれるなら、スケジュール的には大変だけどやるか! と思いました。成河めっちゃ分かる。僕も前回一緒に作った誠ちゃん(福士)とじゃなかったら、またやることに興味は湧かなかったと思います。日本には1か月稽古して1か月公演しておしまい、という文化がありますけど、僕は演劇って、本来は5年くらいかけて作り続けるものだと思ってるんですよ。だから今回も、“再演”でも一から作るのでもなく、前回からの“続き”だと思って臨むつもり。その価値があると思える限り、まだまだ何年もやれると思ってます。福士そこには性格の違いがあって、僕は芸術追求タイプのソンちゃんと違って燃え尽き症候群タイプだから、1回1回「終わったー!」ってなるんですけど(笑)。成河もちろん僕も、その都度燃え尽きながらはやりますよ(笑)。でも少し時間が経って、自分たちが描いた絵を俯瞰で見ながら創作を続けられるって、贅沢なことじゃないですか。福士渦中にいるとどんどん描き足していっちゃうけど、俯瞰で見ると消しゴムで消せるからね。邪魔だったものを消して、作品を研磨するイメージで臨めたら、とは僕も思っています。成河そうそう。そういう意味では“再演”じゃなく、“リクリエイション”っていう言葉がふさわしいのかなと思いますね。プライベートは大嫌い!? でも似ているところがいっぱいあるふたり──ふたり芝居ということで、お互いの信頼関係が大事になってくると思います。おふたりは前回が初共演でしたが、どのように信頼関係を築いていかれたのでしょうか。成河一緒にいっぱい旅行をしました! …嘘です、1回も行ってない(笑)。福士行ってないね(笑)。心の旅行はいっぱいしましたけど。成河いやだって、分かるでしょう? ふたりともめちゃめちゃ照れ屋でナイーブだからこそ、こんだけお喋りなんですよ(笑)。福士でも僕、ソンちゃんとはずっと喋っていられるな。何かひとつ話題をポンって置いたら、それに対してふたりであーだこーだ言えるところが、わりと最初からあった気がするんですよ。成河懐かしい、前回の稽古中もそうだったね。誠ちゃんとは、好きなもの嫌いなものは全然違うんですけど、色んな物事に対する距離感が似てるんじゃないかと思います。福士あと、現場が楽しくないとダメなところ。もちろんプロとしてお仕事をしているんだけど、根本に楽しい気持ちがあったほうが面白い、って思ってるところが似ているんじゃないかな。成河すごく分かる。あと僕がものすごく共感してるのは、オールラウンダーだっていうところ。ひとつのジャンルを極めることも大事ですけど、俳優ってそんな単純なものじゃないような気が僕はしているから、色んなジャンルに垣根なく挑戦する誠ちゃんに共感するし、僕もそうありたいと思ってます。だから誠ちゃんのこと、ずっと“旅人”って呼んでるんですけど(笑)。福士そ、僕たちはゴールのない“旅人”(笑)。成河本当、似てるところがいっぱいあるふたりだよね。プライベートは大っ嫌いだけど!(笑)福士あはははは! それめちゃくちゃ面白い、すげー“垣根”あるじゃん(笑)。──大っ嫌いなんですか(笑)。成河大っ嫌い。ははははは! いや、プライベートを知らないんですよ(笑)。福士そうそう、旅公演でちょっとご飯食べたりはあったけどね。成河結局ふたりとも“旅人”だから、それぞれ自分の時間が大事なんです(笑)。福士たとえば夕方5時くらいに偶然会って、お互いその後の予定がなかったら、「飯行こう」って絶対なると思うんです。で、そうなったら多分、ずーーーっと話し続ける(笑)。成河そうだね、半日くらい(笑)。福士でも実際には、お互い6時くらいから予定があったりしてすれ違うことが多い。仕事に対する姿勢も、プライベートも“旅人”なふたりなんです(笑)。1ミリでいいから“正解”のその先へ──前回の公演を通して、演出の栗山民也さんにはどんな印象をお持ちですか?福士僕は結構、いい意味での“してやられた感”がありますね(笑)。前回の時点で既に色々な人がやってきていた作品ですけど、成立さえしていれば同じ動きじゃなくてもいいじゃんと思って、ソンちゃんと色んな動きを提示したんです。でもある時、「形式的に動くことで生まれる神話的なものが君たちの狂気性に繋がる」と言われて、「彼」という人間がスコンって腑に落ちてしまった。「彼」の心の動きを考えて一生懸命積み上げていたピラミッドが、そのひと言で一気に3段から5段になって土台がしっかりしちゃった気がして、なんか悔しかったです。成河ああ分かる! リクリエイションを本気でしようと思ったら、決められた動きっていう“正解”は一番邪魔なもの。俳優は失敗をしながら深めたり積み上げたりしていくもので、そのプロセスが極めて重要なんですよ。でも栗山さんが持っているのは、とても強力な正解だから。それでも誠ちゃんとは、「今俺たちが思い付いたプランなんて正解と比べたらめちゃめちゃダサいかもしれないけど、それでも言ってこうぜ、傷ついてこうぜ!」ってやってましたけどね(笑)。福士そう、1回プレゼンはするんです(笑)。でも説得されちゃう。今回もきっとそうなるとは思いますけど、1ミリでもいいから“正解”の先に行きたいというのが意気込みです。「私」と「彼」の愚かしい振る舞いが自分たちの教訓にならないといけない成河僕が前回、一番説得力を感じた栗山さんの言葉は、「この作品は“資本主義の病”を描いている」というもの。きっと色んな捉え方ができるから『スリル・ミー』は人気があるわけで、“究極の愛”というのもそのひとつだと思います。ただ僕の中には「本当にそれでいいの? そのひと言では語れない作品なんじゃないの?」という問いがあって、そんな時に“資本主義の病”と言われてとてもしっくり来たんです。この話を、純粋に愛し合っているふたりを周りの大人がダメにした、という他人事にしてはいけない。ふたりの愚かしい振る舞いが、今も資本主義社会に生きる僕たち自身の教訓にならないといけないと、少なくとも僕は思っています。福士100年前の事件だけど、同じような愚かさって、今の時代にもあるものだからね。あんまりこういうことばっかり言うと、お客さんが観に来たくなくなっちゃうかもしれないけど(笑)。成河いやでも、それが演劇だと思うよ。人間の欲とか悪意、闇みたいなものって、あまりにも近づきすぎると取り込まれてしまう危険があるけど、演劇だと遠くから観て、問題解決につなげることができる。確かに、究極の愛を描いた作品として大切に思っているお客様にとっては聞きたくない話かもしれないけど、栗山さんはどっちの柱も持っている中でこっちの柱を僕たちに預けてくれている感覚があるから、今回も僕たちはこの柱でやらせていただくと思います。福士いやあ面白いな~、聞き入っちゃった。前回も、こういう対談取材でソンちゃんの話を聞いていたおかげで、稽古にスッと入れたことを思い出しました。今回も、稽古が始まる直前くらいにまたこういう取材を組んでもらいたいですね。……いや、それより稽古しないといけないか(笑)。まずは歌を思い出さないと、だって僕たち、ビジュアル撮影中に音源が流れてたのに「え、この歌って俺が歌ってたっけ?」っていうくらい忘れていたんだよ?(笑)成河そうそう、「どっちだっけ?」みたいな(笑)。しょうがないよ、旅人だから!福士はい、旅人ですからもう(笑)。──おふたりならではの興味深いお話の数々、ありがとうございました!福士あ、もう大丈夫ですか? 好きな食べ物の話とか、しなくていいですか?成河好きな食べ物かぁ~、時間かかるよ俺! ……めんどくせー、みたいな顔しないで(笑)。──じゃあせっかくなのでお願いします。広げなくていいので(笑)。福士はい(笑)。おごってもらえるならお寿司で、いつでも食べたいのは唐揚げかな~。成河あ、唐揚げ好きなの? めちゃ似合いそうだね! 唐揚げのCMやってほしい。福士やりたいな~。ソンちゃんは、パクチーでしょ?成河違う違う。いやパクチーなんだけど、パクチーは食材やん?福士ああ、そういうこと。成河だからね、トムカーガイ。世界の料理の中で、タイ料理が一番の好物です!取材・文:町田麻子撮影:杉映貴子成河さんと福士誠治さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント!ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=6f6f28bd-a3d9-43f3-8d0b-70ec1752d53f&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。ミュージカル『スリル・ミー』原作・脚本・音楽:Stephen Dolginoff翻訳・訳詞:松田直行演出:栗山民也出演:田代万里生(私役)×新納慎也(彼役) / 成河(私役)×福士誠治(彼役) /松岡広大(私役)×山崎大輝(彼役)ピアニスト:朴勝哲落合崇史篠塚祐伴【東京公演】2021年4月1日(木)~2021年5月2日(日)会場:東京芸術劇場シアターウエスト【群馬公演】2021年5月4日(火)・5日(水)会場:高崎芸術劇場 スタジオシアター【愛知公演】2021年5月15日(土)・16日(日)会場: ウインクあいち大ホール【大阪公演】2021年5月19日(水)~2021年5月23日(日)会場:サンケイホールブリーゼ
2021年01月08日「私」と「彼」、たったふたりの出演者が一台のピアノと共に繰り広げる100分間ノンストップのミュージカル、『スリル・ミー』。実際にあった衝撃的な殺人事件を題材にアメリカで生まれ、日本では2011年に初演された人気作が、2021年4月に2年ぶりに再演される。これまで様々なペアが演じてきた「私」と「彼」は、日本初演10周年となる今回もトリプルキャスト。3組のうち、まずは“伝説の初演”ペア、田代万里生(私)と新納慎也(彼)に話を聞いた。話し合いを繰り返して作り上げた初演──日本版オリジナルキャストのおふたりが登板するのは、2012年以来約10年ぶりになりますね。田代そうですね、その間ほかの作品でも一切共演がなかったので、僕は新納さんの“共演NG”なのかと思ってました(笑)。でもふたりとも、ずっと頭の隅に『スリル・ミー』のことはあって、たとえば僕が韓国に行った時に……新納あぁ、お土産もらった! 作品名が入ったエアポッズのカバーが、自宅のポストに入ってました(笑)。でも僕は、年齢的なこともあって「彼」役は卒業したつもりでいたので、今回のお話をいただいた時は冗談だと思ったんです(笑)。万里生が(伊礼)彼方と組んだ公演を観に行った時も、「まだやれるのに」って思っていたらすごく嫉妬しただろうけど、もう“ご隠居”みたいな気分だったから(笑)、そういうのは全くなくて。田代OBみたいな感じで観てたよね(笑)。新納そう、「良かったよ~」とか言って(笑)。だから本当、びっくりしましたね。田代僕は伊礼さんと組んだ時も、「次もしやる時は新納さんと伊礼さんの両方と組みたい!」って思ってましたけどね。どっちも大好きだから。新納いやいや…...だって19歳の役ですよ?(笑) でももちろん、またやれるのは嬉しいこと。10年近い時を経て、若い俺はこう考えてたけど今は違う、とかも出てくると思うと楽しみです。──初演時の思い出や、印象的なエピソードなどをお聞かせください。新納とにかくふたりでああでもないこうでもないって、ものっすごく色んな話をした思い出がありますね。「私」と「彼」の関係性とか価値観を共有するための話し合いを繰り返したね。田代僕は当時まだデビューして2年くらいで、分からないことだらけだったから、新納さんからいっぱいアドバイスをいただきました。新納スポンジのように、って言うのかな。万里生が短い期間でぶわ~っと色んなことを吸収して成長していって、なんてピュアな人なんだ! と思ったことを覚えています。田代あの時は僕らのほかに松下洸平君と柿澤勇人君のペアもいて、大枠の動きだけは一緒につけてもらいましたけど、そのあとは演出の栗山(民也)さんが、ずっと僕らだけを見て作ってくださったことも印象的。忘れられない“栗山語録”がいっぱいありますね。新納あるある、まずはあれだよね、稽古初日の「これは究極の愛の物語です。じゃあ始めよう」。僕はその時、「そうなの? これ愛の物語なの!?」って(笑)。田代めっちゃドSな「彼」を作って来てたのに(笑)。新納そう! 栗山さんの読みの深さに、最初から驚かされました。演出も、「ここで椅子を叩いて」とか「ここで髪をかき上げて」とか、とにかく細かくて。最初は意味が分からないんですけど、稽古するうちに、そう動かざるを得ない気持ちになっていくのが栗山演出の不思議なところ。田代本当にそう。栗山さんの言葉は、その時は理解できなくても後になって「なるほど!」ってなることがあるから、自分なりの解釈とかは加えずに、なるべくそのまま台本に書いておくようにしてるんです。それで今日、初演の台本を見返したら、1ページ目に「演劇は時間だ」と。新納……分かるような分からんような。田代僕もまだ分からない(笑)。でももしかしたら、こうやって考えてること自体がもう答えなのかもしれないなと思います。「新納さんは触ってくれない」(田代) 演じる役者によってニュアンスが変わるのも『スリル・ミー』の魅力──先ほどお話にも出た通り、田代さんは2014年に伊礼彼方さんとも組んでいますが、新納さんと伊礼さんの「彼」はやはりだいぶ違いますか?田代全っ然違います! まず僕との年齢差が違うし、おふたりのキャリアと個性ももちろん違う、だから視覚的にも、硬さ柔らかさ強さ太さも全部違う。それによって、僕の「私」も大きく変わります。具体的な例で言うと、伊礼さんはスキンシップが多くて、肩をガッてつかんで「お前!」とかがしょっちゅうあるんですけど、新納さんは触ってくれないんですよ(笑)。新納ふははは! そうだっけ?田代そう、だから「私」の「触ってください」っていうセリフの意味が変わってくる。伊礼さんだと「いつも触ってくれるのに今日はどうして」で、新納さんだと「1回でいいから触って」っていうニュアンスになるんです。新納ああ~。それはでも、栗山さんが求めるものの違いもあると思うけどね。僕は栗山さんから、「『彼』は一歩足を踏み出すことにも手を動かすことにも何か目的がある人」って言われていたから、自由に動くことなんてとてもできなかった(笑)。田代確かに。栗山さんのダメ出しからして違うくらい、演じる役者によって全然違う『スリル・ミー』になるところもまた、この作品の面白さなんでしょうね。唯一無二の個性VS醸し出される貴族感──お互いが思う、役者としての魅力を教えてください。田代何だろう、もう唯一無二すぎて(笑)。だって新納さんみたいな人って、ほかにいないじゃないですか。新納確かに、「新納さんみたいになりたい」って言われたことないね、言われたいのに(笑)。田代いや、思ってもなれないから(笑)。新納さんは個性の塊のような方。しかも、個性的すぎてカンパニーに馴染まないみたいなこともなく、むしろムードメーカーとしてみんなを引っ張っていってくださるんです。あと観客としてよく感じるのは、ここぞという時の、劇場まるごとグッて抱え込むような力。迷いなくできる勇気というか、確信を持って演じられるところは、本当にすごいなと思います。新納ええ~? ありがとう(笑)。万里生はやっぱり、醸し出される“貴族感”だよね。この人、絶対育ちがいいんだろうなって思わせるような役は、僕にはどうあがいてもできない。それは本人の人柄でもあって、この人はピュアさが隠せないんですよ(笑)。ビジュアル撮影をしていた時も、「何そのポーズ!」「面白い!」とかずっと言っていて(笑)。田代新納さんに会えて嬉しかったんです!(笑)新納僕は役者には、どんな汚れ役であっても品が必要だと思ってるんですけど、万里生にはそれが最初から備わっていると思います。あとはやっぱり、安定した歌唱力。ミュージカルでは“喋るように歌う”ことが求められることもありますけど、譜面通りに歌ったほうが得というか、伝わりやすいことも多い。万里生はさすが、そのチョイスの仕方が天才的だなと思いますね。初演時とはまた違うふたりの『スリル・ミー』を 「どうか優しい目で観てください(笑)」(新納)──そんなおふたりの今回の「私」と「彼」に、自分たちで“〇〇ペア”と名前をつけるなら…...?新納……“おっさんずラブ”ペア(笑)。田代やめてよ!(笑) 観ていただいたら、年齢は全く気にならないと思いますから。新納はい、めちゃめちゃ若作りしてやります(笑)。“おっさんずラブ”じゃないなら……まあ“出戻り”だよね。“チーム出戻り”(笑)。田代いやいやいや(笑)。“真実の愛”ペアでお願いします!──素敵です(笑)。では最後に改めて、待ちわびていたお客様にメッセージをどうぞ!新納この作品にしても『エリザベート』にしてもそうなんですけど、僕は初演を立ち上げて、その作品が“ドル箱”になった頃にはもういない、っていう目によく遭うんです(笑)。作品が有名になると、初演のメンバーって美化されていくもの。「すごかったらしい」とか聞くたびに、「そうでもないんだけど、まあ答え合わせする日は来ないだろうから、美化されておいたらよろしい」って思ってたんですけど(笑)、その日がやってきてしまった。美化されたものを越えなきゃいけない、というプレッシャーを感じているので……どうか優しい目で観てください(笑)。田代僕はそうですね、新納さんとまた組めること、“共演NG”ではなかったことが(笑)、まずはとにかく嬉しくて。僕と新納さんが出会ってからの10年間、ずっと一緒にいたわけではないけれどお互いアンテナを張り合っていたことが、幼なじみの「私」と「彼」としての関係性に滲み出たらいいなと思います。もちろん舞台上の僕らが“新納さんと万里生”に見えてほしくはないんだけど、僕らの中にしか生まれない呼吸だったりリズム、目線だったりがあると思うから、初演の時とはまた違う僕らの『スリル・ミー』を、ぜひ楽しみにしていてください!取材・文:町田麻子撮影:杉映貴子田代万里生さんと新納慎也さんのサイン入りチェキを2名様にプレゼント! ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=da881039-be0d-4908-bfcb-1512e9f6eb73&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。ミュージカル『スリル・ミー』原作・脚本・音楽:Stephen Dolginoff翻訳・訳詞:松田直行演出:栗山民也出演:田代万里生(私役)×新納慎也(彼役) / 成河(私役)×福士誠治(彼役) /松岡広大(私役)×山崎大輝(彼役)ピアニスト:朴勝哲落合崇史篠塚祐伴【東京公演】2021年4月1日(木)~2021年5月2日(日)会場:東京芸術劇場シアターウエスト【群馬公演】2021年5月4日(火)・5日(水)会場:高崎芸術劇場 スタジオシアター【愛知公演】2021年5月15日(土)・16日(日)会場: ウインクあいち大ホール【大阪公演】2021年5月19日(水)~2021年5月23日(日)会場:サンケイホールブリーゼ
2020年12月25日パク・チャヌク監督作『親切なクムジャさん』以来14年ぶりのスクリーン復帰を果たしたイ・ヨンエの主演作『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』。本作でイ・ヨンエの敵となる悪徳警察官を演じたユ・ジェミョンの新場面写真がシネマカフェに到着した。今回解禁となったのは、ドラマ「梨泰院クラス」で演じたチャンガの会長役で話題を呼んでいるユ・ジェミョンの新場面写真。ユ・ジェミョンはドラマ「秘密の森」や「恋のスケッチ ~応答せよ1988~」、映画『風水師 王の運命を決めた男』など、シリアスからユーモラスまで、作品ごとに異なる役柄で観客を魅了し、遅咲きながらも映像作品にかかせない名バイプレーヤーとして活躍。そして日本でもその知名度を確立することになったのが「梨泰院クラス」。実年齢をはるかに超える役柄を違和感なく演じ、そのギャップと役作りの入念さ、まるで「半沢直樹」を彷彿とさせるかのような迫力満点な表情の演技に、SNS上では驚嘆の声があがっている。本作で演じるのは、イ・ヨンエ演じるジョンヨンが訪れる漁村の地元警察・ホン警長。自身の立場を利用して築き上げた、小さくも平和な世界をかき乱すジョンヨンを排除しようとするが、次第に歯車が狂いだしてしまうという役どころ。新たに解禁された場面写真からも、権力を振りかざす警察官の有無を言わせない圧力を感じさせている。今作で初共演となったユ・ジェミョンとイ・ヨンエの激しいぶつかり合いも見どころのひとつであり、イ・ヨンエは「普段は穏やかな方なのに、そんな方が私を投げ飛ばしたり(笑)。現場では本当に役柄そのものなんです。私が長いブランクを経てカメラの前に立った時、大きな力になってくださいました」とユ・ジェミョンに感謝を述べている。『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』は9月18日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【非公開】ブリング・ミー・ホーム(原題) 2020年9月より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2020年09月04日ミー イッセイ ミヤケ(me ISSEY MIYAKE)は、アーティスト・黒田征太郎の作品を用いた「SEITARO KURODA」シリーズの新作アイテムを、2020年8月1日(土)に全国のミー イッセイ ミヤケとオンラインストアにて発売する。黒田征太郎のアートワークをプリント黒田征太郎は、1960年代から世界各地で創作活動を続けるアーティスト。感性豊かなタッチが特徴だ。2019年には、イッセイ ミヤケ 船場のクリエーションスペース誕生に伴い、公開制作とライブペインティングイベントを実施した。鳥や花を描いたプリーツトップスやストール「SEITARO KURODA」シリーズでは、服や小物アイテムに、鮮やかな色彩と自由な線で構成された鳥や花などがモチーフのアートワークを採用。ミー イッセイ ミヤケの定番のストレッチプリーツには「はしるとり」「とぶとり」「ねるふくろう」といった愉快な鳥のイラストをあしらい、楽しい雰囲気に仕上げた。長袖・半袖トップスに加え、プリーツストールやソックスも展開する。また、のびやかに花を描いた「いろいろなはな」「てとはな」「いえとはな」といった作品は、大判のコットンストールやトートバッグなど面の大きなアイテムに落とし込むことで、作品の生き生きとした魅力を活かしている。カラフルなレイングッズもカラフルな線を重ねた「しましまのとり」「よるのふくろう」は、四角形の傘やレインクロスにプリント。エネルギッシュなレイングッズは、雨の日も楽しい気分をもたらしてくれそうだ。【詳細】ミー イッセイ ミヤケ「SEITARO KURODA」シリーズ発売日:2020年8月1日(土)展開場所:全国のミー イッセイ ミヤケ店舗、オンラインストア・長袖トップス 23,000円・半袖トップス 20,500円・ソックス 3,000円・傘 22,000円・プリーツバッグ 12,000円・トートバッグ 23,000円・レインクロス 10,000円・コットンストール 20,000円【問い合わせ先】ISSEY MIYAKE INC. 広報室TEL:03-5454-1705
2020年08月03日パク・チャヌク監督作『親切なクムジャさん』以来、女優イ・ヨンエの14年ぶりのスクリーン復帰作が邦題『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』として、9月18日(金)より公開決定。ポスタービジュアルと予告編が到着した。イ・ヨンエが私生活での結婚、子育てを経てスクリーン復帰した本作で演じるのは、6年前に失踪した息子を捜し続ける看護師のジョンヨン。目撃情報を頼りにたどり着いた漁村で出くわした怪しげな一家に阻まれながらも、真実を追い求めて粘り強く我が子を探し続ける母親を演じている。本作について、イ・ヨンエは「緻密で完璧な演劇の台本を読んでいるようだった」とコメント、さらに「思いがけず長期間、女優の仕事を休んでいた私にとって、長い間待った甲斐のある作品だと確信した。本当に観てもらいたいと思える作品です」と製作報告会で語っている。今回解禁されたポスタービジュアルは、「その日まで、笑顔は封印した。」というコピーとともに、まっすぐ前を見据えたイ・ヨンエに重なるように、息子の捜索チラシが浮かび上がるビジュアル。さらに予告編では、漁村の怪しげな一家に怯えながら息子を捜す序盤から一転、後半では力強く彼らに立ち向かっていくジョンヨン(イ・ヨンエ)の様子が映し出され、話題沸騰中の「梨泰院クラス」のユ・ジェミョン、「夫婦の世界」のパク・ヘジュンら実力派俳優たちの姿も。監督は、イ・チャンドン監督作『シークレット・サンシャイン』などにプロダクションアシスタントとして参加し、本作で長編劇映画デビューを果たしたキム・スンウ。いまも世界各国で起こり続ける行方不明事件、児童労働といった現代社会の闇を背景に、一級のサスペンス・エンターテインメントに仕上げたその手腕は、ホ・ジノ監督(『八月のクリスマス』)から「最初から最後まで一瞬も目が離せない!」と絶賛され、トロント、シカゴ、ロッテルダム、香港など世界各国の国際映画祭でも高い評価を受けた。『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』は9月18日(金)より新宿武蔵野館ほかにて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブリング・ミー・ホーム(原題) 2020年9月より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2020年06月25日岡田きなこ(@Tsukiko9 )さんが、Twitterに愛猫の動画を投稿したところ、日本のみならず海外からも反響を呼びました。蛇口から流れる水を飲もうとする愛猫のミーちゃん。しかし、その様子を見た飼い主さんはミーちゃんの天然っぷりに驚いてしまいます…。58万人以上に『いいね』された、こちらの動画をご覧ください。ミ、ミーちゃん… pic.twitter.com/ypLhhi7GoU — 岡田きなこ(きなママ) (@Tsukiko9) 2020年5月27日 ミーちゃん、飲めてないよ…!蛇口から流れる水は、頭に当たって跳ね返り、ほぼ口元に届いていません。それでもミーちゃんはわずかな水しぶきをぺろぺろと真剣な表情で舐めています。飼い主さんいわく、普段は置いてある水を飲んでいるそうです。蛇口からは飲んだ経験がないので、正しい飲み方が分からなかったようですね。投稿は海外でも話題になったようで、コメントが多数寄せられています。・涙が出るほど笑いました!・なんてこと!クレイジーだけどかわいい。・寝ぼけてるのかな。笑ってしまいました!・この猫ちゃん大好き。何度も動画を見ちゃう。ミーちゃんのかわいすぎるボケに、多くの人が笑顔になったことでしょう![文・構成/grape編集部]
2020年05月29日日本テレビ系金曜ロードSHOW!では“ディズニー/ピクサー祭り”と題して、『リメンバー・ミー』の地上波初放送に加え、『トイ・ストーリー』と『トイ・ストーリー2』を放送することが決定した。数々の賞を受賞!『リメンバー・ミー』3作まとめてディズニー/ピクサー映画の大ヒット作を放送する今回。第1夜、2月21日(金)に放送するのは、『リメンバー・ミー』(’17)。今回本編ノーカットで地上波初放送!ディズニー/ピクサー長編映画19作目となる本作は、陽気でカラフルな“死者の国”を舞台に、家族の絆を描いた物語。日本語版では藤木直人、松雪泰子、渡辺直美らが出演したことでも話題に。第90回アカデミー賞で長編アニメーション賞・主題歌賞のW受賞を果たしたほか、ゴールデン・グローブ賞で作品賞(アニメーション)を受賞、アニー賞では最多11部門を受賞し、ディズニー/ピクサー作品史上最高傑作の呼び声も高いファンタジー・アドベンチャー作品だ。全てはここから…『トイ・ストーリー』続く2月28日(金)の第2夜は、劇場長編映画の世界初フルCGアニメーション作品、人気シリーズ第1作目の『トイ・ストーリー』(’95)を本編ノーカットで放送。オモチャたちが自由に歩き回ったり、おしゃべりしたり、夢のような世界を舞台にした冒険と感動の物語を描く本シリーズ。ウッディはアンディの一番のお気に入りだが、アンディの誕生日にバズが現れ、ウッディの主役の座が奪われそうに。張り合うウッディとバズは、ひょんなことからオモチャいじめが趣味の少年シドに捕まってしまい…というストーリー。『トイ・ストーリー2』も本編ノーカット放送!そして第3夜、ディズニー/ピクサー最新作『2分の1の魔法』公開当日の3月13日(金)は、シリーズ第2作『トイ・ストーリー2』(’99)を本編ノーカット放送。固い友情で結ばれたウッディとバズらに加え、今作ではカウガール人形のジェシーや馬のブルズアイなど新しいキャラクターが登場。突然連れ去られたウッディにハラハラし、大切な仲間を助けるため、バズとオモチャたちが決死の覚悟で街へ飛び出す姿にドキドキ。最後の最後までピンチの連続だ。(cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2020年01月30日『親切なクムジャさん』以来、14年ぶりのスクリーン復帰を果たしたイ・ヨンエの主演作『ブリング・ミー・ホーム』(原題)の日本公開が決定。併せて、ティザービジュアルが解禁となった。本作で主演を務めるのは、「宮廷女官チャングムの誓い」によって日本でも圧倒的な知名度を誇るイ・ヨンエ。『親切なクムジャさん』では、それまでの清楚なイメージを覆す役を演じ、韓国最大の映画の祭典である青龍映画賞や、シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞、名実ともに韓国を代表する俳優となった。2009年に結婚、その後出産、子育てのため芸能活動を休止していた時期もあった彼女だが、今回14年の時を経て映画のスクリーンにカムバック。本作では6年前に失踪した息子を探し続ける母親役を熱演し、韓国映画として初登場1位を獲得した(Box Office Mojo調べ)。共演には、「秘密の森」のユ・ジェミョン、「グッドワイフ」のイ・ウォングン、『毒戦』のパク・ヘジュンらが名を連ねる。新鋭キム・スンウが監督と脚本を務め、本作で韓国映画界に爪跡を残す鮮烈なデビューを飾った。本国公開前にはトロント国際映画祭に招待され、海外の新人監督作品を紹介するディスカバリー部門でワールドプレミアを迎えた。「予測不能な仕掛けに満ち、巧妙に練られた脚本!観客はシートで微動だに出来ない!」といった高評価を得た。さらに、2019年に日本でも公開されスマッシュヒットを記録した『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』のユン・ジョンビン監督からは、「イ・ヨンエはカムバックに正しい映画を選んだ。この映画はあなたを虜にし、心を溶かしてしまうだろう」というコメントも寄せられている。今回解禁されたティザービジュアルは、「愛する息子のために、母はどこまで強くなれるのか?」というコピーとともに大きく映し出された、涙を流しながらも力強い視線を向けるイ・ヨンエの姿が印象的。愛する息子を6年間探し続ける母の強さを感じさせる一方で、息子の失踪に悲しみや辛さを抑えきれない様子も表れ、複雑な役を繊細に演じきった彼女のブランクを感じさせない魅力あふれるビジュアルに仕上がっている。『ブリング・ミー・ホーム』(原題)は9月、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年01月10日●経歴の似ている2人が、念願の共演1920年代に実際に起こった、凶悪な伝説的犯罪を土台とし全世界で上演、日本でも再演を重ねるミュージカル『スリル・ミー』。登場人物は「私」と「彼」の2人きり、ピアノ1台で繰り広げられるのは、明晰な頭脳を持った2人の青年が、完全犯罪が可能であることを証明するために幼い子供を誘拐して殺害したという陰惨な物語だ。2018年は、”私”成河&”彼”福士誠治、”私”松下洸平&”彼”柿澤勇人という2組がこの物語に挑む。ニーチェに心酔し、自分を「超人」だと思っている”彼”と、そんな"彼"を愛しく思い、犯罪に加担してしまう”私”。今回は、成河&福士ペアにインタビューし、作品の魅力に迫る。○骨太な印象を持っていた――今回お二人の組み合わせが発表された時は、すごく意外だったのですが、作品の話を受けた時にはどのような印象でしたか?福士:逆に、どんなコンビ、という印象でしたか? 「歌えるの?」「土くさいけど、大丈夫?」みたいな?(笑)――なんというか「すごそう」「演技力の殴り合い」といった印象が……。福士:いつも素でやってるんだけどなあ(笑)。成河:ちょっと、恥ずかしい印象で(笑)。まあでも、そう思っていただけるのは、光栄なことですね。福士:もう今回僕らは、歌わないですからね。トークライブって書いていなかったですか?成河:トークライブ(笑)。夫婦漫才スリル・ミーです。福士:冗談はさておき(笑)。挑戦的な作品だと思いました。ピアノ1台の2人芝居で、不安でもあったんですが、ここ最近は、自分の中で想像のつかない作品をやってみたい願望があったんです。30歳を超えて、また改めて恥をかきたいな、という気持ち。以前から、できないものに挑戦してきたので、今「できない」と思っていることをぶち壊さないと、と思って。だから、この未知な作品に「チャレンジします」とお返事しました。成河:役者にとって、やりがいのある作品だと思います。嘘がつけないというか、自分を試されるというのは、ありがたい機会です。――お互い、もともとはどのような印象を持たれていたんですか?成河:僕は舞台『俺節』の時の印象が、忘れられないんです。作品としてもすごく好きだったし、どんな人なのかな? と思いながら観ていました。福士:昭和の、土くさい話で。――福士さん、ギターを弾いてらっしゃいましたよね。成河:だから、今回もギターでオファーが来ているんですけど(笑)。福士:今までの『スリル・ミー』を全部覆します(笑)。成河:みんなね、チラシを信じすぎなの! どうなるかわからないから!福士:たまにはいいかも(笑)。でも、『俺節』はすごく苦労したから、褒めてもらえるのは嬉しいですね。僕は、『100万回生きたねこ』を観させてもらった時が最初だったのかな? 動けるし、セリフの届き方や表現力も別格で、骨太な人だなと思っていました。観劇した後に、そのままみんなで飲みにも行ったんですよね。『髑髏城の七人』でも、同じシーズンではなかったけど、ニアミスだったので、「いつか作品で一緒になれたら」と思っていました。良い意味で怖いと思った男ですし、僕もそうなんですが、演劇畑を渡り歩いてきた感がありますよね。成河:それ、すごく感じた。福士:だから「2人でやります」ということが、嬉しかったです。僕、あんまり嫉妬はない。「怖いな」とは思うけど、「マジかよ」「俺が目立たないじゃん」とか、全くない。成河:超わかる!福士:舞台上で同じ役をやっているわけじゃないし、互いに全うして、「いい役だね」と言い合えたら最高ですね。●2人の演技論、そして「関西弁バージョン」の誕生?○"器"は関係性の中にしかない成河:やっぱ、二人芝居って関係性だから。この後、役柄についてお聞きになる予定かもしれないですけど!(笑)福士:嘘だ、聞かないよ! 僕らのこと、好きな食べ物から聞くと思うよ!(笑) ……で、役柄についてですかね?(笑)成河:当然くるだろ!――じゃあ役柄について……(笑) 登場人物は“私”と”彼”の2人しかいませんが、今の役を取っ払って、どちらをやってみたい、といった希望などはありますか?福士:”私”も楽しそうですよね。歌も大変、表現も難しいけれど、どちらの役でも役者冥利につきる。「面白い役だから楽しかった」という感想は絶対出るはず。僕はエキストラからやっていますから、物語を担う役をいただけて嬉しいし、どちらも面白いなと思います。成河:公演中に勝手に役を替えるから! 俺ら、バレないから!(笑)。福士:千秋楽の次の日あたりに勝手に小屋を押さえておこう(笑)。怖いけど、面白いね。成河:僕は、とにかく関係性だと思うんですよね。だから、どの役でもどんな関係性を作るのかが、大切だと思っているんです。でも、今日1日いて、福士くんと僕の間にあるものが、ひとかけら、わかったような気もします。言葉にはならないけど、そういうパーツがたくさん集まると楽しいと思います。福士:こうやって1日中取材を受けると、引き出しができたような気がする。まだ空っぽだけど、私と彼の間なのか、僕と成河くんの間なのか、「何かができた」というのはすごく感じられました。――少し、イメージできたということですか?成河:あ、そういう言い方したらダメですよ。今、福士くんが良い言い方したから。この2人の間に、入れるべき箱ができた、ということなんです。イメージは、まだ一個もない。福士:器、くらいだね。成河:前提にも達してないけど、そういう過程が、やっぱり役者の醍醐味なんです。福士:器ができて、1ピース埋まったから、千秋楽までに全部できる! ということでもない。成河:これは良い話ですよ、演技論の! 役者ってどうしても、自分の頭の中に器を作ってしまいがちだし、台本と接するようになってしまう。でも、本当はその器は2人の間にしかなくて、相手がいなければ成り立たないんです。2人の間の器の輪郭を考えて、「こんな形とこんな色をしているなら、だったらこれを入れようかな?」という作業があるんです。2人の間に器が見つかるのが、面白い。……すごいね、僕もたとえが大好きなんだけど、福士くんもバンバンたとえてくれる。栗山(民也)さんの前でたとえ合戦ですよ(笑)。福士:2人で一つの器がないといけないし、栗山さんとの器もなきゃいけないし、3人での器も、スリル・ミーというでかい器もあったり。そのエッセンスは、稽古という重要な期間で探っていきます。――成河さんは、『エリザベート』でも小池修一郎先生を質問攻めに……というお話でしたが、今回もどんどん聞いていく、という感じでしょうか。成河:僕は劇団出身で、延々と話し合いながらやっていた方なので、稽古場で演出家に何もきかないという習慣は、馴染みがないんです。今回も翻訳劇ですし、いろいろ聞かないと。だいたい翻訳劇は、翻訳した時点である種の解釈が入ってくるわけですし。福士:「そのニュアンスってありですか?」ということですよね。成河:語尾一つとっても「ないんですよ」「ないんだよ」「ないんだよね〜」……これでも英語では全部一緒で、日本語にした時点でニュアンスが生まれるから、そこを一行一行、やっていきたいです。自分にとって、なじみの良い言葉がありますし、そうやって2チームの雰囲気も変わっていくと思います。福士:これは、決まりましたね。我々は『スリル・ミー』大阪バージョンで。――関西弁ですか!?福士:「誘拐だ!」と言ったら、「おま、あかんでそれはほんま!」。成河:他言語ミュージカルだ(笑)。僕は韓国語も入れようかな。福士:「ナイフって、おま、なんでやねん!」テンポ感が変わっちゃう(笑)。成河:「はいどうも〜」って(笑)。まあでも、稽古場でも恥をかきながらやっていきたいよね。40歳になっても50歳になっても「生意気なこと言いやがって」と思われるような立場でいたい。福士:疑問を残しておくとあまり良くないことになるし。まあ、疑問のままにしておきたいところもありますけどね。「わからないで演じられるの?」と言われても、けっきょく人間だってわからないで生きてるから。成河:最近、そういう時にどういう風に返したらいいのかわかったよ! 「わかりたいから、やっているんです」。福士:じゃあ、「早くわかれよ」ってなるかもしれないけどね(笑)●『スリル・ミー』が人を惹きつける理由は?○緊張と緩和の構成――『スリル・ミー』は世界中で上演され、日本でも何度も再演されていますが、何がそこまで人を惹きつけるのだと思いますか?成河:逆に、気になるよね。「わかりたいから、やっているんです」(笑)福士:僕は音源を聴いて、すごく張り詰めた糸があると思いました。緊張感が途切れた瞬間に、初めて拍手ができる100分間。脳内を押さえつけて押さえつけて、最後に「アドレナリン出していいですよ」という構成に、「もう1回味わいたい」と思うのではないでしょうか。下世話なたとえだけど、ギャンブルみたいな感じ。成河:性的興奮みたいな。福士:でも確かに、言い方はいやらしいかもしれないけど、興奮や快感に近いものがある(笑)。ただ楽しかった、じゃなく、我慢と緩和があるからこそ、中毒性のある作品だと思います。だから内容も然りですけど、構成も優れているのだと思う。成河:考えてみるとそうだね、それがスリルなんだもんね。でも同時に、本当になんで人間はこんな陰惨なものを見たいんだろう? 「残酷で美しい」と言えば、簡単に額縁に入れられるんだけど、本来舞台というのは額縁に入れるものではないですし。この、ぶん殴られるような残酷さ。でも、この衝動が自分の中に潜んでいるかもしれない、ということが問われるのか。福士:問われますね。成河:どうすればその残酷さと向き合えるのか、を解決する方法論の一つが、昂揚して感情に訴える、ミュージカルなのかも。最終的には、自分と向き合う鏡でありたい、と思いますよね。福士:いや、怖い。アンチ・コンプライアンスですね。でも、こういう作品はこういう作品でないと。「子供から大人まで」という作品ではないと思ってやらないと、逆に失礼にあたると思います。成河:いろいろ、考える材料にもなると思いますから。福士:1年間ロングランをやったら、自分が病むと思う。もしかしたら公演中、口調や性格が少し変わってしまうかもしれないですね。○ミュージカル『スリル・ミー』キャスト:成河 福士誠治 / 松下洸平 柿澤勇人東京公演:2018年12月14日〜2019年1月14日(東京芸術劇場 シアターウエスト)大阪公演:2019年1月19日〜20日(サンケイホールブリーゼ)名古屋公演:2019年1月25日(名古屋市芸術創造センター)※東京公演(12/24、1/4、7、11)、大阪公演(1/19、20)ともに追加公演決定。抽選先行受付中。■成河(そんは)1981年3月26日生まれ、東京都出身。大学時代より演劇を始める。北区つかこうへい劇団等を経て、舞台『エンジェルス・イン・アメリカ』(04)、『ショーシャンクの空に』(13)、『100万回生きたねこ』(15)、『エリザベート』(16)、劇団☆新感線『髑髏城の七人』 Season花(17)、『人間風車』(17) 、一人芝居『フリーコミティッド』(18)等に出演する。ドラマ『マッサン』『下町ロケット』『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜 』など映像作品参加も多数。2017年には『美女と野獣』吹き替え版ルミエール役も話題となった。■福士誠治1983年6月3日生まれ、神奈川県出身。近年の主な出演作品にドラマNHK木曜時代劇『まんまこと~麻之助裁定帳~』主演(15)、『社長室の冬‐巨大新聞社を獲る男‐』(17)、『平成細雪』『アンナチュラル』(18)、映画『シマウマ』(16)等。舞台には『スーパー歌舞伎II ワンピース』(15)、『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極~』(18)等幅広く活躍する。現在、声優として2018年はテレビ東京アニメ『フォーカード』(主演声)が放送中、主演ドラマ『極道めし』、NHK土曜時代ドラマ『ぬけまいる~女三人伊勢参り』(10月27日~)放送、映画『いとしのアイリーン』(公開中)などに出演。また映画監督デビューも果たした。
2018年10月27日家族の絆を描いたディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』のMovieNEXが、本日7月18日(水)よりリリース。この度、このリリースを記念して、MovieNEXに収録されているボーナス映像の中から、2つの未公開シーンが到着した。陽気でカラフルな“死者の国”を舞台に描いた本作は、第90回アカデミー賞の長編アニメーション賞と主題歌賞をW受賞するなど様々な賞に輝き、日本でも大ヒット。また、日本語版では、俳優の藤木直人や女優の松雪泰子、ほかにも渡辺直美、立木文彦、鈴木拡樹、シシド・カフカなどがボイスキャストとして参加していることでも話題になった。そんな本作のMovieNEXリリースを記念して、今回2つの貴重な未公開映像が公開!◆未公開シーン1、幻のオープニングまず1つ目の映像は、幻のオープニングともいえる貴重なシーン。神妙なトーンで始まるも、次の瞬間、テンポアップ&カラフルな映像になり、陽気なガイコツたちが「人生の幕は閉じても、お楽しみはこれから。それが死者の日!」「写真の前で乾杯、踊って騒ごう」と軽やかに歌い上げ、盛り上げている。共同監督/脚本を務めたエイドリアン・モリーナは、本映像について「長い間、採用されていたが、最後にカットした。作品の世界を歌で紹介するシーンだよ」と明かしており、出来ることなら完成したシーンを見てみたい、と思わせるようなクオリティだ。◆未公開シーン2、ミゲル一家の大合唱そして2つ目の映像は、本編の設定とは異なり、当初主人公・ミゲルの家族が決して“音楽は絶対禁止”ではなかったことが垣間見えるシーン。ミゲルの家族たちが「家族の伝統を受け継ごう」と、“一家の流儀”を歌いながら、訴えかける場面だ。ミゲル本人は音楽家への夢は隠してはいないが、家業である靴屋を継いでほしいという家族の思いも理解している点が、本編との大きな違いと言える。本作の見どころの一つである「音楽」の魅力を知ることができる本ボーナス映像。この映像を見れば、また本編を観たくなること間違いなしだ。『リメンバー・ミー』MovieNEXは7月18日(水)リリース。※デジタル先行配信中(cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年07月18日この春、劇場公開し大ヒットを記録した、カラフルで壮大な“死者の国”を舞台に“家族の絆”を描いたディズニー/ピクサー『リメンバー・ミー』のMovieNEXが発売が決定。併せて、劇場で『リメンバー・ミー』と同時上映した、ディズニーが贈る『アナと雪の女王/家族の思い出』もブルーレイ&DVDセットで発売されることになった。『リメンバー・ミー』は、陽気でカラフルな“死者の国”を舞台に贈る、感動と音楽に満ちたファンタジー・アドベンチャー。第90回アカデミー賞の長編アニメーション賞と主題歌賞をW受賞し、第75回ゴールデン・グローブ賞でアニメ映画を受賞、さらに第45回アニー賞では最多11部門を獲得。他にも数々の重要な映画賞を受賞し、その数はなんと70を突破。ディズニー/ピクサー作品史上最高傑作の呼び声も高く、日本では国内興収49億円超えの大ヒットを記録した。日本語版ボイスキャストには、主人公・ミゲル役に当時13歳の石橋陽彩が大抜擢され、へクター役に俳優の藤木直人、ママ・イメルダ役に女優の松雪泰子、フリーダ・カーロ役に渡辺直美など豪華キャストが一同に集結し、その熱演も大きな話題を呼んだ。また、作品を魅了する楽曲も大きな見所のひとつ。劇中で歌われる「リメンバー・ミー」は、『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー」を手掛けたロバート&クリスティン・アンダーソン・ロペス夫妻が書き下ろし、日本版エンドソングには、“シシド・カフカ feat. 東京スカパラダイスオーケストラ”が起用された。■思わず誰かに教えたくなる!? ピクサー作品おなじみの”隠れキャラクター”が分かる特別映像が解禁!そのMovieNEX発売決定を記念し、ピクサー作品ではおなじみの隠れキャラクター、ピザプラネットのトラックや、次回作『インクレディブル・ファミリー』など、本作に隠されたキャラクターを紹介する特別映像が解禁。まずは『トイ・ストーリー』に登場するピザ屋、ピザプラネットのトラック。主人公ミゲルが家の窓から外を眺めていると、ほんの一瞬で走り去っていく。続いて、ピクサーのクリエイターたちの多くが卒業したカリフォルニア芸術大学の教室の部屋番号“A113”は、死者の国の事務所のドアに書かれている。さらに、ジョン・ラセター初監督作品の短編アニメーション『ルクソーJr.』(86)に登場した、大きな赤い星がデザインされた黄色いボールは、死者の国にいる女優フリーダ・カーロの部屋に。これらは、ピクサーが手掛ける作品でほぼ毎回出てくるおなじみのものとなっている。最後に、8月1日(水)公開『インクレディブル・ファミリー』のポスターは、死者の国でミゲルたちがコンテストに向かう途中の壁に飾られている。ちなみに、よく見ると、死者の国らしくインクレディブル一家がガイコツ姿で描かれていている。思わず誰かに教えたくなる、ピクサーおなじみの隠れキャラクターを、本編でも改めて確かめてみてほしい。■『アナと雪の女王』最新作もブルーレイ&DVDセットで同時発売!劇場で本作と同時上映した『アナと雪の女王』の最新作、『アナと雪の女王/家族の思い出』も7月18日(水)にブルーレイ&DVDセットで発売が決定。7月4日(水)に先行デジタル配信を開始する。日本語版ボイスキャストは前作に引き続き、アナの声を神田沙也加、エルサの声を松たか子、オラフの声をピエール瀧が熱演。4曲の新曲もあり、アナとエルサが“家族の絆”をテーマに一緒に歌う感動のハーモニーも注目だ。さらに、雪の季節をテーマにした6つのディズニー短編アニメーションも収録されている。“おもちゃの世界”や“モンスターの世界”など、これまで誰も観たことがない“もしもの世界”を舞台に数々の感動的な物語を生み出してきたディズニー/ピクサーが贈る『リメンバー・ミー』。隠れキャラクターを探しながら、あの感動をもう一度味わってみては。『リメンバー・ミー』は7月18日(水)にMovieNEX(4,000円+税)で発売。7月4日(水)より先行デジタル配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年05月29日今月21日、49歳の若さでこの世を去った『オースティン・パワーズ』の“ミニ・ミー”ことヴァーン・トロイヤー。ロサンゼルス郡の検視官オフィスのスポークスマンが、その死因は自殺であった可能性が高いと「People」誌に語った。「入院当時、彼の体内のアルコール濃度は非常に高いものでした。彼の死は、自殺の可能性が高い事件として報告されています」。現在、中毒症状のレベルを測るテストが行われているが、最終結果が出るまでには4週間から6週間を要するという。今月2日、ヴァーンは鬱と自殺願望を訴えてノースハリウッドの自宅に救急車を呼んだ。泥酔していたヴァーンはとても動揺しており、自暴自棄になっていたそうだ。病院に運び込まれた後はアルコール中毒よるものとみられる臓器不全が起こり、生命維持装置が装着されたが次第に身体は衰えていった。そして生命維持装置が外され、亡くなった。ヴァーンは2002年にもアルコール中毒で命を落としかけたことがあり、ファンからの心配や激励に「感謝してもしきれない。アルコール依存症との闘いは簡単ではないが、これからもがんばる」とコメントを発表していた。ヴァーンの家族は、ファンにお悔やみの花を贈る代わりに、耳の不自由な人や子どもたちのためのチャリティー団体「スターキーきこえの財団」、または知的障がい者と発達障がい者を支援する「Best Buddies」にヴァーンの名前で寄付してほしいと呼び掛けている。(Hiromi Kaku)
2018年04月25日4月21日(現地時間)、『オースティン・パワーズ』のミニ・ミー役で知られるヴァーン・トロイヤーが亡くなっていたことが明らかになった。享年49。本人のFacebookページで声明文が公表された。ヴァーンは今月初め、アルコール依存症で入院。「TMZ.com」によればその入院以来、生命維持装置が装着されていた状態だったという。直接的な死因は明かされていないが、声明文には「鬱病と自殺は非常に深刻な問題です」と綴られている。アルコール依存症に苦しんでいたヴァーンはたびたびリハビリ施設に入所し、「闘っては打ち勝つ」ことを繰り返してきたが、「残念なことに今回の闘いは大きすぎた」という。小人症でわずか身長81センチという小柄な体格を活かし、『オースティン・パワーズ』シリーズや『ハリー・ポッターと賢者の石』などに出演し、俳優人生を生きたヴァーン。『オースティン・パワーズ』で共演したマイク・マイヤーズは「いっぱしのプロ(の俳優)で、彼と一緒に働く人々にとって可能性を広げてくれる導き手だった」と愛情を込めた表現で偲んだ。シャノン・エリザベス、カルメン・エレクトラらセレブもSNSで追悼メッセージを送っている。(Hiromi Kaku)
2018年04月22日ワールドワイドラブ(WORLD WIDE LOVE!)から、ディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』の公開を記念した限定Tシャツが登場。2018年4月中旬より発売される。『リメンバー・ミー』は、2018年3月16日(金)より上映されている最新ディズニー/ピクサー映画。主人公ミゲルがカラフルな死者の国に迷い込み、冒険を繰り広げていくストーリーだ。発売となるTシャツには、そんな映画の世界観を彩り鮮やかなグラフィックデザインで表現。ミゲルはもちろん、死者の国の住人・ヘクターやエルネスト・デラクルスを、物語のキーワードとなるギターと共にプレイフルに描いた。またバックプリントには、ブランドを象徴するロゴを配している。なおTシャツは、ゆったりとしたビッグシルエット。一枚でも存在感を放つ一着に仕上げている。【詳細】REMEMBER ME Tシャツ価格:8,990円販売時期:2018年4月中旬色展開:ホワイト・ブラック販売店舗:WORLD WIDE LOVE!、Rydia各店舗、WEB SHOP
2018年04月06日現在大ヒット公開中のディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』。ストーリーはもちろん、メキシコの「死者の日」の文化を反映したガイコツモチーフのデザインや、カラフルだけどちょっとダークな世界観が、子どもだけでなく大人も楽しめるとの声も多く寄せられる本作。今回は、映画を観た後に『リメンバー・ミー』の世界にどっぷりと浸れるような、メキシコの雰囲気が味わえる東京・六本木のテキーラ&メスカル専門Bar「AGAVE」(アガヴェ)をご紹介!“古き良きメキシコ”の世界観を再現した店内六本木駅2番出口から徒歩1分、六本木通り沿いにあるアクセスも便利なこちらのお店。ドアを開けるとネオンで「AGAVE」の文字が。期待を膨らませて階段を下りると、そこはメキシコ独立革命前後の1920年代の“古き良きメキシコ”の世界観を再現した、雰囲気満点の空間が広がっている。ワンフロアの広々とした空間には、カウンター席・テーブル席・半個室があり、1人でふらっと来ても、またはグループで来てもそれぞれの楽しみ方ができそうだ。今年でオープン20周年を迎えるアガヴェは、国内のBarの中でもベストクラスのテキーラ/メスカルの銘柄を揃えており、その数は約570種類にもなるんだとか。またテキーラだけでなく、キンキンに冷えたメキシコのクラフトビール「デイ・オブ・ザ・デッド」やメキシコを代表するビール「テカテ」も揃えている。メキシコの文化や音楽をテキーラを通して知ってほしいというお店の想いがあり、お店の壁には当時のマリアッチのスターやメキシコ映画のポスターが貼られ、メキシコのツバの広い帽子「ソンブレロ」やフリーダ・カーロの肖像画なども。テキーラやお店の雰囲気を楽しみながら、映画『リメンバー・ミー』トークをすればより一層盛り上がりそう。そもそも「テキーラ」ってどんなお酒?そもそもテキーラは300種類以上もある「アガベ(リュウゼツラン)」という多肉植物のたった1種類から出来たお酒で、メキシコのハリスコ州を含む5州で厳格な規定に沿って作られたお酒のみが、テキーラと名乗ることができる。アガベを原料とするお酒はほかにもあり、その中の代表格にメスカルと呼ばれるものがあるが、主な産地であるオアハカ州などではテキーラ以上に親しまれ、色々な製法と味わいのものが作られているという。女性におすすめの銘柄・飲み方普段あまりテキーラに馴染みがない方や若い女性でも楽しめるような、おすすめのテキーラの銘柄とその飲み方を、アガヴェマネージャーの佐々木宗彦氏に伺った。初心者の方にはまず「スタンダード」な中心的な味わいを楽しんでもらいたいということで佐々木氏がおすすめしてくれた銘柄が、メキシコ国内1位のテキーラブランド「オレンダイン」(Tequila Orendain)。テキーラには、クリアでシャープな味わいのBLANCO(ブランコ) 、短期熟成されやや黄金がかったREPOSADO(レポサド)、1年以上熟成されスモーキーでどっしりとしたAÑEJO(アニェホ)の3種の異なった味わいがある。今回は佐々木氏のオススメでオレンダインのレポサドをテイスティング。テキーラを飲む前に「ぜひ香りを楽しんでください」との助言をいただき、さっそく嗅いでみると、驚くほど爽やかですがすがしい植物の香りが。同じハードリカーのウィスキーと比較しても、アルコールのツンとする香りではなく、アガベの丸みのある甘さやフレッシュさが優しく伝わってくる。テキーラを1~2滴手に馴染ませ嗅いでみるのもおすすめ。飲んでみると、やはりアガベ本来のしっかりとした味わいがあり、ウォッカのような“無味無臭”のお酒とは対照的な華やかさが楽しめる。注がれた1ショットをちびちびと味わいながら飲みたくなるお酒なのだという発見ができた。チェイサーとして「サングリータ」と呼ばれる特製のトマトジュース(トマトジュース、ハラペーニョ、ライム、オレンジなどをミックスしたもの)をテキーラと交互に飲むことで、ピリ辛さとトマトジュースの塩味でよりお酒が進み、最高のペアリングに。本格的なメキシカンも堪能アガヴェではドリンクのほかにも、Barでは珍しく本格的な料理を楽しむことができる。お店も18:30~オープンなので1次会から利用するお客さんも多いのだとか。テキーラと併せていただきたい、お店一押しのメキシカン料理をご紹介。お店の定番料理は、ボリューミーなのも嬉しい「ナチョス」。トルティーヤチップスとチリビーンズ、チーズ、ハラペーニョ、サルサが山盛りの層になっていて、手で豪快にいただきたい一品。テキーラとの相性も間違いなし!こちらは「ノパリートス」と呼ばれる、サボテンのサラダ。細切りで酢漬けにされた生のサボテンに、スモークサーモンを合わせた一品で、独特の食感がクセになる名物料理だ。オシャレでユニークなボトルデザインにも注目味わいはもちろん、ボトルのデザインもユニークな個性的なものが多いテキーラ。棚や壁にびっしりと並べられたテキーラやメスカルのボトルを眺めながら、テキーラを飲むのはまさに至福のひととき。ラテンアメリカ諸国のお祭りにインスパイアされたデザインが特徴的なブランド「KAH」のTEQUILAは、まさに『リメンバー・ミー』の死者の日のようなカラフルなドクロデザインが1つ1つ手描きで施されている。ほかにも女子の心をくすぐるオシャレなボトルが多数。テキーラを楽しみながら、お気に入りのボトルデザインを見つけてみてはいかが。■AGAVE営業時間:月~木 18:30~2:00 (1:30 L.O.)金~土 18:30~4:00(3:30 L.O.)定休日:日曜、祝日の月曜価格:テキーラ1ショット 1,000円~(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月31日現在公開中のディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』。ギターの天才少年ミゲルが死者の国を舞台に繰り広げる冒険ファンタジーで、家族のつながりというテーマを温かく描いた感動作。そんな本作の見どころの一つは、登場するキュートなキャラクターたち。今回編集部では、カリフォルニア・エメリーヴィルにあるピクサー・アニメーション・スタジオに現地取材し、イメルダのアレブリヘ「ペピータ」のキャラクターを制作したアロンゾ・マルティネス(キャラクター/リギング・アーティスト)にキャラクターの製作過程を伺った。■イメルダのアレブリヘ「ペピータ」ペピータの体はあらゆる動物をミックスして作られており、雄ヒツジの角、トカゲの尻尾、鷲のかぎ爪、ジャガーなどを参考に作られた架空の動物。本作では、アレブリヘごとにオーナーがおり、ペピータはオーナーであるイメルダのパーソナリティにとても似ている。2人ともとても強く、自分自身に自信があり、たくさん敬意を表すことを要求する性格だ。人々の魂を死者の国に導くカラフルな動物元々アレブリヘは20世紀前半にペドロ・リナレスによって作られた伝統的な人形で、風変わりでカラフルな生き物たちをパピエマシェという張り子(現在は木製が多い)を使って作られるのが特徴。アレブリヘには神話や宗教のバックグラウンドは無く、自分なりのストーリーや独創性を吹き込むことができる。ペピータはアレブリヘの特徴を外見に用いつつ、役割の特徴としては、メキシコのナグアルという「各人にそれぞれ動物版の自分が存在する」という、メキシコのアニミズムのような伝統的信仰を取り入れている。よって、ペピータは人々の魂を死者の国に導くカラフルなガーディアンとして本作に登場している。アレブリヘはパーツを付け替えられるペピータのキャラクター製作だけでなく、個人の趣味でアレブリヘたちを収集してきたというアロンソ・マルチネス氏に、アレブリヘの魅力を語ってもらった。アロンソ・マルチネス(以下AM):私は小さいころからずっとコレに執着していて、親戚を訪れてメキシコに行くたびに、今回はどのアレブリヘを家に持ち帰ろうかと虎視眈々と狙っていました。これらの収集を初めてからは9年、いえ、おそらく12年ほど経つかと思います。とても楽しいですよ。AM:私が何よりも気に入っているところは、付属肢がどれも交換可能なところなのです。つまり、こちらのアレブリヘから翼を取って別のアレブリヘにつけることができるということですね。羽でも、角でも、色々と交換して自分なりのキャラクターをデザインすることができるのです。ペピータはいつも怒っている!?ペピータのキャラクターを制作する上で、どんなことがチャレンジングだったのかをマルチネス氏はこう語ってくれた。AM:ペピータはミックスされた存在です。彼女が数多くの動物の要素を備えているために作るのがとても難しかったです。また、腕から翼が生え、肩は別の肩がそこから出ているので、それがどのように機能するのか決める作業はとても興味深いものとなりました。AM:もう一つの側面は、グラフィック的でありながらも、説得力と肉質感と自然さも残しておきたかったことです。ペピータにとってとても重要になるポーズのひとつは、彼女はいつもとても怒っていることです。ある意味彼女はとにかく恐ろしいキャラクターなのです。そこで、私は怒っている虎の様相を参考資料としてたくさん集め、目をつぶっていてもこれらの画像が思い浮かべられるほど研究しました。ペピータは発光していた!『リメンバー・ミー』の「ウン・ポコ・ロコ」本編シーンにて、ペピータがミゲルを探しに来る場面では、ペピータが蛍光色に発光しているのが見て取れる。これについて、ディレクティング・アニメーターのニック・ロザリオがコメントをしてくれた。ニック・ロザリオ(以下NR):この映画に登場するアレブリヘのとてもクールなもうひとつの側面は、ペピータ自身が光源になっていることです。彼女が歩いてくると、地面や彼女の下を歩いているキャラクターに光があたります。これらにあたっている光はペピータが発している光なのです。NR:私もこのキャラクターが大好きです。色々な意味で私の子ども時代を思い出させてくれます…サンダーキャッツとかトランスフォーマーとかね。実にクールです。協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月30日現在公開中のディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』。ギターの天才少年ミゲルが死者の国を舞台に繰り広げる冒険ファンタジーで、家族のつながりというテーマを温かく描いた感動作。そんな本作の見どころの一つは、登場するキュートなキャラクターたち。今回編集部では、カリフォルニア・エメリーヴィルにあるピクサー・アニメーション・スタジオに現地取材し、お茶目なミゲルの相棒犬「ダンテ」のキャラクターを制作したニック・ロザリオ(ディレクティング・アニメーター)にキャラクターの製作過程を伺った。■主人公・ミゲルの相棒犬「ダンテ」間抜けでお茶目な性格だが、いつもミゲルのそばにいて見守っている野良犬「ダンテ」。ミゲルとともに死者の国へ冒険に出る相棒犬で、『カールじいさんの空飛ぶ家』や『ボルト』『わんわん物語』など2Dアニメーション作品からもインスピレーションを受けてキャラクターが作られた。モデルはメキシコ/中央アメリカ原産の「ショロ犬」ダンテのモデルとなった犬種は、アステカの神のショロトルとアステカ語で犬を意味するイッゥツゥイントリを合わせたショロイッツクゥイントリ(通称「ショロ犬」)。メキシコと中央アメリカ原産でそのルーツは3,500万年前まで遡ると言われているそう。メキシコでは古くからショロ犬は死者をこの世からあの世に導くガイドの役目も果たすとも言われている。短編「ダンテのランチ」キャラクターデザインは数多くのデッサンを描きながら、アートワークによって少しずつ固めていくそう。そしてマペットといわれる粘土の造形を作り、キャラクターを立体的に捉えながら、大きさやバランスが仔細に決定される。そしてダンテの個性の描き方についてニック氏に動画を使って解説してもらった。ニック・ロザリオ(以下NR):製作の初期段階で私たちはオンラインで公開されたちょっとした短編を作っています。「Dante’s Lunch(ダンテのランチ)」というものです。これがダンテを固めるための素晴らしいテストになりました。NR:私たちは彼の個性をここからさらに発展させています。正直言うと、最初は上手く行っていませんでした。そこで私たちはタイミングやポーズをもっと強調することにしました。バナナの皮に気づいて振り落とすのではなく、皮が勝手に落ちて彼が「あれ?いまのは何?」となるというわけです。NR:この短編を作って私たちがさらに学んだことは、彼の目と眉部分の形状を単純化させるべきだということでした。彼は感情の幅や深みがあまり大きくないキャラクターなのだから、内面で考えていることの表現をもっと制限することを目指すことにしたのです。ダンテには毛が(ほとんど)無いNR:ダンテのボディには軽く毛の房があるだけです。散在しているというか、針金的というか、正直言ってちょっと気味の悪い感じです。しかし、これで彼がキュートに見える理由は、彼は野良犬だからです。NR:彼の皮膚にはコブがあり、色素沈着の斑点があり、引っかき傷があり、また光沢の輝きがあります。そこには実に多くのディテールが描かれています。キャラクターを毛皮で覆うのとはわけが違うのです。NR:ダンテのディテールについてもう少し詳しくお話ししましょう。ダンテは野良犬なので、これまでそれ相応の格闘にも巻き込まれてきました。また、彼についての仕様書によると、一方の耳には小さな裂傷があり、もう一方の耳は折れているとされていました。舌の動きは『ファインディング・ドリー』のハンクを意識?NR:そしてショロ犬は歯が抜けやすいのです。歯が抜け落ちている犬を描くとしたら、どう描くことになるのか?舌が常に口の外に垂れている犬を描くということですね(笑)。幸運にも、私たちの最近の映画のひとつで、これとよく似たものが必要とされたキャラクターが存在しました。そのキャラクターとは『ファインディング・ドリー』のハンクです。ダンテの舌もこれと似たような動きをすることになるだろうと私は思いました。NR:犬は普通に見ているだけで、ものすごく楽しい存在ですからね。ダンテは大人のサイズの体を持った子犬なので、リーは彼の動きをとてもだらしなくすることを求めていました。ダンテは計算して行動することはまったくないので、急に動いたり転んだりばかりしている。それは私たちが学んで行き着いたことでした。協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月29日陽気でカラフルな“死者の国”を舞台に、家族のつながりをテーマに描く現在公開中のディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』。子どもだけでなく「大人も号泣する」「大人にこそ観てほしい」との口コミ評価が多い本作。大人にこそ刺さると言わしめた『リメンバー・ミー』でストーリーと同等に重要なのが、作品に登場する音楽だ。これまで『アラジン』の新しい世界(A Whole New World)、『トイ・ストーリー』の君はともだち(You’ve Got a Friend in Me)、『アナと雪の女王』のレット・イット・ゴー(Let it Go)など、アニメーションとともに数々の名曲を生み出してきたディズニー&ピクサー。本作の劇中歌「リメンバー・ミー」もピクサーを象徴する新たな名曲として、すでに多くの人々に親しまれている。『アナ雪』楽曲も手掛けたロペス夫妻にインタビューつい口ずさみたくなるキャッチーなメロディーで多くの人々魅了する『リメンバー・ミー』の音楽たちはどのように作られたのか。またそれぞれの曲にどんなメッセージを込めたのか。舞台作曲家として活躍し『アナと雪の女王』では“レリゴーブーム”を起こしたクリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペスに「リメンバー・ミー」音楽製作秘話を語ってもらった。CL:「リメンバー・ミー」には2つの異なる感情が込められていなければいけません。ひとつはある男が派手に、または自慢げに、愛してきた全ての女性たちにサヨナラを言うというもので、それはエルネスト・デラクルスが歌うバージョンです。CL:そしてもう一つは本当のバージョン、真実のバージョンで、家族を残して去らなければならなかったソングライターが歌うララバイです。彼は、お互いに繋がり合い、忘れないでいるために、この歌を残すのです。英語版の中に「I sing a secret song to you each night we are apart(日本語詞:たとえ離れても心ひとつ)」という歌詞があります。それが意味するのは、これが贈物であるということ、そして、彼が再びこの家に帰ってくるまでは、音楽を通して繋がり続けることができるんだ、ということです。これが人々の涙を誘ってくれたらと思っているバージョンです。ディズニー/ピクサー作品がいままで一度もやったことのなかった試みを、本作では“音楽”で披露している。それは英語とスペイン語をミックスした詞が使用されているということだ。軽快かつエモーショナルなメキシコ音楽をバックグラウンドにしながら、音楽全体をエンターテインメントに落とし込んでいる部分もピクサーらしさと言えるだろう。そこで、メキシコ文化を取り入れた楽曲の製作過程について伺った。RL:出だしの段階で多くのリサーチを重ねました。それは私たちだけによるものではなく、メキシコ人の音楽コンサルタントのカミロ・ララと一緒に行なっています。私たちが特に注目をおいて学んだのは、ランチェロ・ボレロ・スタイルとマリアッチ音楽でした。なぜなら、この2つが、歌「リメンバー・ミー」に必要とされるものに最も近いように思われたからです。RL:壮大なマリアッチですが、実はあれは主にハリウッドの影響を受けています。というのもメキシコ映画には、彼ら版のフランク・シナトラ的なスターたちがいたからです。彼らは映画の中でソンブレロを被り、ミュージシャンを演じていました。歌う場面もたくさんあった彼らは実際にマリアッチでした。彼らはまた俳優でもあり、当時は驚異的なスターでした。私たちはそれに注目し、また、当時の優しいバラード曲にも注目しました。CL:それから、私たちはジャーメイン・フランコと一緒に仕事を進めました。彼女自身、素晴らしいメキシコの作曲家で、この映画でもたくさんほかの曲を書いています。彼女がメキシコ版のアレンジに手を貸してくれました。また、エンドクレジット版では、ミゲルとナタリア・ラフォルカデと一緒に私たちは仕事を進めています「これをスペイン語で歌いたい」と言い出したのはナタリア・ラフォルカデでした。そして彼女がこのエンドクレジット版にスペイン語要素を入れています。共同監督&脚本のほか作曲も務めたエイドリアン・モリーナにインタビュー本作で主人公のミゲルの家族は代々音楽を演奏することを禁止しているが、ミゲルは自分の家族を愛しながらも、同時に音楽も愛しており、そのジレンマにミゲルの立場はおかれていた。最終的にミゲルの音楽愛や音楽そのものは、家族の音楽に対する憎しみをどのように変化させたのか。共同監督&脚本のほかに作曲も務めたエイドリアン・モリーナに話を伺った。AM:家族の音楽に対する憎しみは、高祖母のイメルダがミュージシャンによって、とてもつらい思いをさせられたことから生まれてきたと思います。その苦痛は、時とともに大きくなり、将来の世代にまで影響を与えました。ストーリーが何についてであるかというと、音楽についてと言うよりも、その苦しみや、家族である僕たちをバラバラにさせるもののことを取り上げていて、その痛みをどのように癒すかということを考えようとしているんです。AM:なにが本当に素晴らしいかというと、音楽が実際それをするための方法になることです。ミゲルは、それを知っているか、音楽には彼を満足させる以上の何かがあることを感じているということで、ある意味ヒーローなんです。音楽は、あなたが愛している人々とつなげる力を持っているんです。協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月26日第90回アカデミー賞で2部門を受賞し、ディズニー/ピクサー作品の最高峰と呼び声の高い『リメンバー・ミー』が3月16日(金)より公開されます。本作の主人公ミゲル役で声優に初挑戦し、すばらしい演技と歌声を披露した石橋陽彩さんと、愛嬌(あいきょう)たっぷりのヘクター役でおちゃめさと懐の深さの両方を表現した藤木直人さんにインタビュー。本作は、カラフルな死者の国を舞台に、何世代にもわたる家族のつながりを描く感動作。音楽が大好きなのに、音楽を禁じられた家庭で育ったミゲルと、陽気だけど孤独なヘクター。そのふたりが交流することで、ある奇跡が生まれます。藤木さんは親の立場から教育や音楽について、石橋くんは音楽に対する熱い思いや将来像について語ってくれました。■子どもが好きなことを禁じる親の役割とは?――藤木さんは、演じたヘクターのどんな点に共感しましたか?藤木:ヘクターの抱えている強い思いは、「自分が親である」からこそいちばん理解できる部分。そこが表現の核となりました。でも陽気だけどうさんくさいというキャラクター像が難しかったです。――大好きな音楽を禁じられているミゲル。石橋さんは、もしもご両親から音楽禁止令がくだったらどうしますか?石橋:僕は幼稚園の頃から音楽が好きだったので、歌を禁じられることは絶対に嫌です。もしも本当に「禁止だ」と言われたら、いろんな人に自分の歌声を聴いてもらい、がんばってふりむいてもらえるようにと努力します。――藤木さんは親の立場から見て、どんなふうに思われましたか?藤木:今回、ミゲルの家族が音楽を禁じたのには、いろんないきさつがあったわけで。むしろ「音楽は情操教育にいいからやりなさい」というのが普通の親の考えですよね。でも、今回の話で、“音楽”を“子どもにやらせたくないこと”に置き換えて考えてみると、うちも「ダメなものはダメ」と言います。だけどもしかして親がダメだと禁じていることが、のちのちに子どもにとってプラスアルファになったり、人生が豊かになったり、将来につながることもあるのかもしれない。自分にその価値観が理解できないからといって、禁止することはすごく難しい部分があると思います。でも、中毒性があるものについては、できるだけコントロールしてあげるのも親の役割なのかなと(笑)。■子どもの才能を伸ばすために親ができることはあるのか?――「チャンスをつかめ」というキーワードが印象的でした。石橋さんはその言葉をどう感じましたか?石橋:今回の僕は、本当にチャンスをつかみにいったという感じです。僕は歌が大好きですから。でも、最近は声変わりがあり、自分の歌いたい歌が歌えなくなったりして、悩んだりしていました。いままで歌ってきた高音の女性アーティストさんの曲が歌えなくなってきて、ちょっと十八番(おはこ)がなくなってきたかなと(笑)。藤木:十八番(おはこ)! すごいね(笑)石橋:得意だと思っていたことができないことは、苦しいことかなとも思いましたが、声変わりが始まり、声が低くなったからこそ新しいジャンルに取り組めることもできると思い直しました。いまは男性アーティストさんの曲も新しく歌えるようになりました。自分の得意なところが消えてしまうけど、新しいところにチャレンジできるのはいいことかなと思います。――藤木さんは、お子さんの才能を伸ばす親の役割についてどんなふうに思われていますか?藤木:子どもの成長時期には運動する機会を多く与えるとよいと聞いて、なるべく自分の子どもにはいろんなスポーツをやらせてあげたいとは思っています。でも、親の心子知らずで。自分も考えてみれば、“親から押し付けられたもの”はやりたくなかったかなと。僕はスイミングスクールに行かされていたけど、嫌で嫌でしょうがなかった。結局本人が興味をもたないと、それは意味がないことだとも考えています。ただ、機会だけは与えてあげたいと思って、実際にいろんなことをさせているつもりではいるんですけどね。とはいえ、僕はそういった子どもの発達や指導方法に詳しくないし、実際に子どもができる前は、そういう情報にまったく目が止まらずにスルーしてきたと思います。自分が親の立場になって初めて、いろんなことを考え始めた感じで。以前、フジテレビのバラエティ番組で久保田カヨ子さんの幼児教育やヨコミネ式メソッドについて放送しているのを観たことがありましたが、子どもがいなかったらそういう番組を観ることもなかったかなと。実際に観てみると「ああ、こんな方法もあるんだ」と思い、少しずつ吸収していった感じです。ただ専門的にやっている人たちの方がはるかに詳しいから、そういうところに委ねるのもいいかもしれない。また、国としてある程度は、そういった専門的な人の声をすくい上げて普及していくことも必要なんじゃないかなとは思います。実際、スーパー園児などをテレビで観ると、「こんなことができるんだ!」とにわかには信じがたい部分もあります。でも、こうやって陽彩くんを間近で見ていると「こんな歌声を出せる子がいるんだ! ここにスーパーキッズがいた!」と感心してしまう。もちろんもともとの才能はあったとは思うけど、興味があったからこそ自分からやりたいと思ったのかなと。そう考えると、やっぱり受動的ではダメで、いかに好きになって能動的になれるかが大事。結局は本人の資質や努力によるものかなとも思います。■藤木直人が泣いた! 父という存在が映画で教えること――親からの教えで、ずっと守っている事柄があれば教えてください。石橋:僕はとくにないですね。帰ったら手洗いとうがいをするとかでしょうか?藤木:陽彩くんはえらいね! 普通子どもなんて言っても聞かないものじゃない? 僕もなるべく機会を見つけ、何度も言うようにしているけどなかなか(笑)。――音楽をテーマにした本作。今後の音楽との関わりについても聞かせてください。石橋:これから音楽だけではなくて、音楽を通じて、今回初挑戦した声優や、以前からやらせてもらっているミュージカルや舞台、ドラマなどをいろいろとやっていきたいです。それらは全部、音楽からつながってきたお仕事なのでもっと挑戦したいです。藤木:僕は高2の夏休み前にギターと出会い、衝撃を受けて、ギタリストになりたいと思いました。当時は1日何時間もずっとギターを弾いていたし、逆にギターを取られたら自分には何もない感じだったとも思います。現在は音楽は趣味に近いかな。音楽は役者以上に才能がないとできないものだと痛感しているので。いまは他の活動を含めて僕を支持してくださる人たちのためにがんばっている感じですが、でも音楽を演奏しているととても楽しいです。昔ほど音楽に夢中になっていないのかもしれないけど、ギターを弾けるステージという場所があることや、生涯楽しめるものがあるということ自体がとても幸せでありがたいことだと思っています。――最後に『リメンバー・ミー』をこれから観る方へのメッセージをお願いします。石橋:声優初挑戦でこんな大役を演じさせていただき、光栄でしたが、初めは緊張と不安しかなかったです。でもどんどんミゲルの気持ちに近づくことができたと思います。何ごともまじめで一直線に駆け走るミゲルというキャラクターができたと思います! 藤木:初めて観たときに字幕も何もなくて台本と照らし合わせながらだったけど、僕は感動して泣きました。ぜひ大人の人に多く観てもらいたいと思いました。もちろん子どもが観ても楽しいし、いろいろな年代の人の心に染み入る話なんじゃないかなと。僕も子どもと一緒に観たいですね。僕の声とか関係なく、きっと楽しんでくれると思います。『リメンバー・ミー』公開中少年ミゲル(声:石橋陽彩)は音楽が大好きで、ミュージシャンを夢見るも、彼の家では代々音楽を禁じられてきた。ある日 “死者の国”に迷い込んだミゲルは、陽気だけど孤独なガイコツのへクター(声:藤木直人)と出会う。果たして2人がたどる運命とは?
2018年03月22日これまで「家族関係」を描いた作品や「家族とは何か」というテーマを描いた映画作品は数多く存在する。しかし『リメンバー・ミー』ほど、ファンタジーかつユニークな手法で「家族」についてを描いた映画は前代未聞だろう。本作は主人公の少年ミゲルが「死者の日」を境に、死者の国をさまよい、自分の先祖や夢にまで見た憧れの人物(もちろん亡きレジェンド)との奇跡的な出会いを果たしながら、祖先や記憶の世界を探究し、最終的に古典的な「家族」というテーマへとたどり着く。この「死者の日」の着想の基となっているのが、死者を迎え入れるメキシコの伝統行事“ディア・デ・ロス・ムエルトス”(死者の日)。2011年秋にリー・アンクリッチ監督とストーリー・スーパーアドバイザーのジェイソン・カッツがラフなストーリーを思いつき、それからは5年間に渡る「死者の日」にまつわるリサーチや、実際に「死者の日」の期間のメキシコにリサーチ旅行をするなど、徹底した文化理解と作品の下敷きを構築したという。では、そのリサーチ旅行はどういったものだったのか。それらはどう作品に反映されたのか。本作の共同監督&脚本を務めたエイドリアン・モリ―ナと、リード・ストーリー・アーティストのディーン・ケリーはこう話す。生者と死者を結びつける祭壇「オフレンダ」AM:死者の日の一部として、死者の魂が生者の国に歓迎されます。愛する者たちと再会するためです。しかしこれはまったく陰気なものではなく、一族の再会を祝うもので、音楽と祝いと歓喜のエネルギーにあふれています。私たちはこれらの習慣の意味するものをしっかりと学んで、ミゲルの冒険を語るストーリーに役立てようと考えました。AM:では、それがどのような形でストーリーテリングの一部となったかについて解説したいと思います。まずは、やはりオフレンダです。これは、死者の日に帰ってくる愛する者たちの魂を迎えるために作られて飾られた供物台です。飲食物や愛する者たちが生前好きだった事物などが置かれており、これで生者の国への旅を終えた彼らを迎えるというわけです。これは死者の日の主要部分でもあり、また、先祖たちが自分たちを見守ってくれている、彼らと心が繋がっているという彼らの考え方を体現しているものでもあるのです。AM:オフレンダに飾られる物のひとつが写真です。オフレンダに写真を置くことの良いところとして、その写真がその人物についての話をする契機となることが挙げられます。その人物の記憶を皆で分かち合うということですね。家族が一堂に会すると往々にしてそのような話が語られることになります。DK:良い話も、悪い話もね。AM:つまりオフレンダに飾られる事物の中でも、写真はとても重要な要素となっています。劇中では、オフレンダに写真が置かれていること=人々に忘れられていない証しとなる。つまり「人々に記憶されていること」が死者の国にいられる条件であり、生者の国へのチケットとなるのだ。では「オフレンダ」に写真が置かれなくなると、死者の国の人たちはどうなるのか…?ここはぜひ劇場で確かめてみてほしい。マリーゴールドは死者の国への「架け橋」日本版のポスターでも印象的に登場するオレンジの路。これは死者の日で伝統的に使われるマリーゴールドの路をモチーフにしている。AM:マリーゴールドの路は、死者と生者の世界を繋ぐもののシンボルです。マリーゴールドの色と独特な香りが死者の魂を家に導くとされており、何世代にもわたって、この繋がりのシンボルとなっています。DK:マリーゴールドで出来た橋というアイデアは、死者と生きている家族の2つの世界に架かる橋という発想です。それを突き詰めていき、まさに人々がピクサー映画に求めているような、実にビジュアル的で象徴的で記憶に残る場面が出来上がりました。これがこの映画をさらに押し上げていますね。「音楽禁止」との葛藤が映画の核にストーリーの軸として、ミゲルの「アーティストになりたい」という夢と「音楽禁止」の家族の掟の狭間で葛藤するミゲルの姿が描かれる。DK:ミゲルが町のタレント・ショーに出ようとします。「ミュージシャンになりたい」という自分の夢を追うためにね。そしてそのとき彼は、文字通り、オフレンダ(つまり彼の一族の歴史)や両親や祖母と、自分の将来への希望の間で身動きがとれなくなってしまう。それはミゲルにとってこの上ない「板挟み状態」です。それが核となる葛藤です。この葛藤がこのストーリーの推進力となると私たちには分かっていました。ケリー氏は、ミゲルがジレンマを抱えながらも、音楽への強い情熱によって行動することを理解していた。そのときケリー氏の頭を悩ませたのは、ミゲルの音楽に対する欲求をどう「描き切ればよいか」。つまり、観客に感情移入させるにはどうすればよいか、ということだった。DK:彼の欲求はもう分かっている。しかし、このメイン・キャラクターを心から応援してもらえるようにはどうすればいいのか?私たちは音楽というものをミゲルにとって生きるのに不可欠な空気のように描きたいと考えていたのです。そこで、ミゲルが置かれている状況で唯一自分がさらけ出せる場所で歌わせたらどうか?という「秘密の屋根裏部屋」のアイデアが生まれたのだ。それは『トイ・ストーリー』のアンディの部屋のように、部屋中を自分の好きなもので満たした12歳の少年の聖域ともいえる場所だ。そして部屋中にはミゲルが憧れるミュージシャン デラクルスのポスターや映画などのグッズが至る所に飾られている。そしてデラクルスの写真が飾られたオフレンダもまたミゲルの部屋にあるのだ。それは、ミゲルがデラクルスに対し「僕がやりたいと思っていることを、あなたはやってのけたのだ」という心の繋がりを感じていることを示唆している。AM:誰かと繋がりを感じたら何をするかということ。その人物と一緒に何かをやりたいと思うものでしょう。ずっと昔に亡くなったこの男とね。それをオフレンダで示すというアイデアです。すると突如として、色々な要素が組み合わさり始めました。ミゲルに彼の欲求を言葉で言わせる必要はない。ギターに彼の声の代わりをしてもらおう、と。デラクルスの曲に合わせて、ミゲルは自分で手作りしたであろうギターを手に取り、フレッドをなめるようにして見事な演奏を観客に見せつける。そこにはミゲルの音楽に対する愛情はもちろん、誰もが釘付けになるほどの才能を観客に証明してみせるのだ。AM:どんなストーリーでも、最悪な出来事そのものの意味が変質して、逆にその出来事が何かをするための機会に変化するという描き方には力強さがあるものです。このオフレンダの写真はまさにそういう力を発揮しています。というのも彼は、故人の思い出が分かち合われ、話しが語られるこの場所で、彼の家族や彼にとって最も重要なこと“彼のアイドルであるエルネスト・デラクルスが実は一族の一員なんじゃないだろうか”ということを思い始めるのです。夢への探求心とデラクルスへの心の繋がりがミゲルを死者の国へと引き込んでいった。ここから彼の冒険が始まるのだ。いままで彼を縛り付けていた家族の掟や伝統をチャンスに変えて、ミゲルは前へと進んでいく。DK:このストーリーには、家族、伝統、遺産という普遍的なテーマがあります。誰であれ、たとえ自分には他人と関りがあると感じていない人であってさえも、血のつながりのある人々とは、何らかの繋がりがあるものですからね。「死者の国」の世界でミゲルは自分の祖先と出会い、家族の掟の“本当の意味”を知ることに。そしてミゲルの冒険が、最終的に私たち観客に「家族の大切さ」や大切な人を「いつまでも忘れない」ことを、アニメーションを通してダイレクトに伝えてくれる。それはスタッフたちによる死者の日という伝統を忠実に再現した成果だろう。協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月19日ディズニー/ピクサー史上最高傑作との声が鳴りやまず、先日開催された第90回アカデミー賞では長編アニメーション賞と主題歌賞を見事ダブル受賞するなど、この春映画ファン鑑賞マスト作と断言していい『リメンバー・ミー』が16日に公開を迎えた。その授賞式に先だって、『トイ・ストーリー3』でもアカデミー賞を獲得済みの本作のリー・アンクリッチ監督に単独インタビュー。陽気でカラフルな“死者の国”を舞台に、数多くの謎と音楽を散りばめた感動のミステリー・アドベンチャーについてのみならず、待望のトイ・ストーリーランドをはじめ、世界中のディズニーランドでイベントが始まる“ピクサーイヤー”への期待感も聞いたぞ!――日本では映画を観る前と観た後で「印象がまったく違う!」と絶賛の声が多いのですが、本国ではどういう声が多かったですか?それは日本だけでなく、世界中で同じような感想を聞いているよ。ほかにも驚いたコメントがあったと思うけれど、ただ僕は驚いたというよりも聞いていてうれしかったことは、みんながたいそう感動したということ。実は、そのことが一番難しくて、笑わせることは簡単で、泣かせることはすごく難しい。だから、そういう意見はすごくうれしいよ。――ディズニー/ピクサーの作品には監督の個人的な体験など、パーソナルな経験をモチーフにしたものも少なくないと思いますが、『リメンバー・ミー』の出発点は???もともとはメキシコの死者の日という文化がモチーフになっていて、ガイコツや死者の祝日ではあるものの、すごくポジティブなものだったからだよ(笑)。音楽をかけ、カラフルにお祝いしている、その死に対するスタンスが僕たちの文化とまったく違うことが、すごく興味を持ったきっかけだったよ。そこで、いろいろと調べていくと、家族というものがいかに重要であるかに気付いたわけだ。――日本でも先祖を大事にという風習・文化はありますが、地域によって濃度も違うと思うので、ある意味新鮮でした。言いかえれば、我々は亡くなった人たちを心の中で生き続けさせる義務を持っていて、そのために亡くなった方々のお話をずっとしていかないといけないよね。メキシコの祝祭を描く作品にしなければいけないと同時に、世界中の映画を観てくれる人たちにも家族がいるわけで、中には家族が亡くなっている人々もいるわけだから、全員に響くような映画になるのでは? と考えたよ。――ちなみに主人公のミゲル少年は、監督自身の幼少期の投影なのでしょうか?それはないよ(笑)。僕はとてもラッキーでね。小さい頃からクリエイティブなことをしたいと思っていて、アーティストだけでなく俳優業にも興味を示していた。だから自ずと映画を作りたいと思うようになったけれど、すべての段階で家族が100パーセント応援してくれて、反対されることはなかったのさ。だから僕と違ってミゲルはすごく勇敢で、家族の反対があっても自分の夢や情熱を追う、彼らの愛情を引き換えにしても追おうとする姿は勇気を呼ぶよね。ただ、彼のような経験がないことはラッキーだったよ(笑)。――ところで世界のパークス&リゾーツに目を向けるとカリフォルニアのパークでは「ピクサー・フェスト」が、フロリダのパークでは「INCREDIBLE SUMMER」がスタートするなど、今年はまさしく“ピクサーイヤー”ですが、この点についてはいかがですか?トイ・ストーリーランドだよ! 夏のフロリダに誕生する。僕は幸運にも1本目の『トイ・ストーリー』にもかかわることができて、当時の僕たちの想いは『トイ・ストーリー』がもう1本できたらいいなというものだった。それが20年ほど経ったいま、僕たちが作り上げたキャラクターやストーリーが、みんながテーマパークで観たいと思うほど愛されていて、イベントにもなっている。最高の気分だよ! 上海ディズニーランド・リゾートにも4月に行く予定で、上海にも新たにトイ・ストーリーランドが誕生するからね。――パーク展開のクリエイティブには、どの程度関わっているのですか? 東京ディズニーシーでも今年、ピクサーのイベントが初開催されましたが。僕自身はイベントやショーなどには関わりはないけれど、深くかかわるのはアトラクションだね。特に映画をベースにしているようなアトラクションの場合は、いろいろと意見を聞かれるので、答えたりするよ。『リメンバー・ミー』のライドはどうかな(笑)?――ぜひ(笑)! 確かカリフォルニアのディズニーランド・パークのプロジェクションマッピングには、この春から『リメンバー・ミー』も登場しますよね?「D23 Expo Japan 2018」で開発中の映像を観ました。そうだね! それについては僕も開発中の映像を観たけれど、かなりいいよ! わくわくできるような内容になっている。『リメンバー・ミー』、しっかりフィーチャーされているから。――さて、次回作など今後のご予定は?正直、まだちょっとわからないな。ここ6年、『リメンバー・ミー』一色だったからね。まだお休みをもらっていないんだよ。だから、このプロモーションが終わったらお休みをもらいたい。その後に次のことを焦らずに考えていきたいかな。――そうとうお忙しかったですよね。4月13日には「ピクサー・フェスト」がカリフォルニアでもう始まりますし。その通りだよ(笑)。でもバタバタしていたからこそ、次の作品を慌てて作ろうとは思わない。ピクサーもスタジオとしてどんどん変わってきているし、新しい若手の監督たちが物語を作り始めているからね。僕たちはメンターとして彼らをじっくり助けて、彼らの作品がいいものになるように努力したい。それには時間がかかるからね。■プロフィールリー・アンクリッチ1967年8月8日生まれ。アメリカ、オハイオ州クリーヴランド出身。90年代に南カリフォルニア大学の映画芸術学部を卒業した後、映像編集の道を経て、ピクサーに加入。『トイ・ストーリー』(95)『バグズ・ライフ』(98)に編集マンとしてかかわった後、『トイ・ストーリー2』(99)、『モンスターズ・インク』(01)、『ファインディング・ニモ』(03)では共同監督も務めるなど、ピクサーの主要な作品群にかかわる重要人物に。2010年、『トイ・ストーリー3』では単独監督デビューを飾り、その年のアカデミー賞で長編アニメーション賞と主題歌賞をダブル受賞。そして先日開催した第90回アカデミー賞では本作『リメンバー・ミー』が、またしても長編アニメーション賞と主題歌賞をダブル受賞する快挙を成し遂げ、2度目の同2部門受賞となり、アカデミー賞史上初の快挙を成し遂げた。■著者プロフィール鴇田崇映画&ディズニー・パークスを追うフリーライター。年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートをひたすら取材しまくる。ジョン・ラセター、アラン・メンケン、キャスリーン・ケネディ、バイロン・ハワード、ティム・バートンなど、ディズニー映画関連人物のインタビュー経験も豊富。世界のディズニー・パークスでは東京だけでなく、アナハイムも偏愛している。instagram→@takashi.tokita_tokyo
2018年03月17日ディズニー/ピクサーが贈る長編アニメーション映画『リメンバー・ミー』。本作で、過去のある出来事から音楽を禁止されてしまった少年ミゲルの声を務めた石橋陽彩と、ミゲルが死者の国で出会った謎めいたガイコツ・へクター役の藤木直人が、吹き替えの感想や、親の立場、子の立場として作品を語った。■親の価値観で子どもに物事を禁止させるのは難しい(藤木さん)石橋くんと言えば、幼少期から歌に親しみ、2015年にはTBS テレビ「sing sing sing」世紀の歌声!生バトル日本一の歌王決定戦!で優勝するなど、その才能は高く評価されているが、彼が演じるミゲルは、一族に起きた過去のある出来事がきっかけで、家族から音楽を禁止されてしまった少年だ。ミゲルも石橋くんも音楽好きという共通点を持つが「音楽は幼稚園の年中ぐらいから好きになった大切なものなので、僕がもし『音楽が禁止だ』と言われたら、どんなことをしてでも、いろいろな人に僕の歌声を聴いてもらって、振り向いてもらえるように努力します。禁止されたくないです」と笑顔ながらも強い意志を感じる口調で答える。一方、藤木さんは「この作品で音楽を禁止するというのは、あるいきさつがあるためなので」と前置きすると「親の価値観で子どもに物事を禁止するのは難しい部分がありますよね」と語る。藤木さん自身、3児の父であるが、子どもの才能をどう伸ばしていくかということについては「なによりも興味があるかどうかですよね。親が『これをやらせたい』と思っても、本人に興味がなければ押しつけになってしまう。大体無理やりやらせてもダメじゃないですか。ただ、親としては、子どもがどんなものに興味を持つか、その機会をできるだけ与えてあげたいなとは思います」と持論を展開する。■石橋くん&藤木さんの役へのアプローチ方法とは石橋くんは、歌と出会い、歌うことが好きになり、その才能を開花させつつあるが、今回ディズニー/ピクサーアニメーション作品という世界規模の映画に参加する、とても大きなチャンスを得た。「声のお仕事は初めてで、しかもこんな大役を演じさせていただくことは光栄です。子どもから大人まで、幅広い世代の方が楽しめる映画だと思うので、多くの人に伝わるように感情表現を豊かに演じようとしました」と吹き替えで心掛けたことを述べると「前半は音楽が大好きだという気持ち、後半は家族が大好きという思いを込めました」と役へのアプローチ方法を語った。これまで声優の経験はある藤木さんだが「やっぱり難しかったですね」と率直な胸の内を明かすと「普段、役者をやっているときは、セリフを入れてお芝居をするのですが、台本と画面をみながらタイミングを見計らって、セリフに気持ちを乗せるのは大変。しかも表現のアウトプットはすでに出来上がっているわけで、そこにテクニカルな部分と気持ちをシンクロさせるのは、なかなか慣れませんでした」と収録を振り返った。またへクターという役については「彼が抱えている家族への強い思いは、自分も親になって非常に理解できる部分。そこが表現の核になっているのは間違いないのですが、へクターはそういった思いを隠してしまうぐらいの絶望的な現状にも置かれている。陽気だけれど陰のあるキャラクターをどう表現したらいいのか考えました」と語ってくれた。■好きなことが見つけられることは才能!?世界的に大ヒットしておりアカデミー賞2部門を受賞した本作が、日本でも公開を迎える。中学生の石橋くんにとっても、取り巻く環境が一変する可能性もあるが「今回の声優も、音楽を通じての出会いでした。これまでも、ミュージカルや舞台など音楽から繋がったお仕事だったので、大好きな歌というものを大切にしつつ、音楽から派生する仕事を積極的にできたらいいなと思っています」と未来に思いを馳せる。そんな石橋くんだが「最近、声変わりもあって、自分の歌いたい曲が思うように歌えなくなってしまっているんですが、声が変わることによって、これまで歌えなかったジャンルの曲にも挑戦できるようになるのはワクワクします。」と前向きにとらえていた。歌はもちろん、インタビューの受け答えもしっかりしている石橋くんに、藤木さんは「よくテレビで、教育メソッドや、スーパー幼稚園児などを特集している番組をみると、どこか現実味がないというか、にわかに信じられない感覚だったのですが、こうして陽彩くんみたいに小さいころから音楽をやっていて、素晴らしい歌声を披露しているのをみると『いるところにはいるんだな』と思っちゃいました」と感服する。続けて「やっぱり受動的だと才能も開花されないんでしょうね。好きなものを見つけることができることが才能なのかもしれませんね」としみじみ語っていた。(photo/text:Masakazu Isobe)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月16日陽気でカラフルな“死者の国”を舞台にした大冒険を描き、アカデミー賞2部門を受賞した『リメンバー・ミー』。このたび、日本版声優を務めるへクター役の藤木直人と“奇跡の歌声”と注目度上昇中のミゲル役・石橋陽彩がハモり、愉快な楽曲「ウン・ポコ・ロコ」を披露する本編シーンが到着した。今回公開されたのは、“死者の国”で主人公ミゲルが音楽コンテストに出場し、大勢の観客の前で初めて歌うシーン。ミゲルはギターを弾きながら、初めて人前で歌うとは思えないほど美しい歌声を披露し、観客のガイコツたちも超ノリノリ。盛り上がる中、藤木さんが声優を務めるガイコツのへクターもミゲルと一緒に歌うことに!最初こそ戸惑うへクターだったが、ステージに上がると軽快なステップを披露。ミゲルは「死んでるわりに上手いね!」、へクターも「生きてるわりにお前もやるなぁ」と、息ぴったりのパフォーマンスに会場もヒートアップ。さらにへクターは歌いながらガイコツならではの“ホネホネダンス”を見せ、最後はミゲルと一緒に「君はウン・ポコ・ロコ~♪」と綺麗にハモり、ガイコツたちから拍手喝采を浴びている。“奇跡の歌声”石橋さんと藤木さんのハモりに注目「ウン・ポコ・ロコ~♪」は、一度聴いたら頭から離れなくなってしまうほど、中毒性ある楽しいメロディ。これまでイベントで披露されてきた藤木さんと“奇跡の歌声”を持つ石橋さんが一緒に歌うシーンには注目必至。楽曲のタイトルである「ウン・ポコ・ロコ」とは、スペイン語で“ちょっと変わり者”という意味。歌詞を書いたエイドリアン・モリーナ共同監督は、「このシーンではミゲルとへクターはお互いに少し不信感を抱いているんだ。2人は相手にイライラしているんだけど、一緒に何かをしたら楽しい化学反応が起こることもある。そういうことを歌にしたんだ」と明かしている。一緒に歌えば、絆が深まる!?ミゲルは音楽コンテストで優勝すれば伝説の歌手デラクルスに会えるから、何としても優勝したい、へクターはミゲルに生者の国に帰って“あること”をしてほしいと考えており、実はお互いに企んでいることがある。しかし、エイドリアン監督は「ミゲルとへクターはお互いにとてもイライラしている。だから楽曲『ウン・ポコ・ロコ』では、誰かのちょっと変わった所にイライラしても、力を合わせて一緒に何かをすれば、結局はその人のことを心から好きだと思えるという内容にしたんだ」と語り、どうやら、2人が一緒に歌うことで絆が深まる大事なシーンとなっている様子だ。また、リー・アンクリッチ監督も、そんなミゲルとへクターの関係について「彼らは楽しいキャラクターだよ。僕たちはいつも、ヘクターとミゲルの関係を、兄と弟の関係のように描いた。ヘクターはミゲルが持てなかった兄みたいな存在。彼らのやりとりを描くことはとても楽しくて魅力的だったよ」とふり返っている。しかし、ミゲルは日の出までに帰らないと永遠に家族に会えなくなってしまい、へクターも家族に会いたいという切ない想いがある。2人が死者の国で巻き起こす冒険、そしてミゲルの家族に隠された秘密には、驚きに満ちた感動が待っている。『リメンバー・ミー』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月16日3月16日(金)公開のピクサー最新作『リメンバー・ミー』で監督を務めたリー・アンクリッチと、プロデューサーのダーラ・K・アンダーソンにインタビュー。メキシコの死者の国を舞台に描いたピクサー初の音楽をテーマにした物語。先日の第90回アカデミー賞では最優秀アニメーション賞、歌曲賞を受賞。全世界を感動の渦に巻き込んだ『トイ・ストーリー3』の監督&プロデューサーコンビでもある2人に、本作の見どころや製作の裏ばなしを尋ねるべく、カリフォルニア・エメリーヴィルにあるピクサー・アニメーション・スタジオで現地インタビュー。メキシコの死者の日の文化から「家族愛」描く「家族のつながり」という普遍的なテーマを扱った本作。物語の舞台となったメキシコでは、映画が世界最速で公開されると国内歴代No.1の興行成績を記録し大ヒットを収めた。それではなぜ舞台を「死者の日」にしたのか。LU:元々、僕がこの映画を作りたかったのは「死者の日」というメキシコの伝統に長い間興味を持っていたからなんだ。そこには、とてもエンターテインニングで、カラフルで、音楽的なストーリーを語る可能性があると思った。でも、その祝日についてリサーチを始め、それについてもっと学ぶにつれて、家族がその伝統にとってどれほど重要かということがわかってきた。そして、僕たちが語るストーリーの中心となるテーマを、家族にできるということに気づいたんだ。LU:僕たちがここ(ピクサー)で映画を作るときはしょっちゅう、ストーリーが監督たちにとってとても個人的なところから来るものだ。でも今作については、ストーリーは、僕自身の人生からではなく、この美しいメキシコの伝統から生まれたんだ。でも、映画作りの過程の中で、僕たちみんなが自分たちの家族や、自分たちの経験について話し合った。そして、それらのアイディアの多くは、僕たちが語ったストーリーの中に最終的に残ることになったんだ。劇中歌「リメンバー・ミー」が頭から離れない?LU:ロペス夫妻(ロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン=ロペス)が書く全ての歌が「イヤーワーム」(earworms)なんだ。頭に入って、それを頭から追い出せない歌なんだよ。「リメンバー・ミー」もそうなんだ。DA:それを歌うのを止められないの。何度も何度もね(笑)。私たちは、「リメンバー・ミー」を聞いた瞬間から、すごく気に入ったわ。それは多分、軽く4年以上前のことよ。そして、私たちはそれを何度も聞いたの。いまもあの曲が大好きよ。それは、彼らの才能の証しだわ。いまから4年前、『アナと雪の女王』の楽曲も手がけたロペス夫妻が作り上げたのが、本作『coco』(原題)の日本語タイトルにもなっている「リメンバー・ミー」。3月4日(現地時間)ドルビー・シアターで開催された第90回アカデミー賞では他の強豪ノミネーション作品を押しのけ、歌曲賞を受賞。『リメンバー・ミー』の音楽たちは、いまでは全世界の人々を魅了している。LU:彼らは、最終的に映画に入れられなかった他の歌も書いた。そして同じように、それらの曲は全て、僕の気を狂わせたよ。DA:(笑)LU:それらは僕の頭の中に入り込んで、追い出せないんだ。それから、映画の他の歌のほとんどは、共同監督のエイドリアン・モリーナと、ジャーメイン・フランコが書いた。彼が歌詞を書いて、彼女が作曲したんだ。彼女も、キャッチーなメロディーを書くのが、同じくらい上手いと思う。なぜなら、「ウン・ポコ・ロコ」も僕の頭から離れないからね。本当に全ての歌がね。「哀しきジョローナ」という、イメルダが映画の中で歌うスペイン語の歌でさえね。あれは伝統的な歌なんだ。でも、あの歌にも、どこか頭から離れないところがあるんだよ。リアルな映像作りのヒントは「GoProカメラ」!?ピクサーはこれまでも『ファインディング・ドリー』『カーズ』などで示してきたように、「これがアニメーションなの!?」と目を疑うほどリアルな映像を手がけてきた。本作でもその才能は遺憾なく発揮されており、特に主人公・ミゲルが劇中初めてギターを手に取るシーンでは、ギターそのものはもちろん、フレッドや弦、指引きで弾く弦のふるえまでもアニメ―ションでリアルに再現している。LU:僕は「これはアニメーションだから何でも好きなことが出来る」と思った。それで、これを正確なものにしよう、と思ったんだ。映画のための全てのいろんな音楽を録音したとき、キャラクターが音楽を演奏するときにはいつも、複数のカメラでそれを撮影した。“GoProカメラ”をギターの首のところにくくりつけて、演奏のディテールを捉えられるようにした。それからアニメーターたちがアニメーティングしているとき、その映像を参照して、正しいものにできるようにしたんだ。LU:また、ギターをどのように演奏するかとてもよく知っているアニメーターたちに、出来るだけたくさんのショットをやらせるようにした。演奏のちょっとした細かいところを全て理解出来るようにね。映画を観るほとんどの人々は、それに気づかないだろうし、その良さがわからないと思う。でも、彼らはそれを感じることが出来る。それは、ミゲルが本当にギターを演奏出来るということに信憑性を持たせるということだ。でも、映画を観たミュージシャンたちはとても興奮したよ。なぜなら、彼らは、それがまさに正しいことがわかるからだ。インタビュー中、アンクリッチ監督の「信憑性を持たせる」という言葉がすごく印象的に響いた。当たり前のことだが、アニメーションはファンタジーでありフィクションである。だから一瞬でもその夢が醒めてしまったら、ストーリーが進んでいっても「置いてけぼり」をくらってしまう。ストーリーの中に自分を置くことができないのだ。しかし、細部にまでこだわったリアルな映像や血の通ったキャラクターによって、その醒める隙を与えることなく、観客をストーリーに引き込んでいく。その観客を引き込む力をピクサーのスタッフは多角的に構築していくのだ。言葉で語らずに「見せる」こと『トイ・ストーリー3』で、焼却炉を目の前にしたおもちゃたちが、もはやなす術もなく手を繋いで死を覚悟するシーンなどがあったが、アンクリッチ監督&アンダーソン氏はそのような“緊迫感”や“危険性”は言葉で語らずに、映像で見せることを大切にしているという。本作で主人公・ミゲルは「死者の日」に死者の国へと迷い込んでしまい、日の出までに出られなければ死者になってしまう。日の出までのタイムリミットが迫る中、じわりじわりと死の気配を漂わせるために、監督は「肉体が透けて骨だけになってしまう」という手法で観客に緊迫感を与えていく。まるで宮崎駿監督作『千と千尋の神隠し』で千(千尋)の体が消えてくように。アンクリッチ監督は「『千と千尋の神隠し』には間違いなく影響を受けたよ」と前置きしつつ、本作にとって必要不可欠な見せ方であったと語る。LU:聞いてくれ。『千と千尋の神隠し』には間違いなく影響を受けたよ。僕たちは宮崎駿の映画が大好きで、僕は特に『千と千尋の神隠し』が大好きなんだ。僕は、あの映画のことを特に考えていたわけではなかったと思う。僕たちにはただ危険性が必要だった。ミゲルが危険な状態にあるということを見せたかったんだ。時間の制限があるということをね。彼は、死者の国でやるべきことをやって、逃げ出さないといけなかった。DA:それが感じられないといけないの。直感に訴えられるものにしたかったの。LU:もし彼がそこに長くいすぎたら、なにか危険なことが起きると感じて欲しいんだ。だから、僕たちにとって、それは彼が消えていなくなってしまう、ということじゃなかった。『千と千尋の神隠し』で彼女がそうなるようにね。それはもっと、彼が骸骨になって行くということだった。彼の体やスピリットが徐々に消えていって、中にある骸骨が見えて来るんだ。そういうことだったよ。そして、僕たちはそれをあまりに気持ちを動揺させないやり方でやろうとした。LU:最終的には、僕たちが危険性を感じるのは重要だと思った。それに、それは前にも映画に出てきたことがあるアイディアだ。『千と千尋の神隠し』にもある。『バック・トウ・ザ・フューチャー』にもそういうのがある。時間が差し迫って来るというアイディアはね。誰かが必要なことを達成しないといけないんだ。さもなければ、予期しない問題が起きる。そういうところから生まれてきた。そして、それはクールだろうなと思った。もし小さな子どもが、子どもについての映画を観ていたら、僕だったら「ワオ、彼は骸骨になるんだ」と、クールに感じると思う。僕はそういうのを特に前に観たことがなかった。だから僕たちはそれをやったんだ。DA:私たちはしょっちゅう「見せて。(言葉で)語らないで」と言うの。もしとても差し迫っていることを視覚的に見せることが出来れば、その方がもっと(インパクトが)強くなるの。協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月15日第90回アカデミー賞で見事2部門、長編アニメーション賞&歌曲賞を受賞、世界各国で大ヒット中の『リメンバー・ミー』。ここへ来て映画公開が待ちきれないファンも少なくないなか、スペシャルイベント「ピクサー・プレイタイム」を開催中の東京ディズニーシーでは、その『リメンバー・ミー』の世界観が、映画公開より一足早く存分に楽しめるのだ。まずロストリバーデルタにあるレストラン「ミゲルズ・エルドラド・キャンティーナ」では、期間限定のカラフルな『リメンバー・ミー』のデコレーションが登場中だ。レストランの雰囲気にぴったりな外壁のイラストは、フォトスポットとしても人気を集めている。また、映画に登場する主人公のギター少年ミゲルが、マリーゴールドの橋を渡って“死者の国”に入っていくシーンさながらに、レストランの入り口にはマリーゴールドのデコレーションも。この扉をくぐると、店内も映画をイメージしたデコレーションとなっている。さらに、映画の重要なアイテムである“白いギター”も店内にしっかりと飾られていて、映画の世界へと入り込み、『リメンバー・ミー』をイメージしたメニューをいただける。スペシャルメニューには、『リメンバー・ミー』のモチーフであるギターをイメージした「ミゲルのおすすめセット」が登場。映画のカラフルな世界観をイメージしたフルーツの彩りが鮮やかなドリンクもおすすめだ。この「ミゲルズ・エルドラド・キャンティーナ」のデコレーションは5月31日(木)まで、スペシャルメニューは6月6日(水)まで実施。そして、「ピクサー・プレイタイム」のスペシャルグッズにも、『リメンバー・ミー』が。「ピクサー・プレイタイムのイヤーハット」には、36種類もあるステッカーに『リメンバー・ミー』のキャラクター、主人公のミゲルと、陽気なガイコツのへクターのデザインも。メディテレーニアンハーバーで開催中のエンターテインメント「ピクサー・プレイタイム・パルズ」のフィナーレに登場する約10メートルのバルーンにも、ミゲルとヘクターが!パーク中に広がっている『リメンバー・ミー』の世界観を、映画本編とともに満喫してみて!※写真はすべてイメージです。過去の取材時に撮影した画像を再利用することがあります。(C) Disney (C) Disney/Pixar(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月14日本年度アカデミー賞2部門受賞で話題のディズニー/ピクサー長編最新作『リメンバー・ミー』の公開を記念して、この度3月16日(金)の金曜プレミアムでは、2001年度アカデミー賞に輝いたディズニー/ピクサーの傑作『モンスターズ・インク』の第2弾『モンスターズ・ユニバーシティ』を本編ノーカット放送することが決定した。「いつか必ず、怖がらせ屋になるんだ!」幼い頃からの夢を叶えるため、マイクはモンスターズ・ユニバーシティの怖がらせ学部に入り、猛勉強に励むことに。そこで出会ったのは怖がらせの才能に恵まれたサリー。見た目も性格も全く違うふたりが、いかにして最強の怖がらせ屋コンビになったのか…?本作は、主人公のマイクとサリーが“モンスターズ・インク”に入社する前の、ふたりが初めて出会う“学生時代”を舞台に、モンスター界最大の事件を巡る大冒険を描くファンタジー・アドベンチャー作品。今回は2か国語版で放送。マイクに「爆笑問題」田中裕二、サリーに「ホンジャマカ」石塚英彦、そしてグレーブズ先生を柳原可奈子と、人気お笑いタレントが声を担当している。金曜プレミアム映画『モンスターズ・ユニバーシティ』は3月16日(金)19時57分~フジテレビにて放送。『リメンバー・ミー』同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』は3月16日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:モンスターズ・ユニバーシティ 2013年7月6日より全国にて公開© Disney/Pixar.All Rights Reserves.
2018年03月13日先日、アカデミー賞2部門を受賞した陽気でカラフルな“死者の国”を舞台に大冒険を描くディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』。この度、本作にはメキシコの伝統工芸品“アレブリヘ”からインスパイアされたキャラクターたちがたくさん登場していることが分かった。主人公の少年ミゲルが迷い込んだ死者の国は、ミゲルのご先祖ガイコツたちが楽しく暮らしているほか、独創的な姿をした“アレブリヘ”という不思議な動物たちも住んでいる。大きすぎる耳を持つキツネのような動物や、羽が生えた恐竜のような生物、角が生えたトラみたいな動物など、同じデザインは一匹として存在しない。さらに彼らには不思議な特殊能力があり、芸術家フリーダ・カーロのアレブリヘの猿は、自由に体の色を変え火を吹くことができる。そして特に活躍を見せるのが、雄ヒツジの角、トカゲのような尻尾に鷲の翼と爪、さらに頭と腕はトラという不思議な姿のペピータ。“亡くなった人の魂を死者の国に導く存在”として登場する重要なキャラクターで、ミゲルのひいひいおばあちゃんイメルダに忠実に仕えている勇敢な性格だ。メキシコの伝統工芸品の一種であるこのアレブリヘ。リー・アンクリッチ監督がリサーチのためにメキシコに訪れた際に取り入れたいと思ったそう。キャラクター制作に携わったアロンソ・マルチネスは「アレブリヘはペドロ・リナレスという人物が、熱にうなされたときに見た夢がきっかけだった。彼は夢の中で森の中にいて、翼を持ったロバとか鳥の頭を持った鷲とか、不思議な動物と出会ったんだ。その動物たちが『アレブリヘ!アレブリヘ!』と唱え始めたそうで、目が覚めた彼はその動物たちを紙張子で作り、いまではメキシコの最も有名な民芸品の一つになったんだ」と誕生した歴史を明かしている。またアレブリヘは宗教や神話に出てくる動物ではないため、色々なアーティストたちが自分なりの独創的な個性を取り入れ、ピクサーも世界に一つだけの独特なキャラクターを誕生させた。さらに、エイドリアン・モリーナ共同監督が来日した際、「日本の凧の博物館に興味があるよ。日本の博物館や美術館を見て回りたい。もしかしたら次のアイデアが思いつくかもしれないね」と明かしており、凧やこけし、赤べこなど、日本の伝統工芸品がピクサーのキャラクターになる日がもしかしたら来るのかもしれない。『リメンバー・ミー』同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』は3月16日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月10日第90回アカデミー賞で長編アニメ賞、歌曲賞の2冠に輝いたディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』のジャパンプレミアが3月8日(木)、東京・台東区の上野恩賜公園野外ステージで行われた。プレミアには日本語版キャストを務めた石橋陽彩くん(主人公ミゲル役)、藤木直人(へクター役)、橋本さとし(デラクルス役)、松雪泰子(イメルダ役)、横山だいすけ(お父さん役)が出席。さらに日本版エンドソングを担当し、初タッグを組んだシシド・カフカと「東京スカパラダイスオーケストラ」が駆けつけ、アカデミー賞に輝いた主題歌「リメンバー・ミー」を初めて生披露した。■寒さを吹き飛ばす、情熱のパフォーマンス!同曲は『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー」を生み出したロバート・ロペス&クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻による新たな名曲。日本版は「東京スカパラダイスオーケストラ」がアレンジした楽しく陽気なリズムとメロディ、そしてシシドさんの透き通るような歌声が一体となり、一度聴いたら忘れられない仕上がりとなっている。当日は、季節外れの寒さに見舞われたが、両者の情熱的なパフォーマンスで会場は大盛り上がり。演奏を終えたバリトンサックスの谷中敦も「すっごく良かったよね!」と熱っぽく語り、2月に行ったメキシコツアーについて「現地の皆さんと話をしたが、メキシコが舞台になったこの作品は、胸が熱くなるエピソードが満載だと言っていた。そういう作品が世界で公開されることを喜んでいたし、本国の人たちが誇りに思える映画っていいなと思いました」と語っていた。■スカパラ茂木「もう出会えない友だちのことを…」音楽を愛しながら、“家族の掟”によって音楽を聞くことも、演奏することも禁じられている少年ミゲルは、ひょんなことから死者の国に迷い込み、そこで出会った陽気なガイコツのヘクターと冒険の旅へ。やがて、先祖にまつわる秘密を知り、重大な決断を迫られる…。劇中で声優も務めているドラムの茂木欣一は「家族の絆を教えてくれるし、もう出会えない友だちのことを考えたり…。生と死が真逆ではなく、つながっているように感じられて、前向きになれる」としみじみ。シシドさんは「心が温まる物語詰まっている。音楽って、改めてすてきなものだと感じました」と話していた。『リメンバー・ミー』は3月16日(金)より全国にて公開。短編『アナと雪の女王/家族の思い出』が同時上映される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月08日