不動産投資に関する書籍は多く、しかしその多くはメリットばかりを強調する傾向にあります。でも現実的にはリスクも大きいものであるだけに、石橋はしっかり叩いて渡りたいところ。そこでおすすめしたいのが、『失敗事例に学ぶ! 「不動産投資」成功の教科書』(ふどうさんぽ著、御井屋蒼大監修、日本実業出版社)です。著者の「ふどうさんぽ」とは、不動産投資家を目指す、あるいはすでに不動産を所有しているメンバーと、不動産投資に関する情報交換をするサークル。メンバーは1,000人を超え、中心メンバーは億を超える資産を持つ経験値の高い人達ばかりなのだとか。つまり本書では、豊富な経験に基づいた、さまざまな失敗事例が紹介されているわけです。しかし、それらを理解するためには、まず基本を知ることが重要。そこで、不動産投資の基本をおさらいしてみましょう。■「利益を得られる物件」を購入するべし不動産投資は、「購入して、保有(運用・管理)して、売却する」という3つの基礎構造によって成り立っているもの。購入手順はマイホームを買うときと同じで、物件を探してもらい、それに見合った物件が見つかれば紹介を受け、気に入れば購入、となります。しかし、ここで重要なのは「利益を得られる物件を購入しなければならない」ということ。「利益を得られる物件」を自分でイメージでき、具体的に条件を書き出すことができなければ、不動産仲介業者に自分の希望を伝えることは不可能。また購入時に銀行から融資を受けることも考えると、「利益が得られて、融資が受けられる」物件であることが必須となるわけです。たとえば相場で5,000万円の物件を、誤って6,000万円で買ってしまったとします。この物件で年間100万円のキャッシュフローが得られるとすると、10年間に1,000万円のプラスとなります。しかし10年間でローンの残高が4,000万円まで減ったものの、売却したら経年変化もあって3,000万円でしか売れなかったとなれば、キャッシュフローのプラス分1,000万円とキャピタルロスのマイナス分1,000万円で、差し引きトントンになってしまうことになります。もちろんオーナーは10年にわたり、不動産投資家としてきちんと働いてきたはず。ところが、最初に相場より高い物件を買ってしまったため、その労働すべてがチャラになってしまうということ。でもトントンならまだマシで、マイナスになってしまうこともあるのだとか。そんな場合は10年間タダ働きだったということになるだけでなく、「働いてお金をロスする」という意味不明の結果になってしまうのです。■必ず相場よりも安い物件を購入するべしこの例からもわかるように、「相場より高く買う」という失敗は、絶対に避けなければいけないと著者は強調しています。大切なのは、まず購入時に正確な相場を学び、必ず相場より安く、無理なら相場と同等の金額で購入すること。そしてそのためには、誠実で信頼できる不動産仲介業者から紹介してもらうべきだといいます。■物件の「売却額」も自分で算定するべしまた売却の際にも不動産仲介業者に協力してもらいますが、キャピタルゲインをいくら得られるかを計算し、売却額を自分で算定することが必要。相場を知るのはもちろんのこと、ローン残高を考えて、「これより下回ったらトータルでいくらの損になるのか」を知らなければならないということ。また、売買のタイミングも自分で知るべき。建物が劣化して使えなくなってから売るのか、使えなくなった建物を壊して土地だけ売るのか、減価償却が終わったタイミングで売るのかなどによって、利益が変わるのです。こうしたことをすべて考えたうえで、「どのような条件で手放したいか」を伝え、それに見合った広告を出してもらい、買い手を紹介されて売却となるわけです。そして購入時の金額と売却するときの差益がプラスであればキャピタルゲインとなり、マイナスならキャピタルロスとなるということ。もちろん世間の経済状況にも左右されるでしょうが、しっかり勉強し、必要ならコンサルティングなどプロのアドバイスに耳を傾けることが大切。そうすれば、好景気でも安く購入することや、不況でも利益を出して売却することが可能だと著者はいいます。*こうした基本をベースに、以後の章では数多くの失敗事例が具体的に紹介されています。「不動産屋さんと会話がかみあわなかった」というようなコミュニケーションの問題から、「部屋のなかで孤独死が発生してしまった」というようなシリアスな話までさまざま。不動産投資に関心があるなら、手にとってみればきっと役に立つ内容だと思います。(文/書評家・印南敦史)【参考】※ふどうさんぽ(2015)『失敗事例に学ぶ! 「不動産投資」成功の教科書』日本実業出版社
2016年01月27日多国間不動産トランザクション事業及び多国間不動産ブロックチェーン事業を展開する世界は8日、仮想通貨ビットコインを活用した不動産決済支援サービスを開始したと発表した。サービス提供の第一弾として2015年12月6日、香港人投資家が日本の不動産を決済する際、世界の決済支援サービスを利用したという(※同社調べ)。サービス提供第一弾では、日本デジタルマネー協会の協力のもと、ビットコイン取引所である「coincheck」を運営するレジュプレスと、同じくビットコイン取引所「Pegapay」を運営するヴァロンの2社を選定し、決済が行われたとしている。ビットコインを活用した決済は土日祝日でも着金確認ができ、手数料数円と、「従来の海外送金と比較して圧倒的なコストダウンが可能になる」(世界)。ビットコインはブロックチェーンの高度なセキュリティ技術が活用され、取引の際にカード番号や個人情報を入力する必要がない。また決済コストが安価で、土日祝祭日でも着金確認が可能といったメリットがある。世界によると、2014年9月末時点の投資額は330億円以上となっているという。2014年6月、世界最大オンライン旅行会社がホテル予約でビットコインの利用を開始。同年7月には大手コンピューター会社が公式ホームページを通じた自社製品の販売で、ビットコインによる決済受け付けを開始するなど、「世界的な商業流通量はまだ小規模であるものの、実際に製品やサービスの支払いに使用されている」(世界)。世界は、2012年1月設立。資本金4,500万円。2015年ジグソーなどを引受先とする第三者割当増資を実施。多国間不動産トランザクション事業及び多国間不動産ブロックチェーンサービス事業を展開。世界が運営する中国・香港・台湾投資家向け不動産情報サービスの利用者は50,000人以上(2015年12月時点)。2014年販売支援実績額は約10億円。2015年3月に台湾最大の金融ポータルcnYESと業務提携し、台湾人をはじめとした中華圏100万人以上へ不動産情報を提供している。世界は今後、不動産のクロスボーダー取引活発化と仮想通貨普及の流れに合わせ、「中華圏の投資家に向け同サービスを拡充、拡大していく」としている。
2015年12月08日ヤフーとソニー不動産は11月5日、新しい不動産売買プラットフォーム「おうちダイレクト」の提供を開始した。同プラットフォームは、1都3県(東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県)の約5万棟のマンションに関する情報をデータベース化し、マンションの所有者と購入検討者を従来よりもダイレクトに結びつけるサービス。マンション所有者は、不動産仲介会社を介さず「自分のマンションを、自分が決めた価格で、自分で売り出す」ことができ、売却方法の選択肢を広げることが可能。マンション購入検討者は、まだ売り出されていないマンションについての「購入希望の意思表明」や、売り出し中のマンション所有者に対する「物件に関する質問」を直接できるようになり、より能動的に物件購入を検討することができる。これにより、マンション所有者による物件の売り出しから、購入検討者による物件見学の申込みまでがWebサイト上で完結。その後の物件見学から売買代金の決済・物件の引渡しまでのオフラインにおける不動産取引実務は、ソニー不動産がサポートしていく。また、同プラットフォームにおいて、マンション所有者は、自分の住戸の推定成約価格(以下、システム推定価格)を把握することが可能。このシステム推定価格は、ソニーR&Dのディープラーニング(深層学習)技術を核とし、ソニー不動産が持つ不動産査定のノウハウや不動産取引の知識を導入して共同開発した機械学習ソリューション「不動産価格推定エンジン」によって算出される。同エンジンでは、さまざまな不動産関連情報を元にデータを解析し、不動産売買における成約価格を統計的に推定。その推定精度は、MER(Median Error Rate : 誤差率の中央値)で6.08%(1都3県)、5.39%(東京都23区)となる。加えて、簡単な情報入力と所有者確認手続きのみで、不動産仲介会社に相談することなく自分の住戸の物件情報を「Yahoo!不動産」に無料で掲載し、購入希望者を募ることが可能に。物件掲載時の売り出し価格については、システム推定価格を参考にしながら、所有者が自由に設定できる。なお、サービスを開始時は、東京都心6区(千代田区/中央区/港区/渋谷区/品川区/江東区)のマンションを売り出しの対象とし、その後サービスエリアを随時拡大していく予定だ。一方、マンション購入検討者は、データベース化されたすべてのマンションについて、売り出し中の住戸がそのマンション内にない場合であっても、「買いたいリクエスト」を出すことで購入検討中という意思表明できる。さらに、リクエストをしておくと、そのマンションのタイプごとのシステム推定価格を知ることができるほか、そのマンションの住戸が売り出されたときに通知が届くようになる。同プラットフォームは、マンション所有者向けPC版の提供を11月5日に開始し、11月16日に購入検討者向けPC版サービスを、2016年1月下旬にスマートフォン版サービスの提供を開始する。
2015年11月06日スタイルアクトはこのほど、「第31回 マンション購入に対する意識調査」の結果を発表した。それによると、マンション価格が「高い」と回答した人は約7割となり、買い時感が減少した。○マンション価格、7割が「高い」と回答現在の物件の購入価格をどのように感じているかと尋ねたところ、全体では68.5%が「高い」と答え、前回調査時(2015年7月)より5ポイント増えた。また東京23区購入希望者は72.4%が「高い」と回答した。価格を理由に購入をあきらめた人に再検討する価格を聞くと、「15%以上下がったら」が95.1%と前回より17.1ポイント増加した。同社は「購入検討者の値頃感とマンション価格水準との乖離が進んでいる」と分析している。マンション買い時DIは、全体ではマイナス6.7ポイント、東京23区購入希望者ではマイナス10.3ポイントに落ち込んだ。1年後の価格変化については、全体では75.2%が「上がる」と予想し、特に東京23区購入希望者では「上がる」が81.0%を占めた。ただし、「横ばい」や「下がる」の割合は前回より増加したほか、今を「売り時」と判断する人は69.5%に上った。同社は「マンション価格の頭打ち感が出始めており、今後は『横ばい』や『下がる』と予想する人が増えていくと考えられる」と分析している。調査期間は2015年10月6~9日、回収サンプル数は105件。
2015年10月31日ソニーとソニー不動産は8日、独自の機械学習技術を応用した「不動産価格推定エンジン」を開発したと発表した。○業界最高水準の精度を実現同技術は、両社が共同開発した機械学習ソリューション。ソニーR&Dのディープラーニング(深層学習)技術を核とし、ソニー不動産が持つ不動産査定のノウハウや不動産取引に特有の知識を導入している。様々な不動産関連情報を元に、独自のアルゴリズムに基づいてデータを解析し、不動産売買における成約価格を統計的に推定する。ソニー不動産広報は「不動産の査定は経験により差が出る場合がある。そこでソニーの機械学習技術を転用できないかと考えた」と話している。東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県のすべての中古マンションの推定成約価格を算出することができ、常に最新のデータを日々自動で学習する。推定精度はMER(Median Error Rate:誤差率の中央値)で5.48%と、業界最高水準の精度という。今後は、売却・購入コンサルティングサービスの利用者に対し、同エンジンで算出される推定成約価格を提供する新たなサービスを提供していく。また他のサービスとの連携も予定している。機械学習技術とは、人が持つ学習能力をコンピュータで実現しようとする技術。またディープラーニング(深層学習)技術は、近年急速に発展している機械学習技術の一つで、人間の脳の構造を模した計算モデルを用いる点に特徴がある。
2015年10月09日フォレスト出版はこのほど、書籍『空き家を買って、不動産投資で儲ける!』を発売した。著者は収益不動産経営コンサルタント・全国古家再生協議会顧問の三木章裕氏。価格は1,500円(税抜)。○少額で誰でも簡単に始められる不動産投資法を紹介今、空き家が社会問題になっている。行政では、廃屋化する空き家が危険建築物として倒壊する恐れや、犯罪の温床になるということで対策を進めているが、実際に深刻な問題に直面しているのは、空き家を所有している家主だ。再建築不可物件など様々な理由から空き家が増え続けているのが現状だが、実はこうした物件が今、不動産投資物件として生まれ変わっており、家主の中には「空き家不動産投資」で成功している人も出てきているという。同書は、少額で誰でも簡単に始められる、新しい不動産投資法を紹介。投資の方法から資産づくりの指南、不動産投資をするための心得まで、初めて投資をする人にも分かりやすく説明している。著者はもともと、大阪で不動産業を営んでいたが、バブル崩壊で借金返済に追われ、物件を購入していた立場から、物件を紹介する事業を開始。巨額の借金返済という厳しい経験を通じて、クライアントに寄り添った失敗しない資産づくりを指導しているという。著者の三木章裕氏は1962年大阪生まれ。甲南大学経営学部卒、大阪学院大学大学院商学研究科卒。現在、収益不動産経営コンサルタント・全国古家再生推進協議会顧問としてクライアントの資産づくりをサポートしている。
2015年09月03日野村不動産アーバンネットは5日、不動産情報サイト「ノムコム」の会員を対象とした「住宅購入に関する意識調査(第9回)」の結果を発表した。それによると、不動産について「買い時だと思う」「どちらかと言えば買い時だと思う」との回答が46.2%となり、前回調査(2015年1月)と比べると7.3ポイント減少、3年半ぶりに50%を下回る結果となった。買い時だと思う理由については、「住宅ローンの金利が低水準」64.4%(前回比9ポイント減)、「今後、10%への消費税引き上げが予定されている」40.2%(前回比1.3ポイント減)に続き、「今後、不動産価格が上がると思われる」が39.6%となった。買い時だと思わない理由は、「不動産価格が高くなった」が最も多く64.9%と前回比で16.9ポイント増加した。○不動産の価格は「東京オリンピックまでは上がる」という意見も不動産の価格については、「上がると思う」が39.6%と前回調査と同結果となった。上がると思う理由については、「東京オリンピックまでは上がる」「景気が上向きになってきている」という意見に加え、「海外からの投資が増加しているため」という意見が目立った。一方、不動産の価格は「下がると思う」の回答は18.9%と前回調査から2.1ポイント上昇した。住宅ローン金利については、「ほとんど変わらないと思う(低金利が続く)」が最も多く42.1%(前回比6.8ポイント減)、「金利は上がっていくと思う」は40.2%(前回比9.4ポイント増)、という結果となった。2017年4月に予定されている10%への消費税の増税によって、住宅購入計画に影響を受けるかの質問には、65.2%が「影響を受ける」と回答し、そのうち43.0%が「消費税が上がる前に購入するようにしたい」と回答した。調査期間は7月10~16日、調査方法はインターネット、有効回答は1,363人。
2015年08月06日不動産投資には「難しそう」というイメージがありますし、実際問題、興味があったとしてもなかなか一歩を踏み出せないもの。しかし、『不動産投資は地方に一棟買うことからはじめなさい!!』(竹居百合子著、総合法令出版)の著者は、そうは考えていないようです。■仕事の空き時間で不動産投資2006年から不動産投資をはじめ、今年で10年目になるという人物。現在の所有不動産はアパート・マンション8棟、戸数は100戸、家賃収入は6,800万円ほど。8月末には、総資産は6億4,500万円になる予定だというから驚き。しかも注目すべきは、著者が「特別な人」ではないという事実。2年前に独立するまでは23年間サラリーマン生活を送り、仕事の空き時間を利用して不動産投資をしてきたというのです。そんなことが本当に可能なのかと思いたくもなりますが、物件の選び方を間違えず、しっかり管理すれば、不動産投資は失敗する可能性がとても低いのだそうです。■成功するためのシンプルな法則ちなみに、不動産投資で成功するためのシンプルな法則は、次の3つ。(1)稼げる物件を探す(2)融資の審査をうまく通す(3)きちんと管理する本当にこれだけだけれど、この3つのことをするために、多くの人は時間を浪費しているのが実態。でも、「不動産投資は時間がなくてもできる」という認識を持つことが大切なのだそうです。■足りない時間をうまく使うコツとはいえ、「でも時間がない」という人は少なくないはず。そこで著者がオススメしているのは、お昼休みをうまく使うこと。意外にも思えますが、著者もお昼休み1時間のうち30分で不動産会社や管理会社、銀行と連絡をとってきたのだといいます。管理業はそれぞれのプロに任せ、大家である自分自身は、管理会社、修繕会社、清掃会社などをマネジメントするだけ。このやり方で、不動産投資をはじめて3年半で資産が億を超え、その後も徐々に増やすことができたのだとか。■不動産投資で最初にすべきことただし本書は、無責任に「いいこと」ばかりを並べ立てているわけではありません。つまり、たしかにお昼休みの30分を利用するだけで、一生困らないお金をつくれるけれど、「その前にすべき大切なこと」があるともはっきり述べているのです。それは、まとまった金額の頭金、つまり自己資金を用意すること。なぜなら銀行からは通常、物件価格の1~3割にあたる頭金を要求されるから。頭金ゼロ、全額融資の「フルローン」で買う人もいますが、初心者にとってこれは非常に危険な投資なのだそうです。だからこそ、安全に不動産投資をするなら、まずは自己資金を貯めることが大事だということ。たとえば3,000万円の物件を購入するなら、最低でも500万円くらいの頭金は必要だと考えるべきだといいます。*考え方が現実的で、説明も具体的なので、読んでみれば不動産投資が必ずしも手の届かないものではないことがわかるはず。将来のために、考えてみるのもいいかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※竹居百合子(2015)『不動産投資は地方に一棟買うことからはじめなさい!!』総合法令出版
2015年07月20日リクルート住まいカンパニー(SUUMO)と日本マイクロソフトは5月25日、Web上の地図技術を活用した新しい住宅・不動産情報検索サービスとして「Bing不動産」の提供を開始した。「Bing不動産」は、マイクロソフトがグローバルで展開している地図プラットフォーム「BingMaps」の技術と、SUUMOが保有する、住宅・不動産の購入・賃貸の物件情報を統合し、地図上により詳しく豊かな表現で物件情報を表現することで、ユーザーが視覚的・直感的に物件を検索できるサービス。「Bing不動産」の主な特徴としては、「地図を起点とする物件探しが可能」「多様な絞り込み/物件一覧・比較機能の提供」「オーバーレイ機能の提供」「検索連動」がある。「Bing不動産」は、物件探しに関わる多くの作業を単一のユーザーインタフェース上で完結することを基本的な設計思想とし、物件に関するさまざまな情報を地図上に提供する。例えば、物件所在地の周辺にあるさまざまな施設の場所(コンビニ、バス停、駅、郵便局など)が地図上に配置し、視覚的で直感的な情報が提供されるため、ユーザーは物件周辺の環境をより具体的なイメージを持って確認することができる。また、物件を探す際に有益な付加情報を、地図上にオーバーレイで重ねて表示することができ、サービス開始時点では、「用途地域」「地価公示価格」のオーバーレイ表示が利用可能。さらに、両社は地図を主体とした特徴を生かして、新たな物件探しの手法を提案していく予定で、第1弾として、物件検討の主要な意思決定者が複数いる場合に、さまざまな条件付けから両者の"落としどころ"となりそうな候補物件を提示する機能「パワーバランス検索」(仮称)を2015年後半に実装する予定。
2015年05月26日中国では、不動産市場が低迷するなか、不動産企業の事業環境や資金繰りの悪化が懸念されてきましたが、足元の不動産市場では、大都市を中心に持ち直しの兆しが見え始めています。中国国家統計局が発表した3月の主要70都市の新築住宅価格をみると、前年同月比で、中小都市や内陸部では下落が続いていますが、北京や天津などの大都市では上昇しました。上昇した都市の数は、2月の2都市から大幅に増加し、3月は12都市となりました。この背景として、不動産市場の低迷が、政府による成長率目標の達成の妨げになると懸念され、当局が昨年9月と今年3月末に、規制緩和による不動産市場のてこ入れ策を講じたことが挙げられます。具体的には、投資目的とみなして厳しい規制を課してきた2軒目の住宅購入における住宅ローンの頭金要件の緩和、住宅ローン金利の引き下げ、転売時の免税対象の拡大などです。これらの規制緩和は、緩やかながら今後不動産需要の回復を促すとみられ、物件在庫の減少などを通じて不動産企業の収益の改善に繋がると考えられます。これに加えて、中央銀行は、昨年11月以降、利下げや預金準備率の引き下げといった金融緩和策を段階的に実施しており、4月20日にも預金準備率を1%程度引き下げました。これにより流動性が向上し、金利低下圧力が高まることを受け、借入需要の増加を通じた不動産需要の拡大に加え、企業の資金調達(銀行借入れや社債発行など)コストの低下に繋がると考えられ、不動産企業にとって収益および資金調達環境の両面において改善が見込まれます。依然として不動産価格の下落が続く中小都市を中心に事業を展開する不動産企業にとっては厳しい状況が続く可能性がありますが、住宅価格の上昇や物件在庫の減少がみられる大都市を中心に事業を展開する不動産企業の事業環境は改善が予想されます。(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)(2015年4月30日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」※1 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
2015年04月30日前回 は、消費税アップに伴う、税金関係の影響を中心に、マイホームの買い時について説明しました。今回は、そのほかの要素について考えてみましょう。■住宅ローンの低金利はいつまで続くのか?現状、住宅ローン金利は過去最低基準といえるでしょう。すでにローンを組んでいる方にとっても、借り換えの好機といえそうです。ただし、新規でも借り換えでも、住宅販売のチラシのシミュレーションによくある変動金利を組む場合は要注意。固定金利(返済期間中金利が一定なタイプ)より金利が低いため、当初の返済額は有利に思えますが、長い目で見れば、景気が徐々に回復していく中で、いつかは金利も上昇する可能性があります。最長35年と長期に渡る返済期間中には、金利が上昇するリスクがあることを、しっかり認識しておきましょう。■オリンピック前が本当にマイホームの買い時なのか?すでに海外投資家からの需要を織り込んで都心のマンション価格が高騰していること、インフラ整備などで原料費や人件費の高騰が見込まれることなどがニュースで報じられるのを見ると、「早く買わなければ」という気持ちになるかもしれません。ですが、増税前の駆け込みのタイミングは、期限内に買うことに気を取られ過ぎて、見積もりの交渉をする余裕がなくなってしまう可能性もあります。過去には増税後に不動産価格が下がったという事例があったり、少子化によって長期的な需要の増加が見込みづらかったりすることを考えると、前回(1964年)の東京オリンピック時のように、日本全体の地価や不動産価額が上がるということは、2020年のオリンピックではないと考えるのが妥当です。もしも、希望の物件が割高だと感じる時は、その理由を業者さんにきちんと確認しましょう。■ライフプランをしっかり立てておくことが、マイホーム購入を失敗しないコツそして、マイホーム購入のタイミングを図る上で、何よりも欠かせないのが、ライフプランを立てることです。家の購入後に起こりうるライフプランを把握しておきましょう。これから子どもが大きくなるまで、夫婦それぞれの働き方がずっと今のままとは限りません。それによる収入の変化、教育にかかるお金、返済期間によっては老後の収入のことなど、まずは今後起こりうる人生のイベントを書き出し、それを踏まえた上で、自分たちにとって、今が本当にマイホームの買い時なのかどうかを判断しましょう。これらを把握せずに家を買うのは、たとえ増税前で金利も安く、住宅価格が割安であったとしても、おすすめできません。繰り上げ返済を毎年行うはずが、子どもの進学で支出が増加した途端に不可能になり、老後の生活が破綻するというケースは、決して少なくありません。ただし、プランを立てておけば、そうした事態も回避することができます。■インパクトがあるのは、消費税の2%増よりも、ローンの金利1%アップ私がファイナンシャルプランナー(FP)として「今は買い時か」と聞かれたら、もろもろの環境はおおむね好条件である、ということをお伝えした上で、ライフプランの中で住宅にかけられる予算を家族で共有できていること、そして納得いく物件と出会えているのであれば、「買い時でしょう」とお答えしています。ただし、その言葉や、目先の消費税増税に惑わされてマイホームを買うことは、何度も言っているように、おすすめできません。長い期間かけて支払う住宅の購入代金において、本当の意味でインパクトがあるのは、消費税の2%ではなく、住宅ローンの金利1%の増減です。そのため、「消費税が10%になるから!」というだけでマイホームを購入するのは、やめたほうがよいでしょう。まずはご家族のライフプランを第一に、更にそれを補強する形でその時々の制度をうまく活用し、満足できる住宅購入につなげてください。
2015年04月26日不動産広告でよく見かける“徒歩●●分”の表示。あれ、どこまで当たっているんでしょうか?気になったことはありませんか?実は、あの表示には素人では絶対に気付かないような落とし穴があるのです!今回は衝撃の事実をお伝えします。■“徒歩1分=80メートル”が決まった経緯まず、徒歩●●分の数字の根拠は、1963年(昭和38年)に公正取引委員会が承認した「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」が基本になっています。その内容ですが、ザックリ書くと“1分=80メートル”というもの。80メートルは“健康な女性がハイヒールのサンダルを履いて歩いた時の平均速度”と俗に言われています。最初、不動産業界が提案したのは“1分=100メートル”でした。少しでも、徒歩●●分の数字を小さくした方が、お客の歓心をひけるので、なるべく1分当たりで歩ける数字を大きくしたかったのですね。でも、さすがにこれは無理。“1分=100メートル”は男性でもかなりのスピードです。そのため、公正取引委員会が改めて計測しました。どんな方法だと思いますか?それは、東大を出たばかりの若い公正取引委員会の男性職員が、軽く女装して(かかとの高い靴を履いて)、庁舎の廊下を歩いて、時間と距離を測る、という方法。さらに、その男性は普段はせっかちな性格だったそうです。計測の時は、女性やお年寄りを意識して、なるべく普段よりゆっくり歩いたそうですが……。こうして“分速80メートル”基準は生まれました。大切なポイントなので、もう一度書きます。“軽く女装した” “せっかちな若い男性” “庁舎の平坦な廊下”……。いろんな意味で、ツッコミ所が満載ですが、こうして“徒歩1分=80メートル”という基準は生まれました。■不動産広告“徒歩●●分”表示の意外な盲点“徒歩●●分”表示に関して、大事なポイントがもう一つあります。それは、距離だけ計算すればOKで、実際の障害物は関係ないということ。道路にそった距離を“分速80メートル”で機械的に割ればよいことになっています。途中に信号があっても、坂道でも人混みでも、開かずの踏切があっても関係ありません。たとえば渋谷駅を降りて、センター街の店に行くとき。あなたは普段と同じスピードで歩けますか。ハチ公前、スクランブル交差点、センター街……。そんな時でも不動産表示は、単に駅からの道路距離を“80”で割っておしまいです。徒歩1分=80メートルは、本来は不動産広告に関する規制です。たとえばレストランの案内などでは、実際にお店の人が歩いて計測した数字も使われることもあるでしょう。しかし、それは逆に言えば無規制なので、お客を呼ぶために駅から近い数字が使われることもあるかもしれません。これから徒歩●●分の表示を見たときは、“実際にかかる時間でなく、単に距離(時間×80メートル)”が元になっている可能性が高いです。さらに“規制がかからない場合は、近い方に表示されている可能性がある”ことを念頭において行動したほうがいいでしょう。最後に、時間に関するイタリアのことわざを一つ紹介します。時間は人間のために作られている、人間が時間のために作られているわけではない。人生は時間そのものです。大切に使ってくださいね。(文/シール坊)
2015年04月21日不動産・住宅情報サイト「HOME’S」を運営するネクストはこのほど、近畿圏の「買って住みたい街」「借りて住みたい街」ランキングと分析結果を発表した。○買って住みたい街は「買って住みたい街」では、「西宮」「神戸」「芦屋」「岡本」など阪神間の人気住宅地がある駅がランキング上位にランクイン。「高槻」「枚方市」「茨木」など大阪以東のベッドタウンも人気を集めた。「借りて住みたい街」では、「新大阪」が1位を獲得。「江坂」「東三国」など近畿圏外からの転勤族が支持するエリアがランキング上位に登場した。大阪と京都の中間に位置するベッドタウン「茨木」「茨木市」もランクイン。大阪以東が多数を占める結果となった。「買って住みたい街」と「借りて住みたい街」を比較すると、「買うにも借りるにも人気の高い街」「買うには人気が高いが、借りるのには支持が高くない街」「借りるには人気が高いが、買うのには選択されにくい街」の3つのグループに分かれることがうかがえた。具体的には「買うにも借りるにも人気の高い街~代表的な駅」は「神戸」、「買うには人気が高いが、借りるのには支持が高くない街」は「西宮」「芦屋」など、「借りるには人気が高いが、買うのには選択されにくい街」は「茨木」「江坂」などとなった。「買って住みたい街」調査は1月22日~23日、3年以内に住まいの購入を検討している首都圏(東京都/神奈川県/千葉県/埼玉県)居住者1,030名、近畿圏(大阪府/兵庫県/京都府)居住者1,030名、中部圏(愛知県/岐阜県/三重県)居住者1,030名、福岡県居住者515名の回答をまとめたもの。「借りて住みたい街」調査は2014年7月1日~12月31日、HOME’S掲載物件のうち、賃貸部門で問い合わせ数の多かった駅名を集計したもの。なお家賃の算出方法は、HOME’Sに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の月額賃料を、単身者向け物件は25m2換算、ファミリー物件は50m2換算して最寄駅ごとに平均賃料を算出。データは2015年3月時点のもの。
2015年03月24日ネクストは3月18日、同社が運営する不動産・住宅情報サイト「HOME’S」の情報をもとに首都圏の「買って住みたい街」ランキングと「借りて住みたい街」ランキングを発表した。なお、「買って住みたい街」ランキングでは、1月22日~1月23日の期間、3年以内に住まいの購入を検討している東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の居住者を対象としてインターネット調査を行い、1,030件の有効回答を得た。また、「借りて住みたい街」ランキングでは、2014年7月1日~12月31日の期間、「HOME’S」掲載物件のうち賃貸部門で問い合わせ数の多かった駅名を集計した。「買って住みたい街」の第1位は「吉祥寺」となった。「渋谷にも新宿にも20分程度の交通の便の良さ。安い物も高い物も買い物には不便がない。住人が穏やか」(40代・女性)、「商店が充実していて生活するのに便利。街並みが整っているのに、にぎやかでもある」(50代・男性)など、交通の便と買い物など生活のしやすさ、整った住環境などが支持された。第2位は「横浜」で、都市機能の高さや公共施設の充実度、港の景観を評価する声が上げられた。「東京に行かなくてもほとんどの用が足りる。歴史のある街で基礎体力が高い」(30 代・男性)、「商店街が多くて便利。公園やスポーツ施設や図書館などが充実。海も近くて景観も良い」(40 代・男性)など、都内とは雰囲気が異なる街並みや独自の歴史・文化が好評を集めた。第3位は「武蔵小杉」となった。同エリアにはタワーマンションが集中しており、「再開発が進み商業施設が充実。交通が便利。資産価値にも期待」(20代・女性)、「都心にも横浜、川崎にもアクセスしやすく、スーパーや公共施設など生活の利便性も高い」(30代・男性)など、マンションが集中することで生活利便施設も充実し、暮らしやすさが向上していることが評価されているという。「借りて住みたい街」の第1位は「池袋」となった。同エリアにはJR各線のほか地下鉄3線と西武池袋線、東武東上線が乗り入れており、都内から埼玉各方面への玄関口として支持を集めた。公共施設やデパート、大学や専門学校などの教育機関、家電量販店、飲食店、日用雑貨店など、生活に必要なものがそろう環境も整っているとのこと。また、駅勢圏にあるアパートの月額平均家賃も、単身者向け(25平方メートル換算、以下同様)で9万円台、ファミリー向け(50平方メートル換算、以下同様)で12万円台と周辺の駅の家賃相場と大きな差異がなく、割安感があると考えられているという。第2位は「買って住みたい街」でも3位にランクインした「武蔵小杉」だった。駅勢圏にあるアパートの月額平均家賃は単身者向けで7万円台、ファミリー向けで12万円台と、人気の高さの割に平均的な相場観が形成されているとのこと。第3位には「買って住みたい街」ランキングトップの「吉祥寺」がランクインした。良好な交通&生活利便性に加えて、落ち着いた街並みや緑の多さ、起伏がなく移動が容易であることなどが支持を集める要因となっているという。ただし、駅勢圏にあるアパートの月額平均家賃は単身者向けで9万円台、ファミリー向けで15万円台と、東京都下に位置するJR中央線の駅では最も高水準となっているとのこと。
2015年03月20日年度末にもなり、就職や転職、転勤で引越しをされる方も多いのでは。いまはインターネットで部屋探しをする時代。でもいろいろなサイトがあって、どれで探したらいいのかわからなかったり、条件に合う物件が少なかったり…。そこで今回は、不動産サイト運営会社に勤めていた筆者が、おトクにお部屋探しができる不動産サイトと賢い物件探しのノウハウをご紹介します。まずは、ちょっとおトクでエッヂの効いた不動産サイトからどうぞ! 仲介料無料でおトクに! 「ヘヤジンプライム」ヘヤジンプライムでは、東京23区すべての賃貸物件が「仲介手数料無料」で探せることができます。一般的に仲介業者に物件を紹介してもらうときは、仲介料という手数料が発生するのですが、こちらのサイトでは仲介料がかからないそう。これなら初期投資をかなりおさえることができます。ちなみにサイトで部屋探しをする際には、無料の会員登録が必要です。有料会員になると、不動産屋でしか見られない物件も閲覧することができます。とことん部屋探しをしたい方は有料登録してみてもいいかも。・ヘヤジンプライム 公式サイト 1万円分のクーポン券をもらっておトクに! 「ヴィレッジ不動産」遊べる本屋「ヴィレッジヴァンガード」が運営している不動産サイトがあるのです。特徴はキーワードから検索すること。キーワードも、「メゾネットが好きなの」「アートのある部屋」と、ちょっと個性的。試しに検索すると、「え!こんな部屋があるの!?」という驚きや発見があります。物件の取材記事もあるので、ネット上で部屋の詳細まで知ることができますよ。契約すると、ヴィレッジヴァンガードオンラインストアで使える10000円分のクーポン券がもらえておトクです! ・ヴィレッジ不動産 公式サイト おしゃれなリノベーション物件でおトクに! 「good room」「good room」では東京・大阪・名古屋のリノベーション物件を中心に紹介。加えて、オリジナルリノベーションブランド「TOMOS」を展開しています。「こんな部屋に住みたかった!」と言いたくなるような全室無垢フローリング、白いタイルの玄関、収納たっぷりのキッチンなど、カフェのようなオシャレな物件ばかり。自社で工事まで行っているため、入居者のカスタマイズ要望にも対応してくれるとか。まだ引っ越す予定がない人も、眺めているだけで楽しいサイトです。・good room 公式サイト シェアハウスでおトクに! 「オシャレオモシロフドウサンメディア ひつじ不動産」初めての一人暮らしをする場合は引っ越し費用以外に家具・家電などもそろえなければならず、初期投資は膨大に。それに普通のひとり暮らしはなんだか寂しいし、つまらない。そんなとき、シェアハウスはいかがでしょうか。「ひつじ不動産」は、シェアハウス専門のポータルサイト。共用部の家具・家電などはシェアですが、そうすることで海外セレブのような広くてオシャレな部屋にも住めちゃうのです。最近のシェアハウスは設備も充実していて、住み心地もぐんと向上。都心に集中しているので通勤時間も大幅にカットできちゃうかも。全員が筋金入りのシェアハウス経験者というスタッフさんが、掲載物件をひとつひとつ現地で確認している安心感が大きなポイント。ユーザーの7割以上が女性ということで、豪華なパウダールームなどを備えた女性専用のシェアハウスも充実しています。今まで「シェアハウスは…」と敬遠していた人ほど、ぜひチェックしてみてください。・オシャレオモシロフドウサンメディア ひつじ不動産 公式サイト お気に入りのサイトは見つけられましたか。情報は定期的に更新されるので、すぐに引っ越す予定がない方もいい物件がないかつねに探しておくといいかも。続いては、賢い物件探しのコツをお教えします! 賢い物件探しのコツ■敷金なしにはこだわらない検索時に、「敷金なし」にチェックしてしまいがちですが、ここはチェックを入れないほうがいいですよ。「敷金」とは家賃滞納時や、退去する際の修復費用に使われるもの。入居当初はお金を払わなくても、退去時に払わなくてはならない可能性があります。退去時にお金がかかるよりかは、最初に払っておいたほうがいいかも。■築年数にはこだわらないつい新築を選びたくなってしまいますよね。でも築年数が長いものは、内装をリノベーションしていることもあります。リノベーションとは、築年数が古い物件を、デザイン性などの付加価値をつけた部屋に改善した物件のこと。そのため外観などは古いままなのですが、内観はオシャレなものが多いのです。しかも一般的に新築の物件よりも家賃相場が1~2万円ほど安く借りることができおトク。■こだわり条件を入れすぎないフローリング、エアコン、風呂・トイレ別、室内洗濯置場、温室洗浄便座、独立洗面台など、女性なら物件に対してこだわりがあるはず。しかし不動産サイトの多くは、街にある不動産屋が手入力しています。当然、人間が行う作業なので入力時に漏れがある場合も…。「フローリング」「エアコン」など半ば当たり前のようなものには、一度チェックを入れないで検索してみるのもアリ。■物件名がきちんと掲載されているものを選ぶ物件情報の中には「港区南麻布3丁目付近」などと物件名をしっかりと表記していない場合もあります。賢くお部屋探しするならば、できるだけ物件名を公開している情報を選ぶのが良いですよ。そのほうが、情報として信憑性が高いからです。筆者も昔は、条件を入れ過ぎでなかなか欲しい情報に辿りつきませんでした。絶対条件以外は、あまり絞らず検索してみましょう。そうすると検索結果も増えますし、あとは家賃がどうかなどで判断すると良さそうです。いかがでしたか? ぜひお気に入りの部屋をおトクに賢く見つけて、楽しい新生活を送ってくださいね。
2015年03月16日野村不動産アーバンネットはこのほど、「住宅購入に関する意識調査(第8回)」の結果を公表した。同調査は、不動産情報サイト「ノムコム」PC会員を対象に6日~13日にインターネットを通じて実施。1,766人から有効回答を得た。○不動産、今は買い? 待ち?不動産について、「買い時だと思う」「どちらかと言えば買い時だと思う」を合わせ53.5%が「買い時」と回答。前回調査(2014年7月)とほぼ同結果(0.1ポイント増)となった。一方、「買い時だと思わない」の回答は23.8%で、前回調査から3.6ポイント増加した。「買い時だと思う」理由については、「住宅ローンの金利が低水準」が最も多く73.4%で、前回調査から17ポイント増加。以下、「今後、10%への消費税引き上げが予定されている」が41.5%(前回比0.6ポイント増)、「今後、不動産価格が上がると思われる」が34.2%(同12.5ポイント減)、「購入する上で税制などのメリットある」が21.5%(同3.2ポイント増)と続いた。不動産の価格については、「上がると思う」が39.6%と、前回調査から4.6ポイント減少した。一方、「下がると思う」は16.8%で、前回調査から5.2ポイント上昇した。住宅ローン金利については、「ほとんど変わらないと思う(低金利が続く)」が最も多く48.9%と前回比で9.6ポイント増加。「金利は上がっていくと思う」の回答は、30.8%と前回比で13.9ポイント減少した。全体の77.6%にあたる中古住宅購入検討者に対し、「購入時にリフォームすることを考えるか」と聞いた。その結果、「考えている」いう回答が75.3%となった。
2015年01月30日ナショナルオーストラリア銀行(以下NAB)はこのたび、毎四半期に実施しているオーストラリア住宅不動産市場に関する調査で、外国人の購入で最も多かったのは50万~100万豪ドル(約4,700万円~9,500万円)の物件で全体の40%、29%は50万豪ドル未満の物件を購入しているとの結果を発表した。NABのプライベートウェルス部門、アジア地区のゼネラルマネージャー兼、南アジア・東南アジア地区不動産ファイナンス部門のアンドリュー・マカスカー統括責任者によると、「特にアジアの投資家を中心とする外国人投資家の大半は、個人の資産ポートフォリオを分散するためにオーストラリアの不動産に投資しているようです。この分散投資戦略の一環として、香港やシンガポール、中国、日本の賢明な投資家は、資産全体の一部を少しずつ外国資産に分散し始めており、オーストラリア不動産の50万~100万豪ドル(約4,700万円~9,500万円)の価格帯にこれほど妙味を感じているのもそのためです。オーストラリアに初めて進出する海外の買い手も多く、そうした投資家は保守的ですが、海外不動産への関心は高まっています。例えば、弊行の日本における住宅ローン貸付額は第4四半期に約30%増えました。これは、日本の投資家の間でオーストラリア不動産への関心が高まっていることを意味します」とコメントしている。またNABの調査によると、オーストラリア全体で、外国人による購入物件の半分(53%)がマンション等の集合住宅、3分の1(31%)が一戸建て住宅、残り(16%)が再開発物件だったという。マカスカ-氏は、マンション等の集合住宅の人気が高い理由の1つは、オーストラリアの規制環境が外国人購入者にとって新規の集合住宅購入を容易にしているからだと指摘。 さらに、アジアの投資家がオーストラリアの物件を買う理由の1つとして、彼らの子どもたちにオーストラリアで高等教育を受けさせるため、あるいは将来、家族が移住する可能性を見越して住宅を確保するということが挙げられるとしている。オーストラリア政府教育省によれば、2014年の留学生は前年比12%増で、マカスカー氏は「海外からの留学生の増加に対応するため、キャンパス内やその周辺に住む留学生を対象とした新たな住居用施設の開発が進んでいます」とも述べている。調査データによると、第3四半期に比べ、ビクトリア州を除くオーストラリアの全州で外国人購入者による活動は低下しているという。ただ、ビクトリア州では外国人購入者が全売上高に占める割合は32.5%(3分の1)と、過去最高となっているとしている。ビクトリア州ではこの数年、住宅不動産の在庫が大幅に増えており、アジア向け販売を促進している。ニューサウスウェールズ州、特にシドニーでは住宅在庫数がビクトリア州に多少後れをとっているが、今後18カ月間はシドニー地区の供給が増えると予想されるため、両州における格差は縮まるという。マカスカ-氏は、「シドニーも注目される市場となるでしょう。というのも、多くのアジアの開発業者が中古のオフィスビルを買い取り、それを居住用の集合住宅やホテルに再開発しているからです。こうした開発業者は既に香港やシンガポール、中国、日本で投資家の大きなデータベースを持っており、開発後の物件をアジア全体で販売するためにそれを活用すると考えてもおかしくありません。豪ドルが現行水準にとどまるか、あるいはさらに下落するならば、オーストラリアの投資用物件はアジアの投資家にとって妙味ある価格水準が続くでしょう。さらに、オーストラリアとアジア各国との二カ国間協定によって、各国との貿易が強化・深化するだけでなく、妙味ある投資先としてオーストラリアが脚光を浴びることになると思われます」とみている。日本はオーストラリアにとって依然として第2位の貿易相手国であり、またオーストラリアの最大輸出市場の一つであることから、ナショナルオーストラリア銀行の在日代表対馬康平東京支店長は、15日に発効した日豪経済連携協定(JAEPA)は、オーストラリアの産業界だけでなく、オーストラリアへの投資を考える日本の投資家にとっても、今後画期的な機会を意味すると語っている。また「特に最近発効したJAEPAによってオーストラリアと日本との間の関係と経済協力が強まることが予想される今、アジアからオーストラリアへの資金流入が減っている、あるいはストップしているという兆しはまったく見られません。JAEPAは両国経済にとって大きな利点を提供するだけでなく、オーストラリア市場と個人的な投資機会に対する認識を高めるものと思われます」とも述べている。
2015年01月29日飼い主のいない猫の保護や飼育希望者への譲渡などの活動を行う、東京キャットガーディアンがプロデュースする不動産ポータルサイト「しっぽ不動産」がスタートした。ペット可物件や猫付きマンションなどを案内している。○猫付きマンションや猫付きシェアハウスも同サイトは、ペット歓迎の物件を集めたポータルサイト。サイト名の"しっぽ"は、「しっぽのある動物たちと人間が幸せに暮らす毎日を」というコンセプトにちなんでいる。「犬猫OK」「猫OK」「犬OK」な物件のほか、猫付きマンションや猫付きシェアハウスも紹介している。また、「ペット可」という条件だけではなく、賃料別、地域や沿線別で物件を探せるように整理されている。「2階以上」「角部屋」「床暖房」「築浅」といった条件別でも検索可能とのこと。
2014年11月12日ダイエット本を買うと、たくさんのエクササイズやダイエット方が紹介されていて、どこから始めたらイイのかわからないですよね。1日にそんなにたくさんのエクササイズもできないし。そんな時に、どのエクササイズをチェックするのが良いかを、ヨガインストラクターの著者がご紹介します。■チェックしたいのは3つの部位に関するエクササイズダイエット本やトレーニングの本を買った時にチェックしておきたいエクササイズは、身体の部位で3つに分けることができます。その3つとは、「背中」「太もも」「胸」。これらに注目する理由は2つあります。1つ目は、様々な筋肉の中でも比較的大きな筋肉であるということ。筋肉は、脂肪を燃やしてくれる働きをするので、大きな筋肉をしっかりと鍛えることで、より効率的に脂肪を燃やすことが可能になります。2つ目は、大きな筋肉なので、小さな筋肉を動かすエクササイズに比べて疲労とカロリー消費が大きく、そして早いからです。先に小さな筋肉を動かすエクササイズを行なってしまうと、後から大きな筋肉を動かすエクササイズに取り組む気がなくなってしまい、結果的に効率が悪くなってしまいます。それでは、チェックしておきたい3カ所について、詳しくご紹介します。■1.背中のエクササイズ某モデルさんが「私は背面を鍛えるようにしています。」と言われていました。理由は「背面には神経がたくさん通っているから、背面を鍛えないとやせない」とのこと。背面というのは、背中やお尻、太ももの後ろなどです。特に背中は、後ろから見た時にキレイな印象を与えられるかどうかが決まる場所。仕事中の姿を後ろや横から見た時に猫背で首が前に出ていると、せっかく顔がキレイな方でも印象は台無しです。■2.太ももやお尻のエクササイズ背中同様に大きな筋肉であり、相手に与える印象を左右するのが太ももやお尻の筋肉です。現代では歩く機会が減ってしまったため、意識して鍛えておかなければ年をとった時に歩けなくなってしまうほど、現代人は昔の人に比べると足腰が弱くなっています。一般的なエクササイズだとスクワットがありますが、太ももやお尻周りの筋肉を鍛えるエクササイズは、おなかの引き締めにも効果的なものが多いのもオススメポイントです。■3.胸のエクササイズ胸の筋肉は、鍛えることでバストアップが見込めます。胸は脂肪でできていますが、胸のエクササイズを行なうことで、脂肪がついている土台を持ち上げることできます。つまり、カップ数を増やしたり、垂れ気味な胸を引き上げることが可能です。最も一般的な胸のエクササイズは腕立て伏せです。腕立て伏せはキツいと感じる女性が多く、最も苦手とされているエクササイズでもあります。ですが、膝をついて行なったり、腕の幅や位置を変えて行なうことで負荷を軽くして行なうこともできます。■おわりに忙しい毎日の中で、少しでもトレーニングしてみる時間ができたなら、まずはこの3つのトレーニングから始めるのがオススメです。くれぐれも怪我のないように気をつけて行なってください。(栢原陽子/ハウコレ)
2014年10月07日学芸出版社は10月1日、『全国のR不動産ーー面白くローカルに住むためのガイド』を刊行する。○全国のR不動産メンバーが紹介同書は、全国のR不動産メンバーによる、その土地ならではの魅力やおすすめエリア、物件の紹介、移り住んだ人々へのインタビューなどで構成されている。移住を考えている人に加え、自分のまちの魅力を発見・発信したい人や新しい働き方・住み方を探りたい人などが参考にできる情報を集めた。著者は、東京R不動産、稲村ヶ崎R不動産、金沢R不動産、大阪R不動産、神戸R不動産、福岡R不動産、鹿児島R不動産、山形R不動産となっている。A5判で144ページ、オールカラー。価格は、1,600円(税別)。
2014年09月26日「 マイホームは、今、本当に買いなの? 」という問いの答えはYES。でも、後悔しないマイホーム選びをするためには一定の知識が必要だ。どんなことを知っておく必要があるのか? 引き続き、不動産のプロ、長嶋修さんに伺った。■その1 マイホーム関係の税金軽減制度を知る国は各種支援策で、マイホームの購入を支援している。支援策の内容を知り、上手に使いこなすことで、税金を安くしたり、ライフプラン作成に役立てよう。■その2 景気によって不動産価格は大きく変動する「住宅の価格というのは、200~300万円なんて平気で上下動するんですよ。とりわけ新築市場は、イメージでいうと築地の市場のようなもの。“今日は魚が大漁”とか“野菜がたくさん採れちゃった”といったノリで、供給数に対して買う人が少ないと、相場は下がります」と、長嶋さん。不動産価格は、私達が思っているよりも“生物(なまもの)”なのだ。それだけに不動産価格の変動を知るために、世の中の様子に敏感になる必要がある。どんな局面だと、住宅価格はどうなるか? ザックリ押さえておこう。■その3 中古市場は物件の見極めが重要年々、中古住宅への関心は高まっている。周囲にも、新築ではなく、敢えて中古住宅を選ぶ人が増えているのでは? 中古住宅は、消費税がかからないケース(売主が個人の場合)もあるので、増税も追い風となるかも。「中古住宅を買って住むというトレンドは、今後も続いていくでしょう」と、長嶋さん。中古住宅を購入する時は、物件の見極めが重要だ。「プロの視点で見ると、中古住宅の品質はピンからキリまであります」。今までは、中古住宅については「25年経ったら、住宅の価値は一律0円になる」とされていた。今後は、「資産性の高い中古住宅」「資産性が0に近い中古住宅」、その差が出てくる。この大きな流れの変化は、是非とも知っておきたい重要事項だ。特集 マイホームは、今、本当に買いなの?【住宅購入のポイント特集1】 マイホーム選びは立地が全て【住宅購入のポイント特集3】 マイホーム勝ち組になるための3つのチェックポイント【住宅購入のポイント特集4】 参考/ 「これから3年 不動産とどう付き合うか」(日本経済新聞社) 長嶋修(著) 本体¥1,400+税
2014年07月27日東京スター銀行は10日、幅広い資金ニーズに対応可能な個人向け「スター不動産担保ローン」の取り扱いを開始した。「スター不動産担保ローン」は、申し込み時の年齢が満20歳以上69歳以下の人で、完済時の年齢が84歳以下の人であれば利用できる、使いみち自由のローン(事業性資金を除く)。自宅のリフォームや家族の教育資金、結婚資金などへの利用はもちろん、現在利用中の不動産担保ローンからの借り換えや、現在借り入れ中の複数の消費者ローンをまとめて1本化することも可能。金利は4種類(変動・固定3種)から選択可能で、金利帯もそれぞれ3%台からと、現在他のローンを利用中の人にとっては、同商品に借り換えることで毎月の返済負担を軽減できる商品になっているという。同行はこれまでも、おまとめローンやのりかえローン、リバースモーゲージなど、顧客本位の発想で数々のユニークな商品を開発してきたという。今後も企業理念である「ファイナンシャル・フリーダム~お客さまをお金の心配から解放する~」に基づき、付加価値の高い商品・サービスの提供を目指していくとしている。
2014年03月11日三越伊勢丹と三井不動産は21日、再開発が進む日本橋にて三井不動産が手掛ける高級賃貸レジデンス「パークアクシスプレミア日本橋室町」において、両社が連携した初めてのサービスをスタートさせると発表した。「パークアクシスプレミア日本橋室町」は、低層部に「COREDO室町2」「TOHOシネマズ日本橋」がオープンする複合ビル、「室町古河三井ビルディング」の最上階4フロア(18~21階)を占める54戸のラグジュアリー賃貸住宅。最上階4フロア(18F~21F)屋上庭園やロビーラウンジ、最高3.0mの住戸内天井高、エネルギーマネジメントのスマート化など、「パークアクシス」の中でも最高水準の居住性能を誇る。居住者向けの新サービスは三越日本橋本店によって提供される。住宅専属コンシェルジュと三越との連携により、買物の相談やお手伝いをはじめ様々な要望にきめ細かく答える「日本橋三越御用聞きサービス」がその中心。家事代行・お食事宅配・オーダーメイド旅行企画など上質な暮らしに便利なコンテンツを取り揃えた有料サービスメニュー、カルチャーサロン入会優待や三越劇場優先予約等のサービスなども提供される。
2013年11月23日「不動産鑑定士」は、文字通り土地(の価格)を評価できるという資格です。受験する人が多く、また合格者の少ない「狭き門」であることが知られています。この不動産鑑定士の資格はつぶしが利くものでしょうか?不動産デベロッパーに聞いてみました。■役に立つのは「相続絡みの鑑定」!――「不動産鑑定士」の資格はつぶしが利くものですか?ええ。つぶしの利く免許だと思います。――どんなときに役立つのでしょうか?「相続」絡みで土地の売買を行うときなどが代表的なケースです。その土地の「評価額」を税務署に提出しなくてはならないんですよ。実際、そこで税金が決まるわけですからとても大事です。不動産鑑定士はその「評価額」を決め、公的機関に提出することができます。――ぶっちゃけて言うなら、有利なように土地価格を評価できるということですか?そこまでは言い過ぎですが(笑)。国の「公示価格」というのがありまして。土地を取引する際には「この価格を参考にするように」というものです。そこからむちゃに外れてということはあまりできません。ただし公示価格というのは、あくまでも参考価格であって、その価格で取引ができるとは限りません。売り主さんが「もっと高値でしか売らない」と言えばそれまでですし。――鑑定士であれば、「適正価格」を提示できるというわけですか?と同時にある意味ハクが付くわけです。「鑑定士さんがこういう価格を提示しているので」と。鑑定士さんの作成した書類は公的機関で通用しますので。エビデンスに使えるといいますか。■開発部署にいたら重宝する免許――不動産会社に勤めていても、役に立つ免許ですか?それは部署によります。私は営業部なので必要ないといえば必要ないですが。例えば、「土地活用」「不動産のコンサルティング」などを担当する部署などでは重宝します。というのは、先ほどのように「相続絡みでその土地をどうするか迷っている人」がいるとしましょう。その方に、「今、土地はこのぐらいの価格」ですので売却しましょう、などという提案をする場合に「土地の評価額」を提示しなければなりません。不動産鑑定士の免許を持っていれば自分でもできますから。――なるほど。公的機関に提出できる審査書を作成できることは大きな意味があります。――例えば、個人で不動産鑑定士の免許を持っていて、「この土地の鑑定書を作ってください」といった依頼が来ることはあるのでしょうか?はい。不動産業者からもそうですが、税理士さんからそういった依頼が行くことも普通にあります。相続の際の「相続税対策」で出番が多いでしょうね。――そのときにどのくらい報酬がもらえるものでしょうか?20万円~30万円といった報酬が普通だと思います。弊社でも外部でお願いしている鑑定士さん、おられますよ。というわけで、不動産業者さんから見ると「不動産鑑定士」の免許は「つぶしの利く免許」のようです。これから、人口の多い日本の高齢者が「相続問題」に直面します。鑑定士の出番は増えるのかもしれませんね。(高橋モータース@dcp)
2013年04月06日不動産屋さんにも「今月末までに5軒売ってこーい!」みたいなノルマはあるのでしょうか?また、あったとすればノルマ達成できないと何かペナルティーはあるのでしょうか?不動産業者に聞いてみました。――不動産業界って販売のノルマみたいなのはあるのでしょうか?ノルマというのはうちの会社ではないのですが、ほかの仲介会社さんで、「販売の委任をどれだけ取るか」というノルマがあるところがあります。――オーナーさんから物件をどれだけ任せてもらえるか、ってことですよね?そうですね。そういった委任をどれだけ持ってくるかノルマが課せられているところがあります。――売上金額のノルマはありますか?もちろんあります。売り上げや契約本数ですね。ノルマという厳しいくくりではありませんが、目標として金額を設定している会社も多いですね。まぁ会社員なので当然といえば当然のことなのですが……(笑)。――そういったノルマや目標は単純に売上金額だったりするのですか?私の会社の場合は、利益ですね。どれだけの値段で買って、どれだけの値段で売れたか、です。もちろん、単純に売上金額をノルマや目標にしているところもあります。――もし利業利益が足りない場合だと、なんとか大きな金額の物件を売って一発逆転!なんてことも?あります(笑)。また、不動産の場合、回収するまでに時間がかかるので、キャッシュフローをちゃんと考えて動かないとえらいことになります。――もしノルマに届かなかった場合、どうなりますか?一応サラリーマンなので叱責されたりはしますが、大きなペナルティーを受けることはあまりないでしょう。もちろん、度が過ぎれば会社から何らかのお達しがありますけど。ノルマ制のところでも、達成できなければ給料カットとか即解雇などはないと思いますよ。――ノルマ達成でお給料アップとかはないのですか?私の場合は固定給なのでそういったものはないです。なので基本的には達成しても上がりもせず、達成できなくても下がりもせず、ですね。ただ、中には歩合制の会社もあるので、成績が悪いとお給料が少ない……といったケースもあるそうです。――なるほど。不動産の世界でも、そこまでハードなノルマや目標はないんですね。そうですね。一般の営業職とほぼ同じだと思ってもらえるといいです。ただ、扱っているモノの額が額なので、目標金額とかもウン千万とかウン億円なんですね。慣れると大丈夫なんですが、当初は金銭感覚がおかしくなりそうでしたよ(笑)。――それは普通の仕事をしていると分からない感覚ですね。大きな金額が動く不動産業界なので、ノルマとかいろいろ厳しいのかと思っていましたが、そこまでではないようです。「なんだか他業種より厳しそう……」と思っていたので意外でしたね。(貫井康徳@dcp)
2013年03月25日バブルの時代には大変に羽振りが良かった不動産業。お金に直結した商売なので「儲かる商売なのでは?」と思われがちな不動産屋さんですが、本当にそうなのでしょうか。不動産屋さんに聞いてみました。■「ゼロから不動産屋」は難しい道!――不躾(ぶしつけ)で恐縮ですが、不動産屋は儲かるのでしょうか?大変難しい質問ですね。これはどの業種でもそうでしょうが、儲かっているところ、儲かっていないところがあります。不動産屋だから儲かるということではありません。現在はそれほど景気は良くないですよ。――例えば、これから不動産屋を始めるんだ! という人がいたらどうでしょうか?「ゼロから不動産屋を始める」という話でしたら、難しいのではないかと思ますが……。――なぜでしょうか。現在はやや供給過多の状態で、物件が余っているという状況です。その中で各不動産屋が「借り主さん」「買い主さん」を見つけようと激しい競争をしています。そこにゼロから始めるというのは相当なリスクではないでしょうか。特別なものがあれば別ですが。――特別なものといいますと?例えば「誰もが欲しい土地」とか「良い物件」を多数持っているとか……「大地主」や「大手企業」との人脈を持っているとか、ですね。本当に競争の激しい世界ですので、そういった好条件がないと難しいでしょう。■賃貸物件の仲介手数料だけでは……――街中にある不動産屋さんは儲かるんでしょうか?昔からその街で不動産屋を営んでいると、大家さんとも懇意で良い物件をたくさん押さえているということが多いでしょう。その場合には、仲介手数料が一定量きちんと見込めますから、収入は安定しているでしょう。ただ、儲かっているかどうかは別問題ですね。――なぜですか?「食べていけてる」というのと「儲かっている」のは違いますでしょ? 正直に言いますと、賃貸物件の仲介手数料だけだと「儲かる」ところまではいかないと思います。特にその街に根ざして営んでいる不動産屋の場合、物件の数もそれほど多くはないですし。仲介手数料だけの商売となると「数」が勝負になっちゃいますので。やはり物件の売買、土地に投資してそれを売るなどしないと「儲け」が大きくはならないですね。でも投資するとリスクが大きくなりますので……。――それで失敗する不動産屋さんもあるんですか?もちろんです。皆さん気が付かないかもしれませんが、倒産や夜逃げなどの多い業種でもあるんですよ(笑)。■不動産会社に勤めていると……――不動産会社に勤めている人はどうでしょうか? 給料は多いでしょうか。それはサラリーマンですので普通の会社員と変わらないでしょう。もちろん一部上場の不動産業種の会社であれば給料はいいと思いますが、不動産業種だから飛び抜けて高額ということはないと思います。あと、不動産業はとても景気に左右されやすいので、その点は他の業種よりも不利ですね。――景気に左右されますか?大きく左右されます。すぐに物件の動きが止まったりしますし。開発した物件が売れ残ったりすると頭抱えますよ。不動産業で儲けようとすると、複数の優良物件を持ってきちんと運用、投資案件もうまくやり抜くという「資産と才覚」が必要とのこと。景気にも左右されやすい、競争の非常に厳しい世界だそうです。(高橋モータース@dcp)
2013年02月09日うちナビが運営する不動産賃貸仲介ショップ「うちナビ」は、全店舗の接客風景を生中継する検索サイトを12月20日に公開した。この取り組みは不動産業界では初の取り組みになるという。同サイトのコンセプトは、”「人で探す」お部屋探し”。不動産業界で一部もたれがちな「怪しい」「怖い」というイメージを解消し、より安心・信頼して物件探しができるよう、全店舗の接客風景を生中継する(※)。ほかにもスタッフ紹介、スタッフが勧める賃貸情報といったコーナーも設ける。また、物件探しに満足できた人を紹介する「お客様の声」コンテンツのコメントも1,800名を超えており、今後も引き続き更新するとのこと。※接客風景の生中継では、音声や顧客の映像は個人情報保護のため一切配信しない【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月21日さくら事務所創業者・代表で不動産コンサルタントの長嶋修氏は17日、「財政政策と金融緩和で円安・株高。自公圧勝で不動産はどうなる?」と題したニュースレター『さくらだより』号外を公表した。同ニュースレターによると、12月16日に行われた衆議院議員選挙は自公が300議席超えと圧勝、安倍総裁はさっそく、経済再生へ対策を打ち出すとして「緊急経済対策を策定し大型補正予算の編成」「2パーセントの物価目標達成に向け、来年4月の日銀総裁人事については物価目標に賛成者を人選」などを行うとしている。10兆円規模と想定される補正予算は1月中に国会提出される見込みで、物価目標達成のための具体的な金融緩和はすぐにでも着手、遅くとも4月総裁人事で本格化。経済財政諮問会議を復活させ日銀総裁にも出席を求めるほか、日銀法改正にも言及している。安倍総裁のこうした方針が打ち出された選挙前からすでに「円安」「株高」を予想した市場は大きく触れている。ここから思い切った財政政策・金融政策がとられることになれば、「不動産市場にもマネーが流れ込み、資産価格の上昇に向かう可能性が高まった」(長嶋氏)。インフレ時には金や不動産など実物資産の価値が増加し、実物以外の金融資産の信認が低下する。選挙以前の不動産市場動向は、東京都心部でオフィス空室率の悪化に底入れの兆しが見えるほか、シンガポール政府系や米大手が上場時の物件取得額2000億円規模の上場を予定しているなど、マネー流入の具体的な動きも出ているという。「REITやファンド市場、またそれらに連動しそうな前述した不動産などは、受け入れ体制が整っているといえる」(同氏)。ただし、「不動産市場の中でも、上昇する可能性があるのはこうした物に限られるものと思われる」(長嶋氏)。長嶋氏によると、具体的には「REIT」や「ファンド」、またそれに連動するような立地や種別の物件、たとえば都心3区や5区のなかでも駅近の優良立地などに建つマンション。タワーマンションのうち地域のランドマーク。高級住宅地などが考えられるという。それ以外の、たとえば大半の住宅市場などについては、「むしろ下落圧力がかかるものと見ている」(長嶋氏)。その理由について長嶋氏は、「『財政政策』や『金融政策』は、あくまで経済再生の補助的な役割に過ぎない」とし、「そもそも日本経済は高度成長を終え失われた20年を過ごし、給与所得者の給与が低下しデフレが続いてきたが、その原因は『社会の硬直化』にあるから」としている。長嶋氏によれば、「少子化・高齢化」「経済成長率低下」の下で「既得権益体制」や「産業構造」「雇用構造」「社会保障体制」に変化をもたらすことなしに、経済の「潜在成長率」は高まらないといい、見方によっては、自民党政権の財政政策や金融政策は、「たんに将来に負担を先延ばしにしているだけ、長期的にはマイナスとも言える」(同氏)。「各種の構造改革を行うことと同時に、その補助的な政策としての財政政策・金融政策がとられない以上、大半の不動産には下落圧力が高まるだけ」(同)としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月17日知人の不動産屋さんが、「いいお客さんには、いい部屋を見つけてあげたいと思う」と話すのを耳にし、「いいお客さんとはどういう人?」と気になりました。そこで、『不動産屋は見た!~部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文朝日奈ゆか、漫画 東條さち子東京書籍)というコミックエッセイの主人公のモデルとなった不動産アドバイザー・穂積啓子さんにお話を伺ってみました。■オーナーもいい入居者を待っている「この人ならいい部屋を見つけてあげたい、と思うことはありますか」という問いに、穂積さんはこう答えます。「もちろん、あります。どのような仕事でもそういう感情はあるでしょうが、部屋探しは特に、お客さんにとっては生活の快適さを左右する大きな買い物です。同時にそれは、オーナー側にも言えることなんです。入居が決まると長いお付き合いになるわけで、オーナーはいつもいい入居者さんとのご縁を待っています。不動産屋は入居者とオーナーをつなぐ仲介人ですから、『いい人をいいオーナーに紹介する』ために、いいお客さんに会いたいと常々考えています」■真剣に部屋を探しているかどうか次に、親身になりたいと思うお客さん像について具体的に尋ねました。「『真剣に部屋を探されているかどうか』がネックです。初めての電話やメールでのお問い合わせ、店頭への飛び込みの方の場合、自分の情報をオープンに教えていただける、希望条件を明確に伝えてくださる方からはその真剣さが伝わってきます。こちらは仕事として本気で向き合いますから、冷やかしやひまつぶしで内見を希望する、ほかで決めているのを隠している、かなり先の予定である場合など、真剣ではないなということはたいてい分かります。お問い合わせがあれば、氏名、住所、電話、年齢、職業、転居の目的、ご予算、部屋の希望条件をたずねる、あるいは用紙に書いていただきますが、あまりにあやふやだったり、連絡先を記さなかったりする人はちゅうちょする何らかの理由があると判断します。真剣な人とは、ビジネスに直結するわけですから、不動産屋もいい仕事をしようという気になります」(穂積さん)■場所や間取り、家賃などの希望条件が明確である「探したい部屋のイメージが具体的にある方は、ある程度の情報を集めておられるようで、時間を割いて探されているのだなと感じます。『エリアのご希望は?』、『ご予算は?』、『間取りは?』など質問をしても『はー?』、『えーっと……』と、何も答えない方の場合は、『まだ探す気がないのかも』、とか、『一人暮らし?彼女と暮らしたいだけかな』などと想像します。部屋探しは動機や目的があってこそすることで費用も必要ですから、希望条件がないとは考えにくいのです」(穂積さん)■希望と予算が見合っているか「希望条件に対する相場を勉強されていると、真剣さが伝わってきます。また、まだ調べておられなくても、こちらのアドバイスを受け入れて勉強される姿勢を見せられる人はやはり本気で探している人だと感じます。一方で、『新宿駅から徒歩5分ぐらいで2LDKで60平米以上で、眺望が良くて閑静で、バストイレは別で浴室乾燥機完備で、築浅で……、予算は6万円』などと、あまりに条件と予算がかけ離れている場合は、不動産屋は、『あ、このお客さんは決まらないな』と察します。どのような部屋を紹介しても、『えー、違う』と次々と断られることが予想できるからです」(穂積さん)■家賃を払ってくれそうか「オーナーにとって最も避けたいのは、家賃の滞納です。希望条件を聞く、職業を聞く、内見をして話をする、という段階を踏む過程で、『家賃はきちんと払ってくれそうか』ということを察します」(穂積さん)■ご近所トラブルを起こしそうにないか「家賃の滞納の次に避けたいのは、ご近所トラブルです。トラブルの原因となる『騒音』、『ゴミ部屋』、『ペット飼育違反』、『また貸し』、あげくには警察沙汰など、引き起こさない人であるかどうかです。ただ、家賃の支払い同様、こればかりは、入居後数年たてばその人の人生は変わるもので、なかなか分からないことも多いのです。どこでどう判断するかというと、初見、内見時、契約時と接するときの『言葉遣いやあいさつをされるか、ため口ではないかなど』、『服装が派手すぎないか、不潔ではないか』、『時間など約束は守られるか、連絡に返事があるか』など、立ち居振る舞いや会話がヒントになってきます」(穂積さん)「ただし……」と最後に穂積さんはこうアドバイスを加えます。「丁寧な言葉で素直にアドバイスを聞かれ、内見時にも『いい部屋ですね』と爽やかに言う人がすっと決まるかと言えば、そうではありません。翌日に、『ほかで決めました~』とこれまた爽やかに断られたりすることも多々あります。あれこれ条件を言う、多くの部屋を内見するなど当初は希望が厳しいお客さんのようでも、『部屋選びにこだわって、真剣に取り組んでいる姿勢』ゆえのことという人は、時間はかかっても最終的にいい部屋を見つけて決められる、という経験識があります。不動産屋にとっていいお客さんとは『紹介した部屋を喜んで決めてくれる人』ではありますが、そうなるためにはお互いに労を惜しまず信頼を築く、というのが理想ではないでしょうか。もっとも、お客さんから見た不動産屋が信頼に値するかどうか……。まずは、これが大事ですが」引越歴6回になる筆者には、うなずける情報ばかりです。「いい部屋を探すにはいい不動産屋さんとの出会いから」とはよく言われることですが、その理由も理解できました。お客の熱意と不動産屋の親身がうまく通じ合ったとき、納得が行く部屋探しができるように思います。監修:穂積啓子氏「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。宅地建物取引主任者。その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た!~部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子東京書籍1,155円)に描かれました。同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。(藤井空/ユンブル)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月28日知人の不動産屋さんが、「いいお客さんには、いい部屋を見つけてあげたいと思う」と話すのを耳にし、「いいお客さんとはどういう人?」と気になりました。そこで、『不動産屋は見た!~部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文朝日奈ゆか、漫画 東條さち子東京書籍)というコミックエッセイの主人公のモデルとなった不動産アドバイザー・穂積啓子さんにお話を伺ってみました。■オーナーもいい入居者を待っている「この人ならいい部屋を見つけてあげたい、と思うことはありますか」という問いに、穂積さんはこう答えます。「もちろん、あります。どのような仕事でもそういう感情はあるでしょうが、部屋探しは特に、お客さんにとっては生活の快適さを左右する大きな買い物です。同時にそれは、オーナー側にも言えることなんです。入居が決まると長いお付き合いになるわけで、オーナーはいつもいい入居者さんとのご縁を待っています。不動産屋は入居者とオーナーをつなぐ仲介人ですから、『いい人をいいオーナーに紹介する』ために、いいお客さんに会いたいと常々考えています」■真剣に部屋を探しているかどうか次に、親身になりたいと思うお客さん像について具体的に尋ねました。「『真剣に部屋を探されているかどうか』がネックです。初めての電話やメールでのお問い合わせ、店頭への飛び込みの方の場合、自分の情報をオープンに教えていただける、希望条件を明確に伝えてくださる方からはその真剣さが伝わってきます。こちらは仕事として本気で向き合いますから、冷やかしやひまつぶしで内見を希望する、ほかで決めているのを隠している、かなり先の予定である場合など、真剣ではないなということはたいてい分かります。お問い合わせがあれば、氏名、住所、電話、年齢、職業、転居の目的、ご予算、部屋の希望条件をたずねる、あるいは用紙に書いていただきますが、あまりにあやふやだったり、連絡先を記さなかったりする人はちゅうちょする何らかの理由があると判断します。真剣な人とは、ビジネスに直結するわけですから、不動産屋もいい仕事をしようという気になります」(穂積さん)■場所や間取り、家賃などの希望条件が明確である「探したい部屋のイメージが具体的にある方は、ある程度の情報を集めておられるようで、時間を割いて探されているのだなと感じます。『エリアのご希望は?』、『ご予算は?』、『間取りは?』など質問をしても『はー?』、『えーっと……』と、何も答えない方の場合は、『まだ探す気がないのかも』、とか、『一人暮らし?彼女と暮らしたいだけかな』などと想像します。部屋探しは動機や目的があってこそすることで費用も必要ですから、希望条件がないとは考えにくいのです」(穂積さん)■希望と予算が見合っているか「希望条件に対する相場を勉強されていると、真剣さが伝わってきます。また、まだ調べておられなくても、こちらのアドバイスを受け入れて勉強される姿勢を見せられる人はやはり本気で探している人だと感じます。一方で、『新宿駅から徒歩5分ぐらいで2LDKで60平米以上で、眺望が良くて閑静で、バストイレは別で浴室乾燥機完備で、築浅で……、予算は6万円』などと、あまりに条件と予算がかけ離れている場合は、不動産屋は、『あ、このお客さんは決まらないな』と察します。どのような部屋を紹介しても、『えー、違う』と次々と断られることが予想できるからです」(穂積さん)■家賃を払ってくれそうか「オーナーにとって最も避けたいのは、家賃の滞納です。希望条件を聞く、職業を聞く、内見をして話をする、という段階を踏む過程で、『家賃はきちんと払ってくれそうか』ということを察します」(穂積さん)■ご近所トラブルを起こしそうにないか「家賃の滞納の次に避けたいのは、ご近所トラブルです。トラブルの原因となる『騒音』、『ゴミ部屋』、『ペット飼育違反』、『また貸し』、あげくには警察沙汰など、引き起こさない人であるかどうかです。ただ、家賃の支払い同様、こればかりは、入居後数年たてばその人の人生は変わるもので、なかなか分からないことも多いのです。どこでどう判断するかというと、初見、内見時、契約時と接するときの『言葉遣いやあいさつをされるか、ため口ではないかなど』、『服装が派手すぎないか、不潔ではないか』、『時間など約束は守られるか、連絡に返事があるか』など、立ち居振る舞いや会話がヒントになってきます」(穂積さん)「ただし……」と最後に穂積さんはこうアドバイスを加えます。「丁寧な言葉で素直にアドバイスを聞かれ、内見時にも『いい部屋ですね』と爽やかに言う人がすっと決まるかと言えば、そうではありません。翌日に、『ほかで決めました~』とこれまた爽やかに断られたりすることも多々あります。あれこれ条件を言う、多くの部屋を内見するなど当初は希望が厳しいお客さんのようでも、『部屋選びにこだわって、真剣に取り組んでいる姿勢』ゆえのことという人は、時間はかかっても最終的にいい部屋を見つけて決められる、という経験識があります。不動産屋にとっていいお客さんとは『紹介した部屋を喜んで決めてくれる人』ではありますが、そうなるためにはお互いに労を惜しまず信頼を築く、というのが理想ではないでしょうか。もっとも、お客さんから見た不動産屋が信頼に値するかどうか……。まずは、これが大事ですが」引越歴6回になる筆者には、うなずける情報ばかりです。「いい部屋を探すにはいい不動産屋さんとの出会いから」とはよく言われることですが、その理由も理解できました。お客の熱意と不動産屋の親身がうまく通じ合ったとき、納得が行く部屋探しができるように思います。監修:穂積啓子氏「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。宅地建物取引主任者。その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た!~部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子東京書籍1,155円)に描かれました。同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。(藤井空/ユンブル)
2012年11月28日